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〔農業経済研究 第8
2
巷,第1
号.2
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〕
農
地の流動化 と
集積 をめ ぐ
る
論点
と
展望
有
本
寛*・中 嶋 晋 作
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1. は じ め に 農薬の構造改善 (証 1)は,19
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1
年の旧農業基本法制 定以来,農業政熊の中心的な課題であ り長 けている.農 地の淀勧化 と集萩 は.農業の構造改善の一端 を担 う農業 経営の規模拡大 と農地の団地化の過程であ り,その実現 手段 である. しか し,課題の認識か ら半世紀近 くが経 と うとしているに もかかわらず,農業構造に飛躍的な牧草 は見 られない.r農林業セ ンサス累年統計書Jによれば, 良家1
戸当た りの平均経営耕 地面積 (稔農家) は1
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年は1
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に上昇している もの の (証2),その零細性 は依然 と して解消されていない. 本鞘 は,Ln地の流動化 と集株 に関連する論点 を整研し, 研 究の現状 と残 された課超,お よび今後の方向性 を展望 したい. なお, ここで言 う農地の流動化と集稲 は,作業 受委託が機械資の舷減を通 じて農業経営の改着に寄与す ることか ら,農地の売B3:や貸借のみな らず,農作業の架 構 も念頭 に置いている.サーベイの対象は,計量経済学 的 な分析 を行 っている研究 を中心 とす る.計定的アプ ローチは,大里のデータか ら仮説や知見が一般的に成 り 立つか どうか を検証す る. これに対 して.事例研究など の非計史的なアプロ-チは,事例の頼み上げか ら様 々な 実態や課題 を多角的に浮かび上が らせ,新 たな知見や仮 説 を提示する とい う役封 を担っている.このように,2 つのアプローチは方向性 とE的が異 なってお り,相補的 な関係 にあるため双方 をカバーすることが望 ましい. し か し,筆者 らの能力の銀界上,対象 を計量研究 に絞らざ るを律ず,事例研究 を網薙 しているわけではないことを あ らかじめお断りしてお きたい. なお,先行研究の紹介 と各点定理 にあたっては,原則 と して1
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9
0年代 後半以 降の代表的なもの を取り上げる.それ以前の研究につい ては,生源寺.中略 〔81),倉内 〔49〕,加古 〔41〕など, 中安 ・荏 開津 〔58〕 に優 れたサーベイがあるため,そち らを参照 されたい, また,それぞれの論点について,国 外の研究 もレビュ-に含めることにした.国外の近年の 実証研究は,因果関係の識別に対する精度の向上が最大 '-棟大学 †中央点菜食合研究センター のポイントとなっている.そこでは,内生性の問題 (証 3)に配慮 し,詳細 で大規模 な佃栗データを使った分析 が主龍である.こうした方向性 は,データの利用可能性 に依存するという宿命 を負うものの,科学的な厳密健の 追求 とい う点で, 日本の農業種讃学研 究 にとって も学ぶ ところは大きいと思われる. まず,農地流動化の経済的条件 を検討するため,第2 節では,農地流動化を推進す る原動力 として,農家間の 焚用 ・収益性格差 と農外雇用機会 と貸金の高 ま りに焦点 を当てつつ,個別農家の農地需給行動を簡単に定式化 し, そこか ら得 られる論点を整理す る.とは言え,第 2節の 定式化には現実の様 々な制約一例えば,農地制度,取引 許用や転用期待 -が反映 されていない.そこで,第3節 では,こうした制約要 因がなぜ, どのように農地流動化 を阻害する可能性があるのか を整理する.ここでは,農 地が市場で取引されに くい理由を述べた後に,農地制度, 取引費用.転用期待,農地の物理的 ・地理的特性といっ た論点に焦点を当てる.2
.
農 地 流 動化の理論 と実態 1)農家の農地需給行動 まず農地洗動化のメカニズムを杷塩するために,農地 有給をめぐる農家の意思決定 を確認してお きたい.個別 農家の農地需要行動の本質を梱 むには.農家 の利潤最大 化行 動 を仮 定 することが便 利で あ る.Delnlngerand Jln〔14〕 の定式化に従 い,ある農家の既存労働丑 をL(
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a
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.農業部門での労働汝人 をLa,屋外雇用 をLO. 農地の初期保有 を丘.生産性をa,通常の性貫 を満たす 農薬部門の生産関数 をf
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(えーA) と書 ける. ただし,p,W.Tは農産物の販売価格 ,度 外雇用貸金 ,単位両横当 た り小作料 である.最大化の 1階条件は, pαfL.(
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≡w pαfA(la,A)=rであ る (下付 の添え字は偏微分 を表す). これ らをαや M で全微分することで, _卓些__ fAL.′td-fAft・Lc ∂αI α[fJufI.I.-(fAl.)Z]>0, ∂A
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A∂
w
pa[(fAL.)2-ft.E・F,u]<0
が得 られる.すなわち,農業生産性が高い農家は,農地 の限界生産力が高いので,その分 より多 くの農地を需要 する.一方で,屋外貸金が上昇すれば段幕労働の機会費 用が上がるので,農業労働 か ら農外労働へ労働投入 をシ フ トし,その農 業労働量 に合 わせ て農地 も減 らす (証 4). 農家の農地需要 には他 に も様 々な要因が絡むが,以下 では農家レベルで見た農地流動化の大局的な原動力 とし て,農家 間の生産性格差 (2.2)節) と産業部 門か らの 労働力の流出 (2.3)節) に焦点 を当てる. 2)規模間の収益性・費用格差 と農地流動化 先の理論モデルの含意の1つは,農地 は生産性 の低い 農家か ら高い農家へ と集積す るとい うことである.モデ ルでは農家の属性 (能力)αを明示的に定式化している が,その他の生産性の規定姿図 として経営規模が挙 げ ら れる.規模間で費用・収益性格差が生 じる要因 として, 大 きく3卓を挙 げることがで きる 第 1は,規模の経済性 である.すなわち,規模 (経営 面稚 あるいは生産量)が大 きいほど横根の利用効率が高 ま り,労働費も削減 されることか ら,平均費用が低減 さ れる. これは,記述統計上 は r米及び麦類の生産費」 な どのデータで,作付面積規模が大 きくなるにつれて作付 両横10a
