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放 射 化 分 析 に よ る食 用貝 中の微 量元 素 の含 有 量 につ い て

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(1)

放 射 化 分 析 に よ る食 用貝 中の微 量元 素 の含 有 量 につ い て

司*

      長崎 大学 教育 学部 家庭 科教室       (昭和60年10月31日 受 理)

Content of Trace Elements in Neutron Activation

Edible Shellfish by Analysis

Masato TAMARI and Shoji HIRAI*

Laboratory of Food and Nutrition, Faculty of Education, Nagasaki University, Nagasaki 852, Japan (Received Oct. 31,1985)

Abstract

Trace elements in edible shellfish, AGEMAKI, Sinonovacula constricta and VIVIPARA, Cipangopaludina japanica were determined by non-destructive neutron activation analysis (INAA) using a high resolution Ge/Li/detectors. The powder samples were subjected to the neutron irradiations in reactor for 2 min at a thermal flux of 1.5 x 1012n • cm" • sec' and for 5 hrs at a thermal flux of 3.2 x 1012n • cm' • sec'.

Thus, seven elements in the former short irradiation and thirty-four elements in the latter long irradiation can be analysed. Thirty-four elements in the AGEMAKI and twenty-seven elements in the VIVIPARA were determined by INAA.

The decreasing order of content of the trace element is as follows : Cl(93000ppm)>

Na(64000ppm)>Mg(8500ppm)> Ca(8000ppm)>A1(1200ppm)>Fe(860ppm)>

Br(570ppm)> Te(190ppm)>Zn(170ppm)>Sr(170ppm)>Mn(77ppm) in the AGEMAKI, K(9200ppm)>Na(4000ppm)>Fe(1600ppm)>Zn(420ppm)> Ga(350ppm)>Sr(170ppm)>

Ni(79ppm)> Br(75ppm) in the VIVIPARA.

は    じ   め    に

  先 進 国 で は栄 養 素 の過 剰 摂 取 に よ る肥 満 及 び そ れ に 起 因 す る成 人 病 や 微 量 元 素 の 栄 養 に お け る必 要 性 が 大 き な 問題 とな って い る。 特 に,食 物 摂 取 様 式 に よ っ て無 機 元 素 の過 不 足

※ 武 蔵 工 業 大 学 原 子 力 研 究 所   Atomic  Energy  Research  Laboratory,  Musashi  Institute  of Technology.  Tama‑Ku,  Kawasaki,215,  Japan

(2)

が起り人の健康に大きな影響を及ぼしていることが指摘されている(1)。これら無機元素の 食品中の含有量及び存在形態を調べることは健康維持の上で重要な課題である。これまで,

無機微量元素はCa,P,Fe,K,Naを中心に多種の食品で分析され日本食品標準成分表に 記載されているが,その他の微量元素に関しては分析法などの困難もあり,あまり多く分 析されていない(2〜12)。

 我々はこれまで食用貝及びそめ構成タンパク質などに結合する無機元素を原子吸光法で 分析した。今回は食用貝類のなかでも有明海に棲息するマテガイ科のアゲマキ貝.

(S吻ono∂06吻60%s!万6孟π)と九州で主に養殖されている食用オオタニシ(C吻η一 go勿伽4初召 力ρ伽初)の無機微量元素について原子吸光法と機器中性子放射化分析法

(INAA)によって,遊離型および結合型の含有量を測定したので,その結果を以下に報告

する。

実 験 方 法

1.試  料

 試料は二種の食用貝,アゲマキ(S初oηo∂66吻60ηs≠7如召)及びタニシ(Cゆ伽go勿1%4吻 勿αη吻)を用い,それぞれ可食部の凍結乾燥粉末を調製した。

 II.分析方法   1) 非破壊放射化法

 上記粉末試料の44.5〜217.7㎎を精秤し,ポリエチレン袋に二重封入して照射試料とし

た。

 照射は生成核種の半減期により,短時間および長時間の二種類の条件で武蔵工業大学原 子炉(TRIGA−II型,最大熱出力100即)で行った。照射後は二重のポリエチレンの外側を 新しいものと交換し,Ge(Li)検出器とマルチチャンネル波高分析器とでγ線の測定を行っ た。Table1に使用した試料量,照射および測定条件を示す。

