女子大生とその家族のジェンダーバイアス : 2000
・2001・2002・2003・2004 第I報 年中行事編
著者 百瀬 靖子
雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学
巻 46
ページ 91‑100
発行年 2006
出版者 東京家政大学
URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009191/
〔東京家政大学研究紀要 第46集(1),2006,pp.91〜100〕
女子大生とその家族のジェンダーバイアス
ー2000●2001●2002●2003●2004一 第1報 年中行事編
百瀬 靖子
(平成17年10月6日受理)
ASurvey of Gender Bias in the Lives
of Female University Students and their Families in Japan
MoMosE, Yasuko
(Received on October 6,2005)
キーワード:ジェンダーバイアス,女子大生,家族,意識感情,行動
Key words:gender bias, a female university student, family, consciousness, emotion, behavior First report: Gender bias to be found in the annual events
1.はじめに
わが国の家政学にジェンダーの源流が現れるようになっ ておおよそ10年を経過している.しかし,女性解放運動 やフェミニズム論の動きから見るとそもそもジェンダー 論は女性の歴史とともに古いと思われる.実際には30年 ほど前の女性学の設立に待つことになるのが一般論のよ うであるが,ことに,急激に発達してきた女性学から男 性も含めたジェンダー論の視点は,学問や教育のみなら ず,政治や政策においても国際機関においても,したがっ て政府も民間も女性のあり方や男性のあり方を今1度問 うジェンダー観やジェンダー論に深く関心をおくように なった.1975年の「国際婦人年」を皮切りに『国連婦人 の10年』や1985年のナイロビでの「第3回世界女性会議」
それから10年を経て「第4回世界女性会議」で採択され た「北京宣言及び行動要綱」などは,勢い女性と男性の 不均衡なあり方を指摘する動きが一段とかまびすしくなっ
た1).
一般に,ジェンダーとは文化的・社会的・制度的・歴 史的・教育的・地域的に創られていった性であると考え られるのであるが,性(Sex)の対語であるとされてい るジェンダー(Gender)は世界中の女性の地位向上と 力を付与するエンパワーメントの促進に向けて今や世界
教職教養科 家政学原論研究室
中がさまざまな観点から促進し貢献するようになってき た.それらのいきさっから,わが国においても政府サイ ドから1999年『男女共同参画社会法』を成立させ,国や 県に男女参画局を企画運営し,国民のすべてに浸透実践 するべく努力が払われている.また大学の講義にも取り 上げられるようになった.学界でも,日本家族社会学で
は早くから関心を寄せており,家政学においても阪神淡 路大震災を契機により関心は高まってきたようであるが.
そられは,女性学関連講座の開設状況についての2005年 国立婦人教育会館調べにおいて,1000近い大学に1万件 以上の講座が準備されているなどジェンダー論や女性学 は総花的とも見られるようになったことで知られる.ち なみに6年前にはジェンダー論はいまだ浮上する講座は 多くなかったのでこの進歩発展は脅威である.よって,
大方の大学において女性学やジェンダー論は開設展開さ れることは当然である.
したがって,首都東京においても一速く,女性会館 ウィメンズ・プラザ を開設し都民のジェンダーフリー 観を促す努力を怠らなかった。そこでは『ジェンダーチェッ
クワークシート』を作成し個人,家族,生活,地域,学 校や会社,社会など広範囲を対象にジェンダーバイアス を是正する努力がはらわれ実施された.実際,ジェンダー チェックを実施してみるとジェンダーバイアスがどこに どのようなかたちで意識や感情や行動面に潜んでいるの かということが理解できる.
(91)
百瀬 靖子
筆者は㈲東京女性財団の好意により「ジェンダーチェッ クシート」を早くから採用許可を得て使わせていただい ていたが,5年を経過したのでまとめてみることにした.
2.研究目的
本研究の第1の目的は,家政学は女性の学問であると する家政学者故常見育男先生の家政形成の今日的課題で あるジェンダーにっいて東京家政大学の学生とその家族 に対して実態調査を実施すること.第2の目的は,ジェ ンダーバイアスの実態と内容を学生自らも発見していく ことである.第3は,ジェンダーとジェンダーバイアを 学生自ら認識し,同時に未来の社会においてジェンダー のすべてを負っていることを認識してもらうことである.
