• 検索結果がありません。

5B-1102-ii 2. 研究開発目的琵琶湖のような水深の深い湖沼では 一旦沖帯の底層に沈降した植物プランクトンが有光層に回帰し 再増殖することは考えにくいため 植物プランクトン種の維持には水深の浅い沿岸帯が重要な役割を果たしている可能性が示唆される さらに 沿岸帯は生物生産や底質における有機物分

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "5B-1102-ii 2. 研究開発目的琵琶湖のような水深の深い湖沼では 一旦沖帯の底層に沈降した植物プランクトンが有光層に回帰し 再増殖することは考えにくいため 植物プランクトン種の維持には水深の浅い沿岸帯が重要な役割を果たしている可能性が示唆される さらに 沿岸帯は生物生産や底質における有機物分"

Copied!
124
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

研 究 実 施 期 間 平 成 23年 度 ~ 平 成 25年 度 累 計 予 算 額 41,543千 円 ( う ち 25年 度 13,641千 円 ) 予 算 額 は 、 間 接 経 費 を 含 む 。 本 研 究 の キ ー ワ ー ド 琵 琶 湖 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン 、 動 物 プ ラ ン ク ト ン 、 長 期 変 動 、 貧 酸 素 、 泥 質 化 、 シ ー ド バ ン ク 、 湖 底 勾 配 、 数 理 モ デ ル 、 シ ナ リ オ 計 算 研 究 体 制 ( 1 ) プ ラ ン ク ト ン 動 態 お よ び 水 質 解 析 ( 滋 賀 県 琵 琶 湖 環 境 科 学 研 究 セ ン タ ー ) ( 2 ) 琵 琶 湖 の 沿 岸 帯 の シ ー ド バ ン ク 機 能 評 価 ( 滋 賀 県 琵 琶 湖 環 境 科 学 研 究 セ ン タ ー ) ( 3 ) 浅 い 富 栄 養 化 池 沼 の 好 気 、 嫌 気 条 件 に お け る シ ー ド バ ン ク の ポ テ ン シ ャ ル の 把 握 ( 埼 玉 県 環 境 科 学 国 際 セ ン タ ー ) ( 4 ) 沖 帯 お よ び 沿 岸 帯 の 底 質 環 境 の 分 析 と 評 価 ( 東 レ テ ク ノ 株 式 会 社 ) ( 5 ) 水 塊 に 回 帰 し て き た プ ラ ン ク ト ン の 増 殖 、 生 産 と そ れ に 伴 う 水 質 影 響 評 価 ( 龍 谷 大 学 ) ( 6 ) 総 合 解 析 ( 滋 賀 県 琵 琶 湖 環 境 科 学 研 究 セ ン タ ー 、 龍 谷 大 学 ) 研 究 協 力 機 関 兵 庫 県 立 大 学 、 京 都 大 学 、 関 西 医 科 大 学 、 東 北 大 学 研 究 概 要 1 . は じ め に ( 研 究 背 景 等 ) 全 国 の 湖 沼 に お け る 環 境 基 準 の 達 成 率 が53% と 水 質 改 善 が 進 ん で い な い 原 因 に つ い て 、 琵 琶 湖 を 例 に 外 部 流 入 負 荷 よ り 内 部 負 荷 の 寄 与 率 が 遥 か に 大 き い こ と を 明 ら か に し て き た 。 本 研 究 で は 、 こ の 内 部 負 荷 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す と 考 え ら れ る 沿 岸 帯 の 機 能 を 評 価 す る た め の 研 究 で あ る ( 図 1 ) 。 さ ら に 、 湖 沼 の 底 層 に お い て 溶 存 酸 素 低 下 に よ り 水 生 生 物 の 生 息 不 可 と な る 状 況 も 認 め ら れ る こ と か ら 、 泥 質 化 の 程 度 と 微 生 物 の 生 息 可 能 なDO値 を 考 察 し 、今 後 の 湖 沼 水 質 保 全 や プ ラ ン ク ト ン 生 態 系 機 能 の 維 持 を 考 慮 し た 底 質 環 境 の あ り 方 や 適 切 な 底 質 環 境 を 創 造 す る 手 段 に つ い て の 提 言 を 行 う た め に 実 施 し た 。

図1.湖沼水質形成における沿岸帯の機能と影響因子の評価の位置付け

有機物(難分解性)の モニタリング(湖沼・河川) 光E 内部負荷調査 外部負荷調査 過去30年間以上の プランクトン調査 面源負荷 (森林、農業、市街地等) 生活排水 工業系排水 地下水 琵琶湖流域総合管理 モデルの改良 シミュレーションの実施 有機物特性を知るための分析 手法(同位体・蛍光・分画) 一次生産速度 長期変動の解析 細胞内含有物質量 食物連鎖 分解速度 生成物質 大量培養技術 生分解性試験による 原単位(ポテンシャル)調査 プランクトンの 生分解性試験 ・プランクトン動態および水質解析 ・沿岸帯のシードバンク機能評価(琵琶湖,他池沼) ・沿岸域の底質環境および汚濁負荷の評価 ・水塊に回帰してきたプランクトンの増殖と生産 ・総合解析 沿岸帯の機能と影響因子 シードバンク 溶出栄養塩 回帰プランクトン 今回の申請

(2)

割 を 果 た し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ る 。 さ ら に 、 沿 岸 帯 は 生 物 生 産 や 底 質 に お け る 有 機 物 分 解 も 活 発 で あ る こ と か ら 、 沖 帯 へ の 有 機 物 やN、P の 供 給 源 と し て も 重 要 で あ る 。 本 研 究 で は 、 沖 帯 へ の 植 物 プ ラ ン ク ト ン 種 の 供 給 源 と し て の 沿 岸 帯 の 評 価 を 行 う こ と を 目 的 と す る(図 2 )。ま た 、底 質 環 境 が 湖 沼 水 質 お よ び 付 着 藻 類 や プ ラ ン ク ト ン 群 集 構 造 に 与 え る 影 響 に つ い て 下 記 の 5 つ の サ ブ テ ー マ に 分 け 研 究 を 推 進 し 、 湖 岸 の 底 質 環 境 が 湖 沼 水 質 お よ び 付 着 藻 類 や プ ラ ン ク ト ン 群 集 維 持 に お け る 役 割 を 評 価 す る 。さ ら に 、平 成25年 度 に は 、龍 谷 大 学 と 共 同 し 、底質環境が湖 沼 の 水 質 や 藻 類 お よ び プ ラ ン ク ト ン 群 集 構 造 に 与 え る 影 響 を 明 ら か に し 、 そ の 影 響 因 子 の 評 価 を 行 う 。 こ の 評 価 結 果 を ふ ま え 、 今 後 の 湖 沼 水 質 保 全 や プ ラ ン ク ト ン 生 態 系 機 能 の 維 持 を 考 慮 し た 底 質 環 境 の あ り 方 や 適 切 な 底 質 環 境 を 創 造 す る 手 段 に つ い て の 提 言 を 行 う こ と を 目 的 と し た 。 3 . 研 究 開 発 の 方 法 ( 1 ) プ ラ ン ク ト ン 動 態 お よ び 水 質 解 析 に 関 す る 研 究 本 サ ブ テ ー マ で は 「 1 ) 沿 岸 帯 と 沖 帯 に お け る 植 物 プ ラ ン ク ト ン 総 細 胞 容 積 、 総 細 胞 炭 素 量 、 粘 質 鞘 の 長 期 変 動 解 析 、 2 ) 沿 岸 帯 と 沖 帯 に お け る 植 物 プ ラ ン ク ト ン 総 炭 素 量 と 水 質 項 目 と の 相 関 解 析 、 3 ) 植 物 プ ラ ン ク ト ン 種 類 数 の 変 化 や 長 期 的 な 変 動 解 析 、 4 ) 動 物 プ ラ ン ク ト ン 種 組 成 変 化 や 長 期 的 な 変 動 解 析 、 5 ) 動 物 プ ラ ン ク ト ン と 植 物 プ ラ ン ク ト ン と の 関 係 解 析 、 6 ) 底 泥 を 用 い た 動 物 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 回 帰 実 験 、 7 ) 動 物 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン を 用 い た 室 内 的 な 検 証 実 験 」 に つ い て 検 討 し た 。 1 ) で は 、 琵 琶 湖5地 点 に お い て 植 物 プ ラ ン ク ト ン データを 用 い 、 調 査 期 間 は 1979年 ~ 2010年 ま で の 30年 間 、調 査 回 数 は 毎 月 基 本 的 に 2回 実 施 し た 。植 物 プ ラ ン ク ト ン の 計 数 は 、種 毎 の 細 胞 数 と 平 均 細 胞 容 積 を 算 出 し 、各 種 の 総 細 胞 容 積Vを 求 め た 。次 に 細 胞 容 積 か ら 細 胞 内 炭 素 量 を 換 算 式 に よ っ て 、細 胞 容 積 か ら 炭 素 量 へ の 換 算 を 実 施 し た 。さ ら に 、植 物 プ ラ ン ク ト ン が 産 生 す る 粘 質 鞘 の 総 体 積 量 は 墨 汁(5 倍 液)染 色 後 に 算 出 し た 。 2 )で は 、沖 帯 や 沿 岸 帯 の 各 水 質 項 目 と 植 物 プ ラ ン ク ト ン と の 関 係 を 評 価 す る た め に1980年 代 、1990 年 代 、2000年 代 の 三 期 に 分 け 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン 総 炭 素 量 と 有 機 態 リ ン 、 有 機 体 窒 素 、 S S 、 Chl-a 量 と の 相 関 解 析 を 実 施 し た 。

図2.湖沼水質形成における沿岸帯の機能とその影響因子の評価の概要

光E 沖帯 固有種・外来種 希少種・増加種 プランクトン動態および 水質解析 (サブテーマ1) 沿岸帯のシードバンク機能評価 (サブテーマ2)中栄養~貧栄養 沿岸域の底質環境および 汚濁負荷の評価(サブテーマ4) 30年前のデータ 水塊に回帰してきた プランクトンの増殖, 生産とそれに伴う 水質影響評価 (サブテーマ5) プランクトン 群集 SEED BANK プラクトン組成の長期変遷の原因は? 泥質化 DO低下? 流れの 変化? 沖帯へ影響 沖帯影響の変化? 泥質化を招きや すい人工護岸? 自然護岸 プランクトン、 栄養塩の回帰 増殖 溶出・回帰特 性の変化? 沿岸帯 護岸形態の改変 自然護岸 人工護岸 室内実験 30年間のプランクトン データの推移を沖帯と 湖岸帯で比較解析。 総合解析 湖沼水質形成やプランクト ン群集維持における沿岸帯の役割の (定性,定量)評価 (サブテーマ6) 沿岸帯のシードバンク機能評価 (サブテーマ3) 富栄養

(3)

