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研究ノート 第三十巷 第一号

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(1)

研究ノート   第三十巷 第一号   

経済理論 と数学  

− 定差方程式 −  

今  川  

経済学における殆んどあらゆる問題ほ動態的に取扱わ  

れてきたか︑‖もしくは取扱われるものであるから︑異っ  

た動態的研究に共通する唯山のものはこれらの方法であ  

ることは明らかである︒そして動態論のなかに含まれる  

形式的な方法ば通常数字的であり︑かつ数学的であるか  

ら︑経済学を研究する一般の学徒は ー かれが進んで動  

態的な方法の基礎を修得するのにかなりの努力を集中す  

るのでなければ − 近代の討論の多くを理解することの  

できないことがしばしばある︒  

サミュエルソン   Ⅰ くもの巣定理  Ⅶ 連立定差方程式  Ⅴ 振動の形  

Ⅵ Ⅳ Ⅱ  

走差方程式の解法  

複素根の場合  

比較動学   ︵五八︶ 五八  

Ⅰ くもの巣定理   

経済変量たとえは需要について研究する封盗経済学者はつぎ  

のような情勢に直面しているであろう︒すなわち後はある特定  

の期間に︑ある特定の団体の人によって買われたある商品の数  

量を示す資料︑一般にそれは時系列の形のものであるが︑につ  

いて湾察する︒彼の目的はこの統計値の説明︑すなわちその理  

由を示す仮設を見出すことである︒常識ですぐ分るように︑こ  

の説明の方法ほ決して山つにとどまらない︑沢山の方法が可能  

である︒便宜上これをつぎのようにわけて考えよう︒   

まず第一に外生的な組明あるいほ経済外的説明︵あるいほこ  

こでは価格によらない説明ともいえる︶ が 

の年令構成教育による習慣の変化など 一 にもとずく説明がこ  

れである︒これらは需要の倭化の重要な原因ではあるがつぎの  

ものはどにほ経済的紅分析されていない︒それほ価格の変化に  

もとずく説明である︒ここではこの第二の型の需要の説明に注  

目する︒このとき需要鼻∬は︑その財の価格♪によって説明さ  

れるであろう︒これほ  

誓り⊥且エふ  

と表わされるであろう︒これに対する供給はどのように説明さ  

れるであろうか︒いま非常に簡単な場合を想定する︒たとえば  

マッタグほ採れただけ︑価格の高さぬかかわらザ全部供給され  

るであろう︒しかも採れる数蛍ほ降雨鼠︵あるいほ気温︶ Zに  

左右されるから   

(2)

祇−=㌫打  

と説明される︒この降雨量ほ地球の回転や太陽の状態によって  

説明できるかもしれない︒いま仮りに天文学あるいほ気象学に  

おいて  

N‖=−−g  

という関係で2を説明することか認められているとしょう︒こ  

のわれわれのシステムにおける之の動きには特別の注意を要す  

る︒それは弟♪に影響を与えるけれども逆にその影響をうけな  

い︑気象現象は経済現象によって説明することはできないが︑  

逆に経済現象ほ気象的原因によって説明される′︒なおここで需  

要数鼠︑供給数読の双方を同〟の記号元であらわしたのは∬で  

もって取引数嵐をあらわしているためであるっ太陽黒点説の主  

張者汐エポンスほつぎのどとくのべる︒   

﹁周期的に変動する原因の結果がそれ自身周期的であり︑且  

つ一般に原因の周期的様相に等しい周期的様相を示すことは力  

学の原則である︒光線によって地上にそそがれるエネルギーが  

地上の生命維持の原動力であることは疑いがない︒又太陽状態  

に周期的変化のあることが証明されている︒それは最初に太陽  

黒点面殻の交番的増減のうちに発見された⁝紫より︑われわれ  

はまだかかる太陽変化の本質も︑またそれがいずれかの国の天  

候に与える影響をも充分にほ知っていないが︑しかし降雨盛そ  

の他の大気の現象が多かれ少かれ太陽の状態の変化によって移  

響されることは殆んど疑の余地がない︒毎年の収穫の豊凶は明  

経済理論と数学   らかに天候特に夏期及び秋期甲それ紅依存する︒この天候が多  少とも太陽周期に依存するとすれば穀物の収穫及び価格は多か  れ少なかれ太陽周期に依存し︑且つ太陽周期と同じ周期をもっ  七循環町変動な繰返すぼかりである︒﹂﹃太陽周期と穀価﹄ 山八  七五   

彼ほロジャーズの蒐集した二三︑四世紀の穀価統計から約 

〟年の周期を検出したが︑これほ山般に認められた太陽黒点の  

周期︵一一︑脚二年︶ にはぼ合致する︒そこで彼ほこの二っの  

問に不可分な相関があるであろうと推定した︒その後の彼ほこ  

の問題に没頭し︑山八七九年八月には﹃商業恐慌の周期性とそ  

の物理的説明﹄を発表し︑しかも次第に確信の度をくわえ︑最  

後の論文でほつぎのように言っている︒﹁慎重研究の結果︑私  

ほこれら一〇年周期の恐慌が同じ周期の気象的変動疫依存する  

こと︒そして後者は煎らに恐らくほ太陽黒点︑極光︑磁気慨乱  

の頻度によって証明される宇宙的変動匹依存することな完全に  

確信するに至った︒﹂   

これほ今日でほ経済変動の外生駒︵e誓geneOu∽︶理論とよほ  

れている︒しかし︑われわれはこの理論にこれ以上立入らな  

い︒ここでほこの考えから出発して経済研究者に内生的︵eng・  

笥nO旦 慧綱として周知の ﹁くむの巣定理﹂を展開してみよ  

う︒そのためいま小麦︑ジャガイモなどの農作物に対する需要を  

ガーー一息へ+Qとあらわそう︒この関係は同仰の観察時点におけ  

る価格と数藍との関係を示している︒この点を明示するために  

︵五九︶ 五九   

(3)

