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博 士 ( 農 学 ) 島 義 史 学 位 論 文 題 名

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博 士 ( 農 学 )    島    義 史

学 位 論 文 題 名

新 規 農 業 参 入 者 の 経 営 確 立 と そ の 地 域 支 援 方 策 に 関 す る 研 究      ― 施 設 野 菜 作 を 中 心 と し て ―

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  こ れ ま で の わ が国 農業 で は後 継者 が 農家 子弟 に 限ら れて き た。 しか し ,後 継者 不 在の ため 継 承で き な い 経 営 が 増 え 人材 獲得 の 門戸 を経 営 外, 農村 外 にま で拡 げ る就 農ル ー トの 多様 化 が図 られ て きた 。 そ の 際 , 既 存 の 経営 を引 き 継ぐ タイ プ とは 別に , 新た に経 営 を開 始す る タイ プの 新 規参 入が 進 めら れ て きた が, 創 業後 の経 営 展開 が滞 り ,当 初の 経 営計 画の 達 成が 難し くな っているケースが 少なくない。

先 行 研 究 の 多 く は創 業ま で の障 壁に 着 目し てい る が, 創業 後 から 経営 を 確立 (家 計 費を 賄え る 農業 所 得 を 継 続 的 に 得 られ る状 態 )し て定 着 する まで の 過程 を詳 細 に分 析し , 創業 と支 援 のあ り方 を 吟味 す る こ と が 求 め ら れて いる 。 そこ で本 研 究で は, 新 たに 経営 を 開始 する 新 規参 入に 焦 点を 絞り , その 定 着 の 円 滑 化 に 向 けた 知見 の 提供 を目 的 とし て, 新 規参 入者 の 定着 プ口 セ スの 解明 し ,受 け入 れ 地域 に お ける 効果 的 な支 援の あ り方 を検 討 する 。

  新 規 参 入 で は 創業 まで の 障壁 や経 営 破綻 リス ク を低 減す る ため ,創 業 時に 取得 す る経 営資 源 が比 較 的 小 さ く な る 。 一方 で, 経 営の 継続 性 を確 保す る ため には 創 業後 に経 営 資源 を追 加 的に 獲得 し てい く 必 要 が あ る 。 創 業後 のコ ス ト負 担は 農 家子 弟に よ る経 営継 承 や第 三者 継 承と いっ た 継承 夕イ プ を上 回 る 。 こ の よ う な 特徴 を持 つ 新規 参入 を 代表 する も のと して 施 設野 菜作 に おけ る家 族 経営 の創 業 を取 り 上 げ , 以 下 の よ うな 三つ の 枠組 みで 分 析を 行う 。 第一 に参 入 側か らの 分 析と して , 新規 参入 者 の経 営 の 確 立 に 関 し , 経営 客体 と 経営 主体 の 二側 面か ら 創業 後の 成 長を 分析 す る。 前者 で は経 営の 規 模や 組 織 に , 後 者 で は 新規 参入 者 の経 営者 機 能に 注目 し てそ れぞ れ の拡 大, 充 実の 過程 を 捉え る。 第 二に 受 け 入 れ 側 か ら の 分 析 で は , 公 的 機 関 主導 , 民間 主導 , 公的 機関 と 民間 の連 携 とい う特 徴 を持 つ3地 域 の 新 規 参 入 支 援 事例 の分 析 を行 い, 支 援の 効果 と 課題 を検 討 する 。第 三 に新 規参 入 者の 地域 へ の溶 け 込 み に つ い て は ,参 入側 と 受け 入れ 側 の関 係形 成 にお いて 重 要と なる 橋 渡し 役に 注 目し ,メ ン タリ ン グ 機 能 の 分 類 を 援用 する な ど社 会・ 心 理的 な観 点 から の分 析 も加 える 。 新規 参入 者 と地 域の 農 家や 橋 渡 し 役 農 家 と の 関 係 に つ い て , そ の 内 実 と 定 着 プ 口 セ ス に お け る 変 化 を 明 ら か に す る 。   u章 で は , 大 規 模 ア ン ケ ー ト デ ー タ と実 態調 査 の結 果を も とに 経営 の 成長 の側 面 から 新規 参 入者 の 経 営確 立の プ 口セ スを 分 析し た。 施 設野 菜作 の 新規参入では, 創業直後には2,000 ‑‑2,500耐であった 施 設 面 積 が 段 階 的 に 増 え て い き , 雇 用 労 働 カ ヘ の 依 存 も 高 まっ てい く 。売 上高 は1年 目 の354万円 か ら6年 目 は1,045万 円 と な り , 農 業 所 得 は7年 目 が301万 円 ,9年 目 が362万 円 と な っ て い る 。 経 営 の 確 立 に は 創 業 時に 比べ て 一段 高い レ ベル での 経 営の 運営 が 必要 にな る とい え, こ の点 は, 実 態調 査 に よ っ て 栽 培 面 積の 拡大 や 経営 成果 の 推移 など を 分析 した 結 果か らも 確 認さ れた 。 アン ケー ト 調査 に よ る 創 業 時 に お け る 所 得 目 標 の 達 成 状況 の 分析 も踏 ま え, 多く の 新規 参入 者 の経 営が 確 立す るの に7 年 程度 を要 す るこ とを 示 した 。

