06306057
子どもの遊びに関する研究
‑冒険遊び場とテレビゲームとの比較を中心にして一
専 攻 判 交 教 育 コース 総合学習開発 氏 名 大 下 雄 助
はじめに
近年、外で遊ぶ子どもの数が減少の一途を辿 っている。本来,子どもの遊びは,子どもたち により自然発生的に展開されていくものである。
しかし,今日では,
r
空間」・門中間J•r
時間Jと いう3
つの間が減少すると同時に,遊び方法を 知らない子どもが増加しているため,地域にお ける子どもの自然発生的な遊び、は失われつつあ り,屋外で主体的、自立的に遊ミない子どもが 増えているものと思われる。また,生出或におけ る子どもの遊ひ湯の代表ともし、える公園は,人 工的に整備されたスペースが大部分を占めるう え,禁止事項が多く,子どもが自由に遊くる場 所とはなっていなし、。小沼らによれば近年,生活環境が大きく変化し,子どもの体力低下や 情緒不安定,社会性の欠如,若年性疾患などの 問題の大きな要因として外遜びの減少があると 述べている。しかし,子どもを外で遊ぼせるた めの有用なシステムヰ場は一部の蝉或明子政で、
しか考案されていなし、。また,その地域に住ん でいる子どもですら,そのような場があること すら言議哉していないとし、う現状がある。
一方、子どもたちが夢中になっているテレビ ゲームは、脳に悪影響を与える,行うことによ って攻撃性が増加する、とし、うように、常に子 どもにとってテレビゲームが悪者的な立場に置 かれている。
以上のことから、本研究では冒険s$V湯とテ
指 導 教 員 近 森 憲 助
レビゲームの魅力を抽出し、その共通点を比較 することによって、子どもにとっての魅力ある 遊び場とはどのような場か、ということを明ら かにすることを研究の目的とした。
第1章 日本における子どもの遊びの歴史 我が国における子どもの遊びの歴史を概観し た。歴史的にみれば基柏句に子どもの遊びの 多くは,大人の生活ぶり祈子事の真似事である
と考えることができることを示した。
第
2
章 「冒険遊仁場jとは本章では、冒隙盤ひ湯、特に東京都世田谷区 の羽根木フoレーノミークに着目し、歴史、活動内 容、利用実態、プレーリーダーの儲リ、魅力に ついて述べた。活動内容、利用実態、プレーリ ーダーの役割を述べることによって、羽根木プ
レーパークの魅力は「居城市、「安全性」、「破 樹子為J、「人との出会し、」、「プレーリーダーの 柄生jの
6
つのキーワードのよって示されるOこれらのキーワード聞の関係に関する考察から 羽根木フ。レーパークの魅力の根底には「プレー リーダーの街包があり、他の遊ひ湯には相生 しない「プレーリーダーJの重要性が明らかに なった。
第
3
章テレビゲームについての考察近年,テレビゲームの研究では影の部分のみ に焦点をあてる傾向が強し、。例えは湯川らに よれば「映像に比べてテレビゲームの方が, 1) 自分自身の攻暫南方が直族的に強化(報奨)さ
‑208‑
れる, 2)直接体験により攻撃を自分の行動レ ノミートリーとして獲得しやすい, 3)登場人物 (キャラクター)との高し澗一化射丘年の側象 内容的な現実性の高さにより攻撃行動を現実へ と転移しやすし、ので,プレイヤーに
3
齢、影響を 及ぼす」と述べている。また,森によれば,r
テ レビゲームを週4 " ‑ ' 6
回1
回2 " ‑ ' 7
時間して いる。ゲームをしていないときにも脳は働かず,数値が測れないほど脳波が低下している。集中 力と記憶力が非常に乏しくキレやすしリとし、う 状態を「ゲーム脳Jと説明している。
しかし、なぜこれほどまでに子どもテレビゲ ームに熱中するのかとし、うことについては、高 橋勝などが論じているに過ぎなし、魅力ある遊 ひ湯、あるし、同盤ひ注聞のありょうを考える上 でテレビゲームの魅力について考察を加えるこ とは必須である。本章では、テレビゲームの魅 力を「ヴアーチャルの世界を介しての居場所:j,
「コントローノレJ,
r
代償行為j,r
羽織j;,r
無関 係の人々との出会しリr
自由j,r
現実世界では 経験できなし物制本験j,r
自信回復j,r
ヴアー チャルを通した他者からの賞賛と達成感の獲 得J,r
空想、から得る好奇心jr
想像上の経験から 必要なものを受けとるj,r
他人との協力j,r
他 者からの承認Jの1 3
のキーワードにより示した。また,近年「空間j.門中間」・「時間Jとし、 う
3
つの聞が減少していると叫ばれているが,オンラインゲームの魅力について考察した結果,
テレビゲームにおいても新たなるr(ヴアーチャ ノレ)空間ド「仲間jパ時間jとし、う
3
つの聞が 創出されてし、ることを明らかにした。第
4
章子どもにとっての魅力ある遊び場とは 本章では、第2章、第3章でそれぞれ示した 羽根木フ。レーノミークの魅力とテレビゲームの魅 力の共通項を示すことによって子どもにとっての魅力ある遊び場とはどのような場であるかと いうことを検討した。魅力の共通項は
r
居場所J,「破駒子為j,
r
報奨をともなう羽織J,r
人との 出会しリが羽根木プレーパークとテレビゲーム の魅力の共通点であることが強く示唆された。このことから,子どもは外選びでもテレビゲー ムでも、それが現実であるか(瓦想泊句なものであ るかを問わず、同じものを追い求めていること が考えられる。また、魅力の共通項を含んだ場
として、東京にあるキッザニアを事例として、
子どもにとっての魅力ある遊ひ湯がどのような 場であるかということを論じ、今後の課題を示
した。
おわりに
本論文では羽根木プレーパークとテレビゲー.
ムの魅力を考察し共通長を抽出した。また,キ ッザ、ニアとしづ羽根木プレーパークとテレビゲ ームの魅力を複合した場が子どもにとって魅力 的であるということを
5
命じることができた。し かしキッザ、ニアは現在日本には1ヶ所しかな いとし、うことや入場料がかかるとし、うこと,時 間制限があるということから子どもが容易に訪 れることはできなし、。さらに,キッザ、ニアl苅哉 業体験型テーマノ《ークで、あり,子どもにとって の「遊山とは言いがたしL本論文ではキッザ ニアの要素を含み,かっ「遊びに特化した場J のありょうを具(納に論じることがで、きなかっ た。キッザ、ニアのような羽根木プレーパークと テレビゲームの魅力を複合した場で,遊びに特 化し,また,いつでも訪れることができるとい うような場の倉殿や、そのような場の総合的な 学習の時間としりた学校教育の場における活用 について検討することを今後の課題としたし、。‑209‑