当 た り, また は生産物 60kg当た りの語勢用 が下が ることで確認で きる よ り厳密 には,費用 関数 を 推計 し,作付娩模 ない しは生産量が拡大す るにつれて, 架用がそれよりも低 い比率で しか上昇 しないことを確認 すればよい. 第2
は,規模と反収の関係 であ る.農家の行 う水管 理 ・肥培管理には稲の生育条件に応 じた適切 なタイ ミン グが求め られ.作業の タイミングの適否 によって米の収 量 ・晶質が大 きく左右 される.近藤 〔46〕は,軽骨内の 労働ス トック量が反収 と正の相関を持つ ことを実証 し, また,近藤 〔47 第4章)で は,BC技術過程の粗所得 関数 を推定 し,一部農区で規模が上月するほ ど反収 も向 上することを確認 している.しか し一方で,圃場が分散 し水管理 ・肥培管理が困難 とな り反収が下がることもあ る (例えば,樋 口 〔32〕). さらに異 なる視点 として,収 丑の低 い土地であるがゆえに大規模経営が成立している とい う逆の因果関係 も指摘 されている (生綿寺 〔77.第 3草〕).この ように,規模 問の反収格差 についての実証 結果は混在 してお り,一定の結論は得 られていない. 第3
は,規模 と坂元単価の関係 である.先の議論では 漫僕が生産上の効率性 と関係することを想定していたが, 販売面で も販売 ロットを大 きくす ることで価格交渉力 を 獲得で きることがある. また, より高品質なR,7<産物 を生 産す ることで価格 的に有利な直販 な どの販売ルートを開 拓す ることがで きる.ただ し, この点の計量経済学的な 実証 は存在 しないようである. 規模 問格差 に関す る既存の計量的検証は, もっぱ ら都 道府県×規模階層別の集計データを用いた生産r村数,刺 潤関数,費用 関数 の推計 に よって行 われて きた.1990 年代半 ばまでの研究 については,加古 〔41〕,生源寺 ・ 中嶋 〔81〕のサーベイを参照 されたい. これ らの研究の 結果,H本で規模 間の収益性格差が存在 していることは, ほぼコンセ ンサス となっている,ただ し,それが発生す る時期や規模 については,必ず しも見解 は一致していな い.以上は地域レベルのデータを用いた研究であるが, 近年,川崎 〔45〕が r米及び麦類の生産費Jの農家 レベ ル個票パネルデータを用いた分析 を行い,親株が大 きい ほ ど平均費用が低下す ることを実証 している.従来 まで の農業の生産性格差 (規模の経済性)をめぐる議論 は, 圃場分散の影響 を考慮 していないため,分散 による非効 率性が混入 した規模の経済性 を測定 しているとい う間組 があった.これに対 して,川崎 〔45〕 は,良家 レベルの パネルデー タの特性 を活か し,収量の年次変動 に注意を 払いつつ農家 ごとの生産性 を推計 してお り, さらに規模 の拡大 による圃場分散が生産性 に与える影響 も特定 して いる.その結果,従来 5ha種 皮 まで とされて きた平均 費用の低下が,分散錯圏が悪化しない形の規模拡大 (例 えば既存の団地 に隣接 した農地を取 り込むなど)であれ ば,20ha近 い大規模層であっても十分 に機能す るこ と を明 らかに している. 国外 に日を転 じると,中国,エチオピア, イン ド,ベ トナムなどで,生産性 が高い, もしくは役畜や機械 な ど の資本 を持つ農家 に農地が免税す る傾向が明 らかにされ ている(
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〕 など). これ らの研究では, まず農家 レベ ルのパ ネルデー タを用 いて生産関数を推計 して農家 ごとの生産性 の指標 となる 家計 固定効果 を計測 し,次 に農地貸借行動 (借入 ・貸 出・自給 自足)への参加 に関す る推計にこの固定効果を 説明変数 として加え,生産性が古い家計 ほ ど借入の確率 が高 くなるか どうか を検証 している.なお,下層偽か ら 上層農への農地の集積 は 「逆′ト作(
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と呼ばれることがある.地主小作関係 においては,伝統 的には農地が大地主か ら零細農へ貸 し出されたが,下層 農か ら上層農への農地流動化ではこれが逆転するか らで あ る.例えば, イン ドのパ ンジャープ州で は 「緑 の革 命」 による新技術の導入 と機械化の進展 を背景に,大規 模農家が零細農か ら借地して規模 を拡大 していることが 報告 されている (SILlgh 〔82〕).生産力格差 の要因 とさ れているのは, トラクター等の農業機械 の所有である.丘地の洗勧化と集棟をめぐる替点と展望 25 バ ングラデ シュで も下層戊か ら上層農へと農地が貸 し付 け られており,その要因として耕作に必要 な役牛の有無 が指摘されている (藤田 〔23:pp.125-126〕). 規模 閥の収益性 ・費用格差について残 されている課塩 として,第1に規模 と反収の関係 に関する検証 を指摘 し たい.周知の通り,農薬経済学では 「規模 と反収の逆相 関」関係が経験的に知られてお り,その要因をめぐって 多 くの実証研 究が概み上げ られてい る (旺5).経験則 の原因として,規模拡大に伴い雇用する家族外労働力の モラルハザー ドが指摘されるが,農業機械の斗人はこれ を払拭した.しか し,規模拡大 に伴う餌場 の分散によっ て肥培管理が行 き届かな くな り,反収が下がることが事 例研究では指摘されている.この点の実証的な検証は残 されたままである.第2は作業受委託が親挟間の収益性 や焚用格差に与 える影響の検証である.機械作黄 を委託 することで,零細規模の経営であって も漫横の経済性 を 享受で きるため,規模の通いが収益性の格差を生み出
し
にくくなる可能性がある.例 えば,FuJlkL〔22〕 は台湾 において平均賛用が規模間でほとんど変 わ らない要田を 機械作業の受委託 に求めている. 実際に,下層農か ら上層農-の農地貸借が成立するた めには,
「十分 な」規模 問格差が必要である とい う条件 を除 じたのが,いわゆる 「梶井仮説」 (梶井 〔39〕)であ る.その条件とはすなわち,規模間の収益性格差を前提 として,単位面積当た り「上層農の剰余 (粗収益 -第1
次生産費)が下層戊の稲作所得 (粗収益 一第1次生産架 +家族労賃)を上BI
る」 ことであり.下層農が自作を辞 めて農地を貸し出そ うと決意す るために十分な水準の小 作料 を,借 り手 (上層農)が支払 えるか どうかが焦点 と なる. この条件の成立は,記述統計上は r米及び麦類の 生産別 などか ら検 証で きる.近年の動 向につこ、ては, 細山 〔33:第2車〕が生産力格差の地域差 を指摘 し,そ の要因 として地域労働市秋の塵取 お よび米の品質間格 差に起因する米価水準の地域差 を挙げている.ただし, 「梶井仮説」 の検討 には以下の留保 が必要である.第1 に.ここでの 「上層農の剰余」は,上層段が払 える小作 料の理論上の最大値であ り,実際に支払われている小作 料ではない.盛田 〔54〕 は実際の′ト作科水準が,上層農 の剰余や下層農の所得に対 してどの程度の水制こあるか を検討 している.第2に,この条件は,上層農の両横当 た り平均剰余が下屑屋の米作所得を上回ることを求めて いるが,理論的には平均剰余ではな く限界剰余でみ るべ きである (近藤 【47°p84〕).集計 データから容易に 条件の成立が確認で きるのは平均剰余 を使 った場合 であ り,限界剰余 に基づいた検証には利潤関数などの推計が 必要 であ る (新谷 〔76 第 10章】),加 古 〔40〕,近藤 (47●第4章〕). 近年,大規模農家への農地や作業の集積が徐 々にでは あるが進 んでいることが20