  m章 で は , 新 規 参 入 者 の 経 営 確 立 の もう ーつ の 側面 であ る 経営 者と し ての 成長 を 分析 した 。 スタ ー ト ア ッ プ と 経 営 確立 とい う ニつ のス テ ージ を設 け ,経 営管 理 の重 点対 象 につ いて 経 営ス テー ジ 間の 差

―57―

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や 経 時変 化 を 把 握 した 。 イ チゴ作 新規参 入者は 経営全 般の 管理を 並行し つつ, 「栽 培管理 ・作業 管理・

財 務 管理 → 販 売 管 理→ 雇 用 管 理 → コス ト 管 理 」 とい う 順 序 で 成長 し て いくこ とを 明らか にした 。この よ う な新 規 参 入 者 の経 営 者 と し て の成 長 プ ロ セ スは , 農 家 の 後継 者 の 場合と 比ベ 財務管 理が早 くから 重 要 にな る と い う 特徴 を 見 出 し た 。

  N章 で は , 愛 媛県K町 に お ける ト マ ト 作 新 規参 入 支 援 の 事例 分 析 か ら 公的 機 関 主 導 によ る 支 援 の 現 段 階 の到 達 点 を 明 らか に し , 支 援 の改 善 課 題 を 検討 し た 。 創 業ま で の 支援の 整備 が進む 一方で ,創業 後 の 支援 や 支 援 の 質に 関 す る 課 題 が残 さ れ て い る。 受 け 入 れ 側に は 創 業後も 適時 ・継続 的な支 援を提 供 す るこ と が 求 め られ , 支 援 主 体 の一 層 の 関 係 強化 が 要 請 さ れる こ と を示し た。 また, 参入側 と受け 入 れ 側の 関 係 に つ いて , 地 域 の 農 家の 意 向 調 査 から , 新 規 参 入者 が 信 頼を得 て地 域に溶 け込む には研 修 期 間 を 含 め5〜6年を 要 す る こ とを 明 ら か に し, 新 規 参 入 者と 地 域 の 農 家 との 聞 で 支 援 授受 に 関 し て タ イム ラ グ が あ るこ と を 指 摘 し た。 橋 渡 し 役 農家 に よ る 新 規参 入 者 と地域 の農 家との 関係づ くりへ の 支 援に 加 え て , 新規 参 入 者 と 地 域の 農 家 が 早 い時 期 か ら 交 流で き る 支援体 制が 必要で あると 考えら れ た 。

  V章 で は , 香 川県M町 の イ チゴ 作 新 規 参 入 者の 支 援 を 行 う農 家 グ ル ー プを 取 り 上 げ ,民 間 主 導 の 支 援 の 特徴 と 効 果 を 検討 す る と と も に, 橋 渡 し 役 農家 ( グ ル ー プの り ー ダ一) の役 割を明 らかに した。

農 家 グル ー プ は 農 協と 協 カ し て 販 路を 開 拓 し , 構成 員 の 新 規 参入 者 が 高単価 を維 持でき るよう にして い る 。あ わ せ て , 栽培 技 術 や 販 売 の情 報 共 有 を 通じ て 新 規 参 入者 の 経 営者機 能の 充実を 図り, 経営確 立 ま での 期 間 を 短 縮し て い る。新 規参入 者の定 着の促 進に は,受 け入れ 側が「 与件 形成」 的機能 と「主 体 陶 冶」 的 機 能 を 並行 し て 提 供 す るこ と が 効 果 的で あ る と 考 えら れ た 。さら に, メンタ リング 機能の 分 類 をも と に 橋 渡 し役 農 家 に よ る 支援 を 整 理 し ,新 規 参 入 者 の定 着 プ 口セス に沿 って「 スポン サーシ ッ プ 」や 「 コ ー チ ング 」 か ら , 「 役割 モ デ ル 」 ,「 表 出 」 , 「挑 戦 的 な仕事 の提 供」へ と支援 のウエ イ ト が変 わ る と い う橋 渡 し 役 農 家 像を 析 出 レ た 。

