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氏 名 杉生 和久

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Academic year: 2022

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氏 名 杉生 和久 授 与 し た 学 位 博 士 専攻分野の名称 医 学

学 位 授 与 番 号 博 甲第 6446 号 学位授与の日付 2021年 9月24日

学位授与の要件 医歯薬学総合研究科 機能再生・再建科学専攻

(学位規則第4条第1項該当)

学 位 論 文 題 目

論 文 審 査 委 員 教授 阪口政清 教授 田端雅弘 准教授 松岡賢市

学位論文内容の要旨

【背景】骨肉腫は主に小児や青年に発症する悪性骨腫瘍である。化学療法抵抗性の骨肉腫患 者の予後は不良である。我々は腫瘍抑制因子 p53 を発現させた腫瘍融解アデノウイルス

(OBP-702)を開発し、骨肉腫細胞に対する抗腫瘍効果を報告した。本研究では、骨肉腫細

胞におけるOBP-702の化学療法感受性増強効果について検討した。

【方法】2種類の骨肉腫細胞株(U2OS、MNNG/HOS)の親株細胞とドキソルビシン耐性 細胞を用いて、in vitro におけるドキソルビシンとOBP-702の抗腫瘍活性を評価した。ド キソルビシン耐性 MNNG/HOS マウス皮下腫瘍移植モデルを用いて、in vivo におけるド キソルビシンとOBP-702の抗腫瘍活性を評価した。

【結果】ドキソルビシン耐性骨肉腫細胞ではmultidrug resistant 1 (MDR1)が高発現して いた。OBP-702およびMDR1 siRNAはMDR1の発現を抑制し、ドキソルビシンによるア ポトーシスを増強した。ドキソルビシン耐性MNNG/HOSマウス皮下腫瘍移植モデルにお

いて、OBP-702 とドキソルビシンの併用治療では、単独治療と比較して腫瘍増殖を有意に

抑制した。

【結論】MDR1は化学療法耐性骨肉腫に対する魅力的な治療標的となることが示唆された。

腫瘍特異的ウイルス治療はMDR1発現を抑制することにより骨肉腫患者における化学療法 抵抗性を改善する有望な治療戦略である。

論文審査結果の要旨

骨肉腫は小児に比較的多く発症するがんであるが、化学療法により抵抗性を獲得するが んが出現する。そうなった場合、予後は不良で未だ有効な治療対策がない。そこで本研究で は、がん抑制遺伝子を発現する腫瘍溶解アデノウイルス(OBO-702)を用い、化学療法との併 用で抵抗性がんを克服しようと試みた。この背景にはこれまでの研究者の所属する教室で の研究成果があり、OBO-702が骨肉腫に高い殺傷効果を有することを明らかにしていたから である。

研究から、ドキソルビシン抵抗性がん細胞を取得し解析したところ MDR1(薬剤排出ポン プ)が顕著に上昇していた。この抵抗性がん細胞にOBP702を感染させるとドキソルビシン の効果がin vitroならびにin vivoの両方で大きく高まることが判明した。これにはOBP702 感染によるMDR1の発現抑制が関係していた。MDR1の発現抑制にはウイルス感染によって誘 導されるE1AやJNKが重要である考察があった。また、MDR1の発現が正常細胞でもあるた め、MDR1 標的薬剤よりもがん特異的な本ウイルス製剤が将来的に有効ではないかという議 論もあった。

委員からは、プロテオーム解析でMDR1を選択した理由は?他の見出されている候補分子 はどうか?OBP702 で発現するp53の役割は?など多くの質問があったが、本人の知見や他 からの情報から、自身の考えを的確に述べ、きちんと説得力を持って回答した。本研究成果 について我々審査委員一同、化学療法抵抗性がん克服につながる重要性を有し、大きな将来 性があるものと判断するに至った。

よって、本研究者は、博士(医学)の学位を得る資格があると認める。

Oncolytic virotherapy reverses chemoresistance in osteosarcoma by suppressing MDR1 expression

(腫瘍融解ウイルス治療は MDR1 発現を抑制することにより骨肉腫に おける化学療法抵抗性を改善する)

参照

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