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婚姻に対する税法の中立性

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婚姻に対する税法の中立性

 

   

はじめに Ⅰ   日本の税法における法律婚中心主義 Ⅱ   フランスの世帯課税と婚姻法改正 Ⅲ   事実婚に対する日本国内法の展開 Ⅳ   婚姻に対する税法の中立性 結語

はじめに

日 本 国 憲 法 二 四 条 は、 ﹁ 婚 姻 は、 両 性 の 合 意 の み に 基 い て 成 立 し、 夫 婦 が 同 等 の 権 利 を 有 す る こ と を 基 本 と し て、 相 互の協力により、維持されなければならない﹂と規定している。日本の婚姻は、男女間のものであり、男女間の社会生 活上の結合という身分行為として理解されている。そして、日本の民法七三九条は、婚姻が戸籍法の定めるところによ り届け出ることによって効力を生ずると規定し、婚姻届を前提とする﹁法律婚﹂を基本としている。日本の法は、男女 間の法律婚を一般的婚姻と位置付けてきた。 しかし、かつて﹁結婚して一人前﹂という考えが多かったが、婚姻に対する自由度が増し、生涯未婚率︵五〇歳時点

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で 一 度 も 結 婚 し た こ と の な い 人 の 割 合 ︶ も 上 昇 し て き て い る と 指 摘 さ れ 、 法 律 婚 が 当 然 と い う こ と で も な く な り 事 実 婚、内縁関係、同棲、共同生活など男女の社会生活結合の形態も多様なものとなっている。また、LGBT︵レズ、ゲ イ、バイセクシュアル、トランスジェンダー︶も、日常的用語となり、同性婚が外国では認められている。 このような状況に対して、日本の税法は、法律婚中心主義を未だに基礎としている。たとえば、所得税法は、配偶者 控除などの控除対象配偶者について、法律婚での配偶者に限定していると解される。これは、憲法および民法が前提と する婚姻は法律婚であることから、税法も法律婚を基礎とするのは当然の法解釈とも解することができる。しかし、税 法条項にも、また社会保障法においても、すでに一定の事実婚を基礎とする法律規定がある。この国内法における婚姻 に関する規定の不統一は、法的問題ともいえ る 。 本 稿 は、 婚 姻 に 対 す る 税 法 の 中 立 性 と 題 し て、 現 行 日 本 税 法 の 法 律 婚 中 心 主 義 を 紹 介 し︵ Ⅰ ︶、 日 本 と の 比 較 と し て フ ラ ン ス 所 得 税 法 の 家 族 除 数 制 度 に 基 づ く 課 税 単 位 と し て の 世 帯 課 税 と フ ラ ン ス の 婚 姻 に 関 す る 民 法 改 正 を 紹 介 し ︵ Ⅱ ︶、 日 本 で も、 ﹁ 内 縁 の 夫 婦 ﹂ 等 の 表 現 で、 法 律 婚 で は な い 事 実 婚 の 存 在 を 認 め て き た と い う 歴 史 も あ り、 特 に 事 実 婚承認の実定法規定を検証し︵Ⅲ︶ 、婚姻に対する日本税法の課題︵Ⅳ︶を探るものである。 な お、 税 の 中 立 性 は、 経 済 活 動 へ の 中 立 性 と し て 知 ら れ る。 平 成 税 制 の 大 改 革 を な し た﹁ 税 制 改 革 法 ﹂︵ 昭 和 六 三 年 一二月三〇日法律一〇七号︶は、 ﹁公平、中立、簡素﹂を税制の基本理念とした︵同法三条︶ 。この﹁中立﹂は﹁税制の 経済に対する中立性﹂である。本稿のテーマとした﹁婚姻に対する税法の中立性﹂は、古くからの婚姻による単身者世 帯課税と既婚者世帯課税との不公平にはじまり、今日の法律婚中心主義による法律婚と事実婚との不公平、さらに新た に男女間の婚姻を婚姻としてきたことによる異性間カップルと同性間カップルとの不公平、など対立的関係にある﹁婚

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姻﹂をめぐる税負担に関する中立問題、公平問題である。

 

日本の税法における法律婚中心主義

一.日本税法と婚姻の基本的関係 税法は、経済主体である個人や法人企業の経済活動を基礎として、その所得、消費および資産に税源を見出し、税を 課徴し、かつ市民の納税者としての権利を保障している。この経済活動は、基礎的には民法や商法・会社法などの私法 により規律されている。すなわち、税法は、私法秩序を前提としているともいえる。当然、税法も独立した法分野であ る こ と か ら、 税 法 の 規 律 す べ て が 私 法 を 前 提 と す る も の で も な く、 ま た 税 法 が 私 法 の 特 別 法 で あ る と い う 法 構 造 も な く、税法は、独自の原理・原則に基づき構築され、国家財政の経済基礎である税を規律し、納税者の権利を保障してい る。 民法における婚姻は、夫婦、親子という家族関係の基因となる身分行為である。税法は、婚姻に対して規律する法分 野 で は な い が 、 民 法 や 戸 籍 法 に よ る 届 出 を し た 婚 姻 、 い わ ゆ る ﹁ 法 律 婚 ﹂ の 有 無 に よ り 、 い く つ か の 措 置 を 講 じ て い る 。 税 法、 特 に 所 得 課 税 法 に お い て 課 税 単 位 と い う 問 題 が あ る。 こ れ は、 配 偶 者 の 存 在 を 考 慮 し た 税 制 上 の 仕 組 み で あ る。個人所得税の課税単位は、日本やイギリスのように個人単位課税を採用する国、アメリカやドイツのように個人単 位課税と夫婦単位課税︵夫婦所得を合算折半した金額に税率を乗じ、その算出税額を倍額して所得税額とする、いわゆ る二分二乗方 式 ︶の選択制を採用する国、またフランスのように世帯単位課税︵世帯所得を合算し家族数Nで分割した

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金額に税率を乗じ、その算出税額のN倍額を所得税額とする、いわゆるN分N乗方式︶を採用する国などがあり、国に より異な る 。 本来、所得課税は、納税義務者となる所得者個人に対して課税するものであり、納税義務者が単身、夫婦、その他家 族持ちという家族世帯構成に関係なく、その者の所得額を課税標準として累進税率にて税額計算することを基本として いる。しかし、現実の所得課税法は、何らかの措置を講じて家族世帯構成を考慮し所得税を課している。日本の所得税 法は、個人単位課税ではあるが、配偶者控除︵同法八三条︶や扶養控除︵同法八四条︶を定め、夫婦世帯、家族持ち世 帯に対して一定条件の下で所得控除を認める。アメリカは夫婦単位課税︵二分二乗方式︶の選択を、フランスは世帯単 位課税︵N分N乗方式︶を採用している。これら課税単位の基礎は、家族形態による納税義務者の担税力をいかに適正 かつ公平に把握し課税するかということにある。 しかし、税法が夫婦の形成を届出︵婚姻届︶手続によって成立することを法的前提要件とし、法律婚のみに限定して 課税上の減税などの措置を講じている場合、婚姻届を提出していないが事実上の夫婦や家族として﹁同じ屋根の下で﹂ または﹁生計を一にする﹂という状況にある場 合 、その生計主体である納税義務者の担税力につき、法律婚ではないと の理由で婚姻により生ずる税制上の措置が受けられないとするとき、これに法律婚︵婚姻届の届済︶と事実婚︵婚姻届 の未届︶との間に課税の公平に関する大きな疑問が提起される。これが、税法の婚姻中立に関する問題の一つである。 この問題は、事実婚が現代社会において増加していること、また男女間の婚姻とは異なる同性間の婚姻を認めるという 国際社会の動向もあり、この問題は複雑で深刻である。また、現実の問題としては、外国で日本と異なる婚姻形態︵た とえば一夫多妻︶が認められているとき、その者が日本国内に居住し所得を得た場合には、日本の所得税の課税がなさ

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れるが、配偶者控除等の適用問題が発生する。 たとえば、独身者Aと独身者Bが質量において同一所得であれば、両者は同一の税負担であるべきである。これは、 税法の基本原則である租税負担公平原則の所得課税法における展開として﹁同一所得、同一課税﹂原則の適用であ る 。 これら独身者のうち独身者Aが法律婚により配偶者をもち扶養しなければならないとき、既婚者となったAと独身者B が同一所得のままであるとき、同一税負担とすべきか否かが問われる。個人単位課税からすれば、この場合においても 同一税負担とすべきである。しかし、現実の日本の所得税法は配偶者控除という所得控除を既婚者Aに適用し、既婚者 Aの税負担が同一所得の独身者Bより減額さ れ 、両者の税負担は異なるものとなる。この配偶者控除の措 置 は、婚姻に より世帯構成員の増加による世帯生計費の増加分に対する考慮である。生計費の増加は担税力の減殺要因であり、それ ゆえ、税法はその部分に対応する所得控除措置を講じている。各国の所得課税法は、課税単位を異にするが、基本的に は、家族生計費を保障する課税を行い、最低限度の生活を侵害する課税を回避している︵これを所得課税法での﹁最低 生 活 費 非 課 税 ﹂ の 原 則 と 考 え る こ と も で き る ︶。 従 来、 税 法 に お け る 婚 姻 中 立 の 問 題 は、 主 に 単 身 世 帯 と 夫 婦 世 帯 等 と の課税上の公平問題であった。 日 本 の 税 法 令 の う ち、 所 得 税 法 は、 配 偶 者 と い う 語 を 多 く 規 定 す る 実 定 税 法 の 一 つ で あ る。 そ の 中 で も 配 偶 者 控 除 ︵ 同 法 八 三 条 ︶ や 配 偶 者 特 別 控 除︵ 同 法 八 三 条 の 二 ︶ の 対 象 と な る 配 偶 者︵ 控 除 対 象 配 偶 者 ︶ は、 納 税 義 務 者 と 法 律 上 の 婚 姻 関 係 に あ る 者 に 限 ら れ る と 解 さ れ て い る 10 。 ま た、 相 続 税 法 も、 配 偶 者 に 対 す る 相 続 税 額 の 軽 減︵ 同 法 一 九 条 の 二 ︶、 贈 与 税 の 配 偶 者 控 除︵ 同 法 二 一 条 の 六 ︶ な ど を 規 定 す る。 こ の ほ か に も 地 方 税 法︵ 住 民 税 関 係 規 定 ︶ な ど に も 配 偶者に関する規定がある。これらの規定が対象とする﹁配偶者﹂は、基本的に法律婚配偶者に限定される。日本の民法

