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非言語行動に及ぼす影響

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島根県立看護短期大学紀要 第 12巻 , 103‑112,2006

面接者の地位 と被面接者の対人感情 が被面接者の 非言語行動に及ぼす影響

飯塚   雄一

相手 に対す る好意感情 が視線行動 に及ぼす影響 を次の仮説 によって検討 した。対 人感情包括的「接近一 回避 モデル」 より、被験者が相手 に好意感情 をもつ場合 は、

非好意感情 をもつ場合 よりも、直視量が多いであろう。被験者 は女子短大生 44名 、 面接者 は女子短大生 4名 である。実験計画 は対人感情 (好 意、非好意 )と 面接者の 地位 (高 地位、同地位 )を 独立変数 とす る 2要 因の被験者間計画である。使用 した 測度 は、直視総量 、直祝回数、直視平均時間であった。直視総量、平均時間につい て、対人感情要因の主効果が有意 となった。すなわち、モデルの予浪 I通 り、実験的 に操作 された好意感情 をもつ他者今の直視量が多くなり仮説は支持 された。

キーワー ド:視 線行動、好意感情、面接者、地位、直視総量 要

I.問

二者関係において、他者 に接近機能 をもつ肯 定的な対人感情 がある場合 、即 ち、視線の対人 感情包括的 「接近 一回遊 モデル」 (飯 塚 ,2004)

で接近力が回遊力より強い場合の視線行動 につ いて検討 を加 える。まず好意感情、非好意感情 を実験的に操作 し、 これが視線行動 に及ぼす影 響 を検討す る。従来、好意感情 が視線行動 に及 ぼす影響 を調べるのに、実験的に好意感情 を操 作 し、それ と視線行動 との関連性 を調べ るとい う方法が伝統 的 に主 に使 われて きた。例 えば、

Exline&Winters(1965)の 典型的な研究がある。

これは、まず面接の途 中で面接者が被験者 に面 接 中の被験者 の印象評定 を知 らせ る。「 FF象 が 悪い」 (否 定的評価 )と 告 げ られ た被験者 は、

それ以後の面接で面接者 に向ける視線量が減少 した。また、「 FF象 が良い」 (肯 定的評価 )と 告 げられた被験者 は面接者 に向ける視線量が多 く なった。 この結果は、モデルが示す ように、相 手に好意感情 をもつ場合 は接近力が回避力 より 強 くなるので視線量 が増加 し、非好意感情 をも

つ場合 は回避 力 が接近力 よ り強 くな るので、視 線量 が減 少 す るとい う予測 を支持 して い る。 し か し、 モ デ ル の 予 測 に反 す る研 究 も あ る。

Mehrれ ian(1960は 、役 割 演技 的実 験 で 、 非 好 意感情 を抱 く他者 に対 して男性被験者 は視線量 を減少 させたが、女性被験者では有意差 がなかっ た。 しか し、 この研 究 で は被験者 が役割演技 中 に実際 に好意 、非好意感情 を経験 したか ど うか につ いて は言 及 され て い ないの で不 明で あ る。

和 田 (1986)は 、未知 の者 同士 の男子学生 に実 験 的 に好意感情 を操 作 した。つ ま り、 自己紹介 後 に相互 の第一

F日

象 を評定 し、それ を回収す る。

次 に、 あ らか じめ好意 的か非好意 的 な印象 を与 えるよ うに評定 して おいた対人判断尺度 をお互 いが もった印象 とい うことで示す とい う方法で 操作 した。 その結果 、非好意群 の ほ うが好意群 よ り相 互視量 が多か った。操作 の有効性 は確認 されて い るが  (好 意群 :〃 =4.5qブ F好 意群

:

″← 2,89,7段 階 評 定

)、

第一 印 象 の操 作 で は 好意 、非好意感情 の喚起 は不十分 だ と考 え られ る。 これ らの結果 はモデルの予測 とは逆 で ある。

以上 の よ うに、モデル の予測 と一致 す る結果 と

一致 しない結果 が ある。 そ こで、 この モデル を

(2)

再 検 討 す る必要 が あ る。本 実験 で は まず Byrne (1961)の 態度 の類似 ・非類似 性 に よって好 意 、 非 好意感情 を操作 し、 これ が視線行動 に及 ぼす 影 響 をみ る。 この方法 は ある程度 の相 互 作 用 が あ るので、強 い好意 、非好意感情 の喚起 が期待 で きる。 モデル か ら、相手 に好意感情 を持 つ場 合 、視線量 が多 くな ることが予測 され る。

