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リーダーシップ : 視点の移動と問題点

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(1)。 フ. ン. リ目ダ、 ・. 、ソ. 視点の移動と 問題点. 薄. 羽. 本論文の目的は ,既存のリーダーシップ研究 の中でも主流に 位置づけられる 研究をレビュー し ,リーダーシップ研究に新たな 視点を提示す る・. なお本論文が 対象とするリーダ. 一 シップ研究は 経営トップではなく ,. 哉. 0 発想や行動が 変わることであ. 1. はじめに. ることであ. 哲. ミドル・. る. (金井,2004). その際に中心となって 活動するのは ,現場に立 つミドル・マネジャ 一であ り,事実としてこれ までの研究においても ,. ミドル・マネジャーが. 変革・革新において 重要な役割を 果たすことが 指摘されてきた.例えば ,変革・革新にっな が る コンテクストを 作るのがミドル・マネージ. ャ. マネジャ一のリーダーシップ 研究であ る. 一の重要な機能の 一つとなっていることが 指摘. 近年,様々な産業で環境の 変化が増し,企業 の 環境適応及び 環境創造の重要性が 一層高まり つつあ る. こうした環境下において 企業が存 続 ・成長していくには ,短期間の新製品開発や 新サービスの 提供,業務運営の見直しがこれま. されている (遠山・野中, 2000). また革新的な プロジェクトの 成功の背後には ,階層組織から 生じる矛盾を 解決する ミドノレ ・マネジャ一の 姿 も 確認ほれている (Non 荻a, 1988). 特に ミド ・マネジ ャ一 は職務を遂行する 上で,上司や 他の部門に依存せざるを ぇ な い 状態に置かれて いる (㎏ nter, 1982). 革新的な取り 組みを行 う 上 では,この依存状態を解消する行動,「依存性 対処行動」が 不可欠となる (金井,1991). 変革・革新のコンテクスト ,広義の環境を整. で以上に求められるようになる.一般的に新製 品 開発も , 新サービスの 提供も,そして業務 運 営の見直しもそれまでに 培ってきた知言 哉と 新し い 知識の組み合わせで 行われる. しかし,一度 身についた発想やそれに 基づく行動を 変えるの は 容易なことではなく ,また人間は上手くいっ ている現状を 変えることに 少なからず抵抗を 感 じる . このとき誰かが 号令をかけ。 人々に変わ. ることを受け 入れさせねば ,企業の存続・ 成長 は 望めなくなる.その誰かとは変革・ 革新を指 向 する変革型リーダ 一であ ると言われてきた ,. 変革という言葉は 組織構造の再編や 人員削減, リストラクチャリンバなど 経営トップと 結び付 けて考えられることが 少なくない. しかし組織 が 変わるというのは ,組織に参加している人々. ノレ. えればフォロ ヮ一 が活動に着手するわけではな い.. ミドル・マネジャーが 管理するユニット 内. 部 に向けて,何らかの 働きかけが必要となる. 昨今ではオハイオ 州立研究以来。 支配的な り一 ダ 一行動となっていた「配慮」と「構造作り」 に 代わり,古い 問題を新しい 方法で考える「 知 的 刺激」,フォロワ 一の能力開発を. 行う「個別的 配慮」,タスク環境が不安定な 中でもリーダーと の一体感や建設的な 競争意識を喚起する「カリ スマ 」ないしは「理想的な 影響力」,お互いが 望.

(2) 152@. (294). 第 10 巻第 2 号 (2005年 8 月 ). 横浜国際社会科学研究. 目標に関して 気づきや理解を 高める「インス ビレーショナ ルな 動機づけ」といった 行動が発 見された. また,これらの行動が集団の 高い生. 定するためのアプローチは 変わったものの ,. 産性やフォロ. 研究の視点上に 変更がなかったと. む. ヮ. かにされている. 一の満足につながることが 明ら. (Bass, 1985;BassandAvolio,. 1993). しかし,変革型リーダーシップ 研究に対して , 次のような批判も 寄せられている. (Yukl,1999).. 第 1 に , 「リーダ一の 行動と結果変数の 因果関係 の 不明確さ」であ る. これまでも高い 業績とリ ーダ一の行動や 資質との因果関係は , リーダー 、ンップ 研究の歴史の 中で扱われてきた. しかし. 果たして高い 業績は , 優れたリーダ 一の存在に. よるものなのだろうか.特に.変革という言葉 そのものに英雄的なリーダーを 想定するバイア スが働いているのではなかろうかという 批判で あ. る・. 第 2 に,変革型リーダ一の行動として 発見され た 「カリスマ ( ないしは理想的な 影響力 ) 」「個. たと言える.今なお ,当時と共通の問題を抱え ているという 事実からは,リーダーシップを特. 以下では,第2 節において既存のリーダーシッ プ 研究を選択的にレビュー し ,これまでのリー ダーシップ研究における 視点を明らかにする. リーダーシッブのように 長い歴史を持ち ,膨大 な蓄積を持つものを 余すことなく 包括的に レビ ユー することは容易ではなく ,また生産的な試 みとは思えない. そこで研究上でも 主流に位置 するリーダーシップ 研究を詳細にレビューする こととした.第3 節では,今日の変革型リーダー シップ研究が 抱える問題点と 前節で明らかにさ ね たリーダーシップ 研究の視点上の 関係を明ら かにする. さらにこれらの 問題を克服する 新た な研究の視点を 示す.第4 節では,まとめと今後 の展望について 言及する. E. リーダーシップ 研究の歴史的経緯. 別的配慮」「知的刺激」「インスピレーショナル な動機づけ」を. 構成する「構成概俳の 暖 昧さ. 」. があ る.例えば,「カリスマ」というものが 果た. 推測できる.. Ⅱ. 一 1.. 資質アプローチ. けられ,因果関係は双方向的と見るのが 実際的. これまで多くの 研究者がリーダーシップを 研 究してきたが ,その定義は研究者によって 異な る .代表的な経営学のテキストではリーダーシ ップを「人について 行こうと思わせ ,そして彼 らをまとめる 属人的影響力」 ( 伊丹・加護 野 , 2003) と定義している. またリーダーシップに 関する文献を 3,000 以上レビューした Stogd Ⅲ (1974a) は「組織化された 集団の活動が 目標設 定と目標達成に 向かって活動するように 影響を 与えるプロセス」と 定義している.研究者によ って定義が異なり ,統一がなされていないもの の, 「リーダーが 個人や集団に 対して目標に 向け. ではなかろうかというものであ. て活動するように 働きかける対人影響力」とい. してリーダ一の 資質や行動で 測定できるのか ,. また仮にできたにしてもカリスマを 構成する構 成概念は妥当と 言えるのか,さらに「カリスマ」 を測定する行動と「知的刺激」を 測定する行動 とにオーバーラップが 見られ,明確な区分がさ れていないといったものであ. る・. 第 3 に , 「リーダーからフォロ. ヮ一 への一方的. な影響力の流れ」が 想定されており. ,相互作用. や役割上の分担などが 軽視されている.現実に はフォロ ヮ一 側からも影響力がリーダー 側に向. る・. これらの批判は 変革型リーダーシップ 研究に. った点に共通性が 見られる. 固有のものではない.本文中にて詳しく述べる こうした対人影響力としてのリーダーシップ が ,これらの批判は1970 一 1980 年代において , が 長い間研究されてきたのも ,リーダーシップ リーダーシッブ 研究一般に寄せられた 批判とほ が集団や組織の 業績に影響を 与えると考えられ ぼ同じであ る.つまり,変革型リーダーシップ てきたとともに ,その実態が十分に明らかにさ 研究は当時の 問題を解決せずに 研究が進んで 来 れてこなかったことにあ る. またリーダーシッ.

