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瀬戸 内海 における確率波高の推定

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,131‑135. 瀬戸 内海 における確率波高の推定 Estimation. of Return. Wave. 畑 田 佳 男1・ 山 口 正 隆2・ 大 福 Yoshio HATADA,. Masataka YAMAGUCHI,. Shallow water wave hindcasting. Height. in the Seto Inland. 学3・ 野 中 浩 一4・. 森. Sea 正 憲5. Manabu OHFUKU, Hirokazu NONAKA and Masanori MORI. for each of many intense storms in the past 23 to 29 years is conducted. separately in. 3 sea areas of the Seto Inland Sea. The wind distributions are made on the basis of a spatial interpolation of wind data measured at many sea and coastal stations. An extreme value analysis yields estimates of 50-year return wave height and its confidence interval in the areas. A hindcast-based. return wave height at each of 10 measurement. stations is shown to. give reasonable estimates. The return wave height is 9-11 m in the sea areas connected to the open sea, 7 m in the strip areas of the inner sea where open sea waves propagate directly and a maximum of 5 m in the area dominated by local wave generation. A reanalysis of data in the public domain produces a rough agreement with the present estimate .. 1.. す る極 値 統 計 解 析 に基 づ い て 瀬 戸 内海 に お け る確 率 波 高. 緒 言. と そ の信 頼 区 間 を推 定 した の ち,観 測 資 料 を 用 い て推 定 わ が 国 の 沿 岸 海 域 に お いて は,内 海 や 内 湾 を 含 め て 海. した確 率 波 高 との 比 較 ・検 討 よ りそ の妥 当 性 を検 証 す る. 岸 ・港 湾 構 造 物 の計 画 ・設 計 に 際 して の基 礎 資 料 と な る. と と もに,確 率 波 高 の空 間 分 布 の特 性 を 考 察 す る.ま た,. 確 率 波 高 の 推 定 が 関係 各 機 関 で 行 わ れ て い る が,そ. 高 松 技 調 に よ る資 料 を解 析 して 得 た確 率 波 高 の空 間分 布. の結. 果 が 論 文 と して 公 表 され て き た こ と は ほ とん ど な い.因. との 比 較 ・検 討 を 行 う.. み に,わ が 国 最 大 の 内 海 で あ る瀬 戸 内 海 に お け る確 率 波 高 の推 定 に関 して は,大 阪 湾 を対 象 と して 有 義 波 法 を 用. 2. 波 浪 推 算 と 極 値 統 計 解 析 の 方 法. い た合 田 ・永 井(1969)の 古 典 的 な研 究 や,播 磨 灘 以 西 の. (1) 海 上 風 分 布 資 料 の作 成. 海 域 を 対 象 と して ス ペ ク トル 法 を 用 い た 山 口 ら(2002,. 波 浪 推 算 は,計 算 時 間 や計 算 機 の容 量 な どを 考 慮 に入. 2004)の 研 究 事 例 が あ る に す ぎ な い が,ご て,瀬. く最 近 に な っ. 