1946(昭和21)年9月21日付教育基本法要綱案について
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(2) . . 平成 2年3月. 0巻 第2号 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第4. Mar ch ,1990. )年9月 21日付教育 基本法要綱案について 1946(昭和21. 古. 野. 博. 明. ) 8月 28 日, 文部省は大臣官房に審議室を設置し, 「教育ノ刷新ニ開スル重要事項 1 946(昭和21 ノ審議ニ必要ナル資料ノ調査及整理等ニ間スル事務ヲ掌ラシムル」 (文部省分課規程第2条ノニ)こ ととした. それは, 日本教育家委員会を改組・拡充して教育刷新委員 会を設置する方針が具体化さ れるに伴い, 田中 (耕) 文政下文部省行政の中枢部局として構想された教育刷新資料部 (教育調査 部) 新設案が対大蔵省の追加予算折衝に難航した結果, 当面の暫定的な措置として, 実質的には同 部審議課の働きを期待して発足したものにほかならない. 9月初旬中の教育刷新委員会第1回総会 を控えての策でもあった. 8月 28 日付で室長に辻田力文書課長 (兼務) , 参事に日高第四郎学校教. 育局長 (兼務) と伊藤日出登会計課長 (兼務) , 主事に内藤誉三郎文書課事務官(兼務) が発令され た. 当初田中 (耕) 文相らは田中二郎東京帝国大学法学部教授 (行政法) を室長に起用する予定で ・して帝大教授兼 あったが, 田中 (二) の固辞により実現しなか った. 田中 (二) は参事事務取扱と } また 室 務のまま実質的に審議室の活動に協力することとなり, 8月 28 日 付 で 発 令 さ れ て い る1 , . * ) 学校教育局 石塚政次 天城勲 ( 文書課 ) 安達健二 ( 員として各局課から宮地茂 (学校教育局) , , ,. (文書課) , 小嶋誠 (社会教育局) , 鈴木彦一郎 (科学 , 渡辺恒雄 (社会教育局) , 荻原幌 (文書課). ** ** 教育局) , 坂口政次 (文書課) , 住友衛 (教科 , 山田鑑太郎 (科学教育局)ゞ石川義治 (体育局) 2 } 9月3日付 で 辻田に 書局) の1 2名 が起用され(活弧内は所属局課, *印は嘱託, **印は雇) , , 代わり関口隆克が室長に就任している. こうして9月6日の教刷委第1回総会を目前に陣容はほぼ 整 い, 12月 4 日に調査局がようやく 設置の運びとなってその審議課にとって代わられるま での約 3カ月の間, 審議室は, 戦後教育改革立法の立案を推進する中心の機構となったのである. 田中二 郎の指導を得て関口室長を中心に宮 地, 天城, 安達ら若手事務官の集うその活動は, さながら 「大 ) 先行研究が学校教育局の活動とともにその働きに注意を向 学院」の様相を呈していたといわれる3 . けてきたゆえんである. なか でも発足の早々, 田中 (耕) 文相と省議の意を受けて 「学校教育法」 とは区別さ れたところ の 「教育法」 の立案に着手したことを重視すべきであろう. 教育基本法草案起草の起点である. 審 8日付教育基本法要項案を経て9月21日付で教育 議室の作業は, 9月14日付教育法要綱案, 9月1. 基本法要綱案の成案をみるに至 っていた. 筆者は, この9月 2 1日付教育基本法要綱案が文部省内の 2 7 日の教刷委第一特別委員会第3回会議に 全く自主的な立案作業の結果 であることとともに,9月 提示されかつまた11月1 4 日, C I&E教育課との第1回協議にもち出されたという事 実を注視す 4 } べ き も の と 考 え て い る . 9月 2 1日付教育基本法要綱案は, 教育基本法の文部省原案たる 位置と性 0日省議以降の, 田中(耕)文相一省議-審 格を有するとみられるの である. そのような意味で9月1 議室ライ ンの活動と到達点を重要視したいのである.. 23. .. ・ . ・ ・’. ・ L 、. ・. . ・ . .・ ●. ・ . .● . . . ● . ・ ● ●’ . , .● .・ . ●. ● ● ●. Journalof Hokkaido University ofEducation(SectionIC)Vol .40 .2 ,No.
