• 検索結果がありません。

有限要素法によるはり一移動荷重系の振動と安定性の解析 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "有限要素法によるはり一移動荷重系の振動と安定性の解析 利用統計を見る"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

有限要素法によるはり―移動荷重系の

振動と安定性の解析

沢登健

神山栄一

(昭和54年8月31日受理)

Finite Element Analysis of Vibration and Stability of a

Beam Subjected to Moving Mass Loads

TakeshiSAWANOBORI EiichiKAMIYAMA        Abstract  Afinite element model is developed for the lateral response analysis and the dynamic stability analysis of a丘nite beam subjected to a moving mass load and a continuous ,eq。。nce。f m。vi・g mass l・ad・,・・av・li・g・・ac・…an・・peed ac・・ss・h・b・am・Th・ ・ffects 。f m。vi。gmass i。。,・iaand・upP・・i・g m・・h・d・・f・h・b・am・n・h・1・…al・e・p・n・e a・d ,h。 dy。。mi。、・・bili・y・・e ea・ily…di・d by丘・i・e el・m・n・m・・h・d・nd m・d・1・n・ly・i・・The 。ffect。f mass l。ad、 pl・y・an imp・・t・nt・・1・i・th・1・t・・al・e・p・n・e・nd th・dyn・mi・ ,、。bili、y。f。b,。m. Th・…ul…b・・i・・d・h・w・xcell・…g・eem・n・wi・h・h・・e・bt・i・・d by experiment and other analytical method.

1.はしがき

 荷重がはりの長さ方向にそって動くとき,はりに曲 げ振動が発生する。このはり一移動荷重系の応答解析 は,橋梁上を走行する車輌によって励起される振動の 解析1・2)やパンタグラフー架線系の応答解析3)などそ の応用分野が多いので,古くから多くの研究4)があ り,比較的最近のものでは,車輌の高速化に伴う安全 性の確保と空間の有効な利用を目的とした高架方式の 交通輸送手段に関するSmithらの研究5・6),有限深 さ連続弾性基礎上のはりを移動する荷重の危険速度に 関する長南の研究7),連続移動質点をうけるはりの動 的安定性に関するNelsonらとBenedetti8・9)の研究 がある。  ところで従来の研究では,はり一移動荷重系の支配 方程式を厳密に解くことができる場合が限られてお り,多くの場合近似的にしか解くことができないた め,荷重の質量の慣性効果に対する考慮が十分でな *現在トヨタ自動車工業(株) かったり,はりの支持方法が単純な場合しか解析して いないものが多い。  本報告は一様断面ぽり上を荷重がはりの長さ方向に そって一定速度で移動する際に励起される振動と,そ の安定性を取り扱ったもので,移動荷重の質量の慣性 効果を考慮し,はりの支持方法の変更による系の応答 の相違を容易に考察できる解析法を目的としたもので ある。  解析においては,はじめにはり一移動荷重系の支配 方程式を移動荷重が単一の場合と一定間隔を有する連 続移動荷重の場合について示し,これにガレルキン法 を適用して支配方程式に対する有限要素方程式を導 く。つぎに得られた有限要素方程式にモード解析法を 用いて規準座標についての微分方程式を導き,最後に この微分方程式を解いて系の応答を求める。  はり一移動荷重系の応答解析においては,はり中央 のたわみの時間履歴,はり中央の最大たわみなどを数 値計算で求め,系の応答解析においては移動荷重の質 量の慣性効果を考慮することが重要であることを示 す。またはりの支持方法を変更した場合の計算をも行

(2)

い,本報告の方法によれぽ,はりの支持方法の変更は 系の応答計算をする上で何らの困難も生じないことを 示す。  はり一移動荷重系の応答の安定性に関する解析で は,系が微小外乱をうけたときの規準座標の微小変化 に対する変分方程式を導き,これにFloquetの理論 を用いて系の応答の安定性を調べ,安定判別図を求 め,安定性に及ぼす移動荷重の質量および移動速度の 影響を明らかにする。 m Iv