戸 内 海 全 域 を 対 象 と して ス ペ ク トル法(WAM)を. れ て,(1)周 防灘 ・伊 予 灘 ・豊 後 水 道 ・安 芸 灘 ・斎 灘 か ら な る西 部 海 域,(2)燧 灘 ・備 後 灘 ・水 島灘 か らな る 中部 海. 用 い た多 くの ス トー ム に 対 す る波 浪 推 算 資 料 や確 率 波 高. 域,(3)播 磨 灘 ・大 阪 湾 ・紀 伊 水 道 か らな る 東 部 海 域,の. の 推 定 値 が,以 下 で は 高 松 技 調 と称 す る国 土 交 通 省 四 国. 3小 海 域 で 別 々 に 行 う こ とか ら,波 浪 推 算 の対 象 とす る. 地 方 整 備 局 高 松 港 湾 空 港 技 術 調 査 事 務 所(2005)か. ス トー ム時 の海 上 風 分 布 資 料 も各 海 域 に高 波 を も た ら し. ら提 供. され る よ うに な って い る.し か し,こ れ らの 推 算 事 例 で は海 上 風 の推 定 を 主 に周 辺 地 形 の影 響 を 含 ま な い 台風 モ. た ス トー ム に対 して 別 個 に作 成 す る. 各 小 海 域 に お け る海 上 風 資 料 は,図‑1に. 示 す瀬 戸 内. デル 法 に よ って お り,し か も観 測 資 料 との 比 較 に基 づ く. 海 全 域 の 海 上 部 や 沿 岸 部 に位 置 す る最 大57地 点 の 観 測 風. 波 浪 推 算 の妥 当 性 の検 証 も ほ とん ど行 わ れ て い な い こ と. 資 料 の1時 間 間 隔 値 と,外 洋 部 境 界 上7地 点 の 台 風 モ デ. か ら,確 率 波 高 の 推 定 結 果 の 信 頼 性 に 不 明 確 さ が残 る.. ル 風 を 埋 込 ん だ 格 子 間 隔80kmのECMWF表. 面 風 解 析/再. そ こ で こ こで は,瀬 戸 内海 に お い て1978年 以 降 の23〜. 解 析 資 料 の1時 間 間 隔 補 間 値 に加 重1次. 補 間 法 を2段 階. 29年 間 の観 測 風 資 料 か ら求 め た 多 数 の ス トー ム時 の海 上 風 分 布 を入 力 条 件 とす る浅 海 波 浪 推 算 を行 い,瀬 戸 内 海 の 全 域 に広 範 に 分 布 す る多 くの 波 浪 観 測地 点 に お け るス トー ム時 最 大 波 高 に対 す る推 算 資 料 と観 測 資 料 の比 較 か らそ の 精 度 を 確 認 す る.つ い で,波 高 の極 大 値 資 料 に 対. 1正 会 員. 博(工)愛媛大学大学院理工学研究科講師. 2正 会 員. 工博. 3愛 4正 会 員 5修(工)戸. 愛媛大学大学院理工学研究科 教授 媛大学工学部技術専門職員. 博(工)愛媛大学工学部契約職員 田建設(株). 図‑1. 風入 力地 点 およ び波浪 推算小 領域.

(2) 132. 海. で 適 用 して 作 成 した 格 子 間 隔2kmの. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 瀬戸 内海全域 の海. 上 風 の デ ー タ セ ッ ト(山 口 ら,2007)か ら,台 風 な どの2 〜4日 間 の ス トー ム 時 の デ ー タを 抽 出 す る.期 間 は1983 〜2005年 の23年 で あ る.こ の ほ か,西 部 海 域 で は1978〜. 3. 波 浪 推 算 精 度 の 検 証 (1) 波 浪 観 測 資 料 瀬 戸 内 海 の 西 部 海 域 で は,か. つ て 伊 予 灘 の 伊 予(1962. 1982年 と2006年 の18ケ ー ス,東 部 海 域 で は1978〜1982年. 〜1986年)と. の16ケ ー ス の ス トー ム に対 して別 個 に同 様 の方 法 で 海 上. い は現 在 に 至 る まで 周 防灘 の 苅 田 と上 関,別 府 湾 の大 分,. 風 分 布 を 作 成 し,使 用 す る.結 局,西. 佐 田 岬(豊 後 水 道 側),広. 部 海 域 で は1978〜. 2006年 の29年 間117ケ ー ス(台 風64ケ ー ス,低 気 圧 ・季 節 風53ケ ー ス),中 部 海 域 で は1983〜2005年. の23年 間95ケ ー. 斎 灘 の 菊 間(1968〜1997年)に. お いて ,あ. 島 湾 の 出 島(終 了)と ご く近 くの. 草 津 で 長 期 に わ た る観 測 資 料 が 得 られ て い る.た だ し, 出 島 と草 津 の 入手 資 料 の ケ ー ス数 は限 られ る.こ の ほ か,. ス(台 風53ケ ー ス,低 気 圧 ・季 節 風42ケ ー ス),東 部 海 域. 