高校期 ・大学受験期の生活体制 と 大学生期の適応 ( Ⅰ)
‑入学直後の適応および 自我 同一性 との関連性 ‑
Li f e s p aceSt r uct u r ei nb e f or e‑ E nt r a nc eD ay sa n dA dj u s t me ntofU ni ve r si t ySt ud e nt : wi t hs pe ci alr e f e r e nc et ot h epe r s o nala dj ust me nt
a n dt h ei d e nti t yst at u sj us taf t e ru ni ve rsi t ye nt r a nc e
弘前大学教 育学部弘前大学保健管理セ ンター 弘前大学教養部
彦哉男
秋宜晴
嶋山野
豊遠芳
Ⅰ.大学生研究 における方法論 的諸 問題 と本 プ ロジェク トの 目的
Ⅰ‑
1.大学生研究の意味 と方法を巡 ってⅠ‑2,
高校期 ・大学受験期研究の意味 と本稿の 目的Ⅱ.
資料収集方法 と分析手続皿.高校期 ・大学受験期の生活体制 と総括 的適応感
Ⅳ.
高校期 ・大学受験期の生活体制 と自我 同一性Ⅳ‑1.
同一性地位 (iS)
との関連性Ⅳ ‑ 2.
同一性地位3
下位尺度値 との関連性V.
総合 的考察付 一資料
I.大学生研究 における方法論的諸 問題 と本プ ロジ ェク トの 目的
Ⅰ‑1
.大学生研究の意味 と方法 を巡 って本誌
4
号 (豊 嶋ほか1 9 7 9 )
以来,我 々は主 に本誌あ るいは大学保健管理研究集会 ・全 国学生相 談研究会議 に拠 って, 中層接近 (あ るいは 中間的接近法 :me di a n‑ a p pr o ac h)
の立場か ら大学生の 適応や精神健康の構造, およびその変容の機制 と過程の全体像を記述 ・分析す ることと, それ に基 づいて学生相談 ・厚生補導 ・保健管理な ど大学生の適応援助活動の焦点領域や方 略を確定す ること とを究極 の 目的 と した,大数的あ るいは事例的 】)な研究を報告 してきた。本研究は この究極 的 目的 を達成す る一環 と しての新研究 プ ロジェグ トの第一報であるので, このテーマに関す る文献展望 と, 本 プ ロジ ェク トにおける我 々の方法論的 ・原論的な立場を述べ ることか ら稿 を起 こ したい。そ して 実は,我 々が本プ ロジェク トを含む一連の大学生研究の成果発表の場 を,殆 どの場合,既成の主要(1 )
保健管理センター非常勤カウンセラー‑ 5 ‑
心理学諸学会 にではな く本誌や上述の研究組織 に求 めてきたのは,単に大学生の適応援助 とい うテ ーマにとって これ らの場か最 も相応 しいか らというだけではな く,中層接近の立場を択 ること,大 学生を研究す ること,全体像の把握を 目指す ことという我 々の方法論的 ・原論的な立脚点 とも関連 した方法的意味をもつのである。 この "意味"を解説す るには,第一に主要な心理学諸学会 には拠 らないこと,第二 に中層接近法を択 ることという二つの特徴 について述べれば充分であろう。
第‑の特徴 は,既成の主要心理学諸学会の文化における三つの方法的偏向に関連 している。偏向 の第一は,人や集 団の全体像の把握を "永遠の課題"に先送 りし,人の部分機能 ・断片的特性 に標 的を絞 ってそれ らの相互 関連を解明す ることに終始す る, <スマー トな研究 >‑の噂壁である。か くて具体 的 ・現象的な生
( Leben)
は <心理学 >的 ・統計学的に抽象化 され スマー トに疎外 されて い くのだが,主要心理学諸学会誌はそのような研究でほぼ埋め尽 くされている観を呈す る。他方かか る偏 向か ら免れている心理臨床関係の諸学会 においては,もう一つ別の偏向か感知 され る。それは,個別事例の内面的ダイナ ミックスに過度に密着す るあまり,その結果,対象 とす る現 象群を類型論を通 して普遍化 し全体像に迫る視点に欠けかちな傾向であ って, これか第二の偏 向で ある。 この偏 向に対 しては,名古屋大学学生相談室紀要や全 国学生相談研究会議に拠 る鶴 田
