バーナードの管理とリーダーシップの理論
その他のタイトル Ghester Barnard's Theory of Management and Leadership
著者 飯野 春樹
雑誌名 關西大學商學論集
巻 20
号 3‑5
ページ 189‑209
発行年 1975‑12‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/00021065
(189) 1
バーナードの
管理とリーダーシップの理論
飯 野 春 樹
は じ め に
バーナードの管理論が,近代的な組織理論を基礎理論にして展開された画 期的なものであることは,もはや常識といってもよい。伝統理論におけるよ うに管理職能をたんに経験的に分類するのではなく,彼はまず公式組織の理 論を構築した上で,その特殊な一側面である
the functions of the ex‑(1)
ecutive"
を考察しようとする。このような意図は,『経営者の役割』の先駆 をなすローウェル講義のための草稿において,すでに次のように述べられて いる。
管理者の諸職能は,公式組織の生命の,区別可能ではあるが不可分離の一側面ーーた ぶん最も重要な単一の側面であり,社会生活が相対的によりいっそう,意識的な,計 画された,公式的かつ明確に組織された努力によって表現されることが多くなるにつ れて,重要性が増大する側面—である。もしこの特殊な側面を理解しようとするな らば,組織の諸原則とその生存の条件
the principles of organizations. and the(2)
conditions of their existenceもまた理解されねばならぬことは明白である。
(1) C. I. Barnard, The Functions of the Executive, 1938.
以下.
TheFuctio匹と略記する。
(2)
ローウェル講義,第一講草稿,
2ページ。
2 (190)
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
したがって本稿は,バーナードの組織理論を概観したのち,その組織理論 との関連から,従来必ずしも究明されていなかった管理論の体系と,とくに リーダーシップ論の位置づけを試みようとするものである。この主題の考察 に当たっても主著が主要な,そして最も役立つ文献であるが,彼のそれ以外 の文献もできるだけ参照することにしたい。
ー
バーナードは, 「それによってわれわれの経験のすべての要素を解釈する ことのできる,首尾一貫した,論理的な,必然的な一般的諸概念のシステム を構成する努力」として,ォープン・システム理論にもとづく組織理論を構
(3)
築した。それは次のような意味をもっている。
.....
協働システムの経験を分析するための最も有効な概念が,公式組織を,二人または
..............................
それ以上の人々の,意識的に調整された諸活動または諸力のシステム,と定義するこ とのうちに具現しているということこそ,本書の中心的仮説である。協働が行なわれ ているどのような具体的情況においても,いくつかの異なるシステムが構成部分をな していよう。それらのあるものは物的,あるものは生物的,あるものは心理的であろ うが,これらすべての他のシステムを全休的な具休的協働情況に結合する,すべてに
(4)
共通な要素は,定義のような組織という要素である。
バーナードは,協働システムを維持,発展させる管理の機能を説明する必 要上,あらゆる協働システムに普逼的に存在するところの,その中核的サプ
(5)
システムとしての公式組織を,そのように定義したのである。ここに定義さ れ る 公 式 組 織 と は , 単 純 公 式 組 織 に 即 し た 「 純 粋 」 組 織 概 念
idealsimple formal organizationである。
(3) W. B. Wolf, The Basic Barnard, 1974, p. 54. (4) The Functions, pp. 73‑74.
(5)
山本・田杉絹「バーナードの経営理論」 (ダイヤモンド社,昭和4
7年)揚載の
拙稿
60 63ページおよび7
8ページを参照。
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
(191) 3組織は人間の諸活動または諸力をその構成部分として成立する一つの抽象 的なシステムである。組織成立の必要にして十分な条件は,(1 )共通の目的,(2 )
コミュニケーション,(3)協働意志,という三つの基本要素である。成立のモ メントとして,これら三要素は動かしがたいものである。たとえ一分間とい
(6)
う短期間であっても,これら三要素が存在するかぎり公式組織が成立する。
かく成立する組織が,生命を維持して長期的に存続しうるには,システム の均衡が維持されなければならない。この点についての最も重要な記述は次 の通りである。
組織の存続はシステムの均衡維持に依存する。この均衡は,第一次的には内的なも のであり,三要素間の釣合いの問題であるが.究極的.基本的にはシステムとそれに外 的な全体情況との間の均衡である。この外的均衡はそのうちに二つの条件を含む。第 ーは組織の有効性であり,それは環境情況に対して組織目的が適切かいなかの問題で
(7)
ある。第二は組織の能率であり,それは組織と個人との間の交換の問題である。
以上を要約して,バーナードはいう。
..............
組織とは,単純であろうと複雑であろうと,つねに,調整された人間努力のインパー
........
