第2学年〇組 数学科学習指導案 1 単元 「図形の調べ方」 2 指導観 身の回りには様々な図形がある。図形とは「形」、「大きさ」、「位置関係」の観点で捉えたものである。 日常生活における図形の中には合同な図形などを組み合わせてできる美しい伝統文様がある。例えば、 「麻の葉」の模様は合同な二等辺三角形を三つ組み合わせて正三角形をつくり、正三角形を組み合わ せて正六角形をつくっている。これは 30°、60°、120°を組み合わせた三角形から成り立っており、 同位角や錯角が等しいことから平行線があることがわかる。このように平行線や対称性により美しい 図形をつくっている。また、伝統文様はエンブレムや組子のデザインなどに用いられており、図形は日 常生活の様々なところに存在している。本単元は、図形や基本的な図形の性質や関係を理解するため に、数学的な推論により論理的に考察することで特徴を捉えていく。つまり、図形の学習をすることは 根拠をもとに論理的に考察することにつながり大変意義深い。 本単元では、角や平行線の性質、三角形の角についての性質を獲得し、それらの根拠をもとに図形の 性質を演繹的に確かめ、論理的に考察する力を養うことをねらいとしている。これまで生徒は小学校 第四学年までに、三角形や四角形、角や平行について、第五学年では図形の合同や多角形の簡単な性質 について、第六学年では縮図や拡大図及び図形の対称性について学習してきている。中学校第一学年 では、直線と角について、二等分線、線分の垂直二等分線、垂線などの基本的な作図方法ついて、平行 移動、対称移動及び回転移動について学習してきている。学習内容は、平行線や角の性質を理解するこ と、三角形の角についての性質を見いだすこと、多角形の角についての性質を見いだすこと、基本的な 図形の性質を見いだし、平行線や角の性質をもとに説明することなどがある。これらを学習すること は、次の単元の「図形の性質と証明」や第三学年で学習する「図形の相似」の理解を深める上でも大変 重要である。 本学級の生徒に、図形に関する実態調査を行った。これまで学習した図形の内容が、日常生活でどの ように役に立っているか挙げさせる問いでは、棚を作るときの設計の場面で垂線の作図を利用するな ど日常生活の具体的な場面で役に立つと答えた生徒は〇%であった。原因としては、図形の学習が数 学の授業の中の学習になっており、日常生活のどの場面に生かすことができるのかといった学びにつ ながっていないことが考えられる。次に、二つの辺の長さが等しいことや二つの辺が平行であること などを、記号を用いて記述させる問いの正答率は〇%であり、知識が定着していなかった。また、平行 移動の移動後の図形や回転移動の移動後の点などを求める問題の正答率は〇%、角の二等分線や垂線 を作図する問題の正答率は〇%と、技能が定着していなかった。原因としては、知識や技能を覚えさせ ることを重視してしまい、教師が一方的に教える授業になってしまっていたことが原因と考える。そ こで、知識や技能を獲得する方法を工夫していく必要がある。最後に、次のような問いにおいて、角の 大きさを求める過程を説明させた。 次の図は、直線AB上の点Oから半直線OCをひいた ものです。また、線分OPとOQはそれぞれ∠AOCと ∠BOCの二等分線です。次の問いに答えなさい。 このとき∠POQの大きさは何度になりますか。ま た、なぜその大きさになるのか、図や記号や言葉を使っ て詳しく説明しなさい。 直線と角の二等分線より、∠PОQは 180°の半分の 90°になることを説明する問題であるが、角 の大きさを答えた生徒は〇%であった。これは、角の大きさだけを答えている生徒は〇%、根拠が不十 O C A B P Q
分な生徒は〇%、根拠を明確に説明できている生徒は〇%であった。原因としては、授業が角の大きさ を求めることまでで終わってしまい、根拠を説明する活動を行うことができなかったからと考えられ る。そこで、図形の性質において、なぜそのようになるのか理由を説明する活動を通して、根拠をもと に論理的に考察する力を育みたい。 本単元の指導にあたっては、角や平行線の性質、三角形の角についての性質を獲得し、それらの根拠 をもとに図形の性質を演繹的に確かめ、論理的に考察する力を養うことをねらいとする。 そこで、つかむ段階では、まず、組子の図形の問題から図形の性質と根拠を説明する必要性をもたせ る。ここでは、単元を貫く問いをもたせるために、本単元の最後に学習する組子の図形の問題を扱う。 次に、対頂角について理解させる。