Table1.Irradiation and counting cnditions for INAA of two kind edible shellfishs

Sample Thermal neutron   Sample Irradiation Cooling Counting flux(n。c㎡2se♂)   weight  time     time   time Irradiation facility

Nuclides

     1.5×1(ド2

     Pneumatic transfer      tube

AGEMAKI

     1.5×10ユ2S肋oηo αc初 α Pneumatic transfer c・ηsむ・γεcεα tube

     3.2×1012      Central thimble      3.2×10ユz     Central thimble

0.20539  2min  70sec  400sec Br,Mg,Mn,Na,Cl,Ca

0.04459  2min  12min 1200sec Br,Mg,Mn,Na,Cl,Ca,Al

0.21779 5hr 0.21779 5hr

7−11days 18days

1』3hr Sm,Br,Na,Au,As,La,Sb 1ghr Gd・Se・Ce・Te・Fe・Yb・Lu・

   Ta,Zn,Co,Hg,Th,Cr,Hf,

   SbEu Sr      3.2×1012TANISHI, Central thimble   O・20549

Cゆαη80Pα」α・

伽αノα卿eα 認0孟imble ・.1・669 5hr 5hr

      Na,K,Ga,As,Br,Sb,La,

7days1・8hr Sm,Yb,Au,U

24days6.4hr賃識ε書:畏乳ξぎ盈激       Ba,Rb,Sr,Zn,Ta

(3)

Table2に解析に使用した核種,並びにその半減期と注目したγ線ピークのエネルギー

を示す。

Table2.Nuclear data for determination by INAA

EIement Nucl ide  27  Mg  56  Mn  24  Na  38  Cl  42  K

 72  Ga  28  Al  49  Ca  82  Br153   Sm 76   As140   La239   Np198   Au122   Sb153   Gd 75   Se141   Ce123   Te 59   Fe169   Yb175   Yb177   Lu182   Ta203   Hg233   Pa 51   Cr181   Hf152   Eu 85   Sr134   Cs110   Ag 58   Co160   Tb 46   Sc 86   Rb 65   Zn 60   Co131   Ba

Half昌life Gamma・ray energy(KeV)

MgMn Na Cl

KGa Al Ca BrSm

As La

uAu Sb Gd Se Ce Te Fe Yb YbLu Ta HgTh Cr Hf Eu Sr Cs Ag

Ni Tb Sc Rb Zn Co Ba

9.45mi n 2.58hr

 15hr 27.29min 12.38hr 14.1hr

2.31mi n 8.8min 35.87hr 47.1hr 26.3hr 40.27hr

2.35day 2.70day 2.75day 236day 121day 32.5day lO4day 45.1day 30.6day 4.19day 155day 115.1day 46.9day

27.O day

27.8day 44.6day 12.2yr  64day 2.07yr

253day 71.3day

73.O day

83.9day 18.66day 245day

5.24yr 11.5day

1013, 842

845 1367, 2756 1641, 2167 1525 834

1778.2

3087

554, 619, 777 103

559,657

487, 1595 106, 228, 278 411

564 97.5 136,265 149 159 1099, 1292 197.8 396 208.4 1222 279

300, 312, 340 320

346,482

964, 1086, 1408

514 605,796 658, 885, 937 810

879, 966, 1178 889, 1120 1077 1115 1173, 1332 216,496

 アゲマキ貝の短時間照射は気送管で2分間照射し,70秒〜12分間冷却後,27Mgなど7核 種に注目して400秒〜1200秒間測定した。長時問照射は中央実験管で5時間照射し,7日

〜11日冷却後,24Naなど7核種に注目して1〜3時間測定した。さらに,同一試料を18日 冷却後,65Znなど17核種に注目して19時問測定した。

 タニシ貝では長時間照射を中央実験管で5時間行い,7日冷却後,24Naなど11核種に注 目して1.8時間測定した。さらに同一試料を24日冷却後,5gFeなど19核種に注目して6。4時