    ::巨ヨ;一灘

    VVe Fig.1 Dimensions and coordinates of a    beam subjected to a moving mass     load,

2・主な記号

 本報告で用いる主な記号は以下に示すとおりであ る。    t:時間    X:はりの任意位置の左端からの距離    S:はり要素の任意位置の左端からの距離    n:はりの要素分割数   nb:はりのたわみとたわみ角の拘束総数    L:はりのスパン長さ    A:はりの断面積   EI:はりの曲げ剛性    p:はり材の密度    1:はり要素の長さ==L/n    lo:移動荷重の間隔    m:移動荷重の質量    V:荷重の移動速度    g:重力の加速度 W(X,の:はりのたわみ  θ(X,の:はりのたわみ角    tUk:はりのk次固有振動数  OPiC(の:k次の規準座標   VVst:はり中央に単一荷重をうける両端単純支持      はりの中央の静たわみ=mgL3/(48EI)    α:はり中央の動たわみとW・tの比    β:速度比=πv/(Lω1)

   μ:荷重の質量とはりの質量との比=m/

     (ρAL)      ・    τ:時間比=vt/L   δ(X):ディラックのデルタ函数  H(の:単位ステップ函数    d==1。/L    tt=ω1彦   qiC(彦)=tO12ηle(の    a=n−nb 3・運動方程式とその解析  3・1 単一移動荷重の場合  図一1(a)に示すように,一定速度vではりの長さ 方向にそって荷重が移動する際のはり一移動荷重系の

支配方程式望(W)=0は

  y(w)一・A謬+E・顎一R(x・・t)

  ・〔H(め一H(・一…)〕一・ である。ここにR(x,のは   R(鋤一〔mg−m(謬)x.vt〕・(v−wt) (1) (2) で,tは荷重がはり左端に位置するときから測るもの とする。  本報告では有限要素解析の手法を用いてはり一移動 荷重系の応答を解析する。そのためにはりを有限要 素,すなわちn等分割のはり要素に分ける。個々の はり要素を呼ぶ場合ははり要素の左側よりつけた番号 1,2…nをもって指定する。  さて任意のはり要素i(i=1,2,…n)に対するはり 一移動荷重系の支配方程式をはり要素の左端を原点と する局所座標sを用いてあらわせぽ,式(1),式(2) に対応して,   y(陶一・A∂謬θ+E・∂雛一R・(s・t)   ・〔H(・一(≒)’)−H(・÷)〕一・(・y

l三二1霊:勿(瓢ユー蝸

である。ここでWε(S,のはW(X, t)のXにS+ (i−1)1を代入したはり要素のたわみである。  任意はり要素iに対する有限要素方程式を導くため に,はり要素のたわみVVe(S,のをはり要素両端のた わみ〃1,U2とたわみ角θ1,θ2を用いたエルミート補

(3)

間式,  ’VVe(s,彦)=Ne Ue で近似する。ここにNeは形状函数, Ueは節点変位 ベクトルで

鏡:ぽ㌶}  (5)

   N1=1−3ξ2十2ξ3    N2==ξ(1−一一ξ)2    N3=ξ2(3−2ξ)      (6)    N4==一ξ2(1一ξ)    ξ=s/1 である。式(1)ts式(2)’に近似たわみ式(4)を代入 してガレルキン法10),

   ∫把望(」ii7e)ds−・   (7)

を適用すれぽ,はり要素に対するはり一移動荷重系の 有限要素式,

  ・AZ硫+誓乱一れ+m(gLe−一吾

  ・αぴ一2÷ぴ晩一瓦め    (8)

