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会社の本質と管理会計機能 : アベリーの会計観を中心にして (江頭恒治博士還暦記念論文集)

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二五〇

会計の本質と管理会計機能

      ーーアベリーの会計観を中心にして一

可 児 島 俊 雄

陶  会計なるものは、一つの専門的職業であり、科学であり、技術的能力であり、経験の蒸溜であり、そして経営の本       ① 質的な用具の一つである。 スミス及びアシュバーン ︵Q晦︻口搾ず﹁∩γ ︾■四昌α 諺ロ〆高σ口﹃昌Φ嘘︸・O’︶は、その共著書の冒頭に器 いてとのように述べ、一般的に会計学の開題としている。とのような見解は勿論アメリカにおいても今日すでに通説         と成っているのであるが、例えばキーヤノン︵O曽昌oP︸客・︶によれば、次のように理解されている。会計とは叙述で あり、測定の制度である。会計は言葉︵一華陰農Φ︶であり、便利重宝なものである。会計は慣習と手続︵8薯霧けδ口         弩ユ蔑。8酒屋︶の統︼体であって、決して論理の統︼体ではない。会計は技術︵9。5であり、表現︵Φ×只。隆8︶の手 段である。       ④  ﹁会計は言葉である﹂という見解は、またアベリi︵︾ぐ⑦﹃ざ団’O●︶によっても展開されて、彼の幾多の論文におい て、会計は本質的に技術であり、 科学的知識︵ω9①算筐。首。乱。舐①︶の﹁分野であるという思考が明確にされている。

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このような思考が伝達され得る積極的制度とその根本原理を表現する手段が良く展開された時、そこには言葉として の会計が確立され、会計の本質的機能が十分に発揮され得ることと成るのである。  会計に関するこのような見解は、一体如何なる理解に基づくものであるか。またとの場合に、会計の特質は如何に 理解され、会計の機能と特質とは如何に関連するものであるか。私は先の機会において、会計の管理的機能と管理会        ⑤ 計の発展について若干整理した。本小稿においては、更に別の観点から、アベリーの会計士を手掛りとして、 とれら        ⑥ の会計における基礎的問題を整理するととによって、会計の本質とそこにおける管理会計的機能の意義を若干理解し ようとするものである ①ω日蹄戸ρ鋭雪山︾鴇9ヨρ匂・04..、固9p9巴四鼠︾匹ヨ一巳。。霞帥江ぐ。︾08目ユ躍..レ㊤韻矯O●H,︵﹀。8毒菖薦6話ユ。器ξ  冷臨①匿。ロ8自。ロ。β。勺δhoのω凶oP餌ωqΦロ8二四黒雨計曽山一ωq豆言ρ曽昌山四p①ωωo暮同p。一890hσロ。。ぎ。ωの.︶ ②O睾ぎP>.蜜.︾円畏津。。ゆωβ3ωo⇒︾9ε巨ぎひq準ぢ。剛豆島p巳>08巨霊三。9ぎ匹①℃窪島窪8曽日冨>08巨江戸閑。ゑ。ヨ  OoρHり認・キャノンの説述についてはすでに青木倫太郎教授によって明確に紹介され、研究されている。︵同論、会計の機能、 ﹁会  計の本質と職能﹂日本会計学会編、五五−七〇頁。︶ ③会計におけるミ葭鳴という用語は、アメリカではすでに広く一般的に使用されている。メイ︵ζ国メO●O.︶やマーフィー︵客霞1  9ざ竃・国・︶などにもしばしば見られる用語である。︵拙稿、損益計算書の経営管理的意義、損益計算書の重要性に関する一考察、  彦根論叢、第三三号、二一一三八頁。︶我が国では一般にこれを﹁技術﹂と訳している。私も同感であるが、﹁技術的能力の所産﹂と  いう意味で﹁技能﹂と理解している。用語聖算鷹については文献は多いので、ここでは詳細は省略する。 ④アペリー教授は現在アメリカのd巳。づOo=。ひ⊇oの会計学主任教授であり、主たる論文には以下の如きが見出される。主として  公益企業会計におけろ問題が多ぐ扱われているが、その基本的理念は、われわれの管理会計思考にとって多く教えられるところがあ  る。﹀<o崎”国忌。匡ρ℃︾68二耳冒ゆqho巴諺OO冨6巴ω”↓げ。︾ooo這暮ぎゆq男。︿帯瀬︵以下において﹀●即と略記する︶同課ρ<oド  図く噂8.ω逡一ω8・山。・噛↓げ。淳〇三①巳ohH巳①国ぴQ巳O旨。留f︾幻4H潔ρ箸’&Oーミも。.自P︾88平ぎぴq器9い餌口四轟αQρ諺.  菊4冒ロ・H8もQりOPQQωlQQメ血9剛∪蓬①話≦謬げ言¢﹃Oげ風の㎝㊦自三ユ。口。囲p昌一昌8旨午8=㊤騒ぎmq山Φく剛。①り目びΦ日。目撃巴9諺08ロ昌−    会計の本質と管理会計機能︵可児島︶       二五一