と し て 今 津 沖 中 央 の2地 点 、 1980年 ~ 2008年 ま で の 28年 間 1~ 2回 /月 の 頻 度 で 調 査 を 行 っ た 。 5 ) で は 、 動 物 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン の1995年 と 2000年 の 計 数 生 デ ー タ を 抽 出 し 、 動 物 プ ラ ン ク ト ン と 植 物 プ ラ ン ク ト ン と の 関 係 解 析 を 実 施 し た 。 動 物 プ ラ ン ク ト ン 調 査 は 原 生 動 物 、 ワ ム シ 、 甲 殻 類 の 各 種 類 と 個 体 数 を 計 数 し 、 各 動 物 プ ラ ン ク ト ン の 平 均 個 体 体 積 と 総 炭 素 量 を 算 出 し た 。 そ の 後 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン と 動 物 プ ラ ン ク ト ン と の 関 係 や 沿 岸 帯 と 沖 帯 の 関 係 に つ い て の 評 価 を 行 っ た 。 6 ) で は 、 人 工 的 な 湖 岸 帯 の 底 泥 と 自 然 的 な 湖 岸 帯 の 底 泥 を 比 較 す る た め 、 動 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 回 帰 実 験 を 実 施 し た 。 実 験 に 用 い た 底 泥 は 、 愛 知 川 沖 、 長 命 寺 沖 、 長 浜 沖 の3地 点 か ら エクマンバージ採 泥 器 で 採 泥 し 、前 処 理 と し て 暗 条 件4℃ で 1ヶ 月 間 保 存 し た 底 泥 を 用 い た 。底 泥 の 分 析 は 、全 有 機 炭 素 、 全 炭 素 、 全 窒 素 、 全 リ ン 、 化 学 的 酸 素 要 求 量 、 強 熱 減 量 、 酸 化 還 元 電 位 、 水 分 率 、 固 形 分 率 、Chl-a、 全 鉄 、 全 マンガン、 粒 度 分 布 、 金 属 元 素 の 各 項 目 の 分 析 を 実 施 し た 。 回 帰 実 験 期 間 は2013年 6月 28日 ~ 8 月27日 ま で の 約 60日 間 、 培 養 条 件 は 温 度 20℃ 、 18時 間 明 条 件 /6時 間 暗 条 件 、 静 置 培 養 、 各 漕 の サンプリン グは 1 週 間 毎 に10回 実 施 し 回 帰 し て く る 動 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 同 定 お よ び 計 数 を 実 施 し た 。 7 ) で は 、 動 物 プ ラ ン ク ト ン の 餌 資 源 と し て ど の よ う な 植 物 プ ラ ン ク ト ン が 良 好 か 否 か に つ い て 実 験 を 遊 泳 阻 害 試 験 法 や 繁 殖 阻 害 試 験 法 に 準 じ 検 証 的 に 実 施 し た 。 餌 と な る 植 物 プ ラ ン ク ト ン は 琵 琶 湖 か ら 純 粋 分 離 し た 藍 藻(5種 類 )、緑 藻 (7種 類 )、珪 藻 (2種 類 )の 計 14種 類 を 用 い 、実 験 期 間 は 、2013年 8月 28日 ~ 9月 11日 ま で の 15日 間 、動 物 プ ラ ン ク ト ン は ミジンコを 用 い た 。 実 験 に は 生 後 24時 間 以 内 の 子 供 を 使 用 し た 。測 定 は 毎 日 行 い 、 ミジンコの 成 長 や 生 存 数 、 産 仔 数 、 親 の 死 亡 数 、 親 の 遊 泳 阻 害 数 等 を 計 測 し た 。 ( 2 ) 「 琵 琶 湖 の 沿 岸 帯 の シ ー ド バ ン ク 機 能 評 価 」 1 ) 回 帰 試 験 方 法 滅 菌 を 行 っ た メジューム瓶 に 底 泥 を50g入 れ 、孔 径 0.45μmの メンブレンフィルターで ろ 過 を 行 っ た 、採 泥 地 点 の 直 上 水 を250mL添 加 し 、 こ の 直 上 水 を 48時 間 毎 に 採 取 し 分 析 等 を 行 っ た 。 直 上 水 の 採 取 後 は 、 新 た に ろ 過 済 み の 直 上 水250mL添 加 し 、48時 間 後 に 採 取 す る 、こ の 作 業 を 8回 繰 り 返 し た 。回 帰 試 験 の 条 件 は 好 気 撹 拌 、 好 気 静 置 、 嫌 気 静 置 と し た 。 な お 、 好 気 撹 拌 は 自 然 的 湖 岸 の 底 層 部 が 撹 拌 に よ り 好 気 的 な 条 件 で あ り 、 嫌 気 静 置 は 、 人 工 的 湖 岸 の 底 層 部 で ほ と ん ど 流 れ が な い た め 嫌 気 的 な 条 件 に な る こ と か ら こ の2条 件 で 実 施 し た 。好 気 静 置 は 嫌 気 静 置 の 対 照 と し て 一 部 実 施 し た 。ま た 、回 帰 試 験 の 条 件 は 20±1℃ 、 12h:12hの 明 暗 周 期 で 光 強 度 は 60µmolm-2s-1と し た 。 2 )2年 間 の 嫌 気 暴 露 底 質 に よ る シ ー ド バ ン ク 機 能 劣 化 評 価 底 泥 を 、2Lの 密 栓 付 ポ リ 瓶 に 入 れ 、 各 調 査 地 点 の 直 上 水 で 水 封 し た 。 こ の 時 の 底 泥 直 上 の DOは 0.1~ 0.2mg/Lで あ っ た た め 、こ れ を 嫌 気 保 存 と し た 。好 気 保 存 は 、底 泥 を ビ ー カ ー に 入 れ 、底 泥 直 上 水 に 常 時 エアレーション(70mL/min)を 行 う こ と で 好 気 的 状 況 を 保 っ た 。こ の 両 者 を 2年 間 保 存 し 、嫌 気 暴 露 に よ る シ ー ド バ ン ク 機 能 の 違 い に つ い て 評 価 を 行 っ た 。 ま た 、 採 取 時 と2年 間 保 存 と の 評 価 に 加 え 経 時 的 に 、 6ヶ 月 、 1年 、 1年 6ヶ 月 、 2年 保 存 の 回 帰 試 験 を 実 施 し た 。 3 ) シ ー ド バ ン ク 機 能 維 持 必 須DO量 の 定 量 的 評 価 底 泥 を 、2Lの ポ リ 瓶 に 入 れ 、各 調 査 地 点 の 直 上 水 で 水 封 し た 。こ れ を 好 気 条 件 (DO:10.6mg/L) と し た 。 微 好 気 保 存 ①(DO:7.7mg/L)は 、嫌 気 ジ ャ ー に 入 れ 酸 素 吸 収 剤 を 1個 入 れ た 。微 好 気 保 存 ② (DO:4.6mg/L) は 、同 様 に 酸 素 吸 収 剤 を2個 入 れ た 。嫌 気 保 存 (DO:0.7mg/L)は 、ク リ ー ン ボ ッ ク ス に 窒 素 ガ ス を 充 填 し 、 酸 素 が お よ そ1% 以 下 に な っ た こ と を 確 認 し て 、 嫌 気 ジ ャ ー に 試 料 を 入 れ 酸 素 吸 収 剤 を 3個 入 れ た 。 こ の4条 件 に つ い て 、全 て 4℃ 、暗 所 で 保 存 し 、経 時 的 に 6ヶ 月 、1年 、1年 6ヶ 月 保 存 の 回 帰 試 験 を 行 っ た 。 ( 3 ) 浅 い 富 栄 養 化 池 沼 の 好 気 、 嫌 気 条 件 に お け る シ ー ド バ ン ク の ポ テ ン シ ャ ル の 把 握 本 サ ブ テ ー マ で は「1)浅 い 富 栄 養 池 沼 山 ノ 神 沼 の 底 層 環 境 モ ニ タ リ ン グ 」、「 2)藻 類 回 帰 実 験 及 び 酸 素 条 件 が 底 質 の 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 に 及 ぼ す 影 響 」 に つ い て 検 討 し た 。 1 ) で は 、 山 ノ 神 沼 に お け る 現 場 底 層 の 連 続 モ ニ タ リ ン グ 調 査 は 、 デ ー タ の 連 続 記 録 が 可 能 な 多 項 目 水 質 計 を 用 い て 行 っ た 。調 査 は 夏 季 は 平 成23年 8月 、冬 季 は 11月 に 行 っ た 。MS5セ ン サ ー 部 が 底 質 面 直 上10cmに 位 置 す る よ う に 固 定 設 置 し て 、底 層 DOの 日 周 及 び 季 節 変 動 を 把 握 し た 。気 象 情 報 は 山 ノ 神 沼 に 最 も 近 い 距 離 に 位 置 す る 気 象 庁 測 定 所 の 観 測 デ ー タ か ら 、 日 照 時 間 は 熊 谷 地 方 気 象 台 測 定 局 、 降 水 量 及 び 風 速 は 久 喜 地 域 気 象 観 測 所 を 利 用 し た 。 2 ) で は 、2個 の 1Lトールビーカーに 底 質 を 80ml( 湿 重 量 約 90g) 加 え 、 孔 径 0.45µmの 膜 で ろ 過 し た 湖 沼

(4)