を得る。ここにる,”はtに関する一階および二階微 分である。また,   M・ ・s; NZ N・ dξ Ke−1・轣G4ti・Y!2,7・響4ξ Le=(Ne)s=Si Ce−Hi(t)1・

iN湾誤。Si

D・−th(t)1(哨際)s−Si          ,(i=1,2,……n) E、 ・Hi(の(N『.zv,)、⇒ Fe=(P, M1/IP』 M,/1)T Hi(の一H(・≒1 z)−H(・ 一・−Si) P1,P2:はり要素両端の節点力 M1, M2 :はり要素両端の節点モーメント (9)  である。式(8)を全はり要素について重ねあわせて はり一移動荷重系の全体有限要素方程式

  pAIMV+餐κσ一F栩(gL一暢cσ一子

  ×DU−EU)       (10) を得る.ここで・AIM(質量マトリ・クス),餐五 (剛性マトリックス),U(節点変位ベクトル), F(節 点力ベクトル),L, C, D, Eはそれぞれ式(9)の Me, Ke, Ue, Fe, Le, Ce, De, Ee,を節点におけるたわ みとたわみ角の連続性と力とモーメントのつりあい条 件を考慮してはり要素全体について重ね合わせたもの である。  式(10)をはりの支持方法を考慮して遂次積分法に よって数値解析すれぽ,梁一移動荷重系の応答を求め ることができるが,一般に遂次積分法による式(10) の計算では,応答に含まれる高次振動の周期に計算精 度および計算時間が影響をうけ,数値積分が不安定と なって解が発散したり,安定に解くためには演算時間 が著るしくかかるなど実際上の問題がある11・12)。  本報告では能率よく見通しの良い結果を得るために 式(10)の右辺を0とおいた式

  pAIMti+誓κひ一・    (・・)

から求められるはりの固有振動数ω,と固有振動モー ドX。(レ= 1,2,…のに基礎をおくモード解析を用い て有限要素式で表わしたはり一移動荷重系の支配方程 式(10)を解析する。この場合式(10)の解を         σ=ΣηiC(彦)品         (12)     k=1 と規準座標すなわち時間函数孔(t)(k=1,2…σ)と 固有振動モード品を用いて求める。式(12)を式(10)

に代入した式に固有振動モード品のMおよびK

に関する直交性

鷲:∵纂劉⑬

        k を用いて得られたηk(のに関する式においてF=O であることに注意し,かつtt= (Olt,ψ。(〆)=ωi× ηレ(〆)((レ=1,2…a)なる変数変換を行えぽq。(〆)に 関する式 悟聯一三{gXTL・一一・(・β/・・)2   ぴ      げ   Σψば『c品一(2・β/π)Σopx xT D x,   k■l      k−1

  一曇1・ぽ脳}  (・4)

を得る。ここにq;,q;’は〆に関するq。(〆)の一階 および二階微分である。式(14)からq。(〆),したが ってη.(のを求め,式(12)に代入してはり一移動荷 重系の応答を求める。  3・2 連続移動荷重の場合  単一移動荷重の場合の拡張として,図一2に示すよう

(4)

10 10 10 10 Zo 仇(」・6) m(ノ・5) 仇(」・4) m(ノ・3) m(戸2) m(ノ=1) 一■一ウカ .._:_._: 工 EろA,ρ ●一 L κ 、

   w

Fig.2 Dimensions and coordinates of a beam    subjected to a continuous sequence of    moving mass loads. に等質量m,等間隔1。の連続移動荷重が一定速度v ではりの長さ方向に移動する場合のはり一移動荷重系 の応答を解析する。単一移動荷重の場合と同様に系の 支配方程式を有限要素法で求める。はりをn等分し たときの任意のはり要素iに対するはり一移動荷重系 の支配方程式∬(Wの=0は, y(VVe)一・A∂

セ+E・∂譜一曇、

R・(s・・)〔H{・一(i−1)≒(元一1)1・} −H{彦_il+(元一1)’・}〕一・  (・5) である。ここにR」(s,のはt=oにおいてはり左端 より元番目にある荷重が」番目のはり要素に及ぼす 力で,        (16) である。(4)を(15)に代入した式一24(「塀e)を(7) に用いてはり要素についての支配方程式の有限要素式 を得る。この有限要素式を単一荷重の場合と同様な方 法で重ね合わせれぽ連続移動荷重の場合のはり一移動 荷重系の支配方程式は   ・AIMV+」書κσ一∬+曇1{mgL・−m(一手ぱu