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      二五二  訂50コ口。 りNH8倉OPおQQp。昌α腿Hραo﹂︾Qりε身。︷Z簿芝。同梓﹃Oo目O節二ωo鐸︾・園4H翫距bO・H二一這9 匹04QDo旨①  bωO①o房oh℃雪ぎd匹胃矯諺82巨ぎαa噸︾.菊4HO繰噂OP㎝胡一αQ。q。’山P↓冨自色四窪く①H旨Oo詳p。昌80h国×o仙︾。。。。曾ρ︾・”ご  H霧ρOPδ㎝一お。。・傷Pd玩び目巴肉。く8ロ。ω℃︾・即℃お罵り呂.心8iお㎝’OP国9日置︾82設け口αQい昌。冨8曙自Z9噌諺●  菊こ同O㎝QQ℃09ωOOlQQお. ⑤ 拙稿、管理会計の本質的性格に関する一考察、 ﹁陵水三+五年記念論文集﹂二五六−二六九頁。 ⑥このような基礎的問題についてアメリカにおいては、多く会計学テキストの序論において若干関説されている程度に過ぎない。個  別的に論稿に取り上げられた例は極めて少ないと思う。一九四〇年のペイトン及びリトルトン共著の﹁会社会計基準序説﹂は唯一の  体系的文献である。 二       ①  会計の領域はおよそ今日では極めて広汎に亘っているが、山下勝治教授が指摘されるように、種汝の.会計事象の中 に共通にみられる事実、そしてその基本的な事実は、原則として金銭の収支の記録というととろに求められる。すな わち、 ﹁会計というととは、常に収支の取引とか金銭の在高という事実と、その記録とが照合され、記録によって金 銭が管理されるということを意味している。記録による金銭の管理というところに会計のもつ基本的にして、原則的 な機能がみられるものである。﹂とのような会計の機能が可及的十分に計算的管理の目的を果たすためには、﹁系統的 にして組織的な、そして自己完了的な記録計算の方法﹂が考案されなければならない。とこにおいて複式簿記が登場 し、更に一般的な会計方法として展開して来たことは必然的なととである。       ②  会計思考の発展について、またリトルトン︵い犀二①梓O口り︾。 O・︶によれば、次のように明確に説述されている。 ﹁一五 世紀の商業と貿易の急速な発達にせまられて、入は帳簿記入を複式簿記に発展せしめた。時移って一九世紀に至るや 当時の商工業の飛躍的な前進にせまられて、入は複式簿記を会計に発展せしめたのである。⋮⋮﹂すなわち、会計は

