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経済理論と数学 トゲームの理論 今

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(1)

第三十二巻 第二号   

研究ノート  

︼ ゲームの理論の概要   

ゲームの理論は︑経済の外に統計学政治学社会学軍事上.の戦  

術遊戯などにおいて貢献している︑けれどもここでは経済の分  

野における貢献について考察するにとどめる︒   経済においてよく見られる問題につぎのものがある︒ある二  

つの町を絡ぶ道路を甲乙二つの会社のバスが通っでいる︑この  場合二っの会社の関心ほそれぞれ一日に往復する回数あるいは  

バスの料金を適当に定めて︑できるだけ多くの利益をあげると  

いぅことであろう︒このときそれぞれの会社は一日の運転回数   経済理論と数学  

トゲームの理論  

今  

四三 ニ ー  

ゲームの確論の概要  

ゲームの理論の図示  

ゲームの理論の代数  

復雉なゲームの理論   ︵二一二︶ 八二  

あるいはバス代をどのように決めたらよいかということを問題   ー  

にする︒この議論は経済学において復占の問題として扱われて  

いるが︑これがその他の問題完全競争や独占の問題と区別され  

る特色は甲乙二枚の間の敵対関係である︒すなわち∵万の会社  

が利益をうることが相手の会社の利益をさまたげるかもしれな  

いという事情である︒   

このような事例は経済において沢山見ることができる︒交  

通︑運輸の外に例をもとめるとテトロン︑スクーター︑板ガラ  

スなどの供給があげられる︑また特定の地域特定の取引︵入札  

など︶ に限ってみれはこの例は非常に沢山あげることができ  

るであろちノ︒   

この状況において甲あるいは乙がその営業政策をどのよう忙  

して決めるかという問題ほ経済学匿おいてはつぎの二つの途の  

一つから接近してゆくことが多い︒す克わちそれは価格政策︑  

あるいは数良風政策として考えられることが多い︑いまほ仮りに   

︵価格の側面からではなく︶一日の往復回数を決めると考える  

としても︑甲がその道転回数を決めれば甲の収入利益がきまる  

のでほない︒その収入が相手の乙の運転回数によっても影響を  

うけるという点にこの間題の特色がある︑これは  

甲臥利益ほ甲の運転回数と乙の運転回数の函数である︒  

ということができるであろう︒したがって甲が自己の利益を最  

大にしょうとするとしても︑彼は自己の運転回数のみを考慮す  

ればよいのでほなく︑相手の決定も考慮しなければならないで   

(2)

あろう︒このような問題はゲームの理論においてどのよう妃考  

えられているであろうか︒   

、  

これについて考えるため諷つはじめに最も簡単な例を用いて  

ゲームの理論の特徴を示しておこう・︒そのためいまっぎのよう  

なルールの﹁貨幣あわせ﹂のゲームにノついて述べておこう︒机に  

むき合っている甲乙おのおのが血枚の銀貨を机のうえにおく︑  

それは衷あるいは裏になっているが︑それを手でおおって相手  

に見えないようにしておく︒そこで甲と乙が同時におおってい  

た手をほづし貨幣をお互匹不す︒もし双方の銀貨が同じむきで  

あれば二枚とも甲がとり︵すなわち乙が甲に一枚支払い︶そうで  

ないときには乙が二枚とる︒︵すなわち甲が乙に一枚支払う︶   

ここには二人の当事者がいるからこれを﹁二人﹂ゲームとい  

う︒また山方の当事者が獲得するだけのものを相手が失う︑い  

いかえると双方の利得の和はゼロである︒このためこれを﹁ゼ  

ロ和﹂のゲームとよぶ︒ここにゲームというのほその当事塞が  

なしうること︑ならびに最後にうる利益の額を決めるルールの  

集りである︒︵たとえば将棋というゲームは駒のならべ方︑進  

め方︑勝負の決め方にっいてのルールの集りである︶   

ここで考察するゲームの基本的な特色は︑当事者の利害得失  

が自己の行為だけでなく相手の行為によっても左右されるとい  

う事実である︒こうした特色が上紅のぺたパヌ会社の事例にお  

いてみられることほ明らかであろき︒   

つぎにもう少し複雑な例について述べておこう︒そのルール  

経済理論と数学   であろうか︒甲が慎重な人であれはつぎのよう紅考えるであろ  う︒甲がtあるいは阻の戦略をとるときには感くすると二〇の  損失を招くかもしれない︒ところが︑Ⅱの戦略をとると︑どん  なに悪くてむ利得がゼロ ︵損得なし︸に足らなくなるというお  それほない︑そのため甲はⅡの戦略をとるであろう︒甲がⅡの  戦略をとる︑理由をもう一つあげることができる︒乙がその決定  

︵二劇三︶ 八三   はつぎの通りとする︒甲は1 Ⅱ Ⅱのうちから一つをえらび  乙ほ1 2 3のうちから仙つを選ぶ︵レかも独立にえらぶ︶  そのとき甲が摂待する利得ほ甲︑乙のとる戦略の組合せ方にょ  って変るが︑現在の例匿おいてはこの可能な組合せ匿おいて甲  の獲得する利得︵乙の失う損失︶がうえの表に示されている通  りとする︒たとえば甲が1を選らび乙がlを選ぶときにほ乙が  甲に二〇︵万円︶を払い︑甲がⅠ︑乙が2を選ぶときにはマイ  ナス一〇支払う︵すなわち乙が山○受取る︶  

乙の戦略   1   2   20  −10    ユ0   0  

−20  −10  

〇一〇 〇 2 1 2  

Ⅰ Ⅱ Ⅱ   

甲の戦略    甲がⅠ Ⅱ Ⅱのどれを選んでもその  結果いくらの利得が手に入るかについて  は確かなことは分らない︒それは乙が1  2 3のうちからどれを選ぶかによって  左右されるし︑しかも乙がそのうちのど  れを選ぶかが甲にとって分っていないか  らである︒ 

この表に示されているような状況のも  

とでほ甲はどのような手をとったらよい  

磯   

(3)