(3) . 古 野 博 明. と こ ろ で, 9 月 2 1日付教育基本法要綱案については, 管見の限り で4点の原資料が見出された.. 1. 辻田文書15一12 ⑫教育基本法要綱案 2. 辻田文書15-40 ⑬教育基本法要綱案. (ママ, ニーカ). 二○, 九, 二一 マ 二罰) 三 さ ニー ,. 3. 資料.教育刷新委員会特別;鹿屋全評配布資料 (第一, ニ, 四特別委・昭2 1年1 0月~2 1年1 1 月) ⑱ 教 育 基 本 法 要 綱 案 二 ○, 九, 二 一 l ion Box2 8 ⑫教育基本法要綱案 4. Joseph C. Trainor Col ect. ( ママ , ニーの. 二○, 九, 二一. このうち, 2, 3, 4の原資料は同一の印刷原版に成るもの であるが, 1のそれは, 明らかに印 刷の原版を異に しており, 後述の ごとく四箇所にごく部分的な条文表現上の相違が見出される. か く して, 9月21日付教育基本法要綱案には, 二種類の草案の存在した事実が知 られ・ るのである. そ こ でまず, 上掲1を草案1, 2・3・4のそれを草案1 1と表示することに してそれぞれをあらため て紹介することにしよう. 以下の紹介にあたり, 草案工は, 辻田文書の整理番号15-12-1を典拠 1については辻田文書の整理番号1 0を典拠とし, 「教刷委特別委等配布資 とする. また, 草案1 5-4 料 (昭21年10~11月)」 及びトレーナー文書中の原資料との照合を行なってある. なお, 上掲の2 を除く原資料には, 手書きの書き込みが加えられているがここ ではふれない. 草案1. (B4西洋紙2枚‘ こタィプ獲写・避キじ) ). 二○・九 ・二一 ◎ 教育基本法要綱案 ← ) 教育の目的 教育は, 真理の探究と人格の完成とを目的とし, 民主的, 文化的な国家及び吐曾の成員としての責任を果す ことができる心身共に健全な国民を育成することを期すること. 口 教育の方針 (ママ ,ゅが 教育は, あらゆる機曾に あらめる 施設を通じて不断に行はれなければならないもの であって, 真理は普遍的 なものであり, 人格は奪般なもの であり, 蔵曾はお互ひの協力によってはじめてその健全な役展を期待し得 るものであるといふ自党のもとに, 研究の自由を尊重し, 個性の健全なる稜達を圃り, 賓生活との開聯を考 慮しっ・, 相互の敬愛と信頼とのもとに切瑳琢磨によって, 文化の創造と嶺展とに貢献するやうに行はれな け れ ばな い な いこ と.. 同 教育の機曾均等 すべて図民は, 人種, 信像, 性別, 魁曾的身分叉は門地の如何に拘はらず, 法律の定めるところにより, そ の能力に感じて均等に教育を受ける機曾が興へられなければならないこと. 図及び公共国体は, 経済的理由によって修学困難な能力ある者に欝し, 法律の定めるところにより, 育英の 方法を講じなければならないこと. 側 女子教育 男女は, お互に理解し律重し合はなければならないもので, 教育上, 原則として, 平等に取扱はれなければ なら ない こ と.. 同 義務教育 図民は, 法律の定めるところにより, その保護監督する子女に, 満六歳より満十五歳まで九ヶ年の普通教育 を受けさせる義務を員ふこと. 園叉は公共園体が設置する学校における義務教育については, 授業料はこれを, 徴収しないこと. ㈲ 政治教育. 24.