(3) リーダーシ、ソうず. (薄刃 ) ノレ. の. イ タ. ス. ソ. プ. シ. V. る. 十/ お. -甲. ワ. 究 研. オ イ. l Ⅰl. ア. 表. 約 あ. 由. 情報. れ; た時に。 材料. る 6元 れ引 ,供 ナ給さ. な 々. 貝葉. 意作. 勤 しな 汚 そ し. 一 @ 十@ 八@. パなげ. とり. になろう とする.. ノど しな い妨 ・ メん. く関与しないが.気持ちの 上ではメンバ一. 自 も 定 い の軸. , Lippitt, and@White@(1939). 賛や批判を行う . そして作業にはあまり多. 放. LeWn. 4. リーダーは「客観的」.「事実指向的 - で賞. @ 、 @@ 一参加. て見せる以外は.活動に 参加しない.明ら かに敵対的というよりはむしろ.友好的で あ ったり.機械的だったりする.. リーダーは作業に 全く参加しない. @ま @@ Ⅰ た 限 はし. ・. 3.. なレ. 判 をする際.「リーダ 一の個人的な判断基づいて行う リーダーは活動の 実演をし. き .作業の分担も 任せられている メンバーは作業柏手を 自由に選ぶことがで. れるに さべ程. 4.. 3.. 質問 を述エ の. 特定の作業課題を 命令し リーダーは.メンバーそれぞれの 賞賛や批. リーダーはいつも. ,講師・. メンバ一の作業柏手も 決める. っ尋は よま こ. 一一. 3.. ダ ダに 一 @ ,め " コ. 一た. ・き. る大. ダの そ一い. り. 度 れが. ときには.リーダーは 2 一 3 の代替案を出し.. その中から選ばせる・. 任侠. のダ. 団一. 集り. て 全. 援. けさ. 愛宕 を決. 激議. 集. るで. @. よ田. 一方. ダ針. る め 決. 順 よの. 都 ささ のな確 そて明 はっ 不. 作 のめ. 手にき の示行 そ 指先 やなの 法的 業 育成 作 棄権. 2. 作業の方向性は.最初の議論の時に得られ、 る .集団の目標に 対する全般的な手順が示 され.技術的なアドバイスが 必要とされる. (295)@ 153. 曲人は 自個加. 氏. 的針左@. 相違. 刃. , p . 273. プの 実態が明らかにされることで. ,リーダーを. 一の資質が , 別の状況ではそうとはならないこ. 組織内で育成することが 可能となる.同様に ,. とを指摘した ,. 近年では企業組織の 中に変革を起こすことので、 きるリーダーシップの 実態を明らかにすること ができれば.企業の成長・存続を 持続させるこ とがより容易になるという 期待も生じる. リーダーシップが 科学的に研究されるように なったのも, 1900 年当時,戦争という特殊 事 ,盾 があ り,優れた将校の選抜が求められていたこ とに由来する (StoedⅢ, 1974b). この時に行わ れたリーダーシップ 研究は,リーダーとなる人. の実態を捉える 上で,資質による説明は有益な アプローチではないと 批判した. 同じ資質を測定したものでも ,正の柑関関係 にあ る資質があ れば,無相関のものも ,負の相 関のものもあ る. Mann (1959) は,こうしたり 一ダ 一の資質に関する 相互矛盾する 結果の検討 な 行っている. その結果,資質とリーダーシップの有効性の 相関係数の中央値が・ 25 を超えた研究はなく ,ほ とんどの相関係数の 中央値が.15 程度だった・ Mann はこうした結果から 注意を払うべき 関数 は 決して資質のみではないと 指摘し,また全般 的に研究が見直されるときに 重大なトレンドが 生じると結んだ. これらの批判によって ,リーダ一の資質の違 いからリーダーシップの 実態を説明しょうとす る 資質アプローチは 説得性を失 う こととなった・. 物とそうではない 人物とを分ける 知 ,性や体格, ,性格といった資質の相違から 説明を試みてきた. この特異な資質を 持つがゆえに ,リーダ一にな ることができ ,フォロワ一に対して対人影響力 を発揮することができると 想定し,その資質が 一体何かを明らかにすることに 研究活動が注が れていった.その後,産業界においてもリーダ 一の資質に関する 研究が広がっていった ,. しかし,幾つもの研究結果において 矛盾や問 題点が指摘され ,やがて行き詰まりを見せるこ ととなる,例えば, Stogdill (1974b) は, 1900 年代から 1970 年代までの資質アプローチによる 研究のレビューを 行っている.その 結果,第1 に,フォロワ一に影響を与えるのは 資質単独で、 はないこと,第2 に,ある状況では有効なリーダ. Ⅱ. この結果より ,. リーダーシッブ. 一 2. 行動アプローチ. (1) アイオワ研究 リーダ一の取る 行動に注目し ,行動からリー. ダーシップの 実態を説明しょうとする. 研究が, アイオ ワ 州立大学でし㎡ n, Lipp 血 andW Ⅱ te (1939), Lipp 肚 t and W ㎡ te (1960) によって 行.

(4) 154. (296). 第 10 巻第 2 号 (2005年 8 月 ). 横浜国際社会科学研究. われた. この研究は集団や 個人に与えるリーダーシッ プ・スタイルの 影響に関する 2 つの実験からな る.第1 実験では, 10 歳の子供 5 人からなる 2 つの 集団に対して. ,演劇用マスク製作を課題として. 与え,その際に同じ大人のリーダーが 集団毎に 異なるリーダーシップ・スタイルを 取り,子供 たちにどのような 影響が生じるかを 実験したも のであ る,一方の集団に対しては,「専制的」 な リーダーシップ・スタイルが. に対しては「民主的」. な. ,. も う 一方の集団. リーダーシップ・スタ 4 人の大人のリーダー. が,「専制的」「民主的」「自由放任的」の3 つの 月一. ダ 一一シップ・ スタイルを取るものだった. 4. 人のリーダーは ,. 6 週間毎に別の. へと ローテーション. し. 以上が㎏㎡ n たちのア. イ. オ ワ 研究による結果. であ り,リーダ一の行動の違いによって ,フォ ロ ヮ 一の反応が異なることを 示唆した. この結. イルが取られた.第2 実験は, m0 歳の子供 5 人か らなる 4 つの集団に対して. 部屋を出ると 子供たちは作業をやめた. また第 三者との面接では 20 人中 19 人が「民主的」リー ダーを好んでいた. 第 5 に,「専制的」ではリーダ 一に対して依存 した態度を示すことが 多く,個性を示すことが 少なかった・ 第 6 に,「民主的」は他と 比較して集団に 対す る帰属意識が 強く,友好性も強かった.. 集団のリーダー. ,ローテーションで移動. 果は,資質アプローチが想定したよ う に,リー ダーが備える 特異な資質がフォロ ヮ 一に対する 影響力となるのではなく. , リーダ一の取る 何ら. かの行動がフォロ ヮ 一に対する影響力になると いう研究アプローチへと. 結実することとなる.. (2) ミシガン研究. した先では,それまでのリーダーシップ・スタ イル と 異なるリーダーシップ・ スタイルを取る. フォロ ヮ 一の満足などに 影響を及ぼす.対人影. ものとなっている.前頁の表 1 は 3 つのリーダー. 響力の実態は , リーダ一行動の 相違によって 説. シップ・スタイルの. 明できることを 丘 ㎡ n たちの研究は 示唆した.. 木目違を示している・. これらの異なるリーダーシップ・. スタイルに. よって子供たちの 反応に相違が 見られた. 第 に ,「自由放任的」と「民主的」は 異なり,「自 由放任的」では 作業に没頭した 時間が全体の 3M3% だったが,「民主的」では 50% だった.また 「自由放任的」では ,積極的な指示がないために Ⅰ. ・. 無 組織となり,仕事に失敗や挫折も. 多く,子供. たちの士気を 下げたり,不満を生じさせていた.. リーダ一の取る 行動の違いが 集団の生産性や ,. その後の研究では ,どのようなリーダ一行動が 集団や組織に 高い生産性をもたらすのかが 扱わ れる.初期のミシガン研究では,高い生産,性を あ げている部門のリーダ 一行動と低い 生産,性に 止まっている 部門のリーダ 一行動の違いを 明ら かにするという 比較によるアプローチが 取られ た (Like れ, 1961). これらの方法で 得られた発 見は主に 6 つあ る.. 第 2 に,「専制的」では 作業目標のみを 達成し. 第 1 に , 高い生産性の 部門と低い生産性の 部門. たのに対して ,「民主的」では作業目標に加え ,. では,リーダ 一の方針が異なっていた.高い生. 作業そのものを 楽しむといった 社会的な目標も 達成していた・ 第 3 に,「専制的」リーダ 一の集団では ,多く の敵対及び攻撃的な 行動を生じさせることがあ った. また「専制的」 リーダ一に対する 不満か ら,他のメンバ一にその攻撃を 向けることが 生. 産性の部門のリーダーは. じた,. 第 4 に,「専制的」では 表出しない不平不満を 生じさせることがあ った.「専制的」リーダーが. な 配慮を第一に. ,フォロヮ 一の人間的. 考え,目標を達成している 限り,. フォロ ヮ一 が望むような 方法で仕事を 行わせる 「従業員中心の 監督方式」を. 取っていた,一方,. 低い生産性の 部門のリーダーは ,決められた時 間内で作業手順通りに 従わせ,生産性を上げる ように圧力をかける「仕事中心の 監督方式」を 取っていた. 第 2 に , 高い生産性の 部門のリーダーは「全般.