さて、 日本人の非言語行動 (視 線行動 )に

い影響 を与 えていることが示唆 されてい る重要 な変 数 の 1つ に地位 (status)要 因 が あ る。地 位 は、 日本 人の社会生活 にお け る基本 的 な要素 で あ る (中 根 ,1967)。 そ して例 えば 、 日本 文 化 において は、地位 の低 い者 は高 い者 に視線 を 多 く向 けるべ きではない とい う規 範 もあ る。 し か し、地位要因によって変化す る非言語 的行動 につ いて実証 的研究 も少 な く、明確 な結果 が得 られ てい ない。 そ こで これ を 1つ の要 因 と して 組 み入 れ る。 Loi&Sommer(196り に よ る と、

三者 間 に地位の差 があることは親密 さが少 ない こ とに相 当す る。そ して、同地位者 同士 よ り地 位 の差 が あ る場合 には相手 と離 れ た距離 に座 席 を選 択 す る傾 向 が あ る こ と を見 出 して い る。

Exline(1972)及 び Exline,Ellyson,&Long(1975) は 、地位 の違 いの関数 と して、二者 間の祝線パ ター ンを検 討 した。 その結果 、一般 的 に、地位 の低 い者 が地位 の高 い者 に視線 を向 け る方 が、

その逆 の場合 よ りも多い ことがわか った。 ただ しこの場合 、話者 、聞 き手 とい う役割 関係 を考 慮 す る必要 があると してい る。つ ま り地位 の低 い者 は、話 を聞いている時 に相手 に祝線 を向け、

地 位 の高 い者 は話 を して い る時 に相手 に視線 を 向 け ることを見 いだ してい る。 しか し逆 に高地 位 者 が相 手 に祝線 を多 く向 け る場合 もあ る こと

も報 告 されてい る (Mehrabian,1968,Mehrabiall

&Friar,1969;Fehr&Exline,198の 。 この よ う に祝 線行動 と地位要 因 との関係 は一貫性 があま りな い 。 Ar8yle &Cook(1975)は 、 祝 線 行 動 に及ぼす地位 の効果 は、他 の変数 と関連 (交 互 作 用 )し てい ることを示唆 して い る。例 えば Mehrabian(1960は 、 男 女被 験 者 共 、低 地 位 よ り高 地位 の相手 とよ り多い相 互視 が あ り、 この 効 果 は男性 の方 が大 きい ことを見いだ してい る。

地位 の効果 は、女性 よ り男性 で大 きく、男性 は、

好 意感情 を もつ高地位者 に よ り多 く視 線 を向 け

ることを見 いだ し、性差 との関連性 を指摘 した。

しか し Mehrabianの 実験 で は、被験者 が行動 を 向 け る対象 が実際の人間で はな く、 コー ト掛 け を対象人物 に想 定 す る とい う仮 想 実験 なの で 、 現実 的妥 当性 に欠 け ると考 え られ る。 ボ ン ド・

白石 (1973)は 実際の面接 場面 での地位 が非言 語行動 に及 ぼ す影 響 を検 討 ′ して い る。彼 らは、

2名 の男 子学生 (面 接 者 )の 服 装 と言 語 教 示 (高 地位者 :背 広 を着 た25歳 の大 学院生 :低 地 位者 :セ ー ター を着 た20歳 の大学生 )で 地位操 作 を してい る。相 互祝量 につ いて被面接者 の性 と地位 の交互作用 が見 いだ され 、女性 は低地位 の面接者 より高地位の面接者 との相互視が多かっ たが、男性 は逆 になった。 この研究では、面接 者 は男性 だけなので 、女性被験者 に とって は性 と地位 が混 交 して い る可能性 もある。従 って、

同性 同士 の相互作 用 も検討 す る必要 が ある。

本実験 の 目的 は、実 際 の面接 場 面 において 、 相手 に対 す る好意感情 と相手 の地位 が被験者 の 視線行動 や その他 の非言語 的行 動 に及ぼす影響

