• 検索結果がありません。

カイコにおけるポリコーム複合体の機能解析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "カイコにおけるポリコーム複合体の機能解析"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

カイコにおけるポリコーム複合体の機能解析

李, 志清

九州大学大学院生物資源環境科学府蚕学研究室

https://doi.org/10.15017/25215

出版情報:Kyushu University, 2012, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

氏 名 : 李 志清

論文題目 : FUNCTIONAL ANALYSIS OF POLYCOMB GROUP PROTEINS IN THE SILKWORM, BOMBYX MORI

(カイコにおけるポリコーム複合体の機能解析)

区 分 : 甲

論 文 内 容 の 要 旨

Polycomb group (PcG)タンパク質複合体は、多くの動植物種においてクロマチン修飾を介した遺 伝子発現の抑制の役割を担っており、細胞周期、X 染色体の不活化、ゲノムインプリンティングな どを発生プログラムの進行に従って制御している。発生過程におけるポリコーム複合体の制御機構 はある程度理解されているが、ゲノム工学の急速な発展に伴う大規模解析技術の発展により生み出 される情報は、より複雑で、多様性に富んだポリコーム複合体の制御機構の存在を示唆している。

そこで、本研究では、モデル昆虫であるカイコ Bombyx mori のポリコーム複合体の機能とその制 御機構の解析を行った。

まず、ショウジョウバエで報告されているポリコーム複合体関連遺伝子の情報を基にカイコゲノ ムデータベースより、13 遺伝子を単離・同定した。他の昆虫種との比較解析により、ポリコーム 複合体関連遺伝子はカイコを含む昆虫種で保存されていることを明らかにした。また、これらの遺 伝子がコードするタンパク質が、核に局在すること、プロモーター近傍への結合によりレポーター 遺伝子の発現を抑制することなどから、機能的なホモログであることが強く示唆された。さらに、

ポリコーム複合体中のPRC2 構成因子である BmE(Z)BmESCBmSU(Z)12 RNAiによる遺 伝子発現阻害によって、カイコゲノム中のグローバルなヒストンH3リジン27(H3K27)のトリメ チル化が低下したことから、カイコにおいてもPRC2がH3K27のトリメチル化活性を担っている ことを示した。

次に、カイコポリコーム複合体の標的遺伝子を網羅的に同定するために、4つのポリコーム複合 体関連遺伝子BmSCEBmESCBmPHOBmSCMRNAi により機能阻害し、mRNA発現プ ロファイルの変化をマイクロアレイにより解析した。その結果、4遺伝子の阻害により共通して発 現が上昇した遺伝子は、29 個と少なかったが、BmPHO BmSCMの阻害により共通して発現が 上昇した遺伝子は331個あったことから、これらの2遺伝子はポリコーム複合体と独立に機能でき る可能性があることが示された。BmPho は、そのC-末端Zincフィンガー領域を介してBmScm 直接相互作用しており、BmPho 非存在下では、BmScm は核局在できなかった。これらの結果よ り、BmPhoが結合領域を認識し、BmScmをリクルートすることで、全ポリコーム複合体をアセン ブルすることなく、遺伝子発現を抑制できることを明らかにした。

最後にカイコゲノム上の特定遺伝子について、ポリコーム複合体の制御機構を解析した。標的遺 伝子には、マイクロアレイ解析で同定した29遺伝子の1つasparagine synthetase (BmASNS) を 選定した。RNAiによる遺伝子阻害と変異型プロモーターを用いた詳細な解析により、BmASNS ロモーター上でポリコーム複合体は種々の転写因子と拮抗していることが明らかになった。特に、

BmASNSプロモーター上では上流域のCpG island に近接したYY1(PHO)結合領域が重要であ ること、この領域のH3K27はカイコポリコーム複合体によりトリメチル化されるが、DNAメチル 化は必ずしも必要ないこと、また、この領域を中心に転写活性化因子C/ebp と競合できることを明

(3)

らかにした。さらに、このポリコーム複合体と C/ebp の競合は、細胞周期に依存しており、G1-S 期はC/ebp による転写活性化、G2-M期にはポリコーム複合体による転写抑制が強く機能している ことを明らかにした。

以上の結果より、カイコには少なくとも13個のポリコーム複合体関連遺伝子が保存されており、

H3K27 のトリメチル化を介したクロマチン制御を行っていることを明らかにした。一方、BmPho

とBmScmは全ポリコーム複合体をアセンブルすることなく、遺伝子発現を抑制できることを明ら かにした。さらに、ポリコーム複合体による遺伝子発現制御は、他の転写因子との複雑な相互作用 により成り立っており、その力関係は細胞系譜や細胞周期によっても左右されることを明らかにし た。

参照

関連したドキュメント

期に治療されたものである.これらの場合には

このうち糸球体上皮細胞は高度に分化した終末 分化細胞であり,糸球体基底膜を外側から覆い かぶさるように存在する.

本症例における IL 6 および IL 18 の動態につい て評価したところ,病初期に IL 6 は s JIA/ inac- tive より高値を示し,敗血症合併時には IL

 ヒト interleukin 6 (IL-6) 遺伝子のプロモーター領域に 結合する因子として同定されたNF-IL6 (nuclear factor for IL-6 expression) がC/EBP β である.C/EBP

焼却炉で発生する余熱を利用して,複合体に外

の多くの場合に腺腫を認め組織学的にはエオヂ ン嗜好性細胞よりなることが多い.叉性機能減

2008 ) 。潜在型 MMP-9 は TIMP-1 と複合体を形成することから TIMP-1 を含む含む潜在型 MMP-9 受 容体を仮定して MMP-9

の点を 明 らか にす るに は処 理 後の 細菌 内DNA合... に存 在す る