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外部環境との関係において、常に相関的であり、進化的である。会計は特に時代の必要に応じて時代の環境のうちに 芽を発し、そして時代の環境に適応して成長し発展を遂げて来たものである。かくして会計思考の発展段階的理解に 基づいて、そとに社会科学としての会計学の学問的本質を明確にしょうとする態度が多く採られて来た。例えば以下       の会計観においてそれを理解することがでをるであろう。  先ずハットフィールド︵国国辞ゆO一α℃=.丙匿︶によれば、会計の本質は第一に︼定時点における企業の財政状態の適正な る表示であり、第二に︸定期間に得られたる成果の報告である。 コール︵OOHρ毛﹂≦.︶によれば、会計は哲学と数学 の混合物である。会計は理論によって進展するもので、規則によって展開されるものではない。またケスター︵国①雪①5 戸甲︶によれば、会計とは企業経営活動に関する正確な情報を提供することであり、それにより適正な経営計画を立 て、そして経営の短所には改善策を、また経営の収益活動方向には助長促進せんとするものである。更にハズバンド 及びトーマス︵出口ωσβ◎コユ 90ロユ ]りげO旨P餌ω︶によれば、会計とは、 一定期間内に企業経営の財政状態に及ぼした経済活動の 結果を分析し、報告し、概要し、そして表示する場合の指針としての原理及び方法である。またフィネイ︵田目①ざ 国・︾・︶は、会計思老は結局企業資本の増減変化に関労するものであると言う。          更に二、三の会計観をみよう。アメリカ会計士協会︵諺口琴8ロH塁静寧。。陥︾。8巨訂摸ω・によれば、会計とは、財務 的性質を有する取引及び事象を記録し、分類し、綜合し、その結果を解明する技術である。またマッケンジー︵竃鋤9         ぼ鼠ρ∪・国・︶によれば、会計とは、社会の生産単位における収益、費用、利益、損失及び財政状態に関する資料を集 収、記録、検証、表示、分析するものである。更にペイトン及びリトルトン︵℃讐oP亀.︾.彗α=銭①けoP︾.ρ︶によれ    ば、会計の目的並びに機能は、管理目的としての内部的機能と、報告目的としての外部的機能とから成るのである が、終局的に会計の目的は、企業に関する財務上の資料を経営者、出資者及び公衆の要請にかなう様に蒐集編成して     会計の本質と管理会計機能︵可児島︶       二五三

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       二五四        提供することにある。またモーヤー及びマウツ︵竃O鴫OさO●﹀●p二Pユ蜜p昌q8斜幻●囚.︶によれば、会計とは結局、用役機構で あり、経営に役に立つ機構である。とのために資料提供の報告的機能︵陣口︷ON目口曽け一〇口︶と、全財産に及ぶ安全装置とし ての自衛的機能︵O﹃089δロ︶が主である。          更に明確に会計の機能について整理する。ドイツの経営計算論の思考を採られる平井泰太郎教授によれば、会計と は、一つの経済単位内における価値の数量的判断であり、そして個別経済内における価値関係の計算的把握である。 したがって、そこには評価、決済、算定、管理の機能が理解される。またシュマーレンバッハ︵ωO︼ρ巳Pgo一①昌σ口Oげり閏γ︶の学         説を受け継がれる土岐政蔵教授によれば、会計とは、企業経営活動の経過を数字的に把握記録し、これを基礎に・して 計算の諸目的にしたがって諸結果を明らかにし、この諸結果を観察批判して傾向を知り、 とれによって、将来の経営計 画を樹て、−進路を決定する要具となるものである。かくして記録、計算、観察、管理の機能が重要と成るのである。‘  このような会計思考並びに会計観は少くとも次のような基礎的理解に基付かなければならない。例えばリトルトン         が指摘しているように、 一つの知的領域が学問としての尊厳を主張するためには、三つの資格条件、つまり、第一に 学問としての家柄、第二に他の学問との交渉、そして第三に社会的役立ちである。との点について会計の特質に適応 させるならば、およそ会計の本質規定としての会計の科学性、会計の真実性、そして会計の有益性︵利用性︶が指摘さ        ⑪ れて来るであろう。  ①山下勝治稿、会計、﹁会計学辞典﹂神戸大学会計学研究室編、五ニー五三頁。  ②=琶08P︾O‘、.b∩8口暮ぎぴQ国く9彗6P8おOO㌦.おωも。も●。。①・。・片野一郎訳﹁リトルトン会計発達史﹂四九八一四九九頁。  ③︾︿①ヨ即O‘>68⊆算冒帥q器餌ピ帥渥轟ぴq①鴇鋭菊●お田噂薯●。。彫。i。。メ  ④アメリカ会計士協会は現在アメリカ公認会計士協会︵諺昌P①門圃6四ロ 一口ωけ凶θ¢8Φ O隔 ︵U①同酋一︷一〇α 勺=げ一一〇 跨OOO口昌け守口けの︶と成っている。そ   の報告書については佐藤孝一教授の論文に詳しい。︵同稿、企業会計の本質と職能、﹁会計の本質と職能﹂日本会計学会編、二九i三