  +2子刀・τ+E・i’)}   (・7)

となる。ここにLプ,Cプ, Dゴ, E」,は式(9)の(i−1) 1/v,il/v, Siをそれぞれ{(i−1)1十(元一1ソo}/v,{il十 (ノー1)lo}/v,5ηでおきかえた行列Le, Ce, De, Ee を重ね合わせたものである。式(17)の解を式(12)の 形で求めると,規準座標η。(のに関する式は,〆= tOlt, q。(〆)=ωiη。(〆)なる変数変換をした後,

幽畜一x㌃見{gxT・L・・一 (nB/7t)2

ぴ       ぴ Σq・・ xl cゴXk−(2ηβ/x)2], opk xT Dプ澱 為犀1      白=1

一ξ1・ぱτE遮}

(18) となる。元=1の場合,式(18)は式(14)となる。移 動荷重が連続荷重の場合のはり一移動荷重系の応答は 式(11),式(12),式(18)より求めることができる。 4・応答の数値計算例  4・1単一移動荷重の場合  移動荷重が単一の場合について数値計算を行った例 を図一3,図一4,図一5に示す。従来の研究では式(14) の遠心力項である第4項とコリオリカの項である第5 項を省略し,荷重がはり上の一定位置に作用するとし て,その位置を仮定した上で荷重質量の慣性効果であ る式(14)の第6項を考慮して近似解を求めている1)・4)。 このような解析では,荷重の質量および移動速度が増 加するに伴ない解析結果が正しくなくなる恐れがあ る。このことを調べるために,本報告の解析において は,図中実線で示しCAL(A)と呼んでいるコリオ 1.5α 1.0 0.5 0.0 0.5 μ=3.36 タ=9.65(10)−2 輪■、、、L  ’’ f ノ’一@゜げ @o o ’ 、、 ,’ oExp. @ Cal.(A)・一一C .B 、、●、、 0.2       0.4       0.6       0.8     1.0  9 1.5 1.0 0.5 0.0 0.5 1.5 1.0 0.5 0.0 0.5 (a) μニ3.36 タ=6.11(10)−2  ’ 一一一一’ 、 oExp. @ CaL(A−一一Ca1(B 、 0.2       0.4       0.6       0.8     1.0 α (b) μ=3.36 タ=1.13(10)−1 o o ,’   ,’^’  o’  o 一    一 一 一 工●s 一一 亀 一 @   、 、、 ,’ oExp. │Cal.(A)・一一CaL(B) 、、、 、  、 0.2       0.4       0.6       0.8 LO (c) τ r Fig.3 Time history of dynamic defiection at mid・span of a simple beam.

(5)