第三十二巻 第二号  

をなすに当って甲がどのような決定をするかを予め探り出すか  

もしれない︒仮りに甲がⅠをえらぶとし︑もし乙がこのことを  

探知することができるなら乙が3をとることほ明らかである︒  

そのとき乙は自己の利益を最大にすることができるから︒その  

ときには甲ほ二〇の損失をうける︒もし鞘がⅡをえらぶと乙ほ  

lをとり︑甲の損失は二〇となる︒このどちらの場合ももし甲  

がⅡをとったなら確実にうることができるゼロよりも小さい︒  

このように相手方に探知されるかもしれないという危険を考え  

るときにほ甲ほ上のよう紀行動するであろう︒このように甲が  

ⅠⅣⅡのどれをえらんでも︑そのときの最小の利得を期待し  

ておればその期待はうらぎられることはない 

甲はこの三つの利得のうち一番大きいものがえられるようにそ  

の戦略をきめておくなら︑それだけの利益は安全にもとめるこ  

とができる︒ゲームの理論においてほ甲がこのように慎重な手  

をうつものと想定している︒   

甲︑乙双方がこのように用心深い手番をとるときにほ︑上の  

ゲームにおいてほ甲がⅠを選ぶときどんなに工合の悪いときに  

もマイナス二〇をうることがセきる︒Ⅱ Ⅱを選ぶときにほそ  

れぞれゼロ︑マイナス二〇をうることができる︒甲ほこれらの  

利得をどれでも安全にもとめることができる︒その中で彼ほ址  

を選ぶであろう︒そうしておけば甲ほ安全に入手できるものの  

うち一番大きなものを得ることができるからである︒乙も同じ  

ように行動するときにほ2を選ぶ︒このゲームの利得ほ甲にと   ︵二二四︶ 八四  

っても乙にとってもゼロであろう︒   

この考え方ほこれからの基礎になる︒ゲームの当事者がこの  

ように行動サることほ最もよいといえないかもしれない︒しか  

し当事者の行動について何んらの前提も設けずに推論をすすめ  

てゆくことほできない︒この行動原理ほゲームの理論の基本的  

大前提である︒ところでここに劇つのおもしろい性質に気がつ  

く︒すなわらいま仮りに甲が相手のとる戦略が2であること︵  

あるいほ相手が上述のようにゲームの理論の仮定にしたがって  

行動するトいと︶を知った後で︑甲が自由な行動をとることがで  

きるとしてもその決定ほかわらないということである︒   

この点を考えてみるために︑もし何んらかの理由のために乙  

が2を選ふことを甲が知ったとしよう︒そのとき甲ほⅡを選ぶ  

であろう︒そのとき乙の選んだ2の戦略に対応する第二列にお  

いて最大の利得がえられるからである︒このときの甲の行動ほ  

上で考えた場合︵相手の行動が全くわかっていない場合︶にな  

した決定七全く同じであるじ   

同じように甲がⅡを選ぶことが分っても乙ほその決定を変え  

ないであろう︒このように上の方法で決った戦略は知っておる  

ということとほ無関係である︒   

ゲトムのこのような特性はどのような事実にもとづくか︒こ  

れについて考えるためいま上の利得表においてつぎの二つをも  

とめてみる︒   

H 甲の戦略ⅠⅤ皿Ⅱのそれぞれからえられる最小の利得ほ   

(4)

ちノO  

H 二つの横行のうら小さい方ほ﹂一1でありそのうち大きい  

方ほ﹂である︒また   

⇔ 二つの縦列について大きい方ほ11であり︑そのうち小  

さい方ほ1である︒   

この両者ほ等しくなくしたがって鞍点ほない︒この貨幣あわ  

せのゲーム紅おいてほどのはぅにして甲︵あるいほ乙︶のとる  

戦略をもとめればよいであろうか︒  

経済理論と数学    ーNO︼ ○−−NOである︒これほ安全に得ることができるもので  ある︒そのうち最大のものほ0である︒   

⇔ 乙が戦略1 2 3をえらぶとき支払わねばならない最  

大の損失ほNO−○−NOである︒慎重な人であればこれだけほ払  

わねほならないと覚悟するであろう︒そのうち一番小さいもの  

ほ0であを︒   

このようにHの場合にも何の場合虹も同じゼロを得た︒この  

ため紅上の性質がえられたのである︒これが等しいときゲーム  

に鞍点があるといわれる︒   

︶  袈一11  

表 ll  

︵   表装    しかしこのような鞍点がいつでもあるとほ限ら  ない︒たとえば前にのぺた貨幣あわせのゲームの  利得表ほつぎの通りである︒すなわち二枚の貨幣  が同じむきのものであれは甲ほ乙から一枚受取  

り︑そうでなければ乙が甲から小牧受取各︒ここ  

で上と同じよう紅︑つぎの二つをもとめてみよ   これに対して答えるために二つの場合を分ける︒ Hこのゲームを一回しか行わない場合︒⇔何回もくりかえし  て行う場合︒前の場合紅は甲に﹁表を出せばよい﹂あるいほ﹁袈  を出せほよい﹂と告げることほできない︒しかし彼の場合にほ  つぎのよう紅告げることができる︒﹁表あるいほ裏のどちらか  を換返して出すと不利である﹂それは相手がこの傾向につけ込  むからである︒したがって表と塞とを長期的に同じ頻度で出  し︑つぎに何が出るかを推測できないようにしなければならな  い︒これほ乙についてもいえる︒それでどちらもこのよう血行  動すると仮定する︒このとき紅ほこのゲームを何回もくり返し  て行うとその半分において㌻をえ他の半分において一を失う︒  そうして平均の利得ほゼロとなる︒   

ここで鞍定のあるゲームと同じような分析をすることができ  

る︒乙が邁と表を同じ頻度で出すことを甲が知っている︒︵あ  

るいほそう思っている︶ としよう︒甲ほ山裁と表を出す頻度をど  

のようにも変えることもできる︒しかし変えることは貿明でな  

い︒もし変えれほ相手につけ込まれるからである︒同じことは  

乙についてもいえる︒   

前に鞍点のあるゲームにおいてほ甲︵および乙︶のとる戦略  

を告げることができることを示したが︑ここでほたとい鞍点が  

なくても頻度をつけた戦略の組合せを用いれば甲乙のとる戦略  

を告げることができることを示した︒このような組合せは混合  

戦略とよほれる︒これに比べ個々の戦略ほ純粋戦略とよばれ  

︵二劇五︶ 八五   

(5)