スナルなシステムである。そこにはつねに,調整および統一の原理としての目的があ る。そこにはつねに.伝達能力が不可欠であり,つねに人格的な意志が必要である。
(8)
さらに,目的の統合と貢献の継続とを維持するために有効性と能率とが必要である。
単位組織の組合せによって成長する相当規模以上の具体的な複合公式組織 一 そ こ で は 長 期 的 存 続 が 予 定 さ れ て い る 一 ー に お い て は , そ の 調 整 の 必 要
(6)バーナードは, 「一日とか一週間という短期間のうちにも,名前もないし組織 と考えられもしないような,短命の,せいぜい二,三時間の生命しかない公式組 織が無数にある」
(TheFunctions, p. 4.)と述べている。 この段階では,存続 の条件としての有効性と能率はいまだ導入する必要はない。長期的視点からする 組織や管理の考察に当たっては,当然に有効性,能率のみならず,のちにみるよ
うに価値や規範の問題が重要になるであろう。
(7) The Functions, p. 83. (8) Ibid., pp. 94ー95.
4 (192)
パーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
上,明確なコミュニケーション・システムーコミュニケーション・センタ ーとしての管理者の配置とそれらの間を連結するコミュニケーション・ライ ンをもつ管理組織ー~の確立が必要である。単位組織には専門化によって分 割された目的が与えられ,単位組織間にはコミュニケーションのチャネルが 設定され,各単位組織には管理者が配置される。「明確なコミュニケーション のシステムの必要性がオーガナイザーの最初の仕事を作り出し,そしてその
(9)
必要性が管理組織の直接の起源である。」
このような具体的な複合公式組織
concretecomplex formal organiza‑ tionにおける諸問題は,専門化,誘因,権威,意思決定という組織の諸要素
として,主著第 3部においてより具休的に論じられている。
複合組織の拡大とともに管理職能の意識的な遂行が必要となり,管理職能 の専門化が行なわれる。ここに管理論の成立と必要性がみられるのである が,われわれも管理論の考察に移ることにしよう。
バーナードは, 「本質的な管理の諸職能は,すでに第 7章 に お い て , ま た,やや詳細に第 3部において述べたような,組織の諸要素に対応する。そ れらは,第一にコミュニケーションのシステムを提供し,第二に不可欠な努
(10)
カの確保を促進し,第三に目的を定式化し,規定することである」として,
これら三つの職能を第
15章「管理職能」において詳述する。なお,ローウェ ル講義の草稿段階では,組織諸要素をそのまま引き写して,管理職能を,( 1 ) コミュニケーションのシステムを提供し,( 2 )不可欠な努力の確保を促進し,
( 3 ) 目的を定式化し,規定し,( 4 )有効性を促進し,( 5 )能率を促進し,そして,
( 6 ) これら組織の諸要素の適切な組合せを確保すること,と分類する。主著で は上記 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) を「管理職能」とし,( 4 ) , ( 5 ) , ( 6 ) を「管理過程」として,
それぞれ第
15章と第
16章で別個に論じている。
ローウェル講義草稿と主著との間にみられる相遮については,すでに論じ
(11)
たことがあるが,バーナード自身,ごく短期間のうちに上述のように管理職
(9) Ibid., p. 217. (10) Ibid., p. 217.
パーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
(193) 5(12)
能と管理過程の便宜的な区分を行なっている。本稿は可能なかぎりパーナー ドの組織理論によりながら,筆者なりにバーナードの管理論休系の分類・整 理を試みる。
" "
^
管理とは,変化する環境のなかで協働システムの均衡を維持してその長期 的存続をはかる専門的な過程である。定義上,公式組織の存続なくしては協 働システムの存続はありえず,したがって公式組織の均衡を通じてのみ協働 システムの均衡が維持される。かくして管理の過程は,公式組織の均衡維持 の過程にほかならない。バーナードは公式組織の成立条件と存続条件を区別 しているが,組織が存続していること自体,組織がつねに成立しているこ
(13)
と,つまり成立の三要素が充足されていることを意味するはずである。さら に管理作用は本来,長期的存続に関連するのであるから,管理的視点から は,成立の三要素がつねに存在していることを確認しつつ,管理過程を主と して存続の条件にかかわらしめて考察することができよう。もちろん,相当 規模の複合公式組織の管理が考察の対象である。
オープン・システムとしての組織の存続は,すでにみた通り,内的均衡と
(11)
拙稿「「経営者の役割」執筆過程における協働体系と組織の概念について」,「商 学論集」第
17巻第
5• 6号 。
(12)
主著第
15章「管理職能」の書き出し
(pp.215‑217)と同じ文章のまま, 草稿 では
(1)(6)をすべて一括して論じている所から,あえて「便宜的」と記述した。
(13)
成立と存続の関係は,ちょうど映画のフィルムになぞらえて説明することがで
きよう。画面が動いている(存続している)のは,そのーコマーコマ(そこに成
立の三要素が存在している)が連続しているからである。それぞれのコマなしに
は連続しえないのである。すぐ後にみる存続に当たっての内的均衡に必要なこと
は,三要素の適切な組合せを確保する仕組み,つまり,フィルムのつながり(あ
るいはカメラとか映写機がそれに当たるかもしれない)である。それがコミュニ
ケーション・システムである。コミュニケーション・システムが確立され,それ
によって成立の三要素がととのい,外的均衡の遂行が可能になるといえよう。
6 (194)
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
外的均衡からなるシステムの掏衡に依存する。したがって管理過程は,まず 内的および外的均衡を維持する過程である。内的均衡とは「各要素間の釣合
. .