(4)

間測定した。

  2) 原子吸光法

 Fe,Ca,Znは原子吸光(島津原子吸光/フレーム分光光度計AA−620)法によっても定 量した。定量は標準溶液(原子吸光用1000ppm)を希釈し測定した標準曲線を基にして算 出した。検体は試料を550〜600。Cで灰化した後,6N塩酸で溶解し一定容に希釈したもの を測定した。

  3) その他の成分の測定

 PはCHENら(13)の方法によって定量した。アミノ酸は自動分析計(日本電子JLC−200A)

で,ペプチドはROSENのニンヒドリン比色法(14)によって定量した。水分,タンパク 質,脂肪,繊維,灰分および可溶無窒素物は実験農芸化学(東京大学農芸化学教室編上巻)

に従って定量した。

  4) アゲマキ貝の熱水可溶物の抽出

 アゲマキの凍結乾燥物約59をビーカー中で蒸留水100m1と10分間煮沸・抽出した。次に 3,000rpmで15分間遠心分離を行い沈殿物(A画分)と上清を得た。次に上清はViskin膜

を用いて蒸留水31で24時間透析した。外溶液(B画分)は凍結真空乾燥を行い,内溶液

(C画分)はエバポレーターで濃縮した。これらのA,BおよびC画分についてFe,Ca,

Znを原子吸光法で,Pを比色法で測定した。

  5) アゲマキ貝のTCA可溶物の抽出およびカラムクロマトグラフィー

 試料約29をビーカーにとり,10%TCA(トリクロロ酢酸)50m1を加え30分間撹搾後,

遠心分離(3,000rpm,10分問)し上清を得た。この操作を2回行った。上清約100m1を分 液炉斗にとり,エーテル50mlを加えて振とうしTCAをエーテル層に分配除去する。この操 作を2回行った。水層をエバポレーターで約3mlまで濃縮した。これをセファデックスG

−25カラム(2.5×37cm)に注入し,カラムは0.05N酢酸で3.6m1ずつ100本に分画した。

 これらの各画分は280nmの吸収およびペプチドを測定した。さらに,得られたピークに ついてアミノ酸およびFe,Ca,Zn,Pを測定した。

実 験 結 果

 アゲマキ貝の一般化学成分は水分85%,粗タンパク質8.2%,粗脂肪1.0%,粗繊維 0.4%,粗灰分3.7%および可溶無窒素物L7%であった。これを固形物当りに換算すると,

粗タンパク質54.8%,粗脂肪6.7%,粗繊維2.7%,粗灰分24.7%および可溶無窒素物11.3%

という値になった。アゲマキおよびタニシの無機微量元素の放射化分析による結果を Table3に示す。分析された元素はアゲマキで34元素,タニシで27元素であった。その結 果,10,000PPm以上含まれる元素は,アゲマキのNaとClの2元素のみで特に高い値を示

した。1,000PPm以上はアゲマキでMg,Al,Caの3元素,タニシでNa,K,Feの3元 素であった。100PPm以上はアゲマキでFe,Br,Te,Sr,Znの5元素,タニシでGa,

Sr,Znの3元素であった。

 10PPm以上はアゲマキでMn,Niの2元素,タニシでBr,Cr,Ni,Rb,Baの5元素 であった。その他の元素は10ppm以下の含有量であった。

(5)

Table3.Analytical results by INAA of trace elements in AGEMAKI,

   S加oπoびαc% αcoπsεoγ∫cεααηd TANISHI,Cゆαη80pα 認診πα    ノαPα初eα.(The values are given in pPm)