ジェンダー観を身にっけ社会の有能なジェンダーフリー なる女性をあざし,ことに,生活とは膨大なる範囲と深 化によるものであることを実態調査を通して気づき実践 に向かってほしいと願うものである.
3.研究方法
ジェンダーチェックシートの調査項目は6種類である.
①年中行事編,②生活場面編③夫婦・親子編④地域 社会編⑤学校生活編(小学生編中学・高校生編教 師編大人編),⑥職業編(女性編男性編管理職編 労働組合編)で,学生に実施しているのは①②③⑤であ
る. 今回は,6種類のうち ①年中行事編 を中心に 報告する.年中行事編は,1年の生活行事を俳句歳時記 に従って1月から12月までを生活や行事を念頭に編纂し 内容をととのえている.男女平等の意識命,行動◆,感 情▽の3観点から歳時記を中心に執り行う年中行事を,
1月1日お正月,1月15日成人式,2月14日バレンタイ ンデー,3月3日ひなまつり,春分の日,4月入学・進 学・就職,5月3日憲法記念日,5月5日子どもの日,
5月第2日曜母の日,6月第3日曜父の日,7月7日た なぼた,7月20日海の日,8月・お盆,9月15日敬老の 日,秋分の日,10月10日体育の日,11月3日文化の日,
11月15日七五三,11月23日勤労感謝の日,12月24日クリ スマス・イブ,12月31日おおみそかのそれぞれを調査の 内容として掲げている.内容は人間関係や子どもの自立,
夫婦の仲の良いカップル,女の子の育て方,夫婦の平等 観進学や就職の男女の期待感,法的な平等と家族の平 等,こどもの女らしさ,男らしさ,母の日の贈り物,母 の日以外は1年中父の日か,パートナーとの関係,海の
日にちなんだ項目,親戚付き合いや儀式での女性の立場,
介護や世話,くつろぎ時の過ごし方,スポーッをめぐる 男女のあり方,文化の楽しみ方,男の子・女の子の感じ 方,男女の労働時間差,性別による贈り物や包装の色や 違い扱いにっいて42項目を作成し意識感情,行動のそ れどれに12項目を配した.それら男女のかたよりやこだ わり度を総点検して,自己評価を実施する.それどれの 項目にクローバ(意識),ダイヤ(行動),ハート(感情)
の印が附されている.あらかじめ項目ごとに1点,また は0点が決められていてそれらを加算して意識・感情・
行動のジェンダーバイアスの傾向を測定する形式である.
第1次的には,総合点の評価を計算する.計算された 得点は最低0点から最高45点を移動するが,4段に分か れていて,1段目は最低が0点から10点,「生きる化石 型」と呼ばれる.生きる化石型は古風で伝統的.性別役 割の固定された世界からタイムマシーンに乗って現代に 迷い込んだ化石?このままでは今日を生きるのは難しい かもしれない危険型.性差別や平等観にっいて学習しま
しょう.2段目は,11点から24点,「冬眠型」.冬眠型は,
男女平等賛成といいながら,女らしさ男らしさに随分こ だわっている.3段目は25点から34点,「はじめの一歩 型」,男女平等は常識という意識のなかに,まだかなり の拘りや,ためらいが存在する.男女平等の歴史は浅い ので,「さあこれから」というタイプ.最後に,高得点 としては35点以上で「水先案内型」という男女平等は当 然というタイプである,現実の社会には歯がゆい点も多
く,かえっていらだっことが多いかもしれない.実際に 理論では当然でも,まだ世間では非常識だったりして違 和感があるかもしれない.しかし,一人ひとりの個性が 大切にされる社会が実現されるためにあきらめずに声を 上げて仲間を増やしましょう,という評価を以って自己 評価する.
第2次的に,意識・行動・感情のバランスを診断する.