  VI章 で は ,北 海 道B町 での ト マ ト 作 新 規参 入 支 援 の 事例 を 取 り 上 げ, 公 的 機 関 と農 家 グ ル ープ とい う 支 援主 体 間 連 携 の効 果 を 分 析 し た。B町 の 農 家グ ル ー プ は ,こ れ ま で 研 修受 け 入 れ 農 家が 担 ってき た 役 割を 組 織 的 に 補完 し て い る 。 公的 機 関 と 農 家グ ル ー プ が 協調 的 行 動をと り, 従来の 支援体 制下で 直 面 して い た 制 約 を緩 和 し て い る こと を 明 ら か にし た 。 ハ ー ド面 を 中 心とす る公 的機関 の支援 は,定 着 プ 口セ ス に お い て準 備 か ら 創 業 まで を 主 な 対 象と す る の に 対し , 農 家グル ープ の支援 は地域 への溶 け 込 みを 後 押 し す るな ど 創 業 後 に も及 ぶ も の で あり , 新 規 参 入者 の 定 着プロ セス の促進 に寄与 する。

支 援 主体 の 連 携 に よっ て 支 援 の 有 効性 が 高 め ら れる こ と を 示 した 。

  以 上 の 皿 〜M章で の 検 討 結 果 を踏 ま え てW章で ま と め を 行っ た 。 本 研 究で は , 新 規 参入 者 の 定 着 プ 口 セ スを 経 営 お よ び経 営 者 と し て の成 長 , 支 援 提供 , 地 域 へ の溶 け 込 みにお ける 参入側 と受け 入れ側 と の 関係 変 化 に 分 けて 分 析 し た 。 創業 時 の 初 期 投資 が 抑 制 的 な新 規 参 入では ,創 業後の 参入側 ,受け 入 れ 側双 方 の 取 り 組み が 重 要 と な るが , 現 状 に おい て , 多 く の施 設 野 菜作で の新 規参入 は経営 の確立 に 長 期間 を 要 し て いる こ と が 明 ら かに な っ た 。 新規 参 入 者 の 定着 の 円 滑化に は, 参入側 の成長 プ口セ ス と 受け 入 れ 側 か らの 支 援 提 供 が 同時 並 行 的 で ある こ と が 求 めら れ る 。新規 参入 支援の 充実に は支援 主 体 間の 協 調 が 必 要で あ り , 地 域 の農 家 の 支 援 参画 を 促 す こ とで 支 援 授受の タイ ムラグ も小さ くなる と 考 えら れ る 。 公 的機 関 と 農 家 グ ル― プ 等 が 連 携し て 適 時 ・ 継続 的 な 支援を 行い ,定着 プ口セ スの短 期 化 を図 る こ と が 重要 で あ る こ と を指 摘 し た 。

―58―

(3)

学位論文審査の要旨 主査 副査

副査 副査

教授 教授 准教授 講師

柳村 坂下 志賀 東山

学 位 論 文 題 名

俊介 明彦 永一      寛

新規農業参入者の経営確立とその地域支援方策に関する研究      ―施設野菜作を中心として―

  本 論 文 は , 本 文132ぺ ー ジ ( 目 次6ぺ ー ジを 含 む) ,図 表81, 引用 文 献118から なり , 和文 で書 か れ て い る 。 他 に 参 考 論 文9編 が 添 え ら れ て い る 。

  後 継 者 の 確 保 難 に 直 面 し て い る 我 が 国 の 農 業 に お い て , 新 規 農 業 参 入 者 の 確 保 ・ 定 着 は 重 要 な 課 題 で あ る 。 新 規 農 業 参 入 の 支 援 体 制 が 整 備 さ れ , 以 前 に 比 べ て 参 入 障 壁 は 低 ま っ た も の の , 創 業 後 の 経 営 展 開 が 滞 り , 経 営 を 確 立 で き な ぃ 新 規 参 入 者 が 多 い 。 先 行 研 究 は 創 業 ま で の 障 壁 の 除 去 に 関 心 を 向 け て き た が , あ わ せ て , 創 業 後 の 経 営 確 立 に つ い て の 研 究 が 重 要 な 意 味 を も つ 。 本 論 文 は , 創 業 後 の 経 営 確 立 と 地 域 と の 関 係 形 成 の プ ロ セ ス を 明 ら か に し , 有 効 な 地 域 支 援 の あ り 方 を 検 討 す る こ と を 目 的 に し て い る 。