を検討す ることで ある。

仮説 1.モ デル よ り、被験者 が相手 に好意感情 を もつ場合 は、非 好意 感情 を もつ場 合 よ りも、

視線行動 が多いで ある う。

と ころで Mehrabian(1960は 男 性 被 験 者 につ いて、好意感情 をもつ高地位者 に対す る視線行 動 が多い ことを見 出 して い る。 また、先 の ボ ン

ド・白石 (1973)の 結果 か ら、次 の仮 説 も検 討 す る。

仮 説 2.被 験者 は、好意感情 を もつ場合 は、同 地位者 よ り高地位者 に対す る視線行動 が多いが、

非好意感情 の場合 、両 条件 間 に違 い はないで あ る う。

Ⅱ .方 法

1.被 験者 と面接者

被験者 は女子短 大生 44名 で ある。面接者 (実

験協力者 )は 被験者 とほぼ 同年齢 の女子短大生

4名 で ある。地位 と年齢 は混交 しない よ うに同

年齢 と した。 なお、面接者 と被験者 とは以前 か

らの面識 はない。高地位 の面接者 、同地位 の面

接者 と して各 2名 ずつ割 り当てた。

(3)

面接者の地位 と被面接者の対人感情が被面接者の非言語行動 に及ぼす影響

隠 しカ メラ

隠 しカ メ ラ

図 1実 験状況

2.実 験計画

対 人 感 情 (好 意 、 非 好 意

)、

面 接 者 の 地 位 (高 地 位 、 同地位 )を 独立変 数 とす る 2要 因の 被 験 者 間計画で ある。 44名 を無作 為 に 4分 し、

「好意・高地位」、「好意 ・同地位」、「 )F好 意 。 高地位」、「 )'好 意 ・同地位」の 4条 件 にそれぞ れ■名の被験者 を割 り当てた。

3.実 験状況

面接場所 は実験室で 3× 3mの 空 間で ある。

面 接者 と被験者 は対面 して、間の机 を隔 てて、

約 1.2mの 距離で座 る。面接者 と被験者 の 間 に 置 いた机の裏側にマイクを隠 しておいた。 また、

2台 の隠 しビデオカメラによって被験者の全身 像 と上半身 を録画 した (図 1)。

4.手 続き

1)教 示 :実 験開始前に、実験者 は被験者 に 次 の よ うな教示 をす る。「今 日ここに来 て頂 い たの は、‖ 福短の学生の生活意識‖ について皆様 方 か ら意見 をお聞 きし、学生指導や就職指導の 参考資料 にす るためです。 この人が、あなたに い るいろな質問をす る方です。 」

2)地 位の操作 :枚 示 に続 いて、地位の操作 をす る。高地位群 には、「 この人 は、本学の学 友会の執行部で学生生活改善部会の部長 をして お られ る方です。今 日はこの方があなたにいろ い ろ質問 され ます。」地位 の変数 は、言語的教 示 と共に、被験者 より高 い地位 を示すため、面 接者 は薄 く上品な化粧 を し、スーツ (短 大基準 服 )を 着用 した。同地位群 には、「この人は、

あなたと同 じ本学の学生です。今 日はこの方が あなたにいるい ろ質問 され ます。 」 また、面接 者 は被験考 と同 じような、カジュアル な服装 を 着用 した。被験者 が質問のみに集 中で きるよう に、面接者はアクセサ リーなど目を引 くものを 一切身につ けないように した。

3)好 意感情の操作 :好 意 、非好意感情の操

作 は、 2人 の態度の類似 によって好意感情が生

じ、非類似 によって非好意感情が生ず るとい う

Byrne(1961)の 方法 を適 用 して次 の よ うに行 っ

た。「それでは、質問に入 る前 に、お二人に簡

単 なアンケー トを して、意 見を交換 して頂 きま

す。 これは、後での質問 との関係 をみ るための

ものです。それでは、お手元の質問紙 に記入 し

て くだ さ

Iゝ

。 」 被験者 と面接者の共 同作業 とし

(4)

て上の教示の よ うに、態度質問紙 (世 間の青年 観 ‑8項 )に 記入す る。実験者 は、二人 が質 問紙 に記入す るの を側 で待 っている。記入が終 わ った頃 を見計 らって、「これか ら、お二人に それぞれ自分の回答 を読み上げて頂 きますので、