0
0
年,2005年の農業センサ スの記述統計によって確認 されている (庸 詰 〔29〕,細 山 〔34〕).ただ し, こうした大漁模農家への農地集積傾 向 と同時に.農業労働者の高齢化や軽度,耕作放棄地や 不作付け地の増加 などの農地利用の後退が見られる点に は留意が必要である. また,計量的には,大規模農家 と 小規模農家のユニットコスト比率(
1
0a
当た り生産数) と農地流動化の指標の閥に正の相 関があることが示 され ている (茅野 〔12〕,高橋 〔85〕). 3)労働力の流出と農地流動化 生産性格差 とは別の農地流動化の原動力 として,労働 市場の展開 と高齢化による農業部門か らの労働力の続出 が挙げ られる. 労働市場の展 開は,長期的には (1)雇用機会の拡大 や農外貸金の上昇が,農業労働力の農外への流 出を促 し, (2)余剰 となった農地が農地貸借市場へ放出 されて小作 科が下がる, とい う2つのステップを通 して旋勧化につ ながる と考えられ る . 理 論 的 な 枠 組 み と して は Deininger,JLnandNagaraJan〔17)が 出発点とて有用 である.Deinlnger,JutandNagaraJan〔17〕 は個別農 家の行動 を定式化した後 に,それ を集約 した農地貸借市 場 を考慮 し,農外貸金の上昇が生産性の低 い良家の退出 を促す とともに,農地の供給が増えて小作料が下がるこ とで,生産性 の高い農家へ農地が銀横することを小作料 の決定を内生化することで埋輪的に示している. 日本では,高度経済成長梢の地域開発や農相工業化に よ り.農村部でも就業機会が拡大 し,農業就業人口が液 少 した.斉藤 〔71) は,高速道路の獲偏が農業就業者比 率 の就少速度 を速めたことを. 自治体レベ JL,のパ ネル データと傾向スコアマッチング (証6)によって厳密 に 倹 証 している. 日本では,労働市場への近接性 か ら在 宅 ・通勤兼業が可能 とな り,慮外労働市場の展 開が農家 の兼業化 として帰着 している点が特徴的である (証 7). 兼業化が農地淀動化に与 える彰等の理論的考察は,基本 的にはDelnlnger,JlnandNagarajan、〔17〕 のモデルに 基づ いて行 うこ とが で きる.ただし,Delninger, Jln andNagaraJan〔17)は,塵外貸金に対 して労轍力 を自 由に,かつ逆前約に (時間単位で)網整するフロー調整 モデルを採用 している. 日本では企業から捷示一される固 定の年間労働日数 と賃金率の組み合わせ を受け入れるか 杏かとい う,ストック調整モデルの方が よ り現実的であ り,モデルの修正が必要であろう (石田 〔37 第3革〕, 近藤 〔47.第2章〕). 労働市場 と農地洗動化の関係 について,事例研究は多 数存在する ものの (荘 8),計圭 的な研究 は多くない. 盛田 〔55:弗 1草〕は,北海道の兼業条件が都府県に比 べて不十分で#長が徒村を伴 うことか ら,農地売却に結 びついていることを論 じている.HayamiandKawagoe 〔30)は,全国 レベルの時系列データを用 いて,農業 の 「機会収入」 (=非農業貸金/農産物価格指数)が上が ると農地が集耕 す る関係 にあることを示 している.茅野 〔12〕ヤ これ を跨弾 した満席 〔85〕 は,構造変化 や農地 涜動化を説明す る回帰式に米価/非農業平均筋金を加え, いずれも負 の相関を検出している.労働市場の観点か ら 素直に解釈すれば,慮外雇用の拡大 によって逆に涜勧化 が阻書 されるとい うことになるが,米価 との比率となっ ているため,米価下落による淀動化の進展 との識別はで きていない. 労働市場 の拡大が農地流動化 につなが るかどうかにつ いては,就業 ・失業率.貸金を説明変数 とした地域 ・Flf 県 レベルのパネルデータを使った固定効果推計が可能で ある. また,労働市場の拡大の帰結 として,論理的には 離農 と大規模経営の分化につなが るケースと庶兼業化す るケースの大 きく2つが考 えられる.こうしたバ ターン を分 かつ軍 国 を労働市橡 の特質や 「いえ」 の世代構 成 (一世代 か.丘世代か)との関係 か ら統計的に析 出する 課溝 も残されている.
3
.
農 地 流 動 化 の制 約要 因 前節で見たように, 日本では機械の導入による混横の 経済の発生や,農業労働力の減少を受けて.下層農か ら 上層農への農地移動が基本的には観察 されている. とは 言え,こうした上層農へ の農地の灸積の速度は遅 々とし
ている.本節では,農地流動化を制約す るIRl因について 検討す る. 1)農地の特質 そもそ もの閑適 として,農地が市場で取引 されにくい 理由に,農地が 2つの特殊 な性質を持つことが指摘でき る.その特徴 とは,
「場所的不動牲」 と 「集EZl化の経済」 である (生源寺 〔78:第2章〕).場所的不動性は,農地 を動かす ことがで きないという性質であ り,集団化 (EiI 地化)の経済 は等面積であって も団地化した (バ ラバ ラ であるよりもひとかた まりになった)段地の方が利用効 率が高くなることを意味 している.場所的不動性により, 例 え借 り入れを希望する農家が存在して も遠方にいる場 合 は漬 し出すことができない し,Bl地化の経済によ り, 貸出地の近隣に耕作地 を持たない農家は需要しづらい. したがって, これらの性質は,いずれも潜在的な需要者 の数 を制約 し,農地市場を局所化する.このため,農地 は価格 を媒介に需給 を均衡させる市場メカニズムを通 じ て効率的 に取引 されるとは限 らない (証9).さらに, 水 EElは田地 し瀬概や有水の ような水利の共同性が要求 さ れ,耕作放無地が嫡虫害の温味 となるな ど,様々な外部 性 を持つ財で もある.また,村落社会において.農地は 単 なる生産-r要素ではなく,
「いえ」の社会的序列を及定 す る象散 財であり (石田・木南 〔38〕,鍾 (44:第6 章〕),家産として永耗的に継承 の対象 となる財である. 農地はこのような特質を持つために,農地 (貸借)市 場 による取引が牡 しく,市場 を介 さない取引が主荒 をな して きた と考えられる.すなわち, EE本では農地は しば しば,
「む ら」や集落 などの地域的 な組織 に よる伸介や 信頼関係で結 ばれた縁約 (地縁・血縁 な どの人的つ なが り,ネ ットワ- ク) など,非市場的な制度によって取引 されて きた (鮭1
0
)
. さらに近 世以来の土地の捨石意識 (監1
1) などか ら,農地の取引 をで きるだけ親戚 一集落 内一集落外の鵬 に完蘇 させ ようとす る慣習や規範 も,良 地 を市場 で収引せ ず縁約に よる取引 を志 向す る要 因の 1つとなっているだろう. 2)農地 をめぐる権利 と涜動化 農地が 自由に売買あるいは貸借されるためには,所有 権や貸借権の確定 とそれ を自由に行使で きる制度の確立 が前提 となる (牲
1
2
