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教師と保護者の期待に応える養護学校のセンター的役割に関する分析と提案

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(1)2002年度学位論文. 教師と保護者の期待に応える養護学校の センター的役割に関する分析と提案. 兵庫教育大学大学院 教科・領域教育専攻総合学習系コース. MO1257E. 藤本久美子.

(2) 次. 目. 3. 第1章問題の所在と研究の目的………・…・・…・…………………. 1.3研究の目的…・…・…・・・・・・・・・・………………・……・・…. 3 3 3 5 5. 第2章障害のある児童生徒のインクルージョンへの歴史一. 6. 2.1インクルージョンとは………………一・……… 2.2国内外におけるインクルージョンの取り組み・… 2.2.1日本での取り組み……・…………・…………. 6 6 6 8. 1.1時代背景と理念…・・…・・………・…………・・……・・… 1.1.1分離から統合教育へ・…・…・・………・…・・………・. 1.1.2一人一人物ニーズに応じた特別な支援の在り方・・ 1.2特殊教育の現状と問題点……・・…………・……・・……. 2.2.2海外での取り組み…………・……・・’…’…’”. 12. 2.3養護学校の役割の変化とセンター化の考え…・… 2.3.1地域における養護学校再編の考え方…・…… 2.3.2地域の特殊教育のセンターとしての役割・…・. 12. 14. 第3章教師と保護者のニーズと支援に関わる調査・. 16. 3.1調査の概要…・・……・・……・………・…・…. 16 16. 3.1.1教師へのアンケート調査……・・…… 3.1.2教師へのインタビュー調査・・……・…. 31. 37. 3.1.3保護者へのアンケート調査………… 3.1.4保護者へのインタビュー調査………. ・53. 第4章養護学校に期待されるサービスについての考察…. 58. 4.1普通学校の教師へのサービス・………・…… 58 4.1.1身近な相談窓口の設置…………・……・・………… ・58 4.1.2子どもの実態を正しく理解するための支援……・・ 63 4.1.3個々のニーズに応じた指導のための支援……・…一64 4.1.4教師サポートのための人材派遣……・… 66 4.1.5参坐しやすい研修の機会の提供……・……・・・・・・・… 67. 4.1.6訓練できる環境の提供…・・…・・・…………………・・68 4.1.7情報の提供…一・……・・…・…・………・……・……・69. 4.1.8保護者の考え方や意識に対するアプローチ…・…・ 70 4.1.9特殊学級担当者会の開催・………………・・……… 70 4.1.10子どもの発達に合わせた継続的な支援システム・ 70 4.1.11相談員の専門性…・・……・・・・……・……………・一・71. 4.1.12専門機関との連携……. 71. 1.

(3) 4.2保護者へのサービス・…………………・ 4.2.1専門機関に関する情報提供……・… 4.2.2身近な相談窓口の設置…………… 4.2.3専門機関の適切な対応…………… 4.2.4継続した相談体制づくり………… 4.2.5医療、福祉、教育の連携…………… 4.2.6適切な就学指導を行う体制づくり・ 4.2.7生活の質を高めるためのサービス・ 4.2.8地域社会への理解啓発…………… 4.3インクルージョン教育について………. 71 71. 72 73 75 ・75. 77 81. 84 85. 第5章養護学校に求められるセンター的役割について・・. 86. 5.1養護学校の将来像とその役割……・…………・・ 5.1.1養護学校内の組織の再編…………・…・…・ 5.1.2継続的な相談コーディーターによる支援・・ 5.1.3その他の施設……………・…・………一… 5.2養護学校が提供できるサービス実現の可能性・・ 5.2.1現在、提供できるサービス……・・………… 5.2.2今後、実現可能なサービス・…・…………… 5.2.3他機関に求められるサービス…・. 86 86 87 87. 5.3おわりに………………………………………. ・87 .87 ・88 ・89. ,89. 引用文献・・. 91. 参考文献・・. 94. 巻末資料. 2.

(4) 第1章問題の所在と研究の目的 1.1時代背景と理念. 障害のない者の主流(mainstream)に合流さ. せ、その場で共に教育を与えるものであっ 我が国の社会は、近年、国際化、情報化、. た。一方、インクルージョン教育は、「子ど. 科学技術の進歩、高齢化等が進展し、大き. もは、一人一人ユニークな存在である。」「子. く変化してきている。このような社会の変. どもは、一人一人違っているのが当たり前. 化に伴い、障害を持つ人々を取り巻く諸状. なのだ。」「違っていることは、素晴らしい. 況も様々に変化してきた。我が国の特殊教. ことだ。」ということを出発点とし、すべて. 育の理解や実践も、諸外国からの障害観や、. の子どもを包みこむ教育システムの中で、. 障害者に対する教育や福祉における法制度、. 個々の子どもの特別なニーズに応える教育. 政策、教育措置など、世界的な教育の流れ. を行おうとするものである(山口,2000)。. の影響を強く受けながら現在に至っている。. 海外の状況に目を向けると、アメリカ精. 1.1.1分離から統合教育へ. 神遅滞学会(American Association on Mental Retardation,2002)は、障害のある. 我が国では、1970年代に入り、ノーマラ. 児童生徒等に対して、従来の軽度・中手・. イゼーション(normalization)(中園・清. 重度の程度による分類を廃止し、本人のニ. 水,1972)の考え方が注目され始めた。この. ーズとサポートの関係で捉える新しい方向. 考え方は、障害のある人も老人も子どもも. を示している。. 同じ人間として、社会の一員として同年齢. 1.1.2一人一人のニーズに応じた特別. の人たちと同等の権利を持ち、同様の生活. な支援の在り方. ができるように生活環境等の条件を整備し ていこうとするものである。この考え方が、. 「21世紀の特殊教育の在り方について∼. 「国際障害者年」を契機に障害者福祉のた. めの基本理念として認識されるようになっ. 一人一人のニーズに応じた特別な支援の在. た(山田,1996;猶原,2000)。. り方について∼」の文部科学省協力者会議 の最終報告(文部科学省,2001−1)は、従来. また、ノーマライゼーションと共通する. の「特殊教育」から「特別なニーズ教育」. 理念として、「インクルージョン」. への転換を打ち出している。従来の特殊教. (inclusion)(中野,1997;ミットラ. 育よりも教育の対象を拡大し、さらに通常. ー,2002)という分離から統合への考え方が. 学校をも包括した形で新しい方向が提案さ. 浸透してきた。これは、従来の統合教育を. れている。この答申は、「今後、障害のある. さらに進展させた考え方である。即ち、従. 児童生徒等が、地域の一員として生涯にわ. 来の統合教育は、最初に子どもを障害のあ. たって様々な人々と交流し、主体的に社会. る者とない者に分け、後に障害のある者を. 参加しながら心豊かに生きていくためには、. 3.