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 一頁。︶ ⑤竃9。。冨ロ臥pU.口←..弓冨聞§鐙旨Φ舜9。δo︷︾。8目萬凝”、.HOαρ暑﹄1δ● ⑥℃鉾oP≦・㍗四巳=窪08昌・︸ρ、.︾昌ぼ窪。含aoコδOoぢ。冨溶諺。8§ニロαQω富&霞αρ、.H逡ρooレーHP申島省吾訳  ﹁会社会計基準序説﹂一一六及び一八−一九頁。 ⑦ζ畠魯・ρ鋭舞傷冨麟葺N”即囚・博.、閃琶96づ段︾80連比口σq”.、おαρ青木倫太郎稿、・会計の機能、﹁会計の本質と職能﹂日本会  計学会編、五六頁以下。 ⑧平井泰太郎稿、会計なるものの本質とその職能の把握、上掲書、四及び二〇一二二頁。 ⑨ 土岐政蔵著、 ﹁経営計算論﹂三−一四頁。 ⑩=壁露oP︾’ρ讐8・鼻己O・ω’片野一郎訳、上掲書、三頁。 ⑪﹀︿①q層出・O‘8・簿49●g。Q。1。。刈. 三  先ず第﹁の特性は、会計の科学性︵ωO陣①昌O① O﹁ ooO同①昌け一︷一〇 〇びP﹃笛Oけ=目①︶である。上述のように、複式簿記並びにその発 展としての会計は、[つの特殊なる技術として考え・られて来た。これは実際には一五世紀末のパチオリの簿記書登場       ① 以来のことであり、また世界的天才ゲーテ︵Ooo窪①︶の指摘した通り、複式簿記は人智の産んだ最も立派な発明の一        ② つである。またスペングラー︵Q∩OO鐸ぴq一①﹁︶によれば、複式簿記によって帳簿は全く主観的なものは除去されて、純粋に 客観化迷れたのである。やがて簿記をその母体とする会計は、体系的知識︵ω℃斡Φ目P鉾一N⑦庫 ぎP︵︶薯一⑦αぴQO︶の分野におい        ③ て、まさに社会科学の一つとして位置付けられるに至った。すなわち、スミス及びアシュバーンが指摘するように、 会計は技術︵・。邑であると同時に科学︵ω。6旨8︶である。会計は数学や物理学のように﹁厳正科学﹂ ︵。×9。9・。。帯昌。。︶ ではないが、 ﹁どうしても必要な科学﹂ ︵①惹。臼田m⊇o﹁号B雪αぎαqω臼①昌8︶である。     会計の本質と管理会計機能︵可児島︶       二五五