第三十巻 第一号  

観察の時点をあらわす添字〜をつけておいた︒〜のついていな 

い記号は観察期間中かわらないものである︒また供給について  

ほつぎのように考える︒今年とれたものほ永持ちしないから全  

部供給される︑しかもとれる数蜃ほ今年の収税面積和によっ▲て  

技術拘にきまる︒すなわち収穫され供給される数愚弟はき=  

諾へと説明される︒ところが今年の収穫面積は昨年の作付面  

積に等しい︒たとえば︑ジャガイモは一年の適当な季節に植え  

つけられそれが成熟するのに一定の成育期間がかかる︒したが  

っていったん植えつけられると気候などの影響を劇応無視すれ  

は︑供給は多かれ少なかれ確定すると考えることができる︒︵以  

下の議論では同じように不規則な鴇乱ほないものと仮定する︒︶  

ところが農家は価格が安いと少ししか植えつけを行わないであ  

ろうし︑反対に高ければ植えつけはふえるであろう︒すなわち  

上にのべた今年度の収穫面積勾はその前年の価格㌢lトの函数で  

︒   ある︒か=晋Ti このときにほわれわれの経済システムはつぎ  の三つの式であちぁされる︒  

ぎ=.へGhヰ恥あるいは︾=⊥\R∴葺十闇\白  

山′き=諾印  

如︻=だV㌣i   

これを前の太陽黒点説と比較すれぼその特徴があきらかにな  

る︒太陽黒点説においては〜 ︵牌雨盗︶は経済外の現象によっ  

て説明ざれているのであるが︑ここでは同じ記号であらわされ  

る収穫面砧Zが経済内の現象︵価格︶によって説明されてい   ︵六〇︶ 六〇  

る︒︵前者は外生変数後者ほ内生変数とよはれる︶三番目の式  

を二番目の式へ代入するとき=ゴぷγ−をうる︒すなわち今年成  

立した価格で翌年も生産物が売れるものと予想して遷家ほ年産  

に着手し︑しかもこのよう直して生産されたジャガイモはその  

時め価格にかかわりなくすべて供給される︒言いかえると︑供  

給数罷蕗二期前に成立した価格によってきめられる︒このとき  

にほある年の供給量ほ価格の大きさにかかわらず山定となり︑  

横軸に第ヂ期の供給鼠を射︑縦軸に第〜期の価格動をとる平  

面ではこれは垂直の線であらわされる︒〝これ紅対し年々の価格  

はどのような大きさになるであろうか︒この間題ほいろいろの  

方法で解くことができる︒まず手はじめにつぎの方法で解いて  

みよう︒それは︑われわれのシステムにおいて仮りに白=Au  

払=♪ ヾ=N﹀伽=−とおきこれらほ時間がかわってもかわらな  

いものとする︒このときにほシステムは  

き=−−−\含㌣ き=Nぎ N叫=㌢ユ  

となる︒ここで昨年︵第0年︶ の価格が∽\かであったとすると  

昨年の作付面積=今年の収穫面積聖=︺\Aとなり今年第刷年の  

収獲はぎ=ぴ\Nとなる︒これだけの鼠が取引され克ためには価  

格はb−=−−ごぶ×∽\N=ひ\00でなけれほならない︒このように  

⊥モ今年度の価格が成立すると︑こんどはこの価格を基準にし  

て今年の作側面砧を決定しそれがそのまま来年の収掛面積とな  

るか=−○\−かこれからえられる収穫ほざ=NO\−¢でそれが全部  

取引されるためにほ価格ほ∴訝=−−\−のとならなければならな   

(4)

い︒習年以降も毎年同様の討静をくり返してゆくと価格は次表  のようになる︒これは内生変数を時間の函数︑この場合は離散  

的︵ディスクリートな︶函数としてあらわしている︒このよう乾  してわわれは年々の価格をもとめることができ任意の年の価格  がいくらになるかを予言することができる︒横軸に年数㌔縦  軸に価格♪をとるとこれは図のご七くになる︒  

この図を見ると価格は上下に振動しているが︑次第にぁる値  に収赦してゆくことがわかる︒これがどこに落ちつくかほ上の  

計算を無限に繰返してみなくては分らない︒しかしこれがb−−  

N\∽のところであることは大体推測できる︒いま任意の年に価  

格をN\心とおいてみるとそのつぎの年にも価格ほ同じ水準にと  

どまる︒N\い以外の価格からはじめるとN\∽へ落ちつくよう転  

勤き︑N\∽からはじめると同じ水準にとどまる︒この意味でN\い  は安定的な価格である︒  

経済理論と数学    3  2  ノ  0   同じ問題はまたヴぎのようにして解くことができる︒まず第  0年における任志の価格如よりはじめる︒この価格をみて耕作  

t  

者ほ作付面積を昏と定めるがそれがそのまま翌年の収穫面積  

となる︒この面積からは第洲年度に孟㌣の収穫があがるがこれ  

が第一年の供給となる︒永もらしない商品は生産されただけす  

べて価格にかかわりなく供給される.であろう︒ところで需要量  

ほ価格水準によって増えもし減りもするが︑このようにしてで  

きたものがちょケど全部需要されるためには価格は  

㌢=−ミR十き\R=−畠\守宮+き\R  

とならなければならない︒このようにして懲二年の価格がきま  

るとそれを基準にして耕作者ほ作付面砧虹決定する︒ここで前  

と同じよデに推論してゆくと第二年の価格は ︐  

bN=−畠\琴ふー+聖ゴ  

=T孟\且川誉十︹−十Tま\且︺讐ゴ  

♪い′      臨 (21−    可     n      エ′       Z■      t   

︵六一︶ 六一   

(5)