(5) 教育、福祉、医療、労働等の各分野が一体. 校や幼稚園等への支援センターと. となって社会全体として、当該児童生徒等. しての役割を果たすこと。. の自立を生涯にわたって支援していく体制. また、就学指導の改善については、障害. を整備することが必要である。」という基本. のある児童生徒のニーズに応じた適切な教. 的な考え方を述べている。. 育が行われるよう、以下の内容を主とする このような考え方に立ち、この答申では、. 提言がなされた(文部科学省,2002−1)。. さらにインクルージョンを含む教育形態へ. の転換、教員の専門的資格の必要性の再確. 1)教育、福祉、医療、労働等が一体. 認、教育的に放置されてきた児童・生徒に. となって、乳幼児期から学校卒業. 対する教育的対応の緊急の必要性、就学指. 後まで一貫した障害のある子ども. 導の在り方の改善、教育の判断と責任の地. とその保護者等に対する相談支援. 方への委譲、地域の特殊教育のセンターと. 体制を整備すること。. しての特殊教育諸学校の役割の追加等(中. 2)盲・聾・養護学校に就学すべき児. 童生徒の障害の程度に関する基準. 村,2001)について述べられている。. を医学、科学技術の進歩を踏まえ 地域の特殊教育のセンターとしての盲・. 見直すこと。. 聾・養護学校の機能の充実という点につい. 3)障害の種類、程度、学校の施設設. ては、次のような項目が挙げられている(文. 備の整備状況、児童生徒に対する. 部科学省,2001−2)。. 指導の体制等を総合的な判断を行 い、小・中学校において適切に教. 1)盲・聾・養護学校は、その専門性. 育を受けることができる合理的な. や障害に応じた施設・設備を生か. 理由がある特別な場合には、盲・. して、早期からの教育相談を実施. 聾・養護学校への就学の対象とな. したり、幼稚園等の障害のある幼. る基準に該当する児童生徒を小・. 児を指導するなど、地域の特殊教. 中学校に就学させることができる. 育に関する教育相談センターとし. よう就学手続きを見直すこと。. ての役割を果たすこと。. 4)就学指導委員会の位置付けを明確. 2)盲・聾・養護学校は、その専門性. にすること。また、審議に当たり. や施設・設備を生かして、地域の. 保護者が意見表明する機会を設け. 小・中学校や幼稚園に対して、求. るとともに就学後のフォローアッ. めに応じて教材・教具や情報機器. プ等の機能の充実を図ること。. 等を貸し出したり、盲・聾・養護 学校の教員が小・中学校の教員に. 以上のように我が国の特殊教育は「特別. 対して情報提供したり、小・中学. なニーズ教育」へと転換し、子どもと保護. 校等の教員が盲・聾・養護学校を. 者の思いや希望を教育活動に反映すること. 訪問して研修するなど、小・中学. が主眼となってきている。. 4.

(6) 1.2特殊教育の現状と問題点. だ多くの問題が残されている。施設・設備 の問題や教員の配置に関する問題、及び教. 近年の特殊教育を巡る具体的な状況とし. 育課程の問題等未解決の問題があり、現段. ては、養護学校の児童生徒の重度・重複化、. 階では十分な教育的支援を提供できる体制. 早期教育の必要性の高まり、高等部への進. が整っていないのが現状である。. 学率の上昇、卒業後の進路の多様化等が顕 著になってきていることが挙げられる。更. 1.3研究の目的. に、小・中学校の通常の学級に在籍する学 習障害児や注意欠陥/多動性障害児、高機 能自閉症児と呼ばれる児童生徒が増加する. このような特殊教育を巡る新たな状況か. 傾向にあり、彼らに対する教育的支援の必. ら、今後、養護学校は地域の特殊教育のセ. 要性もクローズアップされてきている。. ンターとして、様々な教育的ニーズに応え. このように、特殊教育を巡る状況に変化が. ていかなければならないと考える。本研究. 生じており、今後の特殊教育においては、. では、障害のある子どもを持つ保護者は、. 障害のある児童生徒の視点に立って一人一. 地域で生活する中でどのような問題を抱え. 人のニーズを把握して教育的な対応を図る. ているか、また、普通学校で障害のある児. 必要があるとされている。. 童生徒の教育に携わっている教員は、どの ような願いを持っているのか等について、. 文部科学省調査’協力者会議の最終報告に. 質問紙調査により明らかにする。また、障. おいては、就学指導の在り方の見直しの必. 害のある子どもを持つ保護者や障害児の教. 要性について提言している。この報告書を. 育に携わっている教員を対象としたインタ. 受け、文部科学省は、国が定める盲・聾・. ビューにより、質問紙調査から得られた結. 養護学校への就学の基準について医学や科. 果について更に詳しく調査する。以上の調. 学技術の進歩等を踏まえて見直すとともに、. 査に基づいて、今後養護学校は、地域の特. 市町村が行う就学事務について国が定める. 殊教育のセンターとしてどのような役割を. 手続きの弾力化を図るため、平成14年4月に、. 果たすべきかについて考察し、さらに望ま. 学校教育法施行令の改正を行った(文部科. れる養護学校の将来像について提案を行う。. 学省,2002−2)。. このように、ノーマライゼーションの進 展とともに、インクルージョン教育を実施 するための新しい提言や法の改正等が徐々. に行われ始めているが、普通学校が障害の ある児童生徒を受け入れ、その子のニーズ に合った教育を実施するためには、まだま. 5.

(7) 第2章障害のある児童生徒のインクルージョンへの歴史 2.1インクルージョンとは. 昭和23年度から盲学校及び聾学校教育の義 務制が開始された。一方、養護学校につい. これまで、主流になってきた統合教育. ては、昭和54年から養護学校教育の義務制. (integration)の考え方では、障害のある. が実施された。また、障害のため、通学し. 児童生徒を「普通教育の場に入れて」教育. て教育を受けることが困難な児童生徒に対. を行い、「場を統合すること」自体に焦点が. して家庭を訪問して教育を行う「訪問教育」. 当てられていた。これに対し、インクルー. が実施された。. ジョン(inclusion)の考え方では、すべて. の子どもは、一人一人個性を持ち、それぞ. この養護学校教育の義務制と訪問教育の. れの子どもが違っていて当たり前だという. 実施を境に、障害を理由とする就学猶予・. 考え方の基に、すべての子ども達を包括し、. 免除者が減少している。その後、平成5年に. 真の意味での「参加」(participation)と. は、通常の学級に在籍する軽度の障害のあ. 「仲間としての受け入れ」(membership)に. る児童生徒が通常の学級で教科等の授業を. 焦点を当てている。従って、インクルージ. 受けながら、特別の指導を特別の場で行う. ョンでは、子ども達一人一人が、十分に社. 「通雨による指導」が実施された。さらに、. 会に参加するための必要なサポートを提供. 平成12年度からは、養護学校等の高等部に. したり、個々の子どもが持つ特別なニーズ. おいても訪問教育が本格的に実施されるこ. に応えるように環境を設定したりしながら、. ととなった。. 可能な限り一緒の場で、すべての子ども達 が仲間として、充実した生活を満喫できる. このような取り組みにより、平成12年度. ような創造性豊かな取り組みが必要とされ. には、全国に盲・聾・養護学校は992校、幼. ている。. 児児童生徒数は約9万人、小・中学校の特殊 学級設置校は、約1万8千校(全体の50%). で、学級数は約2万6千学級、児童生徒数は. 2.2国内外におけるインクルージョ ンの取り組み. 約7万3千人となっている。特殊教育対象の 幼児児童生徒数は、約19万1千人で全幼児児. 童生徒数の約1%であり、この内、義務教 2.2.1日本での取り組み. 育段階は、約15万人で全学齢児童生徒数の 約1.3%となっている。. 2.2.1.1特殊教育の変遷. このように、我が国では、特殊教育の制 わが国の特殊教育制度は、昭和22年に制. 度が整備されてきており、児童生徒等の障. 定された学校教育法において、盲学校、聾. 害の種類、程度に応じて特別の配慮の下に. 学校、養護学校、特殊学級が位置付けられ、. 手厚くきめ細かな教育が行われてきている、. 6.