て 連 続 記 録 し た 。 本 方 法 は 藻 類 活 性 を 炭 酸 同 化 作 用 ( 光 合 成 ) を 原 理 と し て 、DO及 び 水 素 イ オ ン 濃 度 (pH) で 評 価 す る 。 実 験 に は 初 夏 に 採 取 し た 山 ノ 神 沼 底 質 ( 表 層 1cm) を よ く 混 ぜ た 後 、 貧 酸 素 条 件 容 器 に 密 閉 し 、微 好 気 条 件(DO2~ 3mg/L)及 び 好 気 条 件( DO>6mg/L)は 窒 素 ガ ス も し く は 空 気 に よ り 調 節 し 、室 温 遮 光 状 態 で100日 保 存 し た も の を 用 い た 。ビ ー カ ー 内 に 回 帰 し た 藻 類 は 生 物 顕 微 鏡 に よ り 観 察 し た 。 ( 4 ) 沖 帯 お よ び 沿 岸 帯 の 底 質 環 境 の 分 析 と 評 価 1 ) 水 質 、 底 質 調 査 方 法 調 査 地 点 の 水 質 と 底 質 の 状 況 を 知 る た め に 、琵 琶 湖 お よ び 山 ノ 神 沼 に お い て 、2011年 10月 ~ 2013年 11月 の 間 、 1 ヶ 月 間 隔 ま た は 季 節 毎 の 頻 度 で 、 水 質 お よ び 底 質 の 調 査 を 行 っ た 。 調 査 項 目 は 、 水 質 で は 、 pH、 電 気 伝 導 度 、 酸 化 還 元 電 位 、 色 度 、 濁 度 、 TOC、 COD、 窒 素 、 リ ン 、 浮 遊 物 質 、 クロロフィル、 溶 存 酸 素 と し 、 底 質 で は 、 全 炭 素 、 有 機 炭 素 、COD、 窒 素 、 リ ン 、 クロロフィル、 金 属 元 素 、 強 熱 減 量 、 酸 化 還 元 電 位 、 粒 度 分 布 、 水 分 率 と し た 。 2 ) 底 質 直 上 、 直 下 の 溶 存 酸 素 濃 度 測 定 底 質 の 表 面 付 近 の 溶 存 酸 素 の 分 布 状 況 を 把 握 す る た め に 、2012年 9月 お よ び 2013年 11月 に 琵 琶 湖 長 浜 沖 、愛 知 川 沖 、長 命 寺 沖 で コ ア サ ン プ ル を 採 取 し 、溶 存 酸 素 マ イ ク ロ セ ン サ ー( 先 端 の サ イ ズ10μm お よ び500μm) を 用 い て 、 底 泥 表 面 +20 mm~ 底 泥 中 15 mmを 1mmピ ッ チ で 測 定 し た ( 参 照 : 詳 細 、 図(4)-2) 。 3 ) 底 質 の 酸 化 還 元 状 況 の 測 定 底 質 の 酸 化 還 元 状 態 と 元 素 の 存 在 状 態 と の 関 係 を 短 時 間 で 知 る た め に 、底 質 環 境 の 硫 黄(S)の X 線 吸 収 端 近 傍 構 造(XANES)測 定 を 行 っ た 。測 定 は 立 命 館 大 学 SRセ ン タ ー BL-10軟 X線 XAFSビ ー ム ラ イ ン を 用 い て 行 っ た 。試 料 は 、2011年 11月 、2012年 9月 、2013年 7月 に 琵 琶 湖 沿 岸 帯 か ら 採 取 し 、硫 黄 の 存 在 状 態 の 概 要 把 握 、 底 質 を 洗 浄 し て 鉱 物 の み に し た 状 態 で の 測 定 、 底 質 を 採 取 後 に 完 全 に 大 気 に 触 れ な い 状 態 で 保 持 し た 場 合 で の 測 定 を 行 っ た 。 ま た 、 遠 心 分 離 法 に よ り 間 隙 水 を 採 取 し 、 溶 存 有 機 物 、 形 態 別 無 機 窒 素(ア ン モ ニ ア 態 窒 素 、 亜 硝 酸 態 窒 素 、 硝 酸 態 窒 素 )、 電 気 伝 導 率 、 p H を 測 定 し た 。 4 ) ド ッ プ ラ ー 流 速 プ ロ フ ァ イ ラ ー(A D C P )に よ る 流 向 流 速 の 現 地 測 定 底 質 が 泥 質 化 し て い る 長 命 寺 沖 と 、底 質 が 泥 質 化 し て い な い 愛 知 川 沖 に お い て 、ドップラー流 速 プロファイ ラーワークホースADCP1200kHzを 使 用 し て 流 況 観 測 を 実 施 し た 。設 置 方 法 は 、ADCPを 専 用 の 架 台 に 装 着 し た う え で 、 底 面 に ヘ ド ロ へ の 沈 み 込 み 防 止 用 の ベ ニ ヤ 板 (0.9m×0.9mの コ ン パ ネ ) を 取 り 付 け て 、 湖 底 に 長 さ0.8mの SUS製 の 杭 で 固 定 し た ( 参 照 : 詳 細 、 図 (4)-4) 。 設 置 期 間 は 2012年 9月 13日 ~ 9月 20日 の8日 間 と し た 。 ( 5 ) 水 塊 に 回 帰 し て き た プ ラ ン ク ト ン の 増 殖 、 生 産 と そ れ に 伴 う 水 質 影 響 評 価 本 サ ブ テ ー マ で は「1)水 温 、N/P比 が 植 物 プ ラ ン ク ト ン 細 胞 サ イ ズ や 粘 質 鞘 サ イ ズ に 及 ぼ す 影 響 の 評 価 」「2)一 次 生 産 有 機 物 の 微 生 物 分 解 に お け る 微 小 原 生 動 物 の 役 割 の 評 価 」「 3)濁 度 が 植 物 プ ラ ン ク ト ン 群 集 変 化 に 与 え る 影 響 の 評 価 」「4)植 物 プ ラ ン ク ト ン の 増 殖 特 性 の 評 価 及 び そ の 挙 動 解 析 」に つ い て 検 討 し た 。 1 ) で は 、 供 試 藻 類 と し て 粘 質 鞘 を 有 す る 大 型 緑 藻Staurastrum arctiscon単 藻 株 を 用 い 、M11培 地 ( 萩 原 、1984) の ク エ ン 酸 鉄 濃 度 を 1/10と し た M11改 変 培 地 で 三 角 フ ラ ス コ を 用 い た 静 置 培 養 を 行 っ た 。こ の 際 、N、 P濃 度 を 調 整 し 、N/P比 を 5〜 100( 重 量 比 )に 変 化 さ せ た 。培 養 の 間 、細 胞 容 積 や 粘 質 鞘 容 積 を 計 測 し 、 温 度 やN、 P濃 度 、 N/P比 等 が 細 胞 容 積 や 粘 質 鞘 容 積 に 及 ぼ す 影 響 を 評 価 し た 。 2 )で は 、植 物 プ ラ ン ク ト ン と し て 大 型 緑 藻 のStaurastrum dorsidentiferum、バ ク テ リ ア 食 の 動 物 プ ラ ン ク ト ン と し て 繊 毛 虫 綱Paramecium caudatum、 バ ク テ リ ア 源 と し て 琵 琶 湖 水 ろ 過 水 を 用 い た 。 滅 菌 し た ガ ラ ス 製 ス ク リ ュ ー 瓶 にS. dorsidentiferum、 P. caudatumお よ び ろ 過 湖 水 を 添 加 し 、20℃ 、 暗 条 件 で30日 間 静 置 培 養 を 行 っ て 分 解 挙 動 を 追 跡 し た 。 3 ) で は 沈 降 性 植 物 プ ラ ン ク ト ン と し てS. dorsidentiferum、 浮 上 性 植 物 プ ラ ン ク ト ン と し て 藍 藻 Microcystis wesenbergiiを 用 い 、墨 液 を 濁 度100度 相 当 と な る よ う に 培 養 液 に 添 加 し 、培 養 実 験 を 実 施 し た 。 単 独 培 養 と 二 者 混 合 培 養 を 実 施 し 、 濁 度 の 有 無 と 併 せ て 各 々 の 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 増 殖 速 度 に 及 ぼ す 共 存 影 響 お よ び 濁 度 影 響 を 評 価 し た 。 4 ) の 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 挙 動 解 析 で は 、 琵 琶 湖 よ り 単 離 し た 主 要 な 植 物 プ ラ ン ク ト ン ( 緑 藻

(5)

琵 琶 湖 優 占 種 で あ るS. dorsidentiferumに 着 目 し 、 琵 琶 湖 に お け る 個 体 数 の 変 動 要 因 を 解 析 し た 。 ( 6 ) 総 合 解 析 琵 琶 湖 北 湖3地 点( 長 命 寺 沖 、愛 知 川 沖 、長 浜 沖 )お よ び 南 湖 3地 点( 帰 帆 島 、琵 琶 湖 大 橋 、柳 が 崎 ) に お い て 底 泥 を 採 泥 し 、 底 泥 酸 素 消 費 速 度 を 計 測 す る と と も に 、 底 泥 分 析 、 水 質 分 析 を 実 施 し 、 底 泥 酸 素 消 費 速 度 影 響 因 子 解 析 を 行 っ た 。 加 え て 、 琵 琶 湖 沿 岸 域 底 質 調 査 デ ー タ を 解 析 し 、 琵 琶 湖 沿 岸 帯 の 泥 質 化 影 響 因 子 を 抽 出 し た 。 琵 琶 湖 の 沿 岸 帯 に お け る 植 物 プ ラ ン ク ト ン 種 ご と の シ ー ド 量 お よ び 現 存 量 を 再 現 ・ 予 測 す る こ と を 目 的 と し て 、 水 柱 単 位 で の 評 価 が 可 能 な モ デ ル ( シ ス テ ム ダ イ ナ ミ ッ ク ス モ デ ル ) を 構 築 し た 。 構 築 さ れ た モ デ ル を 用 い て 、 シ ー ド の 保 存 性 や 回 帰 性 、 プ ラ ン ク ト ン の 増 殖 特 性 等 が 植 物 プ ラ ン ク ト ン 種 ご と の 現 存 量 に 与 え る 影 響 に つ い て 解 析 を 行 い 、 観 測 値 と の 比 較 を 行 っ た 。 ま た 人 工 的 湖 岸 を 自 然 的 湖 岸 に 変 更 し た 場 合 の 仮 想 的 な シ ナ リ オ 計 算 を 行 っ た 。 4 . 結 果 及 び 考 察 ( 1 ) プ ラ ン ク ト ン 動 態 お よ び 水 質 解 析 に 関 す る 研 究 1 ) 琵 琶 湖 の 沖 帯 と 沿 岸 帯 の 長 期 的 な 現 存 量 の 変 化 は 増 減 を 繰 り 返 し な が ら も 徐 々 に 減 少 し て い る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 し か し 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 中 で も 藍 藻 に 属 し 粘 質 鞘 と 呼 ば れ る 無 色 ・ 透 明 の 有 機 物 を 多 く 産 生 す る 種 は 近 年 増 加 傾 向 を 示 し 、 地 点 別 の 傾 向 を み る と 水 深 の 浅 い 南 湖 や 沿 岸 帯 の 地 点 で 顕 著 で あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 2 )プ ラ ン ク ト ン 総 炭 素 量 と 水 質 項 目 と の 相 関 解 析 の 結 果 、プ ラ ン ク ト ン 総 炭 素 量 とChl-a量 と の 相 関 が0.35~ 0.86と 最 も 高 か っ た 。特 に 年 代 別 に み る と 、1980年 代 で は 0.86と 最 も 高 い の に 対 し て 、1990 年 代 は0.56、2000年 代 に は 0.52と 徐 々 に 減 少 傾 向 が 認 め ら れ た 。こ の こ と は 、過 去 に 比 べ Chl-a量 の み で は 評 価 で き な い 有 機 物 が 増 加 し て き て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。 3 ) 植 物 プ ラ ン ク ト ン 種 類 数 の 変 化 で は 、 各 地 点 と も に1990年 以 降 、 急 速 に 減 少 し て い る こ と が 認 め ら れ 、 特 に 、 沿 岸 帯 の 定 点 で の 減 少 が 顕 著 で あ っ た 。 4 ) 動 物 プ ラ ン ク ト ン 炭 素 量 の 経 年 変 化 を み る と 、2000年 以 降 減 少 傾 向 が 認 め ら れ 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン と 同 様 に 動 物 プ ラ ン ク ト ン 量 も 近 年 減 少 傾 向 に あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 5 ) 動 物 プ ラ ン ク ト ン と 植 物 プ ラ ン ク ト ン と の 関 係 解 析 で は 、 沿 岸 帯 は 沖 帯 に 比 べ 植 物 プ ラ ン ク ト ン 量 は 大 き な 差 は 認 め ら れ な か っ た も の の 、 原 生 動 物 や ワ ム シ 類 が 明 ら か に 多 く 分 布 し て お り 、 こ れ ら の 種 類 が 捕 食 す る 植 物 プ ラ ン ク ト ン 量 を 考 慮 す る と 沿 岸 帯 の 内 部 生 産 が 沖 帯 に 比 べ 大 き い と 考 え ら れ た 。 さ ら に 、 こ れ ら の 動 物 プ ラ ン ク ト ン が 多 い 時 期 に は 、 こ れ ら の 種 類 が 食 べ 残 し た 群 体 性 の 藍 藻 な ど の 植 物 プ ラ ン ク ト ン 種 が 内 部 生 産 量 と し て 評 価 さ れ て い る 可 能 性 も 示 唆 さ れ た 。 6 ) 底 泥 を 用 い た 動 物 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 回 帰 実 験 で は 、 人 工 的 な 湖 岸 帯 の 底 泥 は 泥 質 化 が 進 行 し て お り 、 群 体 性 藍 藻 の 発 生 や 根 足 虫 な ど の 腐 食 性 を 好 む よ う な 種 類 が 発 生 し や す い こ と が 明 ら か と な っ た 。 7 ) 動 物 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン を 用 い た 室 内 的 な 検 証 実 験 結 果 か ら 、 粘 質 鞘 を 有 す る よ う な 微 細 な 藍 藻 は 、ミジンコな ど の 動 物 プ ラ ン ク ト ン の 餌 と し て は 不 適 で あ る こ と が 明 ら か と な り 、緑 藻 や 珪 藻 に 属 す る 種 類 が ミジンコの 餌 と し て 優 れ て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。今 後 、琵 琶 湖 の 水 産 魚 貝 類 の 復 活 に 向 か い 、ミジンコの 餌 資 源 と し て 阻 害 と な る 藍 藻 類 の 増 加 を 抑 制 す る た め の 対 策 や 、珪 藻 や 大 型 緑 藻 が 増 殖 し や す い 湖 岸 帯 の 環 境 整 備 が 重 要 で あ る こ と が 本 実 験 結 果 か ら 明 ら か に な っ た 。 ( 2 ) 「 琵 琶 湖 の 沿 岸 帯 の シ ー ド バ ン ク 機 能 評 価 」 1 )人 工 的 湖 岸(長 浜 沖 )と 自 然 的 湖 岸 (愛 知 川 沖 )の 水 質 調 査 結 果 か ら 、藍 藻 が 優 先 種 と し て 確 認 さ れ る こ と は な く 、 珪 藻 が 優 先 し て お り 、 人 工 的 湖 岸 と 自 然 的 湖 岸 で はTOC等 の 水 質 も 大 き な 違 い は 確 認 で き な か っ た 。 2 ) 底 泥 の 成 分 を 見 る と 底 質 で み る とTOC、 TC、 TN、 は 約 10倍 程 度 長 浜 沖 で 高 く 、 CODや T-Pは 約 20倍 も の 高 い 値 を 示 し て お り 、 長 浜 沖 で は ORPも 年 間 を 通 じ て マ イ ナ ス の 値 を 示 し て お り 底 泥 は 嫌 気 的 な 状 態 に あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。ま た 、水 分 率 も 長 浜 沖 は 愛 知 川 沖 の2倍 程 度 の 値 と な っ て い た 。愛 知 川 沖 底 質 の 粒 径 分 布 を み る と 、 細 砂 成 分 が 最 も 多 く 全 体 の90% 以 上 を 占 め て い た 。 一 方 、 長 浜 沖 の 底 質 は 、 細 砂 成 分 が 全 体 の43% で 、 細 か い シ ル ト 分 も 47% を 占 め て い た 。 こ の よ う に 、 底 質 は 自 然 的