第三十巻 第一号  

となる︒全く同じよう濫して滞三年の価格ほ  

︾=−上品\R・訝十やざ  

l−T孟\且ぎ十︹−+T孟\且十︵−孟\且j替首  

ときまる︒このよう乾繰返すと第≠年の価格は  

恩=︾=︵−孟\且ぎ十︹−十︵−畠\且+T孟﹁♀て+  

+十畠\且てー︺讐育  

ときまることがわかる︒これは等比級数の和の形になっでいる  

から容易に  

育→書︶苧︹童︺冨  

をうる︒これを用いるときには需給の構造をあらわす常数およ  

び=販初の価格如それに経過年数がわかっておればどの年の価格  

動でも求めることができる︒ただここでは内生変数が時間の離  

散的di00Creteな函数として襲わされていることが特徴である︒  

この点に注目するときにはこの分析方法は期間分析 periOd  

aヨa−ysisとよばれている︒   

ここであらゆる経済分析の究極の目的が何であるかについて  

反省しておくことは以下の議論にと.って有益であろう︒これは  

つぎの二つに定式化できるであろう︒仙経済外的要因︑与件に  

よって経済現象の歴史的経過を説明することおよび ㈲これら  

の与件 − たとえばある種の経済政策 − の変化がその経過に  

どのような効果を与えるかということを確めることの二つであ  

る︒ある山つの現象の変化ほ他の経済現象あるいは自然的︑技   ︵六二︶ 六二  

術的︑制度的性質の与件の変化によって説明されるであろう︒  

しかしそこに含まれる他の経済現象も説明したいときには︑一  

つの経済関係ではなく多数の関係を考慮た入れなければならな  

い︒説明したい現象の個数と同じ個数だけの関係が必要となっ  

てくを︒こうして行ってほじめて︑多くの経済現象を非経済的  

現象のみにもとずいて説明できるようになる︒   

このような問題の分析のためには︑ある経済現象を構成して  

いる網の目のよう直入り込んだ因果関係を組織的に研究しなけ  

ればならない︒この問題を考えるにほ矢印図arrOW SCheme  

を用いると便利である︐︒︵つぎの図参照︶   

この図にはわれわれの経済システムが矢印を用いて示してあ  

る︒この図において丸印はある学位時間︑それは血年︑半年︑  

四半期︑一カ月なんでもよいが︑におけるある経済現象をあら  

わす︒縦にみるときにはつぎつぎの期紅生ずる同一の現象をあ  

らわす︒横紅みるときには同じ期におけるいろいろの現象が示 

めされている︒さてある期におけるある現象の大きさたとえば   

(6)

期間〜における取引数爪泌職は同じ期あるいほ他の期における何  

んらかの現象によってきめられる︒いま考えている例において  

ほこれが前の期の価格によってきめられるご﹂れは㌣−からは  じめて現におぁる矢印で示すのが便利である︒また机がきまる  

と同じ期の価格がきまる︒これはさ←︾と示される︒同じ矢印  は経済桃造が不変と考えられる限りくりかえされる︒しかし︑∬  

や♪の大きさは毎期同じものがくりかえされるとは限らない︒  

そうなるのは静止的状態statiOnary Stateにおいてだけであ  

る︒しかし因果関係そのものほ毎期くりかえされる︒   

われわれは混乱をさけるために現象の個数をことさらに制限  

したが︑実際には需要m瓜は価格のみならず所得などに左右され  るであろう︒このときにはこの所得がどのようにして軋められ  

るかについても考えねばならない︒このようにある現象の原因  

を問ねてゆき︑これをくりかえしてゆくと︑まだ説明されてい  

ない新しい現象につき当りそれを説明する関係はますます増え  てゆく︒しかしある程度さかのばってゆくとこの増加ほ止む︒  

これはすでに説明された現象が再び原因として作用しているこ  

とがあるからでぁる︒︑この点に到達するとこれまでほ説明され  

ない現象であったものもすべて説明される現象となる︒ここで  

もし関係の個数と現象の個数とが等しくなれば︑われわれほ完  

全なレステムあるいほ完全なモデルmO廷をえたことになる︒  

ここにモデルという言葉をつかったのはこのようなシステムは  いつの場合にも現実と比べると極めて閻単なものであるからで  

経済理論と数学   ある︒どのよケに完全なモデルをつくっても経済外的現象は説  明されないままで残る︒けれどもそれを説明するのは経済学の  陳題でほない︒   

このようなレステムの論理的構造を示すにほ矢印図を用いる  

と便利である︒これらの矢は二様にみることができる︒われわ  

れはある矢がある山つの点に向っているとみることができる︒  

このときにはその点にどのような原因が作用しているかを一目  

でみることができる︒またわれわれは一点から出ている矢に注  

目することができる︒このときにはわれわれはこの点の示す現  

象の及ぼす効果がどこに及んでいるかを見ることができる︒文  

章や言葉でのべるときには通常この後の配列が用いられる︒こ  

の前の配列は方程式に対応するものである︒この式の各項はそ  

れから出発し説明される変数の方へ向っている矢をあらわして  

いる︒ここでほ出来るだけ簡単な動学モデルについて考えてい  

るから矢印図をつかう必要ほはとんどないが︑これを描くこと  

は理解を非常に助けるであろう︒なおここで扱うモデルほ極め  

て簡単なものであるがそれは複雑なモデルを取扱う方法を示す  

ことに役立つであろう︒   

さてわれわれのもとの問題にたち帰り︑それを経済の内容に  

ふれず形式のみ軋瀧月して解いてゆくとつぎのようになる︒す  

なわち三つの方程式であらわされるわれわれのシステム旧にお  

いて︑下の式を順次に上の式に代入してゆくと第f年度の価格  

如をその前年の価格㌣iをもらいてあらわすことができる︒  

︵六三︶ 六一ニ   

(7)

第三十巻 常州号  

すなわち  

闇 ㌢=竜T−十て  

をうることは容易にわかる︒ティンバーゲンはこれを最終方程  

式f山na−equatiOnとよぶ︒もし欲するならこのスリを構造常数   

αβなどを用いてあらわすことができる︒実際に計辞してみる   

とそれが  

射 て=空き ゝ−1しぷ盲  

であることが分る︒   

ある年度の価格がわかっておればこの㈲を用いてその翌年の  

価格を計辞することができる︒しかもそこでほ常数スリは年が  

わかっても一定のままであるから︑㈲の年代を一年だけさかの   

ぼってみると  

㌢li=ゝ旨lN+て  

という闘係が成立している筈である︒これをもとの笥ナ年の闇   

へ代入すると  

︾=短bT匝+︵−+ゝ︶て   .  

をうる︒同じようにして山年づつさかのぼってゆくことにより   

いくらでも年代をさかのぼることができる︒ここでいまf年だ  

けさかのばると  

㈲ bh−1壱㍉︵−十ゝ十⁝・⁚+寧⊥す  

=夢去鵜︶て  

となる︒したがって㈲の関係において常数スリおよび昨年︵罪  

0年︶の価格如が分っておればどの年度の価格でも容易に算出   ︵六四︶ 六四  

することができる︒すなわちある年の内生変数の値がそれ自身  

の値だけにもとずいて予言できる︒  

Ⅱ 定差方程式の解法  

経済の問題においてほ周の形の式−定差方程式difference  

eq宕tiOn−が与えられていて︑それより㈲の形をもとめること  

がしばしばある︒そのためここでほその解き方についてのぺて  

おこう︒それには最も簡単な場合からはじめるのがよいであろ  

う︒そのため最初に㈲軋おいてつぎのように仮定してみよう︒  

弼 ℃=○しかもゝ=−このとき闇は  

伯 b〜=㌢−−  

となるがこれほ第才年の♪がその翌年の価格に等しいことな示  

しておる︒いま横軸紅旨・−縦軸に曾をとって図示すると㈲は  

右上りの45度の線となる︒ここである年の価格曾⊥の大きさが  

唱えられるとそれを横軸上にと■り︑その上に垂線をたてるとそ  

れと45度の斜線と聖父点の許さがその翌年の価格勿の大きさで  ヽヽヽヽヽヽヽヽヽ  ある︒いまの場合年々の価格ほ等しい︒これはもし欲すれば㈲  

の解ほb︑=営︵−︶叫であると.いうことができるであろう︒これほ  

後で出てくる解と比較する便宜のためにこのような形に諾いた  

に過ぎずbへ=︾を意味するに外ならない︒  

回 っぎにて=○の仮定ほそのままでスの値がたとえば㌃−・N  

であるとしょう︒このときにほ  

冊㌢=−・N㌢・i   

(8)