(1 9 9 1 a . b ,1 9 9 2 a . b ,1 9 9 3 )
によって,克服への試行かなされている2)
。彼 は内面的ダイナ ミックスに密着 す ると同時に, [学年次 ×主要生活空間領域 との関わ り特徴 ],および [学年次 ×面接主題 ]のマ トリックスを綿密 にまとめなが ら 「面接で行われた心理的作業」を確認 してい く方法を多数の学生 相談事例 に対 して丹念に適用 し, さらにその知見を総合す ることによって,わが国学生の発達周期 論を提出 しつつある。 しか しかか る普遍化の志向は,内面的ダイナ ミックスに焦点をあて る他の研 究者には明確な形では兄 いだ し難 く,鶴 田は第二の偏向か らの貴重な例外 と位置付けねばなるまい。第三の偏向は,大学 に所属す る<研究 一教育 >者にとって もう一つの主任務である,厚生補導を も含む学生教育のための研究,即 ち, <大学生の教育心理学 >研究か,心理臨床関係の学会 ・研究 者による<病理的 >な対象者に関するもの,あるいは,学生指導の観点 こそ持たぬ とはいえ近年漸 く散見 される大学生の 自我同一性研究 (例えば,加藤
1 9 8 3
,都筑1 9 9 3 )
な どを除けば,著 しく 貧弱なことである。
大学生研究の先駆者の一人である倉石ほか( 1 9 6 8 )
か四半世紀以前に "大学生 の教育心理学の不在Mを指摘 したか,主要心理学諸学会誌を見ると, 『教育心理学年報」
誌か学生 生活の心理学を展望 (遠藤編1 9 7
1) して以降,大学生の全体像に迫る志向は乏 しいと言え よう。
しか もその 「展望」か引用 している個 々の文献は,必ず しも全体像に焦点付 け られてはいないので あるが,それです ら掲載誌の多 くは 「厚生補導」誌や 『厚生補導研究集会報告書」誌,あるいは大 学紀要であ って,主要心理学諸学会の関連誌 と しては学会発表抄録に限 られ る傾向があるのは,倉 石 らの指摘を裏付 けている。先にふれた鶴 田 (
1 9 9 2 b )
か,病理性の弱い "健康な"学生をも含む 一般発達周期論を 目指 しているのは,やは り例外なのである。要す るに大学生研究, ことに病理性 が弔いか または無 い学生や大学生一般の全体像に迫 ろうとす る文化が未発達なのである。
以上,主要心理学諸学会の文化において,全体像 ・全体性か らの帝離傾向と大学生研究の疎外傾 向が認め られることを述べた。かかる文化を越えて大学生の全体像 に迫るためには,学生の係わ り 対者や環境が発す る社会的文化的要請 と人格の間の関連性を,社会心理学的適応を分析の鍵概念 と
して 「中層接近」 してい く 「大学生学」の構築か望 まれるのである。
さてもうひとつの特徴である中層接近 とは,人格 一社会 一文化の三者間関連 においてのみ生ず る
ー 6 ‑
人 間の具体 的な生
( h u m a nl i f e )
や行為 (s o c i ala c t i o n)
を捉え るに際 して,三者夫 々の機能的・構造的な意味を見失わぬ方法 と して安倍
( 1 9 5 6 ,1 9 6 9 a , b
)か提唱 した接近法である。 そこでは, 一方では,個人の人格構造,他方では,彼 に関与 し彼か準拠す る社会 ・文化の側の構造 (特 に要請・サ ンクシ ョンの構造) とか出会 う場,換言すれば 「(社会 ・文化の)時代史的状況 と個人の発達 的 ・生活史的状況 との交差点
」
(石郷間1 9 6 9 ,5 6