い」の問題であり,貢献の調整に関連するであろう。共通目的と協働意志と を結合するものはコミュニケーションであり, コミュニケーションは他の二 要素以上に調整の役割をになっている。したがって,システムに内的な調整 のシステムとしてのコミュニケーショ.ン・システムの効果的な形成と運用と が 三 要 素 結 合 の 条 件 と な り , ま た 外 的 掏 衡 の た め の 基 礎 条 件 と み な さ れ よ
う 。
このコミュニケーション・システムないしその維持は,公式組織の基本的な,あるい は本質的な継続的問題である。有効性ないし能率—すなわち存続の要因—の,他
(14)
のすべての実際的問題は,それに依存している。
かくして管理過程の第ーは,とくに複合組織において明白であるが,内的
(15)
掏衡としてのコミュニケーション・システムの形成と運用に求められよう。
組織の掏衡は,究極的,基本的には,このシステムとそれに外的な全体情 況との間の(外的)均衡の問題である。この外的掏衡維持には,有効性と能 率との達成が条件ないし基準となっている。有効性は,システムと環境との 間 の 相 互 調 整 を 意 味 す る 組 織 目 的 ( 共 通 の 目 的 ) を い か に 適 切 に 設 定 す る か,それをいかほどに達成するかという問題である。能率は,組織とそれに 外的な諸個人との間の交換の問題,つまり貢献と誘因のバランスの問題であ
(16)
る。誘因が貢献より大きくて個人にとって純満足があると感じられるとき,
(14) The Functions, p. 175.
(15)
真野教授も内的均衡を同じ観点からとらえておられる。真野脩稿「バーナード における内的均衡と外的均衡」,北大「経済学研究」第
24巻第
1号参照。ただし,
真野教授がそこで引用し,批判しておられる山本安次郎教授の見解と教授自身の 主張とは,本質的にそれほど異なるものとは思えない。
(16)
バーナード自身.他の個所では,有効性にかかわる側面を外的
external,能 率にかかわる側面を内的
internalと特徴づけている場合がある。The Functions, p. 200 ; Organization and Management, p.切.
パーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
(195) 7個人は引続いて組織に貢献するから,組織の側では個人に協働意志をいだか せ,必要な貢献を継続して提供させるに足る誘因を生産し,分配できなけれ ばならない。有効性がなければ,通常,協働意志は消滅する。 「この意志に
(17)
は目的が遂行できるという信念が必要である」からであり,さらに目的達成 の過程および結果から各人に配分されるべき誘因の原資が獲得されるからで ある。協働意志の減少ないし消滅,つまり能率の低下は,当然に目的達成へ の努力を低下させ,有効性を阻害するであろう。組織の寿命が長くなればな るほど,有効性と能率の双方がいっそう必要になるのである。
かくして組織掏衡の維持は,コミュニケーション・システムを媒介とする 共通目的(有効性に関連する)と協働意志(能率に関連する)の確保に依存 するといえよう。これら三要素は相互依存閲係にあり,内的均衡と外的掏衡 もまた相互依存的である。かようにして,バーナードのいう管理の三職能
(主著第
15章)と有効性,能率の確保(第
16章)は, システムの内的掏衡お よび外的均衡の概念のもとに整理することができるであろう。
伝統理論が組織を職務(一権限一責任)の集合体とみるのに対して,バー ナードは組織を人間行動からなる一つの生きた全体としての社会的システム とみなす。人体にたとえれば,前者は「骨格」のみの考察であり,バーナー ドのそれは「血と肉」をも加えた全体をみるのである。伝統理論が公式的,
法律的,技術的な組織構造論であるのに対して,バーナードの場合,組織に 人間(行動)を含めた必然の所産として,組織の道徳的要因をきわめて重視 する。組織をして血と肉をもった全体像たらしめるものは,まさにこのよう な道徳的要因である。組織は全体として把握されねばならず, したがって組 織の存続を考察するに当たって「全体感」が必要とされる。内的掏衡と外的 均衡は,かなりの程度まで技術的に遂行されうるとしても,道徳的要因が含 まれていることを見逃してはならない。
バーナードはその主著第
16章において,とくに全体としての能率に関連し て次のように述べ,最終章第17 章において,組織道徳と責任の考察を行なっ
(17) The Functions, p. 82.