第三十二塵 第二号  

る︒このようにして待た甲︑乙のとる戦略の対を解とよぶ︒解  

にあらわれる戦略は最適であるといわれる︒   

これらの言葉を例を用いて繰返して説明しておこう︒上のゲ  

ームの解というのほ甲にとってほ純粋戦略rをⅡと同じ頻度で  

用いるととである︒われわれほ単に頻度だけをつぎのように番  

いてこれをあらわす﹇鴇兢﹈ ︵これほⅠとⅡを交互にとるとい  

うことを表ぉしているのでほない︒たとえばさいころを投げて  

目の奇偶に応じてⅠ Ⅱをとることを表わしている︶ これほ乙  

にとっても同じである︒そしてこれが解である︒なぜなら︑乙  

がその戦略を固執しているときにほ甲ほこれよりもよい戦略を  

とることほできないから︒この場合の利得ほゼロである︒  

パリ  ゲームの中には何個も解のあるものもある︒た  

2・2 とえぼ上のような利得表のときにほ   

H 甲﹇鳩%﹈乙︵○﹈﹁○︶および  

甲﹇%鴇﹈乙︵○−○︶  

のどちらも解である︒解からえられる利得をゲームの偲とよぶ︒   

貨幣のあわせゲーム紅おいてほその最適解において︑どち  

らの当事者にもその戦略のすべてが含まれている︒けれどもい  

つでもこうなのでほない︒利得表がここに示されるような場合  

判別﹁ はそうでない︑この解は甲﹇兄%﹈および乙︵㌫  

31 ︸か○︶ であることほ容易紅たしかめることができ  

作座 る︒このゲームを用いると優れた戦略を例示する  

ことができる︒乙が戦略2と3のどちらをとるかについて老え   ある︒このように乙にとってほ二つの純粋戦略がどちらも最適  である︒このように優れた戦略のために除いてよいものであっ  ても最適戦略に含まれることがある︒  

こ ゲームの理論の図示  

ゲームの理論をグラフを用いて説明しておこう︒こうすれば  

幾何的に考えることが好きな人に役立つであろう︒   

七亡では二行二列あるいは二行三列の利得表のゲームを図示  

するが︑㌧このようなゲームであれほ代数によるよりも容易に解  

をもとめることができる︒まず上に出た貨幣あわせのゲームを  

れり 図示してみよう︒その利得表は上の通りであっ  ll た︒  ︵ ⅠⅡ    ︵ニー六︶ 八六  

るとき乙ほ3を絶対にとらぬであろう︒それは甲がどの戦略を  

とるときにも乙にとってほ2をとる方が有利であるから︒この  

ため上のゲームにおいて乙の最適戦略に戦略3は含まれていな  

い︒それほ最初から除いておいてもよいであろう︒   

しかしながら優れた戦略があるために除いてよい戦略であっ  

ても鹿適戦略でありうる︑たとえば利得表がうえのように示さ  

︶   13   

1  

︵   れるゲームにおいてほ乙の戦略1ほ2より優れて  いる︒ところがこのゲームに対してほ二つの解  

甲︹10︺乙︵○−︶および甲﹇10﹈乙︵〇二が  

(6)

l  

t  

てあらわされる︒   

ところでいまほこの数個の和が二鱒なるという条件があるた  

めに混合する比率ほ第一の戦略をとる比率を定めれば第二の戦  

略ほ残りの比率でとることになるから︑一つの数を用いてそれ  

を示すことができるであろう︒   

さて甲が償二の戦略Ⅰをガの割合でとるときの甲の利得ほど  

のように図示できるであろうか︒この問題を考えるにほ乙の立  

場を限定してみるのが便利である︒そのためいま乙が第副の轡  

略をとるように決めたとする︒このときもし甲が戦略Ⅰをとれ  

は︵鴇=−とすれば︶甲ほ−−の利得をうることができる︒この利  

得をⅠのところに立てた垂線の高さで示す︒このときもし甲が  

戦略Ⅱをとれほ︵h∵=−○とすれば︶甲ほ1の利得をうる︒これをⅡ  

のところにたてた垂線上に示す︒このよう紅して得た二点を循  

経済理論と数学  

.丁   電   

甲ほ二つの純粋戦略ⅠⅡのいづれかあるいほ両  

者の混合を選ぶことができる︒いま長さ1の線分  

をとりその両端をⅠⅡと記す︒いまこの線分上の  

点で二つの純粋戦略を混ぜてとる割合︑二つの戦  

略町つけるク革イト︵相対頻度︶の大きさを示そ  

う︒たとえばこの線分を四等分した点を左から  

R︑S︑TとするときRほ1Ⅱを13の割合でと  

る混合戦略﹇鴇%﹈をあらわんS︑Tほそれぞそ  

﹇%亀﹈︑﹇%兢﹈をあらわす︒この単位線分上  

の点ほ志に甲が混合の割合を示す数の組でもケ   ぶ線分をつぎの図に闇と記しておいた︒   

甲が戦略Ⅰを∬の割合で戦略Ⅱを残りⅦ割合でとる︵乙ほ戦  

略1をとる︶のであるから︑利得表の第一列を用いると甲の利  

得ほ  

−−・祇+−・︵−−且=−−N衿  

となる︒   

このように乙が戦略1をとるとこの結果は闇で示され︑戦略  

2をとるときの結果ほ似で示される︒この闇は利得表の第二列  

から分るように  

祇−︵−﹂ユ=汐∵1⊥  

を表わしたものであ告この場合両直線闇闇ほ一点において交  

わってい牒がそこでほ∬=抜︑利得−−0である︒   

甲の目的ほγを適当紅えちんで利得をできるだけ大きくする  

ことである︒∬を任意に過ぶときそれに対してもし乙が戦略1  

︵二副七︶ 八七    をとると闇までの高さ  を獲得でき︑戦略2を  とると闇までの高さだ  け獲得できる︒この二  つの高ぎの中間のある  借は︑乙が混合した戦  略をとるときに甲が得  ることができる利得の  催である︒さてこのよ  

(7)