). しか し,所有権や貸借権が確立 したとして も,貸借地に対す る貸し手と借 り手の権利 の バ ランスに よって,農地の流動化の しやす さは左右 され る.本項では,農地 をめぐる権利の視点から沈勧化 を検 討す る. まず,現在の農地制度の枠組み を流動化の試算に関わ る範PfIで確認してお こう (証
13
)
.農地の所有と貸借 に 関す る法体系としては,農地法に基づ く貸借権による体 系 と,農薬経営基盤強化促進法に基づく利用権 による体 系の2
つがある.基本 となるのは農地法(
1
9
5
2
年制定) に上る体系である.農地流動化 とのr甥連で重要なのは, 農地保有上限規制,貸借権の保乱 小作料統制である. 腿地取得の上限面積制限は,上限を超 えた農地の所有 を制限する.1
9
5
2
年制定当初の農地法では都府県3
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,
北海 道1
2
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とい う上 限が設 定されて いた. しか し,1
9
6
2
年,7
0
年の改正で荘和 ・撤廃 され,現在で は農地 取得の上限i5'撒放列はない. 次に貸借権の保護である.第1
に,貸借権の法定更新 (第 19粂)に より,期間の定めのある賃貸借 について, 期 間満了前1年から6カ月前 までに更新拒否の通知をし
ないときは,従前と同一条件 で契約が更新 され る.第2
に.貸借権 の解約等の制 限 (第2
0
粂)に よ り,貸費借 の解約 .更新拒絶 には都道府県知事の許可が必要であ り, その許可には厳しい条件がついていた.このため,貸し 手側か らの解約が事実上不 可能であった (後述).その 後,
1
9
7
0
年改正で解約制限は凄和 され,背面 に基づ く 合 意による解約,お よび1
0
年以上の期 間のあ る賃貸借 については,知事の許可が不要となった. 最後 に,小作料規制である.小作料水準 の設定や徴収 方法に制限があれば,貸 し手は農地 を貸し渋 りしかねな い.農地法 における′ト作科統qjuの主な内容 は,叔高額統刺 (
2
1
粂).定額金納制(
2
2条,2
3
粂),波布 請求権 (24粂) である. このうち,′ト作科 の上限を規制する最 高額統制は1
9
7
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年の改正で.定額金納制 は2
0
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0
年の改 正で,標準′ト作科は2
0
0
9
年の改正で廃止 きれ.現在 は 農業委員会 による 「′ト作科の標準折
」の設定 と,それに 比べて著しく高額である小作料に対する残額勧告に殺和農地の流動化と集横をめぐる筈点と展望 されている. 農地法の体系の もと,農地淀動化に対す る障害となっ たのは貸借権の保護である.農地法に基づく貸借地は, 実質的には 「契約期間の定めのない,半永久的に解約の できない小作地」 (島本
〔
7
5
p,
2
5
〕) であ り,借り手 側が強い権利 を有した. このことから,r
貸貸借の解約 に際 して雑作科の授受や小作地解消 (小作農による自作 化)の際の地価割
引」が行われ るようになった (証 14). こうしたこともあ り,別途,良策振興地域 の整備に関す る法律 (虚根法)の 「農用地利用増進事業」,農用地利 用増進法,農業経営基盤強化促進法へと続く制度の中で 農地菰勧化 の体系が用意 された.これ らの体系に基づき. 一定の条件のもとに設定 される利用権 (監15)は,農 地法の貸借権の保護が適用除外 される.すなわち,期間 満了にともない自動的に利用関係が終了し,農地法上の 解約手続きや貸借権規制の連用 を受けず,雑作補倍が発 生す ることも原則 としてない.以上を要約すると,農地 法に基づく体系 は,
「自動更新 ・雑作科 あ り」の 「貸借 権」 を定め,農菜雀宮基盤強化促進法に基づく体系は 「非更新 ・稚作科な し」の 「利用権」 を設定 している. 以上の制度的枠組みを前提 にして,貸借地をめぐる貸 し手と借 り手の権利バ ランスが農地qL動化に与える含意 を整理しよう.神教的に宵えば,この権利バ ランスは, 貸し手にとってはどれだけ容易に農地 を返して もらえる か,借 り手 にとってはどれだけ安定 して耕作の継続がで きるかを左右するものである.借り手の権利が強す ぎる と,貸 し手は好きなときに土地を返して もらえないので 貸 し出しを渋り,供給が過少となる,逆に貸し手が強い 権利 を持つ場合,借 り手は立ち退 きさせられる危険性が 高くなるので借入を控 えるであろ う.また,経営が安定 化 しないため大型横根への投資に踏み切れず,艶横拡大 が阻害 される恐れ もある, その他に,農地能動化 を阻書 している制度的問題とし て,
「農業者年金経営移謙年金受給に伴う使用貸借権設 定農地」
,
「相続税の納税猶予の適用 を受けた農地」が挙 げ られる これらの特例 を受けている農地を法律に基づ く貸借 (利用権設定と農地法第3
条の賃貸借)によって 借 り手に貸 して しまうと,特例の適用が打ち切 られてし まう.この間樋 と関連するが,農地塀入資格 (50a以 上).農業者年金被保険者資格 (50a以上).農業委員会 選挙被選挙資格(
1
0a
以上)等の資格 を保持するために. 農地の貸 し出 しを捲蹄 する庁 し辛 もいる. なお,2
0
09
年6月の農地法改正によって,農地貸付後 も相投税の納 税猶予が継鼓 されることとなった (註16). 貸借権強度が農地拝借 に与 える彰零 に関する計丑分析 としては,
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】が, イ ン ドで農地政兼や規制が州ごとに異なることを利用して, 農地貸借 に付する規制 (証17)が借入・貸出を阻苦 し, 自作 にとどまらせる効果 を持つことを検証している.国27
内では農地制度が全国一律で地域間のばらつ きがないた め,同様の識別戦略による実証は疑 しい, 3)投資と有益 費 土壌改良のための堆肥の投入,藻耕,客土投資などの 借入地への投資は,その土地と一体となっており,貸借 契約期間の終了後 に持ち運び しにくい関係特殊的な投資(
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である. このため, 投資の回収が終わ らないうちに貸し手に土地 を取り上げ られて しまう恐 れが あ れ ば,投 資水 準 は過少 に な る(
「ホールドアップ関越
」)
.よって,十分な投資が行 えな い場合は,農地の借り入れに憤丑にな り, また逆に,投 資 をした農地は売却や貸 し付けには応 じにくいだろう. このように,農地への投資は流動化の阻害要因となり得 る. この 「ホールドアップ間甥
」の議論は農地への投資が 関係特殊的で,投資後に回収で きないことを前碇 として いる.しかし, 日本では借り手が行う土作り,暗渠,客 土,果柵 の改植投 資など,「物の利用 ,改良のために支 出し
,物の価値 を増加 せしめ る費用」 (島本〔
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p.