8 (196)
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
て彼の著書を結んでいる。
この全般的な管理の過程は,その重要な側面において知的なものではない。それは 審美的,道徳的である。かように,その過程の遂行には,適合性の感覚,適切性の感 覚,および責任として知られている能カ―これが協働の達成にとっての最終的表現
(18)
である一ーが必要である。
バーナードは後年にいたって,主著においては必ずしも明確に述べられて いない問題として, 「人々の間の協働が,彼らの活動からなる公式組織を通
(19)
して,道徳性を創造するという事実の隠識」が重要であり,さらに,公式組 織が自律的な道徳的制度とみなされるべきことを強調している。具休的な公 式組織の基本的性格を道徳的制度と規定するバーナードの組織理論は,これ を明確に理解しておかなければならない。このような理解は当然に,継続的 な組織を取り扱う管理理論の考察に大きい影響を与えるであろう。公式組織 は,その倫理性をも含んだ一つの全体として理解されることが必要である。
彼は次のようにいう。
あらゆる公式組織は社会的システムであり,たんなる経済的あるいは政治的な手段 的存在とか,会社法のなかに暗に含まれた仮構的法的存在よりもはるかに広い何もの かである。社会的システムとして,組織は,慣習,文化様式,世界についての暗黙の 仮説,深い信念,無意識の信仰を表現し,あるいは反映するのである。そしてそれら は,組織を大いに自律的な道徳的制度たらしめ,その上に手段的な政治的,経済的,
宗教的,あるいはその他の機能が積み重ねられ,あるいはこの制度からそれらの機能
(20)
が発展してくるのである。
かくして管理過程の第三番目は,このような道徳的制度としての公式組織 の性格を確立し,維持することに求められよう。組織もまた,いかに生きる べきかの哲学を必要としているのである。これは,彼が主著第
17章で,他の
(18) Ibid., p. 257.
(19) C. I. Barnard, Elementary Conditions of Business Morals, 1958. p. 4. (20) Ibid., p. 3.
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
諸問題からは区別して集約的に論じているところである。
(197) 9
組織の存続は,それを支配している道徳性の巾広さに比例する。このことは,先見
(21)
性,長期的目的,高遠な理想が協働持続の基礎であることを意味する。
このような性格を創出することを,バーナードは「組織道徳の創造」ある いは「道徳的創造性」などと呼び, 「責任の最高の表現としての道徳的創造
( 2 2 ) . (23)
性という管理職能」は「管理職能の顕著な特性である」と述べている。経営 学での通常の用語法に従えば,管理過程の第三番目のこの過程は「経営理念 の創造」と呼ぶことができよう。のちにも述べるように,これが「最高の意 味でのリーダーシップ」機能であり,それは,
共通目的に共通な意味を与え,他の賭誘因を効果的にする誘因を創造し,無数の意思 決定の主観的側而に変化する環境のなかで一貫性を与え,協働に必要な強い凝集力を
(24)
生み出す個人的確信を吹き込むものである。
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バーナードはまず,理念型的な単純公式組織に即して公式組織の定義と理 論とを確立する。そして,基本的単位組織の組合せからなる複合公式組織に もまた,同じ理論が適用可能であるとして,その理論を具体的な諸問題に拡 大してゆく。複合組織の管理機構である管理組織の機能の解明についても同 様である。主著第
4部 で の 管 理 者 の 諸 機 能 の 記 述 , と く に 第
15章「管理職 能」は, 「全組織の諸努力の調整のためにのみ存在する全体としての管理組
(25)
織の諸職能」の考察であるという。すでに述べたように,その管理職能は三
(21) The Functions, p. 282.(22) Ibid., p. 261. (23) Ibid., p. 274. (24) Ibid., p. 283. (25) Ibid,. p. 216.
