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オキアミ由来リン脂質摂取による

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2018 年 2 月 8 日

オキアミ由来リン脂質摂取による

体内プラスマローゲン増加と炎症性疾病予防作用の解析

応用生物科学専攻 食資源科学講座 食品健康科学 東森はるか

1.はじめに

プラスマローゲン(Pls)は,グリセロールリン脂質のサブクラスで,sn-2 位の脂肪酸はアラキド ン酸や DHA に富み,脂質メディエータ前駆体としての役割を担っている。動脈硬化やアルツハイマ ー病,自己免疫疾患等の酸化ストレスが関与する疾病で,血中 Pls の減少が観察されている。オキ アミ油は,Pls の生合成前駆体であるアルキル型リン脂質(AlkylPL)を含むため,この摂取により体 内 Pls 増加が期待できる。しかし,長期的な AlkyPL 摂取が体内 Pls レベルや疾病関連パラメータ に与える影響は分かっていない。本研究では,AlkylPL の長期間摂取,また慢性炎症性疾病モデル であるアジュバント関節炎ラットを用いてこれらを検討した。

2.方法

1) 長期 AlkyPL 摂食試験:4 週齢の Wistar-ST 雄性ラットを AIN-93G に準拠した標準食で馴化後,

標準食を与えた Control 群(大豆油 7%)とオキアミ由来 AlkylPL を 0.05,0.1,0.2%ずつ添加した AlkylPL 食を与えた計 4 群を設け,6 週間飼育した。飼育終了後,麻酔下で腹部大動脈血と肝臓,

心臓,および胸腺を採取した。採取サンプルは脂質抽出後,LC-MS/MS 法により AlkylPL および Pls のエタノールアミンクラス(Etn)とコリンクラス(Cho)の 4 種を,sn-1 位およびsn-2 位の脂肪酸鎖 別に分類した計 130 分子種と,血漿中酸化ストレスマーカーおよび冠動脈障害マーカーを測定した。

2) 関節炎誘起(AIA)モデルラットに対する AlkylPL 摂取の影響:5 週齢の Wistar-ST 雄性ラット を標準食で馴化後,標準食群と 0.2%AlkylPL 食群に分け,尻尾基部に結核菌死菌 1 ㎎を含むアジュ バント(Adjuvant)あるいは生理食塩水 0.2ml を試験食摂取開始 0 日,9 日目に皮内投与した 4 群 を設け,3 週間飼育した。 1)と同様の分析,および血漿中炎症性サイトカインを測定した。

3.結果と考察

1) AlkylPL 用量依存的な血中 PlsEtn と AlkylPL の増加および増加傾向がみられた。臓器中 Pls 及び AlkylPL に有意な変動はみられなかった。血中および臓器中 Pls のsn-2 位において,ω3 系脂 肪酸の EPA・DHA およびω3/ω6 比が増加し,血漿 PlsEtn でより顕著であった。免疫細胞において 脂質メディエータは主に PlsEtn より合成されるため,炎症反応抑制の可能性が示された。また,

0.2%群で血中酸化ストレスマーカーおよび冠動脈障害マーカーの減少がみられ,AlkylPL 摂取によ る抗冠動脈障害作用示唆された。 2) AlkylPL 摂取により,Adjuvant 処理・非処理共に血中 AlkyPL および Pls の増加が確認された。Adjuvant 処理は血中総 AlkylPL および Pls レベルには影響を与え なかったが,PlsCho を減少させた。しかし,AlkylPL 摂取により Control 群レベルまで回復した。

また,Adjuvant 処理による血中炎症性サイトカインの増加が AlkylPL 摂取により抑制された。1) と同様に Pls 中ω3/ω6 比が増加していたことから,炎症反応が抑制されたことが示唆された。

4.結論

オキアミ由来 AlkylPL 摂取による,血中 Pls と血中および臓器 Pls 脂肪酸のω3/ω6 比増加,

酸化ストレスの減少が確認された。また,炎症誘起モデルラットにおける PlsCho の減少および炎 症性サイトカインの増加が AlkylPL 摂取により抑制された。以上より,AlkylPL 摂取は慢性炎症性 疾患を予防する可能性が示された。

参照

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