頁)に,先ず焦点かあて られてい く。例えば学 生の虜合, この <出会 い >の場/ 「交差点」 とは,客観的には学生生活の 中で大学生が係わ る個 々 の授業場面,友人や教師 ・家族 との係わ り場面,クラブ活動場面等 々の行動空間であ り,主体 内に おいてはそれに対応 して形成 され る個 々の生活空 間 (l i f es pC e )
になる。そ して個 々の生活空間 は,学生 にとっての主観的意味を規準 と して生活空間 「領域」にまとめ られていき, さ らに,学生 の内的な欲求 ・価値 ・イメージ ・目標や <自己>とい った内的対象 との係わ りもまた,それ らに対 応 した生活空間領域 と して析 出されるであろう。かかる諸領域は 自我 中核的な欲求 ・価値 ・目標 ・ 将来展望 ・生 き方な どが統合 と整除の原理 とな って,中核領域 ・周辺領域 ・辺縁領域な どをもつ生 活空間構造へ と構造化 されてい くと考え る (豊嶋1 9 9 3 b ,4ト4 3
頁)。従 って 中層接近 によって人格を捉え るには,先ず学生の生活空間構造 (よ り日常語的に表現すれ ば 「生活体制」)を探 り,次に各領域における学生の人格適応感 と各行動空間における学生の社会 (文化)適応の状況をおさえてい くのである。学生集 団や群 と しての学生を捉え るにあた って も, その平均的 ・代表的 ・典型的な生活空間構造 と人格適応 ・社会 (文化)適応の状況の把握が第一の 課題 となる。かか る理解 の次の段 階と して,必要な場合には,一方ではよ り微細な人格特徴やよ り 深層のダイナ ミックスの知見を,他方では,例えばゼ ミ集団や友人集団,大学全体な ど,学生か直 接そこに欲求や価値を投 げかけ,準拠 し,逆にそこか らの要請を受ける,係わ り (相互作用)対象 と しての諸集 団一文化の客観的な構造や,ひいてはそれ らを包摂す る大規模な社会 一文化 との関連 性 に関す.る知見を統合す ることによって,よ り包括的な全体像かえ られてい くであろう。
Ⅰ‑2.
高校期 ・大学受攻期研究の意味 と本稿の 目的現時点における人の生活空間構造は,前節でふれたように 「発達的 ・生活史的状況」の規定を う ける し,適応 も精神健康 も生涯発達的に継起 してい くのであるか ら,大学生の適応 に中層的に接近 す るには,入学以前の生活空間構造 との関連性や移行過程の解明が必要 になる し,大学生の適応援 助のためには,それを踏 まえて入学以前の教育システムに対す る提言を行 う視点か必須 となる。
かかる観点に立つ大数的研究 と しては,進学進路決定過程 と入学後の不適応の関連性の研究 (岨 中
1 9 8
1),進学塾体験 と大学期の精神障害 との関連性の調査 (桜井ほか1 9 8 7 ,1 9 8 9 )
,予備校 生 と大学新入生の 自己概念等の差異 に注 目した大学生の適応論 (内野ほか1 9 8 8 )
,過去のい じめ 体験 と大学新入生の精神健康 との関連性の調査 (奥村ほか1 9 8 9 )
な ど,学生相談 と大学保健管理 に携わ る研究者 によるものか見 出される。 しか し彼等においても,統計結果の構造化ではな く単な る差異の羅列 に留 まる傾 向や,全体性か らの疎隔傾 向が看取 され る。一方,適応援助の実践 に関わ りの薄い研究者 においては,受験期か ら大学‑の移行を成溝の観点に限定 して論 じる歪少化 に陥る 傾 向 (浅井1 9 8 3 )
や, よ り致命 的に, 「移行期の発達心理学」や 「青年心理学」を標傍 しなか ら も,受験期か ら大学への移行 とその後の適応 というテーマそれ 自体を欠落させ る傾向 (山本 ・ワッ‑7‑
ブナ‑
1 9 9
1,西平 ・久世1 9 8 8 )
