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博 士 ( 理 学 ) 越前 谷 宏 紀

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 越前 谷 宏 紀      学 位 論 文 題名

3 ― D Analysis and Retrodeformat10nofDeformedFOSSilS      ― AnappliCationtOEarlyTriaSSlCIChthyOSaur      ぴ を な 郷 ロ勿 鰍 s カ ロ 勿 茲 ―

     ( 変 形 し た化 石の 三次 元的解 析お よび 復元

―三畳紀初期魚竜Utatsusaurus hataii への適用―)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  系 統や 分類 ・機 能・ 古 生態を含め古生物研究はそ のほとんどを化石の形態的情 報に依存して いる ,しかし,圧密作用や構造運動によって強い変形を被った化石においては,形状,角度,アス ペク ト比といった古生物が本来持っていた形態的情報も様々に偏り,本来の形態的情報を知ること が困 難なことがある.特に産出 の少なぃ生物の化石が変形を 受けていた場合,変形復元は正しい 情報 を得る上で欠かせなぃ.

  従 来, 化石 の変 形解 析 では ,二 次元 の歪 楕 円の 概念 を用 い た二 次元 画像解析 が行なわれて きた .しかし,より精確な解析および復元を行なうには,三次元の歪楕円体の概念を用いた三次元 歪解 析することが要求される.本研究では,二次元画像に代わって三次元グリッドデータを扱い,

化石 の三次元的解析および復元 を行なった.

  化石の三次元グリッド データを取得するために,レ ーザー計測装置を用いて化 石表面をO.lmm 間 隔 で 計 測 し , 商 用 の3−DCGソ フ ト ウ ェ ア を 用 い て こ れ ら の 化 石 デ ー タ を 画 像 化 した .   生 物は直線や平面として単純 化できる形態要素を多く持っ ている.これらの形態要素に相当す るグ リッドデータを,多変量解 析または主成分解析を用いて 回帰直線や回帰平面として単純化す るこ とで,数学的に扱うことを 可能にした,

  こ れら の形 態要 素の 中 には正中面と左右対称な要 素を結ぶ直線などのように, 三次元的に互 いに 垂直関係にあるものがある (初生的直交要素).それら の初生的直交要素は変形後の化石に おい て直交関係を失っており, それら直交関係を復元するこ とで化石全体が被った変形を表現す る三 次元の歪楕円体の傾きやプ ロポーションを計算できる.

  変 形のパラメータは歪楕円体 の3軸の比をイ:B:lとし,そ の歪楕円体の司だ直交座標系に対す る 傾 き を3つ の 角 度COx, の ッ お よ び の ; で 表 現 す る と ,5つ の 未 知 数 で 表 現 で き る .   本 研究では,これらの未知数を求めるために,統計学的手法と計算プログラムを開発した,この     ―275―

(2)

手法を三畳紀初期魚 竜Utatsusaurus hataii(UHR30691)に適用した.頭骸骨,肩甲骨,椎骨,神 経突起,前肢骨など に対する三次元計測の結果,合計600万以上のグリッドデータを取得した.こ れらから初生的直交 要素を抽出し,その結果求め られたパラメータをもとに3DCGを逆変形させ,

変形前の化石の形態 を復元した,

  復 元さ れ た3‑DCG画像 から ,左 右の肩甲骨の対称 性をはじめとする生物学的 情報を検討し,

多 く の 骨 要 素 に お い て 対 称 性 や プ ロ ポ ー シ ョ ン の 均 一 性 を 復 元 で きた こと を 確認 した .

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(3)

学位論文審査の要旨

主査    教 授   岡田尚 武 副査    教 授   鈴木徳 行 副査    助 教授    西   弘嗣

副査    助 教授    箕浦名知男(総合博物館)

     学位論文題名

3 ‐D Analysis and Retrodeformation of Deformed Fossils      ― An application to Early TriasslCIChthyOSaur      めロお勿S 口勿鰍S カ¢勿茲―

(変形した化石の三次元的解析および復元 一三畳紀初期魚竜Utatsusaurus hataii への適用―)

  近年のテクノロジーの進歩により、古脊椎動 物学の分野においても、三次元コンピュ ー タ ーグ ラフ イ ック ス(3DCG)を用 いた 研究 が盛 んに なり つっ ある 。し か しそ の多 く は化石の計測データからモデリングした化石の 仮想イメージを用いた生物機械学、ある いは 機能 形態 学的 研究 を目 的と して おり、3DCGを用いた化石の変 形復元は未開拓の分 野で、今後の発展が待たれている状況にある。