(5) リーダーシッブ 的 監督方式」を 取り , 低 い 生産性の部門のリー. ダーはにまごまい、監督方式」を 取っていた. 全般的監督方式とは ,フォロヮ 一に対して達成. すべき目標を 明らかにした 上で,アイデアや経 験を用いる自由を 許す監督方式であ る. こまご ましい監督方式とは ,フォロヮ 一に対してこと. るごとに細かな 指示を出し,フォロ ヮ 一の活 動の流れを分断してしまう 監督方式であ る. あ. 第 3 に , 高い生産性の 部門のリーダーは ,フォ ロヮ一 が誤りを犯しても ,彼らが経験から学ぶ. ことを知っているため。 それを 瞥 めずに教育的 経験と考えていた.一方。低い生産性の 部門の リーダーはフォロ ヮ一 が誤りを犯した 際に,批. 判的で処罰的な 態度を取りがちだった. 第 4 に,リーダー以外の要因にこでは 会社に 対するフォロ ヮ 一の好意的態度 ) は,生産性と 関係がなかった.高い生産性の部門のフォロ ヮ. 一は, 低い生産性の 部門のフォロ ヮ一 よりも 勤 務 評定に対して ,必ずしも好意的な態度を示さ なかった.但し ,好意的な態度は高 い 生産性に 結びつかなくとも 低い欠勤率や 低 い 転職率に結 びつけていた・. 第 5 に,仕事に対して好意的な態度を 持つ フォ ロワーたちのリーダーは. ,フォロ ヮ 一の昇進,. (薄刃羽. く. 297). 155. 仕事に打ち込む 時間が多かった. この 6 つの発見の中でも ,「従業員中心の監督 方式」と「仕事中心の 監督方式」が ,その後の リーダーシップ 研究で注目される 発見となった. ミシガン研究では ,この2 つを対立する 一次元で 捉え,一方を取るとも う 一方を取ることができ ないと想定している.そして「従業員中心の監 督方式」は高い 生産,性につながるが ,「仕事中心 の監督方式」は 高い生産,性にはつながらないこ とを示している. この発見は, リーダーシップ の実態をリーダ 一行動から捉えることを 強化し, リーダーが行う 行動に集団の 成果を帰属させる 主たる背景になったといっても 良い. しかしな がら,「従業員中心の監督方式」が 高い生産,性に っ ながると言えども ,具体的に「従業員中心の. 監督方式」はどのような 行動なのかは 必ずしも 明らかではない.次に取り上げるオハイオ 州立 研究は, ミシガン研究において 十分に明らかに されなかった「従業員中心の 監督方式」の 行動 を構成する要素を 明らかにしていると 言える. また,どれほど従業員中心の 監督の行動が 有効 となるのかの 測定が行われる.. (3). オハイオ州立研究. 転任,報酬の向上に努めたり ,会社で起こって. 19.50年代の同じ 頃 , ミシガン研究とは 別に同 様のリーダーシップ 研究がオハイオ 州立大学で. いることを話したり ,フォロヮ 一の苦情や不平. も行われていた. ミシガン研究が 高生産性部門. を聞くといった 行動を取っていた.一方で , 規. のリーダ一行動と , 低 生産性部門のリーダ 一行. 則の実施や仕事の 割り当てや,作業に必要な材 料や道具の支給といった 行動では,仕事に対し て好意的な態度を 持っているフォロ ヮ 一集団の. 動の比較からリーダージッ プ の実態を特定しよ うとしたのに 対し,オハイオ州立研究ではリー ダーが実際に 行っている行動を 余すことなく 収 集する作業から 始まった, そこで集められたリーダーシップを 発揮する 職務にいる監督者の 行動の項目数は 1,800を超え た (Fleishman,1973).1,800項目の内,重複した. リーダーと好意的ではないフォロ. ヮ 一集団のリ. ーダーともに ,大きな差はなかった. 第 6 に,自分で自分の仕事の調子を 自由に設定 できると感じているフォロ ヮ一は ,この自由を 感じていないフォロ ヮ一 よりも生産性が 高かっ. た.自由裁量の余地の大きい 部門では,リーダ. 項目が取り除かれ の監督者の行動の. ,両分類化され,最終的に10 ヵ. テゴリ一に集約され , 150 の. ーは全般的な 目標や対象を 設定したり,低い生 産 ,性の部門のリーダーよりも個々人への指示を. 質問項目からなる LBDQ. 少なくして監督していた.そのためフォロワ一. その後,リーダーシップ研究に多大な 影響を 与えることになるリーダ 一行動の「配慮」と. の参加を用いることが 多く,リーダーは自分の. (. 珪 ader Beh 姉 or. Descripti0nQuestionnaire) が作成された..

(6) (298). 第 10 巻第 2 号 (2005年 8 月 ). 横浜国際社会科学研究. 動 行 一同 コ. 低 一口同. 低. 指す. また「配慮」は ,上司評価によるリーダーシ. 、ソプ有効性とは 負の相関関係を 持っているが ,. 持つていた.一. 方,フォロヮ 一の満足に対して ,「配慮」は「構 造作り」以上に 強い相関関係を 持っていた. オハイオ州立研究による「配慮」と「構造作. り」の発見は ,具体的にどのような行動が集団 一の満足につながるの. かを特定することとなった. そしてこれらの 発 見は,リーダーシップを研究する上で 多くのリ ーダーシップ 現象を説明するだけの 説得力を持 つことになる・. 両方の次元を 同時に行うことができるものとし て 捉えられている. オハイオ州立研究では , リーダーその 人に視 点を向け,そしてリーダ 一の取る行動のうち ,. 何が結果変数と 結びつくのかを 特定した. この 発見は , 後にリーダーは 何をすべきかというリ. 対人影響力の 実態をリーダ 一行動に求める 研 究は ,日本においても三隅 (1984) によって行 われている. 三隅は リーダー 0 行動を Performance と Maintenance からなる PM の 2 つに類型している. P. 行動は,集団の 目標達成や課題解決を 指向. した機能であ る. P 行動は「最大限にフォロ ヮ 一 を働かせる」「仕事量を ぅ るさく言 う 」「規則 を ぅ るさく言 う 」といった目標達成に 圧力をか ける圧力因子と ,「目標達成の計画を綿密に 立て ている」「計画・ 手順の悪さから ,時間をむだに することはな い 」「仕上げる 時期を明確に 示す」 といった目標達成への 計画性因子の 2 つからな. これら「配慮」と「構造作り」は , 先にあ げ た ミシガン研究と 異なるアプローチによって 得. る. られたものだが ,同じような結論が得られてい る. しかし, ミシガン研究では「従業員中心の 監督方式」と ,「仕事中心の監督方式」は 単一次 元の対極にあ ると考えていたのに 対し,オハイ オ州立研究では ,独立した次元として捉えてい る点に両者の 違いがあ る. そのためオハイオ 州. 織体を維持していこ. 立研究で発見された「配慮」と「構造作り」は. 構造作り. ミシガン研究とオハイオ 州立研究のリーダー 行動の関係. (4) PM 理論と高度に 行われる 2 つの行動の矛盾. な 行うための行動を. ヮ. Ⅰ. ーダーシップ 研究の支配的な 論点を築き上げる ことになったと 言える・. やり方を確立することに 特徴づけられるフォロ ヮ一 が課題や目標の 達成に向けて 効率的に職務. の高い生産性やフォロ. 督. ニケーション・バターン や ,仕事がうまくいく. と 臣皿. 容に特徴づけられる 良好な人間関係の 構築行動 を指す.「構造作り」は ,グループ内の職務関係 を 組織したり,目標を 明らかにしたり ,コミュ. 動 行 督. 受性」の 4 つが抽出された. このうち「配慮」は ,監督者とグルーブのメ ンバ一の相互信頼,尊重,人間的温かさや信頼 関係,双方向のコミュニケーションに対する許. 「構造作り」は 正の相関関係を. 配慮. 図. 「配慮」「構造作り」「生産性の 強調」「社会的感. の. 中 事 仕. 象となったのは 52 名の空軍指揮官であ り,その 部下 300 名によって質問紙への 回答が行われた. 8 次元間の相関関係のうち ,有意な因子として. 臣 Ⅰ @ 一 皿 ". 目, 8 次元でリーダーシップの 分析を行った.対. 0 、ひ. 「構造作り」が 発見される・ HaIpinandWiner (1957) は 150 項目からなる LBDQ のうち,調 査対象の空軍に 適さない 20 項目を排除し , 130 項. 心 中 員 業 従. 1. 156. ,. 一方の M 行動は。 一度形成された 集団や組 う. とする自己保存の 傾向を. 促し,強化する行動であ る.「監督者が部下を支 持する」「部下の 立場を理解する」「部下を 信頼. している」などによって 測定される. これらは 集団や組織の 中で生じた人間関係の 過大な緊張. を解消し.対立,抗争を 和解に導き。 激励と支 持を与え,メンバ 一の相互依存を 増大してゆく.

