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IRUCAA@TDC : 摂食・嚥下リハビリテーションの実際

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

摂食・嚥下リハビリテーションの実際

Author(s)

石田, 瞭; 大久保, 真衣; 杉山, 哲也

Journal

歯科学報, 112(2): 123-125

URL

http://hdl.handle.net/10130/2722

(2)

―――― カラーアトラス ――――

摂食・嚥下リハビリテーションの実際

機器を使用した嚥下検査 −嚥下内視鏡検査−

①機器の準備と操作について

いし だ りょう

石 田

瞭,

おお く ぼ ま い

大 久 保 真 衣,

すぎ やま てつ や

杉 山 哲 也

東京歯科大学千葉病院摂食・嚥下リハビリテーション・地域歯科診療支援科

(3)

カ ラ ー ア ト ラ ス の 解 説

1.はじめに 口から食べることがうまく行かない,口から食べ られるようになりたい,と訴える摂食・嚥下障害患 者の診療において,食事場面の観察やスクリーニン グ検査による機能評価が重要である。しかし不顕性 誤嚥,咽頭残留,胃食道逆流症など重篤な症状の評 価は,画像検査機器による評価が有効な手段となる。 前回はゴールド・スタンダードとされる嚥下造影検 査(VF)を解説したが,今回からは内視鏡を使用す る嚥下内視鏡検査 Videoendoscopy(VE)について, ①機器の準備と操作,②正常像と障害像の2回に分 けて解説する。 VF と VE との最大の相違点は,機器の大きさで ある。VF は放射線管理も含め専用の検査室を必要 とするのに対し,VE は比較的ポータブル性に優れ, 検査室を必要とせず,患者の日常食事場面に合わせ た検査が可能である。尚,Videoendoscopy の Video の意味合いであるが,VF と同様,極めて短時間に 行われる摂食・嚥下の様相を,ポジショニング,食 形態を工夫しながら評価することから,ビデオに記 録する場合が多いことに基づいている。 2.VE の準備 内視鏡の種類は様々であるが,VE で使用するの は耳鼻咽喉科領域で使用されている鼻咽腔喉頭ファ イバーが一般的である(図1)。ファイバー径は,成 人の場合3mm 程度,小児においては1.8mm 程度 のものが妥当である。ファイバー部分を鼻腔に挿入 の上,咽頭を観察するが,内視鏡の接眼レンズから 直接観察することが可能である。しかし,通常は接 眼レンズに内視鏡用ビデオカメラを接続し,モニタ に描出させることが殆どである。その映像をビデオ 記録する場合は,画像記録装置や集音装置を追加す る(図2)。また,内視鏡は自然光による観察が困難 であり,ハロゲンランプや LED ランプによる光源 装置が必須である。 3.患者の準備 VE の目的は誤嚥のリスク評価であることから, 患者に対しては,なるべくリラックスして検査に臨 める環境を提供する必要がある。また,検査に伴う アクシデントを予防するために,鼻出血や表面麻酔 薬によるアレルギーの既往を確認するとともに,万 が一アクシデントが起きた場合は,速やかに対応す るべく対処法を把握しておくべきである。 検査時に試行するテスト食もあらかじめ準備して おく。検査中は,患者は自食が極めて不利な状況で あることを考慮し,食事介助を行うスタッフがいる とスムーズである。 4.内視鏡の操作法 内視鏡を思い通りに操作するためにはトレーニン グを必要とする。操作法は,①内部への挿入−引き 出し,②手首による左右への回旋,③湾曲調整レバー による前後動の3通りと考えると理解しやすく,実 際はそれらを取り混ぜながら検査を遂行する。湾曲 調整レバーは親指による操作をお勧めする。初心者 が陥りやすいのは,ファイバー先端のレンズ面が粘 膜に当たり,モニタ画面全体がハレーションを起こ す場合である。ハレーションによりどこを観察して いるのか分からなくなった場合は,慌てずに一度内 視鏡を引き出して広い視野から観察し直すとよい。 また,粘性痰などがレンズ面に付着して除去不可能 の場合は,ファイバーを一度患者対外に出して清掃 する。 【鼻腔通過と鼻咽腔閉鎖の確認】 鼻腔通過に際しては,図3のように下鼻甲介の上 部あるいは下部からファイバーを内部に進めてゆ く。やがて上咽頭に到達し軟口蓋が観察されてくる ので,発声や空嚥下により鼻咽腔閉鎖を評価する。 【咽頭・喉頭の確認】 上咽頭観察後,ファイバーを内部に進め中咽頭, 下咽頭,喉頭を観察する。図4は VE のホームポジ ション画像に相当し,多くの情報を獲得することが できる。解剖学的形態,分泌物の存在,披裂部・声 門閉鎖の対称性,咽頭収縮の強さ,嚥下時喉頭蓋反 転の状態,喉頭侵入,誤嚥,咽頭残留など,多岐に わたる。詳細は次回解説する。 5.内視鏡の消毒 検査後は,必ず内視鏡の消毒作業を行う。その手 順は,①中性洗剤などにより本体に付着した汚れを 除去,②消毒液への浸漬(5分),③流水による洗浄 (3分)が一般的である。 使用する消毒液はフタラール(ディスオーパⓇ)を 使用する場合が多い。 次回は,VE による正常像,障害像について解説 する。

(4)

摂食・嚥下リハビリテーションの実際

機器を使用した嚥下検査 −嚥下内視鏡検査−

①機器の準備と操作について

石 田

瞭,大 久 保 真 衣,杉 山 哲 也

東京歯科大学千葉病院摂食・嚥下リハビリテーション・地域歯科診療支援科 図1 内視鏡の構造 図2 VE セットアップ例 図3 鼻腔の通過 図4 咽頭・喉頭の観察

参照

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