  研 究 の 対 象 は 施 設 野 菜 作 で あ る 。 家 族 経 営 の 創 業 に 焦 点 を 絞 り , 以 下 の よ う な 三 つ の 枠 組 み で 分 析 を 行 っ て い る 。 第1に 参 入 側 に つ い て , 経 営 客 体 と 経 営 主 体 の 二 側 面 か ら 創 業 後 の 経 営 成 長 を 分 析 し た 。 前 者 に つ い て 経 営 の 規 模 や 組 織 , 後 者 に っ い て 経 営 者 機 能 に 注 目 し て , そ れ ぞ れ の 拡 大 , 充 実 の 過 程 を 捉 え た 。 第2に 受 け 入 れ 側 に つ い て , 「 公 的 機 関 主 導 」 「 民 間 主 導 」 「 公 的 機 関 と 民 間 の 連 携 」 と い う3地 域 の 新 規 参 入 支 援 事 例 の 分 析 を 行 い , 支 援 の 効 果 と 課 題 を 検 討 し た 。 第3に 新 規 参 入 者 の 地 域 へ の 溶 け 込 み に つ い て , そ れ に 要 す る 期 間 や 橋 渡 し 役 農 家 の 役 割 を 明 ら か に し て い る 。

  H章 で は , 大 規 模 な ア ン ケ ー ト 調 査 と 事 例 調 査 の 結 果 を も と に , 経 営 成 長 の 側 面 か ら 新 規 参 入 者 の 経 営 確 立 の プ ロ セ ス を 分 析 し て い る 。 施 設 野 菜 作 の 新 規 参 入 で は, 施 設面 積が 段 階的 に増 え , 雇 用 労 働 カ ヘ の 依 存 も 高 ま る 。 売 上 高 が1,000万 円 に 到 達 す る の は6年 目 , 農 業 所 得 が300万 円 を 超 え る の は7年 目 で あ る 。 経 営 の 確 立 に は 創 業 時 に 比 べ て 一 段 高 い レ ベ ル で の 経 営 の 運 営 が 必 要 に な り , 経 営 が 確 立 す る の に 約 7年 を 要 す る と い う 事 実 が 確 認 さ れ た 。   m章 で は , 経 営 確 立 の も う ー つ の 側 面 で あ る 経 営 者 と し て の 成 長 を 分 析 し て い る 。 「 ス タ ー ト ア ッ プ 」 「 経 営 確 立 」 の2つ の ス テ ー ジ を 想 定 し , 経 営 管 理 の 重 点 対 象 の 変 化 を 把 握 し た 。 イ チ ゴ 作 新 規 参 入 者 は 「 栽 培 管 理 ・ 作 業 管 理 ・ 財 務 管 理 → 販 売 管 理 → 雇 用 管 理 → コ ス ト 管 理 」 の 順 に 重 点 を 移 し な が ら , 経 営 者 機 能 を 拡 張 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。   IV章 で は , 愛 媛 県K町 に お け る ト マ 卜 作 新 規 参 入 支 援 の 事 例 を 取 り 上 げ て い る 。 公 的 機 関 が 主

―59一

(4)

導 し て 創 業 ま で の 支 援 体 制 が 整 備 さ れ た が , 創 業 後 の 支 援 は 手 薄で , 経 営 確 立 に向 け て 新 規 参入 者 と 支 援 側 と の 一 層 の 関 係 強 化 が 求 め ら れ る 。 そ の 際 , 新 規 参 入者 が 地 域 に 溶 け込 む に は 創 業後 約3年 を 要 す る も の の , こ の 間 , 地 域 の 農 家 か ら の 支 援 を 得 に く い と い う 問 題 の 所 在 が , 地 域の 農 家 の 意 向 調 査 か ら 摘 出 さ れ た 。 新 規 参 入 者 と 地 域 の 農 家 が 早 い時 期 か ら 交 流 する 支 援 体 制 の必 要 性 を 指 摘 し て い る 。