佐 田 岬 先 端 で3年 間,伊. で は1978〜2005年. 和 気 海 岸 で 約3ヶ 月 間 の 観 測 資 料 も存 在 す る し,ご. の28年 間66ケ ー ス(台 風26ケ ー ス,低. 気 圧 ・季 節 風40ケ ー ス)を 対 象 とす る.. く最. の観 測 資 料 に加 え て,波 浪 推 算 の 期 間 内 で は大 分 の鶴 崎 中 で 範 囲 を 示 す 格 子 間 隔1kmの. 部 海 域,東. に お け る20年 以 上 前 の 少 数 ケ ー ス の 観 測 資 料 も あ る.こ. 部 海 域 の3小 海 域 で 観 測 風 資 料. よ り得 た1時 間 ご と の2km間 して 与 え て,段. 予 灘 の 長 浜 と斎 灘 奥 部 の 松 山港. 近 の3台 風 時 の岩 国,広 島,三 田尻 に お け る橋 本 ら(2007). (2) 波 浪 推 算 の 方 法 波 浪 推 算 は,図‑1の 西 部 海 域,中. る. 隔 海 上 風 分 布 を入 力 条 件 と. 波 モ デ ル付 格 子 点 浅 海 モ デ ル(山 口 ら,. こで は,伊 予,苅. 田,上 関,大 分,佐. 田 岬 に お け る波 高. の極 大 値 資 料 を用 い て50年 確 率 波 高 と そ の 標 準 偏 差 を求 め る.ま た,こ. れ ら5地 点 とケ ー ス数 が 限 られ る 出 島 や. 1984)に よ り時 間 間 隔1分 で 行 う.海 上 風 分 布 の 入 力 時. 草 津,佐. 田 岬 先 端,長. 間 間 隔 は20分 で あ り,1時. 田尻,鶴. 崎 の資 料 を ス トー ム別 最 大 波 高 の比 較 検 証 用 資. 間 ご との 海 上 風 分 布 資 料 を 時. 間 に 関 して20分 ご と に 線 形 補 間,空 とに4点 双1次. 間 に 関 して1kmご. 間,岩. 国,広 島,三. 料 に用 い る.. 補 間 した もの を20分 の 間一 定 と して 計 算. を 進 め る.周 波 数 デ ー タの 個 数 は0.047〜1Hz間. 浜,和 気,菊. を不等分. 東 部 海 域 で は,播 磨 灘 の兵 庫 県 沿 岸 に あ る 江井 ヶ島, 香 川 県 沿 岸 に あ る津 田,三 本 松,引. 田 と高 松,大. 阪湾 内. 割 し た20個,方. 向 デ ー タの 個 数 は0〜360° を20°で 等 分. の神 戸,大. 割 し た19個,あ. る い は10〜20° で 不 等 分 割 した24個(西. 南,由 良 瀬 戸,小 松 島 と南 側 海 域 の 御 坊 で 観 測 資 料 が 得. 部 海 域)ま た は37個(東 部 海 域)で あ る.巨. 大 台 風 時 にS. 阪,MT局. お よ び紀 伊 水 道 北 部 海 域 の沖 ノ 島. られ て い る.こ の うち,観 測 期 間 が長 い江 井 ヶ島,神 戸,. 方 向 か ら の異 常 波浪 が 西 部 海 域 の 豊 予 海 峡 や 東 部 海 域 の. 大 阪,MT局,小. 友 ヶ島 水 道 ・鳴 門海 峡 か ら内海 ・内 湾 に伝 播 す る場 合 に. て50年 確 率 波 高 と そ の 標 準 偏 差 を 求 め る.こ れ らの5地. は,こ れ を 適 正 に評 価 す る た め に,分 割 数 を増 や した不. 点 に加 え て,残. 等 間 隔 の 方 向 デ ー タを 使 用 す る.. 戸,沖. 松島 にお ける波高 の極大値 資料 を用 い. りの津 田,三 本 松,引. 田,高 松,由. 良瀬. ノ 島 南,御 坊 に お け る観 測 資 料 を ス トー ム別 最 大. 西 部 海 域 と東 部 海 域 で は,外 洋 に 接 続 す る南 側 境 界 上. 波 高 の比 較 検 証 用 資 料 に 用 い る.中 部 海 域 で は海 域 西 端. の代 表 格 子 点(図‑1に ×印 で 示 す豊 後 水 道 上 の3地 点 と紀. に あ た る愛 媛 県 の 今 治 を 除 いて 観 測 資料 は得 られ て い な. 伊 水 道 上 の4地 点)に,上. い.な. お,そ れ ぞ れ の観 測 地 点 の位 置 は紙 数 の制 約 の た. め,後. 出 の 図‑3に 与 え る.. 述 のECMWF風. 資 料 と観 測 風 資. 料 を入 力 条 件 と す る1点 浅 海 モ デ ル(山 口 ら,1987)に. よ. り計 算 した 方 向 ス ペ ク トル を入 力 境 界 条 件 と して与 え る. 