150)である有益費についてはその償還請求権が民法で 保障されている (証18). よって,貸 し手か ら十分 な有 益費の償還が得られることが コミットされているな らば, 「ホー)i,ドア ップ問題」 は発生 しない.ただ し,有益費 悌過言告求権 は法律上の解釈 において依然唆味な部分が多 い.有益非の昇定方法 については,
「焚 シタル金額又ハ 増価額」 とい う規定があるが,「資 シタル金額」 (実際の 投 資額)と 「増価額」 (投資に よる土地や果樹 な どの価 値の増加分)のいずれ を有益費の倍達訂求とするかが問 題となるし (証19).有益費の範蝕について も,経常的 な投入資であ る必要費 (註2
0
)
との違いが必ずしも明 確に区分 されていない. 実際には,借り手が有益費倍速訴求権を行使した事例 は多くなさそ うであ る (証21).その理由 として,1つ には,村落社会の信額 とそれを担保する集落のモニタリ ング機能によって,有益費の トラブルが未然に回避 され て きたことが挙げられる (准 〔44'第4章〕). また,良 地の貸借市場が借り手市場化する中で,貸し手が貸借 の 相手 を選ぶ余地は少 なく,借地関係が長期 .安定化する 傾向にあることも一因である (細山〔
3
3
.第6
章〕).衣 を返せば,土地持ち非良家,不在地主の増加 によって村 落の社会関係が希薄な地域,あるいは貸 し手市場 的な地 域では,有益努のトラブルが顕在化 しやすいと考えられ る.例えば,北海道の農村社会は 「いえ」の継続性の欠 如や穫農の多 きのため淀動的性格を帯びていると指摘 さ れるが (田畑 〔83〕),桂 〔44'第4章〕は北海道.十勝 畑作地帯.中札 内村の事例から.不在地主が多く安倍 関 係が淀動的な垢合,堆月巴の投入が過小 になることを報告 している.一方, 中嶋 (56〕 は愛知県渥美町 (現 田原 市)を事例 に,貸し手市場的な地域ではや し手は貸借の相手 を容易に見つけることがで きるか ら,機会主義的行 動 (借 り手が借地に投資をした途端 にその土地の近景 を 求める行為等)が誘発 されやすいことを指摘 している. この ように.有益費の問題が顕在化しやすい地域は依然 として存在する.有益安倍茸に倒 して明確 なルール (例 えば,有益費の範凶や算定方法等の確立)を作 り,実際 に活用 してい くための方策 を議論すべ きだろう (証 22) 有益焚問題の事例研究 として,桂 〔4J4)は,樹園地に おける貸借契約 と有益焚問題 について詳細な実態調査の 結果 を報告 している.撞 〔44)は,駁密 な計量分析 を 行っていないものの
,
「契約 と組鼓 の経済学」の視点 を 分析 に取 り入れると同時に,国外 を中心 にした計宜分析 ではブラックボックス としている契約形態別の取引架用 の内実や.借 り手の投資や有益 費に対する意鼓について 定性的な情報 を詳細かつ具体的に記述 している点が特長 である. 貸借権の強度 と農地への投資の関係について.歴 史的 な視点からは. 日本の地主・小作 関係が, 日本的な 「む ら」 によって担保 された地縁的信頼関係に基づき安定的 かつ長期的であ り, このことが借地-の投資 を促すこと になった とい う指摘がある (坂根 〔69〕〔70 pp.81 -82〕). また,投資が必要 な茶,秦,果樹園等は,水田に 比べ て小作年季 が 長い傾向があった (農林省農務局相 〔59:pp.39-44〕).これは.19世紀末イタリアのデー タを使って 同様 の小作年季 と投 資の関係を実証したB
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〔
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〕 と整合的である.現代 日本 については, 中嶋 〔56〕が愛知県渥美町 (現田原市)の路地野菜作を 対象 に,畑地をめ ぐる取引形態の選択要因と,選択 され た取引形態が土地改良の投資行動に与える影守 を定食的 に分析 している.収引形態は法認された利用権設定 と, いわゆるヤミ小作であ り,土地改良投資の内容は畑地の か さ上げ客土である.計洲 された結果か ら,倍額の源泉 としての縁戚l村係や,貸 し手の機会費用が取引形態 を強 く規定していること,法認 された契約 と信頼の要素が土 地改良投資の判断を左右していることを明 らかに してい る. 国外ではア
フリカの事例を中心 に溝鼓 な実証研究が着 横 さ れ て い る(
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〔65〕).実証上の焦点は.小作権 の強度 と投 資の間に正 の因果関係があるかどうかにあるが,その検証には内生 性への配慮が必要である.す なわち, 自作農 と/ト作農の 質的な遠 い (小作農の方が貧 しいため. 自作農の自作地 と比較す る と過少投 資 に なる),小作 地 の質的 な遠 い (小作 地は劣等地 なため,投資効果が低 く過少投資 にな ら),因果関係の逆転 (小作権が安定 しているか ら投資 するのではな く,投 資によって′ト作権を強化している). などが′ト作権と投資の因果関係の識別を困難にす る.こ う した点に配Z&す るため,
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l〔19) は, 自小作農のサ ンプルのみ を使 う (したがって,同一 家計内の 自作地と小作地の投資 を比較する),不耕作地 主か ら借 り入れた小作地のみを使 う (不耕作地主なので, 土質 に応 じて小作 に出すか出さないか を選べない),当 該農地の地主への距雅 を貸し山 し状況の操作変数 とする (地主宅か ら遠 い農地ほ ど′ト作 に出されやすいが,土質 と は 無 関 係)と い っ た 工 夫 を して い る . ま た-D
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〔15〕 は,所有権 と投 資の逆EEl巣関 係 を区別す るために,土地への投資 を,生定性 には*関 係 だが Elに見えやすく所有権 を強化する働 きを持つ植樹 と,生産性 を高めるものの 日に見えにくく所有格の強化 にはつ ながりにくい整地(
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の2
つに分 け, さ らに農地 に対す る権 利 も所有権 と処分権 (t
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:抵当に入れた り売却 した りする権利)に分けて 分析 を行 っている.ほかに,
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ry〔27) は,ガーナの農村 を対象に,高い政治的な地位 にあ り, 耕地片 に対 して強い所有権を持 つ個人 ほ ど投 資の強度 (休耕 の期 間 (証 2
3
)) が高いことを実証 している.Do
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〔
1
8
〕 は,ベトナムで地券発行プログラムの進 展が県ごとに異なることを利用 し,所有権の付与が進ん だ県の農家ほど,長期的な投資である多年性植物の作付 比率が高まったことを実証している.4
)
取引費用 戯地の取引には,情報の非対称性 に起 因す る取引相手 の探索 (探索費用)や土質や 日当た りなどの腿地灸件の 確証 (吟味費用),取引条件の交渉 (交渉教用).剃皮上 の手続 き (契約常用)響.様 々な取引架用が生じる (坐 源寺〔
7
8
▲第2
孝〕)(証2
4
)
.
この ような収引焚用の存 在 も農地市場における円滑な資源配分を妨げる (証2
5
)
.