すべての得点を総合してレーダーチャートに記入し拘り の度合いを調べる.点数が低いほうが男女平等観のこだ わり度は強く高い,反対に点数が高いほうが男女平等観 のこだわり度が低い.また,行動点が高く意識点が低い 場合を「不言実行型」,識点が高く感情点が低い場合を
「迷える子羊型」,意識点が高く行動点が低い場合を「意 識先行型」の評価観が得られる.
仮説 本報は団塊の世代以降の親と学生からなる家族 が対象であるが一学生の家族は共働きが多く,きょ
(92)
女子大生とその家族のジェンダーバイアス
うだい数は2人か3人で9害1」方を占あ後は1人子 か4人以上で分け合っている.男女平等観は,か なり浸透しているはずであり,学生は家政学原論 は受講し,専門職希望を入学時から志向している 場合が多い.したがってジェンダー観もある程度
は育っているのではないかと思われる.ただし,
意識・感情面で優位にたち行動面ではやや劣るの ではないだろうか.女性学の延長線上にあるジェ
ンダー論やジェンダーバイアスにっいては関心が 高いものと思われる.
4,結果および考察
調査時期は2000年,2001,年2002年,2003年,2004年 の5年間である,対象者は東京家政大学の家政学原論を 受講した学生とその両親,いわゆる学生の家族である.
ここでジェンダーフリー(ジェンダーエクィティー)バ イアスを調べた.その数は,2000年は163名,2001年は 303名,2002年は153名,2003年は70名,2004年は122名 で,クリーニングをして残った合計811名,811家族であ る.両親と学生が1っになって家族をなしっっ記述する ことを指示した.実際の記述者は学生本人である.
回収率は99.9%で,欠損値の少ない有効数9割を扱っ た結果,学生の年齢は19歳をピークに18歳と20歳が若干 混じっている.親の年齢は40歳代から50歳代であり,
1960年代生まれ前後が中心である.1%ほど片親家族が 見られたので項目によって無答に反応した.
加えて,ジェンダーチェック評価や課題批評,批判,
反省,課題,発展,感想などをA4・1ページに自由記 述を求めた.
(1)ジェンダーフリー化している意識・感情 一5年間一貫して同一反応を示した項目
表1によると,意識項目である「プロポーズは女性か らしても男性からしても良いと思う」「女の子だからと いって『控えめ』にさせようとするのは時代遅れである」
「女の子の成績がいいと『男の子だったらなあ』と残念 に思う」「親が男の子だけに高い学歴を期待するとした ら不平等である」「家庭内で妻と夫の関係は平等である べきだ」「リーダーシップは女の子にも男の子にも身に つけさせる方がよい」「親が寝たきりになったとき,女 性(娘や息子の妻)だけでなく男性も同じように介護す べきだ」「結婚した男性が家事や介護をしているのを見
るとかわいそうになる」「これからは夫婦がそれぞれ趣 味を充実させるのが良い」「性別にこだわらず,好きな スポーッを楽しむのがよい」「男の子が身なりを気にし,
おしゃれだとおかしいと思う」の11項目は男性だからと か女性だからといったジェンダー観を乗越えた平等間に 裏づけされたジェンダーフリーな結果が現れた.それら は,ジェンダーチェックの42項目のうち11項目,26.2%
3割近く,ジェンダーフリー化されているといえようか.
以上は,90%以上の大なる差を持って反応を示したもの.
よって,プロポーズ,控えめ,成績,学歴,家庭内平 等,リーダーシップ,介護,趣味,おしゃれという項目 ではすでに「感情」と「意識」面でジェンダーフリー化
しているといえると思う.
一ジェンダーフリー中間型項目
っいで,表2.5年間一貫してフィフティー・フィフ ティーの反応を示した項目,すなわち今日ではまだ肯定 するに忍びない,中間的反応を示した項目である.「父 親が一家の中心,大黒柱として家計を支えるのは当然だ」
「プレゼントのリボンは男性なら青や緑,女性にピンク や赤にする」「男の子がままごとや人形をほしがると心 配になる」の3項目0.7%である.
