1 1 1 1. . . .序文 序文 序文 序文
高度経済成長期以降、公共事業や社会福祉など の生活保護の粗略化より様々な環境問題を引き 起こしている。水圏においては、生活排水などの 特定汚染源から排出される汚水を下水道施設に よって処理するが、平成 18 年度末での全国下水 道普及率は未だ 69.3%である。そのため閉鎖性水 域では富栄養化が改善されず、アオコや赤潮など の発生を引き起こしている。しかし、水質汚濁防 止法や湖沼水質保全特別措置法の適用を受け、非 特定汚染源対策を含めた、閉鎖性水域における窒 素及び燐の栄養塩類排水規制が実施され、水環境 の総合的な汚濁負荷削減対策が計画されている。
この対策として、湖沼流入における下水道施設の 早期整備や底泥浚渫が行われてきたが依然とし て環境基準には達成されていない。
本研究は、未だ問題となっているアオコ及び富 栄養化の原因物質である窒素・リンの除去に効果 のある「フッ素化合物電解法」を用いて、閉鎖性 水域における水質浄化を目的としている。昨年ま
では電解部分を直接池に投入し、浄化する水域規 模に対するユニット数を特定し、省電力・延命化 での処理効果拡大を目指した。本実験では投入式 浄化装置を用いた場合のアオコ除去の効果を検 討し、装置の実用化に向け、システムを見直すこ ととする。
2 2 2
2. . . .実験 実験 実験 実験概要 概要 概要 概要
実験対象池は、水域面積 215m
2、水量 100t であ り、人工的に富栄養化状態にして実験を行った。
図 1 に電解浄化システム概略図、図 2 に電解処理 部の様相を示す。以下、各システムの詳説とする。
《
《 《
《電解 電解 電解 電解システムについて システムについて システムについて システムについて》 》 》 》
電解処理部の構成として、1000×500mm に切 断した Al 板を 10cm 間隔で 5 枚並べたものを 1 ユニットとして構成した。このユニットを直接、
実験対象池に設置し電解を行った。大きさは規格 上のものを用いることで作成が容易であり、ユニ ット化により運搬が容易である。また、電解に用 いる CaF
2は極板上部より水溶液にして滴下させ た。なお、電解によって凝集・浮上するフロック
投入式浄化装置 投入式浄化装置 投入式浄化装置
投入式浄化装置を を を用 を 用 用いたアオコ 用 いたアオコ いたアオコ除去 いたアオコ 除去 除去 除去の の の の検討 検討 検討 検討
日大生産工(院) ○吉見 崇 日大生産工 大木 宜章 ジェコス(株) 大松澤 季宏 (株)OTTO 四ッ柳 卓也
Examination of water bloom removal using the submerged purification unit
Takashi YOSHIMI, Takaaki OHKI, Tokihiro OOMATSUZAWA,Takuya YOTSUYANAGI ソーラーパネル
ソーラーパネル ソーラーパネル ソーラーパネル
CaF CaF CaF CaF
2222Al Al Al Al板 板 板 板 マイクロバブル
マイクロバブル マイクロバブル マイクロバブル
フロック フロック フロック
フロック拡散防止囲 拡散防止囲 拡散防止囲 拡散防止囲
個液分離装置 個液分離装置 個液分離装置 個液分離装置
池 池 池 池へ へ へ へ
ポンプ ポンプ ポンプ ポンプ
発電量電力計 発電量電力計 発電量電力計 発電量電力計 消費量電力計
消費量電力計 消費量電力計
消費量電力計 チャージ チャージ チャージ チャージ
バッテリー バッテリー バッテリー バッテリー
+
+ +
+・ ・・ ・- - - -極板 極板 極板 極板
CaF
2図 1 電解浄化システム概略図 図 2 電解処理部の様相
の拡散を防ぐため極板上部に「フロック拡散防止 囲」を設置し、「スカム掻き寄せ機」によってス カムを収集した。また、掻き寄せたスカムはポン プによって固液分離装置に移送し SS 分を除去し た。分離されたろ過水は実験池に戻し、スカムは 定期的に除去した。なお、掻き寄せ機とポンプは 15 分毎に運転と停止を繰り返した。
《 《 《
《電力供給方法 電力供給方法 電力供給方法 電力供給方法について について について について》 》 》 》
システムの電力源は、山間の僻地にある湖沼 などの電力供給が難しい地域での施行を考慮し、
ソーラーパネルを用いた。今回、発電された電力 はチャージコントローラーによって制御され、昼 間は一定の電力(定格電圧 12.5V 、 定格出力 62.5W ) を極板に流し電解処理を行うと同時に、余剰電力 をバッテリーに充電した。また、夜間は昼間にバ ッテリーに蓄えられた電力により電解処理を行 った。なお、電解処理において極板表面に生成す る酸化皮膜の生成を抑制するために、極板に流す 電力の極性を 24 時間ごとに切り替えた。
《 《 《
《底泥処理対策 底泥処理対策 底泥処理対策 底泥処理対策について について について について》 》 》 》
底泥に含まれる窒素やリンなどの処理・除去 を目的とし、循環器の代わりにマイクロバブルの 水流によって極板間に底泥を 24 時間循環させた。
なお、微小で浮上の極めて遅いバブルの吸着力に より、電極板の酸化皮膜生成の抑制、および水中 の溶存酸素量の増加により、好気性微生物が活性 化し、水中の有機物分解速度は増加する。よって、