計 算 に は 格 子 間 隔5kmの. 北 西 太 平 洋 と0.5kmの 瀬 戸 内 海. よ りな る2段 階 高 地 形 解 像 度 格 子 網 を用 い る.な. お,中. 部 海 域 は周 囲 が 陸 地 で 囲 まれ た 閉海 域 と仮 定 す る.. (2) ス トー ム 別 最 大 波 高 の 比 較 図‑2は 西 部 海 域 と東 部 海 域 に位 置 す る上 述 の全 観 測 地 点 で の ス トー ム別 最 大 波 高 に 対 す る推 算 結 果 と観 測 結 果 の 比 較 を 表 す.図 中 に は誤 差 指 標 と して 相 関 係 数 ρ(Hs). (3) 極 値 統 計 解 析 の方 法. と原 点 を 通 る相 関 直 線 の勾 配 値a0(Hs)を 与 え る.推 算 波. 各 海 域 で そ れ ぞ れ の ス トー ム時 の格 子 点 別 最 大 波 高 資. 高 は 東 部 海 域 に お いて 高 波 高 部 で 観 測 波 高 よ りや や大 き. 料 を 集 め て作 成 した格 子 点 別 の 波 高 極 大 値 資 料 に対 して, Gumbel分 布,Weibull分. 布(形 状 母 数k=0.5〜10の27種. FT‑II型 分 布(形 状 母 数k=2.5〜40の. 間 の20種 類)を 候 補. 分 布 と し,母 数 の推 定 を最 小2乗 法,最 最 大 相 関 係 数 基 準,確. を 適 用 す る.極. 適分布 の選択 を. 率 波 高 の分 散 の推 定 をjackknife法. に よ るYamaguchi・Hatada(1997)の. 数(N),資. 類),. 極値 統計解 析 モデル. 大 値 資 料 は,資 料 年 数(K)の2倍. 料 総 数NT=N=2Kと. の資料. して 解 析 す る.ま た,波 高. 極 大 値 の 観 測 資 料 に 対 して も同 様 の 解 析 を行 う.. 図‑2. ス トー ム別 最 大 波 高 の 比 較(1).

(3) 瀬 戸 内海 にお ける確率 波高 の推 定. 133. め の傾 向 にあ る け れ ど も,平 均 的 に み れ ば,い ず れ の 海. 4.61mで あ る か ら,観 測 資 料 に基 づ く確 率 波 高 は 低 め の. 域 で も推 算 波 高 は観 測 波 高 と ほ ぼ符 合 す る.こ れ ら は相. 推 定 値 を と る.こ れ は,観 測 資 料 と推 算 資 料 に お け る第. 関 係 数 と勾 配 値 が と も に1に 近 い 値 を と る こ とか ら,統. 1位 波 高 値 が そ れ ぞ れ7.28mと9.36mで. 計 的 指 標 の有 意 性 に よ って も支 持 さ れ る.. い て も同 様 で あ る し,神 戸 に つ い て も言 え る.い ず れ に. あ る佐 田 岬 に お. (3) 確 率 波 高 の 比 較. し ろ,推 算 資 料 に 基 づ く確 率 波 高 の 推 定 値 は,観 測 資 料. 表‑1は 波 高 極 大 値 に つ い て の推 算 資 料 と観 測 資 料 の. に基 づ く値 に近 い 値 を と る か,あ. 期 間 と年 数,お. る い は よ り大 き い値 を. よ び これ らの 資 料 に基 づ く50年 確 率 波 高. 与 え る こ とか ら,妥 当 な結 果 と推 測 さ れ る.確 率 波 高 の. と そ の 標 準 偏 差 の一 覧 を西 部 海 域 と東 部 海 域 の各5地 点. 標 準 偏 差 につ い て は,推 算 資 料 と観 測 資 料 に基 づ く値 の. につ い て示 す.観 測 資 料 に基 づ く波 高 極 大 値 資 料 は 電 子. 大 小 関 係 が 観 測 地 点 ご と に異 な る こ とか ら,必 ず し も地. 化 さ れ た 定 時 デ ー タ の ほ か,観 測 資 料 の 期 間 を延 長 す る. 点 間 で 系 統 的 な 傾 向 は見 出 さ れ な い.. た め に観 測 台 帳 や 既 存 の 報 告 書 な ど を 踏 査 して 作 成 して い る.こ の 結 果,江 井 ヶ島 と小 松 島 で は年 最 大 波 高 資 料. 4. 確 率 波 高 の 空 間 分 布. と して 極 値 統 計 解 析 を行 って い る.長 期 にわ た る波 浪 の. (1) 瀬 戸 内海 の 小 海 域 別 確 率 波 高. 観 測 資 料 は,異 常 波 浪 時 の 欠 測 や記 録 の 不 備,波 高 計 機. 