10 (198)
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
つに分類されるが,それらが第
7章「公式組織の理論」と,第
3部「公式組 織の諸要素」についての考察にもとづくことは著者自身の指摘する通りであ
る 。
われわれは前節で,バーナードの管理過程論として,(
1)内的掏衡の維持,
( 2 ) 外的均衡の維持,( 3 )経営理念の創造,と分類した。本節では,より具体的 に管理者のなすべき職能という観点から,それを管理職能の名のもとに分類 してみよう。その場合,組織理論に基本的な概念ないし用語を用いることに する。
バーナードは主著第 3部において,複合組織にみられるかなり具体的な組 織要素として,次の四つを各章のテーマにあげて論じている。すなわち,専 門化,誘因,権威,意思決定である。アメリカにおけるバーナード研究家の ウォルフ教授は,公式組織の諸側面
aspectsとして,これらのほかにステ
(26)
イタス・システムと組織道徳を追加するのが適当であろうと述べている。バ ーナードが後年,主著の欠点は,権威を強調しすぎたこと,権威に対応する よりいっそう重要な責任の問題を論じなかったことにあると反省している点 からは,責任概念を組織要素,つまり組織理論そのものに含めてもよいので
(27)
はないか,と筆者は考えている。
他の所でバーナードは,主著がよって立つ公式組織の概念的枠組として,
次のように説明する。構造的な主要概念として,(
1)個人,(
2)協働システム,
( 3 ) 公式組織,( 4 )複合公式組織,( 5 )非公式組織,であり,動態的な主要概念と しては,(
1)自由意志,(
2)協働,(
3)コミュニケーション,(
4)権威,(
5)決定過程
(28)
( 6 ) 動的均衡,(7 ) C 管理〕責任,である。本稿のように管理理論の構成を考察 するに当たっては,動態概念のうち,コミュニケーション,決定過程,動的 詢衡および責任がとくに重要とみなされよう。
(26)
前者はバーナードの1
945年論文,後者は
1958年論文にもとづいている。
Wolf, op. cit., chapter V.(27)
拙稿「バーナードの責任優先説について」,「商学論集」第1
9巻第
5• 6号 ,
25ページ。
(28) C. I. Barnard, Organization and Management, 1948, pp.132‑133.
パーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
(199) 11このような主著と論文集での分類から選択して,以下本稿では管理職能を 説明するための主要概念として次の四つを用いたい。すなわち,(
1)コミュニ ケーション,(
2)デシジョン・メーキング(意思決定ないし決定過程), (
3) モ ーティベーション(誘因ないし動的掏衡),(4)リーダーシップ(責任),がそ れである。もとより他の諸要素,諸概念は,これらに包括しうるものとみな
されている。
コミュニケーションのほか,組織の成立条件としての共通目的はデシジョ ン・メーキング(組織的意志決定の部面を指す),協働意志はモーティベー ション(これは個人的意思決定の側面である)に含まれている。主著第
15章 で 分 類 さ れ た 管 理 職 能 と し て の 「 組 織 伝 達 の 維 持 」 は コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に,「必要な活動の確保」はモーティベーションに,「目的の定式化」はデシ ジョン・メーキングにそれぞれ対応し,第
16章の有効性と能率はそれぞれデ シジョン・メーキングとモーティベーションに関連づけることができる。
組織理論にもとづく管理理論の立場からは,管理職能は,組織均衡の維持 をはかって,組織目的を規定する(組織的)意思決定を行ない,コミュニケ ーション・システムを形成・運用し,さらに,必要な活動を確保すべく動機 づ け を 行 な う こ と と い え よ う 。 こ れ を 前 節 で 述 べ た 管 理 過 程 と 対 応 さ せ る と,内的均衡はコミュニケーション,外的掏衡はデシジョン・メーキングと モーティペーションにかかわるであろう。組織を生きた全体システムとする のに必須である経営理念の創造は,次節でみるようにリーダーシップにかか わらしめることができよう。
かようにして,バーナードの管理職能は,コミュニケーション・システム の形成=組織構造の形成,を基盤にして,そこでの意思決定,コミュニケー ション(情報の伝達,収集と処理), モーティベーションおよびリーダーシ ップと分類するか,あるいはまた,上の二つのコミュニケーション問題を一 括した意味でのコミュニケーションのほか,意思決定,モーティベーション,
リーダーシップと分類することが可能であり,便宜であると考えられる。ゎ
れわれは本稿では,これら四概念のなかで,あるいは四概念を通じて,経営,
12 (200)
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
組織,管理のほとんどすべての問題を効果的に取り扱い,論じることができ るだろうことを指摘するにとどめたい。本稿の目的はバーナードの管理論の 枠組を再構成することにあるから,この枠組にもとづく具体的検討ないし肉 づけは別の機会に試みることにしたい。以下では,バーナードのリーダーシ ップ論の位置づけに議論を進めることにしよう。
w
以上において,便宜的に管理過程として分類した,( 1 )内的均衡の維持,( 2 ) 外的均衡の維持,あるいは管理職能として分類した,(1 )コミュニケーショ
ン,(
2)デシジョン・メーキング,(