(4) . . 1 )年9月2 1日付教育基本法要綱案について 94 1 6(昭和2. 政治的教養の啓培は, 教育上, これを尊重しなければならないこと. 但し, 学校は 特定の蕪派的政治教育 , 及び活動をしてはならないこと. 化 ) 宗教教育 宗教的情操の滴養は, 教育上, これを重税しなければならないこと 但し 官公立の学校は 特定の宗派的 , , . 教育及び活動をしてはならないこと . ( 学校教育の公共性 すべて学校は, 公の性質をもつもの であって, 圃叉は公共国体の外, 法律の定める法人のみが これを設置 , することができるものとすること, 学校の教師は, 公務員としての性格をもつものであって, 自己の使命を自覚して, その職責の遂行に努めな ければならないこと. これがため, 法律の定めるところにより, その身分が保障せられ,.待遇の適正が期せ られなければならないこと. ( 旭 教育行政 教育行政は, 学問の自由と教育の自主性とを尊重し, 教育の目的遂行に必要な諸条件の整備確立を目標とし , て行はれなければならないこと.. ◎ 教育基本法要綱案 二○. 九 . 二一 ( 一 教育の目的 教育は, 貢理の探究と人格の完成とを目的とし, 民主的, 文化的な国家及び吐曾の成員としての責任を果す ことが出来る心身共に健全な国民を育成することを期すること 0 教育の方針 教育は, あらゆる機曾にあらゆる施設を通じて不断に行はなければならないものであって 員理は普遍的な , ものであり, 人格は象嫌なものであり, 吐曾はお互の協力によってはじめてその健全な彼展を期待し得るも のであるといふ自党のもとに, 研究の自由を尊重し, 個性の健全なる嶺達を圃り, 賓生活との開聯を考慮し つ・, 相互の敬愛と信頼とのもとに切瑳琢磨によって, 女化の創造と嶺展とに貢献するやうに行はなければ ならないこと. 日 教育の機曾均等 すべて園民は, 人種, 信像, 性別, 杜曾的身分叉は門地の如何に拘はらず 法律の定めるところにより そ , , の能力に慮じて均等に教育を受ける機曾が典へられなければならないこと 園及公共圏鎧は, 経済的理由によって修学困難な能力あるものに饗し, 法律の定めるところにより 育英の , 方法を講じなければならないこと Q 四 女子教育 男女は, お互に理解し尊重し合はなければならないもので, 教育上, 原則として, 平等に取り扱はなければ ならないこと ◎. 義 務 教育. (ママ, 子女が. 国民は, 法律の定めるところにより, その保護監督する女子に滴六才より満十五才まで九ヶ年の普通教育を 受けさせる義務を員ふこと 図又は公共圏億が設置する学校に於ける義務教育については, 授業料はこれを, 徴収しないこと ( 村 政治教育 政治的な教養の啓培は, 教育上, これを尊重しなければならないこと . 但し, 学校は, 特定の業派的政治教育友泳活動をしてはならないこと .. 化 ) 宗教教育. 宗教的情 .操の緬養は, 教育上これを重税しなければならないこと. 但し, 官公立の学校は, 特定の宗派的教育及び活動を してはならないこと . ( ) 学校教育の公共性 . 八 すべて学校は, 公の性質をもっものであって, 圏叉は公共国鑑の外, 法律の定める法人のみが これを設置 , することができるものとすること.. 25. .r . ●. ・ r .● ′ ‘ ● ’」. 1.. 草案1 1 (B4西洋紙2枚に夕ィプ鷹誓’ 廼 嘉じ).
(5) . 古. 野 博 明. 学校の教師は, 公務員としての性格をもつものであって, 自己の使命を自覚して, その職責の遂行に努めな ければならないこと. これがため, 法律の定めるところにより, その身分が保障せられ, 待遇の適正が期せ・ られなければならないこと. (柏 教育行政 教育行政は, 学問の自由と教育の自主性とを尊重し, 教育の目的遂行に必要な諸条件の整備確立を目標とし て行はなければならないこと.. なお, 原資料はいずれも縦書きである.. 3 1日付教育基本法要綱案について, 条文表現のごく 一部に微妙な相違のある二 上のように, 9月2 種類の草案が発見さ れたことによ って, それぞれの史料的位 置づけを明確に して史料解釈上の不必 要な混乱を回避しなければならない事態に至っているように思う. 実際, 筆者も辻田文書15-12の 原資料 (草案1)につきそれを11月初旬の省議資料と誤読したことは後述の通りであり, ここにそ 1に関する史料的考察を行なおうとするの である. の訂正を含めて草案1及び草案1 1の条文表現上の相違にあらためて注目したい. 表現を異にしているの そこで, 草案1及び草案1 は, 「口教育の方針」 の条項中の冒頭部 .いものであって…… 草案1 教育は, あらゆる機曾にあらゆる施設を .通じて不断に行はれなければならな 1 教育は, あらゆる機曾にあらゆる施設を通じて不断に行はなければならないものであって…… 草案1 ② 「0教育の方針一 条項中の文末部. ①. 