(7) リーダーシップ. 157. PM. pM. M次元. (1966) は, Stoed Ⅲ (1974a) と同じような ァ ブローチを取ったにも 関わらず異なる 結論を出している. Korman の 指摘は主に 3 つあ る.第1 に,「配慮」と「構造作 り」の相関関係のほとんどが 両方の変数で 有意 な 結果が得られていないこと ,第 2 に,生産性に. m. P. pm. 三隅 (1984). p.70. おける「配慮」と「構造作り」の. PM 類型. リーダ一行動になる. P と M. (299). 可う. しかしながら , Korman. P 次元. 図2. (薄刃. は同じリーダ 一の中に同時に 見られ. る行動であ り, P と M の程度の相違によって PM 型, Pm 型, pM 型, pm 型の 4 類型がなさ. 効果は , 様々. な状況変数に 依存していることが 強調されなが らも,状況変数の概念化はほとんど 扱われて ぃ ないこと,第3 に,「配慮」と「構造作り」の 2 つ は両者を高度に 行えば良いといった 単純な直線 関係にあ るのではなく 複雑な関係を 有しており, そこに幾つかの 問題を含んでいることであ る.. Korman 以外にも「配慮」と「構造作り」の. れる・. げることを意味している.最も有効性の高いも. 行うことが,必ずしも 高い集 団の生産性やフォロ ヮ 一の満足を導くというこ とにはならないという 結果が得られている.例 えば,病院の監督者のリーダーシップ・スタイ ルと ストレスの関係を 扱った Oaklander and Fleishman (1964) の研究では,政府系の大型病 院と小規模のボランタリー 病院の監督者の 行動. のは PM. の有効性が異なるという 結果を示している.. これらの類型において ,最も生産性の高いリ ーダ一の行動は PM 型であ り,最も低いものが pm. 型だった.このことは 高い生産性をあ げる. ように圧力をかける P 行動と同時に ,この圧力 から生じるストレスを 解消する M 行動の両方 を高度に行うリーダーが , 最も高い生産性をあ 型だが, 2 番目, 3 番目については 異な. 2 つの次元を高度に. こ. る 結果が得られている.例えば ,実験室実験や. れらの矛盾には , リーダ一行動の 有効性に状況. 短期の問題解決を 目的とするプロジェクトチー ムでは, Pm 型, pM 型の順番で有効だが ,中 長期に渡る場合には , pM 型, Pm 型の順番で 有効性が高かった. Stogdill (1974a) も三隅 と 同様の結論を 出し ている・ Stogd Ⅲは,「配慮」と「構造作り」の. が 何らかの影響を. 2 つの次元と結果変数. (集団の生産性。. フォロ ヮ. 一の満足,集団の凝集性 ) との関係を扱った 29 の研究をレビューした 結果,集団の生産性は 「配慮」よりも「構造作り」と 関係し,そしてメ ンバー の 満足度は「構造作り」よりも「配慮」 関係していることを 指摘している.一方,集 団の凝集性は「配慮」と「構造作り」の 両方が 同等の関係であ ることを明らかにした.そして. 及ぼしていることを 示してい る.つまりリーダ一の行動は,フォロヮ 一に対 して直接的に 影響を及ぼすという 単純な図式で、 はなく, リーダ一の置かれる 様々な状況が り一 ダーシッブの 有効性に影響を 及ぼすことを 示し ている. このことよりリーダーシップ 研究は, リーダーが特定の 行動を行う際の 状況要因も ア ブローチに含めるようになる. しかし,リーダ ーその人の行動, リーダーが立たされる 状況の 研究という意味で ,研究の視点はリーダーその 人に定められたままであ る・. と. 最も優れたリーダーは ,「配慮」と「構造作り」 の 両方を高度に 行 う 傾向があ ることを述べてい る. (Stogdill,1974a:p.397).. Ⅱ. 一 3.. コンティンジェンシー・アプローチ. (l) Fiedlerのコンティンジェンシー・ モヂ ル リーダーシッブの 実態を捉える 上で,状況も 考慮したアプローチが 取られるようになったが ,. 状況要因と有効なリーダーシップ・スタイルの.

(8) (300). 158. 第 10 巻第 2 号 (2005 年 8 月 ). 横浜国際社会科学研究 良 t). タスク指向 業績 悪 1). 人間関係指向 良い 定型的 強い. リーダーと メンバ一の人間関係. タスクの構造化の 程度 リーダ一の地位パワー. 状況好意性. 好ましい I. Fiedler(1974). 良い 良い 良い 適度に熱、適度に熱、適 凰 ,悪 い 通史,悪 い 定型的 非定型的非定型的 定型的 定型的 非定型的非定型的 弱い 強い 弱い 強い 弱い 強い 弱い. 中程度 m. ⅡⅡ. る. FledIerは. ノ. l. ⅡⅠ席. ⅠⅡ. 子ましくない Ⅳ 皿. 而 ⅡⅡⅣ. 異なる状況好意性における 人間関係指向のリーダーとタスク 指向のリーダ 一の業績. 関係を初めて 明らかにしたのは , 田 edler (1967). ダ. ゑ. Ⅴ. , p . 71. であ 図3. Ⅱ. シ ップの有効性は.. てい くことに主たる 満足を見出すリーダ 一であ. 一の置かれる 状況がリーダ 一にとって 支. ,「人間関係指向のリーダーシップ・スタイ ル 」として分類される. また LPC 得点の低 い リーダーは,業績をあげることに主たる 満足を. 特約か否か. ソ. ダ. じている人に 対しても,対人関係をうまくやっ. ( 状況好意性 ). コンティンジェンシー・. Fiedlerの言. によって規定される. モデルを提示した.. り. 「状況好意性」とは ,リーダ 一にとって集団に 影響力を発揮しやすいか 否か の 程度であ る.状況好意性は, (1) どの程度 メ ンバーから リーダーが受け 入れられているかを. 満たすリーダ 一であ り「タスク指向のリーダー. 示す「リーダー と メンバ一の人間関係」, (2) メ ンバーが目標を 理解している 程度や,課題を解 決するためにどれほど 多くの手段を 有している かなどを指す「タスクの 構造化の程度」, (3) 一ダ 一の地位に付随する 採用,解雇,昇進, 昇. ることが FiedIerの研究の目的となる.状況な 子 斎性を構成する 3 つの次元は,図3 で示す よう に 高低毎に,リーダ 一にとって最も 好ましい状況 好意,性であ るオクタントⅠから ,最も好ましく. 給など公式な パヮ 一によってメンバーがリーダ. 一の指示を受け 入れさせる「リーダ 一の地位 バ ヮ 円の 3 つ から構成される.状況好意性を 構成. られる. またこの状況好意性を 構成する 3 つの 次 元は, 最もリーダーシップの 有効性に与える 影 響が大きいものから「リーダー と メンバ一の人. する 3 つの次元は,図3 下に示されるよさに , そ. 開関係」,「タスクの構造化の程度」,「リーダー. の 高低によって 二分される,. の 地位パワー」の 順番となっている ".. う. リ. さらに Fiedler は「リーダーシップ ,スタイ ル 」を特定するために LPC ( ㎏ ast Preferred Coworker) 得点を用いている. LPC 得点は , リーダーがこれまで 一緒に働いてきた 全ての人 の中でも,最も好ましくない 協働者に対して 「愉快な一不愉快な」「友好的な 一非友好的な」. 「拒絶的な一受容的な」など 形容詞の対によって 構成される 8 点尺度で測定した 得点であ る. LPC. 得点の高いリーダーは 一緒に働きたくない @ ノし. 成心. シップ・スタイツ L,」として分類される. 以上のように 類型した状況において ,いずれ の リーダーシップ・スタイルが 有効かを特定す. ないオクタントⅧまで 8 通りのオクタントに 分け. 例えば,オクタント 1 はリーダーとメンバー 0 人間関係が良好なことから. ,. リーダーは ノ. ン. バ 一に受け入れられている.加えてタスクが構. 造化され定型的で ,そして地位のパワーも強い ことから,リーダ一にとって最も 影響力を発揮 しやすく好ましⅠⅡ 大 モ二となっている.オクタン Ⅰウ. ト. Ⅱでは,リーダーがメンバ 一に受け入れられ ,. タスクが構造化されているが ,地位パワーが弱 いためオクタントⅠに 比べて多少状況好意性が.