(8) しかし、近年、ノーマライゼーションの. ための基本的な考え方」を提示した(堀,. 進展や障害の重度・重複化や多様化、教育. 1994)。そこには、心身障害児の能力、適性. の地方分権など特殊教育をめぐる状況の変. に応じ、柔軟で弾力的な教育的扱いをする. 化が生じており、これからの特殊教育は、. ことと、普通児と共に教育を受ける機会を. 障害のある児童生徒等の視点に立って、一. 保障することの2点が提言され、「普通児と. 人一人のニーズに応える教育が行われるべ. 共に生活し教育を受けることによって、人. きであるという考え方に変わってきている。. 間形成、社会適応、学習活動など種々の面 において教育効果が更に高められることに 鑑み、心身障害児の個々の状態に応じて、. 2.2.1.2統合教育. 可能な限り普通児と共に教育を受ける機会 従来の特殊教育に対する考え方は、障害. を多くし、普通児の教育からことさらに遊. の程度や種類に応じて、適切な場で、適切. 離しないようにすることが必要である」と. な教育を行うことを良しとするもので、い. 報告している。更に、1993年、厚生省の中. わゆる「分離教育」と呼ばれるものである。. 央心身障害者対策協議会は、「心身障害児と. 現在、日本の教育の状況は、分離教育が主. 障害のない児童生徒がともに同一の場所で. 体となっており、障害児は、養護学校に在. 教育を受けるという統合教育の趣旨は十分. 籍する者、或いは特殊学級に在籍し、時々. 尊重されるべきだ」という見解を発表して. 普通学級へ通級する者などがあり、様々な. いる。. 程度の隔離を前提とする分離教育が行われ このように、統合教育への動きがあった. ている。. にもかかわらず、我が国の現状は依然とし て分離教育が主流となっており、統合教育. このような分離教育の考え方に対して、. 近年、障害があっても、通常の学校に通っ. への転換はまだまだ難しい状況である。現. て障害のない子ども達と一緒に学校生活を. 状では、特殊学級に在籍する児童生徒が、. 送るべきだとする考え方が主張されるよう. 教科によっては、交流学級で一緒に授業を. になってきた。障害のある児童生徒と障害. 受けている。この時、必要に応じて特殊学. のない児童生徒が、共に同じ教育の場で学. 級の担任が、障害のある児童生徒に付き、. び、双方が共に経験することのできる、本. 必要な支援を行っている。また、保護者の. 来自然で最も大切な教育効果を期待すると. 強い要望により普通学校に通学している児. いう立場で「統合教育」と呼ばれる考え方. 童生徒もいるが、現場の受け入れ体制が十. である。. 分でないために、ボランティアや保護者の 援助を受けながら通学している場合もある。. 我が国の教育理念の歴史的変遷の中にも、. 統合教育を理想とした動きがあったことが. 一方、普通学校の普通学級の中には、学. 認められている。1967年、文部省は、「特殊. 習障害児や注意欠陥多動性障害児と呼ばれ. 教育総合研究調査協力者会議」を設置し、. るような特別な教育的ニーズを必要として. 1969年、同会議は、「特殊教育の充実改善の. いる児童生徒が在籍している。このような. 7.

(9) 子ども達については、従来から特殊教育の. る。また、特に離れた学校と交流を行う場. 対象とされておらず、実際の教育現場では、. 合は、文通やコンピュータ、情報通信ネッ. 彼らに対する教育的配慮がなされないまま. トワークなどを利用した間接的な交流も行. 放置されてきた経緯がある。. われている。交流の対象については、近隣 の小・中学校と交流する地域校交流、子ど. 文部科学省調査研究協力者会議の最終報. もの住んでいる地域の学校と交流する居住. 告(文部科学省,2001−1)においては、今後. 地校交流、養護学校間の交流、地域の人々. の特殊教育の在り方について、特別なニー. との交流などが挙げられる。. ズを必要とする対象を広げ、一人一人の児. 童生徒の教育的ニーズを把握し必要な支援. 我が国は、依然として分離教育が行われ. を行うという基本的な考え方を示し、その. ている状況であるが、障害のある子どもが、. ための教育体制の整備に向けて提言してい. 障害のない子どもや地域の人々と共に活動. る。. したり学習することが大切であることは広 く認識されている。近年の社会状況の変化. 2.2.1.3交流教育. やノーマライゼーションの考え方を踏まえ、. 今後とも交流教育の充実を図ることが益々 交流教育は、障害のある子どもと障害の. 重要になってくると考える。. ない子どもや地域の人々が共に活動を行う. 2.2.2海外での取り組み. もので、子どもの経験を広め、積極的な態 度を培い、豊かな人間性と社会性を養うと. 共に、地域の人々が障害のある子どもに対. 2.2.2.1アメリカにおける特殊教育. する正しい理解と認識を深めるために有意 1990年に全米教育障害児法(1975)は、改. 義な活動である。. 訂されて「障害を持つ個人の教育法(IDEA)」. 文部科学省では、盲・聾・養護学校及び. となった。この法律により、障害を持つ子. 幼・小・中・高等学校の新学習指導要領に. どもは、3歳から21歳まで妥当な公教育が. おいて、交流教育の充実を図ることが述べ. 保証されることとなった。障害児にとって、. られている。また、平成13年度からは、盲・. 「適切な教育プログラム」を提供しなけれ. 聾・養護学校の児童生徒が地域の同年代の. ばならないことが、この法律で定められて. 子どもや人々と交流し、様々な活動を通し. おり、一人一人の障害に合わせて多様なプ. て、自立や社会参加するための方策につい. ログラムが用意されることとなる。IDEAに. て実践的な研究を行っているところである。. よると、すべての州は、「最も制約の少ない. 環境」において、この要求を満たすプログ 交流教育の具体的な活動としては、小学. ラムを作成しなければならないとしている. 校や中学校と学校行事やクラブ活動、部活. (目黒,2000−1)。教育プログラムには、ど. 動、自然体験活動、ボランティア活動、給. こでどのような特殊教育と関連サービスが. 食などを合同で行う直接的な交流活動があ. 提供されるかについて、詳しく記述された. 8.

(10) IEP(個別教育プログラム)を作成しなけれ. から「インクルージョン」へと用語が変化. ばいけないことも法律で定められている。. しつつ、インクルージョンの具体的な現れ である普通学級やリソースルームで特殊教. アメリカでは、次の4つのプログラムが. 育を受ける子ども達の数は着実に増えつつ. 実施されている(表1)。普通学級のプログ. ある。通常の学級で特殊教育がどのように. ラムが提供される場合について、アメリカ. 行われているか、インクルージョンの実現. では日本のように、朝1時尽目から下校まで. のためにどのような援助サービスが行われ. 普通学級で学習するわけではない。それは、. ているのかについて具体的に述べる。. あくまで主として普通学級で教育を受ける という意味であり、普通学級の生徒であっ. (1)視覚障害児へのサービス. ても子どもに合わせて様々なプログラムが. ナッシュビルの小学校の中に、視覚障害. 提供される。「普通学級」とされるのは、普. 幼児を対象とした学級がある。ここでは、. 通学級以外でのプログラムが一日置「21%. 点字による読み書きの初期段階の指導、触. を超えない」ということ、つまり、一日5. 覚を通して外界を知ることができるように. 時間の授業の場合、長くても1時間以上はリ. する指導が主として行われている。こうし. ソースルームや特殊学級や障害児学級で授. た幼児期の学習課題を達成することによっ. 業を受けない、4時間以上は普通学級で過ご. て、普通学級へのインクルージョンをより. すということを意味する(安藤,2001)。. 可能にすることができる。視覚障害児への 特別なサービスは、各地の公立学校組織で. 普通学級. 普通学級以外で特殊教育と関連. 巡回指導方式を中心に展開されている。巡. サービスを受ける時間が一日の. 回指導の専門職員は、言語療法士、作業療. 学校時間の21%を超えない。. 法士、歩行訓練の専門家などで、週に数回 訪問する。. リソース 普通学級以外で特殊教育と関連 ルーム. 特殊学級. サービスを受ける時間が一日目 学校時間の内21%から61%。. (2)知的障害児へのサービス. 普通学級以外で特殊教育と関連. リソースルームで主に授業を受けている. サービスを受ける時間が一日の. 重度知的障害児が普通学級で授業を受ける. 学校時間の内61%を超える生徒。. 場合、リソースルームの教師が付き添い、. 障害児学 通学制の障害児学級(一日の学校. 特別な支援を行う体制がとられている。知. 時間の内、50%以上)、寄宿制の. 的障害児のインクルージョンは、教室で学. 障害児学級(同50%以上)もしく. 習を支援する教師の存在が不可欠である。. は、在宅・病院で特殊教育と関連. 各小学校のリソースルームでは、2∼3人. サービスを受ける(21%から. の担当教師が配置されており、普通学級か. 61%)。. ら一定時間雲級してくる軽度の知的障害児. 級. の指導にあたっている。. 表1 時間数による障害児教育プログラムの定義 (安藤,200わ アメリカでは、「メインストリーミング」. (3)自閉症児の学ぶ特殊学級. 9.