Element AGEMAKI TANISHI

MgMn NaK

ClAl CaBr GaSm

AsLa Auu GdSb SeCe TeFe YbLu TaHg ThCr HfEu CsSr AgNi TbSc RbZn CoBa

8500

 7764000

93000 12008000

 5700.19

 8.9

0.00830.62 0.097  4.6  4.4 1.3

 190 8600.091

0.0080 0.015 0.050 0.16  4.80.074

0.053

 1700。11  160.0180.90  5.90.23

 170 0。81

 750.099  350 1.4

0.26

0.0014

 1.30.16 0.98 1600 0.12 0.023 0.086 0.092

 29

0.015 170 0。20  790.32

 140.24420

6.3

 21

次にアゲマキの熱水抽出物および不溶物中のFe,Ca,ZnおよびPの含量を原子吸光法 によって測定した結果をTable4に示す。各画分を比較すると,Fe,Ca,Zn,Pの含量 は,熱水不溶物のA画分において高い値を示し,それぞれ全体の割合は88%,71%,62%,

Table4.Trace element contents in hot water−soluble and・insoluble    fractions of AGEMAKI,S∫πoπo砂αc% αcoηs厄αα.

Fraction Fe Ca Zn P

A B C

TotaI

513.8 33.2 39.7 586.7

4365.6 1749.5 34.5 6149.6

96.6 36.6 26.1 159.3

4828.2,

1467。0 1292.6 7587.8

The values are shown in ppm

64%であった。熱水抽出物の透析外溶物(B画分)と内溶物(C画分)におけるFe,Ca,

Zn,Pのそれぞれの割合はB画分が6%,28%,24%,19%,C画分が7%,0.6%,

17%,17%であった。4元素間の全量の比較ではP(7587PPm),Ca(614gPPm),Fe(586 PPm〉,Zn(159PPm)の順に高い値を示した。これらの結果は4元素ともに大部分は熱水 で抽出されない不溶性の形態または高分子結合形として組織内に存在することを示してい

(6)

る。

 Fig.1はアゲマキを10%TCA抽出処理した抽出物のセファデックスG−25のカラムクロ マトグラフィーの結果を示している。その結果,試験管数16〜26本に280nmの吸収と570

12

N8

ρ

①1

o/

o>6\

\、 !

    叙。_。!。

      x\

       X\

         X          \       x

 X−X−X

 o3_

 o  o  の E 2 萩

 ・口の

 一る

 ◎  o こ

 。…i

1(

     0

        14      16     18    20    22     24     26      28       Frac ti on numbeγ  (3.6 m1/tube)

 Fig.l Sephadex G−25column chromatography of the lO%TCA soluble fraction  of AGEMAKI,S∫ηoηo∂αcぬcoπ伽 c彦α.The column was eluted with O.05N acetic acid.

 Each fraction was detemined absorption at280nm and amino acids at570nm.

nmによるアミノ酸の吸収を示すピークが得られた。このピークの画分を集め,一部を塩酸 加水分解した後,自動分析計を用いてアミノ酸の定量を行った。その結果をTable5に示

す。

Table5。 Amino acid compositions in the acid hy(irolysates of the eluate

(tube No.16−22〉from the column of SephadeX G−250f the TCA soluble fraction of AGEMAKI,S診ηoηoびα副αcoη5短cオα.

Amino acid μmole Number of amino

acicl resi(iues

Asp Thr

Ser Glu Gly Ala VaI

Ile

Leu Tyr Phe His Lys Arg

0.1764 0.1800 0.1808 0.2396 0,1696 0.1652 0.0616 0.0400 0.0160 0.0496 0.1736 0.0886 0.3360 0,0692

11.0 11.3 11.3 15.0 10.6 10.3 3.9 2.5 1.0 3.1 10.9

5.5

21.0

4.3

(7)

 表から,リジン,グルタミン酸,アスパラギン酸,スレオニン,セリン,グリシン,ア ラニンが高い値を示した。さらに,このピーク中に存在する結合型のFe,Ca,Zn,Pの元 素について定量を行った結果,Fe8,4ppm,Ca43.4ppm,Zn7.5ppm,P157.7ppmの低い 値が得られた。このことは,これらの元素が酸可溶性の低分子ペプチドなどの結合型とし ても存在することを示している。特に,P,Caはその割合が高かった。