13 よう︒この場合も前と全く同じように示すことが  

〃は できる︒この場合にほ乙のとそ﹂とができる戦略  

ⅠⅡ.が三つあるのでそれぞれに対応して三つの線分が  

えがかれる︒乙が戦略1をとることほ線分仙で示されている︑  

これほ爵+N︵T曳で示される甲の利得である︒また乙が戦略  

2をとるときの甲の利得ほ線分㈲までの高さで示され︑また乙  

が戦略3をとるときにほ線分劇までの高さで示される︒   

さていま甲が点5で示される混合戦略を選んだと仮定しよ  

ぅ︒このとき乙が1︑23の戦略をとるとき甲の得ることができ  

る利得ほSにおける仙㈲闇までの高さであらわすことができ  

る︒そのうち一番下にあるものが∬であるが乙のとる戦略がど  んなに工替の悪いものであっても︑甲ほ少くとも〃ざの利得を  

ぅることができる︒甲が他の戦略をとってもそれはすぺて線分  

ⅠⅡ上の点で示されるがき﹂で垂線をたてこの〃Sに相応する  

ものをもとめることができる︒これほ乙が甲にとって一番工合   第三十二幾 筋二号  

ぅにして描いた二つの線棚闇のうち低い方は甲がガの割合でⅠ  

Ⅱの戦略を混合したとき獲得できるものの小さい方をあわらし  

ている︒点lから点Ⅱ.の方へ移ってゆき︑このような点をつら  

ねてゆくと折線AβCができるがこれほ甲が得ることができる  

と期待して安全なものである︒このうらで甲ほ一番高いところ  

β紅蓮しようとするのであろう︒そのため∬=−鳩をえらぶ︑こ  

のとせの甲の利得が0であることほいうまでもない︑  

︶ 34   っぎに上の利得表で示されるゲームについて考え  

それほ甲がどのような戦略をとるときにも脚が似より上にある  

からである︑2の方が3より優れた戦略である︑戦略12のう  

ちどちらが乙にとってよいかほ甲のとる戦略によって左右され  

る︒もし甲がrを選ぶとすれば︑乙が12をどのように混ぜた  

戦術をとっても利得ほ同じである︒   

つづいて乙の立場について考えよう︒鞍点があるときにほそ  

れほ簡単紅解ける︒それがなく上の凶のようなときにほ戦略1  

2を用いなければならない︒それをどのような割合で用いるか  

をこの図から容易にもとめることができる︒このゲームの値ほ    ︵二叫八︶ 八八  

して甲の戦略ほ﹇悠%﹈であ  

る︑このとき甲の利得ほⅣr  

の高さである︒これがゲーム  

の値である︒  

またこの図虹よると乙ほ戦  

1 略3を用いないことが分る︒   丑 の患い戦略をとるときにも甲  

がうると期待できる利得であ  

る︒このよう虹して甲ほ斜線  

T のついた部分のうち一撃同い  ところを選ぶべしたがって甲  

ほ点ナで示される戦略をえら  

ぶ︑これほⅠから%︑Ⅱから  

兢の距離にある︒このように  

(8)

N・∽であるので︑乙の最適戦略ほ甲がどのような戦略をとって  

も甲軋与える利得がN・∽でぁるようなものであればよい︒それ  

ほ図において点Ⅳを通る水平線で示される︒これほ棚脚を混ぜ  

て用いることによって逢せられる︒皿似をどのような割合で鹿  

ぜればよいかほ簡単な幾何を用いれぼ分る︒   

同じ問題を図示する別の方法についてのぺよう︒いま甲が戦  

略Ⅰをとるときの甲の利得を横軸にほかりⅡをとるときの甲の  

利得を縦軸にほかる︒彼の利得が乙のとる戦略によって右左さ  

れることほいうまでもない︒乙が戦略1をとるとするときほ甲  

が戦略Ⅰをとるか戦略Ⅱをとるか匿応じてそれぞれ4あるいほ  

2を渡さねばならない︒このような点ほ横軸が4︑縦軸が2を  

座標とする点勘=﹇42﹈で示すことができる︒   

同じように乙が2︑3の戦略をとるとき甲の利得ほ責 鶴=  

﹇13﹈︑鶴=﹇34﹈で示すことができる︒乙が12を混ぜ  

てとるときにほそのときの利得ほ線分短︼b悼上の点の座標で示  

すことができる︒′これほ誌−+息訂 汀+ヽ=−とあらわされる︒  

もし1︑2︑3三つを混ぜてとるときにほ三角形bl句監計︵プ  

チも含む︵の点で示すことができる︒唇b−十一也甲十Nb00 鴇十や十N  

=−さて甲ほ自分の戦略をきめなければならないが︑もし戦  

略Ⅰをとれは彼ほ乙のとった戦略を示す点︵これほ三角形の点  

である︶の横座櫻を手に入れることができる︒もし︑戦略Ⅱをと  

れば乙の機略点の縦座標を手に入れることができる︒もし乙の  

とる戦略が一つしかなくそれが一点で示されているときにほそ 

経済理論と数学   の点の座標の大きい方をとるであろう︒いいかえるとその点が  四十五度線上にあるときにほ甲ほⅠ︑Ⅱのどちもをとっても利  得は同じであり︑もし四十五度線より下方紅あるときにほ甲ほ  Ⅰをとるべきであり︑もし上方紅あるときには甲はⅡをとるぺ  〟  きである︒さて利得表が雪えられれば︑それにもとづいて戦略  三角形b︼b蛤詳をえがくととができる.︒乙ほこの中の点をえ  らぶのであるが︵乙ほどの戦略点をとるとしてもその座標のう  ち大きい方が甲に渡ることを㍊惜しその中で乙ほその戦略を適  当紅選ぶことによってそれをできるだけ小さくしようと試み  る︒︶しノたがって乙ほ三角形の戦略点の二つの痙療のうち大きい  方が最小のものをえらぶべきである︒   

この点を求めるにほつぎのようにすれはよい︒一枚の十分大  

きな正方形の紙片をつくりこれを戦略一三角形の左下方から右上  

方にすべらせる︒ただしその一つの対角線を四十五度緑から離  

れないようにしておく︒このとき正方形が三角形に最初に接す  

る点が乙の最適戦略をあらわす︒つぎの図において斜線をひい  

た正方形ほこの補助の正方形な示す︒   

三角形の一辺と補助の正方形が図闇のようぬ接するときにほ  

乙ほ混合戦略をとり図似闇のときにほ乙ほ純粋戦略をとる︒ま  

たこの正方形の右肩の頂点がゲームの値である︒   

乙のとる戦略が図示できた︒つづいて甲の戦略を同じ図に示  

すことができるヵそのためまず最初に甲の利得を図示しておこ  

ぅ︒いま甲がその一一つの戦略を ﹇竺ヱ の割合で混ぜてとる  

︵二山九︶ 八九   

(9)

/酢  

第三十二巻 第二号  

ものとする︒このとき乙が慮Tノ  

=﹇勘′l﹈をえらべば︵rの械  

座櫻縦座標がそれぞれ現わであ  

ほ る︶甲の利得ほ訟ユ・さとなる︒  

この直線ほ右下りである︒特別  

伊 の場合にほ座標軸竺致するゝ﹂  

とがある︑檎J=−●k=○のとき紅  

熊=−こ宣基のときにほぷ︸+ミ︼  

ほ点T−−﹇勘わ﹈から戦略直線  

︑・′ までの距離である︒すなわちr  

の横座標である︒箭○−昔−  

のときも同じよちノにいえる︒一   ほこの直線ほ縦軸となる︒唇=  ○−七−−−のときにほ横軸となる  この特別の場合ほ簡単である  

般の場合甲が混合戦略︵祇≠Ou℃  

≠○︶をとる場合にほ已︼⊥・・凰∞  

ほどのようにあらわすことが   これを図に示すのが最初の課題  である︒・そのセめいま原点を適  って直線 已l+箋︼=○ をえ  がく︑とれを甲の戦略喧橡とよ  ぶ︑このギ∫ほ非負であるから  