以上,表3,年度によってまちまちの反応のものは取 り上げていない.しかし「子どもが生まれたときは母親 が休職退職して育児をするのが一番だ」「車や家を購 入など高価なものを買うときの決定権は父にある」「日 ごろ親戚づきあいや近所づきあいは妻任せである」など はかなり接近しており,今日課題とされている3項目育 児の平等観経済や家計の平等負担観親族や地域社会
との関わりの平等観は,今後目を離せない.育児,家計,
地域などが本調査のキーワードであり,社会も問題にし ている.
一ジェンダーフリー未来型項目
さらに,表3では家族や個人の多角的な生活にっいて のジェンダー問題が潜んでいて,実際学生は大いに参考 になる項目の集積である.表札や呼び方,タバコ,外泊,
帰宅時間,資産,保護者,デイト費用,お弁当作り,喪 主,体格,おもちゃ,など.これらをとおして学生の生 活や生きる姿勢がおのずと問われ反省され培われていく 項目である.後に,自由記述の自己評価にしばし現れた 内容項目でもあった.よって,ジェンダーバイアスのま ちまちの項目内容は今後大いにジェンダーフリー化を期
(93)
表1 90%以上差のある項目=ジェンダーフリー化されている項目 11項目
︵逡︶
◆︐命命命命︐命命︐
2000年実施163名 2001年実施303名 2002年実施153名 2003年実施70名 2004年実施122名
ジェンダーチェックシートその1
P年中行事編 はい いいえ 無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計
ロボーズは男性からしても、女性からしてもいいと思う。
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表2 フィフティー・フィフティーの項目 3項目
φ◆︐
2000年実施163名 2001年実施303名 2002年実施153名 2003年実施70名 2004年実施122名
ジェン ーチェックシートその1
P年中行事編 はい いいえ 無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計 はい 一「いλ 無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計 父親が一家の中心、大黒柱として家計を支えるのは当然だ。 55.8%
442% 0.0% 100.0 56.1% 43.9% 0.0% 100,0瓢 562% 43.8% 0.0% 100.0% 52.9% 45.7% 14髄 100.0 56.6% 43,4瓢 α0覧 100.0%
ヲレゼントのリ宗ンは男性なら青や緑、女性にぼビンクや赤にする。
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男の子がままごとや人形をほしがると心配になる。 53.4% 46.0% 0.6% 100.0% 53.8瓢 45.9暢 0,3箔 100.0麗 50.3覧 49.7覧 0.0晃 100.0 51,4覧 44.3% 4.3% 100.0 51.6覧 48.4覧 0.0% 100.0%
︵⑩α︶ ◆◆命︐◆︐◆︐り◆り命◆◆命◆◆︐◆︐︐り◆︐◆φ◆命
表3 その他の項目二今後ジェンダーフリー化を大いに期待される項目 28項目
注 90%以上差のある項目 蟻フィフティー・フィフティーの項目
2000年実施163名 2001年実施303名 2002年実施153名 2003年実施70名 2004年実施122名 ジェン ーチェックシートその1
P 一 はい いいえ 無回箸 合計 はい いいえ 無回答 合計 はい いいえ無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計 はい いいえ 無回答 合計
カ では カ い」とかお え」と畔ぶことカ る。
35.6弘 64.4瓢 0.0鮨 100. 3α7、 68.6飴 0.7、 100.0覧 18,6瓢 80.0覧 1.4暢 100ρ覧 352、 64.8覧 0.0鴨 100.0瓢 蓑札には勇穫(知の名「箭程け邦響τ、てあ颪
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@32.0鴨 0.0覧 100.0鴨
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13.9穐 85.2晃 顧0.8鴨
100.0男
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19.0覧
R5.0瓢 78.5覧
U5.0、
2.5瓢
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162鴨
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U5ρ瓢 1ρ覧
Q.0瓢 100,
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13.7鴨
Q9.4覧 80.4、
U6.7男 口5.9瓢
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「一騨口・雪 P00.0瓢
P00.
37.1鴨 57.隅 5.7、 100.