(9) リーダーシッブ. 落ちる.一方,オクタントⅧでは , リーダー. と. メンバ一の関係はあ まり良くないことから ,. リ. ーダーはメンバ 一に受け入れられておらず ,タ スクも構造化されていないため. 非定型的で,そ. してリーダ一の 地位 バヮ 一も弱いことから ,. リ. (薄刃. (301)@ 159. 可う. 決定論となっている. (2) House の経路一目標理論 Fiedler (1967) とは異なるコンティンジェン 一 アプローチが House (1971), House and /. 、. Ⅶ tchell (1974) によって展開されている.. 一ダ 一にとって集団に 影響を発揮するには ,最 も好ましくない 状況であ る. 図 3 が示すよ う に, Fiedlerの研究によって 最 も好意的な状況 ( オクタントⅠ , Ⅱ ) と, 最も 好意的ではない 状況 ( オクタントⅧ ) において は,タスク指向のリーダーシップ・スタイルが. Fiedlerがリーダーシップの 有効,性は,状況好. 有効になる.一方,中程度の 状況好意性 ( オク タントⅣ, V) では人間関係指向のリーダーシ. フォロ ヮ 一の満足を高めると 言われてきた. し. 意,性に影響されると土弓長したのに 対し, House たちのアプローチは , リーダーシップの 有効,性 はタスク 特 ,性に影響を受けるという 立場を取っ た.. これまで「配慮」と「構造作り」を. 高度に. 行ラリーダーが 集団の高い生産性を 達成したり, かし一方では ,必ずしも両方を高度に行. う. こと. 、ソプ・スタイルが 最も有効になる.. が集団の高い 生産性やフォロ ヮ 一の満足につな. Fiedlerのコンティンジェンシー・モデルの 特徴は ,第Ⅰに,人間関係指向のリーダーシッ プ・スタイル ,タスク指向のリーダーシップ・ スタイルとも ,ある状況では有効に 機能するが, 別の状況では 有効に機能しないことを 示し, ーダーシップが 普遍的なものではないことを 指 摘している.また第 2 に,リーダーシップ・スタ イツレは 固定的なものと 想定され,,,集団の 業績は リーダーシップ・スタイルと 同様に状況にも 依. がらないという 研究結果が得られていることは 既に述べた. こうした矛盾する 結果に説明をつ けるのが, House たちの経路一目標理論にな. 存するため,集団の業績を向上させるためには , リ - ダ - シップ・ スタイルを変えるか ( タスク. 示したり,目標達成の障害を取り除く 行動を取. 指向のリーダーを 人間関係指向のリーダーと 交 代する,逆に人間関係指向のリーダーをタスク. や手続きが明確で ,ルーティンな場合には目標. 指向のリーダ 一に交代する ), リーダ一に権 限を. 不必要なだけでなく ,押し付けとしてフォロワ. 与えることを 指摘している ". FiedIe.Tの研究は, リーダ一の行動が 集団の. ーから見なされる. そのためフォロ ヮ 一にとっ. リ. 高い生産性やフォロ. ヮ. 一の満足につながるとい. る. 経路一目標理論は ,集団の目標を達成するこ とが,フォロヮ 一の個人的な 目標を達成するた. めの経路となるという. 矢口. 覚 ないしは期待にリー. ダーが働きかける 理論になる. リーダーはフォ ロ ヮ 一に対して目標が 達成できるよ. う. に経路を. る. しかしフォロ ヮ 一の従事するタスクの 目標 までの経路を 示すリーダ一の 構造作り行動は ,. て不満の原因となる.その代わり,ルーティン なタスクに従事するつまらなさから ,フォロワ. う単純なモデルを 想定していたところに ,資質, 一に対して配慮を 示すことが高いフォロ ヮ 一の 満足につながる.一方で ,タスクがノン・ルー 行動に加え状況要因をアプローチに 組み込んだ 異なる 点にその貢献があ る.その結果,状況が ティンな場合には ,配慮を示すよりもリーダ一 と有効なリーダーシップ・スタイルも 異なって の構造作りがフォロ ヮ 一の高い満足につながる・ 図 4 は既存研究に 見られた矛盾の 説明をしてく くるという発見は ,それまで支配的だった普遍 的に有効なリーダーシップ・スタイルがあ ると れる. House たちの研究では ,タスク特性が 一 ダーシップの 有効性に影響を 与えることを 示 想定してきたことに 対する批判となった. しか し,リーダーシップの実態は, リーダ一行動に している.そのためリーダ一の主たる役割は 目 り. 求められ,その有効」性は状況に 左右される環境. 標が達成できるというフォロ. ヮ 一の知覚に働き.

(10) 160. (302). 第 10 巻第 2 号 (2005年 8 月 ). 横浜国際社会科学研究. の. ダ. ノ @ る す. -Ⅰ. 対. 領ル. 間イ. のタ ルス. 決定. 専制的決定Ⅱ型 (A 鵬. 田 小い分の二 リ 意便宮 題か. Ⅲ 型 定 決 的 制 専. 才| 、人 す レ ),ノ. @.. 低n、. 団レベ思. 集団レベルの 間 是頁. Ⅰ "". イ ア. 。 毛卜,. 実意. 2. 表. い. 令子斗づ. ノオロワーの職務満足. 一局. 部下に伝えた @).必要がなければ 伝えなかったり する。 意思決定上ア部下の役割は.解決策を. 多い. リーダ一の構造作り(指示)行動. 出すことやその 評価を行うというよりも.必要な 情報を提供することになっている.. 少ない. Houseand Mitchell(1974),P.86 -ヒ. ノ 4@. 〒 更ヵ. 指示. の. 一彰. ダ響. リの と性 足特 満ク. 一夕. のス. オ分. ワる 口す. フ媒. 4. 図. 集団として部下からアイデアや提案を得る のではなく.関係する部下から個別にアイ デァや提案を集め.個別に問題を共有する. 相談的決定 1 型 (CI@. 意思決定時には.部下の 意見を反映して いるか否かに 関わらずリーダーが 一人で行う .. かけることになる.そのため期待を高めるリー ダ一行動に主たるリーダーシップの 実態が求め. 問題を集団レベルで共有し.集団レベルで 相談的決定Ⅱ型 (e. Ⅱ. @. ーダーが一人で意思決定を行う. られている・. (3) VroomandYetton の規範的意思決定モデル Fiedler (1964) や House (1971) が比較的伝 い リーダ一行動を 用いたのに対し. Vroomand. る・. またこのモデルは 問題に応じて. リーダーが一人で 意思決定を行. う. 方が良いのか ,. それともフォロ ヮ一 を参加させて 意思決定を行 う 方が良いのか ,また参加させる際にはどの程 度まで意思決定への 参加を認めるのか ,これら についての規範的意思決定モデルとなっている. ・. 問題を集団レベルで共有する。また選択肢 の評価や.解決策に対する合意の取りまと 集団的決定Ⅱ型. (GⅢ振るまラそのため めを行いリーダ一の役割は議長のように 影響を与えるといった ことはせず.部下が支持する解決策の 受け. Ye はon (1973) はリーダ一の 行動の中でも 意思 決定に限定している. この研究は, リーダーが 直面する問題によって 適切な意思決定スタイル が異なってくるというコンティンジェンシー・ モデルであ. アイデアや提案を集める・そして 部下の影 響を反映しているか 否かに関わらず. ,. Vroom たちの規範的意思決定モデルでは ,リー. 入れや実行を 進んで行う. Vroom@and@Yetton@(1973). , p , 13. れば,リーダ一の直面する 問題の種類は「 1 」に なる. これら図 5 の意思決定樹の 最終地点にあ る l 一 U4 の問題の種類毎に ,適切な意思決定スタイ ルが表 3 のように異なってくる. 問題の種類「 1 」では,適切な意思決定スタ イ ルは 表 2 の意思決定スタイルの AI , A Ⅱ, C I , 「. C. Ⅱ. , G Ⅱの 5 つになる. しかし問題の 種類. 1 」のように適切な. 意思決定を複数持つ 場合が. ダ一の取る意思決定スタイルが ,表2 で示される. あ る.適切な意思決定を複数持つ場合には , 意. よう に 5 つに 分けられている・. 思 決定に関与する 人員が最も少ないもの ,つま り Al に近 い ものが関与する 人数が少なく ,短期. このうちいずれの 意思決定スタイルを 取るべ きかは,図5 の意思決定 樹 に回答して い く中で問. 間で有効な意思決定をすることができるため ,. 題の種類毎に 明らかにされる.例えば,図5 の質 問 A の「意思決定の 質の重要性」において「 No ( 意思決定の質は 重要ではない ) 」であ れば,質. 最適な意思決定となる.短期間で決定が求めら れる際には,人員が最も少ない意思決定スタ イ ルを 選ぶ方が最適だが ,特に時間的な制約がな く,むしろ長期に渡ってフォロ ヮ 一の意思決定. 問 E の「フォロ. ヮ. 一の受容やコミットメントの 程. 度 」に移動する.この時も再び「 No ( フォロワ 一の受容やコミットメントの 程度 は低い ) 」であ. に関する知識や 能力を高めたり. ,組織目標との. 一体感を高める 場合には,関与する人員の多い.

