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外来通院をしている血液疾患患者の自己効力感 ―血液腫瘍患者と非血液腫瘍患者の比較―

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Academic year: 2021

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外来通院をしている血液疾患患者の自己効力感

血液腫瘍患者と非血液腫瘍患者の比較

久 美 子

は じ め に 近年, 血液腫瘍患者 (以下, 腫瘍患者と示す) は寛解後, 寛解後療法や治療を待つ間, セルフケアは腫瘍患者に任 される場合が多く, 患者自身の自主的な取り組みが求め られる. そのため患者がいかに自己効力感をもち腫瘍と 共存できるかが課題であり, 国内外において自己効力感 尺度の開発が行われている. また,再生不良性 血など の非血液腫瘍患者 (以下,非腫瘍患者と示す)は 血や 怠感などの症状を軽減できるよう, セルフケアの継続が 課題であり自己効力感が必要不可欠と える. そこで腫 瘍患者と非腫瘍患者の自己効力感を比較し看護を検討す ることを目的とした. 対 象 と 方 法 対象者は 2つの大学病院の血液外来において研究参加 の承諾が得られた 20歳以上の患者とし, 有効回答の得 られた腫瘍患者 110名と非腫瘍患者 90名の計 200名に ついて 析した. 質問票の主な内容は性別, 性格型 や家 族構成などの一般的背景, 自己効力感, 情緒的支援ネッ トワーク, 先行研究 を参 に構成した疾病・治療の理 解, セルフケアの獲得状況である. また, 医学診断, 年齢, 用薬剤等に関する情報は診療録から得た. 実施にあた り, 関連する 3機関の倫理審査を受け承諾を得た. また 患者へは参加の自由や情報の守秘について十 に説明し 文書にて同意を得, データは記号化し集計をした. 結 果 自己効力感得点は腫瘍患者は平 31.5点 (標準偏差 5.3点), 非腫瘍患者は 31.8点 (標準偏差 5.7点) であり有 意差はなかった. 医学診断では急性白血病の患者の自己 効力感得点がもっとも低かった. 一般的背景の項目別に 自己効力感得点を比較した結果, 性別で 互作用があっ た. また, 全身状態のレベルで有意差が認められ状態が 悪く活動範囲が狭い対象者ほど自己効力感得点が低かっ た.さらに,情緒的支援ネットワークの比較では家族内・ 家族以外ともに腫瘍患者の方が非腫瘍患者よりも低く有 意差が認められた. 血時の対処方法と予防の実施にお いて 2群の間に有意差が認められた. 察 2群の性別の 互作用を見た場合, 女性の腫瘍患者は 自己効力感が低いことが明らかになった. 腫瘍患者は家 族関係を負担に感じるという結果 もあるが, 家族や周 囲の人々の協力を得て折り合いをつけながら, 治療に取 り組むことが自己効力感の維持・向上につながると え る. そのため, 生理的情動的安定に向けた援助が重要と えられる. 2群の間に家族内・家族以外に有意差が認められた.腫 瘍患者の方がそれぞれ平 点が低かったことから, ネッ トワーが乏しく孤独感を生じやすいことが明らかになっ た. 看護師は患者と家族の関係性についてもアセスメン トしセルフヘルプグループの情報を提供し, 孤独感の軽 減に努める必要があると える. 血時の対処方法と予防の実施において, 非腫瘍患者 119 Kitakanto Med J 2009;59:119∼120 1 東京都八王子市宮下町476番地 杏林大学保 学部看護学科 平成20年12月4日 受付 論文別刷請求先 〒192-8508 東京都八王子市宮下町476番地 杏林大学保 学部看護学科 吉田久美子

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は鉄欠乏性 血など患者自身の対処の実行が行われてい たことが推測できる. 一方, 腫瘍患者は治療の場が外来 へと移行してきているため, 患者自身が 血時の対処の みならず, 抗がん剤の副作用を緩和できるよう, 症状マ ネジメント能力を身につけておくことが必要 であり, 看護師の介入が重要と える. 今後, 看護師は患者の自己効力感を支援できるよう遂 行行動の成功体験・代理的体験・言語的説得・生理的情 動的安定を 慮した介入方法を検討していくことが重要 と える. 謝 辞 平成 20年度北関東医学会奨励賞を頂き, 学会役員の 先生方ならびに本研究に対しご指導を賜りました群馬大 学大学院医学系研究科保 学 神田清子教授, およびご 支援ご協力頂きました関係諸氏に深謝致します. 文 献

1. Lev EL.Rutgers.Banduras theory of self-efficacy・appli-cations to oncology. Sch Inq Nurs Pract 1997; 1: 21-37.

2. 吉田久美子,神田清子.外来通院をしている血液腫瘍患者 の自己効力感とその影響要因. The Journal of Nursing Investitigation 2005; 1: 6-14.

3. Elise L.Lev, Diane Paul, Steven VOwen. Age, Sele-efficacy, and Change in patients Adjusutment to Cancer Cancer Practice 1999 ; 7: 170-176. 4. 塚本尚子.がん患者自己効力感尺度作成の試み.看護研究 1998; 31: 2-9. 5. 今井一枝, 中地 敬. 性格と生活習慣の関連性. 日本 衆 衛生学会誌 1990; 37: 577-583. 6. 宗像恒次.行動科学からみた 康と病気,東京 : メディカ ルフレンド 1996; 128-129. 7. 神田清子, 飯田苗恵, 中村美代子. がん化学療法を受けた 造血器腫瘍患者の自尊感情およびその関連因子. がん看 護 1996; 1: 242-247. 8. 菅原 美, 佐藤まゆみ, 小西美ゆき. 外来に通院するがん 患者の療養上のニード. 千葉大学看護学部紀要 2004; 26: 27-37. 9. 片桐和子, 小 浩子, 射場典子ら. 継続治療を受けながら 生活しているがん患者の困難・要請と対処.日本がん看護 学会誌 2001; 15: 68-74. 10. 神田清子. 変わりゆく化学療法とケア−看護者に求めら れるセルフケアマネジメント支援−. 看護技術 2001; 17: 1219-1225. 外来通院をしている血液疾患患者の自己効力感 120

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