図‑3は 瀬 戸 内 海 の 西 部 海 域,中. 種(水 圧 式,超. 音 波 式,ブ. 部海域 および東部海域. 高 計設置水深 の変更. に お け る50年 確 率 波 高H50と そ の 標 準 偏 差Hσ50の空 間 分 布. な ど に付 随 す る質 的 問題 を 伴 う.因 み に,推 算 資 料 の 期. を 示 す.西 部 海 域 で は,50年 確 率 波 高 は豊 後 水 道 境 界 端. 間 は1978〜2006年(西. イ 式),波. 部 海 域)あ る い は1978〜2005年(東. の11mか. 部 海 域)で あ る の に 対 して,観 測 資 料 の 期 間 は 地 点 ご と に大 き く異 な る.た 1962〜1986年. と え ば,伊. 予 に お け る観 測 期 間 は. で あ り,推 算 資 料 の 期 間 と9年 間 の み重 複. ら豊 予 海 峡 の9mを. と り,こ. 岸 の 山 口 県 下 松 付 近 に 向 け て7mに. れ がNW方. 向 に対. な る.ま た,豊. 予海. 峡 か ら下 松 に か けて の細 長 い海 域 か ら放 射 状 に50年 確 率 波 高 は小 さ くな り,周 防 灘 西 部 で4m,伊. 予 灘 東 部 で5m. す る.極 値 事 象 の定 常 性 を 仮 定 す る と,対 象 期 間 の 相 違. 近 く,別 府 湾 で も5m近. は確 率 波 高 推 定 値 に あ ま り影 響 しな い と考 え られ る.ま. 広 島 湾 で3〜4mで. た,年 数 欄 の()内. 波 浪 が 到 達 す る豊 予 海 峡 か ら下 松 付 近 にか け て の ス ト リッ. の数 値 は実 質 的 に 観 測 資 料 が得 られ. く の値 を と る.斎 灘 や 安 芸 灘,. あ る.要. す る に,外. 洋 か ら伝 播 す る. た 年 数 を 示 して お り,佐 田 岬 で5年 間,大 阪 で4年 間,小. プ 状 の 海 域 に お け る50年 確 率 波 高 は,外 洋 沿 岸 部 で の毎. 松 島 で3年 間,神. 年 最 大 波 高 ク ラス の 波 高 に 匹 敵 す る大 き さ を もつ.50年. 戸 で2年 間,苅. 田 で1年 間 の観 測 資 料 を. 欠 く.極 値 統 計 解 析 に お い て観 測 期 間長 を 資 料 年 数Kと. 確 率 波 高 の 標 準 偏 差 は0.9m以 下 で あ り,確 率 波 高 と と. す る の で,こ れ らの地 点 で は観 測 資 料 に 基 づ く確 率 波 高. もに 増 加 す る.し か し,伊 予 灘 東 部 で は確 率 波 高 に比 べ. は多 少 低 め に 評 価 さ れ る可 能 性 もあ る.. て 標 準 偏 差 が 大 き い.こ れ は第1位 波 高(台 風9119号 時). 各 海 域 に お け る比 較 地 点 は,推 算 資 料 と観 測 資 料 に基 づ く確 率 波 高 推 定 値 が比 較 的 よ く符 合 す る5地 点(上 大 分,江. 井 ヶ島,大. 阪,MT局)と. 果 が よ り大 き い5地 点(伊 松 島)に. 予,苅. 関,. 推 算 資 料 に 基 づ く結 田,佐. 田 岬,神. 戸,小. 料 に お け る 第1位. とえ ば,伊 予 にお け る観 測 資. 波 高 は 季 節 風 時 の3.25mで. 対 して,推 算 資料 に お け る第1位. あ るの に. 波 高 は台 風9119号 時 の 表‑1. 高 比(Hσ50/H50)の%. 広 範 な海 域 で8〜10%の. 値 を と る.. 中 部 海 域 に お い て は,50年 確 率 波 高 は燧 灘 中 央 部 の東. 大 別 さ れ る.後 者 は最 上 位 付 近 の 観 測 値 を 欠 く. こ と を主 な 原 因 とす る.た. が 突 出 した 値 を 示 す た め で あ る.波. 値 で あ る変 動 係 数 は16%に 達 す る伊 予 灘 東 部 を 除 け ば,. 西 方 向 を 境 と して,南 か ら3.5m,北. 側 に あ た る愛 媛 県 側 の 海 域 で3m. 側 に あ た る岡 山 県 側 の 海 域 で3.5mか. と な って お り,岡 山 県 側 の海 域(備 後 灘)で0.5m大. ら4m き い.. 確 率 波 高 の標 準 偏 差 は確 率 波 高 に連 動 して お り,大 略 と. 確率 波高 の比 較. *AnnualMaximum Wave Height.