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に お い て 婚 姻 が 戸 籍 法 の 定 め る 届 出︵ 婚 姻 届 ︶ に よ り 効 力 を 生 ず る と 規 定 し て い る︵ 同 法 七 三 九 条 ︶ こ と か ら、 税 法 は、国内法秩序内において、税法独自の配偶者を所得税法において定めない限り、民法と同様、配偶者につき法律婚中 心主義を採用している。これは、税法の法解釈学では、借用概 念 11 とされ、税法令に規定のない用語につき、私法などの 他法令上の用語概念であるとき、その領域で概念を用いて税法領域にも適用している。 所得税法が法律婚中心主義であることは、配偶者のみならず、寡婦・寡夫控除︵同法八〇条︶の寡婦・寡夫について も夫︵妻︶との法律上の婚姻関係があったことを前提としており、理解される︵寡婦と寡夫との要件相違も不公平問題 があ る 12 ︶。すなわち、寡婦は、 ﹁夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない 者 ﹂︵ 所 得 税 法 二 条 三 〇 号 ︶ で あ る こ と を 前 提 と し、 ﹁ 夫 ﹂ と い う 法 律 婚 を 基 礎 と し た 夫 婦 関 係 が あ っ た﹁ 妻 ﹂ に 限 定 し て い る。 ま た 寡 夫 は、 ﹁ 妻 と 死 別 し、 若 し く は 妻 と 離 婚 し た 後 婚 姻 を し て い な い 者 又 は 妻 の 生 死 の 明 ら か で な い 者 ﹂ ︵ 所 得 税 法 二 条 三 一 号 ︶ で あ る こ と を 前 提 と し、 ﹁ 妻 ﹂ と い う 法 律 婚 を 基 礎 と し た 夫 婦 関 係 が あ っ た﹁ 夫 ﹂ に 限 定 し て い る。未婚の母など、法律婚の外にいる者に対する所得課税上の生活補助的措置は考慮されていないのであ る 13 。 しかしながら、法律婚でない婚姻についても、考慮する税法令がある。たとえば、国税徴収法は、一般の差押禁止財 産につき、 ﹁滞納者及びその者と生計を一にする配偶者︵届出をしていないが、事実上婚姻関係にある者を含む。 ︶その 他 の 親 族︵ 以 下﹁ 生 計 を 一 に す る 親 族 ﹂ と い う。 ︶ の 生 活 に 欠 く こ と が で き な い 衣 服、 寝 具、 家 具、 台 所 用 具、 畳 及 び 建 具 ﹂ と 規 定 し︵ 同 法 七 五 条 一 項 一 号 ︶、 事 実 婚 者 に つ い て も 配 偶 者 に 含 め る と し、 特 別 の 規 定 を 設 け て い る。 ま た、 租税特別措置法四一条二四項にも﹁当該個人と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者﹂と規 定され、事実婚に対する措置が講じられている。これらは、事実婚に対する借用概念ではなく、税法における﹁別段の

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定め﹂としての事実婚概念の規定であり、固有概念の設定である。 このように日本の税法は、基本的には法律婚中心主義をとっているが、例外として事実婚についても特段の定めを講 じている。同一法域内での用語概念の統一が望ましいと考える立場から、このような税法における配偶者に関する規定 において対立的規定が存在することは問題とされうる。 二.法律婚配偶者に対する税法上の措置 日本の税法において婚姻をめぐる規定は、所得課税法では所得税法、資産課税法では相続税法が中心となる。なお、 これら関係規定の詳細な法解釈学的検討は省略する。 二 -一   所 得 課 税 法 上 の 措 置    所 得 税 の 課 税 に お い て、 納 税 義 務 者 は、 そ の 配 偶 者 が 一 定 の 要 件 を 具 備 す る こ と で、 控 除 対 象 配 偶 者 14 と な り、 配 偶 者 控 除︵ 最 高 額 三 八 万 円 15 ︶ ま た は 配 偶 者 特 別 控 除︵ 最 高 額 三 八 万 円 16 ︶ を 受 け る︵ こ れ ら 控 除 の 要 件 は 改 正 を 重 ね 複 雑 に な っ て い る ︶。 こ こ で の﹁ 配 偶 者 ﹂ は、 す で に 紹 介 し た よ う に 法 律 婚 に 基 づ く 配 偶 者 である。事実婚に基づく配偶者は、控除対象配偶者に該当しない。 夫 婦 で 生 活 す る こ と に よ り、 独 身 者 の 生 計 費︵ 消 費 支 出 ︶ と 比 べ、 夫 婦 の 生 計 費 は 増 額 す る 17 。 民 法 は、 ﹁ 直 系 血 族 及 び 同 居 の 親 族 は、 互 い に 扶 け 合 わ な け れ ば な ら な い ﹂︵ 同 法 七 三 〇 条 ︶、 ﹁ 夫 婦 は 同 居 し、 互 い に 協 力 し 扶 助 し な け れ ば ならない﹂ ︵同法七五二条︶ 、﹁夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する﹂ ︵ 同 法 七 六 〇 条 ︶ と 規 定 し て い る。 婚 姻 に よ り、 夫 婦 の 生 計 費 は、 夫 婦 で 分 担 さ れ る。 し か し、 夫 婦 の 一 方 が 控 除 対 象 配偶者となるとき、夫婦世帯の税負担をいかにするかという問題が生じる。

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配偶者控除は、日本国憲法二五条が﹁健康で文化的な最低限度の生活﹂を保障していることとの関係上、課税によっ て生存権を侵害することのないように一定の所得以下の人を課税対象からはずす必要があ り 18 、課税最低限を保障するも のとして認められてい る 19 。すなわち、配偶者控除は、独身者である納税義務者が婚姻し控除対象配偶者の生計費を負担 することによる税負担力の減殺が発生することから、その部分を所得控除として、納税義務者の課税所得金額から控除 する。これは、所得控除のうち人的控除の一つとされ る 20 。 し か し、 日 本 国 憲 法 一 三 条 は、 ﹁ す べ て 国 民 は、 個 人 と し て 尊 重 さ れ る ﹂ と 規 定 し て い る。 こ の 規 定 と 憲 法 一 四 条 の 平等原則から、税法は、個々人の担税力に応じて適正かつ公平な課 税 21 をすることを要請されている。すなわち、所得課 税においては﹁同一所得、同一課税﹂原則が考慮されなければならない。したがって、同一所得である独身者と既婚者 と の 間 に お い て、 課 税 結 果 と し て の 税 額 が 不 均 等 に な る こ と は、 税 法 に お け る 租 税 負 担 公 平 原 則 が 優 先 す る 視 点 か ら は、基本的には許されないことである。ここに従来からの税法における婚姻中立問題がある。 そして、配偶者控除という所得控除は、法律婚を前提としたものである。これと同様に、寡婦︵寡夫︶控除も法律婚 の存在を前提として認められている。したがって、このような税法における法律婚中心主義は、法律婚世帯と事実婚世 帯との課税上の不公平を生じさせている。家族を扶養することは、法律婚のみでなく事実婚においても同様である。 二 -二   資 産 課 税 法 上 の 措 置    相 続 税 法 に お け る 配 偶 者 に 関 す る 規 定 と し て は、 ま ず 配 偶 者 に 対 す る 相 続 税 額 の 軽 減 措 置 が あ る︵ 同 法 一 九 条 の 二 ︶。 現 行 規 定 は、 課 税 価 格 が 配 偶 者 の 法 定 相 続 分 相 当 額 ま で で あ る 場 合、 ま た は 一億六〇〇〇万円以下である場合には、税額控除により納付すべき相続税額がなくなるとする。この軽減措置は、①配 偶者による財産の取得は、同一世代間の財産移転であり、遠からず次の相続が生じて、その際、相続税が課税されるこ