取引相手の探索費用を増大 させる要因の1つが,不在地 主の存在 である.安藤 〔6〕 は,高地価 を背県 とする分 割相技が不在地主の増加 を招き (註2
6
),貸し手の探索 費用 を増加 させていることを強調している.一
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(地理情報システム)の普及や農地保有合理化卒業は. 農地の探索費用縮減 に効果がある可能性がある.ただし, 農地保有合理化事業が取引費用の折渡や農地流動化 に与 えた効果については,未だ濃密 な定丑的検証はなされて いない. 農地の取引費用 には探索費用のほかに交渉費用 も存在 す る.桂 〔43)は,貸し手 と借 り手の小作料 の交渉にあ たって,標準小作料が参照点 とな り,小作料の交渉にか かる取引菜用を節約するメ リットがあることを指摘 して いる.その一方で,生源寺〔
7
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第1
奉〕が指摘す るよ うに.標準小作料制度は3年 に1回の改定 を段別 と して いるため,小作料の上方あるいは下方硬直性 を生むよう に作用する場合 もある.近年の標準小作料の見直 し法論 は.後者のデメ リットを書経 しての ものである. 貸借契約 の手綴 きにも取引費用が生じるが.その大 き さは貸借の契約形態によって異 なるだろう.利用権設定 の場合,制度上の手続きのコストが生 じるため,口頭契農地の流動化と集楯をめぐる論点と展望 29 約のヤ ミ′ト作 よ りも取引費用は高 くなる.ただ し,取引 費用 を貸借契約に ともなう貸し手 と借 り手の トラブル解 決の コス ト (例 えば,有益難関題解決の コス ト) として 定益するな らば,利用権 を設定す ることで事前にこれ ら の トラブルを回避することが期待 されることか ら,必ず しも利用権設定の方が取引梁用が高 くなるとは言い切れ ない. 取引費用 の視点か ら,農地の流動化 を理論的に分析 し た研究 として,茸苅 〔50〕,藤栄 〔20〕が挙げ られ る 草苅 〔50〕 は,小規模農家の農地の貸付 に取引野用が生 じる場合,貸付面積が過小 になることを理論的に示 して いる.一方,藤栄 〔20〕 は,農地の取引に伴 う探索費用 の存在 を明示的にモデルに組み込んで.農地取引に関わ る貸 し手 ・借 り手の意思決定の問題 を分析 している.分 析 の結果か ら,探索費用 の増大が短期,長期的に市場の 均衡地代 の上昇 をもた らし, また未利用農地率 も長期的 には上昇 させ る とい う含意 を待ている. このように取引費用の概念を用いて農地の構造問題 に アプローチす ることは,定性的な議論 においては十分 な 説得力 を持つが.定'iii-分析 において実際に取引架用 その ものを計測す るとなると事実上不可能な場合が多 く,敬 引費用 を何 らかの変数で置 き換 えざるを得 ない,実証上 は.取引費用その ものではな く,それ を規定す る要因に よって代理す ることが多 い.例 えば,高橋 〔85〕 は,寄 合の回数 に表 される集落機首的 !取引費用 を規定す ると想 定 し,寄合 回数が多い農業集落ほ ど農地の流動化が進ん でいることを肘県 レベルのパ ネルデー タ分析 によって示 している.集落機能の ように取引費用 を抑 える もの とし て, しば しばソーシャル ・キャピタル も分析の対象 とな る.ソーシャル ・キャピタルの定義は論者によって様 々 であるが,その実態 としては侶額や ネッ トワークが想定 されるこ とが多 い.T農業 セ ンサス」 な ど公刊 データか ら得 られるソーシャル ・キャピタルの指標 としては,杏 合回数のほかに共有資源の管理状況,集落 と都市の交流 状況などが用い られている (例 えば,松下 〔52〕).取引 費用や ソー シャル ・キ ャピタルを扱 う計量分析 のポイン トは,いかに説得的な代理変数 を得 るかである. よって 可能であれば, ソー シャル ・キ ャピタルを直接測定する ことが望 ましい.世界銀行が凍案 している標埠的な質問 票のひな形 を利用す ることも1つの選択肢であるが (証 27),近年 は公共財ゲームや独裁者 ゲームな どの実験 に よって信頼 を直接測定す るこ とが多い (註28).また, 内生性へ の配慮 も必要 であろ う.例 えば.寄合 回数 は ソーシャル ・キャピタルを表すか もしれないが.良地の 流動化 を進めるために寄合 回数が増 えている場合は因果 関係 を識別で きない. 取引費用 をめぐる既存研究 は,それが農地流動化の阻 専業国 となっているか否かの検証 を目的 とするものが多 い. しか し,政策的な観点か らは,いかに取引費用 を下 げるか,またそう した取 り組みの効果があったのか とい う視点か らの研究 も必要である.農地保有合理化事業 な ど,農地流動化の取引費用 を下げることが期待 される改 発の効果 を厳密に評価することが求め られる. 5)農地の転用期待 度地転用が売月ない し貸借 を阻害 し,流動化 を妨 げる 理 由 として,神 門 〔25)は (1)農地転用規制の運用が 暖昧 ・不透明で.地域エ ゴで歪め られることがあること, (2)農地転用横会 を得れば莫大 なキャピタル ・ゲ インを 得 ること, (3)所有権 と利用権の分離が不完全 な商慣行 の もとで,転用収入期待がある農家は農地の売却や貸付 に慎重になること, を挙 げている (証 29). 実証上の焦点は,転用期待の有無 と,転用期待 による 流動化への影響である.転用期待の有無は, もっぱ ら農 地転用価格が収益還元価格 に比べ て大 きく釆離 している こ とに よって論 じられ て い る.例 えば, 速水 ・神 門 〔31●pp.275-276〕 は,転用 時の農地売買価格 が都市 計画区域外で も,農地の経済価値 (収益還元価格 -実勢 小作料 を利子率で除 した もの) の30倍以上 に相 当す る こ と を示 して い る, また,Shigeto, Hubbard, and Dawson〔74), SanJuan, Dawson, Hubbard, and Shigeto〔72〕 は,全 国農業会議所の農地価格 と小作料 の デ ー タ (ユ955-2000年) を用 い ,収益 還 元 モ デ ル (PVM:presentvaluemodel)の検証 を行 っている.そ の結果,収益還元モデルとは逆 に,農地価格 か ら小作料 へ の 因果性 を確 認 してい る (註 30).神 門 〔25〕 は42 肘県の1975-93年 のデー タを用 いて, (1)農業生産額 に対す る農地転用収入の割合 は増大傾 向にあ ること. (2)農地の耕作 日的売買価格 は収益還元価格 を大幅 に上 端つているが, これは転用期待で整合的に説明で きるこ と, (3)転用期待 と流動化の関係 については,農地転用 収入 ・農薬生産額比が高い府県はど農地税軌化速度が遅 い傾向にあること,を明 らかに している. また,大橋 ・ 斎藤 〔62〕は,都道府県 ×経営耕地規模別のパネルデー タを用 いた構造推計 を行い,シ ミュレーシ ョンによって 転用期待の影響 を分析 し,転用横会の存在が稲作生産の 規模 の潅済性 を阻害 し,生産性の劣 る容細農家の滞留 を 促 していることを示 している.田原 〔84〕 は,転用規制 の実効性 について定量的に検討 し,農用地区域内におい て も転用規制 は不完全であることを指摘 している. 以上の ように,転用期待が農地の流動化 に影響 を及ぼ していることは事実であろう.ただ し,利用権設定によ る流動化の場合 は,短期貸借の更新 を 日的 とし,期 間の 終了 とともに貸借 関係は 自動的に終了するため,転用期 待 が必ず しも農地の流動化 を妨げているとは言 えない可 能性 もある. この点について,神門 〔26〕 は農家が転用 機会遭遇時 に離作科の支払いを迫 られる可能性 を考慮
し
て,農地の貸 し出 しに席捲す る場合がある点 を指摘 して い る.しか し,島本 〔75'第3草〕 によれ ば,1998年における利用権設定の合意解約に伴 う 「耗作補償 な し
」
の割合は,耕作E的の場合 で9
5
.
5
%
,転用E的の場合で あって も83.4% であ る この数値 を見る限 り,
焦作希 tR行はそれほ ど一般的でないように も見 える.いずれに して も,離作科慣行 と農地貸付 の因果関係 について客枚 的なエビデ ンスを等 き出すためにも実態調査を積み上げ る必要があるだろう.特に,転用は事例の固有性が強 く 反映すると考えられることか ら,言説の一般化には客規 的なデータに基づ く褒付けが不可欠である. 転用が農地流動化に与 える影響を定史的に厳舘 に検証 するためには,地区除外の容易さや転用期待確率 を変化 させる外生的なシ ョック (例 えば,首長の交代や近隣地 域への大型 ショッピングセンターの設立)を利用するこ とが考え られるか もしれない.また,転用期待確率が高 い地域は労働市場 も展 開 してお り,兼業率の高 さが涜動 化 と相 関す ることへの配慮 も必要であろう.いずれに し て も,現行の転用規制が不十分である以上,制度設計の 視点か ら効果的な転用規制 についての議論が求め られて いる この点について,神門〔
2
6
)
は 「転用権の入札制 度」 を提唱 しているが.今後の制度設計の1
つの方向と して示唆に富 んでいる.なお,転用規制は.2009年 の 農地法改正で強化されている.6
)
農地 の零細性.分散錯圏 と圃場整備 雌場整備事業は段地の零細性 と分散性 を物理的に解消 す ることで,農地の流動化や集横 を促進する契機となる. 第 1に圃場盤備によって大型機械の導入が容易 となって 農地 を借りやす くな り,軽骨規模 問の生産性格差 も拡大 し.