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@63.隅 0.0暢 100.0覧 獲葦は蓑研で駅募穫モ蚤いΣ荷こi駅響ぢ冠かなし、。
15.7、 71.4瓢 12.9、 1里 32.8、 66.4瓢 0.8覧 100.〔路 舅罹て3i)1難=ムやス翠一ツ憂で羅(萄1三貸け葛εび2く o
22.1覧 77.6瓢 0 0.3弘
100, 15.7、 78.6覧 5.7、 100. 16,4、 83.6覧 0ρ瓢 100.0瓢
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77.9覧
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P00.
38.6、 614、 0.0曳
14.4、
Q0.3瓢 83.0噺
V9.7晃 2.6、
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@ 0,0瓢
・100.0瓢
P00.
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68.1、
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14.3覧 1.4瓢 100, 84.4、
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P00.0覧
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P00.
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0、7、 100. 9コ♂4覧
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騨 1.4瓢 響oo.
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.
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伴小θ贈黙θ鳩HY践−︑4歳
百瀬 靖子
2002年 2003年
評価項目
生きる化石型 O.0覧
はじめの一歩型 73.2%
評価項目
生きる化石型
冬眠型
はじめの一歩型 60.0)t
O.OX
[評価]
20.0覧 40.OSC 60.OSS 80.OX
0点〜10点生きる化石型 0人 00弘
11点〜24点冬眠型 15人 98覧
25点〜34点はじめの一歩型 112人 732、
35点以上水先案内人型 26人 170%
合 153人 1000覧
100.0覧 O.0覧
[評価】
20.0覧 40.0垢 60.0隔 80、0腎 100.0覧
0点〜10点生きる化石型 1人 14覧
11点〜24点冬眠型 4人 57、
25点〜34点はじめの一歩型 42人 600、
35点以上水先案内人型計 23人 329覧 70人 1000曳 2004年
生きる化石型 O.0覧
評価項目
はじめの一歩型 73.0瓢
O.OIC 20.091 40.0覧 60.0覧 80.OJL 100.O覧
価
0 〜10 生きる化石型 0人 00、
11 〜24点冬 型 8人 66、
25点〜34 はじめの一 型 89人 730覧
35点以上 先 内人型 25人 205、
122人 100.0弘
図1 総ジェンダー評価図 3年分
待できる項目や内容ということになろう.また,概念や 言葉で知っていても生活の場面や実際問題でどのような 行動をとったり判断するかはこれらを通して理解が深ま るであろうと思う項目.
(2)総ジェンダー評価
ここでは,ジェンダーチェックシートの総得点の合計 を算出する.全42項目の意識・感情・行動の総項目の総 得点は,0点から45点の間を調査者ごとに移動すること になるが,図1によると,ここでは2002年,2003年,
2004年の3年間の結果,さすが「生きる化石や冬眠」型 という伝統的な家庭内分業的志向の家族は11.0%と1割 程度である.次の「はじあの一歩」型に,2002年では 73.2%,2003年では60,0%,2004年では73.0%,平均68.7
%,7割の高率を示す.「はじめの一歩」というのは,
意識や感情面でわかっていても実行面では躊躇している というジェンダーフリー予備軍とも言いうる頼もしいグ ループであるととらえられる.それぞれが7割方存在す
るというところに今後の教育の問題と実践面への教育的 期待が大きいといえるのである.
同様に,ジェンダーフリー先行型ともいえる「水先案 内」型はジェンダーフリー実践組み的存在ということに なるが毎年ほぼ3%,25家族ほどの存在を観察した.過 去に,完全なジェンダーフリー家族を実行していた学生 家族が1存在したが,勉強しながら親の介護もしている
という厳しい努力の賜物のような学生であった.今後
「水先案内」型と「はじめの一歩」型が逆転するように ならなければジェンダーフリーにはまだまだ道遠いとい わざるを得ない.