お互 いによ く聴 いていて下 さい。」 と言 う。 そ して、被験者 に向か って、「それでは、 あなた か ら自分の回答 を読 み上 げて もらいます。」 と 言 い、 さらに面接者 (実 験協力者 )に 向いて も

「あなたにも後で読み上げてもらいます。 」 と言 っ て、被験者の自分の回答 を声 を出 して読み上げ させ る。記入後、「これか らお二人にそれぞれ 自分の回答 を読み上 げていただきますので、お 互 同士 よ く相手の回答 を聞いて くだ さい。」と 教示 して、 この時、好意条件 (類 似群 )の 場合 は

,

面接者が 8項 目中 7項 目について被験者 と全 く 同 じ回答 を読みあげる 〈好意感情条件の操作 〉。

非好意条件 ()F類 似群 )の 場合 は、 8項 目 7項 目 につ いて被験者 とは異 なる回答 を読み上 げる 〈 非好意感情条件の操作 〉。実験者 は、実験協力 者 に被験者の回答 を知 らせ るため、毎回、被験 者 が先 に答 えるよ う指示す る。実験協力者 は気 づかれないように被験者の回答 をメモ して、後 で、それ と類似、非類似の回答 として読みあげ る。そして次 に、被験者 と面接者は相互 に相手

の印象評定 をす る。記入後、用紙 は実験者 が回 収す る。

4)面 接 :地 位操作、対人感情操作の後 、面 接者 は質問 を始 める。面接者 は、一定の位置で 手 に持 った質問用紙 を見て質問 をし、被験者 が 回答 をす る間は顔 をあげて、常時、被験者の 目 の周辺 に視線 を向けている。質問 を一定の I庚 序 に従 って繰 り返す。質問は、次のような 16項 目 か ら成 る (表 1)。 「あなたはどんなスポーツが 好 きですか」、「あなたはどんな本 を読むのが好 きですか」、「あなたの好 きな学科は何ですか

J、

「あなたはこの学校で何かクラブ活動 を してい ますか」、「あなたは休 日はどのように過 ごして お られ ますか」 などである。面接者 は普通 (中

性的 )の 表情で、前傾で も後傾 で もない普通の 姿勢で質問を行 った。質問は 1項 目ずつ、ゆっ くり、はっきりと言 う。被験者 が質問 した場合 は、最小限度の答 えをするが、それ以外 には話 を しない。被験者の各回答後、一度軽 くうなず くだけで、それ以外 に うなずいた り、同意 した り、微笑 した りしない。被験者の回答 がない場 合 は、 4〜 5秒 待 って次の項 目を質問す る。 ま た、各面接者 はすべての被験者に対 し同様 な服 装 で対応 した。面接 が終 了 した時、実験者 は、

面接者の後方の ドアをノック した。面接終了後、

した質問項 目 1.

2.

3.

4.

5.

表 1面 接 に使用 あなたの出身地 はどこですか。

出身高校 はどち らですか。

この短大に入学 して、設備、環境、授業などについてどんな印象 を受けましたか。

あなたは、 日曜 日などの休みの 日は、どのように過 ごしてお られ ますか。

最近、かな りの学生 がアルバ イ トをしているようですが、学生 がアルバ イ トをす るとい うことに ついてどう思いますか。

あなたはどんなスポーツをするのが好 きですか。

それはなぜですか。

あなたはどんな映画が印象に残っていますか。

あなたの好 きなテレビ番組は何ですか。

あなたはどんな本 を読むのが、好 きですか。

最近読んだ新聞記事の中で印象 に残 ったのは何ですか。

あなたはどんなところへ旅行 したいですか。

それはなぜですか。

あなたは、将来 どんな職業につ きたいと思いますか。

なぜ、その職業 につ きたいと思いますか。

女性が結婚後 も仕事 を続 けることについて どう思いますか。

(5)

面接者の地位 と被面接者の対人感情が被面接者の非言語行動に及ぼす影響

被験 者 は別室 で実験 後質 問紙 に記入 して実験 は 終 了 した (図 2)。

図 2実 験手続 き

倫理的に配慮 した点 は次の通 りである。まず、

実験への参加 ・協力は自由であり、参加 した場 合で も、途 中取 りやめることがで きること、参 加に同意 しない場合で も成績などに影響はなく、

不利益 は受 けない、研究の結果 を公表す る場合 で も、個人のデータでな く平均値 として出 され、

個人は特定 されない、等である。 またすべての 実験終了後、本実験 の真の 目的 を説明 した。

5)好 意感情操作後の質問紙

面接者 に対す る類似性の知覚 と好意感情 :被 験者の面接者 に対す る類似性の知覚 を測定す る 指標 として、「考 え方 が似てい る」、好意感情の 指標 そ して、「友好的 な」、「暖 かい」、「好意的 な」の 3項 目の尺度 を作成 した。