か根深 く存在す る。他方,大学生の適応状況の時期的構造,逮 応過程 とその予測囲,適応状況の時代的変遷,教養部留年 と卒業遅延の予測園などをテーマと して きた我 々の大学生研究においても,高校 ・大学受験期の生活空間構造や生活体制 との関連性への焦 点付けは不充分なものに留まっていた。そこで本プロジェク トでは,大学入学以前の生活空間構造および大学‑の進学進路決定過程 と, 大学期 における適応状況 との間の大数的な関連性の探索か 目指される。 ここで進学進路決定過程を 取 り上げるのは,進学準備行動か生活空間構造のかな りの部分を覆い,さらに進学 目的や志望 ・受 験 ・入学の決定要因等が,生活空 間の構造化原理 と して機能す ると考え られるか らである。その第 一報である本稿 においては,進学進路決定過程に焦点を当てた探索は他稿 (準備 中)に譲 り,特に 高校 ・大学受験期の生活空間構造 (生活体制)に注 目し,それに関す る変数群を独立変数,大学入 学直後の適応状況を従属変数 とした分析か行われることになる。
他方 <大学入学直後の適応状況 >は,総括的適応感 (入学決定以降の生活空間諸領域への係わ り を回顧 させた後に現れる全体的な人格適応感。 日常語的には '̀生活の順調な展開''感 ;
s u J T ua r i z e d f e e l i n go ft o t ala d j u s t m e nt:SA
と略記)と, 自我同一性地位 (IS)
とによって捉えるか,そ の根拠は次の通 りである。学生の適応感は,先ず主要な社会的文化的行動空間との間の相互作用の所産 と して,その空間に 対応 した生活空間領域における自我支持 一自我受傷の関数 と して形成されるか,それはあ くまでも 個 々の生活空間領域 についての適応感に過ぎない。それに対 して SAは,個 々の生活空間領域 にお ける人格適応感の総合 と して構成 されるものであ り, トータルな感情 として生活空間構造全体を覆 うことによって,逆に人はこの SAを以 って個 々の行動空間と係わ ってい くことになる。即ち,個 々の生活空間領域 における適応感は,同時にSAの関数でもある。従 って学生の適応の全体像 に対 する接近焦点 と しては,個 々の領域毎の適応感 よりもSAか受当になるのである。
次に自我同一性 とは, 自我 中核的な欲求 ・価値 ・目標 ・将来展望 ・生き方などと同様に,あるい はそれ らを規整す る, <生活空間構造の統合 と整除の原理 >であ り,生活空 間諸領域への係わ りと 傾注の仕方を規定 し,生活空間構造全体を支えて
い
く機能であると考え られる。従 ってISもまた,
学生の適応の全体性 に迫 るための有力な接近焦点 と位置付け られる3)
0以上,本節では高校 ・大学受験期の生活空間構造を捉え る意味と, <大学入学時点における適応 状況 >に接近す るに際 して
SA
とIS
を焦点にすることの理論的妥当性 とを明 らかに しなか ら,今 回の分析の 目的を述べた。].資料収集方法 と分析手続
(1)対象者 と資料収集方法 : 平成
5
年度の弘前大学の新入生中,開講第一週の教養部心理学講 義の受講者 に対 して,中層接近の理論枠に基づ く 「大学生の適応状況 と適応過程に関す る調査票」4) か講義時間中に実施 ・回収された。有効回収票は全人学者の7 8 . 2 %
に達す る (表1
)。質問紙の うち今 回分析 されるのは,独立 (説明)変数 と しては,文末資料 に示す高校 ・大学受験 期の生活空間構造 に関す る諸設問‑の反応である。 <入学直後の適応状況 >は, SA反応 と同一性
‑8‑
地位尺度 (加藤
1 9 8 3 )
で測定 したI S
とによって捉え る。sA
反応 とは 「要す るに,弘前大学への入学か決 まってか らこれまでの生活は, うま くいってい ますか」 とい う5
点尺度 (「1
,非常に うま くいっている」「 2 .