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とになるのが通常であること、②長年共同生活を営んできた配偶者に対する配慮、③遺産の維持形成に対する配偶者の 貢献等を考慮して設けられたものであるとされ る 22 。 次 に 、 相 続 税 法 は 、 配 偶 者 に 関 す る も の と し て 、 贈 与 税 の 配 偶 者 控 除 を 規 定 し て い る ︵ 同 法 二 一 条 の 六 ︶。 現 行 規 定 は 、 婚 姻 期 間 二 〇 年 以 上 の 配 偶 者 か ら 居 住 用 不 動 産 ま た は そ の 取 得 資 金 の 贈 与 を 受 け た 場 合 、 そ の 課 税 価 格 か ら 二 〇 〇 〇 万 円 ま で の 金 額 を 配 偶 者 控 除 と し て 控 除 す る。 こ の 措 置 は、 ① 夫 婦 の 財 産 は 夫 婦 の 協 力 に よ っ て 形 成 さ れ た も のであるとの考え方から夫婦間においては一般に贈与という認識が薄いこと、②配偶者の老後の生活保障を意図して贈 与される場合が多いことなどを考慮し、夫婦間贈与について贈与税の軽減措置を講じているとされ る 23 。 これら相続税法上の規定は、所得税法と同様、法律婚を前提としている。   三.扶養親族に対する税法上の措置 税法と婚姻との関係について考察する場合、夫婦関係のみならず親子関係も考察されなければならない。配偶者に関 すると同様、基本的に関係する税法は、所得税法と相続税法である。 所 得 税 法 は、 所 得 控 除 と し て 扶 養 控 除 を 規 定 し て い る︵ 同 法 八 四 条 ︶。 扶 養 控 除 の 対 象 は、 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る ① 配 偶 者 以 外 の 親 族︵ 血 族 六 親 等、 姻 族 三 親 等 内、 民 法 七 二 五 条 参 照 ︶、 ② 里 親 で あ る 納 税 義 務 者 に 委 託 さ れ た 児 童︵ 年 齢 一 八 歳 未 満 ︶、 ③ 養 護 受 託 者 で あ る 納 税 義 務 者 に 委 託 さ れ た 老 人︵ 年 齢 六 五 歳 以 上 ︶ の 者 で、 年 齢 一 六 歳 以 上 の者で合計所得金額が三八万円以下の者である。平成二二年度税制改正により、満一五歳以下の年少扶養親族︵〇歳か ら一五歳までの扶養親族︶については、 ﹁子ども手当﹂の創設や公立高等学校の無償化等に対応し、 ﹁所得控除から手当

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へ﹂という観点から、扶養控除の対象から外されてい る 24 。 扶養親族のうち子については、婚姻による実子、認知した実子、養子、そして里子が基本的に想定されるが、姻族一 親 等 で あ る 法 律 婚 に お け る 配 偶 者 の 子︵ い わ ゆ る﹁ 連 れ 子 ﹂︶ も、 生 計 を 一 に し て い る 条 件 等 を 満 た す と、 控 除 対 象 扶 養親族に含め得ると解する。しかし、事実婚における配偶者と同様、事実婚関係と同様の事情にある者との間の未認知 の子またはその者の連れ子は、所得税法上控除の対象となる扶養親族に含まれないと解され る 25 。 法律婚における配偶者の連れ子は、配偶者の子ではあるが、これと婚姻した世帯主である者︵義理の親︶との間には 親子関係がないことから、この世帯主との間に民法上の相続権を有していない。それゆえ、相続税法は、被相続人の法 定相続人に連れ子が含められないことから、遺産にかかる基礎控除︵同法一五条︶の計算において連れ子を相続人とし ての子として算入することを認めないと解される。連れ子も、被相続人が遺言書により遺産分割を受けることは可能で ある。 このように、所得税法が配偶者の連れ子を控除扶養親族として考慮するのに対して、相続税法が基礎控除計算の基礎 となる相続人に配偶者の連れ子を考慮していないという不均一は、各税法の目的の相違であるといえるが、何らかの課 題もあるといえる。

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フランスの世帯課税と婚姻法改正

一.フランス所得税における世帯課税 フ ラ ン ス に お け る 個 人 の 所 得 に 対 す る 所 得 税︵ impôt sur le revenu ︶ は、 租 税 一 般 法 典︵ Code général des impôts CGI ︶ 六 条 一 項 の 規 定 に よ る と、 各 単 身 の 納 税 義 務 者 の 所 得 と 子 の 所 得 と を 合 わ せ て 課 税 さ れ、 婚 姻 し て い る 者 で は 夫 婦 の 所 得 と そ の 子 の 所 得 を 合 わ せ て﹁ Monsieur ou Madame ﹂ と し て 共 同 課 税︵ une imposition commune ︶ さ れ、 ま た 民法典五一五 −一条に規定する民事連帯協約︵ Un pacte civil de solidarité PACS ︶ を結ぶ者にあっては各協約者名にて 共 同 課 税 さ れ る。 そ し て、 所 得 税 計 算 に つ い て は、 租 税 一 般 法 典 一 五 六 条 が﹁ 所 得 税 は、 各 課 税 世 帯 が 有 す る 当 該 年 所得金額の総額に基づいて確定される L'impôt sur le r

evenu est établi d'apr

ès le montant total du r

evenu net annuel dont

dispose chaque foyer fiscal. ﹂ と 規 定 し、 課 税 単 位 と し て 世 帯 課 税 基 準︵ règle de l'imposition par foyer ︶ を 採 用 し て い る 26 。フランス所得税は、基本的には、課税上の住所︵ domicile fiscal ︶を有する者に課税される︵ CGI. ar t. 4A ︶。この課 税上の住所は、その者の世帯︵ foyer ︶がフランスにあるか否かで判定される︵ CGI. ar t. 4B ︶。 この世帯課税の基礎となる世帯は、大きくは独身世帯と婚姻世帯とに分けられる。そして、フランス所得税は、この 世帯構成により家族除数 ︵ Le qu oti ent fa mi lia l ︶が決定され、その世帯の所得税課税標準である課税総所得金額を家族除 数 で 分 割 し、 分 割 し た 金 額 に 基 づ き 累 進 税 率︵ CGI. ar t. 197 ︶ を 乗 じ て 算 出 税 額 が 計 算 さ れ、 そ の 算 出 税 額 に 再 び 家 族 除数を乗じることで納税義務者の所得税額を計算する︵ CGI. ar t. 193 ︶。 家族除数は、独身世帯︵独身者 Célibatair e 、扶養子女のいない寡婦︵夫︶世帯 divor

cé ou veuf sans enfant à char

ge

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が 一 ポ イ ン ト︵ 1 par t ︶ を 基 準 と し、 夫 婦 世 帯︵ 扶 養 子 女 の い な い 夫 婦 Marié sans enfant à char ge ︶ が 二 ポ イ ン ト を 基 準 と し、 扶 養 子 女 が い る 場 合 に は 一 扶 養 子 女 ご と に 〇. 五 ポ イ ン ト を 加 算 し て 決 定 さ れ る︵ CGI. ar t. 194 ︶。 い わ ゆ る N 分 の N 乗 課 税 が 実 施 さ れ る。 世 帯 課 税 で あ っ て も、 婚 姻 し て い る 夫 婦 世 帯 は、 必 ず し も 夫 婦 合 同 で の 共 同 課 税 と し て の 世 帯 課 税 に 服 す る の で は な く、 別 居 の 夫 婦 等 の 一 定 の 夫 婦 世 帯 で は 夫 婦 別 々 で の 所 得 課 税 が 可 能 で あ る︵ CGI. ar t. 6-4 ︶。 ま た、 扶 養 子 女 に つ い て も、 同 様 に、 独 立 し た 所 得 者 で あ る 子 な ど は、 親 世 帯 と は 別 に 所 得 課 税 が な さ れ る ︵ CGI. ar t. 6-2 ︶。 世帯課税は、国家経済の主体の一つである﹁家計﹂を課税単位としていると理解されうる。フランス所得税は、基本 的には世帯全体の所得に家族除数を用いてN分N乗課税を行っている。フランスは、この世帯課税により単身世帯と夫 婦︵二人以上︶世帯との課税公平を考慮しようとしてきた。しかし、除数の見直しは数回なされており、フランス税法 は婚姻中立を模索してきた。 フ ラ ン ス 税 法 で の 世 帯 、 特 に 夫 婦 や 親 子 は 、 フ ラ ン ス に お い て も 民 法 典 ︵ Code civil Cciv ︶ が 規 定 す る 法 律 婚 を 前 提 と し て 形 成 さ れ る 。 し か し 、 フ ラ ン ス の 婚 姻 制 度 は 、 夫 婦 財 産 契 約 な ど 法 律 上 の 婚 姻 に 際 し て の 法 的 手 続 等 の 煩 わ し さ も あ り 、 事 実 婚 が 多 く な っ て き て い た 27 。 ま た 、 男 女 の 事 実 婚 の ほ か 、 同 性 愛 者 間 の 共 同 生 活 も 顕 在 化 し て き た こ と か ら 、 こ れ ら に 対 す る 法 的 対 応 が 要 請 さ れ た 28 。 そ の 結 果 、 フ ラ ン ス は 、 一 九 九 九 年 に 事 実 婚 や 同 性 婚 と 事 実 上 認 め る P A C S の 創 設、 そ し て 二 〇 一 三 年 の 同 性 婚 の 承 認 と い う 民 法 改 正 を 行 っ た。 フ ラ ン ス 税 法 は、 こ の 民 法 典 規 定 を 前提とし、法律婚︵異性間婚、同性間婚︶とPACSに対する税制措置を講じている。したがって、フランス税法は、 民法典に従った世帯やPACSを前提に世帯課税を行っている。

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二.フランスの婚姻法制改正と税法 フ ラ ン ス に お け る 婚 姻 に 関 す る 現 行 の 民 法 典 の 規 定 は、 そ の 一 四 三 条 に﹁ 婚 姻 は 異 性 ま た は 同 性 の 両 人 に よ り 契 約 される

Le mariage est contracté par deux personnes de sexe dif

fér

ent ou de même sexe.

