専攻科保健理療科○年 経穴 学習指導案 指導者 福岡県立福岡高等盲学校 ○○ ○○ ○○ 日 時:平成○○年○月○○日(○) ○校時 場 所:専攻科保健理療科1年教室 1.単 元 「十四経とその経穴(手の陽明大腸経)」 2.指導観 ○ 生徒観 対象生徒は○名である。そのうち、○名(生徒A)が社会人としての経験を有し ており、学習からは長年遠ざかっていた。 全員、知的好奇心が非常にあり、日々の学習に真面目に取り組んでいる。一方で、 一部の生徒は、授業中の発言が多く、落ち着いて授業を受けることができない側面 も見られる。 学習に用いる文字は、全員一応確立しているが、通常文字使用者の文字の大きさ、 行間、フォント等には注意が必要である。また、記憶することを非常に苦手として いる者もおり、そのような生徒が興味を持続しながら学習を続けていけるように工 夫することも必要である。 なお、個々の生徒の実態は、以下の表の通りである。 視力 文字 本科目における学習の実態 A ○性 右)0.02(0.1) 左)0 通常文 字(22 p) 物静かであり、落ち着いた態度で取り組む。自分のペ ースで努力し、与えられた課題を確実にやり遂げる。 学習内容の理解度を常に把握することが必要である。 B ○性 右)0.07 左)0 通常文 字(22 p) 分からないことを指導者に熱心に質問し、学習内容を 理解しようと努める。記憶することが非常に苦手であ り、小さな単位で区切る等の配慮を要する。 C ○性 右)0 左)0 点字 学習で獲得した内容を積極的に表出しようとする姿が 見られる。抽象的な概念や難解な事項に接すると強い 不安を抱くので、段階を追っての説明が必要である。 ○ 科目観・単元観 経穴は東洋医学を学ぶ上で最も基本的な科目の一つである。診断・治療の場とな る体表上の部位とその名称を理解しておくことは、治療師として最低限の素養であ る。しかし、学習は経穴の名称や位置を記憶することが多く、単調なものになりや すい。また、部位の表記にあたっては、西洋医学の解剖学用語を用いるが、対象生 徒はその解剖学も履修を始めたばかりであり、また、東西両医学の専門用語が混在 することも学習のしにくさを増している一因である。
その中で「手の陽明大腸経」は比較的はじめに学習する部分であり、経絡の流注 も上肢を中心とした部に存在するので、容易に取穴実習を行いながら興味を持って 学習に臨むことができる単元である。加えて経穴の名称には、解剖学的部位や主治 症に由来するものがある等、指導者の工夫次第で苦手意識を持たずに学習すること も十分に可能である。 ○ 指導観 以上のような生徒の実態及び科目・単元の特性を考慮し、指導にあたっては以下 の各事項に留意する。 ①授業の途中で、各生徒の理解の程度を適宜把握しながら進める。 ②隣接他科目(特に解剖学、保健理療基礎実習)との連携に留意し、時にはその内 容を繰り返しつつも、本科目独自の切り口で取り扱う。 ③将来の臨床を意識し、理論科目でありながらも取穴実習を多く取り入れ、生きた 知識として身に付けることができるように考慮する。 ④経穴名の暗唱にあたっては、単調な繰り返しとならないよう、名称の意味に留意 する等、東洋医学の考え方に無理なく親しむことができるように工夫する。 ⑤教科書に記載されている大量の情報を精選し、理解・記憶すべき内容を記したプ リントを作成し、活用する。 ⑥授業中の生徒の言動に十分に気を配り、落ち着いた状況の中で集中して取り組む ことができるような、授業運営に努める。 3.目 標 ①手の陽明大腸経の流注、所属する経穴名、部位、要穴を理解し、記憶する。 ②上記経穴のうち、上肢にあるものについて、正確に取穴することができる。 4.指導計画 ○ 手の陽明大腸経(計6時間) 第1次 流注・経穴名の確認:1時間 第2次 取穴に必要な解剖学的部位・骨度法の知識:1時間(本時) 第3次 各穴の部位・要穴:2時間 第4次 取穴実習:2時間 5.本時 (1)指導の考え方 「手の陽明大腸経」(以下、「大腸経」)は正経十二経脈の中で比較的最初にあ たる部分である。所属経穴数も20と少なく、その流注も上肢を中心としたところ にあり、生徒も比較的取り組みやすいものと考える。 前時においては、本単元の導入として、所属する経穴名と経脈の流注をプリント により確認している。