3)モーティベーションは,管理組織におい て,あるいは管理職位において,最小限遂行されなければならない作用また は機能として記述されている。もしこれらの機能が正しい意味において一一
「技術的」,「道徳的」側面の総合として一一十分に遂行されるならば,組織 は長期的存続を確保しうるであろう。バーナードが,協働,組織,管理にお ける「道徳的」側面を重視して,全体情況把握の必要性を強調するのに対 し,従来の管理研究では科学的分析にたえうる技術的側面のみが取りあげら れ,道徳的側面は科学的考察の領域からは切り捨てられていた。バーナード 研究においてすら,たとえ組織に価値や道徳の問題が存在すること,組織存 続に当たって道徳的側面が必要不可欠なことを一般的事実として聡めるとし ても,それらを組織と管理の理論の部分として包摂しようとしないか,ある いは包摂すべきでないとする論者が多かったように思われる。いまや,組織 研究における機能主義(という「倫理」) を越える新しい「倫理」が求めら れなければならない。
われわれは,すでに述べたように,ごく短期的に成立するにすぎぬ場合は
別として,公式組織はその倫理性をも含んだ一つの全体として把握されるペ
きであると考えている。そのような組織理論にもとづく管理理論において
は,よりいっそう道徳や理念の問題が重視されるであろう。 ドラッカーも
,,ゞーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
(201) 13「マネジメントは文化でもあり,価値観と信条が体系化したものである・・
・・マネジメントは科学,すなわち客観的に検証して確隠しうる所見の表明 であると同時に,信条と経験の体系であると考えられねばならないであろ
(29)
ぅ」と述べている。
かような観点からすれば, 「協働,組織,管理は一面どこまでも科学的,
合理的,抽象的,分析的でなければならないが,他面ではまた超科学的,非
(30)
合理的,価値的,総合的でなければならない」といいうるであろう。バーナ ードは分析よりも総合のほうを重視する。
管理過程の本質的な部面は,全体としての組織とそれに嬰連する全体情況を感得す ることである。それは,単なる主知主義的な方法の能力や情況の諸要因を識別する技 術を越えるものである・・・•それは科学よりもむしろ芸術の問題であり,論理的で
(31)
あるよりもむしろ審美的である。
かくてわれわれは,道徳的側面を全体としての管理理論における基本的な 部面とみなし,ことさら管理過桓の分類において「経営理念の創造」を加え て,これを強調することとなったのである。
これまで(管理組織そのものの機能としての)管理職能の考察に当たって は,管理職位を占める管理者が管理職能を効果的に遂行しうる能力や資質を 実際に所有しているかどうかは,必ずしも問わなかった。少なくともある程 度の管理能力の存在を自明のことと前提しつつ,公式組織の一側面としての 管理機能を述べたにすぎない。しかしながら, 「人間協働における最も一般
(32)
的な戦略的要因は管理能力である。」 通常期待されるように管理者が「技術 的」管理能力,つまり技術的リーダーシップを備えておれば,組織は短期的
(29)ドラッカー著「マネジメント」,ダイヤモンド社,昭和4
9年,上巻
52‑53ペー
ジ 。
(30)
山本安次郎稿「結論」,山本・田杉編「バーナードの経営理論」,
294ページ。
(31) The Functions, p. 235. (32) Ibid., p. 282.
14 (202)
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
には存続可能かもしれない。その意味では,科学的,分析的,合理的な管理 研究とその成果を伝える管理教育は効果的である。とくに下級の管理者にと っては技術的側面のほうが強調されるであろう。しかしながらすでにみたよ
...
う に , 組 織 を 真 に 長 期 的 に 存 続 さ せ る に は , 管 理 者 , と く に 上 級 管 理 者 は
「道徳的」管理能力,つまり道徳的リーダーシップをそなえていることが要 求される。それなくしては道徳的制度としての公式組織の性格を確立し,維 持することは不可能である。管理職能は,技術的・短期的のみならず,道徳 的・長期的にも遂行されなければならないのである。
バーナードは道徳的リーダーシップの必要性を,組織に存在する次のよう な固有の困難の克服に求めている。
物的環境と人間の生物的構造とによって課せられる諸制約.協働の成果の不確定,目 的の共通理解の困難,組織に不可欠なコミュニケーション・システムの脆弱さ,個人 の分散的傾向,調整の権威を確立するための個人的同意の必要,組織に定着させ組織 の要求に服従させようとする説得の大きな役割,動機の複雑性と不安定,意思決定の 永続的な負担,これらすぺての組織諸要素—そこに道徳的要因が具体的にあらわれ る一ーからリーダーシップ,すなわち.信念を作り出すことによって協働的な個人的
(33)
意思決定を鼓舞する個人の力が必要となる。
このような信念を作り出すリーダーの能力,つまり経営理念の創造を中心 とする道徳的リーダーシップの発揮を,われわれは管理職能の第四番目にあ げるべきであると考える。バーナード理論において,あえてリーダーシップ 論と特徴づけうる側面は,主著で述ぺられたこのような道徳的リーダーシッ
プのそれ以外にはないといってもよいのではなかろうか。このような
組織道徳の創造こそ,個人的な利害あるいは動機のもつ遠心力を克服する精神であ
る。この最高の意味でのリーダーシップがなければ,組織の固有の困難はしばらくと
いえども克服できない・・・・リーダーシップは,共通目的に共通な意味を与え,他
の諸誘因を効果的にする誘因を創造し,無数の意思決定の主観的側面に変化する現境
(33) Ibid., p. 259.強調点は筆者による。