﹂とされる。この規定は、同性 カップルに婚姻を解禁する二〇一三年五月一七日法律四〇四号︵ Loi n ° 2013 -404 du 17 mai 2013

ouvrant le mariage aux

couples de personnes de même sexe

︶が議会で可決されたことによるものであ る 29 。 現行のフランス民法が法律婚としての同性婚を認めたことは、所得税の世帯課税においても同様にこれを前提とした 課税が行われている。 フランスは、この同性婚承認の前に、PACSにより男女の事実婚や同性者間の婚姻関係に一定の法的効果を与えて いた。PACSは、現行のフランス民法典においても、その五一五 −一条に﹁民事連帯協約は、成年に達した異性間ま た は 同 性 間 に お い て 締 約 さ れ る 契 約 で あ り、 当 該 者 の 共 同 生 活 を 形 成 す る た め の も の で あ る Un pacte civil de solidarité

est un contrat conclu par deux personnes physiques majeur

es, de sexe dif

fér

ent ou de même sexe, pour or

ganiser leur vie

commune. ﹂ と 規 定 さ れ る。 二 〇 一 三 年 に 同 性 婚 が 認 め ら れ た 後 に お い て も、 P A C S 規 定 が 存 続 さ れ、 事 実 婚 と 法 律 婚との関係がフランスでは一層複雑になったと評する。このPACSが創設されたことにより、単なる同居であった男 女や同性者は、税法や社会保障関係法令において、法律婚の配偶者と同様な法的地位を有することとなった。 フランスは、PACS、そして同性婚を民法典で承認することで婚姻的同居に対する法的根拠を持たせ、税法におけ る婚姻中立問題を解決した。

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事実婚に対する日本国内法の展開

一.事実婚への法的対応 海外では、先にみたように事実婚や同性婚への法的対応を講ずるフランスのような国もあり、またアメリカのニュー ヨークでのゲイプライドにみるような同性愛者等︵LGBTとして知られるレズ、ゲイ、バイセクシュアル、トランス ジェンダー︶についても社会的な承認が得られ、同性婚を認める国も多くなってい る 30 。日本においても東京都渋谷区が 平成二七年度に﹁渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条 例 31 ﹂を制定し、パートナーシップ証明を交付 し、男女間以外の婚姻的共同生活にも夫婦と同様に考慮するという行政の門戸を開いたとして注目された。しかし、日 本国憲法二四条が﹁婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協 力により、維持されなければならない﹂と規定していることから、日本における法律上の婚姻は、男女間でしか成立し ない。この渋谷区条例は、同性婚を認めたというものではないと解する。 日本における事実婚は、日本国憲法の制定以前の民法において﹁家﹂制度がとられていたことにより、法律婚ではな く﹁内 縁 32 ﹂という夫婦関係が制度上発生していたこともあり、歴史的には古くからある。しかし、今日の事実婚は、婚 姻届を出していない多様な男女間の共同生活関係︵単純な同居、私通、同棲、準婚、重婚的事実婚、等︶として理解さ れる。このような多義的意味を有する事実婚であるが、判 例 33 や立法措置により、事実婚は法的に認められているのも現 実である。その結果、今日、婚姻に関する国内法制は、法律婚を中心基礎としながらも、事実婚を考慮した法令も多く 存在するという状況である。

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二.事実婚を認める実定法 日本の実定法は、日本国憲法二四条規定もあり、法律婚中心主義を基本的に採用している。しかし、事実婚に対する 法 的 措 置 を 講 ず る 法 律 も 相 当 数 あ る の も 現 実 で あ る。 日 本 の 法 令 デ ー タ ベ ー ス と し て の e-Gov 法 令 検 索︵ http://www . e-gov .go.jp/law/ ︶ に お い て、 条 件 設 定 と し て﹁ 事 実 上 婚 姻 関 係 ﹂ と い う 語 に て、 法 令 用 語 検 索 に か け、 検 索 対 象 を ﹁ 憲 法・ 法 律 ﹂ に し ぼ り、 検 索 単 位 を﹁ 法 令 単 位 ﹂ と し た と き の 検 索 結 果 と し て、 七 八 件 の 法 律 が あ げ ら れ る︵ 紙 幅 の 関係上、検索結果を省略︶ 。 先 に あ げ た 国 税 徴 収 法 の 規 定 は、 ﹁ 配 偶 者︵ 届 出 を し て い な い が、 事 実 上 婚 姻 関 係 に あ る 者 を 含 む。 ︶﹂ と 規 定 し て い る。このように﹁事実上婚姻関係にある者﹂という規定形式は国税徴収法のみと推量する。事実婚を考慮し規定にこれ を 明 示 し て い る 実 定 法 の 多 く は、 先 に 紹 介 し た 租 税 特 別 措 置 法 と 同 様、 ﹁ 婚 姻 の 届 出 を し て い な い が 事 実 上 婚 姻 関 係 と 同様の事情にある者﹂という規定形式、表現にて事実婚を定めている。なお、税法律ではないが、税法律の政令︵施行 令 ︶ や 省 令︵ 施 行 規 則 ︶ に お い て も、 ﹁ 事 実 上 婚 姻 関 係 と 同 様 の 事 情 に あ る 者 ﹂ と す る の が 一 般 的 規 定 形 式 と な っ て い る 34 。﹁ 事 実 上 婚 姻 関 係 に あ る 者 ﹂ と﹁ 事 実 上 婚 姻 関 係 と 同 様 の 事 情 に あ る 者 ﹂ と の 解 釈 上 の 相 違 は、 基 本 的 に は な い も のと解する。 先 の 検 索 結 果 を み る と 社 会 保 障 法 制 が 多 く、 そ の 中 で 制 定 年 が 最 も 古 い 法 律 で あ る﹁ 健 康 保 険 法 ﹂︵ 大 正 一 一 年 法 律 第七〇号︶は、 ﹁被扶養者﹂の定義において、 ﹁被保険者︵日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同 じ。 ︶ の 直 系 尊 属、 配 偶 者︵ 届 出 を し て い な い が、 事 実 上 婚 姻 関 係 と 同 様 の 事 情 に あ る 者 を 含 む。 以 下 こ の 項 に お い て 同 じ。 ︶、 子、 孫 及 び 兄 弟 姉 妹 で あ っ て、 主 と し て そ の 被 保 険 者 に よ り 生 計 を 維 持 す る も の ﹂︵ 同 法 三 条 七 項 一 号 ︶、 ﹁ 被

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保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と 同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの﹂ ︵同三号︶ 、および﹁前号の配偶者の死亡後にお けるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持す る も の ﹂︵ 同 四 号 ︶ と 規 定 し て い る。 健 康 保 険 法 は、 労 働 者 又 は そ の 被 扶 養 者 の 業 務 災 害 以 外 の 疾 病、 負 傷 若 し く は 死 亡又は出産に関して保険給付を行い国民の生活の安定と福祉の向上に寄与するための法である︵同法一条︶ 。 社会保障法制において配偶者に法律婚の配偶者ばかりでなく﹁届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情に ある者を含む﹂とし事実婚の配偶者も含めているのは、個々の法律の目的の違いもあるが、社会保障法制では準婚理論 による内縁関係の保護という趣旨に従った立法成果であると解する。また、法的には親族とはなっていない事実婚配偶 者であっても、現実の家族として生活しており、世帯を単位として社会保障を考慮するとき、このように事実婚配偶者 をも含めた法制が要請される。 法律婚による婚姻関係のみを前提に家族関係を法的に措置することは、一般的社会通念から社会的公正を欠く法運用 となると認められる。事実婚は、不可避的に起きる事実である。婚姻届を出した法律婚のみが法的保護を受けるという 法制度は何らかの欠陥を有する。それゆえ、七八件の法律が事実婚に関する規定を有しているのである。 しかし、法律婚が婚姻届により成立している婚姻関係であるのに対して、事実婚が成立している根拠はなにか。準婚 理論は、日本の家制度に基づく、法律婚が成立する前提としての事実婚に一定の法的保護を与えようとした考えであっ た。しかし、今日、事実婚のすべてが法律婚へと移行するものでもなく、事実婚という概念は非常に広範な男女の共同 生 活 形 態 を 包 含 す る も の に な っ て い る。 そ こ で、 実 定 法 上 の 事 実 婚 は、 何 ら か の 証 明 手 段、 手 続 を 必 要 と す べ き で あ