(3)ジェンダーバランス診断
ところで,意識,感情,行動面の総合評価はどのよう な「バランス」を保っているのであろうか.得点をレー ダーチャートに分けたが,最高点は15点,最低点は0点 である.図2によると5年間の変化は,意識・感情・行 動に,同一で,差がない.項目にあらかじめ意識感情,
(96)
女子大生とその家族のジェンダーバイアス
2000年 2001年 2002年
感情v・
9.7
意識命
15−
118
7.7
◎行 118 77 97
り 行動◆ 感情り
感情り
2003年
意識命 15
119
9.8
意識φ 15
120
10.2
8.4
9.2
6行120 84 98
2004年
意識φ 15
122
行動◆ 感情り
行動◆ 感情ワ
10.0 8.6
◆行 v
119 92 102 ■行動 り
122 86 100
9.9
意識◆
15
121
8.6
■ り 121 86 99
行動◆
行動◆
図2 意識・感情・行動によるジェンダーバランス診断
行動が想定されているが点数化してみて意識点は,先に も述べたように高得点で12.0点,感情点で9.9点,行動 点は8.5点である.あらためて表3を観察する限り「行 動」面の項目が13項目,31.7%と顕著であるが,「今後 ジェンダーフリーを期待される項目」としてリストアッ プされていることになる.また,それはジェンダー評価 やジェンダー・バランス診断の結果を裏づけることにな る.内容は,「家族の呼び方」「表札」「外泊」「食事の支 度」,「後片付け」「資産名義」「保護者」「高価なものの 買い物」「避妊」「お弁当作り」「親戚づきあい,地域づ きあい」「趣味」「体格」「家事問題」.すなわち,意識が 高いが行動が伴わないことを裏づける項目である.ちな みに,感情面は10個23.87%,意識面は5個11.9%であ る[表3参照].
一意識・感情・行動の特徴一
前述の分析(表1,2,3)において若干の結果と考 察を試みてきたが,表1によるとジェンダーフリー化の 進んでいるのは「意識」面で8項目である.表2によっ てジェンダーフリー合半ばは1項目である.今後,ジェ
ンダー視点などにて問題視される項目は表3より5項で ある.よって,ここにおいても「意識」の面ではジェン ダーフリーが進んでいるが,「感情」面では同じく表1 によると3項目はジェンダーフリー化している.また,
表2によると1項目はジェンダー観に問題がある.ジェ ンダーバイアスの大きい項目は表3により10個となるが,
未来志向型として捕らえたい.同様に,「行動」面では ジェンダーフリー化している項目は見られない.合半ば している項目は1項目.他の13項目は今後もジェンダー 観を観察していく羽目になる.よって,行動面でジェン
ダーバイアスを詰めていく教育力が必須である.
ジェンダーフリー観察の5年間を通して意識は高く,
感情面では今一歩.行動面においては,今後いっそう教 育や文化,政治,制度,社会,行政,生活,家族,個人 に期待することになる.これらは,わが国の「ジェンダー 開発指数」がいまだ振るわない点からも明らかであり重 なってくるといえよう.
(4)由記述式調査者の自己評価
一女子大生とその家族のジェンダーバイアス評価一
(97)
百瀬 靖子
1 M・A(大3)私の家族の状況と実感
父の実態:48歳会社員一一行動面1家中のごみ箱を集 め,ごみ出しをする.週4日以上娘を車で駅まで送って いく.週5日以上は風呂を洗う.土日は接待ゴルフがな い限り掃除洗濯をする,また,料理をする,夕飯の皿洗 いをする.その他,趣味の時間を持っ.朝は子どものお 弁当も作ることがある.こんなに家事をしている父親は いないだろうと本人は言っている.意識面:田舎生まれ の,男尊女卑文化が残っている.娘を叱るとき,「誰の おかげで食っているのだ」という言葉が出る.母との喧 嘩のときも同様のことを言っていたが,祖母がtlお父さ んが働いてくれているおかげで生きていける といって 育ったのであろう.日本の儒教思想から来ているもので
あ り,否定できない.
母の実態:48歳,パート・主婦・・行動面:パートは週 35時間.習い事は週2日.朝のお弁当作り,夜は財政管 理.平日の家事はほぼ担当.意識面:生まれも育ちも都 会であり男尊女卑の面はない.しかし,意識面では男/
女という決あ付けはあるようである.「主婦」という呼 ばれ方に違和感はないという.友達には,未婚・既婚両 方がいる.