≠   ︵二二〇︶ 九〇  

できるであろうか︑そのためいまTを適って曇︼+盲l=○に平行  

線をひく︑それほ崇十官=まl十息︼の式であらわされる︒これ  

と四十五度線?=㌣との交点をy=﹇■▲・■ナ﹈ とする︒とれがもと  

める甲の利得をあらわす︑なぜならその座標ほ縦横とも  

︵霊︼+息−︶ \︵雫十ゝ=記︼+yご  

であるから︒   

乙ほ戦略三角形の点をどれでもえらぶことができる射それを  

つぎのように選ぶ︒すなわらその選んだ点を通り︑甲の戦略忠  

線に平行に引いた境線が四十五度線と交わる点ができるだけ小  

さくなるようにする︒このためには甲の戦略直線を平行に右上  

方虹移し最初に戦略三角形と接するときの接点︵あるいほ線分  

︶を乙の戦略にとればよい︒   

いうまでもないことであるが甲の力はこのようにして達する  

四十五度線上の点ができるだけ大きなように戦略直線をえら  

ぶ︒したがってもし図仙のように乙の戦略三角形の右下りの一  

辺が四十五度線と交わっているときにほこの一辺に平行な直線  

を甲ほ戦略直線にえらぶ︑しかし図㈲のように四十五度線との  

交点紅おいて三角形の辺が右上のとき︑あるいほ図3のように   

その交点がないときにほ︑乙の最適の点から遠い方の座標軸を 倫  

甲ほえらぶぺきである︒︵甲ほ右上りの戦略線をとることほで  

きない︶   

これらいずれの場合にも乙の最適戦略が甲の最適の選択に対  

する正しい答である︒またその逆も成立する︒いいかえるとゲ   

(10)

払おー::  ニ:b革営  

が与えられているものとする︒このゲーム紅おいて甲が香呂  

の戦略を選べば牧ほ最も都合の悪いときにでもこの表の第一横  

行にある要素の中の最小のものをうることができる︒すなわら  

彼ほ乱読向こ をヶることができる︒一般紅もし彼がg番目の  

戦略を選べば彼は少くとも  

雲首hぎ  ︑  をうることができる︒甲ほどのような・多でもえらぶことができ  

るのであるから︑彼ほ右の値をできるだけ大きくするようにえ  

らぶ︒このため彼ほ  

挙買竜骨ござ  軋 ㌦  

を少くとも確保できるような戦略をとる︒   

ゼロ和のゲームにおいてほ甲の利得ほそのまま乙の支払額で  

経済理論と数学   ーム軋ほ解がつねに存在す牒︒その最適戦略ほ図からもとめる  ことかできる︒  

tニゲームの理論の代数  

ここで代数を用いて二人ゲームをのぺておこう︒甲が〝個の  

戦略をもっており︑乙が椚個の戦略をもっているものとしよう︒  

そして甲が・多番目の戦略をとり乙が・∫番目の戦略をとるときの  

甲の利得を勒とする︒いまこのような利得を表にしたもの  へ   白≡⁝・⁚⁝ へごヨ   あるから人あるいほ甲の支払額がそのまま乙の利得であるから  ︶乙にとっても少くとも  

弐罠温道−やこ  ヽ  

を確得することができるような戦略がある︒ところがこれほ  

︑う︑・−︑︑声こ︑.−丁 ぎニ∴︑︑ミニ∴こ ︑ぺ︑︑:至−−∵    ≠ ・ 矩  ヽ   

  

︑ 鴫  であるから乙ほ少くともこれだけのものが得られるような戦略  

をとることができる︒すなわち乙ほ甲に与える支払額を粘々  

恩道3牒 書 紀おさえておくことができる︒要約すると甲ほ  ↓  少くとも羞h思おきを確保できるし︑乙埠㊦⁝牒ござ以      恥   ヽ  ︑ ≠  

上渡さないよう紅することができる︒   

そして仮りに  

学監=さざbと=−§騒こきゞ⁚きー=e  隼   −  矩  

であるなら甲ほ少くとも〝を確得できるし︑乙ほ〃以上渡さな  

いよう托することができる︒しかし一般にこの最後め関係が成  

立することほ望めない︒たとえば上にのぺた貨幣あわせのゲー  

ムにおいてほこの関係ほ成立しない︒このとき当事者が同じゲ  

ームを何回もくりかえして行うとき紅はつぎのようにして混合  

戦略を用いることができる︒   

いま甲がその純粋戦略をれ⁝侮の割合︵ご+⁝+ぎ=−︶で混  

ぜて用いるときの戦略を 壇=︵ご⁝:・ぎ︶であらわす︒同じよ  

うに乙についてほ y=︵¥・ゞLとする︵さ+⁝十セヨ=亡この  

︵二±二︶ 九劇   

(11)

第三十二巻 第二号  

鞍︑ゎがどれも非負であることほいうまでもない︒以下特にこ  とわらなくてもg︑yを用いるとき紅ほこの条件があるものと  する︒   

甲および乙がそれぞれ戦略g︑yをえらぶとき甲の平均利得  

ほ刃唇ざ云きとあらわすことができる︒このとき甲がその戦  略をどのよケ直して選ぶか紅ついて考えよう︒甲が戦略委をえ  

らぶとき乙ほ甲に与える利得h慧こ料きをできるだけ小さくす  

るようにその戦略yを選ぶであろうと覚悟しておけば放も安全  であろう︒ととろで乙が混合戦略でこうするものとしよう︒そ  

のとせ軋ほ乙は少ぺとも劇つの純粋戦略を選べばそれでもって  

こテすることができる︒なぜなら上式で示される乙の甲に与え  る利得ほ〃に関する一次式とみることができる︒もっと厳密に  

いうと〃をウエイトとする︵これほ非負である︶恒簑︾の加  重平均とみることができる︒したがってその各項のうち一番小  

さいものに1のウエイトをつけたものと比べればそれよりも小  

さいということはありえない︒したがって〜曽箋きを最小に  

するためにほこのべ右の形の︶各項目の一番小さなものをえら  ぺば 

音をとり乙が純粋戦略をとるときの甲の利得であるが︑それを  乙が番号ノを適当にえらんで最小にするときに甲がいくら入手  できるかについて甲ほ注目しておけば十分であろう︒いま乙が  これを最小にするような純粋戦略を点とする︒  

温3h簑Jざ=恒簑‰  ヽ  

  