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る。特に税法は、租税法律主義に基づく適正かつ公平な課税を実現しなければならないことから、事実婚についても明 確に規定しなければならない。 三.事実婚の証明 民法は、事実婚に関する法的保護を規定していない。しかし、実定法には、事実婚に関する規定をもつ法律が多くあ る。それゆえ、これら法律において規定する﹁事実上婚姻関係と同様の事情にある者﹂の解釈確定は、何を根拠として な さ れ る べ き で あ ろ う か が 問 題 と さ れ る。 し か し、 事 実 婚 の 配 偶 者 を 法 律 婚 の 配 偶 者 と 同 様 に 措 置 す る 現 行 法 規︵ 法 律、政令、省令︶は、その意義を明確にはしていないといえる。 関 係 法 令 を み る と、 事 実 婚 と し て 認 定 す る に は、 ﹁ 同 一 の 世 帯 ﹂ に 属 し て い る こ と が 要 請 さ れ て い る こ と が あ る︵ 前 掲、 健 康 保 険 法 ︶。 多 義 的 概 念 で あ る 事 実 婚 と い え ど も、 単 に 男 女 が 恋 愛 関 係 に あ り 一 方 の 居 所 に 一 時 的 に 出 入 り す る 程 度 の 共 同 生 活 を し て い る 事 実 の み で、 こ れ を 事 実 婚 と し て 認 定 す る に は 不 十 分 で あ る と 解 す る。 民 法 は、 法 律 婚 の 成 立 要 件 と し て 婚 姻 意 思︵ 同 法 七 四 二 条 ︶ と 婚 姻 障 害︵ 同 法 七 三 一 ∼ 七 三 七 条 ︶ が な い こ と、 か つ 婚 姻 の 届 出︵ 同 法 七三九条︶を要求している。事実婚は、婚姻の届出を欠くことが事実として認められる。しかし、事実婚における婚姻 意思があること、および婚姻障害がないことが事実婚の成立要件として要請されるかについては、議論のあるところで も あ る 35 。 た だ し、 シ ェ ア ハ ウ ス︵ shar ed house か ら の 和 製 英 語 ︶ な ど に 単 に 同 居 す る 男 女 間 に 事 実 婚 の 関 係 が あ る と い う 事 実 認 定 は、 社 会 通 念 か ら し て も 誤 っ た も の と 解 す る。 判 例 は、 ﹁ 互 い に 協 力 し て 社 会 通 念 上 夫 婦 と し て の 共 同 生 活を現実に営んで﹂いる者は、内縁の関係にあるとす る 36 。

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このように外見から同居している男女を夫婦とみることは可能であるが、それを法律婚か事実婚かと判定するには婚 姻届の有無で決定されるが、婚姻届が当事者問題である以上、事実婚を法的に認定するのは易しいことではないと思慮 する。それゆえ、実定法において法律婚のみならず事実婚にも一定の法効果をもたらすとき、当該法の適用において夫 婦が法律婚か事実婚かを客観的に証明する必要があるのではなかろうか。 法 律 婚 は、 婚 姻 届 に よ り 戸 籍 法 に 基 づ き 夫 婦 に つ い て 新 戸 籍 が 編 製 さ れ る こ と か ら︵ 同 法 一 六 条 ︶、 戸 籍 謄 本・ 抄 本 や住民票の戸籍記載等にて証明される。しかし、事実婚は、戸籍謄本・抄本では婚姻関係を証明することができない。 し か し な が ら、 事 実 婚 の 証 明 は、 住 民 票 に て 可 能 で あ る と 解 す る。 住 民 票 は、 住 民 の 居 住 関 係 を 公 証 す る も の で あ る が、同一世帯の人間関係をも証明するものでもある。 法律婚であろうと事実婚であろうと、夫婦が同居する場合、住民基本台帳法に基づき居住する区市町村において、個 人 を 単 位 と す る 住 民 票 を 世 帯 ご と に 編 成 し た 住 民 基 本 台 帳 が 作 成 さ れ る︵ 住 民 基 本 台 帳 法 六 条 ︶。 住 民 基 本 台 帳 の 記 載 事項として、①氏名、②出生の年月日、③男女の別、④世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の 氏 名 及 び 世 帯 主 と の 続 柄 な ど の 基 本 事 項 が あ る︵ 住 民 基 本 台 帳 法 七 条 ︶。 こ れ ら 事 項 の う ち 注 目 さ れ る の は、 ④﹁ 世 帯 主との続柄﹂の記載である。 法 律 婚 で あ れ ば、 一 方 の 配 偶 者 が﹁ 世 帯 主 ﹂ と な り、 も う 一 方 の 配 偶 者 が﹁ 世 帯 主 と の 続 柄 ﹂ 欄 に﹁ 妻 ﹂ ま た は ﹁ 夫 ﹂ と 記 載 さ れ る。 こ れ に 対 し て、 事 実 婚 の 場 合、 同 居 す る 男 女 は、 そ の 住 所 に お い て 別 々 の 世 帯 と す る こ と も 可 能 で あ り、 ま た 同 一 世 帯 と す る こ と も 可 能 で あ る。 事 実 婚 の 証 明 と し て は、 先 に 見 た よ う に 実 定 法 に お い て﹁ 同 一 の 世 帯﹂を要求するものもあることから、同一世帯として住民登録を選択することが望ましいものである。事実婚の男女が

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同一世帯とする場合、世帯主を決定し、その世帯主の同意書をもって、事実婚配偶者を住民票の﹁世帯主との続柄﹂欄 に﹁妻︵未届︶ ﹂または﹁夫︵未届︶ ﹂として記載することができ る 37 。 事 実 婚 夫 婦 と し て 事 実 婚 を 第 三 者 に 証 明 す る に は、 住 民 票 の﹁ 世 帯 主 と の 続 柄 ﹂ 欄 に﹁ 妻︵ 未 届 ︶﹂ ま た は﹁ 夫︵ 未 届 ︶﹂ と 記 載 さ れ て い る こ と が 最 善 で あ る。 し か し、 現 実 の 事 実 婚 は、 多 様 で あ る。 単 な る 同 居、 私 通︵ 密 通 ︶ は、 同 一世帯を構成するものでもないことが多く、これを事実婚として認定することは難しいと解する。また、婚姻意思のな い同棲も同様であ る 38 。なお、婚姻障害のある事実婚については、一定の条件下で認められる場合もあろうが、婚姻制度 の法的安定性を斟酌すると、望ましい婚姻であるかは疑わしいと解す る 39 。

 

婚姻に対する税法の中立性

一.婚姻と税負担 市民生活の基盤は、家族である。家族は、婚姻による夫婦を中心に、親子関係による血族、姻族を含め親族へと広が る。しかし、税負担は、各個人の毎年の経常的な所得とその消費を基礎に、その資産に補完的に税を課し担保される。 税制は、所得課税、消費課税および資産課税の適正なバランスにより実行される︵これをタックス・ミックスという︶ 。 この婚姻と税負担との関係に不可避的乖離があるゆえに、婚姻に対する税法における調整が所得税の課税単位として 考慮されている。単身世帯に比べ、夫婦世帯の消費支出は増加する。その増加を税負担の減殺要因と考慮する限りにお いて、日本の所得税が採用する個人課税単位であっても、一定の要件に基づいて配偶者控除による所得控除措置は講じ

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られるべきものとされてきた。 夫婦世帯が単身世帯より生計費が増大することは明白である。所得税原則である﹁同一所得、同一課税﹂は、世帯構 成が婚姻により変更されることにより、一定の合理的修正を受ける。個人単位課税での配偶者控除、夫婦課税単位での 二分二乗方式、世帯課税でのN分N乗方式の採用は、この修正にあたる。夫婦世帯の生計費増大に対する所得税措置と して課税所得金額の減額︵所得控除、夫婦所得の二分二乗方式での分割など︶は、能力に応じた税負担を求める適正か つ公平な課税の実施であった。 この考えからすると、婚姻が法律婚であるか否かは、適正かつ公平な課税の実現のためには無関係のことである。日 本の所得税法が控除対象配偶者を法律婚配偶者に限定すると解することは、合理的理由を持つものではないと解する。 しかし、現行実定法において事実婚が認められる場合、その規定形式が配偶者に﹁事実上婚姻関係と同様の事情にある 者﹂を含むとする明確な条文規定となっていることから、裁判所の法解釈は、明文規定のないとき事実婚配偶者を含め て﹁配偶者﹂とすることに消極的である。 結婚式を済ませた夫婦が何等かの理由で婚姻届を提出せずに同居互助生活を始めている場合、この夫婦は、法的には 事 実 婚 と さ れ る で あ ろ う。 所 得 税 が 暦 年 終 了 時 一 二 月 三 一 日 の 現 況 に よ り 納 税 義 務 が 成 立 す る こ と か ら︵ 国 税 通 則 法 一 五 条 二 項 ︶、 何 等 か の 理 由 で 事 実 婚 が 暦 年 終 了 時 ま で 継 続 さ れ る と き、 こ の 夫 婦 は 社 会 通 念 上 婚 姻 し て い る 夫 婦 で あ るが法律婚夫婦でないことから、その事実上の婚姻年における所得税は婚姻による生計費増大を考慮されずに課税され る。事実婚配偶者が所得税法に定める控除対象配偶者の要件となる所得基準未満であっても、単に婚姻届の提出がない ことから、その配偶者は控除対象配偶者ではないとされる。これは適正かつ公平な課税とは言えない。配偶者控除にお

