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Academic year: 2021

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博士後期課程用

(様式4

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

氏 名 松林 義人 印

(学位論文のタイトル)

Low-frequency group exercise improved the motor functions of community-dwelling elderly people in a rural area when combined with home exercise with self-monitoring

(農村地域の地域在住高齢者に対するセルフモニタリングによるホームエクササイズを 組合せた低頻度のグループエクササイズは運動機能を向上させる)

(学位論文の要旨)2,000字程度、A4判

本研究は、農村地域の地域在住高齢者に対して、低頻度のグループエクササイズ

(GE)または、GHにセルフモニタリングによるホームエクササイズを追加した介入

(GHE-SM)を行い、運動機能にどのような影響を及ぼすかを検討したものである。研究 フィールドは、新潟県で最大の面積を有し、高齢化率が30%を超える村上市である。村 上市は、介護予防の取り組みを実施する専門職の人材確保が難しく、交通網も脆弱化し ている。さらには、少子・高齢化が顕著な地域であり、この村上市の農村地域に対して 効果的な介護予防の取り組みを検討することが必要である。

村上支部老人クラブ連合会(会員数2,999名)の協力を得て、介護予防の一環である転 倒予防に対する筋力トレーニングを開催する内容を記載した広報誌を通して応募した6 5歳以上の地域在住高齢者を対象者とした。一つのグループは2012年3月に募集し、応募 した52名(GE群)が対象となり、もう一方のグループは2013年3月に募集し、応募した6 8名(GHE-SM群)が対象となった。GE群は、施設に通って、参加者が指導者のもと筋 力トレーニングを中心としたGEのみを実施し、GHE-SM群はGE群と同様のGEに加え、

自宅でもエクササイズを実施できるようにセルフモニタリングによるホームエクササ イズを組合せた介入とした。介入期間は、両群とも9週間とし、介入前後の評価と全7回 の介入をそれぞれ異なる時期に実施した。1回のGEは、ウォーミングアップ(10分)、

筋力トレーニング(20~50分)、クールダウン(10分)で構成し、すべて同じ理学療法 士が指導した。筋力トレーニングは、歩行や起立動作など生活動作に必要な体幹筋や下 肢筋に対する10種類とした。筋力トレーニングの進め方は、8種類のメニュー1セットか ら開始し、徐々にセット数を増加させながら2種類のメニューを追加させ、最終的には1 0種類を2セット実施するように段階的に進めた。GHE-SM群は介入期間中、自宅でGEの メニューを実行し、4段階に設定した到達度をセルフモニタリングの書式に対象者自ら が記録した。セルフモニタリングの記録は、GEを実施する前に指導者がチェックし、ホ ームエクササイズを実施できていないなどの場合は個別に指導した。

介入前後に、運動機能の評価として膝伸展筋力(筋力)、開眼片脚立位(片脚立位)、

Functional Reach(FR)、Timed Up & Go Test(TUG)、5m通常歩行時間(歩行)を実施し、

(2)

博士後期課程用

介入効果について統計学的分析を用いて実施した。統計学的解析は、介入前後の評価と 介入をすべて実施したものを対象としたPer-Protocol分析を第一の分析とし、欠損値を

Based Observation Carries Forward法(BOCF法)を用いて補完したIntention to Treat解析(I TT解析)も用いて分析した。

統計学的分析の結果、両群間の介入前の属性と運動機能5項目に有意な差はみられな かった。介入効果の結果は、すべての運動機能に対して、Per-protocol分析とITT解析と もに両群間に有意な交互作用がみられた。また、その後の検定(Bonferroni法)の結果 では、介入前と比較して介入後のGHE-SM群ではFR、TUG、歩行に有意な改善がみられ た。

本研究は、農村地域の健常高齢者に対して、セルフモニタリングによるホームエクサ サイズを組み合わせた低頻度のGEが有効であるかを検討することである。その結果、

セルフモニタリングによるホームエクササイズを組み合わせたGHE-SM群はGE群と比 較して運動機能を向上させることが示された。GHE-SM群の運動機能の向上は、先行研 究による高頻度・高強度の筋力トレーニングと同等の向上をえることはできなかった。

しかし、GHE-SM群の対象者はふらつきの頻度が少なくなったことや立ち上がりが容易

になったなど日常生活の向上が得られるような意見があった。またセルフモニタリング を実施した当初は、抵抗を示す対象者も見受けられたが、徐々に内省や自己評価、自己 強化が可能となり、ホームエクササイズが自動化され運動量が増加した結果、運動機能 が向上したと考える。

人口の減少と高齢化が進む農村地域においては、高齢者の運動機能を維持・向上する ことは必要不可欠であるが、専門職による人材を確保したうえでの効果的な介入を実施 することは困難であることが現状である。そのため、村上市の様な農村地域においての 介入方法を検討することは必須である。本研究では、農村地域に対する地域在住高齢者 に対して、低頻度のGEに加え、セルフモニタリングによるホームエクササイズを組み 合わせたことで運動機能の向上が得られ、この所見は過疎や専門職不在を抱える農村地 域における介入方法として有効であることが示唆された。

参照

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