ここでは、文字を用いて対頂角がいつでも等しいことを導くまでの 過程を比較・検討させる。また、同位角・錯角、平行線の性質について理解させる。ここでは、平行線 の同位角が等しいことを見いだすために、三角定規を用いて平行線を書く操作活動を行う。さらに、対 頂角が等しいことや平行線の同位角が等しいことを根拠に平行線の錯角が等しいことを導くまでの過 程を比較・検討させる。最後に、三角形の内角・外角の性質について理解させる。ここでは、いつでも 三角形の内角の和が 180°であることを確認するために、補助線をひかせ、三角形の内角の和が 180° であることを導くまでの過程を比較・検討させる。 つかう段階では、まず、角の大きさを求めたり、直線の位置関係を表したりする。ここでは、角の大 きさを求めることができるように、平行線や角の性質を振り返らせる。次に、角の大きさを求める方法 を説明させる。ここでは、角の大きさを求めるまでの過程を比較・検討させる。 深める段階ではまず、多角形の内角の和の性質を見いだし、求める方法を説明させる。ここでは、多 角形の内角の和の性質を見いだすために、表にまとめ、多角形の内角の和を求めるまでの過程を比較・ 検討させる。次に、多角形の外角の和を見いだし、求める方法を説明させる。ここでは、多角形の外角 の和を見いだすために、複数の多角形を調べ、多角形の外角の和を求めるまでの過程を比較・検討させ る。最後に、組子の図形からへこみのある十二角形の内角の和が 1800°になることを説明させるここ では、組子の図形の問題を説明するまでの過程を比較・検討させる。 3 単元の目標 〇 様々な事象を平行線や角の性質で捉えたり、多角形の性質を見いだしたり、既知のことに帰着し て考えようとしている。 【数学への関心・意欲・態度】 〇 平行線や角の性質、三角形の角についての性質を活用し、図形の性質について根拠をもとに筋道 立てて説明することができる。 【数学的な見方や考え方】 〇 平行線や角の性質、三角形の角についての性質を用いて、角の大きさを求めることや、直線の位置 関係を表すことができる。 【数学的な技能】 〇 平行線や角の性質、三角形の角についての性質を理解することができる。 【数量や図形などについての知識・理解】 4 単元計画(全8時間) 段階 配時 学習活動・内容 手立て 評価規準・評価方法 つ か む 1 〇 組子の図形の問題か ら図形の性質と根拠を 説明する必要性をもつ。 〇 対頂角について理解 する。 ・対頂角 ・対頂角は等しい 〇 単元を貫く問いをもたせるために、 本単元の最後に学習する組子の図形 の問題を扱う。 〇 文字を用いて対頂角がいつでも等 しいことを導くまでの過程を比較・検 討させる。 【比較・検討する活動】 〇 対頂角が等しい ことを説明するこ とができる。 (高まりシート)
1 〇 同位角・錯角、平行 線の性質について理解 する。 ・同位角 ・錯角 ・平行線の同位角は等しい ・平行線の錯角は等しい 〇 平行線の同位角が等しいことを見 いだすために、三角定規を用いて平行 線を書く操作活動を行う。 〇 対頂角が等しいことや平行線の同 位角が等しいことを根拠に、平行線の 錯角が等しいことを導くまでの過程 を比較・検討させる。 【比較・検討する活動】 〇 平行線の錯角が 等しいことを説明 す る こ と が で き る。 (高まりシート) 1 〇 三角形の内角・外角 の性質について理解す る。 ・内角・外角 ・鋭角・鈍角 ・三角形の内角の和は 180° ・外角はとなり合わない 二つの内角の和と等しい 〇 いつでも三角形の内角の和が 180° であることを確認させるために、文字 を用いて説明させる。 〇 三角形の内角の和が 180°であるこ とを導くまでの過程を比較・検討させ る。 【比較・検討する活動】 〇 三角形の角につ いての性質を説明 す る こ と が で き る。 (高まりシート) つ か う 1 〇 角の大きさを求めた り、直線の位置関係を 表したりする。 〇 角の大きさを求めることができる ように、平行線や角の性質を振り返 る。 〇 角の大きさを求 め る こ と が で き る。 (学習プリント) 1 〇 角の大きさを求める 方法を説明する。 〇 角の大きさを求めるまでの過程を 比較・検討させる。 【比較・検討する活動】 〇 角の大きさを求 め、その理由を説 明することができ る。 (高まりシート) 深 め る 1 〇 多角形の内角の和の 性質を見いだし、求め る方法を説明する。 ・𝑛角形の内角の和 180° × (𝑛 − 2) 〇 多角形の内角の和の性質を見いだ すために、表にまとめる。 〇 多角形の内角の和を求めるまでの 過程を比較・検討させる。 【比較・検討する活動】 〇 多角形の内角の 和の性質を説明す ることができる。 (高まりシート) 1 〇 多角形の外角の和を 見いだし、求める方法 を説明する。 ・多角形の外角の和はい つでも 360° 〇 多角形の外角の和が 360°であるこ とを帰納的に見いだすために、複数の 多角形を調べ、文字を用いて説明させ る。 〇 多角形の外角の和を求めるまでの 過程を比較・検討させる。 【比較・検討する活動】 〇 多角形の外角の 和の性質を説明す ることができる。 (高まりシート) 1 〇 組子の図形からへこ みのある十二角形の内 角の和が 1800°にな ることを説明する。 〇 組子の図形の問題を説明するまで の過程を比較・検討させる。 【比較・検討する活動】 〇 組子の図形の問 題を説明すること ができる。 (高まりシート)
本時 平成〇年〇月〇日(〇曜日) 第〇校時 ミーティングルームにて(8/8) ○ 主眼 補助線をひき図形を分割する活動を通して、へこみがある十二角形の内角の和が 1800°になるこ とを多角形の内角の和を根拠に説明することができる。 ○ 準備 高まりシート、ヒントカード ○ 学習の過程 学習活動・内容 学習形態 ○手立て ◇評価規準・評価方法 配時 導 入 展 開 1 本時の学習課題を把握し、 めあてを確認する。 (1) 課題を把握する。 (2) めあてを確認する。 2 問題を解決する。 (1) 見通しをもつ。 <予想される生徒の考え> (2) 自己追究する。 <予想される生徒の考え> 一斉 一斉 個 ペア 全体 個 ○ 単元を貫く問いを解決するために、導入を 振り返り、へこみのある十二角形の内角の和 が帰納的に 1800°になることを確認する。 ○ 組子の図形をくずしたへこみのある十二角 形でも 1800°になるか問い、めあてにつなげ る。 ○ 多角形の内角の和を求める方法を振り返 る。 ○ 見通しをもつことができるように、ペア、全 体で交流させる。 ○自己追究できない生徒のためには、机間指導 で見通しを振り返らせ、ヒントカードを渡す。 10 35 問題 へこみのある十二角形の内角の和が 1800°になるのはなぜでしょう。 「麻の葉」 「竜胆」 「籠目」 めあて 一般的なへこみのある十二角形の内角の和が 1800°になることを説明しよう。 見通し ・三角形に分ける ・四角形に分ける ・六角形の内角の和を使う ・図形の中心が 360° 三角形が6個と六角形が1個の 合計より 180° × 180° × ( − 2) 180° × 180° × 1800° 四角形が6個から 中央の360°をひく 0° × − 0° 1800° 三角形が10個できる から 180° × 10 1800° アの方法 イの方法 ウの方法
終 末 (3) 小集団で交流し、参考にな りそうな考えを付箋(緑)に 記入する。 (4) 全体で交流し、参考になり そうな考えを付箋(黄)に記 入する。 (5) 付箋(緑)(黄)を整理し、 他者の考えを取り入れるか 判断する。 (6) 交流したことをもとに、考 えを付加・修正し、評価問題 をする。 (7) へこみのある八角形や十 角形を扱い、へこみのない多 角形とへこみのある多角形 の共通なものをみいだす。 3 本時のまとめを行う。 小集団 全体 個 個 個 個 ○ 交流を円滑に行うために、交流の手順を確 認する。 〇 根拠を明らかにするために、180° × や 0°は何を表すのかなど問い、的確の視点を 与える。 ○ 簡潔で分かりやすい説明にするために、ア、 イ、ウの方法のどれが手際よく相手に分かり やすく説明できるか簡潔・明瞭の視点を与え、 根拠は正しいか的確の視点を与える。 ○ よりよい考えにするために、自己追究した 自分の考えと交流で見いだした他者の考えと を比較・検討し、必要な根拠や新たな考えを付 箋に記入させる。 〇 なぜ取り入れる必要があるのか根拠を明ら かにするために、他者の考えを取り入れる理 由を書かせる。 ◇ 評価問題で、へこみがある十二角形の内角 の和を、多角形の内角の和を根拠に説明する ことができる。(高まりシート) ◇へこみのある多角形の内角の和は、へこみの ない多角形と同じように、180° × (𝑛 − 2)にま とめることができる。 5 まとめ へこみのある十二角形は三角形に分けるなどして、図形の性質を使えば、内 角の和が 1800°になることを説明できる。