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
(203) 15のなかで一貰性を与え,協働に必要な強い凝集力を生み出す個人的確信を吹きこむ,
(34)
不可欠な社会的エッセンスである。
バ ー ナ ー ド が 主 著 第17 章で, 「道徳」と「責任」という二つの概念を用い て リ ー ダ ー シ ッ プ の 機 能 を 考 察 し て い る 事 実 は , 彼 が そ の 基 本 的 側 面 を 道 徳 的 リ ー ダ ー シ ッ プ に 求 め て い た こ と を 示 し て い る 。 両 概 念 と も 個 人 的 , 人 格 的 に 定 義 さ れ る の は , 一 つ に は バ ー ナ ー ド に 特 有 な 二 極 的 接 近 方 法 に も よ る が , 他 方 で は , 本 来 組 織 上 の 機 能 を 果 た す リ ー ダ ー シ ッ プ が 値 人 の 資 質 な い し 能 力 に 依 存 し , 創 造 さ れ る べ き 組 織 道 徳 が リ ー ダ ー の 個 人 的 信 念 と 一 致 し て い る の で な け れ ば 広 く 組 織 内 に 浸 透 し え な い 事 実 に よ っ て い る 。 次 の 言 葉 は,バーナードのリーダーシップ論を最も端的に示すものである。
全体としての創造機能がリーダーシップの本質である。この機能は,それを成功的に 行なうためには, リーダーの見地からみて個人準則と組織準則の一致を意味するよう な「信念」〔一組織の利益のためにすることが,個人的にも正しいと信じる信念一~
〕の要素を必要とするゆえに,それは管理責任の最高のテストである。このような一 致が,組織の構成貝に対し,公式組織の基底にあって不誠実を最もすみやかに感じ取
(35)
る非公式組織に対し,「信念」を伝える同化作用である。
>
バ ー ナ ー ド は そ の
1940年論文のなかで, リーダーシップを「個人の行動の 特 質
qualityof the behavior of individualsであり, そ れ に よ っ て 組 織
(36)
的努力において人々ないし人々の活動を指導するものである」と定義する。
(34) Ibid., p. 283.
強調点は筆者による。
(35) Ibid., pp. 281‑282.
バーナードが1
951年のニューヨーク大学でのシンポジウム 報告のなかで,この文章をもって,彼が従来論じてきたリーダーシップの意味を 代表させているのは至極もっともである。
C.I .
Barnard, "Leadership and the Law," New York University Law Review, vol. 27, no.1, Jan. 1952, pp. 113‑114.(36) C. I
.
Barnard, "The Nature of Leadership," in Organization and Manage‑ment, p. 83.
16 (204)
,,しーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
そ れ は 組 織 維 持 の た め に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン , 意 思 決 定 , モ ー テ ィ ベ ー シ ョ ン と い う 管 理 職 能 を に な う 管 理 者 に 要 求 さ れ る リ ー ダ ー と し て の 管 理 の 能 ヵ , 資 質 な い し 性 質 と い え よ う 。
〔付言〕 この綸文は,パーナードのリーダーシップ論としてしばしば取りあげられ ている。これは,主著での管理理論をリーダーの視点からいい換えた,あるいは見直 したものということができる。リーダーシップ論が管理理論との閲連で体系的に把握 されなければならないものとすれば,この論文のみをバーナードのリーダーシップ論 として過大評価するのは危険であろう。筆者は,他の主題の場合と同様に, リーダー シップ論に関しても主著での記述が最も特徴的ですぐれていると考えている。これと は逆に,「こまったことに「経営者の役割」において,バーナードは十分に「リーダー シップ」について論述していないため,バーナードのリーダーシップ論ははなはだ不 充分であり,不分明である」(大平金一稿「C
.I.バーナードのリーダーシップ論(
1), 」
「早稲田社会学研究」第1
2号 ,
58ページ)として,その展開をこの論文に求める論者 もある。
この論文でバーナードは, リーダーシップが「人々を指導する個人の行動の特質」
と定義しうるにもかかわらず,時として「卓越していること」と混同される誤りを指 摘する
(p.81。 ) リーダーシップ研究で著名な大平教授は,定義されたリーダーシッ
プのなかに道徳的,技術的側面が含まれているにもかかわらず,前者の「行動の特 質」が道徳的リーダーシップであり,後者の「卓越」が技術的リーダーシップである と誤まって解釈されていると思われるふしがある(前掲論文,
60ページおよび
67ペー ジ ) 。 この論文では,主著におけるほど明確には道徳的リーダーシップを説いてはい ない。むしろ,のちに本稿で指摘するように,技術的リーダーシップ的色彩が濃いよ うにみえる。なお,この点に関連して,川端久夫教授も,主著とこの論文とのきわめ て詳細な対比を試みられながら,主著の管理理論における道徳的側面をほとんど無視 されるか,見落しておられる(同稿「バーナードにおける管理とリーダーシップ」,
「組織科学」第
7巻第
1号 ) 。
ちなみに, リーダーシップ概念に対する混同について,他の個所でもパーナードは 次のようなコメントを加えているので紹介しておこう
("Leadershipand the Law,"p.113.)