学生本人:20歳,大学生・・行動面:平日は学校・サー クル・バイトで,帰宅は22時ころ.土日の夜に料理をた まにする程度きょうだいの決まりで休日一番遅く起き たものが行う皿洗いを実行.服装は女らしいものにあこ がれながらボーイッシュである.
意識面:女子だけの一貫校で育ったので,大学でむし ろ「女らしさ」というものがわからない.むしろ,大学 に入って暗黙のルールで「男を立てる」文化(ちなみに この学生は協定校の男女共学の女子大生である)を学ん だ気がする.就職活動で次第に男女差の意識を感じてき た次第である。女性らしい男性や男性らしくない男性を 見て驚いてしまう自分に気づいている.
妹・17歳一}料理は得意であるが男っぽく,「にいちゃ ん」と呼ばれる.弟・15歳一一姉のまねをして幼児期はま まごとやピンクが好き.公立中学3年生,名簿は男女混 合.委員長などは男女意識なく自由に選ぶ.料理もうま
い.
総じて,生活面ではかなり自由に育ち闊達に生活して いる家族であるが,表札に父の名前しかなかったり,祖 父の葬式などの場面では母が夫のことを「主人」といっ たりしている.しかし,ジェンダーチェックの点数では
高得点であり,ジェンダーフリーな暮らしをしてくれて いる両親に感謝している.
まとめ:以上のようであるにもかかわらず,家族のジェ ンダー意識が抜けていることがわかった.日ごろの習慣 や日常行事の中にジェンダーバイアスが潜んでいること がわかった.しかし,確実に時代は変わってきている.
給料・家事・学校などどの面をとっても少しずっ制度の 変化の兆しが見える.また,男女が同じ価値を持っ存在 でなければならないなどは思わない・・.
人間はみな同じ権利を持っていて,女性だからといっ て妨げられるのはごめんである.人は一人一人違うのが 当たり前であり,自分の違うものを持っている相手をど れだけ思いやれるか,それが21世紀の女性と男性という ことであり,21世紀,もう女性の力は十分にある時代だ.
個人個人が思いやれるような社会で女性ということに誇 りを持って生きて行きたい,と切に思うのである.
2 N・M(大2)
①成人式「男性はまだしも女性が煙草を吸うことは許 せない」,女性のスモーカーは一般に印象が悪い・・,事 実,煙草を吸う女性を嫌う男性は多いようです.そんな 男性に限って自分もヘビースモーカーだったり,・・女性 なら許せないという女らしさ,男らしさが存在して・・彼 に隠れて吸っている女性は多いものです.私はこの項目 に「いいえ」と回答しました.煙草は男性だけのもので はないし,煙草は好きではないし,吸いませんが私の周 りでは多くの女性が吸っています.女性が煙草を扱うこ とに関しては嫌いではありません.しかし,私が男性だっ たら,やはり煙草を吸う女性より,吸わない女性のほう に好感を持ってしまう・・ここに自分の考え方に性差別が あるという矛盾に初めて気がっきました.これは頭の中 で男女平等を理解していても,行動が伴わなかったり,
感情的についていけない・・.また,②5月5日子どもの 日「男は度胸,女は愛嬌」は,「男も愛嬌,女も度胸」
の時代・・.法的社会的に女性の立場が認められ,長い時 間をかけて男女平等のため闘い努力してきた・・男女平等 でもっと女性が働きやすく自分の力を発揮できる世の中 になれば・・.家庭でも夫婦協力し合って仲良く助け合い ながら対等にいられることが理想です.男性でも料理の うまい人・・女性でも苦手な人te.男性で運動の嫌いな人 もいるし,女性で運動能力抜群の人もいます.・・決め付 け・差別にとらわれない自分らしくありたい.保護者の
(98)
女子大生とその家族のジェンダーバイアス
欄の氏名,デイトの時の費用,レディーファーストなど も見逃すことは出来ません.
年中の行事がこんなにたくさんあった・・.家庭も社会 も働きやすく,居心地の良い環境に・・.このチェックシー トは同級生の男性の家族にっいても調査して意見を聞い てみたくなりました.・・気持ちがっいていかない,実践 できないということなのでしょうか・・.