ほ価格が年々二割ずつふえてゆくことを意味する︒第0年に如  

だけの金額を予金したものが年2割づつ複利の割でふえてゆく  

と弊〜年目には元利合計ほ  

㌣︵−●N︶叫  

となる∵とれが仰の解である︒︾=○すなわち元金がゼ巨のと  

きには元利合封はつねにゼロであるからこのような場合は除い  

ておこう︒この解を冊よりいわば自動的にもとめるためにほつ  

ぎの未定係数法を用いるのが便利である︒すなわち庖丁年の元  

利倉石蒜∵般に  

㈲ ︾旬ム︵−+ユ畑=ゝ短  

の形で与えられるが︑ここで元金に相当するA︑利子率に相当  

する7・あるいほそれに代る︑∧の偲がわかれば任意の年の元利合  

計をもとめることができるわけである︒まずγあるいはスをも  

とめるためには㈲を㈹へ代入し  

ゝ恕ユ︵ゝ−︸.N︶=○ ●.●−−1−●N  をうる︒またAほ第0年における元金に相当するが1 これは㈲  

において︑=○とおけほえられる︒b−牒㌣このぁが予め与えられ  

ておらなければ年々の元利合計をもとめることはできない︒   

Aやスがゼロであっても別に差しっかえほないがゼロの元金  

経済理論と数学   P   を予けてその元利合計をもとめたり︑増加の倍率がゼロ y=○  のときの元利合計をもとめるときのように︑余り興味がない場  合は除いておく︒この未定係数法を用いると動の形はき︵−・N︶叫  ときまる︒   

ここでAをもとめるためには仰の外に条件−あの値が与えら  

れているという条件−が必要であった︒言いかえるとmは変数  

がどのように変ってゆくかを示しているが.︑それがどのような  

値をとるかということを嘗げるものではない︒これを知るため  

には初期条件︵あの大きさ︶について知らなければならない︒   

ここで年々の価格の時系列ほつぎのように分類できる︒ます  

増加率が㌢>−のとき︑〜がー︸N㍍・:と増えるにつれて動は複利  

法別にしたがって増大してゆく︒また○<㌢<−のときにほ年が  

経つにつれて♪は減少してゆく︒  

はすぺて正であると考えられる場合が多いから㌢<○と考えて  

さしつかえないであろう︒このときには年々の価格はつぎのよ  

うになる︒  

︵六五︶ 六五    しかも前節末で示した通り㌢=1上品\Rであり︑  

 ̄汗】 

r  2 3  d  

.4:  

っJ  2  

/  ︵U   

しかもきゴ匂  

(9)

︵↓ −  ・・一   J︑⁚  

価格が豊年の供給量におよぼす影響が ︵異時的︶供給曲線5  

で示されている︒滞0年日の価格が息Qであれは鹿二年目には  

Qごだけ供給される︒かほ需要曲線である︒第一年目にQごだけ  

供給されるとそれは亀︼という価格で取引されるであろう︒こ  

の前年よりもっと低い価格でほ︑前年よりももっと少ししか植  

えつけられず︑したがって第二年目の収穫艮払は手相となる︒こ  

の数韻に対しては価格は息Nに上る︒年々の価格数皿恩の位置を  

追跡した経路はそれらを結ぶくもの巣状の線で示される︒   第一二十巻ふ竺号  ︵六六︶ 六六   

上Ⅵ図では価格が時間的にどのように変るかが示されてい  

る︒価格ほまず︵長期均衡価格より︶上に︑つぎに下にとかぁ  

ってゆくが︑それからますます離れてゆく︒下の図13でほ価格  

が均衡点から︑どんどん離れてゆく︒したがって不安定であ  

る︒これほ需要曲線が供給曲線よりも傾斜が急であるからであ  

り︑逆の場合には均衡が安定的であることを示すことができ  

る︒この後者の場合ほ中の図12で示される︒ここでは価格はし  

だいに均衡点に近ずいてゆく︒最後に図11ほ需要曲線︑供給曲  

線の勾配が等しい場合に均衡点のまわりを永久にぐるぐる回る  

ことを示している︒このような変化が起るわは入の値の大きさ  

によるのであるが︑この・入は需給め構造常数を用いるち前に  

示した通り  

㌢‖1上品\R   

であるから︑まず最初に  

一−㌢=−のときには孟−リRとなる︒⊥﹂の右辺のαは需要  

曲線の勾配なあらわし左辺のまはもとの経済システム朋におい  

て最後の式をその上の式に代入したので︵異時的︶﹁供給﹂曲線の  

勾配をあらわす︒ま=9ほこの両者が等しいことをあらわす︒  

このときにほ価格ほ年の経過とともに交替的にh㌻−㌣+き\R  

となる︒   

二 つぎにー㌢∧−の条件は孟>Qをあらわす︒すなわら﹁供  

給﹂曲線の勾配が需要曲線の勾配より大きいときにほ年の経過  

とともに年々の価格は一歩脚歩均衡水準に近ずく︒   

(10)

三 最後に−y>−の条件ほ∴蒜\qすなわち﹁供給﹂曲線の  

勾配が需要曲線の勾配より小さいとき紅はこのときと反対に年  

の経過とともに価格は次第に発散し︑とどまるところを知らな  ︒   

ここでまが普通考えられている供給曲線の勾配をあらわすも  

のでないことほ改めていうまでもない︒そのため﹁供給﹂とカ  

ツコをつけておいた︒  

乱 つぎに扇○の仮定をすて︑扇−とおいてみよう︒ただし   

入はもとのまま㌢=−・Nとする︒このとき櫛ほ  

㈲ ㌢=−・ぜT−+−  

となる︒︵これほ年々1づつ迫加的に積立予金するとき︑それ  

に年二割の割りで利子がついてゆくことを示している︒︶ ここ  

でもし原点を適当に移動して♪を測りさえすれは常数項を消去  

することができ錘の場合と同じように扱うことができるはずで  

ある︒いまこのような原点がまとまったものとし︑そこから測  

った価格の偲なQとすると  

㈹ ①へ=−.匝のT.  