αmax 1.4 1.2 1.0 0・80.0 αmax .1.6 1.4 112 LO 0・S6.0 0.04 0.08   0.12   (a) 0.16  β0.2 C!ma)c 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 O・8ttt 0.04 0.08 (b) 0.12 0.16  β’ 0.2 Fig.4        ‘β0.04      0.08     0.12      0.16      ・0.2       (c) Maximum deflection at mid’span of a simple beam in dependence on speed. リカと遠心力項を考慮した計算と点線で示しCAL (B)と呼んでいるコリオリカと遠心力項を省略した 計算を行っている。また図中のEXPと呼んでいる○ 印は実験結果である13)。数値計算では式(11)から固有 振動数および固有振動モードを求める際のはりの分割 数は8等分で,式(14)の規準座標の計算では二次の固 有振動モードまでを考慮している。この程度の計算で 有効桁3桁の精度での応答解析を行うことができる。  図一3(a)∼(c)ははり両端を単純支持した場合のは り中央のたわみ比の時間履歴を質量比μ=3.36,速 度比β=0・0611,0.0965,0.113について数値計算 した結果である。いずれの速度比においても,CAL (A)は実験結果と良く一致しているが,CAL(B)は 実験結果と異なっている。またその違いは速度比が大 きい程著しい。  図一4(a)∼(c)ははりを単純支持した場合のはり中 央のたわみ比の最大値αm・xと速度比βの関係を質 量比μ=0.394,1・58,3・36の場合について示したも のである。いずれの質量比の場合も速度比が増大する 0.7 0.6 0.5 τ O.4 0・30.0 0.7 0.6 0.5 0.4 μ=0.394 O Exp. @   CaL(A)・一一一CaL(B) /一  ,、’  ‘ @ ‘ ∼ 一   o Q’ ’ ’ 、一’ |    ’ @, f |1 、 ’C’ τ 0・30.0 0.7 0.6 0.5 0.4 0.04 0.08   0.12   (a) 0.16  βO.2 μ=1.58 O Exp. @  Ca1.(A)一一”Ca1.(B) ’へ 宅1 、 亀、 @、 @ 、 ,’  ,’ C’ ‘ τ 0・30.0 0.04 0.08   0.12   (b) 0.16  β0.2 μ=3.36 O Exp. @ CaL(A)’一一CaL(B) ,’、 ‘ o o ’、  ’ @、 、、 ‘   ’ @,’ f 一一 、、 ノ  ,’ C’ ’ 、、 ’ 、、 、 ,’ f Fig.5 1.5 1.0 0.5 0.0 0.5 α       β0.04     0.08     0.12     0.16      0.2       (c) The time required to reach maximum deflection at mid’span of a simple beam in dependence on speed. μ=1.58 タ=1.50(10)−1         ’ 、、   ’ @ ’ @’ @’ 、、 、 、  、 ’ 一CaL(A) cCal.(B) 、、 @、 @、 0.2       0.4       0.6       0.8 1.0 Fig.6 「r time history of dynamic deflection at mid・span of a built−in beam. に従ってはり中央のたわみ比の最大値は増大するが, その傾向は質量比が大きい程顕著である。図一4におい

てもCAL(A)はCAL(B)よりも実験と良く一致

している。  図一5(a)∼(c)ははり中央のたわみ比が最大となる 時間比と速度比βの関係を質量比μ=0・394,1・58, 3.36の場合について示したものである。図一5でτ= 0.5は荷重がはり中央に来た瞬間に,r<0・5は荷重 がはり中央に到達する以前に,またτ>0・5は荷重が

(6)