(11) リーダーシップ. A.. 意思決定の質. B.. リーダーが 保. C.. 有する・情報や 専門性の程度. の重要性. フォロワーが. D.. E. 問題の構造化. 保有する情報 の程度. の程度. (薄刃. Ⅲ. ワ 一の. F.. 質の高い意思決定 を行 う ため フォロワーたちは. なのか.誰がそれ を持っているの効果的に決定した か.そしてどうす ことを実行するた れば人手できるの めには.フォロ か正確に分かりま ヮ 一による受容は. 分な 追加的な 債. 果に ) 違いが出て きますか. 報を持っています. すか. 重要ですか. G.. @. どんな情報が 必要 質の高い意思決定 をするために 十分 な・情報を持って い ます;. 専制的な決定. ノ. 度 フォロワ一に 受け 入れられるのであ ね ば. 採 m された 行動によって (結. B. H. 望まし t> 解決. 策に関する. ロワーが動機. フオ ロワ一の. 受容される 可 能性. づけられて ぃ る程度. 反対の程度. フ丁 ロワ一の間の コンフリクト 思 決定をした際 のことを考慮した 本当に望まし lt 解 に.フォロ ヮ - は 解決策に基づい 決策に関しての コ 確実に受け入れて て.解決策を 出し ノ アJ クト です; 仮に自分一人で. E. D. C. 組織的な目標 達成へと フォ. フオロワ. 意. くれますか. A. 161. 受容やコミ メントの 程. 仮に意思決定が. (303). 刃肪. フオ ロワーは組織. てくれると信じる ことができますか. F. H. G. 八,O. ㎏S. 芯O. 4. ⅡS. 履$. せら. や5. 娃. 捻$. 0. 6. や,. 下S. Ⅰ. 7. ①. 8. ルり. 掩S. 0 10. 0. NO. NO. ルO. ルり. 05. Ⅳり. ルO. NO 掩S. ①. 申. 0@ 9. 。. 回 ,4. モ@. Ⅰ. 0 12. Ⅱり. Vroom@and@Yetton@(1973). , p . 36. 0@ 13. 図5 問題の種類と 適切な意思決定スタイル 群. 問題の種類. 適切な意思決定スタイル. 1. AI@ , AH. , CI@ , en. 2. Al. . CI. 3. G. 4. AI@. , AH@ , ci. 5. AI@. 、. 6. G. Ⅱ. 7. C. Ⅱ. 8. ci. 9. AH , CI@ , CD@ , Gf. 10. AH@ , ci , cn , GIT. 11. en. 12. Gn. 13. CD. 14. en , en ,. , AD Ⅱ. . C. 定 になる.つまり 意思決定の効果は 同じため, それ以外の目的に 応じて Al に近 い方か, G Ⅱ に 近 い方 かが選択されることになる・. 群. , GH Ⅱ. , G. Ⅱ. これらの規範的意思決定がどれほど. AH@. ,. CI@. , en. , on. ・. , Cn@ , GIT. , en. ,. G Ⅱにより近い 意思決定を取るのが 最適な意思 決. デル. 表3. 意思決定 樹. GH. ・. VroomandYe 比 on(1973),P.37 注 : ホは質問 G に対する回答が Yes の場合のみ, 適 助 な意思決定スタイル 群に人 る. と. な. る 力. ),. この調査を V. 「. oom. 有効な モ andJago. (1978) は製造業,旅行業,銀行や 軍隊など, 96. 人の管理者を 対象に実施している.調査対象と なった管理者たちは 自分の仕事上で 成功した 意 思 決定と,失敗した意思決定についての 記述が 求められた・そこでは 成功した意思決定が 94 件, 失敗した意思決定が 87 件,合計181 件が集められ た . 181 件に関して,管理者たちには自分たちが 行ってきた意思決定について 規範的意思決定 モ. デル で示された図 5 の意思決定 樹 に沿って問題の 種類の特定が 求められた.続いて ,管理者はか つての自分の 意思決定が表 3 の「適切な意思決定 スタイル 群 」に入るか否かの 確認が求められた・ その結果,それぞれの管理者が取った 意思 決 定の中で,表3 の適切な意思決定スタイル 群に入.

(12) 162. (304). 表4. 規範的意思決定モデルの. @. 規範的意思決定モデル と 一致した意思決定. 80件. 37件. 規範的意思決定モデル. 14f牛. 5(W 件. f VroonandJago(1978). @ 94件 lt. ,といった点に集約される (Hunt,1999). またコンティンジェンシー・アプローチによ るリーダーシップ 研究への批判に 加え,リーダ. る. 検証結果. 成功. と不一致の意思決定. 第 10巻第 2 号 (2005年 8 月 ). 横浜国際社会科学研究. I gt 117f 牛. 目. 87W, l@ 181f. l. の記述より作成. る意思決定,つまり規範的意思決定モデル. と一. 致した意思決定が 117 件あ り,このうち 80 件は管 理者が成功した 意思決定だった. - 方 ,規範的 意思決定モデルと 不一致だった 残りの 64 件のう ち,成功したものは14 件しかなかった. このこ たちの規範的意思決定モデルに 従 とは Woom った意思決定スタイルを 取る方が成功する 確率 が高いことを 示している. Vroom たちの規範的意思決定モデルは ,問題 の特性毎に適切な 意思決定スタイルを 示すもの であ る. この時も主な 研究の視点はリーダーそ の人であ り,アプローチはリーダ一の意思決定 行動とリーダーが 直面する問題の 特性にのみ向. ーシップ研究一般に 対する批判も 生じた.例え ば,ある研究者は「配慮」としてリーダ 一行動 を 捉えたかと思えば ,別の研究者は「集団の維 持」と捉えたり ,概念的に統一が取れていない ,. 研究者毎に集団の 高い生産性やフォロ ヮ 一の満 足に影響を与えるリーダ 一行動の捉え 方が異な り .概念的な暖昧 さが生じている (P6㎝er,1978). またリーダ一の 行動を特定したものの ,電話に 出て対応している 姿は構造作りなのか ,それ以 外なのかなど ,現実のマネジャ一の活動とかけ 離れている ( Ⅵ n 比berg, 1982). 仮に多少の暖 昧 さを含みつつも ,. リーダ一の行動の 有効性を. 特定しても,その行動がいかにしてフォロ. ヮ一. に影響を及ぼすのか ,そのプロセスは説明され ておらず,因果関係は不明確であ る.それはフ ォ ロワーが特定の 結果をリーダ 一に帰属させて. いるにすぎない (Calder,1977). 様々な批判により ,リーダーシップ研究が行. 決定がなぜ高い 生産性やフォロ ヮ 一の満足とな. き詰まりを見せる 中でも,政治史学の 分野で Bums (1978) によって新たなリーダーシップ 概 念 が提唱された. Burns は, 2 種類のリーダー. るかの因果関係は 明らかではない.. 、ンップ を想定しており. けられている.そのため, リーダ一のあ る意思. Ⅱ. を変える,特にてズロ 一の欲求階層をより 高い 次元へと変えることで 影響力を発揮する 変革型. 一 4. 状況変革型アプローチ. (1) 変革型リーダーシップ 概念とその測定. リーダーシップであ. 1960 一 1970 年代にかけて , Fiedler (1967) や. House. (1971), Vroom and Yetton (1973) とい. もう 1 つは フォロワ一に. 型リーダーシップであ る. Burns の研究は概念の 提示にとどまったが ,. てリーダーシップ 研究が行われてきたが ,同時 に多くの批判も 寄せられた.その 中でも主な批 判は (1) 統合されていないリーダージッ プ ・モ. 数の膨大さ, (2) 多. くの研究が断片的で 非現実的なものとなってい ること (例えば, House の経路一目標理論に 対 しては, リーダーは経路を 示すだけがその 役割 ではない ), (3) 研究の結果は 矛盾や間違った 問 題を正確に回答したかのようなものとなって. る・. 対して取引関係によって 影響力を発揮する 取引. った コンティンジェンシー・アプローチによっ. デルや規範といったものの. , 1 つは フォロワ一の 意識. い. 変革型リーダーシップという 一. 新たな概念は ,. リ. ダーシップ研究が 行き詰まりを 見せる中で ,. 多くのリーダーシップ 研究者の支持を 集め,研 究が発展することとなる.このことは1980 年代 当時,経済が低迷する米国産業界で 企業を変革 させたリーダーが 注目されるよ う になったこと とも関係している. また理論的背景としては. ,. コンティンジェンシー・ アプローチではリーダ. 一の行動は環境によって. 帝. Ⅱ約される環境決定論.