(11) 自閉症児の場合は、普通学級で障害を持. 2.2.2.2イギリスのインテグレーション. っていない子ども達と共に学習することに 困難が生じやすい。たとえば、意思を表明. イギリスの特殊教育は、1978年に出され. する適切な手段がとれないために「奇声」. たウォーノック報告(HMSO,1978)に依拠し. を発することがある。インクルージョンが. ている。この報告の勧告を受けて成立した. 進んでいるアメリカにおいても、集団学習. 1981年教育法は,イギリスの特殊教育の主. 中心に展開される普通学級においては、対. 要な法律である。1981年教育法の主な内容. 人関係の確立に問題がある自閉症児が普通. は、次の3点である。すなわち、第1は,. 学級で共に学習することは、困難がある。. 新しい概念「特別な教育的ニーズ」の導:入. 自閉症児の半数は特殊学級、4分の1は養護. による従来の障害カテゴリーの廃止とそれ. 学校で、1割は普通学校に通っている現状. に伴う特殊教育の定義の拡大である。第2. である。. は子どものもつ特別なニーズのアセスメン トとその見直しの手続き、および子どもの. (4)学習障害児のための特殊学級. 就学手続きの整備とその過程に関与する保. 普通学級からの騒音が届かない教室を選. 護者の権利の拡充・強化である。そして第. び、学習障害児の注意が散らないように配. 3はインテグレーションの原則化である。. 慮している。また、教室内の机もそれぞれ 障害のある子もない子も一緒に教育する. の間が仕切られており、生徒の集中を妨げ ないような工夫がされている。. インテグレーションの原則は、イギリスの 教育においてはそれほど新しいものではな. その他、聴覚障害児に対する手話通訳の. いといわれている。通常の学校で十分な教. 配置、フル・インクルージョンの中での普. 育を受けることのできる子どもは、特殊教. 通学級での特別な教員の配置など、全体を. 育諸学校に入れるべきではないという方針. 通して、通常の学級において障害児のニー. は、英国の歴代政府の方針であり、多くの. ズに応じるために多様な形態でサービスが. 公式文書の中で確認されている。例えば,. 提供されている。. 1976年教育法では、地方教育委員会(LEA). に対して、教育科学大臣の指定する日にイ しかし、インクルージョンの進行ととも. ングランドおよびウェールズの特殊教育諸. に、一方では、普通学級の子ども達とほと. 学校にいるすべての障害児を通常の学校に. んど交流のない特殊学級も存在している。. 入れるように義務づけている(同法第10条)。. また、医療的ケアを必要としている障害児 や自閉症児のように、社会性の未発達な子. 1.インテグレーションの条件. どもについては、インクルージョンは難し. 1976年教育法や1981年教育法は、無条件 でインテグレーションを進めようとしたの. い状況にある(安藤,2001)。. ではない。ウォーノック委員会の報告を受 けて作られた1981年教育法は,保護者の意 見が考慮され、通常の学校での教育が、そ. 10.

(12) の子どもに必要な特別な教育的条件(施. る特殊学校でも、健常児との共同作業や遊. 設・設備,スタッフ,カリキュラム,その. び、スタッフ同士あるいは子ども同士の接. 他)の整備、その子どもと共に教育を受け. 触は、必ずしも行われるとは限らないこと、. る子どもに対する効果的な教育の提供、リ. また、障害児が通常の学級に入ったとして. ソースの効果的使用という条件と両立する. も、社会的機能的インテグレーションは必. ならば、LEAは通常の学校で特別な教育的施. ずしも保証されず、名目だけのインテグレ. 策を行うように義務づけている。. ーションとなってしまいかねないことを指 摘している。. これは,インテグレーションをLEAに義務. づけたと同時に、これらの条件によっては. 3.ナショナル・カリキュラム. LEAはインテグレーションを実施しなくと. 1988年に教育改革法が成立したことにと. もよいことを意味している。このことは,. もない、全国共通であることを意味するナ. 1981年教育法にあるインテグレーションの. ショナル・カリキュラムーNatiQnal. 条件を満たすことの実際的な困難さを示し. Curriculumが、イギリスの初等学校、中等. ているようである(篠原・緒方・松田,1998)。. 学校に導入され今日に至っている。ナショ ナル・カリキュラムは、国民の教育水準の. 2.インテグレーションの形態. 向上を意図して作られたものである。その. インテグレーションの形態として、ウォ. カリキュラムに書かれる子どもが到達すべ. ーノック報告は次の3つをあげている。. き学習の目標は、例えば数学に関して言え. 1)位置的インテグレーション:. ば、純粋な学問としての数学の体系に従っ. 通常の学校のなかに特殊学級や特別ユニ. て、また心理学の発達理論や学習理論に基. ットが設置されたり、通常の学校と特殊教. づいて設定され示されている。この学習目. 育諸学校が敷地を共有する。. 標に1日も早く到達できるように、例えば学. 2)社会的インテグレーション:. 習困難児の学習意欲を高め、認知能力の発. 特殊学級や特殊ユニットの子どもたちが. 達を促すことに寄与する指導内容・方法を. 他の子どもたちと共に食事をし、遊び、交. 考え出すことに特殊教育に携わる教師は努. 流し、可能な限り彼らと学級外活動を共に. 力を払っている。. する。. 3)機能的インテグレーション:. 4,その他. 通常の学級での教育プログラムの一部、. イギリスでは、特殊教育諸学校と初等学 校、中等学校が明確に分けられないことが. あるいは全部に共に参加する。. 我が国の学校とは異なることである。違い 同報告は,特別な教育的ニーズをもつ子. といえば、1年間に最低でも1度は子どもの. どもとその他の子どもとの触れ合いを促す. 評価が行われることである。当該の子ども. 計画と、その実施の重要性についても述べ. の教科学習や行動の面での進歩が認められ、. ている。そして,通常の学校内にある特殊. また普通学校における学習の成立の見通し. 学級でも通常の学校と同じキャンパスにあ. が立てられると、本人や親の希望に基づき、. 11.

