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Evaporated ZnF2 (Ⅲ) 弗化亜鉛蒸着薄膜(Ⅲ)

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Academic year: 2021

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長崎大学教育学部自然科学研究報告算21号1‑4 (1970)

弗化亜鉛蒸着薄膜(Ⅲ)

(炭素膜上の島の電子顕微鏡的観察)

久保為久麿・井上康明

(昭和44年11月26日受理)

Evaporated ZnF2 (Ⅲ)

(Electron Microscopic Study of ZnF2 Islands on C Film)

Ikurnaro Kubo and Yasuaki Inoue (Received 26. Nov. 1969)

Abstract

Relations between numbers of ZnF2 islands, N, per unit area and tempe‑

ratures, T (°K), of the C film substrates have been studied electron micro‑

scopically. Under the conditions that the heating temperatures of the ZnF2

charges were kept constant and T were varied in the relatively low tempe‑

rature region, ln N have decreased linearly with 1/T. From the results, it

has been shown that the adhesive energy (〓ad) is higher than the activation

energy of the surface diffusion (〓d ) for the film which temperatures are

below 〜600℃, while 〓ad is lower than 〓d for the film above 〜600℃.

緒言

われわれはZnF2‑^ZnOの単結晶気相成長の初期段階の情報を得る目的で,これまで一連 の実験を行なってきた。真空蒸着装置内で,蒸着速度を一定にして, C膜上に, ZnF2を蒸着 させ,その際, C膜の温度ならびにZnF2の蒸着畳にしたがって, C膜上のZnF2が島状,

‑様な膜状およびこれらの中間の臨界膜状を呈することを電子顕微鏡で観察した。そして ZnF2蒸着量が一定な場合,単位面積あたりのZnF2の島の数をNとし, C膜の温度を T(oK)とするときInNは1/Tに関して直線的に増加することを前報で報告した1)。一方, C膜上に蒸着したLiF膜の成長初期段階を調べたCampbell et al.はLiFの蒸着速度が 大きいときの方が島の数が多いことを報告している2)。 ZnF2についての観察結果とLiFに

*長崎大学教育学部物理教室**長崎県西彼杵郡崎戸町江の島中学校

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2 久保為久麿・井上康明

ついてのそれとは,たがいに矛盾するものではないことも前報において述べた。ZnF2粒子の C膜上における付着エネルギー(ψ、d)と,その表面拡散の活性化エネルギー(ρd)との間に,

ψd>g。dの関係が得られた。このことは,C膜の温度が比較的高いことに対応すると考え られる。前回は,蒸着源におかれた所定量のZn:F2が所定の高温度に保たれる以前に,す でに,より低温度でC膜上に蒸着されたきらいがあった。したがって,蒸着膜を構成する粒 子の温度はC膜上に飛来するとき,必ずしも一様でなかったと考えられる。また,C膜の温 度〜6000C付近での島形成の模様がどうなるかの検討も充分でなかった。今回は,ZnF2の蒸 着時間を4secにして所定の温度をもったZnF2粒子が,C膜上に蒸着されるようにを数える 留意し,しかも,C膜温度が前回のそれよりも低温領域(〜6000C以下)にあるときの島の数 を数えるようにするなどのことをしたが,実験の方法は大体前回と同様である。尚,島の厚さ の測定は行なはなかった。

実 験 要 領

 試料作製のうち,ZnF2の焼結,ならびに下地の C膜作製の方法は前報の通りである。

 真空蒸着装置(第1図)は前報のものに若干手を 加えたものである。今回は特に,耀sh上に5加惚7 を装備し,それを定速モーターで引っ張って移動さ せた。真空蒸着装置内の真空度が,〜5×10−5To77 位になるまで排気し,C膜を所定の温度に保つ。つ ぎに蒸着源の加S如オに電流を流し,所定温度にな った後,εh厩オθγを移動させて,ZnF2をC膜上に 蒸着させる。ゐαsゐθ∫内のZnF2塊の量は5彿g,C 膜上のZnF2蒸着時間は45θ6とした。蒸着終了 後,直ちにC膜の加熱を中止した。更に,2卿加 後に,試料に αめoπ oα伽gを行なった。ZnF2 chargeの加熱温度は900,1000,1100および12000C

にした。

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・1.