(6)

っ た 。ま た 、2年 間 の 嫌 気 暴 露 底 質 に よ る シ ー ド バ ン ク 機 能 劣 化 評 価 に よ り 、好 気 保 存 と 嫌 気 保 存 を 行 い 、6ヶ 月 、1年 、1年 6ヶ 月 、2年 保 存 を 行 い 保 存 さ れ る 藻 類 シ ー ド 量 の 変 化 を 見 る と 、愛 知 川 沖 と 長 浜 沖 と も に 藍 藻 が 最 も 多 く 観 察 さ れ た 。こ の 藍 藻 の 保 存 状 況 を み る と 、好 気 保 存 で は6か 月 後 に 半 減 す る の に 対 し て 、嫌 気 保 存 で は 、愛 知 川 沖 、長 浜 沖 と も に 約80% が 保 存 さ れ て い た 。さ ら に 、2年 後 の 結 果 を み る と 、 好 気 保 存 で は 、 約20% し か 保 存 さ れ て い な い が 、 嫌 気 保 存 で は 約 50% 以 上 も 保 存 さ れ て い た 。一 方 緑 藻 は 、長 浜 沖 で は 好 気 保 存 に お い て 約20% が 保 存 さ れ て い る の に 対 し 嫌 気 保 存 で は 約 5% し か 保 存 さ れ て い な か っ た 。 ま た 、 保 存 し た 底 泥 を 用 い て 行 っ た 回 帰 試 験 結 果 で も 、 回 帰 し た 藻 類 は 藍 藻 が 最 も 多 く 、2年 後 に お い て も 回 帰 す る 藻 類 種 は 愛 知 川 沖 と 長 浜 沖 と も に 藍 藻 の み で あ っ た 。こ の 結 果 か ら 、 藍 藻 は 嫌 気 保 存 で 保 存 さ れ や す く 、 緑 藻 は 好 気 保 存 で 保 存 さ れ や す い こ と が 示 唆 さ れ た 。 4 )底 泥 を 保 存 し た 直 上 水 のDOを 変 え て 保 存 を 行 い シ ー ド の 保 存 状 況 を 調 べ た 。底 泥 直 上 水 の DOは 、 好 気 保 存(DO:10.6mg/L)、微 好 気 保 存 ① (DO:7.7mg/L)、微 好 気 保 存 ② (DO:4.6mg/L)、嫌 気 保 存 (DO: 0.7mg/L)に お け る 1年 6ヶ 月 保 存 後 の 藻 類 シ ー ド 数 の 経 時 変 化 を 見 た 。好 気 保 存 と 微 好 気 保 存 ① で は 、6 ヶ 月 後 の 藍 藻 の 細 胞 数 が 、約 半 数 以 下 に ま で 減 少 す る の に 対 し 、微 好 気 保 存 ② と 嫌 気 保 存 で は 、約7割 が 保 存 さ れ て い た 。 底 泥 を 水 封 し た 直 上 水 のDOが 低 い ほ ど 藍 藻 ≒ 珪 藻 > 緑 藻 の 順 に 保 存 率 が 高 か っ た 。 次 に 、 回 帰 試 験 結 果 を 見 る と 、 微 好 気 的 な 条 件 (DO: 4.6mg/L) で は 、 保 存 さ れ た 藍 藻 シ ー ド が 最 も 多 く 回 帰 す る こ と が わ か っ た 。 ア オ コ が 発 生 す る 湖 辺 域 に お け る 、 底 質 の 低 酸 素 化 が 藻 類 の シ ー ド 数 お よ び 藻 類 の 回 帰 に お よ ぼ す 影 響 は 大 き い こ と が 推 察 さ れ た 。 ( 3 ) 浅 い 富 栄 養 化 池 沼 の 好 気 、 嫌 気 条 件 に お け る シ ー ド バ ン ク の ポ テ ン シ ャ ル の 把 握 1 )浅 い 富 栄 養 池 沼 山 ノ 神 沼 の 底 層 環 境 を 調 査 し た 。そ の 結 果 、底 質 直 上10cmの DO値( 以 下 、底 層 ) は 、 夏 季 に は 概 ね18時 前 後 に 最 大 値 、 7時 前 後 に 最 小 値 を 示 し 、 冬 季 に は 概 ね 16時 前 後 に 最 大 値 、 5時 前 後 に 最 小 値 を 示 す 日 周 変 化 を 示 し た 。 さ ら に 、 夏 季 は 日 射 時 間 が 短 い 又 は 全 く 無 い 条 件 時 に 底 層 は 貧 酸 素 化 し た 。 そ し て 最 寄 り の 気 象 観 測 所 の 風 速 デ ー タ と 底 層 と の 相 関 を と っ た と こ ろ 、 両 者 に は 弱 い 正 の 相 関 が 見 ら れ た ( 参 照 : 詳 細 、 図(3)-14、 図 (3)-15) こ と か ら 、 風 に よ る せ ん 断 力 が 沼 水 を 混 合 し 、 底 層 の 貧 酸 素 状 態 を 解 消 し て い る と 考 察 さ れ た 。 同 様 に 冬 季 の 山 ノ 神 沼 で は 北 か ら 吹 き 付 け る 季 節 風 に よ っ て 底 層 の 貧 酸 素 状 態 は 解 消 さ れ や す い こ と が 示 唆 さ れ た 。 本 研 究 に よ っ て 、 底 層 が 貧 酸 素 化 す る 状 態 で あ っ て も 、 水 深 が 浅 い と 貧 酸 素 状 態 は 容 易 に 解 消 さ れ る と 考 察 さ れ た 。 2 ) 藻 類 回 帰 実 験 及 び 酸 素 条 件 が 底 質 の 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 に 及 ぼ す 影 響 貧 酸 素 、微 好 気 及 び 好 気 条 件 で100日 保 存 し た 山 ノ 神 沼 底 質 を 用 い た 実 験 の 結 果 、ビ ー カ ー 内 に 回 帰 し た 藻 類 種 は 詳 細 版 、 図(3)-23(参 照 )に 示 し た 。 藍 藻 で はSynechococcus sp.やMerismopedium tenuissimum、 緑 藻 で はScenedesmus spp.、 そ し て 珪 藻 で はNitzschia spp.で あ る が 、 種 類 数 は 極 わ ず か で あ っ た 。 そ し て 保 存 時 のDOが 低 い ほ ど 、 藍 藻 が 緑 藻 や 珪 藻 よ り も 高 い 細 胞 密 度 で 観 察 さ れ た 。 こ の こ と か ら 、 底 質 の 貧 酸 素 化 は 藍 藻 に と っ て 有 利 な 環 境 条 件 と な っ て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 な お 、珪 藻 類 は 微 好 気 保 存 に お い て 最 も 保 存 さ れ て い た( 参 照: 詳 細 、図(3)-24)。本 研 究 か ら 貧 酸 素 状 態 で 保 存 し た 底 質 か ら は 藍 藻 が 優 占 し て 観 察 さ れ た 一 方 、 好 気 保 存 し た 底 質 か ら は 緑 藻 、 珪 藻 及 び 藍 藻 が バ ラ ン ス よ く 観 察 で き た 。 ま た 、 微 好 気 状 態 で 保 存 し た 底 質 か ら 珪 藻 が 最 も 多 く 観 察 さ れ た 。 底 質 の 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 の 維 持 に 必 要 なDO量 は 、貧 酸 素 状 態 は 藍 藻 の 優 占 化 を 引 き 起 こ す 恐 れ が あ る た め 、 最 低 限 微 好 気 状 態 が 維 持 さ れ る こ と が 望 ま し い と 考 察 さ れ た 。 ( 4 ) 沖 帯 お よ び 沿 岸 帯 の 底 質 環 境 の 分 析 と 評 価 1 ) 水 質 、 底 質 調 査 結 果 琵 琶 湖 沿 岸 帯 に お け る 水 質 調 査 結 果 と 、沖 帯 の 水 質 調 査 結 果( 琵 琶 湖 定 期 水 質 観 測 )を 比 較 し た 結 果 、 沿 岸 帯 で は 、 沖 帯 よ り 浮 遊 物 質 量 、 粒 子 状 有 機 物 量 、 クロロフィル量 が 多 い 傾 向 が み ら れ た 。 ま た 、 底 質 調 査 の 結 果 か ら 、 長 浜 沖 、 長 命 寺 沖 お よ び 山 ノ 神 沼 は 、 泥 質 化 が 進 ん で い る が 、 愛 知 川 沖 は 泥 質 化 が 進 ん で い な い 地 点 で あ る 位 置 付 け が 可 能 で あ る こ と を 確 認 し た 。 2 ) 底 泥 直 上 ・ 直 下 の 溶 存 酸 素 濃 度 の 分 布 調 査 底 泥 直 上 ・ 直 下 の 溶 存 酸 素 濃 度 の 分 布 調 査 の 結 果 、 底 質 の 泥 質 化 が 進 ん だ 長 浜 沖 で は 、 底 質 表 面 の 酸 化 層 の 厚 さ が 約 2mm の 薄 さ で あ り 泥 質 化 が す す ん だ 長 浜 沖 が 薄 く( 約 2mm)、砂 質 の 愛 知 川 沖 が 相

(7)