  本論文は、圧密変形および構造変形を被った 変形化石を、三次元レーザー計測装置を 用 い てグ リッ ド デー 夕化 し、 モデ リン グし た3DCGに 基づ ぃた 三次 元的 復 元を 可能 と する 統計 的手法を開発し、それを三畳 紀初期の魚竜Utatsusaurus hataliの化石に適用 し、その三次元的形態を明らかにしたものである。

  系統や分類・機能・古生態を含め古生物研究 はそのほとんどを化石の形態的情報に依 存している。しかし、圧密作用や構造運動によ って強い変形を被った化石においては、

形状、角度、アスペクト比といった古生物が本 来持っていた形態的情報も様々に偏り、

本来の形態的情報を知ることが困難なことがあ る。特に産出の少ない生物の化石が変形 を 受 け て い た 場 合 、 変 形 復 元 は 正 し い 情 報 を 得 る 上 で 欠 か せ な い 。   従来、化石の変形解析では、二次元の歪楕円 の概念を用いた二次元画像解析が行なわ れてきた。しかし、より精確な解析および復元を行なうには、三次元の歪楕円体の概念を用い た三次元歪解析することが要求される。

  このような現況の中、本論文では化石の三次元グリッドデータを取得するために、レーザー

277 ‑

(4)

計 測 装 置 を 用 い て 化 石 表 面 をO.lmm間 隔 で計 測し 、商 用の3‑DCGソ フ 卜ウ ェア を用 いて こ れ らの化石データを画像化し た。このことによって、二次 元画像に代わって三次元グリッドデータ を扱い、化石の三次元的解 析を可能にした。

  生 物は 直線 や平 面 とし て単 純化 で きる 形態 要素 を多 く 持っ てい る。 これ ら の形態 要素に相 当す るグ リッ ドデ ー タを 、多 変量 解 析ま たは 主成 分解 析 を用 いて 回帰 直線 や 回帰平 面として 単純化することで、数学的 に扱うことを可能にした。

  こ れ ら の 形 態 要 素 の 中 に は 正 中 面 と 左 右対 称な 要 素を 結ぶ 直線 な どの よう に、 三次 元 的 に互 いに 垂直 関係 に ある もの があ る (初 生的 直交 要素 ) 。そ れら の初 生的 直 交要素 は変形後 の化 石に おい て直 交 関係 を失 って お り、 それ ら直 交関 係 を復 元す るこ とで 化 石全体 が被った 変形 を表 現す る三 次 元の 歪楕 円体 の傾きやプロポーショ ンを計算が可能である。本論 文では、

これらの計算を可能とする 統計学的手法と計算プログラ ムを開発し、初めて化石の三次元的復元 を可能にした。

  本論文では、この手法を三畳紀初期魚竜Utatsusaurus hataii (UHR30691)に適用した。頭骸骨、

肩甲 骨、 椎骨、神経突起、前 肢骨などに対する三次元計測 の結果、合計600万以上のグ リッドデ ータを取得した。これらか ら初生的直交要素を抽出し、 その結果求められたパラメータをもとに 3DCGを逆変形させ、変形前 の化石の形態を復元すること に成功した。

  復 元さ れた3‑DCG画像から、 左右の肩甲骨の対称性をは じめとする生物学的情報を検 討され、

多く の骨 要素 にお い て対 称性 やプ ロ ポー シ, ヨン の均 一 性を 復元 でき たこ と が確認 された。

  これを要するに、特に以 下の点で特筆すべき研究成果 が得られている。(1)二次元画像(写真 など)に基づぃた従来の解 析手法では不可能であった、 化石の三次元的な変形パラメータを得る こ と を は じ め て可 能に し た。 (2)強 い変 形の ため に 記載 や比 較が 困 難な 状態 にあ った 魚 竜 ひ・atsusaurus hataiiの化 石を、3DCGを用いて変形復 元し、その三次元的形態を任意の方向から 観察 する こと 可能 に した 。す なわ ち著者は、機能形態学 的研究をはじめとする古脊椎 動物研究 の基 礎と なる 、化 石 の変 形復 元に つ いて 革新 的な 手法 を 開発 した もの であ り 、古脊 椎動物学 の基礎研究に対して貢献す るところ大なるものがある。

  よ っ て 著 者 は 、 北 海 道 大 学 博 士 ( 理 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。

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参照

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