となり︑Qほ年二割の割で複利的紅ふえてゆく︒この原点はど  

こにあるか︑言いかえると♪と0との問にはどのような関係が  

あるか︒これ叡もとめるために舐軸に亨.を測り縦軸に㌢を測  

って㈲を図示するとつぎのごとくなる︒この直線が縦軸と交わ  

ってなす裁片が〝であり︑勾配が入である︒いま第工年度の  

価格を横軸にとり︑その上紅垂線をひき︑この塩練との交点を  

経済理論と数学   となりこれよ&=よがきまる︒このような点扇を新しい原点  としてそこから価格♪をほかることにすれば︑言いかえると  ㈲より皿を辺々差引けば  

︵︾1ふ︶−−︸.N︵︾エーb︶  

をうる′︒このTクより測った価格をのへ  

①〜=︾−b  

とおくと㈹をうる︒このときQは制の場合のように年二割の率  

で複利的にふえてゆく︒︵すなわち常数項があっても増加率は  

︵六七︶ 六七    もとめると上の交点の縦座標がそのつぎの第〜年の価格をあら  ︺  わす︒いまこの平面上に45度線をえがき直線9との交点を♪と  すると︑この方は45度線上にあるから  

︾=︾■−=も  

が成立し︑また直線㈲上にあるから  

帥﹂甘−−.Nb十−  

(11)

第三十巻第﹂号  

かわらない︶このときには最初の第0年のQの値が  

の=kざ−b  

である点に注意しておきさえすれはよい︒すなわち㈲の解は  

の〜=㌘︵−.N︶叫  

あるいほ  

︵㌢−叫︶=︵きー︾︵−●N︶椚  

となる︒︵㈹は㈲の同次式h︒m︒gene︒uSfOrmとよばれる︒︶   

年々の増加倍率はー・Nであったがこれな二般に入とおくとき  

には︑この解は  

︾=㌣こ十叉−−㌢へ︶  

となる︒これに㈹よりえた畑=−\︵−−ヱを用いれは㈲をうる︒  

またここではー♪をもとめるにあたって特にて=−と仮定したがソ  

が他の倍のときでも同じように考えられる︑ただ扇の値がかわ  

る点に注志すればよい︒このー♪がりの値の歯数である点を明示  

するためには  

︾−叉こ=︹bO−≠︵こ︺㌢︒  

とあらわせぼよい︒  

Ⅱ 連立定差方程式   

これまでほ矧のりは毎年いつもある定数︵たとえば1︶に等  

しいと考えたが︑つぎにこれが時の経過とともにかわる場合に  

どのようになるかについて考えよう︒︵外生変数が変わる場合︶  

そのためいまりの意味をふりかえってみよう︒〝ほ前にもとめ   ︵六八︶ 六八  

たようにて=空♀である︒ここでいま需要由数の勾配αほ年が  経過してもかかわらないが常数項βは人口とともに増大すると  

するときには︑需要碕数において常数項βをぎとおきかえき1−  

1息†エざとすることができる︒このときにほ  

㈹ ︾=−・N㌢1i+三  

においてりほざ\Rとなり︑これは年の経過とともにかわる︒  いまこれがつぎのどとき値をとるものとしユう︒  

となる︒これを年々の新しい原点としてはかれぼ︑あとほ前と  

同じである︒すなわちこのようにしてえたあを用いて滞る  

㈹ ㌢=−・ぜ︑十三  

を㈹より辺々差引くと  

︵b﹁計︶いー.N︵㌢十か︶  

となる︒あるいほつぎのごとく考えることもできる︒最初の第  

0年にほきーーーぴからはかって    ︵カツコはレステム外から与えられるものであることを示す︒︶  これを用いると年々の哀をもとめることができる︒実際瞥﹂れ  を計算すると  

十∵ト㌧∵二・  

≠一〇一−岬 N  

(12)

︵b−−㌢︶=−.N︵き−き︶  

となる︒︵これを用いると動をもとめることができる︶ ところ  

が弟劃年になると常数項均が2とかわるのであるから︑罪山年  

にほ新しい原点Aをもとめておかねはならない︒これは  

b−=−.Nb−+N  

を解いてy=−−○をうる︒これが第一年の新しい原点である︒  

とれを用いて第二年の価格允をもとめることができる︒ 

︵bNl︾▲︶−−−.Nb−︵b−⊥こ  

以下同様に進行する︒一般に筍丁年の原点ほ  

bト=−.Nbへ+≠  

を解いて計=−紀をうる︒これ管用いると罪〜年の♪について  

は  

︵︾−計−i︶=−.N︵bTiふT−︶  

という関係をうる︒このように毎年原点を新しくもとめ常数を  

消去することができれば仙階の定羞方程式はすべて㈲と同じよ  

うに扱うことができる︒ここでえた結果を表にすると  

をうる︒ここでは㈹の最後の項均がイの単調な増加歯数である  

経済理論と数学   と考えたが︑ここ鞋のべた方法を用いればりがもっと複雑な動  きをする場合の勿をもとめることができることほいうまでもな  い︒りが外生的にきまるときにほそれがどのように複雑な動き  をましても︑・各年の原点あを引算でき勿をもとめることができ  るであろちノ︒   

このような外生的変数は戦争金鉱の発見︑大きな技術的発明  

などの外生的な原因によって五〇〜六〇年の波動︵コンドラテ  

ィエフの波動︶をえがくかもしれない︒このような場合を分析  

するものは外生・内隼の混合理論Mi諾dE誓geneOu㌣End・  

〇geneOuSTFeOryとよぶのが適当であろう︒このような場合虹  

ほ最終方程式ほたとえば㈹でのぺたような  

︾=−tNbTi+てへ  

てh=ヾh  

という形になるがこのとき誘導式ほ  

㈹ 訝=て﹁十−■NてTi十⁝=十−・N7∫+−・Nぎ  

となる︒この場合にほ常数︵−●Nおよびあ︶ のみから内生変数  

♪を予測することは不可能である︒誘導式として㈹を用いると  

き紅ほ外生変数︵yしたがってγ︶ の過去の催すべてな考慮に  

入れておかねばならない︒またこの代りにこれらすべでの他で  

はなくそのうちいくつかのものと︑既に定まっている過去の内  

生変数のいくつかを用いなけれほならない︒   

外生変数における変化が内生変数の経過衣に影響を及ぼすこ  

とはいうまでもない︒この事芙ほ年々の季節的変動の場合にほ  

︵六九︶ 犬九   

(13)

