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2019年 年報巻頭言

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Academic year: 2021

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1 白梅学園大学・白梅学園短期大学 子ども学研究所研究年報 № 24 1(2019) 子ども学研究所が、2019年4月より再スタートした。子ども学研究所が再統合された土台には、 教育・福祉研究センターと地域交流研究センターによる研究・教育・地域貢献の蓄積がある。また、 2017年から2018年にかけて、子ども学を前面に押し出し研究・教育の創造をめざすプロジェクトの 構築に向けて、粘り強い取組みがかさねられてきた。いま、子ども学研究所は新たな段階に入ろう としているi 所員にとって、研究・教育の視野に加えてほしいのは、「2040年に向けた高等教育のグランドデ ザイン答申」(中央教育審議会構想部会、以下「答申」)iiである。「答申」では、社会の変化を整理 しており、以下に概略を示しておく。AIなどが多くの産業や社会生活に導入されていること、知 識の共有や集約で新しい価値が生まれる知識集約型社会となること、世界一の長寿社会、超高齢・ 少子社会となること、外国人の就労が増加していくなか多様性を踏まえることなどである。大学に おける研究・教育は、こうした社会の変化と密接な関連があり、所員の専門分野において、何をど う問うべきか求められているのではないか。 課題にアプローチする方法論自体も多様だが、「答申」をどう読んだかという論考を数点紹介し ておく。IDE大学協会による『現代の高等教育』が特集を組んでいるiii。特集では、分子生物学、 江戸時代文学・生活文化、アジア比較文化、情報学、医学、大学評価論、大学協会等、多彩な論者 が議論を展開している。また、「答申」以前の学校教育法の改正(2014年)を含め大学のあり方を 論じた教育学分野の別の論考にも注目したい。「答申」を批判的に把握する視点を展開しているiv いま、「答申」を受動的にとらえずに、専門の研究分野から、新しい視点を提示するくらいの積極 的姿勢が必要ではないか。 では、どうすべきなのかと自問自答しているなか「現代社会における学問の自由」(日本学術会議、 2005年)に出会ったv。議論を促す問題提起が展開されている。自らは、保育学という学問の専門性 をどう認識しているのか、子ども学との関連性はどうかなど、未解明な課題への挑戦をつきつけら れた。科学者としての倫理と現代社会への貢献をめざす問いをもち、学問研究の自由な創造という 原点に立ち、思考を積みかさねなければと考えている。 i 白梅学園大学として「私立大学ブランディング事業」に申請。申請内容は「地域社会における「子ども学」の研究拠点整備 と知の循環型共生モデルの構築」。結果は不採択であったが、子ども学研究所の再統合への議論と作業を積み上げてきた。 ii http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2018/12/20/1411360_1_1_1.pdf 2019年5月 28日アクセス iii IDE大学協会 No.609「グランドデザイン答申」をどう読むか、2019年4月号。 iv 寺崎昌夫・羽田貴史「大学自治をアップデートする」、広田照幸「ポスト「教授会自治」時代における大学自治」ほか。『世界』 2019年5月号、特集「生きている大学自治」岩波書店所収。 v http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-19-t1030-16.pdf 2019年5月28日アクセス

2019年 年報巻頭言

白梅学園大学・白梅学園短期大学 子ども学研究所 所長 近藤 幹生

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