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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

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(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

Achmad Adhipatria Perayabangsa Kartamihardja 印

(学位論文のタイトル)

Impact of impaired renal function on gadolinium retention after administration of gadolinium-based contrast agents in a mouse model.

腎不全マウスモデルによるガドリニウム造影剤投与後の臓器残留に関する腎機能の影響につい ての研究

(学位論文の要旨)

【背景と目的】

腎性全身性線維症(Nephrogenic Sclerotic Fibrosis; NSF)は、腎機能低下患者にMRI用のガドリニウ ム造影剤(Gd造影剤)使用した場合に生じることがある重篤な副作用である。この疾患は、全身の皮膚 が痛みとともに硬化するもので、進行すると関節拘縮を生じるが、腎機能障害のためにGd排泄が遅延 し、体内に残留したGdがこの疾患を惹起すると考えられている。Gd造影剤は、そのキレートの種類に より、直鎖型Gd造影剤と環状型Gd造影剤の2種類に分類される。本研究の目的は、Gd造影剤のキレー ト構造と腎機能障害の有無が、Gd体内残留にどのように影響するかを明らかとすることにある。

【方法】

正常腎機能マウス(n = 23)と腎不全マウス(n = 26)に、Gd-DTPA-BMA (直鎖型Gd造影剤) あるいは Gd-DOTA (環状型Gd造影剤) を、週5日で4週間にわたり連続的に投与した。投与終了後3日(短期)

もしくは45日(長期)後にマウスを安楽死させ、質量分析計(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry; ICP-MS)にて各臓器(脳・肝臓・脾臓・骨・皮膚・腎臓)のGd残留量を測定した。GdCl3(n

= 12)あるいは生理的食塩水(n = 12)を投与したマウスをコントロールとした。

【結果】

正常腎機能・腎不全マウスのいずれでも、Gd-DTPA-BMA投与群ではGd-DOTA投与群に比べて、

どの臓器でもGd残留量が多かった(p <0.01)。Gd-DTPA-BMA投与の短期待機群では、肝臓・骨・脾 臓・脾臓・腎臓におけるGd残留量が、正常腎機能マウスに比べ腎不全マウスで多かった(p <0.01)。し かし、長期待機群ではこのような差は認められなかった。Gd-DOTA投与群では、長期待機群の肝臓 へのGd残留についてのみ、正常腎機能・腎不全マウスの間に差が認められた(p <0.05)。GdCl3投与 群では肝臓と腎臓に特に高いGd残留が認められた(p <0.01)。脳内のGd残留には、腎機能の影響は なかった。

【考察】

直鎖型Gd造影剤は環状型Gd造影剤に比べてキレートの結合力が弱く、フリーのGd3+が形成されや すいことが、Gd残留を増加させていると考えられる。もともとフリーのGd3+を含むGdCl3の投与群では、

肝臓のクッパー細胞や脾臓のマクロファージに取り込まれ、高いGd残留となったものと考えられる。こ の際、Gd3+が何らかの内因性物質と結合し、リン酸塩や炭酸塩を形成すると考えられるが、残留物の化 学構造についてはさらなる検討が必要である。直鎖型Gd造影剤では、腎機能低下が短期のGd残留を

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増加させたが、長期残留にはあまり影響せず、投与されたGd造影剤がその化学構造を変化させてい ることを間接的に示唆するものと考えられる。

これらのことから、Gd造影剤のキレート構造と腎機能低下の存在が、Gd残留の程度に大きく影響し ていると結論される。

参照

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