それぞれ 「非常に。……。な感 じがする (7)」

か ら「全 く ,中 ―● な感 じが しない (1)」 まで の 7点 尺度であった。

6)面 接後質問紙

面接者 に対す る印象 :印 象評定項 目は、「や さしい (7)一 厳 しい (1)」 、「勇敢 な (7)一 臆 病 な (1)」 、「まじめな (7)一 ふ まじめな (1)」 、

「冷たい (1)一 暖かい (7)」 、「丸 い (7)一 角の ある (1)」 、「地位の高い (7)一 地位の低い (1)」

、「無能 な (1)一 有 能 な (7)」 、「ご うまんな

(1)一 けんそんな (7)」 、「情熱的な (7)一 冷静 な (1)」 、「不安定 な (1)一 安定 な (7)」 、

「外向的な (7)一 内向的な (1)」 、「元気な (7)一

病弱 な (1)」 、「誠実 な (7)一 不誠実 な (1)」 、

「無口な (1)一 お しゃべ りな (7)」 、「理性的な

(1)一 情熱的な (7)」 、「た くましい (7)一 弱 々 しとヽ (1)」 の 16項 目で、 7点 尺度で ある。

面接 中の気持 ち :「 リラ ックス した (7)一 緊張 した (1)」 、「い らい らした (1)一 落 ち着 いた (7)」 、「快 い (7)一 不快 な (1)」 、「どき どきした (1)一 おだやかな (7)」 の 4項 目で、

7点 尺度で ある。

5.従 属変数の測定

1)直 視量 :ハ ーフ・ ミラーの後方か ら観察 者 2名 が 1名 ずつ交代で被験者の視線量 を測定 した。録音式行動記録器 (竹 井機器製 )に より、

精度 1秒 で測定がな された。観察者 は被験者が 対象人物 に視線 を向けている間、エ ンコーダー ボタンを押 している。対象人物か ら祝線 を外 し た時にはボ タンを離す。 このボタンはコー ドで ブザーに接続 されてお り、このボタンを押すた びにブザーが鳴 る。 この音はブザーの横 に置か れたテープレコーダーに録音 される。これによっ て、直視の回数 と持続時間とが記録 され る。エ ンコーダーか ら発信 された音信号がテープレコー ダーに録音 され る。 この音信号 をデータアナラ イザーによって数値 に変換 し、後の分析 に用い た。測定 した変数は、直視回数、直視総量 (秒

)、

さらに直視総量 /直 祝回数か ら、直視の平均時 間 を算出 した。

2)面 接時間 :「 あなたの出身地 は一。 ̲.」

か ら「質問は以上です」の直前までの時間 (秒

)。

ス トップウオ ッチで測定する。

3)発 言量 :質 問に対す る被験者の応答の時 間総量。  1秒 以上の沈黙 している時間は含めな とヽ 。

Ⅲ。結 果

1.信 頼性 の検討

従属 変数 の測 定 は、実験者 とは別 の 2名 の観 察者 に よ り行 われ た。 2名 の観察者 は 44名 の被 験者 の ほぼ半数ずつ を受 け もって測 定 した。 2 好意度操作

面接者 は被 験者 と同 じ 意見 を言 う (好 意条件

)

面接者 は被 験者 と 異 なる意見 を言 う

(非 好意条件

)

相互 の印象 評 定

実験 後 質 問紙記入

(6)

名 の測 定 が どの程度一致 してい るか をみ るため に、被験者 7名 22回 の表 出 を 2名 が独 立 に測 定 した値 につ いて 、 一致 度 (Pearsonの 相 関係 数 )を 求 め た。 これ に よ る と、 視 線 回 数 … F