(13) リーダーシップ. (薄刃羽. (305). 163. だったのに対し ,環境を主体的に変えていくこ. ォロヮ 一に対して能力の 開発や僻性を 認める. とから,新しく 提唱されたリーダーシップ 概念. 「個別的配慮」,そして古し問題を新しい 方法で. に注目した研究者たちが ,心理学,社会学,経考 え ,フォロヮ 一の問題解決能力を 向上させる 営学分野に導入するようになったと 居、 われる. 「知的刺激」の 3 つであ る. そのため,必ずしも上記のようなリーダーシッ この 3 つの変革型リーダーシップ 因子は , 2 つ プ 一般に寄せられた. の 取引型リーダーシップ 因子よりも集団の 生産. 批判が克服されたわけでは. なかった. むしろそうした 問題は軽視され ,. , 性や フォロ ヮ 一の満足と強く 柑 関していた. ま. 次々と変革型リーダ 一に関する研究を 生産する こととなったと 言っても過言ではない・ ここでは変革型リーダーシップの 測定尺度を. た変革型リーダーシップの 因子として特定され. 開発した 2 つの研究を取り 上げることとしたい. 変革型リーダーシップを 測定するために ,定義 の操作が Bass (1985) によって行われた. ま ず高い業績の 達成には.フォロ ヮ 一の意識が変 わらねば困難となる.何がフォロヮ 一の意識を 変えることとなるのか. これを特定することか ら Bass の研究は始まった. Bass は 70 名の上級エ. た 3 つの行動を取るリーダーは ,取引型リーダー シップの因子として 特定された 2 つの因子を行ラ リーダーよりも ,フォロヮ 一の高い満足を 得て. いた.同様の結果は, 256 名の企業マネジャⅠ 23 名の教育機関のマネジャⅠ 45 名の専門職の 調査からも得られた.. (2) 変革指向の管理者行動とその. 測定. 取引型リーダ 一の説明を行い ,上級エグゼクテ ィブたちに今までのキャリアの 中で,自分の意. Bass がユニットの 内部に対して 向けられる リーダ一の行動に 重点を置いたのに 対し,金井 (1991) はユニットの 外部に対するリーダ 一の 行 動 に重点を置いている.既存のリーダーシップ 研究では,極めて限定されたリーダ 一の行動次. 識を大きく変えることとなったリーダ. 元によってリーダーシップの. グゼクティブたちに 対して,変革型リーダー と. 一につい. て詳しい特徴をあ げてもらった. その後,上級エグゼクティブたちとのディス かソ ションで得た 行動項目,また関連する文献 レビューから 得た行動項目も 踏まえ, 73>の行動 項目からなる 5 点尺度の質問紙であ る MLQ (MultifactorLeadershipQuestionnaire) を設計 した.Ⅰ76 名の米軍をサンプルに 変革型リーダー シップの測定が 行われた ". 因子分析の結果,取 引型リーダーシップを 構成する 2 つの因子と,変 革型リーダーシップを 構成する 3 つの因子が発見 された.取引型リーダーシップの因子は,フォ ロワーが目標に 対する経路に 従うことで報酬を 与える「条件に 応じた報酬」と ,リーダーと フ ォロワ一の間で 合意した基準に 合わない際に , リーダーがネガティブなフィードバックを 与え. る「例覚による 管理」の 2 つであ る.また変革型 リーダーシップの 因子は,リーダーとの一体感 や建設的な競争意識を 喚起する「 かノスマ ( カ リスマ的リーダーシップ ),,」と. リーダーが. フ. きた,例えば,. 有効性を測定して. ミシガン研究の「従業員中心の. 監督方式」と「仕事中心の. 監督方式」,オハイオ. 州立研究の「配慮」と「構造作り」,また House (1971) の「経路一目標理論」に 見るよ う にタス ク不確実性の 低減など,これらの行動次元では フォロ ヮ 一の動機づけ 領域に止まり ,. ミドル・. レベルで自ら 戦略を策定し ,それを 達成していく 際に発揮されるリーダーシップ。 (正確には管理者行動 ) を説明することができな い・つまり,フォロヮ 一の発想や行動の 変更は, それを可能とする 環境が整えられる 必要があ る・ 新しい活動に 取り組も う にも,組織の中では マ ネシャ一 、 、。. 様々な制約が 生じる. ミドル・ マ 、 ネシャ一 、。 がそ. うした制約を 克服することによって 変革・革新. を促進させる 役割を果たすこととなる. これまでのリーダーシップ 研究がフォロワー との接角出. に 限定されてきたことを 批判し,フォ. ロワーとの接角由以覚の 管理者行動に 注目し,行 動次元の抽出を 行っている. こうした金井の 視.

(14) 164. (306). 第 10 巻第 2 号 (2005年 8 月 ). 横浜国際社会科学研究. 点は ,大規模組織のミドル・マネジャーは自分 の管理するユニット 内のフォロ ヮ一 との接触を 扱 う だけでは,職務を十分に遂行することがで. の 貢献を認めることができる.. きないという 点にあ る, これは職務を 遂行する. プ研究に対する 批ヒ 判であ った (1) 統合されてい. 上で必要な情報,資源,支持を 上司や他部門に. ないリーダーシップ・モデルや 規範の膨大さを. 依存しているため。 その依存状態への 対処行動. あ. が求められるからであ る.そこで金井は, ミド. 非現実的で,些細なものを扱ってきたことに 対. ル・マネジャ 一の日常行動に 関する研究,いわ ゆる管理者行動論のレビューとリーダーシップ. して.変革という 重要度が高く ,フォロヮ 一の. また変革型リーダーシップ 研究は,コンティ ンジェンシー・. アプローチによるリーダーシッ. る程度統合していること , (2) また断片的で. 提示」「モデリンバ 促進」「方針伝達」「連動性別. 動機づけに止まらないフォロ ヮ 一の能力開発や 思考方法の改革を 扱っていることで 部分的に 克 服している. しかしながら , (3) 矛盾した結果 に対しては Bass の定量化の試み 以降も,批判が 続いている (YukI,1999). アプローチに 変更はあ ったものの,変革型. 出 」「連動性活用」「革新的試行」の ml次元 53 項. 一 ダーシップ研究もまた. 目の質問紙が 設計された.その後, 47 社 1,231課. はリーダーその 人に向けられたままだった.. のミドル・マネジャ 一の行動測定が ,フォロヮ. してリーダ一の 行動の有効性を 測定するために ,. 研究のレビューを 行った.そして ,革新・戦略 指向のリーダーシッブ ( 正確には管理者行動 ) を測定するために. ,「人間的配慮」「信頼蓄積」. 「育成」「達成圧力」「緊張醸成」「戦略的課題の. 一. リ. ,基本的な研究の視点. 質問紙が再設計されている.. 評価によって 行われた.. そ. しかし,変革型リ. その結果,戦略・ 革新指向のミドル・マネジ ヤ 一の場合には ,タスク不確実性よりもタスク. ーダーシップ 研究において ,必ずしもリーダー. 依存性がその 効果を左右する 重要な要因となっ. ではなかった.むしろこうした 問題は軽視され ,. ていることが 明らかとなった.つまり ,革新的 な活動の要請が 高まるにつれ ,依存性が高まる. 実証研究が先行してしまったと 言える.. ため,依存性対処行動である「戦略的課題の. 提. 示」「革新的試行」「連動性創出」がミドル・マ ネシャ一 、、。 にとって必要となることを 指摘した. ここでは 2 つの変革型リーダーシッブ 研究を取. り上げたが,両者に共通して見受けられる 主た る 特徴は,オハイオ州立研究で作られた LBDQ といった既存の 尺度では変革指向のリーダーシ ップの測定が 困難なことを 前提にし,再びリー ダ一の行動を 収集し,測定尺度の再設計を行っ ている点であ る. これまでもリーダ 一行動と, それに影響を 与える状況との 関係に研究の 視点. が向けられていたが ,再びリーダ一の行動をよ り広い範囲に 広げて,測定尺度を作り直すとい. ったプロセスを 通じてリーダーシッブの 実態を 捉え直している ,. このことによりリーダーシッ. プの実態が捉え 直されたという. 点では,変革型. リーダーシッブにリーダーシップ. 研究上で一定. 、ンップ 研究一般の問題を 解決して発展したわけ. m. 既存研究の視点上の 問題とその克服 以上レビューしてきたよ う に,主流に位置づ けられるリーダーシップ 研究は, リーダーシッ プという現象を 説明する際,リーダーとされる その人 (一般的には小集団の 監督者 ) に視点を 置いてきた.当初はリーダ 一の持つ何らかの 資 質,後にリーダ 一の取る何らかの 行動が影響力 となり,個人や集団に対して 目標に向けて 活動 させることができると 想定してきた. そのため 議論の中心は ,集団の生産性やフォロヮ 一の満 足を高めるために ,リーダーは何をすべきかに なる.既存の研究に見られるよ う に, リーダー シップの所在をリーダ 一に求め, リーダ一の資. 質や行動,状況との関連を扱ってきた 研究の視 点を本論文では「リーダ 一中心の研究視点 ( Ⅱ ader. たい.. Centric Perspec Ⅱve) 」と呼ぶこととし.