草案1 (教育は) 、……女化の創造と獲展とに貢献するやうに行はれなければならないこと 1 (教育は) ……文化の創造と稜展とに貢献するやうに行はなければならないこと 草案1 ③ 「回女子教育」 条項 草案1 男女は, ……教育上, 原則として, 平等に取扱はれなければならないこと 1 男女は, ……教育上, 原則として, 平等に取り扱はなければならないこと 草案1 ④ 「側教育行政」 の条項 ‐諸条件の整備確立を目標として行はれなければならないこと 草案1 教育行政は, …‐ 1 教育行政は, ……諸条件の整備確立を目標として行はなければならないこと 草案1. のごとく四箇所あり, いずれも同質の相違とみられよう. すなわち受身の助動詞 「れる」 を用いて 「 いるか否かの 違いであり, 文意を異にする ,ほどの性質はないかに見える. けれども草案1にいう 教 . 「 「 「 「 育は」 「行はれなけ ればならない」 , 男女は」 教育上」 , 教育行政は」 行はれなければならない」 「平等に取扱はれなければならない」との表現には, それぞれ教育の自律性, 教育行政の独立性(教 育権の独立) , 男女の教育機会均等性のニュアンスを認めなければならないのではあるまいか, かか る表現には, 教育や教育行政を行うもの (教育機関, 教育行政機関) の主体的存在, 教育の機会均 等・教育をう ける権利の主体としての女子の存在が少しく意識されていると読めるのである. これ 「 「「 1にいう「教育は」「行はなければならない」 に対し, 草案1 , 教育行政は」 行はなければならない」 には, だれが教育や教育行政を行うのか, その主体が明確でなく, また, 「男女は」 「取り扱はなけ ればならない」 では, 女子の権利主体たるニュアンスは乏しいように見受けられる. このように, 26.
(6) . )年9月2 1日付教育基本法要綱案について 1 94 6(昭和2 1. 1の微妙な相違は, 教育基本法の意図するところを少しくたがえかねない性質の問題 草案工と草案1 を含んでいたとみなければならないの である. しかも, 9月21日付教育基本法要綱案が省議(9月 2 1日) , 教刷委第一特別委 (9月 27 日) に提出されたことが確実視されている. それゆえに, それ 1であっ たのか, こ 1日省議) 提出された原資料は草案1であっ たのか, 草案1 ぞれに (とくに9月2 のことを確定することは, 教育基本法の立案経緯における問題の所在をつかむうえで重要なポイン トの 一つを 占めてくるように思われる. ・ そこで 草案1 1のうちの一つが先掲 「教刷委特別委等配布資料 (第一, 二, 四特別委)」 中に見出 , されることから, これの教刷委第一特別委員会(9月 27 日)提出を確実視してよいであろう. では, 1であったのか. また, 草案1はい 9月21日の省議に提出されたのは, 草案1であったのか, 草案1 っ・どの段階の資料であるのか. 今日までのところ, 上の問題を確定する決定的証拠を見出すこと はできないが, 次の手法を用いることによ って推定が可能であるように思う. すなわち, 草案1及 1を9月1 び草案1 0日以降の経緯に照ら してみるとき,四箇所の各表現がいかに展開してきているの か, 9 月 14 日付教育法要綱案及び9月1 8日付教育 基本法要項案の該当箇所に重ね合わせて読むこ 1のいずれがより時間的に古いものであるかをかなり高い確率で推定し とによ っ て, 草案1と草案1 4日付教育法 うるのではなかろうか. まず, それぞれの該当箇所を一瞥してみよう. 第一に, 9月1 5 ) 要綱案では , H教育の目標 2. これが鴬に, 教育は真理の普遍性, 人格の尊厳性及び耽曾の協同性の自党の下に, 〔之を〕行はれなければ ぱならないこと. (下線部はペン書き訂正ないし挿入, 〔 〕 内はペン書き削除の部分) 3. 学校に於いては, 師弟並に隼友相互の敬愛と信頼との下に, 内外の歴史的女化を承糧しつ・相互の切瑳琢 磨によって学生生徒に内在する素質を展開し, 文化の創造と稜展に貢献しなければならないこと. 繍 教育行政 教育行政は教育の自主性を尊重し, 教育の目的遂行に必要な諸条件の整備確立を目標として行はれなければ な らないこ と.. 8日付教育基本法要項案に となっている. 女子教育の条項は存在しなかっ た. 第二に, これが9月1 6 ) なると , 各条項は,. H 教育の目標 2. 教育は, 真理お普遍的なものであり, 人格は侵すことのできない尊いものであって, 社曾はお互ひの協力 によってはじめてその健全な発展を期待することができるものであるといふ自賛のもとに, 研究の自由を尊 重し個性の伸展を圃り心身の健全な発達を期して行はれねばならないこと. 3. 教育はあらゆる機曾にあらゆる施設を通じて不断に行はれなければならないものであって, 相互の敬愛と 信頼とのもとに, 内外の歴史的文化を承継しつ・切瑳琢磨によって各人に内在する素質を展開し, 文化の創 造と発展, とに貢献しなければならないこと. 日 女子教育 男女は, お互に理解し尊重し合はなければならないのであって教育上原則として平等に取扱はれなければな ら な いこ と.. (. 教育行政 教育行政は学問の自由‘ 教育の自主性を尊重し, 教育の目的遂行に必要な諸条件の整備確立を目標として行 はれなければならないこと.. 27.