=.87(ρ ,001)、 視 線総量 … F=.98(ρ <,00

1)と な った。一致度 は満足 すべ き もの で あるの で 、  2名 の観察者 の測定値 をそれ ぞれ以下 の分 析 に使用 した。

2.実 験操作 の有効性

1)好 意感情 の操作 :好 意感情 の操 作 は、意 見 の類似 、非類似 によった。面接前 の意 見調査 後 の 自己評定質 問紙 による と、類 似群 は非類似 群 よ り有意 に W考 え方 が似 て い る‖と感 じて い た (F(1,40)=350.62,ρ <.00001)。 そ して 、相 手 に対 して、友好 的で、暖 か く、好意 的 な感情 を抱 いていた (好 意群 :〃 =14.64,ν =2,72

,非 好 意群 :〃 =10.82,M=2.7島 F(1,40)=

25。 94,pく .00001)。 した が つて好 意 感 情 の操 作 の有効性 が確認 され た。

2)地 位 の操作 :地 位 は、教示 によって操 作 され た。 この効果 を‖ 地位 の高 い一地位 の低 い

W

の項 目の尺度得 点で確 かめた。 この指標 につ い て 2要 因の分散分析 を行 った ところ、地 位要 因 の主 効果 が有意 で あった (F(1,4① =7.31,β

,01)。 す なわち、被験者 は、「生活改善 部会の

部長」 と紹介 された面接者 (〃 =4.77,2)=

0.17)を 「同 じ学生」 と紹介 された面接者 (ノ

=4.14,M=0.17)よ りも地位 が高い と認知 し ていた。 したがって地位の操作 も有効で あった

とい えよう。

3.面 接者の印象

1)面 接者 に対す る印象 を、 16項 目の各得点 に、それぞれ 2要 因の分散分析 を施 した。まず、

高地位 よ り同地位の面接者 に対 してよ りや さし 地 位 群 :〃 =5.23,α >1,0盈 ダ (1,40)=9,51,p く .003)、 よ り謙遜 で ある と感 じ (高 地 位 群 :/

=4.04,銹 =■ 2日 低 地 位 群 :〃 =5,00,立 )=

1,0考 ダ (1,40)=五 .70,p<.001)、 よ り暖 かい と 感 じて い る (高 地 位 群 :〃 =3.95,立 =0.8■

低地位群 :″ =4.77,レ =0,9乳 ダ (1,40)=10.80, p<.002)。 また、非 好 意 群 よ り好 意群 の方 が

よ り暖 かい と感 じてい る傾 向 もみ られ る (高 地 位群 :ノ =4.59,α 痒 0.8働 低地位群 :〃 =4.14, 切 =1.08,ダ (1,40)=3.33,pく ,07)。   さ らに、

同地位 の面 接者 で は好 意 感情 の影響 は ない が、

高地位 の面 接者 で は好 意 感情 の影響 がみ られ 、 好意群 の方 が非好意群 よ り暖 かい と感 じていた

(ダ (1,40)=4.80,p<.03)

2)面 接 中の被験者 の気持 ちは、 4項 目それ ぞれ によってチ ェ ック した。 この各得 点 に 2要 因分散分析 を行 った。 その結果 、「 リラックス した一緊張 した」の項 目について、対人感情の 要因の主効果が有意 となった (F(1,40)=6.77,

pく .01)。 すなわち、好意群 (/=3.05,2)=

1.00)の 方が非好意群 (〃 =2.32,立 )=0.89)

より面接中に リラックス していた。 また地位要 因の主効果 が有意 な傾 向 となった (ダ (1,40)=

3.81,ρ く ,058)。   つ まり、同地位 (〃 =2,95,

M=1.05)よ り高地位 (力 「 =2.41,影 =0,91) の面接者の場合 に、緊張 している傾向がみ られ た。次 に、「どきどきした一おだやかな」の項 目について、対人感情の要因の主効果が有意 と なった (′ (1,40)=10.0,pく .003)。 すなわち、

好意群 (″ 「 =3.50,レ =1.23)の 方 が非好意 群 (″ =2.41,立)=1.01)よ り面接 中に穏 や かな気持ちであった。その他の項 目については、

有意差 がみ られなかった。

4.仮 説の検討

デー タの分析 については、直視総量、  1分 当 りの直視回数及び直祝の平均時間 (総 量 /回 数

)