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       二五六        ④  この見解はすでにドイツのシュマーレンバッハに器いては、経営学全般に関して早くも明確にされている。すなわ ち、経営の技術論︵H︵β昌ω江Oゲ︻O︶と一言われるものとそ、まさに経営の科学︵ミ誇①ロω。冨εである。との点は余りにも 有名であり、多言を要しないところである。       ⑤  しからば、会計の科学性について反論はないか。例えば、ペイトン及びリトルトンは言う。 コ会計は、或る程度客 観的に決定された事実を取扱うものであるが故に、その観点については科学的なように見えるかも知れないが、しか し会計は決して科学的にはなれないしと。しかしこれについては、 ﹁総ての科学は仮定と仮説に充満している﹂とい        コ うアメリカ会計士協会企業利益研究会の最終報告書の中の一文を思い出さねばならない。 ﹁独り会計のみでなく、あ らゆる種類の手続は、仮定と仮説の骨組の上に基礎を払いている。科学的発展の歴史というものは、帰る時代におい ては有用であるが、時代が変れば有用でないととろの使い古した仮定と仮説の歴史.である。﹂  ところで会計についてこのことは、先ず会計の機能の限界を規定する第﹁の要素たる計算可能性、合計算性という 問題が提起される。つまり、計算し得る性格または対象如何の問題である。したがって貨幣数値を始めとして、物量 数値、技術計数、更には指数や比率にまで及ぶ。かくして経営活動のうち計算可能性、計算適応性の観点において把 握されるものが、会計思考の理念としての会計の科学性を規定することと成るであろう。 ,  これはすでに会計の諸仮定、会計公準として通説と成っているととろである。例えば。ヘイトン及びリトルトンによ   ⑦ れば、第一に継続企業︵ぴQ9凝−8ロ8﹃ど、第二に会計期間︵o巴。α︶、そして第三には貨幣計算︵価格総計︶︵只8。山膿ヨαq讐。︶ の仮定である。これらの基礎的会計前提によって、会計における計算可能性は著しく増大し、したがってその結果、 会計の科学性は大きく保証されることと成るのである。会計の論理、原理もすべてこのような理念に基付かなけれ ばならない。我が国の企業会計原則においても、先ず第﹁に正規の簿記の原則を指摘しているのもけだし当然であろ

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う。 ①・②諺︿①ヨ国.O‘︾。8§自轟謬9。いきαq口9。αqP︾●閑4HO葺P。。劇・ ③ωヨ淳戸ρ︾・8α﹀ωげ9ヨΦし.○‘oO’oぢ暑﹂lN・ ④ωoゴ量巴①昌σ四〇F国.︾∪δ喝﹁貯讐惹︻房窪臥邑㊥訂。餌δ国二酉酋δ訂ρNトげ笥.聞4官営αq’①←HO目りω.も。Oら︷いこの点については平井  泰太郎教授稿、シュマーレンバッハの技術論学説、︵﹁,シュマーレンバッハ研究﹂神戸大学会計学研究会編、 二五一一二七七頁。︶を  始めとして枚挙にいとまがない。 ⑤℃p。8ロ”≦・﹀.帥巳=巳簿oP鋭ρ8・o凶fP目O・申島省吾上掲訳書、ゴニ頁。 ⑥佐藤孝一稿、企業会計の本質と職能、﹁会計の本質と職能し日本会計学会編、三六−三七頁。 ⑦頃鉾。♪≦●♪﹄巳い一己簿。P︸P8﹄一∫OO.陣iNω・上掲訳書、三五−三八頁。        四  会計の第二の特性は会計の真実性︵6軍手冨ωωo同器p。鼻︽︶である。およそ企業経営は、有機体として経営活動の結果、 国民経済的剰余価値を創造して、いわゆる経済性を発揚し、そして国民経済に寄与すると共に、自らも存続発展する のである。ところが、国民経済的価値は本来抽象的概念であるから、とれに代えて価格を計算的対象にし、更に実際 に支払い、あるいは受取つた価格を基礎にして計算するのである。これは計算確実性、明瞭性の原則から来る規制で ある。すなわち、収入支出計算に基づく費用収益計算の行われる所以である。かくして会計の真実性は、会計の機能 の限界の第二要素たる価格評価性について吟味されなければならない訳である。  先ずペイトン及びリトルトンの説述から理解しよう。 ﹁一般に、交換取引を客観的に表わし、またそれを同質的に 表現するに用い得る明確な事実は、その交換に内包されたる価格総計のみである。それ故、かかる盗料すなわち価         格総計が会計の基本的な題材を構成するものである。⋮⋮﹂また換言して、 ﹁⋮⋮﹃測定された対価﹂ ︵ヨ魯ω程巴     会計の本質と管理会計機能︵可児島︶       二五七