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いて配偶者を法律婚配偶者に限定する合理的理由はないといえる。 控除対象配偶者に事実婚配偶者を含めることには法解釈上の限界を認められるが、立法論としては適正かつ公平な課 税実現のために、法律婚と事実婚とを区別せず配偶者控除の適用をすべきである。このとき事実婚配偶者の判定は、先 に検討した事実婚の証明として、住民票に﹁妻︵未届︶ ﹂または﹁夫︵未届︶ ﹂という記載を活用すべきであろう。 事実婚が不可避的事実であり、今日的婚姻において多様化した夫婦形態が認められることから、税制改正において対 処しなければならない問題がここにあると認識する。社会現実を踏まえ、税法は、法律婚と事実婚との区別をなくし、 中立である必要がある。早々に、この点に関する婚姻に対する税法の中立性が保障されるべきである。 二.個人単位課税における婚姻に対する中立 婚姻による生計費増大に対する所得税措置は、個人単位課税の配偶者控除のほか、課税単位を夫婦単位または世帯単 位へと見直すことでも実行可能である。しかし、税の基礎が個人の経済活動に対するものであり、また日本国憲法一三 条 ﹁ す べ て 国 民 は 、 個 人 と し て 尊 重 さ れ る ﹂ と の 規 定 を 考 慮 す る 限 り 、 日 本 の 所 得 税 は 個 人 単 位 課 税 で あ る べ き で あ る 。 現代国家である日本が福祉国家である限り、国家は国民の﹁ゆりかごから墓場まで﹂ないし﹁母胎から天国まで﹂を 保障しなければならない。かつて﹁三従﹂として、幼きは父兄に従い、嫁いでは夫に従い、老いては子に従えというよ うなことが言われた。しかし、ベーシック・インカムの考えからすると、一定の所得以下の市民については国家が生活 費として手当等を支給するという福祉国家実現も一つの方法であろう。 この考えを婚姻に対する税法の中立性確保のために採り入れ、現行法所得税法が個人単位課税を採用しつつも婚姻世

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帯等に一定要件にて配偶者控除等の所得控除を認め税負担公平に配慮してきたものとは全く異なる個人単位課税が考案 されうる。たとえば、個人単位課税での課税最低限を、単身世帯の平均生計費の七〇%から八〇%程度︵平均月一六万 円 × 一 二 月 × 七 五 % = 一 四 四 万 円 ︶、 ま た は 控 除 配 偶 者 と な る 所 得 基 準 年 一 〇 三 万 円 に 配 偶 者 控 除 額 三 八 万 円 の 合 計 額 ︵ 一 四 一 万 円 ︶ と し、 こ れ 以 下 ま た は 未 満 の 所 得 者 は 課 税 最 低 限 と の 差 額 の 手 当 支 給 を 受 け る も の と し、 こ の 課 税 最 低 限 を 超 え る 所 得 者 は 累 進 課 税 さ れ る の で あ る︵ こ れ を 純 個 人 単 位 課 税 と す る 40 ︶。 こ の 場 合、 人 は、 生 命 あ る 限 り、 何 ら かの所得を得て、これをもって消費し生活していることから、すべて所得者であると理解される。現行の日本所得税法 は、 親 か ら 学 資 金 品 や 扶 養 金 品 を 受 け る 子 の 所 得 を 非 課 税 と し︵ 同 法 九 条 ︶、 こ れ ら を 給 付 す る 親 に お い て 扶 養 控 除 を 認め、税負担を減額している。純個人単位課税は、学資金受領を非課税とせず、また配偶者控除も扶養控除もなくし、 単純に個人の所得に課税するシステムである。このシステム構想は、課税最低限までは課税除外とし、これ以上に累進 課税を適用するものである。支給される手当の財源は、子ども手当をはじめとする各種の手当の見直しによるもの、高 額所得者への累進課税額と実行平均税率による課税額との差額などを充当する。 配偶者控除など人的控除額をなくし、個人単位課税を単純化し、ベーシック・インカムによる課税最低限までの所得 層への手当支給を行うことで、婚姻に中立な所得税となると考える。扶養控除については、すでに﹁所得控除から手当 へ﹂と移行しており、個人単位課税を強化している。このような個人単位課税は、古くからの婚姻による単身者世帯課 税と既婚者世帯課税との不公平、今日の法律婚中心主義による法律婚と事実婚との不公平、さらに新たに男女間の婚姻 を婚姻としてきたことによる異性間カップルと同性間カップルとの不公平という婚姻をめぐる税法中立問題の不適正か つ不公平な課税を排除し、婚姻に対する税法の中立性を確保するものであると提言する。

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結語

日本の婚姻は、法律婚が基本であるが、事実婚も多く、同性婚なども現実的となり、多様化している。日本の民法が フランス民法のようなPACSや同性婚を認める改正をできるかは、疑わしい。税法は、婚姻中立を所得課税の課税単 位制度として考慮してきた。しかし、十分な適正かつ公平な課税は実現されず、婚姻中立問題は今日的問題として未だ にある。そして、事実婚や同性婚の問題もあり、この婚姻に対する税法中立問題は複雑となっている。 本稿は、結論として、婚姻に対する税法の中立性を人的控除のない単純な﹁個人単位課税﹂の実現により確保できる と提言する。これは、世帯構成を考慮してきた従来の税制からすると、ある意味で逆転の発想である。日本の所得税法 は、婚姻を契機とする世帯構成による税負担配慮により、様々な不公平問題に直面し、そして複雑で難解な所得控除制 度や課税単位制度を維持してきた。本稿は、この問題の解決として、配偶者控除等を廃止し、所得税の課税最低限所得 金額を設定し、同金額までの所得者に差額を手当として支給するというベーシック・インカムの考え方を採り入れた所 得税制を提言する。 ﹁所得控除から手当へ﹂という扶養控除制度における展開は、婚姻に対する税法の中立性を検討するに際しても、重 要 な 示 唆 と な る。 平 成 税 制 改 正 の 基 礎 と な る 税 制 改 正 法 は、 ﹁ 公 平、 中 立、 簡 素 ﹂ を 税 制 の 基 本 理 念 と す る。 所 得 税 の 婚姻に中立な個人単位課税の実現は、この理念に合致するものといえる。また、法律婚と事実婚、異性婚と同性婚、そ の ほ か の 多 様 な 同 一 生 計 世 帯 の 共 同 生 活 に お い て も、 そ の 構 成 に 関 係 な く 個 人 に 注 目 す る こ と か ら、 ﹁ 同 一 所 得、 同 一 課税﹂は実現できる。ただし、家族を扶養する世帯主の扶養費支出と被扶養者の扶養収入︵所得︶とを如何に税制上考

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慮するかという課題、並びに配偶者控除等に代わる手当支給の財源や実施手続などに課題はあろう。しかし、現行の所 得税における配偶者控除等の要件は複雑となり、市民にとって公平と感じ、簡素な税制であり、簡易な税額計算を税法 が保障しているかは疑わしいことを指摘しうる。公平、簡素、簡易な税制が望ましい。税法は、最も市民生活に密着し た法分野であり、市民が最も関心をもつ法分野でもある。それゆえ、義務教育を終えた市民であれば、誰でも理解でき 税額計算のできる公平、簡素、簡易なものが望まれ る 41 。 最後に、本稿は、婚姻に関する民法学での研究成果を十分に消化していない。しかし、今日の日本における婚姻実態 は、法律婚を中心としながらも、多様化しているものといえる。本稿の目的は、この今日の婚姻形態の多様化という現 実に対して、適正かつ公平な課税による納税者である市民の権利保護を目的とする税法が如何に対応すべきかを検討し 解決案を提示することにあった。 注 ︵ 1︶   厚 生 労 働 省 ﹃ 平 成 二 五 年 版 厚 生 労 働 白 書 −若 者 の 意 識 を 探 る −﹄ 五 九 頁 は 、 二 〇 一 〇 年 の 生 涯 未 婚 率 が 男 性 一 九 . 三 % 、 女 性 九 . 九 % となっており、一九八〇年と比べて男性で一六.八ポイント、女性で五.三ポイント上昇していると指摘している︵厚生労働省 WEB ︵ https://www .mhlw .go.jp ︶ > 統 計 情 報・ 白 書 > 白 書、 年 次 報 告 書 > 平 成 二 五 年 版 厚 生 労 働 白 書 > 本 文 第 一 部 第 二 章 第 二 節 ︶︵ 二 〇 一 八 年 九 月一五日掲載確認︶ 。 ︵ 2︶   各 法 律 が 個 々 の 目 的 を も っ て 制 定 さ れ て い る こ と か ら、 実 定 法 内 で の 同 一 用 語 は、 同 一 の 概 念 と し て 解 釈 さ れ な け れ ば な ら な い と は 必 ず し も 言 え な い と い う 各 法 分 野 の 独 立 性 を 強 調 す る 考 え も あ る。 か つ て、 税 法 学 に お い て も、 税 法 学 の 独 立 を 強 調 す る こ と か ら、 私 法 と 異 な る 経 済 的 観 察 方 法 を 用 い て 税 法 独 自 の 経 済 活 動 解 釈 が 許 さ れ る と す る 実 質 課 税 の 原 則 が 主 張 さ れ た。 こ れ は、 税 法 定 原 則︵ 租 税 法 律 主 義、 税 要 件 明 確 主 義 ︶ か ら 根 本 的 に 否 定 さ れ る べ き で あ る。 税 法 定 原 則 は、 税 法 領 域 で の 法 的 安 定 性 と 予 測 可 能 性 を 市 民 に 保 障 す る た

