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歯周病原細菌とbeta-2 glycoprotein Iの分子相同 性による血栓形成促進の可能性

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Academic year: 2021

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北海道医療大学学術リポジトリ

歯周病原細菌とbeta‑2 glycoprotein Iの分子相同 性による血栓形成促進の可能性

著者 長澤 敏行, 古市 保志

雑誌名 北海道医療大学歯学雑誌

巻 28

号 2

ページ 89‑89

発行年 2009‑12

URL http://id.nii.ac.jp/1145/00006409/

(2)

A. actinomycetemcomitansᗵᨴ

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図1 歯周病原細菌とbeta-2 glycoprotein I(b2GPI)の分子相同性 による血栓形成促進

抗リン脂質抗体症候群はbeta−2glycoprotein Iに対す る自己抗体によって血栓の形成が促進される疾患であ り,習慣性の早産や血栓の形成が多く認められる.beta

−2glycoprotein Iは血栓の形成を抑制する分子であるた め,この分子に対する自己抗体が機能を阻害することに よって血栓形成のリスクが高まることが原因として考え られている.

歯周炎は歯周病原細菌を原因とする慢性炎症性疾患で あり,歯肉結合組織の破壊や歯槽骨吸収を引き起こす.

歯周炎は成人が歯を喪失する主因であるとともに心臓血 管系疾患,糖尿病,早期低体重児出産などのリスクを上 昇させることが知られている.これらの全身疾患のリス クを高める要因の一つとして細菌と宿主の分子相同性に よって歯周炎患者で自己抗体が産生されることが注目さ れている.Blankらはマウスに抗リン脂質抗体症候群様 の病態を誘発できるヒトモノクローナル抗体を用いて,

その抗体がbeta−2glycoprotein I上のTLRVYKというペ プチドを認識すること,そのTLRVYKと相同性を有す る様々な細菌をマウスに免疫するとモノクローナル抗体 と同様の機能を有する抗体が産生される事を明らかに し

,細菌感染によってbeta−2glycoprotein Iに対する抗 体が産生され血栓形成の亢進が起こる可能性を報告し た.このことから我々は歯周病原細菌 と beta− 2gly- coprotein Iとの分子相同性によって歯周病原細菌に対す る抗体がbeta−2glycoprotein Iに結合して血栓形成を促 進する可能性について検討した

2,

beta−2glycoprotein I上のTLRVYKと相同性を持つ配 列を有する歯周病原 細 菌 が 存 在 す る 可 能 性 に つ い て Swiss plot databaseで検索した所,既にBlankらが指摘し ていたP.gingivalisの他,A.actinomycetemcomitans ,T.den-

ticola などが相同配列を有する事を見いだした.そこで

これらの菌の感染が相同ペプチドに対する抗体価を上昇 させるか否かについて検討し,A.actinomycetemcomitans 感染によって相同ペプチドに対する抗体価が上昇してい る事を報告した

.さらに血栓の形成を特徴とするバー ジャー病患者において,歯周病原細菌の感染に伴い相同

ペプチドに対する抗体価も上昇していることを報告し た

.これらのことから歯周病原細菌の感染に伴いbeta−

2glycoprotein Iとの分子相同性を有する歯周病原細菌に 対する抗体が産生され,その抗体がbeta−2glycoprotein Iと反応して血栓形成に関る可能性が示唆される(図 1) .今後は歯周病原細菌とbeta−2glycoprotein Iの分子 相同性がみられる領域をさらに検討するとともに,心臓 血管系疾患,糖尿病,早期低体重児出産などに関しても 歯周病原細菌と抗リン脂質抗体との関わりを検討して行 くことを計画している.

参考文献

1.Blank M, Krause I, Fridkin M, et al. Bacterial induction of autoantibodies to beta2−glycoprotein−I accounts for the infectious etiology of antiphospholipid syndrome. J Clin Invest 2002 ; 109 : 797−804.

2.Wang D, Nagasawa T, Chen Y, et al. Molecular mim- icry of Aggregatibacter actinomycetemcomitans with beta 2 glycoprotein I. Oral Microbiol Immunol 2008 ; 23 : 401−405.

3.Chen YW, Nagasawa T, Wara−Aswapati N, et al. As- sociation between periodontitis and anti−cardiolipin an- tibodies in Buerger disease. J Clin Periodontol 2009 ; 36 : 830−835.

[最近のトピックス]

歯周病原細菌とbeta−2glycoprotein Iの分子相同性による血栓形成促進の可能性

長澤 敏行,古市 保志

北海道医療大学 歯周歯内治療学分野

北海道医療大学歯学雑誌 28! 平成21年

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学雑誌/第28巻2号   4C150 1C133/本文 77ページから始めること/013     トピ長澤 歯周病原 1C  2009.12.21 09.16

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