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       二五八 8コω盈9巴呂︶と言至一=口葉は、会計の主題を構成する諸情報の型を表現する上において、 ﹃価値﹄ ︵︿目口①︶と言う言葉         ② よりも適当である。L更に﹁会計が﹃価値﹂を記録するという表現は誤解を起し易い。ある交換の対価または価格総 計は、その交換の瞬間における買手と売手相々間の評価を表わすもので、かかる価絡総計の記録は、このような限定        された意味において、またその瞬間について、価値の記録と見倣され得るのである。L価値は刻々変るけれども、記 録された価格総計は変ることはない。会計にとってはこの価格総計こそ様々な取引を同質的に表わすための最上の手 段である。  次に、期間計算の結果は全体利益の一部であると考えられ、したがって﹁企業の全存続期間の期間損益の和は、全        体利益に等しくなる﹂のである。すなわち、 いわゆるシュマーレンバッハのいう一致の原則から明確に理解されると ころである。つまり全存続期聞に亘っての各期閤の費用の合計は、全支出と一致し、また各期間の収益の合計は、全       、 収入と﹁致する訳である。  更にまた、会計はその時の経営の状況を可及的によく報告することで、すなわち収益能力が如何にあるかをよく知 らしめることである。この場合には﹁絶対的正確性よりもむしろ相対的正確性︵8巨ぞ。葱。算貫乙津︶の方が重要と成  ⑤ る。﹂つまり﹁計算の方法が恒常であって、異なれる年度の利益が比較され得るととが、各年度の利益が不正確に示        されるよりは重要である。﹂,  また会計は、本来経営活動の事実と共に存しなければならない。ととろが、多くの便宜主義のために、例えば棚卸 資産評価に懸ける最近の実務としての後入先出法︵=♂︶などは、時価や取替価格などと比較しても決して絶対的正確 性が保証される訳ではない。また固定資産評価における減価償却の例においても、例えば加速償却手続などは全く非        真実的と成る。更に貨幣価値の変動時における評価問題は、決して絶対的正確性を大きく保証するものではない。か

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くして会計の特性である真実性は、言うま.でもなく絶対的真実性ではなく、相対的真実性を指摘するのである。我が 国の企業会計原則にいうところのいわゆる真実性の原則も、勿論相対的真実性と理解しなければならない。管理会計 に誌ける比較思考はまさにこの理念に基づくものである。  ①唱鉾。斜≦●︾麟巳ζ巨90P︾b4090陣fO●8上掲訳書、一一頁。  ②・③.℃四ε戸≦.︾雪島=け二①εロ噂嘱rρ℃8の。澤もμP上掲訳書、一九頁。  ④士岐政蔵著、﹁経営計算論﹂一六一頁。  ⑤・⑥ωoび日巴Φロσ国oF国・こb矯ロ9・量ωoび。国際農、、℃H同♪綜rぢαも。随ω’①①●雪虫政蔵訳﹁十二版・動的貸借対照表論﹂六二頁。  ⑦︾︿①量国b‘︾08巨岱ロαq。。ω四い睾σqロ。ρぴQρ︾●幻‘H綜も。℃℃●。。㎝’ 五  会計の第三の特性は、会計の有益性、有用性または利用性︵¢ω①藩主のω9皿窪屠︶である。 一般に財は利用性という 本質を有する。そしてとの利用性と稀少性の函数として価値思考が生まれることは、すでに早くシュマ!レンバッハ       ① の指摘しているところである。このことは会計の機能についても妥当する。ナなわち、 スミス及びアシュバーンによ     れば、会計が技術として資格づけられるのは、まさにその技術が有益、有利なる結果を達成するための熟練手段たり 得る場合である。つまり、会計は経営の本質的な用具の一つであることには反論はない。  この点はすでに早くシュマーレンバッハにおいても、﹁会計なるものは、経営経済の、したがって一般に経済の諸           用具の∼つである、﹂として、会計の利用性が明確にされている。また会計は、人体に器ける感受機関として神経作        ④       ⑤ 用の機能が指摘されることもある。また.ヘイトン及びリトルトンによれば、会計は経営者、出資者語よび一般大衆に 対してそれぞれ有用性をもたなければならないのである。     会計の本質と管理会計機能︵可児島︶       二五九