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め に、 税 法 執 行 段 階 に お け る 課 税 行 政 機 関 の 裁 量 を 否 定 し な け れ ば な ら な い︵ 議 会 立 法 が 行 政 主 導 の も と で 法 律、 条 例、 条 約 等 が 制 定 さ れ て い る こ と か ら、 行 政 に よ る 立 法 の 濫 用 も 問 題 と さ れ る ︶。 こ の 点 か ら み て、 国 内 実 定 法 内 で の﹁ 同 一 用 語、 同 一 意 義 ﹂ を 立 法 お よ び 執 行︵行政解釈、司法解釈︶において実行されなければならないと考える。 ︵ 3︶   税 制 の 婚 姻 に 対 す る 中 立 性 に つ い て は、 す で に 碓 井 光 明﹁ 女 性 の 社 会 進 出 に 対 す る 税 制 の 影 響 −配 偶 者 控 除 等 の 廃 止 論 を め ぐ っ て ﹂ ジ ュ リ ス ト 一 二 三 八 号︵ 二 〇 〇 三 年 二 月 一 日 ︶ 七 一 −七 二 頁 ほ か、 多 く の 研 究 が な さ れ て い る。 ま た、 婚 姻 と 税 制 と の 関 係 に つ い て も 多 く、 そ の 詳 細 は 省 略 す る。 な お、 拙 著﹃ 市 民 の た め の 税 法 学 ﹄︵ 二 〇 一 六 年、 八 千 代 出 版 ︶ 二 四 五 −二 四 六 頁 は、 所 得 課 税 法 原 則 の 一 つ と して﹁課税単位間公平﹂を提示する。 ︵ 4︶   日 本 で も 二 分 二 乗 方 式 で の 所 得 税 計 算 が 可 能 で あ る か 否 か に つ き 裁 判 と な っ た 事 例 が あ る︵ 最 高 裁 判 所 大 法 廷 昭 和 三 六 年 九 月 六 日 判 決、 二 分 二 乗 訴 訟、 最 高 裁 判 所 民 事 判 例 集 一 五 巻 八 号 二 〇 四 七 頁、 訟 務 月 報 七 巻 一 一 号 二 二 二 九 頁、 税 務 訴 訟 資 料︵ 一 ∼ 二 四 九 号 ︶ 三 五 号六八二頁、第一法規 D 1-Law .com 判例体系判例 ID: 21015240 ︶。判例は消極的である。 ︵ 5︶   財 務 省 WEB ︵ https://www .mof.go.jp ︶ > 税 制 > わ が 国 の 税 制 の 概 要 > 国 際 比 較 > 所 得 税 な ど︵ 個 人 所 得 課 税 ︶ に 関 す る 資 料 > ﹁ 主 要 国 における配偶者の存在を考慮した税制上の仕組み等について﹂を参照︵二〇一八年九月一五日掲載確認︶ 。 ︵6︶   フランス租税一般法典︵

code general des impôts

CGI

︶は、

﹁同じ屋根の下で﹂

sous le même toit

︶という表現︵ ex. CGI.ar t. 6-4 -a, 156 , 168 ︶を用 いている。 日本の税 法は﹁生計 を一にす る﹂と規 定する︵所 得税法二条、 九条、五六 条等、地方 税法一一 条の六等、 国税徴収 法 三 七 条、 七 五 条 等 ︶。 日 本 で は﹁ 一 つ 屋 根 の 下 ﹂ で 暮 ら す、 ﹁ 同 じ 釜 の 飯 を 食 ら う ﹂ と い う 表 現 も あ り、 同 居 親 族 な ど の 連 帯 感 を 表 す こ と が あ る。 所 得 税 法 が 同 一 生 計 配 偶 者︵ 同 法 二 条 三 三 号 ︶ 等 に 規 定 す る﹁ 生 計 を 一 に す る ﹂ と は、 必 ず し も 同 一 の 家 屋 に 起 居 し て い る こ と を い う も の で は な く、 勤 務、 修 学、 療 養 等 の 都 合 上 他 の 親 族 と 日 常 の 起 居 を 共 に し て い な い 親 族 が い る 場 合、 ① そ の 余 暇 に は 当 該 他 の 親 族 の も と で 起 居 を 共 に す る こ と を 常 例 と し て い る と き、 か つ ② こ れ 等 の 親 族 間 に お い て、 常 に 生 活 費、 学 資 金、 療 養 費 等 の 送 金 が 行 わ れ て い る と き に は、 同 一 生 計 の 親 族 と す る 実 務 解 釈 が あ る︵ 所 得 税 基 本 通 達 二 −四 七 参 照 ︶。 フ ラ ン ス で は、 夫 婦 が 同 じ 屋 根 の 下 で 生 活 し て いないとき、夫婦区分課税の対象となる︵ CGI. ar t. 6-a ︶。夫婦共稼ぎ世帯では、課税方式の選択が難しい問題ともなる。 ︵ 7︶   拙 著・ 前 掲 注 三・ 二 四 二 頁。 従 来、 税 法 原 則 と し て 租 税 法 律 主 義 な ど の 基 本 原 則 の み を と り あ げ、 税 法 各 論 と し て の 国 税・ 地 方 税 と し て の 所 得 課 税 法、 消 費 課 税 法 お よ び 資 産 課 税 法 に お け る 原 則 と の 関 係 が 明 確 に さ れ て い な い。 こ の こ と は、 税 法 学 が 未 だ に 発 展 途 上 の 法 分 野 で あ る と も い え る が、 理 論 的 税 法 学 体 系 に 注 目 し て の 研 究 が さ れ て き て い な い こ と も 示 し て い る。 フ ラ ン ス 所 得 税 に お い て、 ﹁ 同 一 所 得、同一課税﹂原則は、個人所得税の課税標準決定基準として﹁同一所得に同一税﹂基準 ︵ la r ègle à r

evenue égal, impôt égal

︶を講じてい

たことを指摘する︵

v.Conseil des Impôts, Septième Rappor

t au Pr ésident de la République r elatif à l Impôt sur le r evenue, Année 1984 , p. 55 ︶。