大規模農家への農地の流動化が進展する.第2
に, 圃場整備 に伴 って行われる換地処分によって,分散 した 農地の集約化が促 される 第3に,国境整備 によって土 地の質が均質化し,農地 に関する情報の非対称性が硬和 され,借入が しやす くなる.第4に,工事 によって土地 に対す る執馨心が薄れて.貸付への忌避感が軽漉 される (国光〔
4
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.
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.
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〕
)
.
第5
に,餌場整備中桑 には,一 定以上の流動化とEE地化が速成できた場合に,事業費に 対する公的な補助が増額 されるとい うソフ ト事業があり, この条件をクリアす るために農地の流動化が一気に進展 することもある. さらに副次的な効果 として,圃場整備 は地域の農地利用や農地銀嶺 を考 えるきっかけや r場」 を創 り出すこ とが指摘されている (安藤 〔5
●pp
.
1
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2
6
〕
)
.
しか し他方で,基盤並備 に よる耕作条件の改善 は,貸 し手農家の生産性向上にも寄与するため,貸付地 の供給が減少する可能性 もある. また,生産性の向上が 地代 の上昇 を引 き起こし.借入の拡大 を制約するか もし れない. 実態 としては,EBl堵整備 は流動化を促進するようであ る.国光〔
4
8
●第5
辛) は.仮想的な農地貸借市境 を想 定 し,囲場整備が流動化に与 える影響を推計 している. その積果,困場整備 が小泉模農家の自作化 と地代の上昇 とい う負の効果 をもたらす一方で,借り手である大及模 農家がそれを上回る借入 を行い,食合的には農地利用の 集積 が促 進 され るこ とを実 証してい る.竹 谷 (90)は 1980年セ ンサスを使って,区画整理実施集落数都合が 高い府県や市町村では,作業 を請け負わせ た農家割合や 軽骨受託展開度が高いことをクロスセクションで明らか に している.また,有本 〔7〕 は新潟県の農業集落 レベ ルのパネルデータを用 いて,
区画整理が耕作放棄地率の 悪化の横和や作業受委託の拡大に寄与 したことを 「差の 差」のマッチング推定 に基づいて厳密 に評価 している この ように開場整備 には生産性の向上や農地の流動化, 集積に一定の効果があるが,事業実施の合意形成は必ず しも容易ではない.合意形成の障書 となるのは.土地改 良事業の実施 に対する地域の合意形成,地権者と借 り手 の間の土地改良の費用負担の分担,お よび換地選定の問 題である. 土地改良事案の実施,およびEd培整備 の費用負担 をめ ぐって,地域内の合意形成を困杜にする要田の1つが, 農家間の非同質性である.近藤〔
4
7
.第5
革) は,団塊 整備中菜に対す る農家の評価を専業 .糞幕別に分けて検 討 し,圃場整備の労働節約効果が主 に大型機械 を保有す る専業農家に見られ,専業農家が兼業農家に比べて鯛場 整備 を高 く評価することにつなが っていると結論付けて いる.この ように,開場登備による効架の帰着の偏在が 合意形成 を左右する可能性がある.ただ し,並備 されて いないEEl場は借入や作業受託 をされに くいことも事実で あ り,圃場整備が兼業農家や′J、規模農家に とって利益が 小 さいとは必ずしも言い切れない. 土地改良の費用を所有者と借 り手の どちらが負担す る べ きか とい う問題は,つまるところ,土地資本を 「土地 所有者が管理すべ き資本,すなわち地主資本 とみ るべ き か,耕作 者が管理 の安着 を負 う耕作 者資本 とみるべ き か」 (生源寺 (79 p.129〕), とい う問題に集約 される. 棚田 〔91) は,貸し手が土地改良の償還金を小作料に転 嫁する形で焚用負担問題に対処 している事例を紹介 して いる 一方,農林水産省経営局構造改善課 〔60〕では, 昨今の米価急落を受けて,土地改良の償還金を借 り手が 負担すると農地賃貸借が阻害 されるとして,貸し手が賛 用負担 を行っているケースを報告 している.この ように, 農地貸借市場 における貸 し手と借 り手の力関係によって, 土地改良の費用負担 の帰着は異なった ものとなっている. 一方,換地選定 とは従前の農地の条件等 を考慮 しなが ら,各農家 を開場整備後の区画に再配置す ることであ り, EEI堵整備 に伴 って集落の換地委月 らの手で粗鼓的に行わ れることが多い.換地選定の ような集団的な意思決定 を 伴 う姐株的な資源配分は,個別的 ・分権的な意思決定に 基づ く市場の資源配分に比べて良家の利害が対立 しやす く.合意形成 は必ず しも容易ではない.やや意外なこと ではあるが, これ までの換地に関す る研究は,農業土木,農地の泳動化と集積をめぐる論点と展望
3
1
農村 計 画 の分 野 で の分析 が大 半 を占め ,石 田 ・木南〔
3
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〕 を除いて,経塀学的なアプローチ はほ とん どなさ れて こなかった.石 田 ・木南〔
3
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〕は,
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年代の3
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区画の圃場整備事業 を対象に,母地団地化方式か現地換 地方式か (簡単 に言えば,農地の団地化を重視す るか, で きるだけ従前地 と同 じ位置の区画に再配置す る継承 関 係 を重視するか)とい う換地の方式が紛争の焦点 となっ た事例 を報告 し,換地紛争のメカニズムについて,経済 学的,社会学的な解釈 を加えている. 実際,現在行われている換地選定の方法 には,「不透 明である」
,
「公平性に欠ける」,
「換地委月に過度の負担 を強いる」 といった課超があ り,さらに換地への農家の 配置にパ レー ト改尊の余地が残 されているケースが多 い. このため,換地選定に対する農家個別の要望 をうまく取 り入れ,透明性が高く,公平で簡便 な換地選定のメカニ ズム・デザインが求め られている. 4. ま とめ と考察 本箱 では,農地流動化 をめぐって,その原動力 (第2 節) と阻害宴閑 (第3節) を中心 に論点整理 と計量分析 を中心 とした近年の既存研 究の レビューを行った.第2 節では,農地流動化の原動力 として,規模 の経済性 と労 働市場の展 開に注 目した.多くの実証研究は,規模 の経 済性が存在す ることを示 してお り,良地流動化の必要条 件は浦たされていると言 える.一方,農外労働市場 の拡 大が農地流動化の促進案Biとなっているかについては, 必ずしも十分 な計量経済学的根拠が なく,今後の課題 と して残されている.規模 の凝析性が存在す る中でなぜ農 地の流動化が進 まないのか,この点 はこれ まで繰 り返 し 議論 されて きたことであ り,本稿でも部分的に整理 した 通 り,多 くの剛度的要因が指摘 されている. 日本の農地をめぐる研究は,詳細 な現地調査に基づい て現場か ら論点を帰納的に積み上げる点に特徴がある. この ような事例研究 は.詳細なデー タその ものが資料 的 な価値 を有する と同時に,新 たな事実 を発掘したり,哩 論的な枠組みを一方的に当てはめず に様 々な論点や視角 を提示した りで きる点 に優位性がある.ただ し,多様 な 事例や視点 を提供す ることは,碁 を返せば論点が個別に 並立す ることを意味す る. よって,林立 した個別具体 的 な論点の本質を抽象化 し,理論化する努力が必要であろ う. また,事例研究 は仮説の提示には有効であるものの, 少数サ ンプルであるがゆえにその検証 には向いていない, したが って,事例研究が提示す る様 々な知見や仮説が ど の程度普遍性 を持つのか,計量的アプローチによる仮説 の統計的な検証が不可欠である. このように,計量分析 は事例研究 と相互補完的に用い られるべきである.しか し,農地に関す るBl外 の研究潮 流 と比戟すると,国外では仮説 を耗計的に検証す る実証 研究が主流であるのに対して,国内のそれは事例研 究に 比べ ると少ないことに気づ く.その要因は,事例研究の アプローチが伝統的に強いこともあるが,制度的な要因 としては稲赦 な計是分析 に耐 えうる ミクロレベルのパ ネ ルデータの 「欠如」が挙げられよう.もっとも,このよ うなデータは公開されていないだけであ り,ひとたび利 用が可能になれば,川崎〔