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第1図真空蒸着装置

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観 察 結 果

 C膜とZnF2蒸着源のそれぞれの温度によるZnF2蒸着膜の構造の概略の模様を第2図に 示す。図中の膜,臨界膜,島に対する定義は前報で示した通りである。また,上方の曲線よ り上部では島,二本の曲線に挟まれた領域では臨界膜,下方の曲線より下部では一様なZnF2 蒸着膜が形成されていることを示す。臨界膜に相当する部分は図に示したように可成り判別し にくい部分で,今回の主な研究対象領域である。

 一般に,C膜の温度が〜6000C以下では低温からだんだん高くなると,単位面積あたりの

島の数は増加するが,島の面積は減少する。このことは,島の数は減少するが,島の面積は

増加するという前報の事情とまったく逆である。C膜温度が600。C付近になると,島の数

は著るしく増加する傾向がある。C膜上で面積1μ2あたりの島の数をNとし,C膜の温

度を温度丁(。K)で表はして,測定値をもとにして!πNむ3.1/Tのグラフを描くと第5図の

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弗化亜鉛蒸着薄膜(皿:)

5

ようになる。

 650 3 卜 600

1,5。

● 500 お も

お450

o 4 E

卜 わ 0 0 350 蕊 呂

3 300 ω

250 2

o 唇slond

▲ Cri曾icol F m X Film

0 o o o o

X X

o 0 o o

o

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2

ム 9

X X X

X X

X X

X X X X

ぎ 1榊

モ20

§

廻800

6

7 ぎ 頓 o

2 お

    900   1000  翻00   0200  Temperature of Vapour Source→θ℃

第2図 ZnF2膜の模様のC膜温度,ZnF2    蒸着源の温度依存性

雪0

 、

X魯200●C ム 00.C o⑩0σDC

● 9009C

6

  購45   婬Bs   l294   ,583     8486     1605

       51了異亀06{5!OK}

Reciprocol of Sub5看ro霊eτe 、perolure

第5図C膜上1μ2あたりの島の数の    C膜温度(。K)依存性

考 察

 固体の蒸発速度F(g・ 撚2・3εず1)は

     F一∠4P(彿/θ)1/2……・一………・一・……一……・・………一………一(1)

で与えられる3)。ここにPは固体の蒸気圧,勉はその分子量,θは蒸着源の温度(OK)お よび。4は5.84×10−2である。また,

     P㏄噸(一ρ/θ)………・…一…………・一………・…9…………り…・一(2〉

としてよいから,蒸着時間診内の蒸発量は

    1レf一/2P(翅/θ)1/2・ε

        ゆ

      二B(万)1/2θκρ(一ρ/θ)・レ・一一………一…………・・…………(3)

となる。但し,B,ρは定数を表はすものとする。(3)式から,θが増加すれば,Mが増加する ことがわかる。事実,種々の所定の温度をもつC膜上のZnF2蒸着膜の模様変化の傾向は,

θによる第2図と,Mによる前報第6図の間にかなりの類似がみられる。

 前報の考察に用いた蒸着源にある蒸着物質の質量Mとして(3)式のものを用いる以外は,島 形成のモデルならびに記号などは,ここでもそのまま前報のものを用いることにすると,前報 の(3)一(7)と全く同様の計算を行なって,(8)の代りに

     一! N」讐諮主+2岬一振・(沼 腸!据/θ)1/4♪+一・姻・

を得る。ここにたはBaltzmannの定数である。また,沼 一!i診とする。θが一定なときは,

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4 久保 為久麿・井上 康明

(8γから伽1Vと1/Tは直線関係となる。第5図は明らかに,この関係を満足している。こ の図の直線の匂配から,〜ρad−9dを求めてみると,

    9つad−90d≠0.212(θV)

となり,明らカ〉に

    ρad>9d

である。このことは,吸着したZnF2粒子のC膜上の吸着点における滞留時間が,吸着点か ら吸着点への跳躍時間よりも大きいことを意味する。このような事情は,C膜温度が比較的 低温(〜6000C以下)の場合には当然考えられることである。

 前報において1ま,%d<ψdという結果が得られたが,これはC膜温度が比較的高温度

(〜6000C以上)にある乙とに対応すると考えた。事実,前報で%d一伊dを求めた時のC膜の 温度領域は,今回のそれより高い。

 C膜が〜600QC以上と〜6000C以下の領域に保たれていることによるψadと朔の大小 関係の相違は,それぞれの領域において,島形成の過程が異なることを暗示する。

結 論

(1)ZnF2の蒸着温度が一定なとき,単位面積あたりの島の数をNとする。C膜の温度,

 T(OK),が〜600QC以下の低温領域に保たれたとき,」ηNは1/Tについて直線的に減少  する。これは7C膜温度が〜600QC以上の場合の前報の結果と傾向が逆である。

(2)C膜上に吸着したZnF2粒子の吸着点から吸着点への跳躍時間と,吸着点における滞留  時間との大小関係は,C膜の温度が6000C付近において逆転する。

 C膜の温度領域を〜600QCより低温および高温の両領域にした場合についての実験は目下 続行中である。

参考 文 献

/)久保為久麿・藤井光広・法村俊之: 長大教育自然科学研究報告,20(1969)1−/2

2)D.S.Campbell,D.」.Stirland and H.Blackbum: Phil.Mag.7(1962)1099−1/16 ろ) 三宅清司: 薄膜の基礎技術(朝倉書房)(/%8)107.

参照

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