第三十巻 第一号  

一般に認められている︒しかしながら経済変数の長期の規則単  

相環変動を発見しようとする老によって充分明瞭に認めちれて  

いるとは限らない︒との場合には何よりもまず経済外的変数の  

効果を消去しておかねばならないのにこれをせず︑非経済的条  

件の変化に考慮を払わず︑過去の波動の経略のみから将来の波  

動を予測しようと試みる人もある︒   

これまでは内生的経済理論において与件が外生的に変わって  

ゆく場合について考えたのであるが︑つぎにこの与件が内生的  

にかわる場合について考えてみよう︒もしyfがその前の年の内  

生変数♪の他に等しいとき  

て仇=訝1ト ︑=−一帖︸甲⁚⁝︵て◇=−︶  

紅はつぎの表をうる︒  

とれは上と同じよう転して毎期の♪を遂次計算してもとめたも  

のである︒また  

〇.∽N︾−i=て  ㈹ 訝=−−N訝⊥+てTi −  

のときにはつぎの衣をうる︒    この方法によると♪の大きさを逐次もとめることができる  

が︑このような方法にほ劇般につぎの二つの不便がある︒第一  

にわれわれが♪の動き紅は与味をもっでいるがyに対しては何  

んらの与味をもっていないとしても双方を計算しなければなら  

ない︒式に含まれる変数の鹿瀬が多くなるとこれは大変な仕事  

である︒またこの方法政よるときには一つの変数の動きの特徴  

を知るために︑骨のおれる引算をかなり繰りかえさなけれぼな  

らず︑その骨折りをして変動の特徴をつかんだとしても︑時の  

経過とともに新しい可能性が︑起るか題らないかについて︑そ  

のいづれとも確定的な答を与えない︒結局のところどこにおち  

つくかということももとめられない︒しかしこの困難ほつぎの  

ような簡単な代数を用いることによって克服することができ  

る︒いまこの式の条件をみたす♪の変化がAこであらわされる  

ものとすると︑言いかえると毎年入倍づっになってゆくとする  

と︑第二式において明らかなように︑りの方も毎年1倍づつに  

なってゆく︒したがっていま  

き=ゝこい ご証由と    ︵七〇︶ ●七〇  

(14)

とおき︑これを㈹へ代入すると  

ゝ㌢仇−−.Nゝ㌢7−1﹂㌣こT−‖0  

−P∽NA㌢T−−如こ=○  

となる︒こ 

を除くと︑これが解けるための条件として  

をうる︒またいまこのように簡単な場合はつぎのようにして解  

くこともできる︒すなわち第二式な鹿式へ代入し  

き1−一Nbγi+P㍑bγ柏=○  

をうる︒ここで賢1−bことおくと  

Aこ1−.Nゝこ⊥+〇.∽Nゝ㌢て柏  

=ゝこーズ㌢N王−.N㌢+〇.いN︶  

=ゝ㌢てズ㌢−〇・00︶︵㌢−PA︶=つ  

となり︑前と同じ結果をうる︒このようた欲しない変数は初等  

代数において周知の消去法を用いればよい︒これ憺㌢=〇・払お  

よび㌢=〇.かの二つの場合に限りゼロに等しくなりうる︒その  

ために〇.00長一 P合ANのどちらもが㈹の解である︒また事突  

これらの合計  

〇.∞︵A−+〇.忠A悼  

もまたこの解である︒これまでのところではA︑裁はどのよう  

な値のも.のであってもよい︒このことははなはだ好都合であ  

る︒・というのはAl裁の値は二つの初期条件をみたすものをえら  

経済理論と数学   ∴⁚.−−㌧   =㌢拍−−.N㌢+〇.∽N   

=︵㌢1P∞︶︵㌢−〇.と=○  

をうる︒この僚点から各変数をほかって︑言いかえると㈹より  

腔鹿二式を辺々差引いて常数の部分を消去し 

︵y芋N−吋︶・エ.N︵y王−瑚︶+〇・∽ぴ︵y﹁ご=○  

をうる︒いまこれを簡単にするために y﹁憎=旨と書き改め  

︵七こ 七劇    ぷことができるからである︒実際初期条件を考慮に入れると  

︵前景の下の表参照︶  

≠=○ ゝ−+ゝN=○  

〜−I−〇.00ゝ−十〇.ざ㌘=−−  

よhノ  

A−=−ゝ陀1!N.∽  

㌧.bn=N●∽︵コ●00−○■hヱ  

をうる︒この才軋OL㍍.甲=を代入して引算すると前頁の加の  

行の数値をうる︒ここで解いた問題嘉二般的な形で再びのべて  

おこう︒そのためまず  

㈹ ゴ+陀+−・Nが士+〇・辞さ=N∽・ひ  

の形の二階の定差方程式について考えよう︒ただし㌔=NO■  

さ=Nのとする︒これには常数項があるから新しい原点からほ  

かってこれを消しておく︒その原点においては毎期のyの値が  

等しいから︑それをPとおくと  

が十N−=が士=ゴ=y  

をうる︒これを用いると  

y+−.N当十〇.∽∽y=N∽.∽  

憎かNP∽\︵ご・−・N+〇.∽∽︶=−○   

(15)