3W・J(大2)
「男女平等なんてジョーシキという気持ちの中にまだ かなり,ためらいやとまどいがある」,・・女の幸せは結 婚であり寿退職するのが当たり前だ,家庭を支えるのは 父親の役目だと思っていたが,大学でジェンダーを学ぶ 機会が多くなって,女性だけが家事・育児をしなくても かまわないのでは?・・.しかし,自分に置き換えたら,
子どもが生まれたらなるべくそばにいて,夫になる人は 自分よりたくましく,賢い人であって欲しいのが事実で す.その点で,私は『男らしさ』にこだわりがあり,
『女らしさ』はどうかというと,こちらにはこだわりが ありません.仕事をバリバリこなす女性は憧れの存在.
実際に就職したら,好きな仕事でスキルアップして,子 どもが出来ても『中断再就職』型または『継続就職』型 を選ぶっもりです.『仕事1が家庭,キャリア「か 子 育て』ではなくて『仕事1も 家庭も,キャリア も1子 育ても』という考えです.
一一スエーデンでは夫婦共働きの家庭が多く,一一『パパ クオーター制』の義務というのがあるが,それは,福祉 水準が高いたあに税金が高いことが原因のようで,働き たい女性にとってはきっと住みよい社会です.日本にも
『育児・介護休業』や『女性差別撤廃条約』というもの がありながら,まだまだ女性だけが犠牲になっているよ
うに思います.
まとめ一家族や自己のあり方を客観的に認識している,
男女のあり方の理想を描き学習意識が高い.団塊の世代 後期あたりの自由で闊達な家族が彷彿と描かれている.
ジェンダー入門を素直に受け取り理想と現実,理論と実 践を錯綜しながら突き進むフレッシュマンも登場した.
実際には気づかないジェンダーの視点というものの発見 があった.行動面の高い家族は意識も感情も高い.21世 紀の新しい時代の展望がみられ,学生は作業をとおして 思考や考察や未来を洞察した.
4 総括と発展
学生とその家族のジェンダーバイアスを測定した2000 年から2004年の5年間の結果,意識は高く,感情は次に,
行動はいまだ低い.しかしジェンダーフリー実践の予備 として未来を期待できる.それらは,経済,生活,家庭 内分業,育児,家事・時間管理,趣味,地域・親戚っき 合いの生活のあらゆる場面にわたっており,生き方にか かわる.総合して,ジェンダーフリーにいまだためらい やこだわりのある「初めの1歩」は7割と高い.自己の 志向回路の中で矛盾しながら時代に沿い時代を超え,先 取りしてゆきたい念願は芽生えている.生活は一直線で はない.今後の教育の指針が認められた.家庭生活,家 庭教育の場面は0歳から墓場までという命題をあらため て提起したいと思う.
最後に,ジェンダーチェックワークシートの使用を御 許可くださった東京都働東京女性財団に深謝申し上げ
ます.
引用文献および参考文献
1)百瀬靖子:2002;「ジェンダー」『ジェンダーフリー の時代へ一家政学原論・生活経営学』,創成社:80−
129, 169−229.
2)伊藤セツ:2003;国際女性デーは大河のように,御 茶の水書房:3−162.
3)山根真理:1998;家族社会学におけるジェンダー 研究の展開,1970年以降のレビュー,日本家族社会 学会編:(10)5−29.
舩橋恵子:2005;育児戦略と家族政策の中のジェン ダー,日本家族社会学会:16(2)23−35.
舩橋恵子:1998;育児休業制度のジェンダー効果一 北欧諸国における男性の役割変化を中心に一,日本 家族社会学会編:10(2)55−70.
矢澤澄子:2002;[母]の変容と女性の自立『少子 化時代のジェンダーと母親意識』,新曜社:171−193.
日本女子社会教育会:2002;ジェンダー資料多数一 ジェンダー意識 ジェンダー開発,ジェンダーイラ ストなど.
4)日本家政学会家族関係学部会:2001;特集 ジェン ダーと教育,家族関係学:No.2249−63.
5)森田美佐・長島俊介:2005;雇用における実質的男 女平等に向けた生活経営一3ライフ・5ウエイ・5
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