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障害がある生徒の進路選択に関する研究 : 高等学校等進学時を中心に

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Academic year: 2021

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(1)障害がある生徒の進路選択に関する研究   一高等学校等進学時を中心に一 特別支援教育専攻. 障害科学コース. M11108J 三 井 由 香 第1章 問題の所在と目的.  また、公立中学校の特別支援学級担任として障害.  平成19年に特別支援教育がスタートし、学校教育. がある生徒の進路担当をした経験から、進学に関す. 法改正において高等学校についても小中学校と同様. る情報を取得することの難しさや高等学校等との連. に障害がある生徒への教育を行うことが明記された。. 携の重要性を実感した。. 発達障害を含む特別な支援を必要とする生徒が増加.  そこで本研究では、兵庫県内の障害がある生徒と. するなか、障害がある生徒の進路選択に変化がみら. その保護者、中学校、高等学校等の三者相互の関係. れるようになっている。平成23年の全国の中学校卒. を情報、連携、支援の3つの視点で分析し、現状と. 業者の高等学校等への進学率は98.2%であり、その. 課題を見出すことで、障害がある生徒への望ましい. うち、特別支援学校中学部卒業者の進学率は98.0%、. 進路選択、進路指導のあり方を提案することを目的. 中学校特別支援学級籍卒業者の進学率は93.7%で. として調査を行うことにした。. あった。特別支援学校高等部以外の高等学校等への. 第2章研究方法. 進学率は、それぞれ3%と26.4%であり、中学校を.  兵庫県内の発達障害を含む障害がある生徒の進路. 卒業した障害がある生徒の約4分の1が特別支援学. 選択や進路指導の実態を調査するために、①中学校、. 校以外の進学先を選択している。しかし文部科学省. ②障害がある生徒とその保護者、③高等学校等の三. の特別支援教育体制整備調査によると、小中学校に. 者を対象に高等学校等への進路に関する質問紙調査. 比べ高等学校の体制整備には遅れが見られる。内野. を実施した。調査は、進路選択や進路指導の実状や. (2009)は、今日の高等特別支援教育は、高校にお. 困難な点、特別支援教育体制など、「情報」、「連携」、. いて発達障害生徒を十分に把握できていない現状と. 「支援」に視点をおいた内容で行った(図1)。. 難しさがあるだけでなく、中学校から高校への接続、. その後のステージヘの移行支援においても未解決の 課題が山積している、と述べている。.  では、兵庫県ではどうであろうか。兵庫県内の中 学校卒業者の進学率も98.2%と過去最高にのぼり、. 全国のデータとほぼ同率であったが、中学校特別支.   図1 三者相互の関係についての研究のイメージ. 援学級籍の卒業者の特別支援学校以外の学校への進. 第3章 結果. 学率は14.6%であり、全国に比べ低い数字であった。. 1.調査1中学校. 兵庫県においては、特別支援学校以外の学校を選択.  A市公立中学校8校の教師のうち、特別支援教育. することは困難な状況にあることが想像できる。. コーディネーター、進路担当者、特別支援学級担任.

(2) 37名を対象に調査を行った。結果の分析については、. r職員の障害等の理解、啓発」と回答した学校が最. 特別支援学級籍と通常学級籍の生徒への進路指導の. も多かった。. 実態を比較して行い、通常学級に在籍する対象生徒. 第4章 考察. への進路指導の対応の遅れや高等学校等への中し送.  3つの調査から得られた結果を「情報」、「連携」、. りが十分におこなわれていないことが明らかになっ. r支援」の3つの視点で分析し、それぞれの現状と. た。さらに教師の役割別での分析も行い、立場によ. 課題を明らかにした。特別支援教育が始まる頃まで. って対象生徒への対応に微妙な違いが見受けられた。. は、障害がある生徒への進路に関する情報の不足、. 高等学校等の支援体制等の情報不足、進学先の選択. 保護者の教師への不信感、不十分な支援体制等より. 肢の少なさ、生徒自身の自己理解の不足などに進路. よい進路選択からはほど遠い関係性であったが、現. 指導における困難さを感じていていた。. 在はそれぞれが相互の連携の重要性に気づいている。. 2.調査2保護者・生徒  中学校特別支援学級または通常学級に在籍経験の. ある15歳から26歳までの生徒を対象に、その保護 者や本人に調査を依頼、22名から回答を得た。調査 結果については、回答数や進学先、生徒の障害種の 偏りがあり総合的に分析した。中学卒業後の進路に ついて小学校高学年時に具体的に相談を始めたとの 回答もあり、全体的に早期から準備を始めていた。. \    鮒   ノ          ノ. 進路の情報については、中学校だけでなく親の会な ど保護者間のネットワークの強さが感じられた。ま.   図2 進路選択時の望ましい三者相互の関係. た、中学校の進路指導に満足しているかの質問には.  次に、調査データや自由意見などを参考にして望. 半数以上が「どちらでもない」と回答しており、中. ましい相互の関係を示し(図2)、その実現に向けて. 学校からの情報が少ないために専門機関に相談する. の方法を中学校、高等学校等、保護者の三者それぞ. など情報の収集に努力する現状が明らかになった。. れに提案した。中学校には保護者との良好な関係づ. 3.調査3高等学校等. くりや障害理解と進路に関する情報収集など、高等.  兵庫県内の高等学校等281校に調査用紙を郵送し、. 学校等には対象生徒に関する伝達を早期に受けるシ. 144校から返送され、有効回答は140校であった。. ステム作りや情報の公開など、保護者には将来を見. 110校(78.6%)が何らかの障害がある生徒が在籍. 据えた進路選択など、さらに咽別の進路支援計画」. していると回答し、発達障害の診断を受けている生. の作成推進を自治体への提言として加えた。. 徒在籍枚数は59校であった。多くの学校が、入学前.  今後の課題として、学校間を相互に往き来しで情. に中学校や保護者から生徒の障害や支援についての. 報をやりとりできるなど三者相互が風通しの良い関. 伝達がほとんどなく支援の対応が遅れてしまうと訴. 係を築き、障害がある生徒が学びたい学校へ進学で. えていた。一方、校内の特別支援に関する情報を公. きるインクルーシブな社会の形成が重要である。. 開することには慎重な意見もあった。今後の高等学.            主任指導教員 河相 善雄. 校での特別支援教育において必要な取り組みとして.            指導教員河相善雄.

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