へ二二二︶ 九二  

甲ほズを適当瞥えらぶことによってこの個をできるだけ大きく  

しょぅと思ケ︒そのようにズを過ぶので彼ほ  

牒唱よ恩己ざぎき‖=⊇き己ざぎ恵㍉り       唇  ゝ  

〜  

如  をうることができる︒ここにぴほこのマックス⁚ミンの値を記  

す︒   

この推論を乙の観点からくりかえしてみよう︒ほじめ乙がテ  

をえらぶと仮定する︒甲ほ最善をつくしてある戦略をえらび披  

得する利得を最大正しようとするであろう︒すなわち  

挙ぷ∴÷ぎこご=∴ご空†智   

とする︒︵ゐほある純粋戦略の番号で右の値を最大にするもの  

である︶乙ほ甲に渡すこの利得をできるだけ小さくしようとす  

る︒  

尽せざ菅山ざナど旦尽デカ空こさ=等  y  ㌧  y ㌦  

このとき甲に渡さなければならない利得を抄とする︒   

さてゲームの理論の基本定理あるいほミン・マックス定理と  

いうのほこの二つの利得が等しい︒e=云ということである︒と  

ころでe爪ミを示すことほ容易である︒実際q−−・温牒h萎もNが成  −  立するような戦略を克とし苓=鳶欄さ登㌔が成立するような戦   

略をアとする︒   

そのときかき卦を係数とする一次式をつくるとそれほe八  

か♪苫箋きとなる︒また且〃山王ご声瓢尉 が成立する︒   

(12)

この二つの不等式の右辺ほ同じものでぁるから岸畑撃となる︒そ  れで基本定理が成立することを示すために症首爪曾が成立するこ  

とを示せほよい︒これをつぎの二つの定理を補助転用いて示そ  ちノ◇  

まづ   

戸.㍍⁝︶=︵千若  

において勒︵㌃丁⁚ミー=㌣エ風の値が与えられているとする︒  

また﹇勒⁝侮﹈を炭元の空間における点句とよぶ︒また  

忘−十⁝+㌻モ㌻で表わされる点はゃ:んにょって張られる多  

面体内︵プチも含む以下同様︶にあるという︒ただしここにち  

:・㍍ほ非負であり㌻十:・十㌻=−とする︒これほ実際凸である︒  

すなわちそれに属する二つの点をどのようにとっても︑その  

二つの点を緒ぷ線分上の点がすべてこれに属する︒︵これを証  

明することほ難しいことでほない︒︶ ここで証町したいのほつ  

ぎの定理である︒   

嫡助定理 点0−1﹇0⁝0﹈が車=んの凸多面体内︵ふちを  

含めて︶に属さないときにほその凸多面体に属ずる点月∵=−﹇勘  

侮﹈に対してh富藁>○となるようなキ⁚♂を見出すことが  

できる︒   

0がこの多面体内にないのであるからこの多面体の中に0か  

らの距離が最小の点Sをとることが 

意の点をAとし5とAとの聞の辰也=叫ゝ十︵−−叫︶∽ ︵−MhVO︶  

経済理論と数学   を考えるとこれほこの多面体に属するがそれの0までの距離ほ  Sからの距離よ㌢大きい︵あるいほ精々のところ等しい︶︒す  なわち  

h︹ざ+︵−1≠︶舎︺時∨恒曳  

ここで≠>○であるとすると簡単な代数により  

Nhわ入き1邑+〜h︵き−色相∨○  

の関係をうる︒これから内を∽に近ずけるとき︵〜がゼロに近ず  

くとき︶ この式から  

り里鼠−芭∨○すなわち h舎きVh毛>○  

与えられておぺとし点Al:㌧怨ヤ・㍍を追加してつくった凸多  

面体について考える︒ここに右ほ﹇10⁝0﹈をあらわす︵他  

もこれに準ずる︶︒ここで証明しようとするのほつぎの命題で  

ある︒点0ほこの多面体に属す場合と属さない場合との二つに  

分けることが︑できる︒前の場合にほ適当にyをえらぺば  

ぎさ+⁝+患夢℃き八〇  ︵恥=−−:・ミ   ︵軋︶  

︵二二三︶ 九三    をうる︒︵5ほ0とほちがう点で  あるから最後の不等式に等号はな  い︒また和∫はすぺての〜紅つい  ての合計をあらわす︶これで証明  ほ終る︒二次元の場合ほ図示して  おいた︒これほ一見して明らかで  あろちノ︒   

補助定理 上と同じように勒が  

(13)

第三十二巻 第二号  

となり彼の場合にほ適当にズをえらペぼ  

︵ミ  亀こざ+⁝+ぎーぎ>○  ︵㌦=㌻・§︶  

となる︒   

第一の場合点0が多面体に属している︒いいかえるとこーA−+  

⁝+㌻b曽+㌻亡♪十:+㌻十3㌻=○ となるょうな非負の†  

㌻十3がありその和が1になるようにすることができる︒このと  

きにほ計b−+⁝+㌻も㌻=−︵㌻士♪十=+㌻+謡㌻十む爪○ とな  

る︒したがって左辺の係数の和をつくり♪十⁝+㌻でもって左  

辺の係数を割ったものを新しい係数としてさ=ミ︵叫−+⁝+㌻︶  

とすれは上の︵・エ が成立する︒ここで叫−+⁝十㌻がゼロでな  

いことを確めておかなければならない︒もしそれがゼロである  

とするとそのためにほ個々のわがすべて︵肯−:・S十王ゼロ  

でなければならない︒このときにほそれをすべて加えたものが  

これを用いて基本定理を証明する︒第一の場合にはどのよう   lとなることほできないであろう︒   

第二の場合︑点0がこの多面体に属さないのであるから上の  

補助定理によってどの頂点Aし︵㌧=㌻・§︶についてもぞぎ十⁝  

+hもミ>○となるような﹇勘⁝包 をもとめることができる︒  

またこれほ馬︵㌃丁・讃︶ゾについても鼠立するからわー>○︑ゎ3V  

Oなる︒したがっていま勘をき=ミ︵β+⁝+わLと定めれば  

︵⁚㍑︶が成立する︒  

な.2についても恒Jぜさ爪○となるようなyがあった︒したがっ  

てそのうち・gについて最大のものをむとめてもそれほ負である   ︵二二四︶ 九四  

S牒h曇き爪○である︒この借ほyを変えるにつれて変るであ  

ろうが︵乙ほ︶それを最小にするようにyをとる  

ミ ㌧苫︑︑ミレー︑ヤ︑︑︑.こ.︑ニ  y    

である︒ここに抑ほ甲に渡さなければならない利得を示す︒第     

二の場合にほどのような・ノについてもhきJき>○となるような  

ズが存在する︒そこでその最小のものをとっても正である︒  

眉声ぎ声さ>0である︒したがって甲ほそれを最大にするよう  

にか字芭ぶ︒  

e=§§温やh凱hJ患Jぎ>○  唇 ㌧  

である︒そのとき甲のうる利得をぴとする︒0ほ凸多面体に含  

まれている場合とそうでない場合のどちらかしか起りえない︒  

したがってe>○でありかつ○<等である e∧○∧等︑ということ  

ほ起りえない︒   

さてつぎに上の各得点よりもゐだけ小さいぎ−朴を得点とす  

る利得表について考える︒ここに点は任意の数であっても負で  

あってもかまわない︒このときにほどのような値のたについて  

も e∧和∧等 が成立することは可能でない︒︵これは容易に  

示すことができる︶したがってe∧賀了となりえない︒上にセ爪富  

であることを示したがそれを離合すとe=琶となる︒これで基本  

定理が証明されたわけである︒  

四 複雑なゲームの理論   

(14)