(13) 子どもは特殊教育諸学校から初等学校、中. の可能性を最大限に引き出すために、障害. 等学校に転校することができる。特殊教育. 種別や程度等に応じる教育の場が整備され. 諸学校と初等学校、中等学校が連携し、子. てきた。しかし、近年、児童生徒の障害の. どもの指導が連続性を保つことについては、. 重度・重複化、多様化が進んでおり、知的. 我が国も大いに学ぶべきであると考えられ. 障害や肢体不自由等の主たる障害に加えて、. る。. 一人一人の児童生徒の状態を総合的に捉え た多様で的確な指導が求められるようにな ってきている。つまり、児童生徒の発達・. 2.3養護学校の役割の変化とセンタ 一化の考え. 障害・個性を一人一人の個として捉え、そ のニーズに応じるような教育を行うことが 必要とされている。. 2.3.1地域における養護学校再編の考 え方. このような要請に応えるためには、これ までの養護学校から障害種別という従来の. インクルージョン教育の考え方の中には、. 制度的な枠を取り払い、児童生徒一人一人. 障害のある児童生徒も普通学級で教育する. にとって最も適切な内容・方法・形態で教. ことこそが重要であるとする考え方もある。. 育を保障できる学校システムが必要とされ. しかし、真に可能性を最大限に引き出す教. ているといえる。つまり、障害種別の枠を. 育を保障するためには、一人一人の児童生. 取り払った総合制養護学校である。. 徒の発達や障害の状態に即した教育課題を 設定し、その達成に向けた適切な教育課程. また、ノーマライゼーションの理念の実. や学習グループを編成して社会参加・自立. 現を目指す社会的な要請の中で、障害を克. を目指すことが必要であると考える。とり. 服してできることを増やす教育から、その. わけ、その核となる養護学校教育は、今後. ことを基盤に置きながらも地域で共に生活. とも大きな役割を果たしていかなければな. し、その質を豊かにする教育への転換が必. らない(京都市教育委員会,1999)。養護学. 要とされてきている。その実現のためには、. 校が、特殊教育のあらゆる分野の専門性を. 交流教育のより一層の充実や、できるだけ. 有する総合制・地域制養護学校となること. 居住地で教育を受けたいという保護者の願. により、特殊教育のセンターとしての機能. いに応える、地域と結びついた新たな養護. をあわせ持ち、地域に対してもその機能を. 学校教育の創造が極めて重要である(京都. 還元していくことが可能になると考える。. 市教育委員会,1999)。. 京都市では、現在高中部のみを設置して. 2.3.1.1総合制・地域制養護学校. いる白河養護学校を移転・拡充し、市内北 養護学校は、これまで肢体不自由養護学. 部に小・中・高等部のある養護学校と,して. 校、知的障害養護学校、病弱養護学校のよ. 建設し、現在の呉竹養護学校(肢体不自由)、. うに障害種別によって分けられ、児童生徒. 東養護学校(知的障害)、西養護学校(知的. 12.

(14) 障害)を含めた市内4養護学校を、総合制・. 地域制養護学校として再編する計画をして. 2.3.1.2地域に開かれた養護学校. いる。このことにより、児童生徒は、もっ とも居住地に近い養護学校で必要な教育を. 京都市における「養護育成教育の今後の. 受けることができるようになり、従来から. あり方について」(京都市教育委員会,. 問題にされていた通学時間も大幅に短縮さ. 1999)によれば、ノーマライゼーションの. れることになる。. 考え方を実現するためには、地域性を持ち にくい養護学校自身が、まず地域と結ばれ. 鳥取県においても、県教育委員会が「県. ることが重要であるという考え方を打ち出. 内三地区の養護学校総合化(センター化)」. している。地域に開かれた養護学校として、. 実現に向けての検討を始めている(県障害. 地域と養護学校が、その人的、物的特性、. 児教育検討委員会,2001)。従来の障害種別. 資源を互いに有効に活用しあうことが必要. の養護学校は、各地区によって片寄りがあ. であり、そのことにより、障害のある児童. り、障害が肢体不自由であっても病弱障害. 生徒の社会参加・自立を目指す教育をより. の内容の指導を受けたり、知的障害でなく. 一層充実させることができるとしている。. ても知的障害教育を受けざるを得ないよう. な現状がある。このような教育における地. 現在、各養護学校では、生涯学習講座の. 域格差をなくすという目的と同時に、重. 実施や体育館や運動場の開放等を実施して. 度・重複障害など個々の障害に応じた多様. いるが、より一層地域と結びついたものと. な教育を可能にする場作りを目指している。. するために、次の3点を検討事項に挙げて. 具体的には、各地区に欠けている教育を可. いる。. 能にするための設備、指導や相談のできる 教員の配置、専門機関との連携等の整備を. (1)地域を生きた教材として活用する地. 域と結びついた教育の展開. 行う。. (2)養護学校の施設・設備の開放による 県教育委員会は、学校関係者や福祉の実. 地域の自治活動への支援の場の提供、. 務者で構成する「養護学校総合化専門委員. それらを活用した生涯学習講座の開. 会」を立ち上げ、検討委員会の提案に基づ. 講. き、東、中、西部の各地区でのそれぞれの. (3)学校便りの地域への配布やインター. 課題を踏まえ、センター化に向けた改善策. ネットの活用等による養護学校教育. を打ち出している。例えば、白兎養護学校. に関する情報発信. の訪問教育対象児童生徒に、肢体不自由教 育を毎日行うため、国立療養所西鳥取病院. また、養護学校職員の専門性を生かし、. に隣i接して鳥取養護学校の分校を設置する。. 障害のある幼児、児童生徒の保護者を対象. また、:倉吉養護学校が視覚、聴覚障害教育. とした教育相談や、校区内の小,・中学校に. の教育相談センターとしての機能を充実さ. おける養護育成教育の理解と充実のための. せる等である。. 支援についても、研修や研究への助言、教. 13.

(15) 材ライブラリーの活用など、養護学校が地. 多岐にわたっていることが多く、他の相談. 域のセンター的な役割を担えるようにする. 機関や関係機関との連携のもとに対応して. ことが大切であるとしている。. いく必要がある。. 2.3.2地域の特殊教育のセンターとし. 2.3.2.3情報センターとしての役割. ての役割 専門機関に関する情報提供、教材・教具 の紹介、専門機関との連携のための情報を. 2.3.2.1普通学校への支援. 共有するシステム、研修内容に関する情報 普通学校の普通学級に在籍する特別なニ. 提供、研修や研究授業のネットワークを使. ーズを持つ子どもや特殊学級の子どもに対. った配信など、養護学校が清報のセンター. して、適切な教育を提供するために、担任. として保護者や教師に果たす役割は大きい。. 教師への支援が求められている。教師の相 談に応じたり、教材・教具の提供、指導資. 2.3.2.4関係諸機関との連携. 料の提供、専門機関の情報提供、子どもの 実態評価のための支援を行うなどが考えら. 子どもの障害の重度、重複化、多様化に. れる。また、養護学校での研修の機会を提. より、益々、医療機関や福祉機関等、各専. 供したり、養護学校の職員が普通学校に出. 門機関との連携が必要になってきている。. 向いて相談に応じるなどの支援方法が考え. それぞれの専門機関が個別に個人に対応す. られる。. るのではなく、個人を多方面から支える支 援システムとして機能することが求められ ている。連携のためには、個人情報の共有. 2.3.2.2本人・保護者への支援. が必要であり、その手段としてネットワー 早期からの教育相談は、保護者のや悩み. クの活用が考えられている。. に応え、その子どもの障害を認識し特殊教 育に対する理解を促すなどの点で大きな意. 2.3.2.5養護学校職員への支援. 義があると考えられており、早期の教育相 談体制の整備が必要とされている。幼稚部. 養護学校の職員が、特別なニーズ教育の. 指導要領(1999)には、3歳未満の乳幼児を. 専門家として、普通学校の教師や保護者の. 含む教育相談の必要性が明記されており、. 相談に応じたり、適切な支援を行っていく. 加えて医療や福祉機関との連携の必要性が. ためには、専門家としての資質を高める必. 幼稚部から高等部までを通して言及されて. 要がある。幅広い研究活動や研修を主体的. いる。特別な教育的ニーズを持つ子どもの. に行う必要があるが、研修の機会が保証さ. 保護者は、子育てにおいても様々な悩みを. れなければならないと考える。上位の教育. 抱えていることが多く、そのような保護i者. 機関である特殊教育センターなどにおいて、. がいつでも気軽に相談できる相談の窓口を. 必要な研修の機会を提供することが望まれ. 設ける必要がある。子育てに関わる悩みは. る。研修内容については、研修の成果が直. 14.