 アゲマキの化学成分を他の貝のそれと比較した場合に,最も近い値を示しているのがア サリである。アサリのタンパク質は可食部1009当り8.39で,これはアゲマキの8.29と近 値しているが,その他の貝は10〜209/1009可食部であり,貝全体から見るとアゲマキは

タンパク質の少ない食品である。脂質や糖質は他の貝類とほぼ同値である。繊維は貝類の すべてについて食品成分表の値は09であるが,アゲマキは0.49となりこの数値は再検討 する必要がある。灰分はアサリの2.79/1009よりも19多く,タニシの3.59を上回る3.7

9であった。アゲマキのCaとFeは淡水産のタニシ,シジミを除けば,海水産の貝類の中 では最も多い量を示した。またアゲマキのNaは他の貝類の2.3倍もあり,これはアゲマキ が海水産であるために食塩が試料中に含有されていたためと思われる。このことは,Table 3に見られるように,Na(64,000PPm)およびC1(93,000PPm)が異常に高い値を示して いることからもわかる。アゲマキについては,Ca,P,Fe,NaおよびK以外の微量元素 は分析資料がないために比較できないが,無機元素に富んだ食品であると言える。このこ とは,有明海産の貝は他のそれよりも無機元素に富むことがアサリなどの貝穀によって示 されている。

 アゲマキ中のFe,CaおよびZnの3元素を原子吸光法(Table4)と放射化分析法(Table 3)で分析した値を比較すると,前者ではFe(590ppm),Ca(6,150ppm),Zn(160ppm)

であるのに対し,後者ではFe(860ppm),Ca(8,000ppm),Zn(170ppm)となり,放射 化分析で若干高い値を示した。このことは,原子吸光法では試料の前処理において元素の 損出が大きいと言われていることを考えると,放射化分析法の値はより正確なものと言え

る。

 次に,アゲマキ中のFe,Ca,ZnおよびPの熱水抽出において,これらの4元素は熱水 で抽出される割合は少なく,大部分は不溶性成分と結合していることを示睦している。特 に,Caは71%が熱水不溶の沈殿物に,約28%が透析外溶液に含まれ,透析内溶液には0.6%

しか含まれていない。これは抽出物中のCaは水溶性の低分子化合物,たとえば低分子タン パク質あるいはペプチドなどとの結合型,あるいはCa2+として多く存在し,水溶性高分子

タンパク質などの結合型としては微量しか存在していないことを示している。それに対し て,ZnやPは約17%が水溶性高分子タンパク質などの結合型として存在していると思わ

れる。

 アゲマキのFeは4元素の中で沈殿物に最も多く存在し,熱水で抽出され難い元素であ ることが明らかとなり,その存在形態に興味がもたれる。

(8)

(1〉アゲマキの一般化学成分はアサリのそれと酷似していた。放射化分析によって測定さ  れた元素はアゲマキで34元素,タニシで27元素で,その含量は前者はCl>Na>Mg>

 Ca>Al〉Fe〉Brの順に多く,・後者はK>Na>Fe>Zn〉Ga>Srの順に多かった。

(2)アゲマキのFeは88%が水不溶性の型で,Caは30%が低分子結合型または遊離型とし  て存在した。また,ZnとPはFeとCaに比べて熱水可溶の高分子結合型が多かった。

(3)アゲマキのTCA可溶の低分子ペプチドには微量のCa,Fe,ZnおよびPが存在し,

 酸可溶性複合体を形成していることが明らかとなった。またそのペプチドのアミノ酸組  成はリジン,グルタミン酸,アスパラギン酸,スレオニン,セリン,グリシン,アラニ  ンが多かった。

 謝辞 本研究を進めるに当りご助力をいただきました卒業生の野崎浩子氏(現・上五島 高校)および原子吸光計の使用を許可下さいました排水等分析処理センターの原由美子氏 に感謝致します。

3)

4)

5)

6)

7)

8)

9)

10)

11)

12)

13)

14)

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  田中元雄,池辺克彦,田中涼一,国田信治:食衛誌,14,196(1973)

  田中元雄,池辺克彦,田中涼一,国田信治:食衛誌,15,313(1974)

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参照

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