  V章 で は , 香 川 県M町 の イ チ ゴ 作 新 規 参 入 者 の 支 援 を 行 う 農 家 グ ル ー プ を 取 り 上 げ , 民 間 主 導 の 支 援 を 検 討 し て い る 。 農 家 グ ル ー プ は , 有 利 販 売 で き る 販 路 を新 規 参 入 者 に 対し て 提 供 し ,経 営 管 理 情 報 を 共 有 し て 経 営 者 機 能 を 充 実 さ せ て い る 。 農 家 グ ル ープ が 「 与 件 形 成」 的 機 能 と 「主 体 陶 冶 」 的 機 能 を 兼 ね 備 え , 新 規 参 入 者 の 経 営 確 立 ま で の 期 間 を短 縮 し て い る こと を 示 し た 。ま た , 橋 渡 し 役 農 家 に よ る 支 援 の 頻 度 を 経 営 ス テ ー ジ 間 で 比 較 し ,新 規 参 入 者 の 定着 プ ロ セ ス に沿 っ て 支 援 の ウ エ イ ト を 変 え て い く と い う 橋 渡 し 役 農 家 像 を 析 出 し て い る 。   VI章 で は , 北 海 道B町 で の ト マ ト 作 新 規 参 入 支 援 の 事 例 を 取 り 上 げ , 公 的 機 関 と 農 家 グ ル ー プ と い う 支 援 主 体 間 連 携 の 効 果 を 分 析 し た 。B町 の 農 家 グ ル ー プ は , こ れ ま で 研 修 受 け 入 れ 農 家が 担 っ て き た 役 割 を 組 織 的 に 補 完 し て い る 。 公 的 機 関 と 農 家 グ ル ープ が 協 調 的 行 動を と り , 従 来の 支 援 体 制 下 で の 制 約 を 緩 和 し て い る こ と を 明 ら か に し , 支 援 主 体間 の 連 携 に よ って 支 援 の 効 果が 高 ま る こ と を 示 し た 。

  VII章 は 以 上 の ま と め で あ る 。 施 設 野 菜 作 の新 規 参 入 で は創 業 時 の 初 期 投資 を 抑 制 す る傾 向 が あ り , 多 く が 経 営 の 確 立 に 長 期 間 を 要 す る 。 受 け 入 れ 側 の 効 果 的 な支 援 に よ っ て 経営 が 順 調 に 成長 し , 新 規 参 入 者 が 定 着 す る こ と が 望 ま れ る 。 支 援 の 充 実 に は 支 援主 体 間 の 協 調 が必 要 で あ り ,地 域 の 農 家 の 支 援 参 画 を 促 す こ と で 創 業 直 後 に 見 ら れ が ち な 支 援 の途 切 れ を 回 避 でき る 。 結 論 とし て , 公 的 機 関 と 農 家 グ ル ー プ 等 が 連 携 し て 適 時 ・ 継 続 的 に 支 援 し, 定 着 プ ロ セ スの 短 期 化 を 図る こ と の 重 要 性 を 指 摘 し て い る 。

  近 年 , 新 規 農 業 参 入 に 関 す る 政 策 が 強 化 さ れ , そ れ を 背 景 に 新 規 参 入 者 が増 加 し , 支 援体 制 も 充 実 し て き た が , 本 論 文 は , 創 業 ま で の 経 営 資 源 の 受 け 渡 し を 最大 の ハ ー ド ル と考 え て き た 従来 の 認 識 に 対 し , 創 業 後 の 経 営 確 立 と い う 新 た な 問 題 を 提 起 し た 。そ し て , @ 経 営の 確 立 ま で に相 当 の 期 間 を 要 し て い る 現 実 が あ り , 経 営 の 成 長 に 向 け た 地 域 支 援が 必 要 で あ る こと , ◎ し か し支 援 主 体 と な る 地 域 へ の 融 け 込 み に 時 間 を 要 す る 等 の 障 害 が あ り ,そ れ を 解 消 す るた め に は 橋 渡し 役 の 役 割 が 重 要 と な る こ と , ◎ 橋 渡 し 役 を 含 む 農 家 グ ル ー プ と 公的 支 援 と い う 支援 主 体 問 の 連携 に よ っ て 適 切 な 支 援 が 期 待 で き る こ と 等 , 実 践 的 示 唆 に 富 む 重 要な 知 見 を 提 示 した 。 ま た , 本論 文 は 施 設 野 菜 作 を 研 究 対 象 と し た が , 研 究 蓄 積 が 乏 し い 反 面 , 新規 参 入 例 が 増 加し て い る 作 目に っ い て の 本 格 的 研 究 と い う 点 で も 高 い 意 義 が 認 め ら れ る 。

  以 上 の よ う に , 審 査委 員 一 同 は ,島 義 史 が 博 士 (農 学 ) の 学 位を 受 け る に 十分 な 資 格 を 有す る も の と 認 定 し た 。

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参照

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