泥 質 化 状 況 の 異 な る 地 点 のXANESス ペ ク ト ル を 取 得 し 比 較 し た と こ ろ ( 参 照 : 詳 細 、 図 (4)-11) 、 泥 質 化 が 進 ん だ 長 命 寺 沖( 図 中 B 地 点 )の み 単 体S(S8リ ン グ )の エ ネ ル ギ ー 位 置 (2472 eV)に ピ ー ク が 認 め ら れ た 。 こ の こ と か ら 、 長 命 寺 沖 の 底 質 の 泥 質 化 が 進 ん だ 結 果 、 硫 酸 還 元 菌 や 硫 黄 細 菌 の 活 動 に よ り 、 単 体 硫 黄 が 生 成 し た 可 能 性 を 示 唆 し て い る 。 ま た 、 泥 質 を 洗 浄 し て 測 定 を 行 っ た と こ ろ 、 硫 酸 イ オ ン は 鉱 物 由 来 で 無 い こ と が 判 明 し 、 詳 細 版(4)-12(参 照 )に 示 し た 分 布 状 況 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 ま た 、 琵 琶 湖 沿 岸 帯 に お け る 底 質 の 間 隙 水 中 の 無 機 窒 素 は 、 ほ と ん ど が ア ン モ ニ ア 態 窒 素 ( 還 元 的 ) で あ っ た 。 4 ) 流 向 流 速 測 定 結 果 ADCPを 用 い て 流 向 流 速( 流 況 )の 連 続 測 定 を 行 い 、底 質 が 砂 質 の 愛 知 川 沖 と 泥 質 化 し て い る 長 命 寺 沖 と 比 較 し た と こ ろ 、 愛 知 川 沖 で は 一 方 向 へ の 流 れ が 卓 越 し て い た こ と 、 長 命 寺 沖 で は 、 水 塊 が 同 じ 場 所 に 留 ま る 傾 向 が 見 ら れ た( 参 照 :詳 細 、図(4)-12)。こ れ ら の こ と か ら 、沿 岸 帯 で は 、沖 帯 と 比 べ て 多 い 傾 向 が あ る 粒 子 状 物 質 が 、 そ の 供 給 量 や 地 形 、 流 向 ・ 流 速 等 に 影 響 を 受 け な が ら 沈 降 し 堆 積 す る 量 に よ り 底 質 の 基 礎 的 な 特 性 を 決 定 し 、 そ の 結 果 、 泥 質 化 が 進 ん だ 場 合 に は 、 溶 存 酸 素 が 低 下 し 、 還 元 的 環 境 が 形 成 さ れ る 過 程 が 実 測 デ ー タ を 元 に 示 唆 さ れ た 。 ま た 、 形 成 さ れ た 底 質 環 境 が 、 他 の サ ブ テ ー マ で 研 究 し た 各 種 プ ラ ン ク ト ン の 休 眠 細 胞 の 生 存 率 や 再 回 帰 率 に 影 響 を 与 え る た め 、 沿 岸 帯 の 流 況 や 濁 質 量 に 影 響 を 与 え る 因 子 の 管 理 が 、 沿 岸 帯 の 底 質 環 境 を 保 全 す る 上 で 重 要 で あ る と 考 え ら れ た ( 参 照 : 詳 細 、 表(4)-6) 。 ( 5 ) 水 塊 に 回 帰 し て き た プ ラ ン ク ト ン の 増 殖 、 生 産 と そ れ に 伴 う 水 質 影 響 評 価 1 )水 温 、N/P比 が 植 物 プ ラ ン ク ト ン 細 胞 サ イ ズ や 粘 質 鞘 サ イ ズ に 及 ぼ す 影 響 の 評 価 に お い て 、実 験 の 結 果 、細 胞 容 積 お よ び 粘 質 鞘 容 積 は 水 温 、N/P比 に よ っ て 変 化 す る こ と が 認 め ら れ た 。こ れ ら の 変 化 は 増 殖 速 度 ( 生 合 成 速 度 ) と 光 合 成 速 度 の 環 境 因 子 依 存 性 の 違 い に 起 因 し て い る と 考 え ら れ 、 生 合 成 速 度 が 相 対 的 に 低 下 す る リ ン 制 限 条 件 お よ び 高 水 温 に お い て 細 胞 外 排 泄 有 機 物 が 増 大 し 、 粘 質 鞘 が 肥 大 化 す る こ と が 示 唆 さ れ た 。 2 ) 一 次 生 産 有 機 物 の 微 生 物 分 解 に お け る 微 小 原 生 動 物 の 役 割 の 評 価 に お い て 、 生 分 解 試 験 を 実 施 し た 結 果 、 POCの 分 解 は POC濃 度 に 関 す る 一 次 反 応 で 近 似 さ れ た が 、微 小 原 生 動 物 共 存・非 共 存 に よ る 分 解 速 度 定 数 の 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 一 方 、DOCに つ い て は 一 次 反 応 を 仮 定 し た 物 質 収 支 モ デ ル に よ り 生 分 解 速 度 定 数 を 推 定 し た が 、 こ ち ら も 微 小 原 生 動 物 共 存 ・ 非 共 存 に よ る 統 計 的 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 こ れ ら の 結 果 は 、 従 来 の 有 機 物 の 難 分 解 性 評 価 の た め の 生 分 解 試 験 方 法 の 妥 当 性 を 支 持 す る も の で あ っ た 。 3 ) 濁 度 が 植 物 プ ラ ン ク ト ン 群 集 変 化 に 与 え る 影 響 の 評 価 に お い て 、 濁 度 お よ び 浮 上 性 藍 藻 と 沈 降 性 緑 藻 の 共 存 に よ る 増 殖 速 度 へ の 影 響 を 実 験 的 に 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 沈 降 性 緑 藻 は 濁 度 お よ び 浮 上 性 藍 藻 に よ る 強 い 光 阻 害( 阻 害 率76%以 上 )を 受 け た の に 対 し 、浮 上 性 藍 藻 は 光 阻 害 の 影 響 を 受 け に く か っ た 。 よ っ て 、 比 較 的 濁 度 が 高 い ( 透 明 度 が 低 い ) 沿 岸 域 は 光 環 境 に よ っ て 藍 藻 が 優 占 し や す い 環 境 に あ る と 判 断 さ れ た 。 4 ) 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 増 殖 特 性 の 評 価 及 び そ の 挙 動 解 析 に お い て 、 藍 藻 、 緑 藻 、 珪 藻 の 増 殖 特 性 を 整 理 し た 結 果 、 藍 藻 は 比 較 的 高 水 温 に 適 応 し て お り 、 逆 に 珪 藻 は 低 水 温 に 適 応 し て い る と い う 特 徴 が 認 め ら れ た 。 琵 琶 湖 北 湖 沿 岸 域 で の 藻 類 群 集 挙 動 と 増 殖 特 性 を 比 較 検 討 し た 結 果 、 野 外 に お け る 出 現 順 序 は 主 と し て 水 温 の 影 響 を 受 け 、 夏 季 〜 秋 季 に は 硝 酸 枯 渇 に よ る 窒 素 制 限 の 影 響 を 受 け て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。過 去30年 間 で 晩 秋 〜 冬 季 の 緑 藻( 車 軸 藻 綱 )Staurastrum dorsidentiferumの 出 現 頻 度 が 高 ま っ て い る が 、 こ れ は 湖 沼 温 暖 化 に 伴 う 水 温 成 層 期 間 の 延 長 の 影 響 を 受 け て い る と 考 え ら れ た 。 ( 6 ) 総 合 解 析 底 泥 を 加 え たBOD瓶 中 溶 存 酸 素( DO)濃 度 は 一 次 反 応 的 に 減 少 し た こ と か ら 、一 次 反 応 を 仮 定 し て 酸 素 消 費 速 度 定 数 を 求 め た 。 得 ら れ た 速 度 定 数 か ら 底 泥 酸 素 消 費 速 度 を 求 め た と こ ろ 、0.106〜 0.215 g/m2 dayと 評 価 さ れ た 。年 間 の 底 層 DOの 経 時 変 化 を 表 現 で き る 数 理 モ デ ル を 構 築 し 、モ デ ル を 用 い て 各 パ ラ メ ー タ の 感 度 解 析 を 行 っ た 結 果 、底 層DOに 対 し て 含 泥 率 が 最 も 強 く 影 響 を 有 し て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。 沿 岸 帯 底 層 の 貧 酸 素 化 の 防 止 に は 沿 岸 帯 底 質 の 泥 質 化 を 防 止 す る こ と が 最 も 有 効 で あ る と 判 断 さ れ た 。 琵 琶 湖 北 湖 湖 岸 帯 に お け る 湖 底 泥 質 化 実 態 調 査 デ ー タ を 解 析 し た 結 果 、 湖 底 勾 配 変

(8)

の 増 殖 特 性 に 関 す る 結 果 を も と に 、 モ デ ル パ ラ メ ー タ の 推 定 を 行 い 、 現 況 再 現 計 算 を 行 っ た と こ ろ 、 長 浜 沖 お よ び 愛 知 川 沖 に お け る 藍 藻 、 珪 藻 、 緑 藻 の 季 節 遷 移 を 概 ね 再 現 す る こ と が で き た 。 ま た 本 モ デ ル を 用 い て 、人 工 的 湖 岸 の 自 然 化 を 想 定 し た シ ナ リ オ 計 算 を 実 施 し た と こ ろ 、底 質DOの 改 善 、泥 質 化 の 改 善 、 水 交 換 率 の 増 大 に よ り 藍 藻 現 存 量 を 抑 制 で き る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 5 . 本 研 究 に よ り 得 ら れ た 主 な 成 果 ( 1 ) 科 学 的 意 義 1 ) こ れ ま で 底 泥 か ら 回 帰 す る 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 研 究 は 、 あ る 特 定 の 種 類 の み に つ い て 行 わ れ て お り 、 回 帰 す る 植 物 プ ラ ン ク ト ン 種 全 て に つ い て の 研 究 は 行 わ れ て こ な か っ た 。 こ の た め 、 緑 藻 、 藍 藻 、 珪 藻 等 綱 別 の 回 帰 数 を 求 め る こ と で 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン の シ ー ド バ ン ク 機 能 と し て 底 泥 を 評 価 す る 新 し い 手 法 と な る 。 2 ) 底 泥 中 の 藻 類 シ ー ド 量 を 直 接 顕 微 鏡 で 観 察 を 行 っ た 結 果 、 シ ル ト 分 が 多 く 、 水 分 率 の 高 い 底 質 で 保 存 さ れ 、砂 質 分 の 多 い 底 質 で は 、藻 類 シ ー ド 量 が 少 な い こ と が 明 ら か と な っ た 。こ の 手 法 に よ り 、 底 泥 の 評 価 に 活 用 で き る 。 3 ) 湖 岸 底 泥 か ら 回 帰 し て く る 緑 藻 や 藍 藻 、 珪 藻 等 の 綱 別 の 回 帰 数 を 求 め る こ と で 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン の シ ー ド バ ン ク 機 能 と し て 底 泥 を 評 価 す る 新 し い 手 法 が 確 立 で き た 。ま た 、底 泥 の 評 価 法 と し て 、 2 年 間 の 嫌 気 暴 露 底 質 に よ る シ ー ド バ ン ク 機 能 劣 化 評 価 を 行 う た め2年 間 嫌 気 条 件 に 暴 露 さ せ 、好 気 的 条 件 で 保 存 し た 底 泥 と の 比 較 実 験 を 行 う こ と で 、 嫌 気 化 が 藻 類 の 回 帰 に 与 え る 影 響 に つ い て の 評 価 が 可 能 と な っ た 。 4 )採 取 し た 底 泥 を 用 い 、シ ー ド バ ン ク 機 能 維 持 必 須DO量 の 定 量 的 評 価 と し て 底 泥 保 存 直 上 水 の DO を 変 え る こ と で 、 微 好 気 条 件 保 存 し 底 泥 の 比 較 実 験 を 行 っ た 。 こ の 結 果 、 底 層 部 の 貧 酸 素 化 が 藻 類 の 回 帰 に 与 え る 影 響 に つ い て 評 価 を 行 い 、 微 好 気 的 な 条 件 下 で 保 存 さ れ た 底 泥 か ら 藍 藻 が 回 帰 し 易 い こ と が 明 ら か と な り 、 沿 岸 帯 の 機 能 を 考 え る 上 で 重 要 な 知 見 と な っ た 。 5 ) 微 好 気 条 件 で 保 存 し たAnabaena macrosporaの 休 眠 細 胞 が 、 好 気 条 件 で 保 存 し た 休 眠 細 胞 の 発 芽 率 を2倍 以 上 も 上 回 っ た 結 果 が 得 ら れ た こ と か ら 、 こ れ を 用 い た 底 泥 の 評 価 が 可 能 と な る 。 6 ) 本 研 究 の 研 究 開 発 に よ り 湖 岸 底 泥 か ら 回 帰 し て く る 緑 藻 や 藍 藻 、 珪 藻 等 の 綱 別 の 回 帰 数 を 求 め る こ と で 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン の シ ー ド バ ン ク 機 能 と し て 底 泥 を 評 価 す る 新 し い 手 法 が 確 立 で き た 。 ま た 、底 泥 の 評 価 法 と し て 、貧 酸 素 条 件 で1年 間 暴 露 さ せ 、好 気 的 条 件 で 保 存 し た 底 泥 と の 比 較 実 験 を 行 う こ と で 、 貧 酸 素 化 が 藻 類 の 回 帰 に 与 え る 影 響 に つ い て の 評 価 が 可 能 と な っ た 。 さ ら に 、 光 の 強 度 が 底 質 中 の 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 再 活 性 化 に 重 要 な 環 境 因 子 で あ る こ と が 確 認 で き 、 湖 岸 帯 の 光 条 件 の 環 境 改 善 ( 浅 場 化 ) が 貧 酸 素 状 態 の 解 消 に 貢 献 す る こ と を 裏 付 け て い る 。 今 回 の 研 究 結 果 か ら 、 深 い 水 深 で 貧 酸 素 が 強 く な る と シ ー ド 機 能 が 低 下 し 、 緑 藻 が 減 少 し 藍 藻 が 増 加 す る な ど 、 種 に よ っ て 耐 性 が 異 な っ て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 従 来 で は 、 環 境 分 析 分 野 で は 使 わ れ て い な か っ た 分 析 手 法 で あ る XANES測 定 に よ る 底 質 中 の 硫 黄 の 元 素 存 在 状 態 を 測 定 し た と こ ろ 、本 法 に よ り 酸 化 還 元 状 態 を 反 映 し た ス ペ ク ト ル が 取 得 で き る こ と が 確 認 さ れ 、 硫 黄 は 、 底 質 環 境 を 評 価 す る よ い 指 標 と な り 得 る こ と が 確 認 さ れ た 。 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 生 分 解 試 験 に お い て 、 こ れ ま で 微 小 原 生 動 物 の 影 響 は 具 体 的 に 検 討 さ れ て こ な か っ た が 、 本 研 究 に お い て 、 少 な く と も 顕 著 な 影 響 を 持 た な い こ と が 明 ら か と な り 、 従 来 の 生 分 解 試 験 の 評 価 結 果 を 用 い る こ と の 妥 当 性 が 示 唆 さ れ た 。 ま た 、 沿 岸 域 で の 底 質 巻 上 げ や 植 物 プ ラ ク ト ン の 繁 殖 に よ る 透 明 度 低 下 に よ っ て 、 ア オ コ な ど の 浮 上 性 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 優 占 化 が 進 む 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 7 ) 富 栄 養 化 の 進 行 し た 山 ノ 神 沼 で は 夏 季 及 び 冬 季 に 関 わ り な く 、 底 層 で は 一 時 的 に 貧 酸 素 状 態 に な っ て い る 実 態 が 明 ら か と な っ た 。 し か し 、 水 深 の 浅 い こ と が 幸 い し 、 底 層 の 貧 酸 素 化 が 解 消 さ れ や す い 状 態 に あ る も の と 考 察 さ れ た 。 底 質 か ら の プ ラ ン ク ト ン 回 帰 実 験 に お い て 、 山 ノ 神 沼 の よ う な 高 有 機 底 質 を 用 い た 場 合 に お い て は 、 特 別 な 処 理 を 必 要 と せ ず 、 水 と よ く 撹 拌 混 合 す る だ け で 嫌 気 状 態 を 再 現 で き る こ と が 分 か っ た 。 8 )富 栄 養 湖 沼 の 山 ノ 神 沼 は 最 深 部 で 約 2m と 浅 い た め 風 等 に よ っ て 容 易 に 撹 拌 さ れ 酸 素 供 給 が 行 わ れ る こ と か ら 、 泥 質 化 は 琵 琶 湖 以 上 に 進 行 し て い る に も 拘 わ ら ず 底 層 ・ 底 質 環 境 は 極 端 な 還 元 状 態 に は な ら な い こ と が 実 証 さ れ た 。 さ ら に 、 貧 酸 素 状 態 は 藍 藻 の シ ー ド に と っ て 保 存 さ れ る 上 で 有 利 で あ る と 考 え ら れ 、 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 を 維 持 す る た め に は 、 貧 酸 素 状 態 が 解 消 さ れ る べ き で あ る 。 し た が っ て 、 沿 岸 帯 整 備 の 際 に は 、 な だ ら か な 湖 岸 形 状 に 復 活 さ せ る こ と に よ り 、 水 の 滞 留 域 の 解 消 及