第三十逸 第一号  

ると  

旨十N十−.ぜ葺+〇・∽∽き=○  

となる︒ここで前のように機械的に  

㈹ き=ゝこ  

とおくことにより  

ゝこ︵㌢N十−●N㌢十○●∽ひ︶  

=A㌢ズ㌢+○●可︶︵㌢十○−ひ︶=○  

となり︑ 

㈹ き=皐︵−〇・可︶︻十余丁P切︶鴫  

となる︒ここで㈹と㈹とのちがいに注意しておかねばならな  

い︒㈹は全く機械的なものでそれが問題の種々の条件をみたし  

ているか否かは問う必要はない︒ところが㈹は経済問題をあら  

わす㈹の解で為るから︑それは問題の条件をすべて満足してい  

なければならない︒たとえばそれは問題の初期条件を満足しな  

ければならない︒すなわち㈹の常数Al︑裁ほ初期条件をみたす  

もりでなければならない︒それは  

TO ゝ−+A柏=き−瑠臣−N01.−○=−−○  

昔−ざA−+㌢もN=さ=ゴ1瑠=Nの−−○=−の  

を解いてえられる︒ゝ−=許−A匝=¢となる︒故に㈹は旨=∽∽︵−  

Pごご占︵−〇.∽︶となる︒またつぎに一階の連立走差方程式  

−・Nど言=ぎ+旨  功  

的u  旨士1−〇.N∽ぎ亡−PN紆へ  

も前と同様に容易に解くことができる︒常数項が含まれている   ︵七二︶ 七二  

場合には上にのぺたように原点を適当に移動して消息してお  

く︒ここでhギ=ゝと.き=bミとおき上式へ代入すると  

ー.柏∽A⁚こ士=A㌢叫+如ミ  

申㌔士=〇.Nひゝ㌢羊ト〇.N∽ゝこ  

をうる◇これはゝミ∵やもに閲す右同次式であるから︑これが  

ゼロ以外の根をもつためには一式が他に従属していなければな  

らない︒このときにほたとえば上の式より  

︵−−−.N∽ヱゝこ十加ミ=○  

がえられる︒これがあらゆ為言の値に対して成立するためには  

㌢=篭でなければならない︒そのため最初から  

ぎ=A㌢叫一旨=申こ  

とおくと㈹より特性方程式  

㌧.㌢=︵−?け\川∴\−○  

をうる︒したがってもとめる方は  

ぎーーゝ−ざ鴎+Aダも  

となる︒  

Ⅲ 複素根の場合  

もとの連立方程式銅の第二式の係数が少し変わって  

ー.N∽ぎ士−=こご+き  

℃︻士=き+−1こご    −  ーーー.N∽㌢  〇.N∽㌢−PN∽ −㌢   =−\史ヤーざ︶︵㌢−yN︶=○  

(16)

を得るがこのときの根〜特性掛−は塩素数となる︒たとえば最  

も働単な形の国民所得決定の議論によると国民所得ほ   

凰加賀童1−義樽十拓鹿∵ゴ=Cnトかとあらわされるが︑いま  

ここでほ社会全体としてほ全所得の八割が消費虹あてられるも  

のとしよう︒しかもロバートソンに従って消費は所得に劇期だ  

け遅れているものと考えておく  

C羊−=〇.∞があるいは が=−・N∽C苦  

また投資についてはサミュエルソソの考えにしたがう︒√すなわ  

ち消費財産出放と資本存在鼻との問にほ一定の比率邑atiOnが  

あるホ=ゐC.このときには投資︵資本鼠の増分︶と消費財の増  

分との間にも劇定の比率が認められゝホ=︑=監Cあるいは 

か亡=恥︵C羊︼−Cn︶  

であるからわれわれの経済システムほ  

ー.N∽C空‡=Ch十か  

か士=Qp士+恥C  

となるであろう︒この特性方程式は   のときにも全く同じようにして特性方程式  

となり︑特性根としては  

㌢=−〇.犬−+聖什\〇・ご\P望−ナ買r患  

経済理論と数学   ーーー.Nひ㌢ −   −−+㌢ −㌢  

ー︼−.Nひ㌢ −   

−ゐ+・Q㌢ −㌢   ‖−LN∽㌢ギ︵−■やラ1ふ=○   ー.N∽︹㌢−︵P00十−・旦︺   

×︹㌢+︵P00ーー一の叫︶︺=○   をうる︒⊥忘=−\00﹀恥=−とおけばそれぞれの㈹佃の場合をう  る︶周知のように︑この式の最後の項のルート内が正であれほ  入は二つの実根︑ゼロであれほ等しい実根︑負であれば入ほ二  

つの複素根となる︒いまβがゼロから次第に大きくなるときこ  

のルート内  

ヽ=〇.∞ヘー+翌沌−合  

がどのようにかわるかについて考えてみよう︒これはβに関す  

る二次式であるからβにいろいろの値を与えて計算しその凝果  

をグラフに示すと下の図のようになる︒試みにβの他が〇・N  

〇一かN.窒N.毘であるとして討賢してみると  

β  

となる︒この曲線が械軸と交わる点すなわちルート内がゼロと  

なる点はβが︵㍗\ひ︶\Nと︵ぞ\∽︶\Nに等しいときであ  る︑この間ではルート内は負となる︒言いかえるとβがこの間  の値をとるとき根は複素数となりβがこの他の他をとるとき根  ほ実数となる︒ここで後素数は許さぬとしたらどうであろう︒  

︵七三︶ 七三    ノ  

(17)

第三十巻 第一号  

このときにほ二次の方程式さえ特別の形のもの以外は解けなく  

なり極めて工合が患くなる︒これを避けるためにほ実数の外に  

復紫数の場合も許さねはならない︒これほ実数はどには知られ  

ていないけれども後に見るように︑内生変数の痕動について考  

えるためにほ不可欠のものである︒   

ところで経済で取扱う数量価格生産損などが複素数である場  

合には︑それほ経済的に意味がないものとしてすてて差つかえ  

ないセあろう︒しかしながら下でみるように劃見複素数の形を  

とりながら実際にほ複素数でないものも中にほある︒このよう  

なものはたとい複素数の形をしていても問題の灸件に合わない  

といって棄てることはできない︒   

前にのぺたように根をもとめるために代入したぎ=Aこなど  

ほ単に凝学的に操作できさえすればよくそれは問題に与えられ  

た条件をすべてみたす必要はない︒しかも特性方程式がいつで  

も解けるようにしておくためには複素数の領城で考えねばなら  

ないであろう︒ところがこれを機械的に代入してもそれからえ  

られる問題の解すなわち  

ミ=>ざq十bN㌢㌔  

はただ単に数学的に操作できさえすれはよいのでほなく︑これ  

は問題に与えられたすぺての条件を満足しなければならない︒  

たとえばそれは問題に与えられた初期条件を満足しなければな  

らない︒いま初期灸件が   但 勘−‖b−ざ+AN㌢沌  

を解いてえられる他のむのでなければならない︒しかしこの点  

を考えるに当?て銅の左辺が実数でなけれほならないという条  

件に特に注意しなければならない︒   

ただしこれは個々の入したがってぎ=A㌢畑が実数でなけれほ  

ならないと要求するものではない︒たとい個々の入ほ実数でな  

くても銅が実数となるものは問題の要求に合うほずである︒こ  

の点について考えよう︒そのためいま㍉︑わが複素数であると  

する︒このときには ︵脚伽の解を見れば︶容易にわかるように  

㍉︑わとは共甑cOnj烏uatmである︒すなわち山方がQ十既であ  

ると他方はQ−託の形のものである︒このとき二根の和ざ十㌢N  

をつくると虚数部分は消える︒この性質がいまの場合特に貢空  

でぁる︒鋤第一式参照︒同じことは第二式についてもいえる︒  

つぎにこの第二式について考えるのであるがそれをまず係数︑  

Al︑裁が実数であるか否かにしたがって分けて考えよう︒  

Al︑4が実数でしかも両君等しいときには第∵年の∬ほ  

ざ=昌︵ざ十㌢帽︶  

となり︑㍉︑わは共甑︑であるからカツコ内にしたがってれは実    であるとするとAl︑裁は  

ぎ=A−十AN  

四  

七   四  

(18)