はり中央を通過した後にそれぞれはりのたわみが最大 になることを示す。図一5でみるようにはりのたわみが 最大となる時間比はβについて一定の規則性をもた ずかなり変動しているが,この場合もCAL(A)は実 験結果とよく一致しているが,CAL(B)は実験結果 と相違している。  はり一移動荷重系の従来の解析における他の問題 は,はりの支持方法や系のパラメータを変更した場 合,式(1)の解析をはじめからやり直さなけれぽなら ないので計算の手間がかかることである。しかし本解 析法でははりの支持方法や系のパラメーターの変更は 式(11)から固有振動,固有振動モードを求める際に, 質量マトリックスM,剛性マトリックスKの消去す べき行と列あるいは要素の値を変えるだけでよいの で,計算の手間に大きな影響を及ぼさない。事実μ= 1・58,β=O.150で両端を固定支持した場合の計算(図 一6)では,計算時間ははり両端単純支持の場合とほぼ 同じで,東京大学大計算機センターのHITAC8800/ 8700を用いた場合のCPUタイムは約15秒である。  4・2 連続移動荷重の場合  図一7(a)∼(c)は荷重間隔比d=0・2,すなわちは り上に最大5荷重が作用する場合のはり中央の時間履 歴を計算した結果である。図一7(a)は質量比μ= 0・5,速度比β=0.1の場合にコリオリの力と遠心力を 考慮した計算結果CAL(A)とこれらの力を省略した CAL(B)を示したもので,いずれの場合も荷重がはり に作用してから一定時間後にはりの中央のたわみは定 常状態になる。しかし図一7(b)のμ=0.5,β=1・0の 場合,CAL(A)でははりの中央のたわみは時間とと もに急速に増大し,一一定状態にならないが,CAL(B) でははりの中央のたわみは一定の周期で振動する定常 状態になる。また図一7(c)に示すようにβ=0・4で μ=0.5,2.0の場合,コリオリカと遠心力を考慮した 計算では,μ=0・5ではり中央のたわみが一定時間後 に定常状態に達するのに対し,μ=0・2でははり中央 のたわみは急速に増大する。  以上のように連続移動荷重の場合は,荷重の質量, 移動速度によって応答が急速に増大する場合と定常状 態に達する場合とがあること,またコリオリカと遠心 力を考慮した場合と省略した場合では,同一の荷重の 質量および移動速度であっても応答が急速に増大する 場合と定常状態に達する場合があることが示される。 すでに4.1項で述べたように,はり一移動荷重系の応 答解析ではコリオリカと遠心力を考慮すべきである が,連続移動荷重の場合,コリオリカと遠心力の応答 1.5α 1.0 O.5 0.0 一〇.5 −1.0 1.5 1.0 0.5 0.0 一〇.5 一1.0 1.5 1.0 0.5 0.0 一〇.5 τ 1.0       2.0       3.0       4乞0 5.0 多:8:i…(・)d=0.2・−CaL(B) α (a) ,” 一 、 @●、、  、   ’ @’ @! 、、 、、 ,’    ’ @ ’  ’ C’ f 、、 A 、、 τ 1.0   2.0   3.0 4.0    5.0 μ=0.5  CaL(A) m8:;…C・1・(・) α (b) 一1.0       (c) Fig.7 Time history of dynamic deflection at     mid・span of a simple beam subjected     to a continuous sequence of moving     mass loads. ’ 7 τ 1.0       2.0       3.0       4.0       5.0 β=0.3   μ=0・5(CaL(A))d=0・2_・一ノ∠=2.0(Cal.(B)) におよぼす影響は単一荷重の場合よりもはるかに大き い。 5.安定性の解析  5・1 安定性の解析方法  4.2項で述べたように連続移動荷重の場合は,はり 一移動荷重系の応答は荷重の質量および移動速度によ って定常になる場合(安定)と,時間とともに増大す る場合(不安定)とがある。本項では応答の安定性の 解析法について述べる。  はり一移動荷重系が定常状態になったとき,式(18) を満たす規準座標をq.。(tt)とする。系に微小外乱が 働いた後の規準座標の微小変化をψv(〆)とすれぽ, このとき   ξレ(tt):=ρvo(〆)十ψレ(〆)      (19)二 も式(18)を満足しなけれぽならないので, ξ・」+

m巳一x孟ヨ{gxTL・・一・(・B/x)2

(7)

2.0β 1.6 12 0.8 0.4 0ρ ‘

∂=1.O e.E.M. qef.[8] 、 一 ● 一 、 、 biverg・・t Convergent        一 一 2.0β 1.6 1.2 0.8 io.4        μ 0.4     0.8     1.2     1.6     2.0      (a)  .O.0      μ      0.4     0.8     1.2     1.6     2.0          (b) Fig.8 Stability chart for a simple beam.        d=0.2

│F.E.M.

黶E− qef.[8]

1

\  、 Divergent Convergent    ぴ      ぴ   ×呂已τρ澱一(2・β/π)若1ξ差xrD遮

  一曇、ξzx3 E」 x,}   (2・)