。
第一に,ここで用いているリーダーシップは卓越を意味しない。われわればある 人が卓越している,他の人々よりすぐれている,と実際にいいあらわすときに,彼は その分野におけるリーダーである,ということが多い。パデレフスキーによって例示 すれば,彼は当時,非常に偉大なピアニストであったが,彼は音楽の発展において,
あるいはピアノの先生としてのいずれにおいても, リーダーではなかった。私は,私
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
(205) 17がこの言葉に与える意味においては,彼が決してリーダーではなかったと思う。
また,この言葉は英雄的であることを意味しない。英雄的行為勇気,およぴ地 位,威信その他価値あるものに関して個人的リスクをあえてする意志が, リーダーシ ップの不可欠な内容であろうことには疑いはない。しかし,何らリーダーシップを伴 わない多くの英雄的行為がある。名誉勲章が時として授与されるような英雄的行為 は,大きい個人的犠牲を払おうとする没我的な意志を含むが,必ずしもリーダーシッ プを含むものではない。
私が明確にしておきたい他の混同しやすい点がある。指導的地位
leadingpositionを占めている人が,まさにその理由で, リーダーであると仮定されることがあまりに 一般的である。多くの指導的地位がリーダーによって占められていないことは,公的 生活においても産業においても,不幸にして真実である。リーダーシップの過剰では なく, リーダーシップのはなはだしい不足があるのが現実である。
主著においてもリーダーシップは, 「技術的な練達と道徳的複雑性とに対
• • • • • (37)
す る 比 較 的 に 高 い 個 人 的 能 力 に 与 え ら れ る 名 称 で あ る 」 と 記 述 さ れ , そ れ は 技術的リーダーシップと道徳的リーダーシップとに区別される。前者は,
局所的,個人的,特殊的,一時的である。それは,体力,技能,技術,知覚,知識,
記憶,想像力において個人がすぐれている側面である。これは,時と所のいかんによ って非常に変動的であり,条件づけ,訓練,教育によって特定的に育成され,特殊な
(38)
事情のもとにおいてとくに意味がある・・・直接的な側面である。
これに対して道徳的リーダーシップは,
より一般的で,より不変的であり,特定的に育成するのがむずかしく,より絶対的 で,主観的であり,社会およびその一般的制度の態度と理想を反映するものである・
...それは,われわれが,人の行動に信頼性と決断力を与え,目的に先見性と理想 性を与える性質である「責任」という言葉で一般に表現するリーダーシップのその側
(39)
面である。
(37) The Functions, p. 288.
強調点は筆者による。
(38) Ibid., p. 260. (39) Ibid., p. 260,
18 (206)
バーナードの管理とリーダーシップの理論(飯野)
以上の説明から明らかなように,技術的リーダーシップは短期的で,局地 的条件に左右される側面である。リーダーシップが, ( 「
1)個人,(
2)フォロア
(40)
‑, ( 3 )諸条件,に依存する」とバーナードがいうとき,少なからずリーダー シップの技術的側面を念頭においているように思われる。つまり, リーダー シップの情況論的理解である。意思決定,コミュニケーション,モーティベ ーションは,その時と所にふさわしく遂行される必要がある。これに対して 道徳的リーダーシップは,長期的に人々を組織に結合させる個人の信念を反 映するものである。それは,局地的条件を越えて, リーダーに認められる人 格的特性を基礎にもっている。つまり, リーダーシップの資質論的色彩が強 く な ら ざ る を え な い 側 面 で あ る 。 か よ う に バ ー ナ ー ド の リ ー ダ ー シ ッ プ 論 は,情況論とか資質論とか一義的に規定できない総合的な性格をもっている
といえよう。
さて,以上本稿で述べてきたことをあえて図示して要約すれば,バーナー ドの主著における管理職能とリーダーシップの関係は,第
1図のようになろ
第
1図
竺
巨i王 里 職
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:::.仁
巨i王 里
月ムII::::..力
(マネジメント) (リーダーシップ)
伝 達 体 系 の 維 持 技 道
(コミュニケーション) 祢
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(デシジョン・メーキング) ダ ダ
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活 動 の 抽 出 シ シ
(モーテイベーション)
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I
(40) Organization and Management, p. 84,