(16) 接、相談支援活動に生かされる内容が求め られ、より実践的な内容が中心となる(京 都市立東・西・呉竹・白河養護学校,2002)。. この研修は、養護学校の職員の他に、地域 の学校関係者にも開かれたものとなること が望ましい。. その他、文部科学省(1997)は、「特殊教. 育センター等は、早期からの教育相談が円. 滑に進められるように、教育、医療、福祉 の各分野の情報収集に努め、そこで得られ た情報を養護学校に提供するなど相互の連 携の中核となる機関としての機能を発揮す る必要がある」と述べている。. 15.

(17) 第3章 教師と保護者のニーズと支援に関わる調査 本研究における調査は、デルファイ法を. なお、選択肢の一部については、事前に予. 採用した。デルファイ法は、同じ質問を結. 備調査を行い、保護者及び教師の大まかな. 果をフィードバックしながら数回繰り返す. 動向を探り、その結果を踏まえてアンケー. ことで、多くの意見を収束させようとする. ト調査における選択肢を決定した。. 方法である。本研究においては、一度行っ たアンケートの集計結果を回答者に提示し. アンケート調査では、教師や保護者の抱. た上で、その結果について、インタビュー. えている問題やニーズについて、おおよそ. を行い再度意見をもらうという手順を踏ん. の傾向をつかみ、さらに教師や保護者の意. だ。インタビューでは、新たな項目を1っ. 識について詳しく調べるために、インタビ. 付け加えた。. ュー イ査を実施した。インタビューでは、. インフォーマル・インタビュー(佐藤, 2002)を採用した。あらかじめ、質問項目. 3.1調査の概要. を用意しておくのではなく、相手との話の 成り行きで質問項目も変えていく。その中 から、新しい発見が期待できると考えた。. 本研究では、アンケート調査の対象地域 をK市に限って行った。K市には、市立の知. 3.1.1教師へのアンケート調査. 的障害のK養護学校が1校のみ設置されて いる。このK養護学校において、センター的. 役割を念頭において、その地域に住んでい. 3.1.1.1対象・方法・時期・回収率. る障害のある子どもの保護者や障害のある. 子どもの教育に関わっている教師のニーズ. <対象>K市内には、小学校11校、中学校4 校が設置されている。その中で、. を探るためにアンケートを実施した。. 特殊学級のある小学校10校、中学 アンケートの項目については、主に、文. 校4校全てを対象とした。また、幼. 部科学省調査研究協力者会議の「21世紀の. 稚園については、障害のある幼児. 特殊教育の在り方について」(文部科学省,. がおり、担任の教師がその子ども. 2001)の最終報告を踏まえ、「地域の特殊教. の指導について悩んでいるという. 育のセンターとしての盲・聾・養護学校の. 幼稚園1校を対象とした。. 機能の充実」という中で提言されている内 容や、その他の論文等から導き出し決定し. 小学校10校、中学校4校、幼稚. た。アンケートの回答形式については、回. 園1校の中で、特殊学級の担任及び. 答者が答えやすいように配慮した選択肢の. 普通学級において障害のある児童. 設問と、より詳しい情報を得ることができ. 生徒に関わりを持っている教師41. るように各項目毎に自由記述の欄を設けた。. 名にアンケートを実施した。. 16.

(18) 〈方法〉各校に出向いて、アンケート調査. (1)特殊教育に関わる様々な情報の提供を. の趣旨を説明しアンケートの依頼. 必要としているか。. を行う。回答後は、返信用封筒に. (2)情報の提供に関して、ネットワークの利. 入れ、返信してもらう。. 用ということが考えられるが、現在イン ターネットを利用しているか。. 〈時期〉平成14年6月. (3)どのような情報を必要としているか。. 5.市や町、地域の施設・設備に関するこ 〈回収率〉配布一41部 回収一41部. とについて (1)どんな施設・設備があればいいと思うか。. 回収率一100%. (2)どんな時に利用したいか。. 6.子どもを指導する上で、日ごろ考えて. 3.1.1.2アンケート項目. 1.専門機関への相談に関することについ. いることや要望等を書く。. て (1)幼児児童生徒の指導上、困ったことや分. 3.1.1.3アンケート結果. (1)選択肢の質問について. からないことについて相談したいと思 つたことがあるか。. 1.回答者について. (2)(ア)どんな内容について、相談したいと. アンケート回答者は、全部で41名で、男. 思ったか。. 女の内訳は、男性8名、女性33名である。. (イ)どこかの機関、または誰かに相談し たか。. (Fig.1−1)。. (3)(ア)どこの機関、または誰に相談したか。. (イ)相談した結果、どのように感じたか。. 2.専門機関からの支援に関することにつ. いて (1)該当の幼児児童生徒について支援が必 要であるかどうか。 (2)どのような支援を受けたいと思うか。. (3)今後、普通学校に対してどのような支 援・サービスがあればよいと思うか。. 3.教員の研修に関することについて. Fig.1−1記入者の性別. (1)専門的な知識をどのようにして得てい. 年代別に見ると、40代が20名でもっとも. るか。 (2)研修の機会は十分に与えられているか。. 多く全体のほぼ半数を占め、次に50代、30. (3)研修に関する要望を書く。. 代となっている。20代の教師は、たった1. 4.専門機関からの情報の提供に関するこ. 名であった。(Fig.1−2)。特殊学級の担任に. おいては、K市内小・中学校の特殊学級18. とについて. 学級の内、男性教師は3名のみで、あとは女. 17.

(19) 性教師であり、年代については、すべてが. 現在、障害のある児童生徒にかかわってい. 40代と50代に該当している。. る教師であっても、特殊教育に経験の浅い 教師が多いという結果が出ている。 (Fig.1−4)。. 1歪. 16. 14 12. 遍. 10 一. 8. 読. 6. 20代. 30代. 40代. 4. 50代. 2. 0. Fig.1−2コ入者の年代. 教師の勤務校については、幼稚園1名、小. 学校33名、中学校7名である。担任してい Fig.1−4障害児教育経験年数. る学級は、普通学級15名、知的障害学級15 名、肢体不自由児学級5名、難聴学級2名、 その他が4名となっている。(Fig.1−3)。. 2.専門機関への相談に関することに 人. ついて. 学級数(/41). 16 {. 一一 一一一 .. .一一.一 判一一. …一一一…一一一. 」. 1. (1)幼児児童生徒の指導上、困ったことや. 分からないことについて相談したいと 8. 一…一一一一一一. 6. 4. @ 一コ. 思ったことがあるか。. 1. 相談したいと思ったことが「よくある」. 一. 一. 一一. 一一.. 「. と答えた人は9人(22%)、「時々ある」と答. えた人は27人(66%)で、2つの項目をあ わせると全体の88%の教師が、該当の子ど もについて相談したいというニーズがある. と考えられる。ちなみに相談の希望が「全. Fig.1−3担任している学級. くない」と答えた教師はいなかった。 (Fig.2−1)。. それぞれの教師の特殊教育の経験年数に ついては、0∼2年未満が16人で最も多く全. 体の42%、2年∼5年未満が11人で全体の 29%、5年∼10年未満が9人で全体の24%、 10年以上が2人で全体の5%となっている。. 18.