が成立つ。式(18)と式(20)から微小変化ψ。(〆)に ついての変分方程式は {P・tt+

ッ炉一論慧{(・B/・・)2

  げ      げ   Σξ元X『Cj濫十(2nβ/tr)Σξ差工『Dj Xk   h=1       h=1   +£、ξk・x・ E・ XiC}(v−・・2・…・…)(2・) である。CJ, D元, E1,は〆に関して周期πd/βをも つので,式(21)は係数が周期π4/βをもつ周期係数 の微分方程式である。周期係数を有する変分方程式 (21)の解の安定性の問題は式(21)の特性乗数を求め る問題に帰着し,特性乗数のすべての絶対値が1より 小さけれぽξ(〆)→ψ。o(tt)(〆→oo)となってはり一 移動荷重系の応答は安定である。  式(21)の特性乗数はFloquetの理論に基づき以下  β2.0 d=1.0 Divergent 工6 P.2 O.8 O.4 O.0 P.6 Convergent     ’ μ  β2.0 0.4      0.8     1.2      1.6 @       (a) 2.0 ∂=0.2 Divergent 1.2 O.8 O.4 O.0 Convergent μ 0.4     0.8     1.2     1.6 2.0          (b) Fig. g Stability chart for a built・in beam. のように求められる14)。まず式(21)で   Y2v−1(〆)=ψッ(〆) ,   ツ2ニψ;(〆)      (22)     (レ=1,2,……σ) とし,式(21)を周期係数をもつ微分方程式の標準形   ;:㌶㍍(〆)……..,o,,。(t))T /       (23)A(〆):

ウ鴎舗蹴る醐∫

に直し,つぎにγの要素鎚(tt)(k ・1,2……2a) をyz(0)=1,鈎(0)==o(i十γ)としてt, ==oからxd/β まで式(23)を数値積分した結果のYを第i列とす る2σ次の行列を作る。最後にこの行列の固有値を求 めるとこれが特性乗数に他ならないので,固有値の絶 対値が1以下であるかどうかを調べる。実際ははりの 固有振動モードをa個すべて用いる必要はなく,初 めの数個で十分である。本報告の場合有効桁3桁まで の精度では第二次の固有振動モードまでを用いれぽ十 分である。  5・2 安定性解析の数値計算例  図一8(a)∼(b)ははり両端を単純支持したときのは

(8)

 り一移動荷重系の応答の安定性を質量比を横軸に,速 度比を縦軸にとってあらわしたものである。図一8(a)  と図一8(b)はそれぞれはり上の移動荷重数が1個と 5個の場合の結果で,実線より下側が応答の安定領  域,実線より上側が応答の不安定領域である。また図 一8の一一一一一一点鎖線はNelsonとConover8)がはりの振動モ  ードをsin(kπx/L)(k=1,2)と仮定し,はりの減衰 :比を0.05ととって求めた安定領域と不安定領域を分 ける境界線である。図一8(a)∼(b)では本解析法の結 果の方がNelsonとConover8)の結果よりも安定領 域がやや狭くなっているが,これは本解析法では減衰 を考慮していないことによるものと思われる。   はりの支持方法を変更した場合も本解析法によれぽ 安定性の解析に特に困難を生じない。はりが両端固定 の場合について応答の安定性の解析を移動荷重数が1 個と5個の場合について行ったものが図一9(a)∼(b) である。図一8と図一9を比較するとわかるように,応 答の安定領域ははりの両端が固定されている場合の方 が両端単純支持の場合より狭くなっている。また速度 比が大きく,質量比が大きい程応答の安定性は失われ  る。  安定性の解析と応答解析の対応関係をみるために, 図一7(c)と図一8(b)を比較してみる。μ=0・5,β= 0・3は図一7(b)では応答の安定領域であるが,図一7 (c)の時間履歴をみると,たしかに一定時間後に応答 が定常状態になっている。これに反してμ=2.0,β= 0・3は図一8(b)の安定と不安定の境界線よりわずか 上の不安定域にあるが,図一7(c)では応答が時間と  ともに急速に増大している。 6.む す び  有限要素法とモ・一一ド解析法を用いてはり一移動荷重 系の応答解析を行い,次の結果を得た。  (1)有限要素法とモード解析法を用いれぽ,系の応 答に及ぼす移動荷重の質量の慣性効果の影響を正しく 評価することが容易である。  (2)有限要素法とモ・一…ド解析法を用いれぽ,はりの 支持方法や系のパラメータ変更に対する系の応答の相 違が容易に解析できる。  (3)移動荷重が連続の場合,系の応答には一定時間 後定常状態に達する安定の場合と時間とともに増大す る不安定の場合があるが,系の応答の安定性の解析に も有限要素法とモード解析法に基づく解析方法は有効 である。  本報告の計算および実験については,元学生の渡辺 喜美雄,佐野秀造,岡明雄,大場隆,花岡正明,長谷 川正英の諸君の協力をいただいた。記して感謝の意を 表します。なお数値計算には東京大学大型計算機セン