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      二六〇         とのような見解はメイにおいて更に明確にされている。すなわち、 ﹁会計とは技術であるが、とれは全く実利主義       ⑦ ︵口口犀巴き︶と慣習︵8暑9江8︶に基づくものである﹂と。更にキヤノンにおいても明らかである。すなわち、会計 とは智的実践の﹁つであるが、これは実利本位のものである。会計は役に立つというととが実利をもたらすのであっ て、実利のない会計の部分は急速に棄てられるのである。とのようにして会計の有益性は、結局会計の本質を規定 し、また会計の機能をも決定づけるぽど有力な要素であるといわなければならない。  このような会計の有益性は、また会計の合理性︵誘器。冨σH。コ①ωω︶によって理解することもできる。勿論、とれは経 営の合理性、合目的、性、経営能率に指向する概念であり、 その実質内容として経営実体の思考によって裏付けられて         いなければならない。合理性、そして有益性の上に存しない会計は、アベリーの指摘するように、若し存在している としても、それは﹁器化けの技術﹂ ︵9雪ε日岱詳︶であり、またその会計制度は﹁死せる制度﹂ ︵号巴塁ω冨ヨω︶とし てのみ意義を有するに過ぎないであろう。  また会計の有益性は、計算可能性と矛盾する場合、例えば計算費用、計算経済性の見地から熟慮されぬばならな い。更に言葉としての会計は、より多くの有用性を多面的に発揮するためには、必ずしも静的・平面的にとどまる必 要はなく、むしろ動的︵身器日日。︶に、立体的に作用して、常に時代と共に成長し、各種の条・件変化に迅速適切に対応 していかねばならない。なぜならば、常に新しい健全な経営決意がその基盤とするものは、まさに言葉としての会計 であり、会計の有益性であるからである。  ととろで会計の有益性は、しばしば会計の他の性格、すなわち会計の科学性と会計の真実性とに矛盾することがあ る。つまり、会計の﹁般的限界としての計算可能性と価格評価性の問題とに関して、必ずしも同歩調を取らない場合         がある。例えば、アメリカ会計士協会の上述報告書に器いては、会計の仮定はその有用性によってのみ正当化される

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べきであると指摘されている。また、メイが、結局において会計は論理の産物ではなく、経験の所産であり、経験の         蒸溜︵象重扇ユ80h。巷①菖。昌8︶であると明らかにするように、会計原則もすべてその存在価値は、どこまでもその有 益性によって絶えず支配されるものであると言わなければならない。会計原則それ自体がその冒頭において述べる如 く、会計慣習の結果であり、 ﹁それが有用なるが故に承認されたり、あるいは承認され得るものであって、それは決 して論証.し得べき真実としてではない。それは常に果たして有用なりや否やを再検討しなければならないものであ         る。﹂  かくして、会計における有用性、有益性、利用性は最高度に評価される訳であるけれども、その反面、また会計に は、会計の機能限界の第三要素として、特に重要な要因としての計算目的性が深く老慮されなければならない。この ことは結局、会計は記録的事実と会計慣習と、そして個人的判断の三要素から綜合構成されたものであることを考え るとき、より一そう明瞭に理解されるのである。つまり、会計の有用性は、会計の機能の限界の一つとしての主観的 判断という要因によって、しばしば害され、とこに会計の機能の誤解が惹起される源泉がある。同時にまたここに、 会計の本質に関する幾多の幻想の温床が存することとなるのである。