(20) (2)(イ)どこかの機関、または誰かに相談. したか。. 相談したいという希望がある教師の中で、. 実際に相談したかどうかについては、全体 の78%がどこかに相談しているという結果 を得た。しかし、残りの22%については、相. 66%. 談のニーズを持ちながらどこにも誰にも相. 囲よくある. ■時々ある. 談できずに、一人で悩みや子どもに関する. 口ほとんどない. 問題を抱えたままであることが想像できる。. 口全くない. ■その他. 「何故、相談しなかったのか」という点が 重要であると考える(Fig.2−3)。. Fig.2−1相談したいと思ったこと. (しかし、このアンケートでは、相談しな (2)(ア)どんな内容について相談したいと. かった理由についての設問を設けていない. 思ったか。(重複回答可). ので、後のインタビュにより、明らかにし たい。). 相談したい内容については、Fig.2−2の. とおり、多岐にわたっているが、これは児 童生徒の実態が一人一人違っているためで あると考えられる。相談したい内容は、障 害に関する専門的な知識が全体の21%、学習. 面での指導方法が全体の18%で、他の項目 に比べるとやや多くなっている。 7% 2%. 四相談した ■相談しなかった. 9%. Fig.2−3相談したかどうか 18%. 10%. (3)(ア)どこの機関、または誰に相談した 11%. か。(重複回答可). 14%. 囮障害に関する専門的な知識 ■学習面での指導方法 口生活面での指導方法 口友人関係や対人関係 ■問題行動や特異な癌 腫親子関係や家庭生活. 最も相談件数の多かったのは、同じ学校 内の教師で20件(29%)、次に多かったのは、. ■就学に関すること. 特殊教育に経験の豊富な他の学校の教師で. ロ進路に関すること. 14件(20%)、続いて、医療機関で11件(17%). ■その他. となっている。同じ学校内の教師と、特殊. Fig.2−2相談内容. 教育に経験の豊富な他の学校の教師を合わ. 19.

(21) せると、相談件数は34件で全体の46%を占め. は少ないという結果であった。尚、養護学. ている。それに比べて、医療機関への相談. 校への相談は、5件で全体の7%にとどまって. が若干多いものの、他の専門機関への相談. いる(Fig.2−4)。. 35% 、。L. 25」 201 15≡ 1。[. 51. 国L一. 0. 遍〆ノ 〆ノ. 壷旨. Fig.2−4相談した機関. 3.専門機関からの支援に関すること. 10%. について (1)該当の幼児児童生徒について支援が必 要であるかどうか。. 専門機関からの支援が必要であると答え. .一一90% 固必要である. た教師は、全体の90%であり、ほとんどの. ■必要でない. 教師が何らかの支援を必要としているとい う結果であった(Fig.3−1)。. Fig,3−1専門機関からの支援. (2)どのような支援を受けたいと思うか。 (重複回答可). 支援の内容については、多岐にわたって いる。子どもの実態がそれぞれ異なり、教 師自身の経験の違い等によるところも大き いと考えられるが、最も多かったのは、「指. 20.

(22) 導内容や方法のアドバイス」、次いで「子ど もの客観的な評価」であった(Fig.3−2)。 3% 2%.. 3%一.. 6%. 12%. 13%. 28%. 田自己研修 9%. :. ■市や県の研修講座 ロ養護学校の研発表会 ロ養護学校の研修会 麗講師を招いて 国グループ研修. 7%. .商小心な評価. 一一. :目礼綴癬アドバイス. 嘱蕎難襟.. ■ネットワークの利用 = ロ墨」曳、鐘生と話堂一.. 5 ■実際の指導に関わる支援. 口その他. L_』_. 、___. Fig.3−2支援内容. Fig.4−1研修方法. 4.教員の研修に関することについて (2)研修の機会は十分に与えられているか。 (1)専門的な知識をどのようにして得てい. 研修の機会については、「研修の場が少な. い」と「研修の機会がほとんどない」を合. るか。(重複回答可). わせると、全体の76%を占めている。また、. 教師の研修の方法については、最も多か. 研修の機会が十分にあり、よく研修できて. ったのが「自己研修」で、全体の27%、次. いるという項目については、該当者がなか. に多かったのが「親しい先生と話す」で23%. った(Fig.4−2)。. となっている(Fig.4−1)。先の「相談」の 0%. 項目においては、教師に相談するといった. 16%. 24%. 回答が最も多かったが、「研修」についても、. 自己研修の他は、やはり教師から学ぶとい った面が多いという結果が得られた。相談 の内容と研修の内容については、明確に分 けることは難しく、従って一部は重複して. 60%. いるところもあると考えられる。. 国よく研修できている. ■だいたい研修できている. 口研修の機会が少ない ロ研修の機会がほとんどない. Fig.4−2研修の機会. 21.

(23) 5.専門機関からの情報の提供に関す ることについて (1)特殊教育に関わる様々な情報の提供を 必要としているか。. ほとんどの教師が情報の提供を必要とし ているという結果を得た(Fig.5−1)。 3%. Fig.5−2インターネットの利用. 6.市や町、地域の施設・設備に関す ることについて. 97%. 圏必要である ■必要でない. (1)どんな施設・設備があればいいと思う か。(重複回答可). Fig.5−1情報の提供. (2)情報の提供に関して、ネットワークの. 子どもの障害の種類や程度によって、必. 利用ということが考えられるが、現在. 要とされる施設・設備が異なっているとい. インターネットを利用しているか。. うことが伺える。また、その他が8%で、意 外に多い結果となっている(Fig.5−3)。そ. 現在、インターネットを利用している教. の他の内容については、「総合体育舘」「交. 師は、約半数の51%、また、現在はしてい. 通機関」「休日に障害のある子どもを安心し. ないが、今後インターネットをしょうと思. て任せられる施設」「専門職員のいる障害児. っている教師は、41%であった。近い将来、. 教育センターのようなところ」「自然体験で. 90%以上の教師がインターネットを利用す. きるような施設」などのように多岐にわた. るであろうと考えられる(Fig.5−2)。. っている。,. 22.

(24) 〈相談〉 8%. 設問1.相談した結果、. 17%. どのように感. じたか。. 22%. 設問1の「相談した結果、どのように感. 24%. じたか」については、以下の5つのことが 29%. 明らかになった。. .函遊具のある公園 一一一. (1)相談者の精神面へのサポート. ■プール ロプレイルーム ロリハビリ・機能訓練用施設. (2)専門的な知識と具体的な指導方法 (3)子どもの実態の評価. ■その也.一一 _一. (4)要望に応じた相談の受け入れ (5)身近に専門のアドバイザーを配置. Fig.5−3希望する施設・設備. これら5つの項目について、以下に述べ (2)アンケート自由記述について. る。なお、グループ化されないものを「そ の他」とする。. ここでは、教師へのアンケート調査の自 由記述の結果について、記述内容からまと. (1)相談者の精神面へのサポート. める。その手順は、次の通りである。. 相談したことによって、「指導の方向に自 信が出た」「保育に対する意欲が持てた」と. 1.記述された内容を意味のまとまりご. いうことは、自信や意欲は、相談すること. によって得られるということが1つ分かっ. とにカードに書き出す。. 2.書かれたカードで、似ているようなも. た。同じく相談することによって、「心の負. のどうしを集めて小グループをつくる。. 担が軽くなった」「精神的に楽になった」「気. 3.それぞれの小グループに、そのグルー. 持ちが軽くなった」「精神的負担が軽くなっ た」「安心感が出た」「焦らなくて良いとい. プの内容を表すような表題をつける。. う安心感があった」という回答からも、相. 4.さらに、各小グループどうしが似てい. 談することによって精神的な安定が得られ. るものを集めて中グループをつくる。. 5.中グループに、その内容を表すような. るということが2つ目に分かった。. 表題をつける。 以上のように、2つのことから教師が自 信や意欲を回復し、不安感を除くという精. 以下は、上述の手順で自由記述の各設問. 神面のサポートを受けることが重要である. について、まとめたものである。. と考える。. (2)専門的な知識と具体的な指導方法. 23.