いて は、 これ を角変換 した値 につ いて以下の分 析 を行 った。各条件 におけ る従属変数 の平均値 い と感 じ (高 地位群 :″ =4.18,立 )=1.2Q低    について行 った (表 2)。 なお、直祝総量につ

表 2対 人感情 と地位 による直視量の平均値 と標準偏差

対人感情 地 位 δ つ Jつ ∂ つ

総量 (%) 回   数 平均時 間

好  

非好意

同地位 高地位 同地位 高地位

37.60 42.12 29.58 28.72

13.62 24.41 11.47 10.38

2,75 3.28 2.46 2.86

2.40 3,33 1.74 1.67

1.17 3.57 0,47 0.75

´ υ

(7)

面接者の地位 と被面接者 の対人感情 が被面接者の非言語行動 に及ぼす影響

と標準偏差 を表 2に 示 した。 さて仮 説 1は 、好 意 感 情 を もってい る相手 に対 して は、視線 行動 が増 えるとい うことで あった。直視 量 につ いて 対 人 感 情 要 因 の主 効 果 が有 意 で あ った (総 量

,

F(1,4③ =5,00,p<.03(図 3);平 均 時 間 ,ダ (1,40)=4.02,p<,05)。

30 ‑

非好意群 好意群

図 3直 祝総量の平均値

つ まり、好意感情 をもっている相手に対 しては、

直祝量 (総 量、平均時間)カミ 多 くな り、仮説 1 が支持 されていた。次 に仮説 2は 、被験者 は、

高地位の面接者 より同地位の面接者 によ り多 く 祝線 を向けるとい うことであった。 しか し、直 祝総量 、平均時間、回数いずれの測度 につ いて も地位要因の主効果及び対人感情 との交互作用 は有意ではなかった。 したがって、仮説 2は 支 持 されなかった。

5.面 接 中の視線以外の非言語的行動

1)面 接時間 (秒 )の 平均 は、 240.01秒 (レ

=40.6)で あった。 2要 因分散分析 によると、

いずれの条件について も有意差はなかった。

2)被 験者の発言量

発言量 については、 %値 に角変換 を施 し分散分 析 を行 った。その結果、好意感情 、地位 、交互 作用要 因すべての要因が有意 となった (図 4)。

対 人感情要 因が有意で (F(1,4ω =4.51,pく .03)で あ り、面接者 に好意感情 をもって い る 条件 で、発言量が多かった。 また、地位要 因の 主 効果 が有意で (F(1,4① =6.31,pく .01)、

高地位条件 で発言量 が多か った。 さらに、交互 作 用 も有 意 とな った (′ (1,4① =10.27,p<.0

02)。 す なわ ち、好意感情 を もつ 高 地位 者 に対 して発言量 が最 も多 くなって いた。好意感情 が ある場合 、同地位者 よ り高地位 の面接者 に対 し て発言量 が多い。 しか し、非好意感情 が ある場 合 には、地位 の違 いに よる発言量 の差 はなか っ た。

総 量

︵ %

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15

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同地位 │

1回

高地位

好意感惰     非好意感情 図 4発 言量

Ⅳ .考 察

表 2に 示 されてい るよ うに、相 手 に好意 的感 情 をもってい る場合 は非好意 的感情 を もってい る場 合 よ り直視 量 が 多 か っ た (直 祝 総 量 ‐好 意 :39%vs)F好 意 :32%,直 祝 平 均 時間 ‐好 意 :2.84 vs)F好 意 :1.71)。 つ ま り、好意感情 を もつ他者 に向 けた祝線量 (直 祝総量 と平均時 間 )が 多 くな り、仮説 1は 支 持 され 、モデル を 支持 してい るとい えよ う。 この よ うに、実験 的 に操作 され た好 意感情 につ いて、モデルの予測 通 りに、好意感情 を もつ他 者 に向 け る視線量 が 多 くなった。 これ はモデル か ら、好意感情 を持 つ場合 には、接近力が強 く、回避 力が弱 くなる

と考 え られ るので、線 量 が増 加 した と解釈 され

た。本研 究 で は、実験 的 に操 作 され た好意 、非

好意感情 と視線 行動 との関連 を検討 した。 その

結果、視線の対人感情包括的 「接近一回避モデ

ル」の予測通 りになった。本研究は、実験的に

操作 された対人感情であるので、実際 に好意感

情 を抱 き合 っている者同士 につ いて も検討す る

必要がある。

(8)