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ωO巨B巴①コσ四〇F国こ ごU鴇コ9二日けOず①切=9◎ロN.、噂心﹀三一ごH㊤卜σρωQo・H−b⊃。 QD│含互O。﹀・帥昌山諺。。ゴσ‘﹁口①噂匂・Oこ099f燭■N。 oQ。ず旨9。δ口σ餌。劃国4ppO‘の.卜 上掲訳書、一頁。 土岐政蔵著﹁経営計算論﹂五頁。 頃讐。戸場・諺・餌ロαい陣け二20戸諺.O.”oO.9∫O・ピ上掲訳書、一頁Q 佐藤孝一、上掲論文、三〇頁。 {肯 リ倫太郎、上﹂掲払細交、五六頁。  会計の本質と管理会計機能︵可児島︶ 土岐政蔵訳、 ﹁動的貸借対照表論﹂ ︵七賢訳︶一i三頁。 二六一

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二六二 。@ @@ ︾︿①量”頃●Oこ099什4噂O’QQα一QQ①● 佐藤孝一、上掲論文、 佐藤孝一、上掲論文、 佐藤孝一、上掲論文、 三六頁。 一二 ワ一ごエハ頁。 三六頁。 占 tN  以上にみた如く、会計は技術であり、また会計は科学として知識体系の一つであり、あるいは、時として同時に技 術であると共に科学でもある。とのことは会計の.特質として、三つの要素、すなわち会計の科学性、真実性、有益性 として特記されるところである。そしてとれらの特質は、会計の機能の限界としてのそれぞれ計算可能性、価格評価 性、及び計算目的性によって因果関連的に理解することができるのである。  かくして、とれらの特質は結局、会計の本質、会計の機能をも決定づけることと成る。しかしながら、とれらの特 質のうち会計の有益性は、やがて会計の目的性を随伴しつつ、他の特質、 つまり会計の真実性と科学性に優越すると とと成るであろう。  近時、会計の機能は大別して、報告機能と管理機能の二つに類型されるととが通説であるが、それぞれの時代、そ れぞれの社会経済的情勢によって、この二つの機能には必ずしも均衡が保たれ得ない。また、この二つの機能類型を 明確に区分出来たとしても、何れの機能が優先するか、その優先の時と場所如何の問題は、必ずしも解決されたもの ではない。しかしながら、 ﹁会計は、結局におい,て、経営の本質的な用具の一つである﹂から、会計の目的性を通し て会計の有益性を吟味するととにより、会計の本質的な機能、したがって、会計の本質についてより明確に理解する 之とが出来るであろう。この見解は管理会計思考または管理会計機能の生成展嗣過程を老察する時、より﹁そう重要

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と成るであろう。例えば、アメリカにおける最近の管理会計論者であるヅァッタi︵<鋒。が≦・ごスミス及びアシュ パーン︵ω日詳覚O●︾.P。昌山︾ωゴσ母ロ①”90しアンソニー︵諺韓ずOロざ菊唖ズ・︶及びビヤ!マン ︵国臼旨餌P国・︶などにおいて  ① も、このような見解は、それぞれ管理会計論の基礎概念を構成しているものに他ならないのである。  会計は常に進化している。会計の研究は常に会計実務への指針たるべきである。言葉としての会計観はまさしく会 計の有益性に重要度をおく思考から成っている。特に言葉としての会計士は、企業経営会計として、企業経営への会 計の有益性を第︸使命とし、したがって、本来的に会計の.もつ管理的機能を重要視する見解にまさしく適合するもの と言わなければならないのである。  ①<旨旨が卑し‘..穿き餌碧ユ巴︾08琶霞目ゆQ噂..這㎝ρωヨ謬Fρ艶9。巳︾。。与自費。”旨ρ・、、誤貫目巨国a諺α日岡三馨円笛牙。   ︾80gロ目ヨぴq噂..お㎝㎝. 臣口写。ロざ即・Z4、帆]≦四p㊤ぴq⑦日。曇>oooロ酔言αq...同⑩㎝①.切6﹁ヨ笛P出己..︼≦四昌国帥q①二巴>ooo⊆簿ぎぴQ噛..HO紹・        ︵一九六〇・八・八︶ 会計の本暫ハと管一理会計機能︵可児島﹀ 二六三

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