(15) リ @. タ。 r 、ンップ (薄明 ). リーダ一中心の 研究視点は , 例えば,初期の. ミシガン研究やオハイオ 州立研究に見られるよ う. リーダーは「配慮」や. 「構造作り」をすべきであ り,それによって フォ ロワーを目標に 向けて活動させることができる ことを示してくれる.また, Fiedler (1967) や House (1971), VroomandYe 比on (1974) のコ ンティンジェンシー・ アプローチによるリーダ 一. シップ研究は ,特定の状況毎に有効なリーダ. 一行動が存在するという 視点からリーダーシッ プを 捉えている. コンティンジェンシー・ アフ 。 ローチは,普遍的なリーダ一行動が存在すると いう単純なリーダーシップよりも.状況によっ て 有効なリーダ 一行動が異なってくるという 説. 得,性に富むリーダーシップを 示している. しか し状況毎に有効なリーダ. 165. 結果として,冒頭で述べた変革型リーダーシ ップ研究に対する 批判と関連してくる.つまり ,. に,集団の高い生産性やフォロ ヮ 一の高い満. 足を達成するために ,. (307). 一行動が異なるため. ,. 変革型リーダーシップ 研究もそれ以前の 研究と 同様に,リーダーシップ研究をリーダーその 人 に視点を当ててきたことに 原因があ る.そのた め , リーダ一の行動や 状況を細分化して い くと. 多くの影響要因が 存在することから ,特定のリ ーダ一行動が 果たして特定の 結果を導くのかと いう「リーダ 一行動と結果変数の 因果関係の不 明確さ」が - 層高まってくる.一方で , リーダ 一行動や状況の 細分化をやめると「構成概俳の 暖 昧さ 」が高まってくる. しかも ( 問題のゃ中性 やフォロワ一の ぎ性といった ) 様々な状況変数 牛. を考慮すると ,「リーダーからフォロワーへの 一. 方 的な影響力の 流れ」では説明できなくなる. こうしたリーダ 一行動及び状況についての 細 分化と 暖味 さのディレンマを 解決するためには ,. 状況に応じたリーダ 一行動を取る 環境決定論に. リーダーシップの 所在をリーダ 一に求める視点. なってしまう ,. から,大きく別のところへと 移動させる必要が あ る.その視点とは,リーダーシップをリーダ 一の対極に位置するフォロワ 一の中に所在する. またリーダ一に 視点を定め,状況や行動を細 分化するとき ,一つのディレンマに陥ることに なる.状況毎に最も有効なリーダ 一行動を特定 しょうとすると ,リーダ一行動及び状況要因を 細分化して い くこととなり ,厳密さは増してい. く. しかいソーダ 一行動も状況要因も 細分化し ていけばいくほど ,際限なく拡大してい く.例 えば,フォロワ一の 特 , 性 という一つの 状況要因 を 取り上げてみても. 力, リーダー. と. ,フォロヮ 一の自立心,能. フォロ. ヮ. 一の人間関係など ,こ. れらはより細かく 分けることができる. しかし 現実にリーダーと 言われるミドル・マネジャー. がこのように 細かく自分の 取り巻く状況を 把握. ものとして捉える「フォロワ 一中心の研究 視 ,点. (FoIlowerCentricPerspective) 6,であ る. リ一 ダーシップはリーダーが 個人や集団に 対して目 」. 標に向けて活動するように 働きかける対人影響 力だが,それはフォロワーがリーダーシップと して知覚したり ,認識した際に初めて生じる 現 象 として捉えることを 意味する. また視点を変えることは 分析対象が変わるだ けでなく,問題の捉え方も異なってくる. フォ ロワ一中心の 研究視点は,細分化と暖昧 さによ るリーダーシップ 研究のディレンマを 回避する. ,フォロヮ 一に働きかけているとは 思えない.. ことができることに 加え , 少なくとも次の 3 つの. 一方で,行動や状況の細分化をやめるとそれ ぞれを構成する 概念に暖 昧 さが生じ,リーダ一. 点に特徴があ る. 第 1 に,リーダ一行動と 結果変数の捉え 方が異. 行動の有効性を 測定することが 困難になる.. なる. これまでリーダ 一中心の研究視点では. し. ま. た,仮に測定を 行っても因果関係の 暖 昧 さや, 矛盾した結果が 生じてしまう.それゆえに細分 化と 暖昧 さによるリーダーシップ 研究のディレ ンマに陥ってしまう.. ,. リーダ一の取るあ る特定の行動が 集団の高い生 産性やフォロワ 一の満足といった 結果変数にど れほど影響があ るのかを,フォロヮ 一による質 問紙の回答によって 得てきた. フォロ ヮ一は質.

(16) 166. (308). 横浜国際社会科学研究. 第 10 巻第 2 号 (2005 年 8 月 ). 間 項目に記載されているリーダ. 一行動について 5 点尺度や 7 点尺度で評価し ,そこで得られた点 数の違いをリーダーシップの 有効性の違いとし. 一の相互作用の 中で,そして時とし てフォロワ一間の 相互作用の中でリーダーシッ プがフォロワ 一の知覚によって 形成されてくる. て扱ってきた. しかし質問紙による 回答の差は, 構成概念が不明確で 本当にリーダーシップの 有 効 性の 差 と言えるのかという 疑問があ った. こ れに対してフォロ ヮ 一中心の視点では ,質問紙 の回答の差はリーダーシップの 有効性の差では なく, リーダ一の行動によって 形成された フォ ロワーが抱くリーダ 一のイメージの 差 ,知覚の 差として捉えることになる. また (反に, リーダ ーシップはイメージの 差 ", 換言すれば幻想であ. ことを扱. っても特に問題にはならない・むしろそうした 幻想が作られることで ,フォロワーが目標に向 けて活動するようになるのであ れば,それがリ ーダーシップの 実態と言える.. と. フォロ. う. .. リーダーが一方的にフォロ ヮ 一に. 影響を及ぼすわけではなく. ,リーダ一の行動が. フォロ ヮ 一によって解釈され ,フォロヮ一が リ ーダ一に対してリーダーシップを 認めるないし. は与えることになる.結果として既存研究で得 られた「配慮」や「知的刺激」といった 行動が 有効,性を高めることになる. リーダーシップ と 名づけられたリーダ 一行動が有効になるのでは なく, リーダ一行動を 有効にさせるためのフォ ロワ一の受容メカニズムが 問題となる.そのた め,これまで説明されることの 少なかった り一 ダ 一行動が,なぜ集団の高い生産性やフォロ. ヮ. 一の満足にっながるのか ,その因果関係を捉え. 第 2 に,リーダーシップはリーダーが 持ってい. ることになる・. るのではなく ,フォロワ一の 知覚によって 発. Ⅴ. おわりに. 生 ・形成されるものとなる. そのためリーダ 一 行動を扱う研究に. ヮ. 代わり,フォロワ 一の知覚を. 扱う研究になる. これまであ る特定の状況にお いて,リーダ一行動の柑 違 が結果変数にどう 違 いを生じさせるかを 扱い,リーダ 一行動を リ一 ダーシップの 実態と捉えてきた. しかしフォロ ヮ 一中心の研究視点では ,いつ,どこで ,どの ようにリーダーシップという 名の対人影響力が フォロ ヮ 一の知覚の中で 発生ないしは 形成され. 本論文は,リーダーシップ研究に新たな 研究 視点の提示を 行うことを目的としてきた.新た に 提示された視点とは ,「フォロワ 一中心の研究 ネ見. ,点Ⅰであ る. これはリーダーシップ。をフォロ. 一の知覚や認識レベルで 捉える視点であ る. 既存のリーダーシップ 研究はリーダーシップを ワ. 分析する際, リーダーその 人が有する資質やリ ーダ一の取る 何らかの行動から 説明を試みてき. るのか,さらにはフォロヮ一 が行為主体者であ. た .つまり,フォロ ヮ 一に影響を及ぼすのはリ. リーダ一に付与するのかという 一連の流れが 扱われることになる. 第 3 に,第2 の特徴と若干重なるが ,リーダー. ーダ一の持つ 資質やリーダ 一の取る行動であ り, これらが個人や 集団に対して 目標に向けて 活動 させるよ う に働きかける 対人影響力の 実態と捉 える視点であ る.そのため議論の中心は ,フォ ロワ一に影響を 与え.集団の高い生産性やフォ. る. 、ンップ 有効性の因果関係プロセスが. 扱われるこ. とになる. これまでリーダ 一の取る行動をフォ ロ. ヮ一 が点数で評価し ,リーダーはあ る状況で,. ロワ一の満足を 達成するために , リーダーはど. あ. る行動を取れば。 集団の高. ヮ. 一の高 い 満足を得ることができるという. んな資質を備えねばならないのか。 リーダーは 何をすべきかであ った. しかし,リーダ一の取る特定の 行動が常にフ. い 生産性やフォロ. 一方. 的な影響力の 行使を暗黙の 前提としてきた. し かしフォロワ 一中心の研究視点では ,リーダ一 の一方的な対人影響力がリーダーシップとして 結果変数に影響を 与えるのではなく ,リーダー. ォロ. ヮ. 一に対して一定の 成果を生じさせる 対人. 影響力とはならない.つまり普遍的に有効なリ ーダ一の資質や 行動は存在しないということに.

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