本科目の基本は、所属する経穴名の流注に沿った正確な暗記に始まるといっても 過言ではない。そのため、毎時に課題を提示した上で、授業の開始時に暗唱を確認 する時間を設けている。本時においても通常と同様に暗唱の確認を行うが、単なる 暗唱ではなく、任意の順番を指定して解答させることで、緊張感を増すと共に、無 味乾燥となりがちの暗唱確認を楽しく行えるように配慮する。 次に、大腸経の各経穴を正確に取穴できることを目指して、教科書(プリント) の中に出ている解剖学的指標についての位置と名称、骨度法における長さを、骨格 模型と生体観察とを行いながら理解させる。その際に、次時以降の学習を興味を持 って進めることができるように、それらの部位と経穴名との関連を事例を挙げて説 明する。 生体観察では、生徒が3人と少ないことを考慮し、また、将来の臨床に向けて、 体格の違う被術者の身体に触れる機会を確保するために、自分以外の○名に触れる ようにする。 まとめでは次時の学習へとつなげることができるよう、本時の復習及び予習課題 も提示する。 (2)本時の目標 ①前時で学習した経穴名(LI11まで)の知識の定着度を確認し、今後の学習課 題を自ら意識する。 ②正確な取穴に必要な解剖学的部位、骨度法について、模型及び生体観察を通して 理解する。(第2中手骨と第2中手指節関節、橈骨茎状突起、上腕骨外側上顆、 上腕骨大結節、肩峰、鎖骨外端と肩甲棘外端部の接合部) (3)展開(50 分) 配時 学習活動・内容 指導上の留意事項 準備 導入 2分 授業開始の挨拶 学習内容の確認 ①生徒の呼名を行い、出席状 況・健康状態を確認する。 ②本時の学習内容を経時的に 説明する。 展開1 8分 大腸経に所属する経穴 の数及び穴名の暗唱確 認 ・指導者の発問に答え る。 ・必要に応じてプリン トを確認する。 ①各生徒に大腸経の経穴名 (LI11まで)のうちから 任意のものを発問する。 ②正答できない場合は他の生 徒を指名し、なお正答できな ければ、プリントで確認させ る。 資料1:「手の陽 明大腸経」(前時 に配布) 展開2 8分 大腸経の経脈流注の確 認 ①生徒Cを被術者として指導 者が身体に触れながら説明す
・指導者の説明を、実 際に生態を観察しな がら聞く。 る。 ②生徒Bは特に必要がある場 合、指導者と一緒に触れなが ら観察する。 ③流注の中で、骨の突出部に 関しては、特に入念に観察さ せる。 ④必要があれば、専門用語に ついての理解を発問により確 認しながら進める。 展開3 10 分 骨の突出部、骨度法に ついての模型での学習 ・指導者の説明を、骨 格模型を観察しなが ら聞く。 ・骨のランドマークと なる突出部にシール を貼る。 ①特に生徒C、必要に応じて Bには、実際に手を取って確 認させ、シールは生徒Cに貼 付させる。(手間取るようで あれば指導者が貼り、その後 観察させる。) ②生徒Aに対しては視覚によ る観察を優先するが、必要で あれば触察による確認を行わ せる。 ③解剖学的部位と経穴名との 関係について、適宜説明す る。 骨格模型 シール 展開4 20 分 展開3で学習した内容 の生体での確認 ・生徒Aが被術者、生 徒Bがシール貼付、 生徒Cが全体確認を 行う。 ・役割を代えて、同様 に行う。 ①指導者が活動の全体を観察 し、必要に応じて助言を行 う。 ②多くの生体に触れることに より、将来の臨床において体 格の違う被術者にも対応でき ることを意図した活動である ことを強調する。 ③被術者の身体に触れる際の 声かけ等のエチケットについ ても指導する。 シール まとめ 2分 次時の予告 授業終了の挨拶 ①次時の学習に向けて、本時 で学習した内容を復習し、余 裕があれば各穴の部位につい てもプリントを見て考えてみ るように促す。
(4)評価の観点及び基準 ①大腸経の経穴名(LI11まで)についての順序正しい暗記 →展開1において、生徒が指導者の発問に正確に解答することができる。 ②取穴の指標となる骨格部位の生体での理解 →展開4において、生徒が模型で学習した骨格部位に正確にシールを貼ることが できる。