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〕のような柿赦 な分析が可 能である. より客観的なエビデンスに基づいた政兼の法 論 を行 うために も,早期にデータの公開が実現されるべ きである. 以上 のように,農地 をめぐる研究には,優 れた事例研 究が蓄棟 した多くのフアク ト・ファインデ イングや仮説 を統計的に検証するとい う課題が残されている その際 には,単 に記述統計 を使って実態 を定丑的に叙述するだ けでなく,明確な因果関係の識別戦略に基づいた仮説検 証が求め られ る.不破 〔24〕の展望にある通 り,この仮 説検証に対 す る現在の応用経 済学の 「敷居」, ない し 「安 当性境界」 (藤垣 〔21'p.33〕)は, (少 な くとも国 際水準では)相当に高 くなっていることには智恵が必要 であろう. 計量分析に対す る国際的な要求水準 を踏 まえた今後の 方向性 として,以下の4点 を挙 げてお きたい. 第1は,農家 レベルのパネルデー タを使った分析であ る.r米 及び麦類 の生産費J等の個票データの公 開が不 可欠であ るが,
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7〕 の ように課題 と論点 を絞った うえでオ リジナルのパ ネル データを収集 し,分析す ることも重要であろう. 第2は地域別のパネルデー タを使った分析である 仮 にJq,<家 レベルのデータが得られない として も,地域 レベ ルではかな り多 くのデータが整備 ・公表 されている.El 本の ように気象条件や地形,労働市場の展開皮など様 々 な点で地域差が大きい場合, クロスセ クション分析では 地域 ごとの特性 を十分に コントロールで きない. した がって,データの利用が可能な範囲でパ ネルデー タの分 析 を行うべ きである. これ までの農菜鮭折分野における 計是分析 は,生産関数や準用関数,
利潤 関数の推計 にや や偏 りがちであったが,パネルデータの利用 によってア イデア次第で様 々な仮説検証が可能 となる. 第3
は,G
I
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(地理情報 システム)やGPS
(全地球測 位 システム)な どのIT関連技術の積極 的な活用である 先に述べ たように,農地は 「場所的不動性」や 「集団化 の経済」 などの特性 を持つ ことか ら,闘場のパ ラツキや 移動距離,隣接性 といった地理的 ・空間的な特性が流動 化や集積 に影響す る.GI
S
やG
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を利用す ることで, こう した地理的 ・空間的情報 を容易 に収集・加工で きる ようになるし,水土里ネットを中心 に整備 されている農 地に関わる地理情報の活用 も期待で きる.八木〔
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〕 は この分野の博夫 として参考になるだろう. 第4は,政策や事業のイ ンパ ク ト(プログラム)評価 である.政策効果 をモニ タリングし,その改善 をB]るうえで も,各種 の政 鞍 や事業が政 策 日掛 こ対して どの よ う な成 果 を もた ら したの か を厳 密に評価 す ることが不可欠 で あ る.これ に対 して既存の政 策評価は事 例 調 査 で あっ た り.定食 評価 であって も対 照 群 を設定してい なかった り.評価 基準が不明確 な主税 的評価 で あ る とい う問題 が あ り,薮怒 な政策評価 はほとんど行 われ ていない .優 良 事例の調査 は,ペ ス ト プラクティス の発 掘 に は有効で あるが, 同時に濃密 な定立 的評価 も両 籍 と して行 うべき で あ る.その際 は政兼 EI標とな る成果 指標につ いて .澱 低 隈串 前 と事 後の デー タを とること, で きる限 り適切 な 対照群 の データも とるこ とが必 要 であ る.有効な政 策の 立 案 と英行 の ため に も,適切 な イ ンパク ト評価 が切 に求 め られ ている (証 31). (荘1) 農業の桝蓮改尊とは.「点案軽骨の規模の拡大.農地の 集B)化,楽音のiB入.横棟化その他丘地保有の合理化及び農 業軽骨の近代化」(旧農業基本法第 2粂3)のことである 農 薬の構造間蛇と横道改発の手際よい概枚としては羊苅 〔50) を参照. (鮭2)艦先農家のl戸当た り平均軽骨耕地両帝 は.統計が と れる 1985年の1.33haから2005年の 1.76haへ上昇 している (耗 3) 内生性 の閃唱 はミクロ計丑経済学の分野 で韮斐 なト ビ yクとなっているが.この点に関する研究動向の整理とし て.不破 〔24〕がある. (旺JI) ただ し,これは比較静学を用いた部分均衡分析であ り, 中長期的な動向を分析するには,個別農家の農地常磐が変化 した結氷,農地需給 と小作料が変化することも織 り込んだ分 析が不可欠である.Delnlnger,JLnandNagaraJan〔17)は. 上WL.のモデルに追加的な仮定を艦くことで,農地市場の動 き をモデルに組み込み,小作斜 を内生化した分析 を行っている (社5) 近年の研究 としては,Barrctt.BcILemareand打oo(9〕, およびその引用文献をを鞭. (姓6) 傾向スコ7マyナ ングの枚要 と導入については,To一d (92).CallendoarLdKopelnlg〔10)を参軌 (妊7) 高度経済成&期以降の農家の就菜構造の変化について は,例えば今井 【35)を参照.農村地域Z兼斗入促進法fJ・と に後押 しきれた農村工案化の実意 については,井上 【36〕を 拳.Em, (荘 8) 例えば.倉内 (49)のサーベイに参照されている文献 や,今井 【35)などがある.記述溌計に基づく近年の動向の 竹取については細山 〔33第1章〕を参乱 (荘9) この点について,生瀬寺 中嶋 〔81p.lュo)は 「階層 間の生産性格差の存在をややナイーブに現横拡大の可能性 に 結びつける r梶井理論J と,価格を媒介とする帯給のマッチ ングを想定する要素市坊の理会とのあいだには,埋め られて しかるべき空隙が残されている上うに思 われる」 と溝起 して いる. また.この点に珊わって,葺苅 〔51ニp.166〕は 「や や形式的ではあるが,枚数均衡の枠租みで農地貸借低温の検 証問魅を捉えると,貸借訣Eqを米作所手書のみの讃箸に蜂小化 したために,取引費用の形成と,それが丘家剛の協常 を失敗 させる可能性が虫祝 され,非効率な均衡の存在が排除された ということになる.すなわち