(4) 134. 海. 岸. 工. 学. 論. 集. 第55巻(2008). (a)‑1 西 部 海 域 に お け るH50. (b)‑1 中 部 海 域 に お け るH50. (c)‑1 東 部 海 域 に お け るH50. (a)‑2 西 部 海 域 に お け るHσ50. (b)‑2 中 部 海 域 に お け るHσ50. (c)‑2 東 部 海 域 に お け るHσ50. 図‑3. 瀬 戸 内 海 の 西 部 海 域,中. 部 海 域,東. 部 海 域 に お け る50年 確 率 波 高H50と そ の 標 準 偏 差Hσ50. して 確 率 波 高3mで0.2m,3.5mで0.3m,4mで0.4mを る.変 動 係 数 は燧 灘 中 央 部 で5〜7%,愛 岡 山県 側 で10〜12%を. と. 媛 県 側 で8%,. 央 部 の4mか. 示 す.. と る.ま た,家. 松 近 くで3m,淡. さ い.要. 側の. 路 島 西 岸 で3mを. 島背 後 の 兵 庫 県 沿 岸 で は家 島 の遮 蔽 効 果. を受 け る こ とか ら,50年 す る に,播. 兵 庫 県 側 で 大 き い.標. 阪 湾 で6〜9%で. 動係 数 は. あ り,大 阪 方 向 に. 向 う ほ ど 大 き い け れ ど も,突 出 した値 を と らな い.. ら家 島 南 側 や 兵 庫 県 姫 路 付 近 の5m,南. 香 川 県 沿 岸 で4m,高. 〜0 .6mで あ り,淡 路 島 北 部 東 側 で 大 き い.変 紀 伊 水 道 で6〜7%,大. つ い で 東 部 海 域 の う ち播 磨 灘 で は,50年 確 率 波 高 は 中. 1m小. 文. 確 率 波 高 は4mと. 家 島南側 よ り. 磨 灘 に お け る50年 確 率 波 高 は. 準 偏 差 は お お む ね0.2〜0.8mの. 範. な お,瀬 戸 内 海 の各 小 海 域 に お け る1978年 以 降 の 期 間 最 大 波 高 は ほぼ1991年 以 降 の 台 風 に よ って 生 じて い る. (2) 既 往 の 結 果 と の比 較 高 松 技 調(2005)は,地 WAMに. 形 解 像 度1/32°(約3km)で. 深海. よ り1951年 か ら2003年 に 至 る53年 間165ケ ー ス. の ス トー ム に対 して 波 浪 推 算 資 料 を得 て い る.こ こ で は, これ か ら抽 出 した 格 子 点 別 波 高 極 大 値 資 料 を 用 いて50年. 囲 に あ り,確 率 波 高 に対 応 して 大 き くな る.た だ し,兵. 確 率 波 高 を推 定 し,今 回 の結 果 と比 較 す る.極 値 統 計 解. 庫 県 側 の江 井 ヶ島 西 側 沿 岸 や 香 川 県 南 部 あ る い は鳴 門 海. 析 は これ ま で と 同 じYamaguchi・Hatada(1997)の. 峡付 近 で は確 率 波 高 に比 べ て 標 準 偏 差 の値 が か な り大 き. に よ る.資. い.変. NT=N=2K=106と. 動 係 数 は5〜15%で. あ り,10%前. 後 の 値 を と る海. 域 が 多 い. 確 率 波 高 は紀 伊 水. ら友 ヶ島 水 道 や 鳴 門 海 峡 に か けて の. 8mに 減 少 す る.大 阪 湾 で は,友 け て 淡 路 島 東 部 沖 合 に7m域 け て 放 射 状 に3mに. モデ ル. 料 総 数 と資 料 数 は. す る.. 図‑4は ス トー ム別 最 大 波 高 に対 す る推 算 資 料 と観 測 資. 大 阪 湾 ・紀 伊 水 道 に お い て は,50年 道 南 側 海 域 の12mか. 料 年 数 はK=53,資. ヶ 島 水 道 か ら北 側 に 向. が 延 び,こ. こ か ら東 側 に 向. ま で 小 さ くな る.鳴 門 海 峡 か ら播 磨. 灘 に入 る と,50年 確 率 波 高 は3〜4mに. 急 減 す る.50年. 