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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

高橋 麻衣子 印

(学位論文のタイトル)

The localization of VAMP5 in skeletal and cardiac muscle (マウス骨格筋および心筋におけるVAMP5の発現と分布)

(学位論文の要旨)2,000字程度、A4判

小胞輸送は、細胞内オルガネラ間を相互に連絡すると共に、タンパク質をはじめとする様々な物 質のソーティングを行う機構である。これには、輸送小胞とその目的地であるターゲット膜の組み 合わせが正しい場合にのみ膜融合が起こる、という選択的機序が基盤となっている。この膜融合の 特異的認識を担うタンパク質群が、SNAREである。SNAREタンパク群の一つであるVAMPは、小胞側に 存在する膜タンパク質(v-SNARE)である。中でもVAMP5はmRNAレベルで主に骨格筋で発現すること が報告されている。しかしVAMP5タンパク質の分布に関する形態学的な知見は未だ発表されていな い。

この研究では、VAMP5タンパク質の発現と分布について調べた。まず、マウス各臓器のホモジ ネートにおけるVAMP5の発現を調べるため、ウエスタンブロッティングを行った。その結果、VAM P5は骨格筋、心筋、脾臓、肺、肝臓、腎臓で発現が認められた。一方、脳と小腸では発現はなか った。次に、骨格筋におけるVAMP5の分布を調べるため、蛍光抗体染色を行った。その結果、VAM P5は、筋線維によって発現量に差が見られることがわかった。骨格筋は、均一な線維の束ではな く、myosin heavy chainにより各線維がtype I、type IIa、type IIbに分類されることが知られ ている。この線維タイプの違いが、VAMP5の発現量の差に関連するかどうかを調べるため、多重 染色により筋線維のタイプ分けを行うと共に、各線維のVAMP5発現量を検出した。その結果、VAM P5の発現量の多い線維は、筋線維のtype IIaに分類されることがわかった。

さらに骨格筋でのVAMP5の役割を調べるため、グルコース輸送体であるGLUT4との関連について 検討した。以前の研究では、VAMP5や他のVAMPアイソフォームであるVAMP2やVAMP7が、骨格筋で のGLUT4小胞と免疫共沈降することが報告されている。そこでVAMP5とGLUT4の二重染色を行った 結果、この二つのタンパク質の発現パターンは類似していることがわかった。さらに強拡大で観 察した結果、VAMP5はGLUT4と核周囲や形質膜直下で部分的に共局在することがわかった。したが ってVAMP5は、骨格筋でのGLUT4の小胞輸送に部分的に関与している可能性がある。

また心筋におけるVAMP5の分布についても、蛍光抗体染色を用いて調べた。その結果、VAMP5は 心筋細胞の末端部付近に強く発現していることがわかった。心筋細胞の末端部には介在板とよば れる細胞同士の連結部分がある。介在板のマーカータンパク質を用いて二重染色を行うと、VAMP 5は介在板付近に強く発現することがわかった。以上の結果から、VAMP5は骨格筋と心筋における 小胞輸送において、特異的な役割を果たしていることが示唆された。

参照

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