上にのべた例においてほ特にことわらなかったが暗黙のうち  

につぎのように仮定しておいた︒すなわち二つのバスの会社ほ  

競争において甲が得るだけ乙が失わねぼならない︑そのため協  

定を結んだり結託する可能性ほないと︒しかし場合によっては  

バスの利用者の払う料金収入の両社の合計をふやすことができ  

るかもしれない︒もしこうなればこのようにして増えた利益を  

話し合いのうえで分割することもある︒入札において問題をお  

こすことがあることほ周知の通りである︒また板ガラ 

者が結託して他の生産者をつぶしたことほ周知の例である︒こ  

のような事態ほゲームの理論においてほつぎのように扱われて  

いる︒   

二つのバス会社しかなく︑その両者の利得合計が仙定である  

場合には結託ほないであろヶ︒しかし三社以上あるときにほた  

とい利得の合引が一定であっても仙部の当事者が結託して利得  

を増す場合を考えることができる︒同じようにして二社の利益  

の合計が山定でないときにほ仮想的な第三番目の当事者がある  

ものと考え︑この新しい当事者ほ前の二つの当事者が得るもの  

を失いへ失うだけを得るようにして︑すべての当事者の合計が  

一定である場合になおして考えることができるぺ このようにし  

て二枚の利益の合計が凧定にならない場合ほ三社の利益の合計  

が一定の場合であるとみることができる︒経済問題においてほ  

すべての当時者の利益の合封が仰起とならない場合が多いがそ  

れほ当事者を増やすことによって利益の合討﹂定の問題に翻訳  

経済理論と数学   して考察することが許されるであろう︒   

さて当事者が二大で︑しか鴻全体の利得の合計が一定である  

という場合について結託の問題軋ついて考えてみよう︒この場  

合当事者ほめいめい勝手に行動するかもしれない︒二人が組を  

つくるかもしれない︒考えうる場合ほ多い︒これを例を用いて  

考えてみよう︒   

甲ほ穿を売ろうと思っている︒それを買いたい人が乙丙二人  

いる︒この蓼をめぐつてどのようなかけひきが行われるであろ  

うか︒いまこの三人の当事者がこの家をそれぞれつぎのように  

評価しているものとしよう︒もしこの家が9 ︵十万円︶一紅足ら  

なければ甲ほ売らずに自分で住もうと思う︒他方買手乙︑丙ほ  

それぞれ17︑22を超えるようであれば資金をこの家に投ずるよ  

り他に用いた方がよいと考える︒これらの三つの評価が与えら  

れているとしたとき︑売貫の交渉の結果ほどのように決まるで  

あろうか︒   

これに対してほ通常つぎのように答えられてい鳶丙は22を  

超えない範囲であればどのような価格であっ七も買いたいと思  

うであろう︒しかし滞場匿おいて乙をしりぞけてその家を実際  

に竃入れるためにほ少くとも17支払あねばならない︒そのため  

丙ほ17と22の問の価格を支払?てその家を手に入れるであろ  

ちノ0   

この答ほたしかに完全なものでほない︒丙ほ弱い競争相手乙  

と一諸に価格をせりあげることなせず︑たとえば2の賄路を与  

︵二二五︶ 九五   

(15)

第三十二巻 第二号  

えて競争に参加しないように説得するか.もしれない︒こうして  

売手甲に乙の最高価値以下で売ることを認めさせることができ  

るであろう︒そしてもし価格を15以下にさげる︵すなわち乙に  

与えた額を考慮してもなお低い価格で買う︶ことができるとき  

にほこのかけひきほ上に考えた場合よりも丙にとって有利であ  

る︒そして甲も9より高い価格であるから売ることを承諾する  

であろうヵ︑このようにして﹁丙がその家を9と15の問の価格で  

買い乙匠ノ2を支払う﹂という結果た到達する︒もっと多くの答  

があるであろう︒それについて考えるにほ利益の分け方につい  

て説明しておくのが便利であろう︒   

いま仮りにこの家を丙が19の価格で買ったとしよう︒︵乙に  

ほ何も支払わない︶甲が自分の評価以上に得た収入すなわら10  

を甲の利益とよはう︒同じように丙の利益ほ丙による家の評価  

からその支払額を引いたもの3である︑乙の利益はゼロであ  

る︒この三つの数値を甲乙丙の順に集めたもの﹇1003﹈ほ利  

益の分け方を表わす︒   

いま便宜上これを∫と衣わす︒もし21の価格で取引が成立し  

たとすると利益の分け方ほ﹇1201﹈であろう︒これを∫とよ  

ぷ︒∫と′のどちらが起るかについてほ何もいえない︒E用字丙  

が′の方を好み︑売手甲が′の方を好むことはいうまでもな  

い︒しかしそのどちらも自己の好むものを相手におしつけるこ  

とほできない︒   

いま丙が乙にいくらかの賄路をつか?て競争しないようにす   ︵二二六︶ 九六  

る場合について考えよう︒丙が乙と取りきめをすることからえ  

られる追加的な利益︵すなわち丙の評価額マイナス買入価格︶の  

全部を乙への賄路紅つかうかもしれない︒もしこうなるときに  

ほ丙ほ甲に対して12支払い乙紅対して8支払う︒そのときの分  

け方ほ﹇382﹈である︒これをェとよほう︒とれほ′ ﹇100  

3﹈よりも甲丙にとって不利である︒この二人ほ♪の価格で契  

約を結び二人が共同で︵NN−b︶+︵b−¢︶=−∽の利益を共同で得  

ようとするであろう︒しかも仮りに乙がことぁってもこうす′︶  

ことができる︒∫ほ甲丙にとってエより優れた分け方である︒  

結託する二人の当事者のどちらをとっても∫の方が有利である  

そして乙がことわ?てもこうすることができる︒乙にとってほ  

エの方が好ましい︒しかし相手の甲ほそれをことわることがで  

きる︵甲ほ丙と結託しょうとするであろう︶   

これに対しいま乙が2の賄路をもらって満足し競争に加わら  

ないとし丙が12で家を買ったものとしよう︒その結果利益ほ  

﹇328﹈と分けられる︒これを〃とよぼう︒この〃ほ了より  

優れていないし︑またJほ〃より優れてない︒′紅くらぺて〃  

ほ乙丙二人の買手のどちら転とっても有利であるが売手甲ほそ  

れをことぁることができる︒このように∫と〃との関係ほ′と  

′との関係と似ている︒このようにして二つの分け方の間に優  

位の関係があるか隠いかを系統的に調べてゆ〜こ﹂とによっで問  

題の解に近ずくことができるやあろう︒   

そのためいま種々の結託によって得られる最大の利益の岬覧   

(16)