率 波 高 の 標 準 偏 差 は 紀 伊 水 道 で0.6〜0.8m,大. 確. 阪 湾 で0.2. 料 の比 較 を 西 部 海 域 と東 部 海 域 に分 け て 示 す.図. によれ. ば,推 算 結 果 は観 測 結 果 よ り大 き い値 を 与 え,散 布 図 に お け る プ ロ ッ ト点 の ば らっ き も大 き い.こ. の挙 動 は有 意. な 程 度 に1よ り小 さ い相 関 係 数 ρ(Hs)と1よ り大 き い勾 配 値a0(Hs)と い う統 計 的 指 標 に よ っ て代 表 され る. 図‑5は 瀬 戸 内 海 全 域 に つ い て の50年 確 率 波 高 を示 す. そ の 標 準 偏 差 は0.2〜0.8m,変. 動 係 数 は3〜8%で. あ り,.

(5) 瀬 戸 内海 にお け る確率 波高 の推 定. 135. 5. 結 語 本 研 究 で得 た 結 果 はつ ぎ の よ う に要 約 さ れ る. (1)観測 風 よ り得 た 海 上 風 分 布 を 入 力 条 件 とす る波 浪 推 算 の 精 度 は良 好 で あ り,確 率 波 高 を 適 切 に推 定 で き る. (2)推算 資 料 に基 づ く確 率 波 高 は観 測 資 料 に基 づ く結 果 と お お む ね 符 合 す るが,最 上 位 値 付 近 の観 測 資 料 を 欠 く場 合 に は,よ 図‑4. ス トー ム別 最 大 波 高 の 比 較(2). り大 き い値 を与 え る.後 者 の傾 向 は下 限 値 を. 上 まわ る と い う意 味 で 妥 当 な評 価 で あ る. (3)50年 確 率 波 高 は豊 後 水 道 や 紀 伊 水 道 の 境 界 で11m,. 突 出 した 値 を と らな い(図 省 略).西. 部 海 域 に お い て は,. 50年 確 率 波 高 は豊 後 水 道 入 口 で14m,豊 m,豊. 予 海 峡 か ら下 松 にか け て7m,周. m,伊. 予 灘 東 部 で4m以. 斎 灘 で3m以. 下,別. 内 湾 ・内 海 入 口 で9m,外. 洋 波 浪 が 直 接 入 射 す る内 海 部. 予 海 峡 で8〜10. で7m,内. 海 波 浪 が卓 越 す る海 域 で 地 形 の 状 況 に応 じて. 防 灘 西 部 で4〜5. 3〜5mと. 見 積 も られ る.標 準 偏 差 は平 均 的 に 確 率 波 高 の. 府 湾 で4〜5m,安. 芸灘 や. 下 と な って い る.豊 後 水 道 を除 い て,こ. 10%程 度 を と る.. れ. (4)既往 資 料 の再 解 析 に基 づ い て 得 た瀬 戸 内 海 の50年 確 率. らは今 回 の 結 果 と比 較 的 よ く対 応 して い る よ うに み え る. 波 高 は今 回 の結 果 と定 性 的 に 符 合 し,定 量 的 に も あ る程. が,伊 予 灘 で は1m程. 度 対 応 す る が,豊 後 水 道 や紀 伊 水 道 お よ び 大 阪 湾 で は 今. 度 低 い.. 中部 海 域 に お い て は,50年. 確 率 波 高 は燧 灘 中 央 部 の3. mか ら西 側 の愛 媛 県 沿 岸 海 域 の3.5m,東. 側 の 海 域 で3m. 回 の 結 果 と比 べ て 大 き め の値 を 与 え る. 最 後 に,多 量 の 風 お よ び 波 浪 観 測 資 料 を 提 供 戴 い た 関. 以 下 と な って い る.こ の 挙 動 は西 側 の 海 域 で は今 回 の 結. 係 各 機 関 に謝 意 を 表 す る と と も に,NOWPHASに. 果 と符 合 す る が,東. 浪 観 測 資 料 を 用 い た こ とを付 記 す る.. 側 の海 域 で は 燧 灘 中 央 部 よ りNE方. よ る波. 向 に 向 け て 波 高 が 増 大 す る今 回 の結 果 と対 応 しな い. 東 部 海 域 の う ち播 磨 灘 にお い て は,灘 の 中 央 部 南 側 か ら兵 庫 県 沿 岸 で4〜5m,香 側 で3〜3.5mと. 