(7) . 古 野 博 明. と ・あり, 「教育目標」 条項の変化, 「女子教育」 条項の挿入がみられる. 「女子教育」 の挿入は, 9月 14 日省議の結論をうけてのこと であ った. そして, 各条項の傍点部に注意したい 9月1 4日付教育 . 法要綱案の延長上にいずれも受身の表現法を用いているからであ る. かかる推移をみると, 先掲四箇所に該当する部分がいずれも条文表現上受身の形か ら出発しかつ 1に重ね合わせてみよう. 展開していることを確認できよう. このことをふまえて草案1及び草案1 草案1の態様に連続性があり, このことは, 草案1の 史料的位置を示唆して いるように思われる. } そのうち本稿の ちなみに, 9月18日の省議には, 各局長等の 「改正意見」 が提出さ れているが? , 主題に関係するものは, ① 日高学校教育局長 2. これが鴬に, 教育は, 賞理の普遍性と研究の自由, 人格の品位と個性の尊重, 個人と杜舎との協同関係等 の自覚の下に, 心身の健全なる嶺達を期して行はれなければならないこと. ② 稲田学校教育局次長 2. 奉勅鰭 静 か こ, 教育 は 真理の普遍性・ 人格 の 奪巌 性 及 戯 曾の協 同性の 自 党 の 下に 常 に 寅生活と の - ( 聯□に留意しつつ行はれなければならないこと. ③ 柴沼社会教育局長 ) 育は圃民の-生を通じて凡ゆる機曾に凡ゆる施設に 門 粟 縮 れ, 相互の敬愛と信頼との下に, 内外の 3. 三戸諭創造と御殿に貢献 的額馨承翻 歴軸 図回編を寿ぎ素質を展開し しうる純彰切薩脅函3つ但 しなければならないこと.. の三点であっ た. 上の傍点部はいずれも受身の用法が用いられており, かつまた1 8日の省議で先掲 四箇所の表現を草案1 1のごとく改めるように求められたという形跡もない, むしろ, 注目は9月1 8 日付教育基本法要綱案の原資料中, 「H教育目標-2」 の 「行はれねばならない」 を 「行はれなけれ } ばならない」 と訂正する書き込みのあること であろう8 . 以上の次第 で, 9月21日の省議に審議室が提出した教育基本法要綱案は, 草案1の方 であった, と推定するのが自然であると結論づけたい, 9月21日の省議以降に審議室の協議または担当者(安 達健二) の判断に従い先掲のごと. く修正が加えられて, 草案1 1が教刷委第一特別委員会に提示され たの である, 省議 ( 21日または 25 日) の 意 向 が 働 い て い る の か も し れ な い.,. 4 ところ で, 草案工が収められた辻田文書の整理番号15一12には,. - I ⑬教育基本法要綱案. - -3 z 2. 第一特別委員会第八回会合状況報告 (昭二一. --. -) 「教職員並に学生生徒の政治運動及び政治的自由 教職員の団結権に関する条項(案)」 ,. の三点の資料がひとまとまりになっている. このような資料の存在態様に加えて, 12-2, 3z ,がそ れぞれ1 1月初旬段階の資料であること, 12-3zの 原資料余白に鉛筆手書き で, 11月6日の省議で 教育基本法中に教職員学生生徒の政治運動等の規定は設けないことと決定さ れた 旨記されてあった 1946 ) 年11月~1 2月の教育基法法立法過程』 を執筆した際に, 「これ ことから, 筆者は 『昭和21( らが1 1月 2 日または6日の省議に提出されて,教育刷新委員会第一特別委員会の審議状況をふまえ 28.