(25) 子どもの症状は多様であることから、相. ら相談を必要とする時に相談できる体制を. 談をして「専門的なことが分かる」「指導方. 必要としているということである。. 法を専門的な知識の裏づけに基づいて教え (5)身近に専門のアドバイザーを配置. てもらえた」「知識があると、子どもに合っ た指導ができる」「知識のない指導は、子ど. もにマイナスである」という記述から専門. 「児童の実態に合った指導方法は見つか. 的な知識に基づいた指導方法が必要である. りにくい」「実際に児童の様子を見てもらい、. ということである。「訓練の方法も実際にや. アドバイスを受けたい」「障害児専門の先生. ってもらい、活用できた」「構音指導の実際. が身近にいてほしい」ということから、教. 的な指導方法を教えてもらった」「指導方法. 師は、身近にアドバイスがもらえる専門の. や接し方が分かった」「訓練の仕方がよく分. アドバイザーを必要としていると考えられ. かった」という記述からも実際に活用でき. る。. る指導方法を具体的に学べたということが. 大事なのである。以上、2つのことから専. (6)その他. 門的で実際に活用できる指導の方法を学び 「子どもの成長に合わせた継続的な相談. たいということが分かる。. が必要である」という意見が挙げられてい (3)子どもの実態の評価. る。. 「実態をきちんと調べてもらいよかっ た」ということから検査による実態評価が. く支援〉. よかったということである。. 設問2.普通学校に対して、どのよう な支援、サービスがあればよ. 「相談員が学校生活の場を観察してほし. いか。. い」「児童の様子を見てもらう機会がない」. 「児童の様子を見てもらいたい」というこ. 設問2の「普通学校に対して、どのよう. とから、子どもの実際の様子を専門的な目. な支援、サービスがあればよいか」につい. で観察してもらいたいということである。. ての自由記述から、次の7っのことが明ら. 以上のことから、教師は、子どもの実態の. かになった。. 正しい評価を必要としていると考えられる。. (1)子どもの実態を正しく理解するための. 支援. (4)要望に応じた相談の受け入れ. (2)職員の協力体制づくりのための支援. 「いつでも相談できる体制がほしい」「数. (3)個に応じた学習システムづくりが必要. 週間前からの予約が必要なため、必要な時. (4)個々のニーズに応じた指導のための専. に受けられない」「相談日が決まっているの. 門家による支援 (5)特殊学級への補助員の配置. で聞きたいときに聞けない」ということか. 24.

(26) (6)訓練できる環境の提供. 制の整備が求められていると考えられる。. (7)専門家による保護者の意識、考え方への. アプローチ. (3)個に応じた学習システムづくりが必要. 以上の7つの項目について、以下に詳し. 「少人数のクラス編成をする」「少人数で. く述べる。. 学習する」「一学級30人制の導入」というこ. とから「少人数で学習するシステムを作る (1)子どもの実態を正しく理解するための. ことが求められているということである。. 支援. 「複数担任制の導入」「複数担任制を採用」 「複数担任制など、多くの目で見る」「副担. 「子どもの行動観察や検査による評価を. 任の配置による細かな指導をする」「加配を. してほしい」ということから教師は、専門. 増やし複数で指導する」「複数の教師で見. 家による子どもの評価を必要としていると. る」ということから、学習場面において、. いうことである。. 複数の目で見る細かい指導を必要としてい るということである。「個に応じた指導をす. 「子どもに障害があると推察しても、担. る」「個別指導をする」「濃密指導をする」. 任から保護者に伝えることは難しい」「子ど. 「個別に対応できる体制を整備する」「個別. もの実態を簡単に検査できるものがあれば. に関われる教師が必要である」「学習に遅れ. いい」「親に検査を勧めるための基準が分か. が出始めた子どもの通級システムが必要で. らない」「専門的な検査を受けてもらうこと. ある」ということから、個別に対応できる. は難しい」ということから、教師は、子ど. 指導体制が必要とされている。. もの実態を正しく評価することが難しく、. 親に伝えにくいため、担任が子どもの実態. 以上、少人数で学習するシステム、複数. を評価できるような基準がほしいというこ. の目で見る細かい指導、個別に指導できる. とである。. 体制が必要ということから個別のニーズに 応じた学習システムが必要とされていると. (2)職員の指導体制、協力体制づくりのた. 考えられる。. めの支援 (4)個々のニーズに応じた指導のための専 「専門的な職員がいればいい」「職員に専. 門家による支援. 門的な知識をもったものが必要である」と. いうことから、校内に専門性のある職員を. 「障害の程度や発達段階に合わせた支援が. 望んでいるということである。「教師の意識. 必要」「子どもに応じた指導や支援の仕方の. 改革が必要」「学校全体で関わっていける体. アドバイスをしてほしい」「子どもに応じた. 制が必要」ということから、職員の協力体. 適切な指導方法を教えてもらう」というこ. 制が望まれているということである。以上. とから、教師は、子どもの多様な実態に応. のことより、学校職員の指導体制、協力体. じた適切な指導方法や支援の仕方を必要と. 25.

(27) しているということである。. 器具がほしい」「校内で訓練のできる環境を 整備してほしい」ということから、教師は、. 「普通校では校内研修の場がない」「具体. 普通学校の中にも専門的な訓練のできる環. 的な事例の紹介をしてほしい」「専門的な知. 境を望んでいるということであると考える。. 識を学習する機会必要」「肢体不自由に関す. る研修の場がほとんどない」ということか. (7)専門家による保護者の意識、考え方へ. ら、教師は、専門的な知識を学習する機会. のアプローチ. を必要としているということである。 「定期的なカウンセリングが必要」「保護. 「専門の先生に来校してもらい指導を受. 者との教育相談が必要」「子どもや親へのカ. けたい」「専門家の指導を受ける」「研修が. ウンセリング」「保護者の意識改革が必要」. ない分、専門家による支援を受けたい」と. 「園と同じ方向を持ち、家庭においても指. いうことから、専門家から指導を受けたい. 導してもらえる専門機関の紹介」というこ. ということである。. とから、保護者の意識や考え方に対して専 門家が介入し、その意識改革を図り、園や. 子どもの多様な実態に応じた適切な指導. 学校と連携していけるようなアプローチが. 方法や支援の仕方、専門的な知識を学習す. 必要ということであると考える。. る機会、専門家からの指導ということから、. 個々の子どものニーズに応じた指導のため に専門家による支援を受けたいということ. 〈研修〉. である。. 設問3.研修に関する要望について書 く。. (5)特殊学級への補助員の配置. 設問3の「研修に関する要望」について 「交流学級での指導の時に援助してくれ. の自由記述から、次の4つのことが明らか. る介助員がほしい」「特殊学級に重度の子ど. になった。. もがいる場合の補助員が必要」「重度の子ど. もを複数、一人の担任が見ることはできな. (1)放課後や長期休業日を利用した研修会. い」ということから、特殊学級の担任は、. の開催. 子どもの障害の程度が重度であり、複数の. (2)市内で研修の場を提供. 子どもが在籍している場合には、特殊学級. (3)要望に応じた研修内容の検討. に入り補助してくれる人材が必要というこ. (4)ネットワークを利用した情報の配信. とである。. 以上、4つの項目について、以下に述べ (6)訓練できる環境の提供. る。. 「養護学校で使っているような訓練的な (1)放課後や長期休業日を利用した研修会. 26.

参照

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