(9)

た 湖 沼 で あ っ て も 、 水 深 が 浅 い こ と に よ っ て ア オ コ を 形 成 す る 藍 藻 以 外 の 緑 藻 や 珪 藻 が 季 節 的 に 出 現 す る こ と か ら 、 な だ ら か な 湖 岸 形 状 の 沿 岸 帯 整 備 を 行 う 等 、 今 後 の 沿 岸 帯 対 策 の 方 向 性 を 提 示 す る こ と が で き た 。 1 0 ) 貧 酸 素 (DO 0mg/L) 状 態 で 保 存 し た 底 質 か ら は 藍 藻 が 優 占 し て 観 察 さ れ た 一 方 、 好 気 ( 同 >6mg/L) 状 態 で 保 存 し た 底 質 か ら は 緑 藻 、 珪 藻 、 藍 藻 が バ ラ ン ス よ く 観 察 で き た 。ま た 、微 好 気 ( 同 2~ 3mg/L) 状 態 で 保 存 し た 底 質 か ら 珪 藻 が 最 も 多 く 観 察 さ れ た 。 こ れ ら の こ と か ら 、底 質 の 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 を 健 全 に 維 持 す る た め に 必 要 な DO 量 を 定 量 的 に 評 価 す る と 、 貧 酸 素 状 態 は 藍 藻 の 優 占 化 を 引 き 起 こ す 恐 れ が あ る た め 、 微 好 気 の 状 態 が 最 低 限 維 持 さ れ る こ と が 望 ま し い と 考 察 さ れ た 。 1 1 ) 琵 琶 湖 沿 岸 帯 ( 長 浜 沖 、 愛 知 川 沖 、 長 命 寺 沖 の 3 地 点 ) の 水 質 デ ー タ と 沖 帯 の 水 質 を 比 較 し た と こ ろ 、 琵 琶 湖 沿 岸 帯 で は 、 沖 帯 よ り 浮 遊 物 質 量 、 粒 子 状 有 機 物 、 ク ロ ロ フ ィ ル 量 が 多 い 傾 向 が み ら れ る こ と が 判 明 し 、 湖 岸 帯 水 質 の 特 徴 の 一 部 を 明 ら か に す る こ と が 出 来 た 。 1 2 )底 質 の 泥 質 化 が 進 む と 、底 質 表 面 の 酸 化 層 の 厚 さ が 薄 く な り 、泥 質 化 が 進 ん で い な い 地 点( 愛 知 川 沖 ) で は 4~ 6mm の 厚 さ で あ る が 、 泥 質 化 が 進 ん だ 地 点 ( 長 浜 沖 ) で は 2 mm 程 度 で あ る こ と を マ イ ク ロ セ ン サ ー に よ る 測 定 に よ り 、 初 め て 明 ら か に し た 。 1 3 ) X 線 吸 収 端 近 傍 構 造 測 定(XANES)法 に よ り 、 底 質 中 の 硫 黄 の 存 在 状 態 を 測 定 す る こ と が 可 能 で あ る こ と を 示 し 、 さ ら に 、 還 元 的 硫 黄 は 、 鉱 物 以 外 の 堆 積 物 由 来 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 1 4 ) 底 泥 間 隙 水 の 分 析 に よ り 、 琵 琶 湖 沿 岸 帯 に お け る 間 隙 水 中 の 窒 素 の 存 在 形 態 が 、 ほ と ん ど が ア ン モ ニ ア 態 窒 素 ( 還 元 的 ) で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 1 5 )ド ッ プ ラ ー 流 速 プ ロ フ ァ イ ラ ー(ADCP)を 用 い て 流 向 流 速 の 連 続 測 定 を 行 っ た 結 果 、底 泥 の 泥 質 化 に は 流 向 流 速 が 関 与 し て い る 可 能 性 が あ る こ と を 明 ら か に し た 。 1 6 ) 沿 岸 帯 に お い て は 、 沖 帯 と 比 べ て 多 い 傾 向 が あ る 粒 子 状 物 質 が 、 そ の 供 給 量 や 地 形 、 流 向 ・ 流 速 等 に 影 響 を 受 け な が ら 沈 降 し 堆 積 す る 量 に よ り 底 質 の 基 礎 的 な 特 性 を 決 定 し 、 そ の 結 果 、 泥 質 化 が 進 ん だ 場 合 に は 、 溶 存 酸 素 が 低 下 し 、 還 元 的 環 境 が 形 成 さ れ る と 考 え ら れ た 。 1 7 ) 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 細 胞 容 積 や 粘 質 鞘 容 積 の 環 境 因 子 依 存 性 を 明 ら か に す る と と も に 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 増 殖 特 性 か ら 野 外 で の 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 挙 動 が 特 に 水 温 と そ れ に 伴 う 水 温 成 層 状 況 に 強 く 影 響 さ れ て い る こ と を 明 ら か に し た 。 有 機 物 の 難 分 解 性 を 判 断 す る 生 分 解 試 験 に お け る 微 小 原 生 動 物 の 影 響 を 評 価 し た 結 果 、 微 小 原 生 動 物 は 試 験 結 果 に 有 意 な 影 響 を 与 え て お ら ず 、 従 来 の 試 験 法 の 妥 当 性 が 示 さ れ た 。 ま た 、 沿 岸 帯 に お け る 透 明 度 低 下 ( 濁 度 上 昇 ) がMicrocystisな ど の 浮 上 性 藍 藻 の 優 占 化 に 寄 与 し て い る 可 能 性 を 明 ら か に し た 。 1 8 ) 沿 岸 帯 底 泥 を 用 い た 底 泥 酸 素 消 費 速 度 評 価 実 験 を 通 じ て 、底 泥 酸 素 消 費 速 度 が 温 度 、含 泥 率 、 窒 素 含 有 率 に 強 く 影 響 を 受 け て い る こ と を 明 ら か に し た 。鉛 直 一 次 元 の 溶 存 酸 素 収 支 モ デ ル を 構 築 し 、 底 層 溶 存 酸 素 濃 度 に 影 響 す る 因 子 を 検 討 し た 結 果 、 含 泥 率 が 底 層 貧 酸 素 化 に 強 く 影 響 す る こ と が 示 唆 さ れ た 。 琵 琶 湖 北 湖 湖 岸 帯 湖 底 泥 質 化 実 態 調 査 デ ー タ を 再 解 析 し た 結 果 、 湖 底 勾 配 変 化 量3%以 上 の 勾 配 急 変 部 よ り 沖 側 で 泥 質 化 が 進 行 す る 傾 向 が あ っ た こ と か ら 、 勾 配 急 変 部 を 解 消 す る よ う な 沿 岸 帯 整 備 を 行 う な ど の 対 策 の 有 効 性 を 指 摘 し た 。 ま た 、 本 研 究 で 構 築 し た 沿 岸 帯 プ ラ ン ク ト ン 量 予 測 モ デ ル を 用 い て 人 工 的 湖 岸 の 自 然 化 を 想 定 し た シ ナ リ オ 計 算 を 実 施 す る こ と に よ り 、 湖 岸 形 態 が 植 物 プ ラ ン ク ト ン 種 ご と の 現 存 量 に 与 え る 影 響 を 半 定 量 的 に 評 価 す る こ と が 可 能 と な っ た 。 ( 2 ) 環 境 政 策 へ の 貢 献 < 行 政 が 既 に 活 用 し た 成 果 > 本 研 究 に よ り 富 栄 養 化 及 び 底 質 の 有 機 化 が 進 行 し た 湖 沼 に お い て 、 水 深 が 浅 い こ と は 底 層 の 貧 酸 素 状 態 の 解 消 に 有 利 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 湖 岸 帯 の 光 条 件 の 改 善 は 、 底 質 由 来 の 藻 類 の 光 合 成 の 再 活 性 化 を 促 進 す る こ と が 実 験 的 に 示 唆 さ れ た こ と か ら 、 湖 岸 帯 の 構 造 を 浅 場 化 す る こ と は 、 生 態 工 学 的 貧 酸 素 状 態 の 解 消 に 貢 献 す る こ と を 裏 付 け て い る 。さ ら に 、1年 間 貧 酸 素 状 態 で 保 存 し た 後 も 藻 類 の 再 活 性 が 確 認 で き た 。 し か し 、 種 に よ っ て 貧 酸 素 耐 性 が 異 な る 可 能 性 も 示 唆 さ れ た こ と か ら 、 今 後 の 研 究 に よ り 湖 沼 の 底 層 貧 酸 素 管 理 政 策 の 基 礎 デ ー タ と し て 貢 献 で き る と 考 え ら れ た 。 ま た 、 人 工 的 湖 岸 の 自 然 化 を 想 定 し た シ ナ リ オ 計 算 を 実 施 し た と こ ろ 、 藍 藻 の 現 存 量 が 大 き く 減 少 す る 傾 向 が 見 ら れ た こ と か ら 、 自 然 的 な 湖 岸 を 復 元 し て い く こ と に よ り 湖 内 の プ ラ ン ク ト ン 種 ご と の 現 存 量 に も 影 響 を 与 え ら れ る 可 能 性 が 示 さ れ た 。