ターのHITAC8800/8700および本学設置のNEAC

システム300を用いた。広嶋くに代技官をはじめ関係 諸氏の協力,助言に感謝します。 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 13) 14) 文 献 Inglis, C.E.:AMathematical Treatise on Vibration in Railway Bridges, Cambridge University Press, London(1934) BapqeHKoB, A.r.:双HHaM四ecKH貴pacqeT ABTAopo》KHHx MocToB, TpaHcnopT, MOCKBa (1976) 井口雅一ほか4名:‘‘不整ある弾性支持梁上を 走行する質点の振動解析と集電への応用”,機 構論,No.790−4(昭54−4),108−115 Fry’ba, L:Vibration of solids and struct− ures under Moving loads, Noordhoff Inte・ rnational Publishing, Gronigen(1972) Smith, C.C. and Wormley, D.N.:“Respo・ nse of Continuous Periodically SupPorted Guideway Beams to Traveling Vehicle Loads”, J. of Dynamic Systems, Measure− ment, and Control, Trans. ASME, Paper No.74−WA/Aut−3(1974),1−9 Smith, C.C., Gilchrist, A.J. and Wormley, D.N:“Multiple and Continuous Span

Elevated Guideway・Vehicle Dynamic

Performance”, J. of Dynamic Systems, Measurement, and Contro1, Trans. ASME, Paper No.74−WA/Aut−4(1974),1−11 長南征二:‘‘弾性床上のはりを移動する荷重の 危険速度について”,機論41−350(昭50−10), 2825−2830 Nelson, H.D. and Conover, R.A.:‘‘Dyna・ mic Stability of a Beam Carring Moving Masses”, J. of ApPlied Mechanics, vo1・38, Trans. ASME, vol.93, Series E,(1971), 1003−1006 Benedetti, G. A.:‘‘Dynamic Stability of a Beam Loaded by a Sequence of Moving Mass Particles”, J. of Applied Mechanics, vol.41, Trans, AS]Nt[E, vol.96, series E (1974), 1069−1071 Gallagher, R.H.:Finite Element Analysis Fundamentals, Prentice−Hall(1975),126− 132 戸川隼人:有限要素法による振動解析,サイ ェンス社(昭50),45−46 清水信行ほか4名:‘‘大次元常微分方程式の直 接数値積分法(積分法の評価と新しい数値積 分法の提案)”,機論43−368(昭52−4),1272− 1289 沢登健,神山栄一:‘‘有限要素によるはり一移 動荷重系の振動解析”,機講論,’78−10−28, 甲府,46−48 Meirovitch, L:Methods of Analytical Dynamics, McGraw・Hill(1970),263−272

参照

関連したドキュメント

どにより異なる値をとると思われる.ところで,かっ

私たちの行動には 5W1H

 第一の方法は、不安の原因を特定した上で、それを制御しようとするもので

ベクトル計算と解析幾何 移動,移動の加法 移動と実数との乗法 ベクトル空間の概念 平面における基底と座標系

・「下→上(能動)」とは、荷の位置を現在位置から上方へ移動する動作。

需要動向に対応して,長期にわたる効率的な安定供給を確保するため, 500kV 基 幹系統を拠点とし,地域的な需要動向,既設系統の状況などを勘案のうえ,需要

この P 1 P 2 を抵抗板の動きにより測定し、その動きをマグネットを通して指針の動きにし、流