植物プランクトン等の増殖抑制効果も期待でき る。
3 3 3
3. . . .実験結果及 実験結果及 実験結果及 実験結果及び び び び考察 考察 考察 考察
測定項目は、平均気温および発電電力量、 COD 、 pH 、クロロフィル a ( Chl-a )、全窒素( TN ) 、全 燐( TP )の 6 項目に関しての測定値をもとに装 置における浄化効率の検討を行った。図 3 ~図 8 まで各測定値の経日変化を示す。ここで、実験池 は装置を設置した池であり、比較池は実験池と同 容量の自然状態の池である。
≪ ≪ ≪
≪直接投入 直接投入 直接投入 直接投入処理 処理 処理 処理による による による による浄化効率 浄化効率 浄化効率 浄化効率≫ ≫ ≫ ≫
Chl-a の経日変化をみると、実験開始後 4 日目
0 10 20 30 40 50 60 70 80
15 17 19 21 23 25 27 29 31
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
平均気温平均気温平均気温平均気温((((℃℃℃℃))))
経日 経日 経日 経日 (((( 日日日日 ))))
平均気温
電流電流電流電流((((A))))
図3 平均気温および発電電流量
電流
0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 COD(mg(mg(mg(mg/l)l)l)l)
経日 経日 経日 経日 (((( 日日日日 ))))
実験池 比較池
図4 COD経日変化
7.00 7.50 8.00 8.50 9.00 9.50 10.00
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
ppppH
経日経日 経日経日 (((( 日日日日 ))))
実験池 比較池
図5 pH経日変化
で 400µg/l から 150µg/l まで値を下げ、その後は 平衡状態となっている。ここで栄養塩であるTN、
TP のグラフから、 Chl-a 同様、 4 日目までに急 激な値の減少が見られる。通常、電解で浄化をす る際、無機物の減少に遅れて有機物が徐々に除去 されていかなくてはならない。これは、親水コロ イドである植物プランクトンの表面を覆う表面 電荷にイオン性物質が吸着し分子間力により凝 集作用が生まれることから、有機物である Chl-a の浄化とともに、無機物の除去が緩慢に行われて いく。今回でのケースも 4 日間の Chl-a の急激な 減少から、無機質が大幅に除去されてしまってい ることが分かる。よって、無機物の過剰な浄化を 促進しない方法で電解を行う必要がある。
≪ ≪ ≪
≪マイクロバブルによる マイクロバブルによる マイクロバブルによる マイクロバブルによる浄化 浄化 浄化≫ 浄化 ≫ ≫ ≫
底泥の処理および電極板の酸化被膜生成の抑 制を目的とした循環装置やマイクロバブルの使 用方法を検討する。今回使用した池は、水面から 最深部までと非常に浅い水域を使用した。したが って、水中に循環装置および、マイクロバブルを 設置し、底泥を含めた池全体を浄化する試案であ る。ここで COD の経日変化をみると Chl-a 同様、
4 日目まで低下傾向を示している。今回のマイク ロバブルの使用により実験開始 4 日目で COD が 約6 mg/l 低減し、マイクロバブルによる効果が認 められる。しかしながら、マイクロバブルの発生 を高速水流で起こしているため、電解によって形 成したフロックを「フロック拡散防止囲」の外ま で押し流し、フロックの再溶出を危惧した。その ためマイクロバブルを 4 日目から最終日までは 昼間 3 時間に短縮させた。したがって、マイクロ バブル運転時間の短縮により底泥の循環が常時 行えず、処理が不十分になったと考えられる。今 回、池全体の処理を目的としたマイクロバブルだ が、実際の湖沼の最深部までの処理となると水の 循環が難しい。よって、実際の湖沼全体で浄化を 進めていく手法が必要である。
≪ ≪ ≪
≪浮上 浮上 浮上 浮上スカム スカム スカム スカム回収方法 回収方法 回収方法 回収方法の の の の検討 検討 検討≫ 検討 ≫ ≫ ≫
平均気温および発電電力量の経日変化から 10
0 100 200 300 400 500 600 700
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
クロロフィルクロロフィルクロロフィルクロロフィルa((((μgggg/l)l)l)l)
経日経日経日 経日 (((( 日日日 )日)))
実験池 比較池
図6 クロロフィルa経日変化
0.000 0.500 1.000 1.500 2.000 2.500 3.000 3.500
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 TN(mg(mg(mg(mg/l)l)l)l)
経日経日 経日経日 (((( 日日日日 ))))
実験池 比較池
図7 TN経日変化
0.000 0.050 0.100 0.150 0.200 0.250 0.300
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
TP(mg(mg(mg(mg/l)l)l)l)
経日 経日 経日 経日 (((( 日日日日 ))))
実験池 比較池
図8 TP経日変化