川 県 沿 岸 で3.5m,淡. な って い る.こ. 路 島西. れ らの 値 は今 回 の結 果 と. お お む ね 定 性 的 に対 応 す る けれ ど も,香 川 県 沿 岸 にお い て0.5m程 度 小 さい. 大 阪 湾 ・紀 伊 水 道 に お いて は,50年 水 道 で12m,淡. 確 率 波 高 は 友 ヶ島. 路 島東 側 の 海 域 で10m域. 友 ヶ島 水 道 の 対 岸 に あ た る 明 石 で,波 大 阪 湾 南 部 に 向 け て4mに 今 回 の 結 果 と比 べ る と,友. ヶ島 水 道 沖 で3m,友. き い.こ. ヶ島 水. こか ら東 側 の 大 阪. の相 違 は,波 浪 推 算 の 期. 間(53年)が 今 回 の対 象 期 間(28年)よ 高 を含 み,そ. と り,. ま で 小 さ くな る.要 す る に,. 道 か ら明 石 に 向 けて の海 域 で2m,こ 湾 東 部 海 域 で1〜2m大. を 形 成 して い る. 高 は8mを. り長 い た め に 異 常 波. の結 果 と して 確 率 波 高 推 定 値 が 大 き く な る. こ と や,地 形 解 像 度 が 相 対 的 に低 い た め に友 ヶ島 水 道 か ら過 大 な 波 浪 が 流 入 す る こ と に よ る と推 測 さ れ る.. 参. 考. 文. 献. 合田良実 ・永井康 平(1969): 大 阪湾 にお ける台 風時波浪 の数値 計算, 第16回 海岸 工学講演会講 演集, pp.75‑84. 国土 交通省四国地方整備局 高松港湾空港技術調査事務所(2005): 確率沖波 推算 システム, CD‑ROM. 橋本 典明 ・萩 本幸将 ・杉浦 邦明 ・松藤絵里子 ・鈴 山勝之(2007): 内海 ・内湾域 を対象 とした波 浪推算 モ デルの高精度 化 に向 けた検討, 海岸工学論 文集, 第54巻, pp.126‑130. 山 口正隆 ・畑 田佳 男 ・細野浩司 ・日野幹雄(1984):エ ネルギー 平衡 方程式 に基づ く浅海波 浪の数値 予知 モデル につ いて, 第31回 海岸工学講 演会論文集, pp.123‑127. 山 口正 隆 ・畑 田佳 男 ・宇都宮 好博(1987): 一 地点 を対 象 と し た浅 海波浪推算 モデル とその適 用性,土 木学 会論文 集,第 381号/II‑7, pp.151‑160. 山 口正隆 ・畑 田佳 男 ・野中浩一 ・大福 学 ・小出健太郎(2002): 瀬戸 内海西部 海域 にお ける高 潮 ・波 高の極値 の推定,海 岸 工学論 文集, 第49巻, pp.256‑260. 山 口正 隆 ・野 中浩一 ・畑 田佳男 ・大福 学 ・増 田 真慈(2004): 燧灘 お よび播 磨灘 にお ける台風時波 高 の極 値の推定, 海岸 工学論文 集, 第51巻, pp.171‑175. 山 口正隆 ・日野幹 雄 ・大福 学 ・畑 田佳 男 ・野 中浩 一(2007): 内湾 ・内海 にお ける波浪 の長 期推算 システムの構築‑瀬 戸 内海 の場 合‑, 海 岸工学論文集, 第54巻, pp.106‑110.. Yamaguchi,M. and Y. Hatada (1997): An extremalanalysissystem and its applicationto theestimationof extremesof meteorological and oceanographicelements around the coasts of Japan, Proc. WAVES97,Vol.2, pp.932-946.. 図‑5. 瀬戸 内海 にお け る50年確 率波 高H50.

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参照

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