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論文の内容の要旨 氏名:平

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:平

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:神経芽腫におけるNuclear Receptor subfamily 4 group A, member 3遺伝子の新規予後規定因 子としての検討

背景

神経芽腫は胎生期の神経堤細胞を起源とし、発症頻度が高い小児固形腫瘍である。自然退縮するものも あるが、高リスク群は予後不良であり、新たな予後予測因子の探索とそれを組み込んだ新規治療の開発が 喫緊の課題となっている。これまでの研究で、神経芽腫組織におけるDNAメチル化異常と悪性度の関連 性を解析する中で、nuclear receptor subfamily 4, group A, member 3 (NR4A3 )を予後因子として同定し た。神経芽腫臨床検体において、NR4A3 exon3 CpGiの低メチル状態・低発現状態は予後不良因子であり、

さらにNR4A3MYCNに相互作用があることを発見した。一方その機序については全く不明であったこ

とから、神経芽腫の細胞機能に対するNR4A3遺伝子の役割、およびMYCNとの関連を解明し、新規予後 規定因子としての可能性を検討する事を目的として実験計画を立案した。

対象と方法

神経芽腫組織におけるNR4A3の発現レベルと予後の関連はpublic data baseを用いて解析した。ヒト 神経芽腫細胞株7種のうち、NR4A3高発現株SK-N-ASsiRNAを導入することで抑制し、NR4A3低発

現株NB1NR4A3の発現ベクターを導入し強制安定発現株を作製した。各々で細胞分化能と細胞増殖能

を解析し、NR4A3強制発現株については分化マーカーの発現解析、レチノイン酸による分化誘導レベルの 解析を行った。さらに、神経芽種臨床検体30例のNR4A3発現レベルを解析し、MYCN増幅の有無で比 較検討した。MYCN増幅株NB1に対してMYCNの発現を抑制し、NR4A3および分化マーカーの発現解 析と神経突起長の計測を行った。

結果

NR4A3高発現の神経芽腫患者は低発現群と比較して有意に長い無病生存期間を示した。ヒト神経芽腫細

胞株におけるNR4A3の発現はMYCN増幅株で低発現、MYCN非増幅株で高発現の傾向を示した。NR4A3 発現抑制状態では神経突起長に有意差はなく、細胞増殖能は低下を認めた。NR4A3強制発現実験では、

NR4A3 強制発現株で有意な神経突起の伸長を認め、分化マーカーの発現が亢進したが、細胞増殖能に顕

著な違いは見られなかった。分化誘導実験では神経突起の伸長割合は同程度であった。神経芽腫臨床検体 においても、MYCN非増幅検体でNR4A3高発現の傾向が観察された。MYCN抑制状態では、NR4A3 分化マーカーの発現亢進と神経突起の伸長を認めた。

考察

NR4A3は神経芽腫細胞において細胞分化能を促進する機能を持つ事が確認できた。臨床検体の解析から

NR4A3が予後良好因子であることが示された。培養系および臨床検体の解析から、NR4A3MYCN により発現抑制を受けている可能性が強く示唆されたが、両者の間には複雑な制御機構があると考えられ、

更なる検討が必要である。

参照

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