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︵ 8︶   控 除 対 象 配 偶 者 が 配 偶 者 控 除 を 受 け る た め の 要 件 金 額 以 下 の 所 得 を 得 て い る 場 合、 世 帯 と し て の 総 所 得 は 増 え る が、 控 除 を 受 け る こ と か ら、 控 除 対 象 配 偶 者 の 所 得 に 配 偶 者 控 除 額 を 加 算 し た 金 額 が ダ ブ ル で 控 除 さ れ る こ と に も な る。 し か し、 こ の 控 除 要 件 金 額 を 超 え る 場 合、 配 偶 者 控 除 も な く、 ま た 配 偶 者 も 所 得 税 の 納 税 義 務 者 と な り、 世 帯 総 所 得 が 増 え る が、 税 引 き 後 の 可 処 分 所 得 は か え っ て 減 る 状 況 が 現れる。いわゆる﹁一〇三万円の壁﹂である。 ︵ 9︶   配 偶 者 控 除 に 関 し て は、 多 く の 研 究 が な さ れ て き た。 主 な も の と し て、 碓 井・ 前 掲 注 三、 全 国 婦 人 税 理 士 連 盟﹃ 配 偶 者 控 除 な ん か い ら な い ﹄︵ 一 九 九 四 年、 日 本 評 論 社 ︶、 三 木 義 一﹁ 租 税 法 と 家 族 ﹂ 利 谷 信 義 編﹃ 現 代 家 族 法 学 ﹄︵ 一 九 九 九 年、 法 律 文 化 社 ︶ 二 三 九 −二 四 四 頁、 佐 藤 英 明﹁ 配 偶 者 控 除 お よ び 配 偶 者 特 別 控 除 の 検 討 ﹂ 日 税 研 論 集 五 二 号︵ 二 〇 〇 三 年 ︶﹃ 所 得 控 除 の 研 究 ﹄ 一 三 三 −一 五 九 頁、 肥 後 治 樹﹁租税法における﹃配偶者﹄について﹂ ︵筑波ロー・ジャーナル六号一五三 −一八七頁以下、二〇〇九年九月︶参照。 ︵ 10︶   最 高 裁 判 所 第 三 小 法 廷 平 成 九 年 九 月 九 日 判 決、 事 実 婚﹁ 配 偶 者 控 除 ﹂ 訴 訟︵ 訟 務 月 報 四 四 巻 六 号 一 〇 〇 九 頁、 税 務 訴 訟 資 料︵ 一 ∼ 二 四 九 号 ︶ 二 二 八 号 五 〇 一 頁、 第 一 法 規 D 1-Law .com 判 例 体 系 判 例 ID 28032803 ︶ は、 所 得 税 法 八 三 条 等 に 規 定 す る﹁ 配 偶 者 ﹂ に つ き ﹁ 納 税 義 務 者 と 法 律 上 の 婚 姻 関 係 に あ る 者 に 限 ら れ る と 解 す る の が 相 当 ﹂ で あ る と 判 示 し て い る。 税 法 令 に お け る﹁ 配 偶 者 ﹂ 概 念 に つ い て は、肥後治樹・前掲注九参照。 ︵ 11︶   借 用 概 念 に つ い て は、 岡 山 地 方 裁 判 所 昭 和 三 九 年 一 月 二 八 日 判 決︵ 行 政 事 件 裁 判 例 集 一 五 巻 一 号 一 〇 一 頁、 訟 務 月 報 一 〇 巻 三 号 五 三 五 頁、 税 務 訴 訟 資 料︵ 一 ∼ 二 四 九 号 ︶ 三 八 号 二 四 頁、 第 一 法 規 D 1-Law .com 判 例 体 系 判 例 ID 21018620 ︶ に お い て、 ﹁ わ が 国 の 実 定 法 体 系 の も と に お い て は、 あ る 法 律 分 野 に お け る 法 律 用 語 は 他 の 法 律 分 野 に お い て も 同 一 の 意 味 内 容 を 有 し て い る の が 原 則 で あ つ て、 か る が る し く 分 野 を 異 に す る こ と を 理 由 に 用 語 を 異 別 に 解 釈 す る こ と は 許 さ れ な い か ら、 前 記 規 定 中 の﹁ 配 偶 者 ﹂ お よ び﹁ 親 族 ﹂ と い う 用 語 は、 い ず れ も 民 法 上 の 配 偶 者︵ 届 出 を し た 配 偶 者 ︶ お よ び 親 族 を 指 し て い る も の と 解 す べ き で あ る。 ま た 民 法 以 外 の 法 律 分 野 に お い て、 民 法 上 の 配 偶 者 の み な ら ず、 い わ ゆ る 内 縁 配 偶 者 を も 含 め て 規 定 す る 場 合 に は、 配 偶 者︵ 届 出 を し て い な い が、 事 実 上 婚 姻 関 係 に あ る 者 を 含 む︶ ︵国税徴収法第七五条第一項︶等の表現を用いてその趣旨を明確に規定しているのが通例である﹂とされる。 ︵ 12︶   最 高 裁 判 所 第 二 小 法 廷 平 成 六 年 九 月 一 三 日 判 決︵ 所 得 税 更 正 処 分 等 取 消 請 求 上 告 事 件、 税 務 訴 訟 資 料︵ 一 ∼ 二 四 九 号 ︶ 二 〇 五 号 四 〇 五 頁、 第 一 法 規 D 1-Law .com 判 例 体 系 判 例 ID 22007673 ︶、 最 高 裁 判 所 第 二 小 法 廷 平 成 七 年 一 二 月 一 五 日 判 決︵ 所 得 税 更 正 処 分 等 取 消 請 求 事 件、 税 務 訴 訟 資 料︵ 一 ∼ 二 四 九 号 ︶ 二 一 四 号 七 六 五 頁、 第 一 法 規 D 1-Law .com 判 例 体 系 判 例 ID 28010483 ︶ は、 適 用 要 件 の 差 異 が 憲 法 一四条一項に違反しないとする。 ︵ 13︶   所 得 税 法 に 規 定 す る 寡 婦・ 寡 夫 に つ い て は、 厚 生 労 働 省 か ら の 平 成 三 一 年 度 税 制 改 正 要 望 事 項﹁ 未 婚 の ひ と り 親 に 対 す る 税 制 上 の 支 援 措 置 ﹂ と し て 寡 婦︵ 寡 夫 ︶ 控 除 に 関 す る 規 定 の 寡 婦・ 寡 夫 に﹁ 子 が い る 婚 姻 を し て い な い 者 ﹂︵ 未 婚 の ひ と り 親 ︶ を 加 え る と い う 寡 婦・ 寡

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夫 控 除 の 適 用 対 象 の 拡 充 が 検 討 さ れ て い る︵ 財 務 省 WEB > 税 制 > 毎 年 度 の 税 制 改 正 > 税 制 改 正 の 概 要 > 平 成 三 一 年 度 > 税 制 改 正 要 望 > 厚生労働省︶ ︵二〇一八年九月一五日掲載確認︶ 。 ︵ 14︶   控 除 対 処 配 偶 者 と は、 同 一 生 計 配 偶 者 の う ち、 合 計 所 得 金 額 が 一 〇 〇 〇 万 円 以 下 で あ る 居 住 者 の 配 偶 者 を い う︵ 所 得 税 法 二 条 一 項 三 三 号 の 二 ︶。 こ こ で い う 同 一 生 計 配 偶 者 と は、 居 住 者 の 配 偶 者 で そ の 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る も の︵ 青 色 事 業 専 従 者 等 を 除 く ︶ の う ち、 合 計 所 得 金 額 が 三 八 万 円 以 下 で あ る 者 を い う︵ 同 三 三 号 ︶。 ま た、 源 泉 控 除 対 象 配 偶 者︵ 合 計 所 得 金 額 が 九 〇 〇 万 円 以 下 で あ る 居 住 者 の 配 偶 者 で そ の 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る も の の う ち、 合 計 所 得 金 額 が 八 五 万 円 以 下 で あ る 者 ︶ と い う 配 偶 者 概 念 が 所 得 税 法 に 別 途 あ る︵ 同 法 二 条 一項三三号の四︶ 。 ︵ 15︶   現 行 の 配 偶 者 控 除 は、 納 税 義 務 者 の 合 計 所 得 金 額 が 九 〇 〇 万 円 以 下 で あ る 場 合 三 八 万 円、 こ れ が 九 〇 〇 万 円 を 超 え 九 五 〇 万 円 以 下 で あ る場合二六万円、これが九五〇万円を超え一〇〇〇万円以下である場合一三万円とされる︵所得税法八三条︶ 。 ︵ 16︶   配 偶 者 特 別 控 除 が 配 偶 者 控 除 と 併 せ て 認 め ら れ た 時 期 も あ っ た が、 現 行 の 配 偶 者 特 別 控 除 は、 納 税 義 務 者 が 生 計 を 一 に す る 配 偶 者︵ 合 計 所 得 金 額 が 一 二 三 万 円 以 下 で あ る も の に 限 る ︶ で 控 除 対 象 配 偶 者 に 該 当 し な い も の を 有 す る 場 合 に、 限 定 的 に 認 め ら れ、 最 高 額 三 八 万 円とされる︵所得税法八三条の二︶ 。 ︵ 17︶   一 人 よ り 二 人 の 生 計 費 が 大 き く な る の は 常 識 的 に も 理 解 で き る。 総 務 省 統 計 局 の 統 計 で は、 二 〇 一 七 年 の 単 身 世 帯 の 消 費 支 出 が 一 世 帯 当 た り 一 か 月 平 均 一 六 万 一 六 二 三 円 に 対 し て、 二 人 以 上 の 世 帯 の そ れ が 二 四 万 三 四 五 六 円 と な っ て い る︵ ﹃ 家 計 調 査 年 報︵ 家 計 収 支 編 ︶ 平 成 二 九 年︵ 二 〇 一 七 年 ︶﹄ 三 五 頁 掲 載﹁ 表 Ⅲ −一 −一 消 費 支 出 の 対 前 年︵ 同 期 ︶ 増 減 率 の 推 移 ﹂ 参 照 ︶︵ 総 務 省 統 計 局 WEB ︵ http://www . stat.go.jp ︶ > 統 計 デ ー タ > 家 計 調 査 > 家 計 調 査︵ 家 計 収 支 編 ︶ 調 査 結 果 > 家 計 調 査 年 報︵ 家 計 収 支 編 ︶ > 家 計 調 査 年 報︵ 家 計 収 支 編 ︶ 平 成 二 九 年︵ 二 〇 一 七 年 ︶、 二 〇 一 八 年 九 月 一 五 日 掲 載 確 認 ︶。 こ こ で 注 目 す べ き は、 生 計 費 の 増 加 が 単 純 な N 倍 額 と な ら な い こ と で あ る。 生計費は家族数に応じて単純増額ではなく一定の逓減がみられる。 ︵ 18︶   北 野 弘 久 編﹃ 現 代 税 法 講 義 ﹄︵ 法 律 文 化 社、 一 九 八 九 年 ︶ 六 二 −六 三 頁︵ 執 筆 者、 三 木 義 一 ︶。 三 木 義 一・ 前 掲 注 九﹃ 現 代 家 族 法 学 ﹄ 二 四 四 頁 は、 ﹁ こ れ ら 控 除 の 本 来 の 趣 旨 は 法 律 婚 手 続 を と っ た 者 に 対 す る 優 遇 措 置 で は な く、 扶 養 に 伴 う 支 出 に よ る 担 税 力 の 減 殺 を 考 慮 す る た め の 制 度 で あ る か ら、 立 法 論 と し て は 現 実 に 扶 養 等 に よ る 負 担 能 力 の 減 少 が 生 じ て い る 限 り、 控 除 を 認 め て い く べ き で あ ろ う ﹂ と し、事実婚配偶者への適用を提言する。 ︵ 19︶   税 大 講 本﹃ 所 得 税 法︵ 平 成 三 〇 年 度 版 ︶﹄ 八 八 頁︵ 国 税 庁 WEB ︵ https://www .nta.go.jp ︶ > 税 務 大 学 校 > 税 務 大 学 講 本 > 所 得 税 法 ︶ ︵二〇一八年九月一五日掲載確認︶ 。 ︵ 20︶   同 上 同 頁 で は、 所 得 控 除 の 目 的 と し て ① 担 税 力 へ の 影 響 を 考 慮 す る た め の も の︵ 雑 損 控 除、 医 療 費 控 除 ︶、 ② 社 会 政 策 上 の 要 請 に よ る

参照

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