表をつくってみる︒たとえば甲と乙が小諸になって行動するこ  

とによって得られる利益ほ8である︵†ふ︶ +︵−ワJヱ=品こ  

れはつぎの表に五行目に記しておいた︒二人の結託︑三人の  

灘託も念のために記しておいた︶  

甲  ○  

○  乙  丙   ○  

乙丙  ○  

甲乙  八  

甲丙  小三  

甲乙丙=劇三   

さて利益の二つの分けカズ ︵勘勘鵜︶ とy ︵乃胸元︶ におい  

てもしき∧七〜であれば当事者・ヱにとってyのカが有利である︒  

また乙丙の二人の当事者転ついてこのような不等式が成立して  

おればこの二人にとってほyの方が有利である︒tかしこれに  

ついてはつぎの条件がある︒  

旨+憲机ヱト認︶  

この右辺ほ乙丙が結託することによって細ることが期待できる  

利得の大きさである︒もしこれが成立しないときにほ乙丙が結  

託して得られるよりも巨額のものを二人が分けることを示して  

いるが︑これが不可能なことは明らかである︒   

ぅぇの数値をもちいるとこれほつぎのよう紅表わすことがで  

きる︒  

経済理論と数学   ︵−︶  き十ぎ机∽  き>宇ぎ>古  き>きT hgV旨  ガ十ぎ机l∽  ︵N︶  

ぷ+ぎ机○  ぷ∨さツ hぷ>き  

最後の患十き八〇が成立するのほとるに足らないときだけであ  

り︑したがって乙丙の結託ほ考える必要ほないであろう︒同じ  

ことほ﹁山人の結託﹂についてもいえる︒この表は更に利益の  

合計がちょうど13になる場合だけ考えておけばよいことを示し  

ている︒利益ほどのように分けても合計が13以上になることは  

ない︑というのはたとい3人が山諸に行動しても13以上のもの  

をうることほできないから︒また利益の和が13に足らないよう  

なものよりもそれが13になる方が優れた分け方である︒   

このような問題ほつぎのように正三角形の図で示すことがで  

きる︒正三角形にほつ  

︵二二七︶ 九七  

Q S   ∈  

ぎの性質がある︒その  

点から三つの辺までの  

巨離の合計ほいつも一  

定の催である︒その三  

角形の高さに等しい︒  

いま高さが13の正三角  

形をえがく︑そうする  

とその中にある点で利  

益の分け方を表わすこ  

とができる︒その点の  

(17)

罪三十二巻 第二号  

底辺からの巨離で甲の利益をあらわす︒左側︑右側の辺からの  

巨離で乙丙の利益をあらわす︒図にほ′⁚﹇1003﹈rノ: ﹇12  

01﹈エ⁚﹇382﹈〃・・﹇328﹈の点を示してある︒   

さて上の問題においてほ乙と丙との評価の差は8であった︒  

それでいま図に8の高さの正三角形をCかぶをえがく︑︵かE  

はAβに平行とする︶この小三角形の点ほ甲の得る利益が8以  

下である︵価格が17以下である︶ことを表わす︒前のべたよう  

にこの小三角形の点で示されるところでほ丙ほいくらかの鵜路  

を乙に送?ても引合うであろう︒また線分ゝC上の点ほ甲と丙  

が直接取引をし乙に鵬路をちえない場合をあらわす︒このとき  

三角形の点︵これは利益の分け方を表わす点である︶を三つに  

分類することができる︒   

小三角形Cb向の点においてはき∨∽したがって   

き爪00も柏八00.き十患爪00   

線分ゝC ︵上と共通の点ほ上に含める︶にある点においてほ   

患=○も∽∧∽したがってガ>㌘ き十よ>00ーさ十磨=−∽   

梯形ゝ出向b ︵上と共通の点ほ上に含める︶の点においてほ   

よ∧∽︸ぎ>○したがってざ+ぶ>00一ざ十よ<−∽   

小三角形の点においでほ丙が乙には小額の鵜路を支払ってし  

かも丙紅有利であるようにすることができ右︒線分ゝbの点に  

おいてほ丙と乙がせりあう︒梯形の点においてはもし乙に賄路  

をつかえば丙ほ線分ゝb上の点のあるものと比べて不利となる︒   

上にのべた優位にあるための基準仙㈲を用いると線分ゝbの   ︵二二八︶ 九八  

点に対してほどのような点も優位にあることほない︒小三角形  

の点に対してほ線分ゝbの点あるいほ梯形の点ほ優位にあるこ  

とほない︒梯形の点に対してほ線分bbの点を適当にとれほそ  

の方が優位にあるようにすることができる︒   

ここで線分︑および小三角形のすべての点が解であると考え  

るかもしれない︒しかしそれでほ十分でない︒小三角形の点相  

互の関係ほ線分の点相互の関係あるいほ線分の点と小三角形の  

点との相互関係とほちがう︒たとえば小三角形の二つの点〃  

﹇328﹈とⅣ ﹇436﹈について考える︒このときⅣよりも  

〃が優位にある︒料>∽.∽>N サ十∽爪00すなわちうえの揖の基準  

がみたされている︒したがって仙つの解にこの双方を含めてお  

くことほできない︒分け方∫/〃ほ一つの解に属しておること  

ができるが︑分け方∫/Ⅳほまた別の〟つの解に属している︒  

そのどちらをとるかほそのときの行動様式によってきまるであ  

ろちノ︒   

解という言葉を理解するためには︑解の要素でないある分け  

方について考えておく方がよ㌧すなわちある分け方について  

考えるときそれよりも優位にある他の分け方をみつけることが  

できるなら前者の分け方ほ解でほない︒︵たとえばⅣほ†−領  

を含む解にほ属さない︒︶このことほつぎのように言いかえるこ  

ともできる︒ある解の要素となることができるものほそのどの  

要素によっても優位にたたれることのないようなものである︒   

このような意味での解ほ一ちの部分からなっていることが分   

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