(10)

把 握 す る こ と が 出 来 た こ と か ら 、 本 手 法 に よ り 、 他 の 湖 沼 に お い て も 、 底 質 の 泥 質 化 状 況 を 把 握 す る こ と が で き る と 考 え ら れ る 。 ま た 、 沿 岸 帯 の 湖 岸 形 状 や 流 況 を 適 切 に 管 理 す る こ と が 、 底 質 の 泥 質 化 を 防 止 し 、 健 全 な 水 環 境 を 創 出 す る 上 で 重 要 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 一 方 、 沿 岸 帯 に お け る 透 明 度 の 低 下 ( 濁 度 上 昇 ) がMicrocystisな ど の ア オ コ を 形 成 す る 浮 上 性 藍 藻 の 優 占 化 に 寄 与 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た こ と か ら 、 ア オ コ 制 御 と い う 観 点 か ら 沿 岸 帯 の 濁 水 対 策 の 重 要 性 が 示 唆 さ れ る 。 さ ら に 、総 合 解 析 に お い て も 、沿 岸 帯 の 泥 質 化 が 底 層DOの 貧 酸 素 化 に 大 き な 影 響 を 持 っ て い る こ と を 示 し 、 沿 岸 帯 の 泥 質 化 の 要 因 の 一 つ と し て 湖 底 の 勾 配 急 変 部 の 存 在 を 指 摘 し た こ と か ら 、 勾 配 急 変 部 を 解 消 す る よ う な 沿 岸 帯 整 備 を 行 う 等 、 今 後 の 沿 岸 帯 対 策 へ の 活 用 が 期 待 さ れ る 。 本 研 究 の 成 果 に よ り 、 琵 琶 湖 北 湖 に お け る 自 然 的 湖 岸 と 人 工 的 湖 岸 の 底 質 の 持 つ 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 の 違 い と 、 底 層 部 の 嫌 気 化 が 藍 藻 シ ー ド の 保 存 に 繋 が る こ と を 明 ら か と し た こ と か ら 、 琵 琶 湖 南 湖 の 自 然 的 湖 岸 と 人 工 的 湖 岸 の 底 質 に つ い て 、 滋 賀 県 で は 平 成26年 ~ 28年 に か け て 実 態 調 査 を 行 う こ と と な っ た 。 6 . 研 究 成 果 の 主 な 発 表 状 況 ( 1 ) 主 な 誌 上 発 表 < 査 読 付 き 論 文 > 1) 一瀬諭、池谷仁里、古田世子、藤原直樹、池田将平、岸本直之、西村修:日本水処理生物学会誌 .49(2), 65-74 ( 2013)「 琵 琶 湖 に 棲 息 す る 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 総 細 胞 容 積 お よ び 粘 質 鞘 容 積 の 長 期 変 動 解 析 」 2) 矢島悠一、野村宗弘、一瀬諭、鈴木有咲海、西村修:日本水処理生物学会誌 49(3) 103-108 (2013) 「 Anabaena休 眠 細 胞 の 大 量 形 成 ・ 回 収 お よ び 発 芽 評 価 方 法 」 3) 鈴 木 恵 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 : 水 環 境 学 会 誌 35(11), 181-186 (2012)「 琵 琶 湖 北 湖 に お け る 大 型 緑 藻 ( 車 軸 藻 綱 )Staurastrum dorsidentiferum var. ornatumの 象 徴 と 増 殖 生 理 特 性 」 4) N. KISHIMOTO, S. ICHISE, K. SUZUKI and C. YAMAMOTO: Limnology, 14, 117-128 (2013)

"Analysis of long-term variation in phytoplankton biovolume in the northern basin of Lake Biwa"

5) K. SUZUKI, M. KOJIMA, N. KISHIMOTO, S. ICHISE and S. FURUTA: Journal of Water and Environment Technology, 11, 49-58 (2013)

"Influence of cultural conditions on the cellular biovolume and gelatinous sheath volume of Staurastrum arctiscon (Charophyceae)"

6) N. KISHIMOTO and S. ICHISE: Understanding Freshwater Quality Problems in a Changing World (IAHS Publication 361), 132-141 (2013)

“Water quality problems in Japanese lakes: a brief overview”

7) 奥 村 浩 気 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 馬 場 大 哉 、 田 中 仁 志 : 水 環 境 学 会 誌 37(2), 55-62( 2014) 「 琵 琶 湖 北 湖 と 右 岸 に お け る 湖 岸 形 状 と 泥 質 化 の 関 係 」 ( 2 ) 主 な 口 頭 発 表 ( 学 会 等 ) 1) 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 、馬 場 大 哉 : 日 本 陸 水 学 会 第 76回 大 会 ( 2011) 講 演 要 旨 集 P190.「 琵 琶 湖 北 湖 岸 に お け る 底 泥 調 査 と ア オ コ 形 成 種 の 分 布 に つ い て 」 2) 鈴 木 恵 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 : 日 本 陸 水 学 会 第 76回 大 会 ( 2011)

「 琵 琶 湖 北 湖 に お け る 大 型 車 軸 藻Staurastrum dorsidentiferum var. ornatum の 細 胞 密 度 の 変 動 要 因 」

3) 岸 本 直 之 、 山 本 千 尋 、 鈴 木 恵 、 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 : 日 本 陸 水 学 会 第 76回 大 会 ( 2011) 「 小 型 ラ ン 藻Aphanothece clathrata に お け る 純 生 産 速 度 の 比 増 殖 速 度 依 存 性 」 4) 鈴 木 恵 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 : 日 本 水 処 理 生 物 学 会 第 48回 大 会 ( 2011)

「 琵 琶 湖 北 湖 ・ 南 湖 に お け る 大 型 車 軸 藻Staurastrum dorsidentiferum var. ornatum の 挙 動 解 析 」

(11)

6) 古 田 世 子 、 池 田 将 平 、 藤 原 直 樹 、 一 瀬 諭 、 田 中 仁 志 、 馬 場 大 哉 、 郡 司 房 子 、 岸 本 直 之 : 日 本 陸 水 学 会 第76回 大 会 ( 2011)「 湖 沼 底 質 の プ ラ ン ク ト ン を 対 象 に し た シ ー ド バ ン ク 機 能 に つ い て ( 琵 琶 湖 ) 」 7) 一 瀬 諭 、古 田 世 子 、馬 場 大 哉:第 38回 環 境 保 全・公 害 防 止 研 究 発 表 会( 2011)講 演 要 旨 集 P60-61 「 琵 琶 湖 北 湖 岸 に お け る 泥 質 化 の 現 状 と ア オ コ 形 成 種 の 分 布 に つ い て 」 . 8) 田 中 仁 志 、 古 田 世 子 、 池 田 将 平 、 藤 原 直 樹 、 一 瀬 諭 、 馬 場 大 哉 、 郡 司 房 子 、 岸 本 直 之 : 日 本 陸 水 学 会 第76回 大 会 (2011)「 湖 沼 底 質 の プ ラ ン ク ト ン を 対 象 に し た シ ー ド バ ン ク 機 能 に つ い て ( 山 ノ 神 沼 ) 」 9) 田 中 仁 志 、古 田 世 子 、一 瀬 諭:第 38回 環 境 保 全・公 害 防 止 研 究 発 表 会( 2011)「 湖 沼 底 質 の 泥 質 化 及 び 貧 酸 素 化 に よ る 藻 類 を 対 象 に し た シ ー ド バ ン ク 機 能 へ の 影 響 評 価 手 法 の 検 討 」 10) 矢 島 悠 一 、 野 村 宗 弘 、 中 野 和 典 、 西 村 修 、 一 瀬 諭 : 日 本 水 処 理 生 物 学 会 第 48回 大 会 ( 2011) 講 演 要 旨 集 P43. 「 Anabaenaの 休 眠 細 胞 に 関 す る 生 理 生 態 学 的 研 究 」 11) 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 、 山 中 直 、 田 中 仁 志 、 馬 場 大 哉 、 岸 本 直 之 、 西 村 修 : 日 本 陸 水 学 会 第 77回 大 会 (2012) 「 琵 琶 湖 に お け る 沿 岸 帯 の 機 能 と そ の 影 響 因 子 の 評 価 に つ い て 」 12) 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 、 藤 原 直 樹 、 岡 本 高 弘 : 第 49回 日 本 水 処 理 生 物 学 会 ( 2012) 「 琵 琶 湖 沿 岸 帯 に お け る 植 物 プ ラ ン ク ト ン 動 態 お よ び 水 質 解 析 」 13) 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 、 藤 原 直 樹 、 廣 瀬 佳 則 、 山 中 直 : 第 39回 環 境 保 全 ・ 公 害 防 止 研 究 発 表 ( 2012) 「 湖 沼 水 質 形 成 に お け る 沿 岸 帯 の 機 能 と そ の 影 響 因 子 の 評 価 」 14) 古 田 世 子 、池 田 将 平 、藤 原 直 樹 、一 瀬 諭 、田 中 仁 志 、馬 場 大 哉 、 岸 本 直 之 、西 村 修 :第 46回 日 本 水 環 境 学 会 年 会 (2012) 「 琵 琶 湖 沿 岸 帯 に お け る 底 泥 か ら の 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 回 帰 に つ い て 」 15) 古 田 世 子 、 廣 瀬 佳 則 、 藤 原 直 樹 、 一 瀬 諭 、 田 中 仁 志 、 馬 場 大 哉 、 郡 司 房 子 、 岸 本 直 之 、 西 村 修 : 日 本 陸 水 学 会 第77回 大 会 (2012)「 琵 琶 湖 と 山 の 神 沼 の 底 質 を 用 い た 藻 類 の シ ー ド バ ン ク 機 能 に つ い て 」 16) 古 田 世 子 、藤 原 直 樹 、一 瀬 諭 、田 中 仁 志 、馬 場 大 哉 、宮 田 直 幸 、岸 本 直 之 、西 村 修 :第 39回 環 境 保 全 ・ 公 害 防 止 研 究 発 表 会(2012)「 琵 琶 湖 沿 岸 帯 の 底 泥 を 用 い た 藻 類 の 回 帰 実 験 結 果 に つ い て 」 17) 古 田 世 子 、 藤 原 直 樹 、 一 瀬 諭 、 田 中 仁 志 、 馬 場 大 哉 、 宮 田 直 幸 、 岸 本 直 之 、 西 村 修 : 日 本 水 処 理 生 物 学 会 第49回 大 会 (2012)「 琵 琶 湖 沿 岸 帯 の 底 質 を 用 い た 藻 類 の シ ー ド 保 存 状 況 に つ い て 」 18) 田 中 仁 志 、 古 田 世 子 、 藤 原 直 樹 、 一 瀬 諭 、 馬 場 大 哉 、 岸 本 直 之 、 西 村 修 : 日 本 陸 水 学 会 第 77回 大 会(2012)、 「 溶 存 酸 素 量 の 違 い が 湖 沼 底 質 の 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 に 及 ぼ す 影 響 」 19) 田 中 仁 志 、 古 田 世 子 、 一 瀬 諭 : 第 39回 環 境 保 全 ・ 公 害 防 止 研 究 発 表 会 (2012) 「 底 質 中 の 藻 類 の 再 活 性 化 に 及 ぼ す 光 照 度 の 影 響 」 20) 田 中 仁 志 、 古 田 世 子 、 一 瀬 諭 : 第 15回 自 然 系 調 査 研 究 機 関 連 絡 会 議 ( NORNAC、 2012)) 「 浅 い 富 栄 養 化 湖 沼 山 ノ 神 沼 に お け る 底 層 の 貧 酸 素 化 実 態 調 査 」 21) 鈴 木 恵 、 小 島 誠 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 : 第 46回 日 本 水 環 境 学 会 年 会 ( 2012) 「 大 型 車 軸 藻Staurastrum arctiscon の 粘 質 鞘 サ イ ズ に 及 ぼ す 培 地 中N/P比 の 影 響 」 22) K. SUZUKI, M. KOJIMA, N. KISHIMOTO, S. ICHISE and S. FURUTA: Water and