数である︒また第二毎のガほ 

ざ=ゝ−︹︵Q十善匝+︵鶏1三相︺=N昌︵亀十ぶ  

となり︑実数となる︒同じよう粧すれば第三年第四年⁝の場合  

軋もガが乗数であ 

において係数Al︑裁が実数でしかも両名が等しいときほガは実  

数となる︒これに対し両者が等しくないときには紺第二式は必  

ず複素数となり実数となりえない︒このような場合には入は問  

題の条件を浦たさないものとしてサてなければならない︒  

弼Al︑裁が複素数のとき   

1︑Al︑裁が共醜でない場合には︑㈹第二式に虚数部分が残  

るため問題の条件はみたさなくなる︒逆に言えば︑Al裁を問題  

の条件をみたすように決めるときにはこの場合は起りえない︒   

2︑A︑裁が共玩のときにはゝ−=エ5+昇ゝN=S−諷の形と  

なり第仙年の∬は  

さ=︵芸+温︶︵鶏+乳︶+︵S−諷︶︵鶏−託︶  

=N︵責−温︶  

となり︑虚数部分は消えれは実数となる︒同じことは第二年の  

ガについてもいえる︒実際計辞してみると  

ぎ=︵註+乱︶︵誌+ひこ拍+︵S−乱︶︵鶏−監︶N  

け桓S︵も−思︶−倉已  

であり虚数部分がなくなることが確められる︒同じてとは第三  

年以降についセもいえる︒   

ここにのぺたLとはつぎのように三角法を用いて示すことも  

経済理論と数学   できる︒上のょう聖二角法を用いてのべるのほ︑ただ単虹上に  のべき﹂とを再確認するだけでなく︑そのためにガのかくれた  意味を明示することができるからである︒いま横軸に実数をほ  かり縦軸に虚数をはかると復素数Q十取はこの平而に山つの点  で示すこともできる︒この点はまた極座標を用いて右上方35度  の方向12糎のところにあるというように長さγの線分が横軸と  なす角をβとするとき㌢〝を適当に定めることによってこの点  を示すことができる︒実際  

Q‖‖ヽnOSもu ひ=房1日q  

であるからβ7・を適当に定めれば  

Q+託−=ユcOSq+賢n屯︶  

えば  

A−=叉cOSR+賢n且  

AN=叉cOSR−賢n且  

とあらわすと第㌦年の∬は   1β  

と表わすことができる︒この考えを用いて当面の改案数をたと  

︵七五︶ 七五    ざ=ユcOS恥+邑n誉  ㌢N=ユcOS恥−冴−n彗  

(19)

第三十巻 第﹁号  

ざ=N守︵cOS宍OS恥−Sin岳in皇  

となり虚数部分は消える︒また初等三角法で周知のようにこの  

カツ内ほ宍空谷+彗に等しいから  

ざ=N守cOS︵R十聖  

をうる︒また第二年の鵜を計算すると 

ぎ=N守ざOS︵象+N空  

となり︑虚数を含む項ほ消える︒全く同じようにして第〜年の  

∬の偲ほ  

悶.ぎ=N守昔OS︵鶏+竃︶  

となることを示すことができる︒   

この計算にほドゥモアプルdeMO㌢eの走理がつかわれて  

いる︒それほつぎのように主張する︒ヽ−−COS屯十sin屯であると  

きその才乗は  

ヽ=COS竃+冴in芸  

となる︒すなわちそこではただ単にβが紺とかわるだけで奉  

る︒これを証明しておこう︒  

ヽ.−についてこれが成立すると仮定するとこの命題はそれよ  

りも一つ大きい数〜に対しても成立する︒なぜなら︵ヽ=㌧⊥ゝ  

ヽ﹂ヾ=︷︒︒A︵T−︶ヱ+賢n︹︵T−︶屯︺cOSq+琶n勺︶ 

=COS︹︵T−︶ヱcOS屯+訂OS︹︵T・−︶ヱ乳n屯十  

をn︹︵T−︶屯︺cOSQ−玖n︹︵T−︶屯︺玖n屯  

−1︵cOS︹︵≠−−︶も︺cOS屯−望ロ︹︵叫−−︶ヱsin匂︶十  

ュcOS︹︵T−︶ヱsin?十巴n︹︵T−︶ヱcOSも︸   ︵七六︶ 七六  

=CO乳匂十冴書誌  

となる︒したがってこの命題が一つの整数こについて成り立  

っとき紅はそのつぎの整数才について成立する︒ところがT一  

についてこの命題が成立することはただちにわかる︒ところで  

昔−についてこの命題が成立すれば㌃畏痘ついても成立し︑昔  

N紅ついて成立すれば宣=∽紅ついても成立する︑等々となる︒  

このようにして結局われわれの証明しようとしている命題はl  

より大きい任意の整数について成立することがわかる︒  

Ⅴ 振 動 の 形   

このようにたとい特性根入が複素数であっても年々の″が必  

ずしも複素数であることな意味しない︒虚数部分が消え︑それ  

窒一一角歯数を用いてあらわせは㈹のように  

餉ざ=N誓cOS︵R+運=N誓cOS貸手重秀  

の形になることも多い︒われわれが特別に注目するのはこの場  

合である︒この性質をよくみるためにほ図に描いてみるとよ  

い︒しかも簡単な場合からはじめるためにいまかルー\N\=−.  

R=○−恥=−とするとこれほ  

伽 き=COS叫  

となる︒図りに示してあるようにこの″の値ほ〜が0から90に  

増す紅つれて1から0紅減る︒▲〜が更に増すとガほ更に減って  

負になりマイナス1に到達する︒それから更に≠が増してN↓○  

父岩になるとこんどは″ほ次第に増しガほゼロから正となりl  

となる︒・〜が∽若から弓NOの問でもガの値は1から一1吏疫lへと   

参照

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