(8) . 1日付教育基本法要綱案について 1 94 6(昭和21 )年9月2. た教育基本法の方針討議が行なわれたことを確実視するもの である」 とし, 15一12-1の原資料を 11月初旬の省議に提出されたものと推定したのであった. 本稿の考察からすると, この推定は誤り であり, したがって先掲拙稿の2 9一31頁の記述もまた全面的, 抜本的な再検討を必要としている. なにゆえにこの種の読み違いが生じたかを省みるに,9月21日付教育基本法要綱案の先掲4点の原 資料の存在を知りながら, それらの全体の厳密な照合により相違の意味を検討すること及び9月14 日付教育法要綱案・9月18日付教育基本法要項案との読み重ねという 簡単な作業を行うこと, この 二つを怠っ たがための初歩的なミスであっ た. かかるミスは慎重な史料批判の姿勢を堅持す れば当 然に避けることのできたもの である. このようなわけで, 辻田文書15一1 2-1に収められた教育基本法要綱 案 (9月21日付) は11月 初旬の省議資料ではなく9月21日のそれである, という推定が成り立った以上, 「第一特別委員会 案が一定のまとまりをみせつつあった11月初旬段階でも」 それが「一つの原案としてなお廃棄さ れ ていなかった」という 見解 (先掲31頁)についても不正確さを免れえず, 11月初旬の省内教育基本 法審議の実相は, 第一特別委員会審議の推移との関連において究められるべきこととなろう. そし て, 第一特別委員会の審議経緯は, まず9月1 0日以降の田中(耕)文相一省議-審議室ラインの教 育基本法審議の諸論点との関連において検討されるであろうが, 同時に見落すことのできない問題 は, 本稿のとりあげた9月21日付教育基本法要綱案の, 草案1から草案1 1への微妙なしかし注視す べき変化とのからみ である. 実際,11月15日付教刷委第一特別委員会案は, 先の四箇所に関する限 り草案1に近似の傾きが強いのであるから, 第一特別委員会がこのことを特別に意識したとは考え にくいけれども, 無視 できない論点であるように思うのである. 教刷委議事録の公開を待ちたい. ( 1 989年8月 20 日). [註] 1) 辻田文書5-111-3, 鈴木英一・日本占領と教育改革 ( 1 98 3年, 勤草書房)269~27 0頁 2) 教育刷新委員会関係資料( 2 1 2 ) 11-4には, 大日本帝国政府用罫紙B5(1枚) , なお, 辻田文書5-1 . 8~2 . 10 にペン書きされた, 室員候補者名簿とみられる資料が収められている. これには, 安達健二 (学) , , 小嶋誠 (社) 渡辺恒雄(社) 頂(教) , 鈴木彦一郎(科) , 山田銭太郎(科) , 石川義治(体) , 酒井 刻- , 石塚政次, 荻原幌, 天城勲, 坂口政治の1 1名が登載され, 酒井を除くそれぞれの氏名の上に赤鉛筆書きで○のチェックがある. 0でチェックさ れた者は全員が室員となっており, これに宮地茂 (学) , 住友衛 (教) が加わった. 審議室の活動は, この室員の人 選に始まったものとみられよう. 3) 鈴木英一・教育行政 ( 19 7 0年, 東大出版会)24 7頁 4) 拙稿「教育刷新委員会の発足と教育基本法の立案開始-昭和2 1年8月末~9月の教育立法過程概況-」北海道教 「 育大学紀要 (第一部C) 第3 6巻第2号 (昭6 1 ) 1( 1 46 ) 年11月~1 9 2月下旬の教育基本法立法過程」 , 昭和2 ,教 育研究報告及資料1 (昭和6 2年8月, 北海道教育大学旭川分校教育学研究室) 等参照. 5) 辻田文書15-3 6) 辻田文書15-2 7) 辻田文書15-2 8) 辻田文書15-2, 前掲論文14頁 (本 学助 教 授. 旭川 分 校). 29.
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