Environment Conference 2012 (2012)

"Influence of cultural conditions on the cellular biovolume and gelatinous sheath volume of Staurastrum arctiscon (Charophyceae)"

23) N. KISHIMOTO, S. ICHISE, K. SUZUKI and C. YAMAMOTO: 2012 ASLO Aquatic Sciences Meeting: Voyages of Discovery (2012)

"Potential factors influencing changes in average cell size of the phytoplankton community in Lake Biwa, Japan"

24) K. SUZUKI, M. KOJIMA, N. KISHIMOTO, S. ICHISE and S. FURUTA: 2012 ASLO Aquatic Sciences Meeting: Voyages of Discovery (2012)

"Influence of N/P ratio in culture medium on gelatinous sheath size of Staurastrum arctiscon (Charophyceae)"

25) K. SUZUKI, N. KISHIMOTO, S. FURUTA and S. ICHISE: The 4ty IWA Asia-Pacific Young Water Professionals Conference (2012)

(12)

27) 鈴 木 恵 、 岸 本 直 之 、 古 田 世 子 、 一 瀬 諭 : 日 本 陸 水 学 会 第 77回 大 会 ( 2012) 「 微 小 繊 毛 虫 共 存 系 に お け る 一 次 生 産 有 機 物 の 分 解 に 関 す る 研 究 」 28) 奥 村 浩 気 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 馬 場 大 哉 : 日 本 陸 水 学 会 第 77回 大 会 ( 2012) 「 湖 沼 沿 岸 域 底 質 の 酸 素 消 費 速 度 の 関 す る 研 究 」 29) 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 、 山 中 直 : 第 47回 日 本 水 環 境 学 会 年 会 ( 2013) 「 琵 琶 湖 の 底 泥 よ り 発 生 し た 藻 類 に つ い て 」 30) 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 、 廣 瀬 佳 則 、 藤 原 直 樹 、 馬 場 大 哉 、 岸 本 直 之 、 西 村 修 : 日 本 陸 水 学 会 第 78回 大 会(2013)「 湖 沼 に お け る 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 に つ い て (1)琵 琶 湖 に お け る 沿 岸 帯 機 能 評 価 の 概 要 」 31) 一 瀬 諭 、古 田 世 子 、藤 原 直 樹 、廣 瀬 佳 則 、永 田 貴 丸 、 馬 場 大 哉 、西 村 修 : 日 本 水 処 理 生 物 学 会 第 50回 大 会(2013)「 琵 琶 湖 沿 岸 帯 に お け る 動 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 分 布 と 底 泥 か ら の 回 帰 実 験 に つ い て 」 32) 一 瀬 諭 、古 田 世 子 、藤 原 直 樹 、廣 瀬 佳 則 、永 田 貴 丸 、馬 場 大 哉 、岸 本 直 之 、西 村 修 :第 40 回 環 境 保 全 ・ 公 害 防 止 研 究 発 表 会 、(2013)「 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 ① 琵 琶 湖 沿 岸 帯 に お け る 底 泥 か ら の 動 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 回 帰 実 験 に つ い て 」 33) 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 、 山 中 直 : 第 47回 日 本 水 環 境 学 会 年 会 ( 2013) 「 琵 琶 湖 の 底 泥 よ り 発 生 し た 藻 類 に つ い て 」 34)古 田 世 子 、藤 原 直 樹 、一 瀬 諭 、馬 場 大 哉 、岸 本 直 之 、西 村 修:第 40回 環 境 保 全・公 害 防 止 研 究 発 表 会(2013) 「 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 ② 琵 琶 湖 沿 岸 帯 に お け る 底 質 と 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 の 関 係 に つ い て 」 35) 田 中 仁 志 、古 田 世 子 、廣 瀬 佳 則 、藤 原 直 樹 、一 瀬 諭:第 39回 環 境 保 全・公 害 防 止 研 究 発 表 会( 2013) 「 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 ③ ~ 山 ノ 神 沼 底 質 に お け る 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 と 環 境 因 子 の 影 響 ~ 」 36) 馬 場 大 哉 、 郡 司 房 子 、 古 田 世 子 、 一 瀬 諭 、 奥 村 浩 気 、 岸 本 直 之 、 中 野 伸 一 : 日 本 陸 水 学 会 第 78回 大 会(2013)「 湖 沼 に お け る 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 に つ い て (3)-マ イ ク ロ セ ン サ ー に よ る 底 泥 直 上・直 下 の 溶 存 酸 素 分 布 測 定 結 果 」 37) 田 中 仁 志 、 古 田 世 子 、 廣 瀬 佳 則 、 藤 原 直 樹 、 一 瀬 諭 、 馬 場 大 哉 、 岸 本 直 之 、 西 村 修 : 日 本 水 処 理 生 物 学 会 第50回 大 会 ( 2013) 「 富 栄 養 湖 沼 山 ノ 神 沼 に お け る 底 層 環 境 と 底 質 中 の 休 眠 藻 類 の 再 活 性 化 条 件 の 実 験 的 検 討 」 38) 田 中 仁 志 、 古 田 世 子 、 廣 瀬 佳 則 、 藤 原 直 樹 、 一 瀬 諭 、 馬 場 大 哉 、 岸 本 直 之 、 西 村 修 : 日 本 陸 水 学 会 第78回 大 会 ( 2013) 「 湖 招 に お け る 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 に つ い て (6)‐ 浅 い 富 栄 養 湖 沼 山 ノ 神 沼 に お け る 底 層 環 境 と シ ー ド バ ン ク 機 能-」 39) 鈴 木 恵 、 岸 本 直 之 、 古 田 世 子 、 一 瀬 諭 : 第 47回 日 本 水 環 境 学 会 根 会 ( 2013)

「Staurastrum dorsidentiferum var. ornatumに お け る 一 次 生 産 有 機 物 の 分 解 に 関 す る 研 究 」 40) 奥 村 浩 気 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 馬 場 大 哉 、 田 中 仁 志 : 第 47回 日 本 水 環 境 学 会 年 会 ( 2013)

「 琵 琶 湖 北 湖 東 岸 に お け る 護 岸 形 態 と 底 質 の 関 係 」

41) N. KISHIMOTO and S. ICHISE: "Knowledge for the Future" Joint Assembly, Gothenburg, Sweden( 2013)

"Water-quality problems in Japanese lakes: regulations, the past, and t he future". 42) 奥 村 浩 気 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 馬 場 大 哉 、 田 中 仁 志 : 日 本 陸 水 学 会 第 78回 大 会 ( 2013) 「 湖 沼 に お け る 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 に つ い て(2)–泥 質 化 に 及 ぼ す 流 れ と 湖 岸 勾 配 の 影 響 」 43) 山 本 純 也 、 岸 本 直 之 、 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 : 日 本 陸 水 学 会 第 78回 大 会 ( 2013) 「 藻 類 バ イ オ マ ス 生 産 を 目 的 と し た 排 水 処 理 水 中 で のAphanothece clathrataの 増 殖 特 性 の 評 価 」 44) 一 瀬 諭 、 古 田 世 子 、 永 田 貴 丸 、 藤 原 直 樹 、 廣 瀬 佳 則 、 馬 場 大 哉 、 西 村 修 : 第 48回 日 本 水 環 境 学 会 年 会(2014) 「 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 -琵 琶 湖 底 泥 か ら の 動 ・ 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 回 帰 試 験 結 果 ―」 45) 古 田 世 子 、 藤 原 直 樹 、 一 瀬 諭 、 田 中 仁 志 、 馬 場 大 哉 、 宮 田 直 幸 、 岸 本 直 之 、 西 村 修 : 第 48回 日 本 水 環 境 学 会 年 会(2014) 「 琵 琶 湖 に お け る 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 ―底 質 の 保 存 条 件 と 藻 類 シ ー ド バ ン ク 機 能 に つ い て―」 46) 馬 場 大 哉 、 郡 司 房 子 、 古 田 世 子 、 一 瀬 諭 、 奥 村 浩 気 、 岸 本 直 之 、 村 上 綾 、 中 野 伸 一 : 第 48回 日 本 水 環 境 学 会 年 会(2014) 「 琵 琶 湖 に お け る 沿 岸 帯 の 機 能 評 価 ―マ イ ク ロ セ ン サ ー に よ る 底 泥 直 上 ・ 直 下 の 溶 存 酸 素 分 布 測 定 結 果―」

(13)

現 在 、 滋 賀 県 琵 琶 湖 環 境 科 学 研 究 セ ン タ ー 、 環 境 監 視 部 門 専 門 員 研 究 参 画 者 ( 1 ) : 一 瀬 諭 ( 同 上 ) ( 2 ) : 古 田 世 子 名 古 屋 衛 生 技 術 短 期 大 学 衛 生 科 学 科 卒 業 、 現 在 、 滋 賀 県 琵 琶 湖 環 境 科 学 研 究 セ ン タ ー 専 門 員 秋 田 県 立 大 学 大 学 院 生 物 資 源 科 学 研 究 科 博 士 課 程 在 籍 ( 3 ) : 田 中 仁 志 東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 博 士 課 程 修 了 、 博 士 ( 工 学 ) 現 在 、 埼 玉 県 環 境 科 学 国 際 セ ン タ ー 水 環 境 担 当 主 任 研 究 員 ( 4 ) : 馬 場 大 哉 愛 媛 大 学 大 学 院 農 学 研 究 科 修 了 現 在 、 東 レ テ ク ノ 株 式 会 社 環 境 科 学 技 術 部 環 境 ・ 材 料 分 析 室 開 発 グ ル ー プ リ ー ダ ー ( 5 ) : 岸 本 直 之 京 都 大 学 工 学 部 卒 業 、 博 士 ( 工 学 ) 、 現 在 、 龍 谷 大 学 理 工 学 部 教 授 ( 6 ) : 佐 藤 祐 一 京 都 大 学 工 学 部 卒 業 、 博 士 ( 工 学 ) 、 現 在 、 滋 賀 県 琵 琶 湖 環 境 科 学 研 究 セ ン タ ー 主 任 研 究 員

表 3 に示したように合計 601 種類(未同定種を含む)中で約 27 %の種類が粘質鞘を有していた。特に藍藻では 73%、緑藻では 37%と多くの種類に粘質鞘が認められたが、珪藻や渦鞭毛藻、 褐色鞭毛藻やミドリムシ藻では 1 種類も認められず、粘質鞘を 生成する種類としない種類の詳細が明らかとなった。次に、過 去 30 年間の主要な植物プランクトン 14 種類の増減についても 調べた結果では、 7 種類が細胞容積にして 2 倍以上の粘質鞘を 有し、藍藻と緑藻が 3 種類ずつ含まれていた。この中で細胞容 積

参照

関連したドキュメント

災害に対する自宅での備えでは、4割弱の方が特に備えをしていないと回答していま

 スルファミン剤や種々の抗生物質の治療界へ の出現は化学療法の分野に著しい発達を促して

 海底に生息するナマコ(海鼠) (1) は、日本列島の

コロナ禍がもたらしている機運と生物多様性 ポスト 生物多様性枠組の策定に向けて コラム お台場の水質改善の試み. 第

である水産動植物の種類の特定によってなされる︒但し︑第五種共同漁業を内容とする共同漁業権については水産動

職場環境の維持。特に有機溶剤規則の順守がポイント第2⇒第3

職場環境の維持。特に有機溶剤規則の順守がポイント第2⇒第3

泥炭ブロック等により移植した植物の活着・生育・開花状況については,移植先におい