仮説 2の 地位要 因の主効果 及び対人感情 と地 位要 因の交互 作 用 は と もに有意 で はなか った。

したが って 、仮説 2は 支持 され なか った。本研 究 で は、 高 地位 者 (平 均 評 定値 :〃 =4.77)

と同地位 者 (平 均 評 定値 :″ =4.14)の 間 に 有意差 があ り、地位操 作 の有効性 は確認 されて いた。 しか し、両評定値 とも 7段 階の 中間で あ り、十分 な地位 の差 にはな っていない と考 え ら れ る。従 って 、先 行研 究 でみ られ たよ うな地位 の差 に起 因す る視線量の差 が得 られなか った と 推測 され る。地位 を実験 的 に操作 してい る多 く の研究 で は役 割演技 (ロ ール プ レイ )法 を使 っ てい る。本研 究 で もこの方 法 を使 った。 そ こで は、面接者 は、 自分 が高地位 、低 地位 で あると み な して演技 行動 して い る。 この場合 、役割動 機 (r01e motive)が 問題 とな るとい う指摘 が あ る (HЛ l&Halberstadt,1980。 つ ま り高地位者、

低地位者 の非言 語行動 は、地位 自体の要 因 よ り も、 この よ うな文 脈 、動機 的要 因 と関連 して い る可能性 もある。例 えば、高地位者 が自分 の役 割 を権威 的 に と らえてい る場合 は、 え らそ うに して微笑 も少 な くな るだ ろ う。逆 に、支援 的で 暖かい上司 とい うよ うに規定 してい る場合 には、

優 しく微笑 も多 くな るで あろ う。 この よ うな問 題 を排除 す るに は、現 実 の高地位者 (ま た は、

低地位者 )が 面接 す るよ うな事態 での実験 が望 まれ る。

さて、祝線量 には地位 の影響 は見 られ なか っ たが、被面 接者 の発話 量 につ いて は地位 要 因 、 対人感情及び交互作 用 が有意 となった。つ まり、

高地位条件 で発話量 が多 くな っていた。録音 さ れ た高地位 条件 の被験 者 の発話 を検討 してみ る と、敬語 が多 く使 われ、省略文 で な く正 しい文 章 で話 す者 が 多 か っ た。 つ ま り、 Meharabiall (1981)の 指摘の よ うに、人 は同地位 の関係 よ り、

地位 の差 が ある場合 は行動 が形 式 的、儀礼的 に な るためで ある う。 この ことも、発話量 が多 く な った原 因の 1つ と考 え られ る。 また、好意感 情 を抱 いて い る条件 で も発話量 が多か った。 こ れ は、好意感情 を持 ってい る場合 、会話量 が多 くな る (ボ ン ド・白石 ,1973)と い う指摘 とも 一致 してい る。以上 の ことか ら、好意感情 を抱 いた高地位者 に対 して最 も発話量 が多 くなった と考 え られ る。本研 究 では、面接者 、被験者 と

もにすべて女性であった。今後、男性 を含めた 検討 も必要 である。

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ttude by seated∞ mmunicator  a posture

(10)

The Effect of lntelwiewers Status孤  lnteⅣ iewee′ s

Affect on the Non― Verbal Bdttv  of lnterviewees

Yuichi IIzulcA

Abstract

Tlle eSects of relative status and interpersonal arect on he nonverbal behavior of in俺 Ⅳ iewees were examined using a∞ nttolled illterview format.Forty‐ four fe―

male sttdents were intelwiewed by four female inteⅣ iewers.Tllis study manipu―

lated intel‐ viewe「 s status llligh and equ■ )and in俺 ieweeis  江掩 ct towards

in俺 Ⅳ iewer lfavOrable and ulafavorablo in a 2× 2 factonal design.SubieCtS Were randomly assigned to each of he four expettmental groups.Tlle intewiewers were described and dressed as either high or equal status persons. Tape and

deo recOrdings were analyzed across a wlde spectrum of noniverbal behaviors ellaitted by he participants during he illtel‐ view. Boh status and interpersonal af fect江 掩 cted a variety of dependent vanables, espec』 ly in he  sual behavior and he paralinguistic channel,

Key Words and Phraseslstatus, agect, noniverbal behavior, visual behavior, inteト

Ⅵ ew

参照

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