どち らか とい うと」「 3 .
どちらとも いえない」 「 4 .
どち らか というと」 「 5 .
非常 にうま くいっていない」)への反応である。
「同一性地位尺度」 は 「現在の 自己投入
」
「過去の危機」
「将来の 自己投入の希求」 という3
下 位尺度値 (夫 々,最小値4
,最大値2 4
。 原尺度では高得点ほ ど積極的意味を担 うか,本研究では他 の反応値が高得点ほど非適応的反応 に してあるので,下位尺度値を逆転 し,方 向を揃えてある)に よって6
地位 にIS
を分類す るものである。対象者 における
SA
とIS
の分布 状況は麦 2
,麦 3
に示 した。辺
.分析手続 : 先ず,独立 (読 明)変数群の うち5
点尺度値および「現所属選択動機
」
(この大学 ・学 部 ・学科を選んだ理 由:1
1項 目か ら 無制 限選択 させたか,分析に際 して は「1 1
その他」を除外 )に数量化Ⅲ類を施 して得 られた各軸に対す る サ ンプル得点 とについて
,SA
得点 ・ 同一性地位尺度を構成す る3
下位尺 度値 ・<地位得点 >の5
変数を夫 々 目的 (基準)変数 と して,相関係数 お よび逐次重 回帰分析 によって考察 かな されてい くが,その うち3
下位 尺度値 に対す る分析は,iS
に関す る補足的な知見を得 る 目的で行われ る。また逐次重 回帰分析では,関連 変数を広 く拾い上 げる 目的か ら導入・除去の規準を
1 0 %
に採 り,有意(p
≦0 . 1 0 )
な標準偏 回帰係数( s t d . B )
を持つ変数かな くな った段階で打ち 切 って,その段階での結果に注 目し た。目的変数の一つに設定 した<地位 得点 >とは,
IS
に対 して達成的ほ轟 1
.分析対象音義 2.
総括 的適応感( SA)
の状沢 有 効回収 数 入 学者
への%文 済 人 経 育 理 医 農 文 文 教 人 人 9 1 6 5 0 DU 2 2 7 3 4 2 6 7 分U pU pU 8
0 5 4 7 4 0 9 5 2 9 nxU 2 : U且1日
計
群
尺皮値 有効資料数(%)適 応 2 46 1 7 7 9 ( 三 … : 4 2日 ( : 4 6 , 6 6 ) 中 間 3 2 5 7( 2 6 . 7)
非 適 応 4 5 1 ; : ' : ; : 冒 ( : : . 1 7 ,
同一性地位 (lS)と下位尺度値
群
%は欠測値のある資料を除く
9 49
名が母数。下位尺度値は原尺度値を逆転
( 2 8
点一原尺度値)0 ど低得点,拡散的ほ ど高得点を与えて便宜的に間隔尺度 と見倣 したものである。但 し,権威受容地位は "達成 一拡散"の連続体か ら逸 れ 且つ極 く少数であるために除いて,残 りの
5
地位か得点化 された (表3
参照)0次 に,大学進学 目的,高校 ・大学受験期の生活空 間構造 (自我 中核的領域 : 「一番力を入れたこ
‑9‑
と」, <不全 >領域 : 「力をいれたか ったのに,できなか ったこと」, <拘束 >領域 : 「や りた く なか ったのに,や らざるをえなか ったこと」)を問 う自由記述式項 目に対す る反応 と,
SA
およびIS
との関連性が調べ られる。その際,SA
については,1・2
点の者を 「適応」群,3
点を 「中 間」群,4・5
点を 「非適応」群 と三分割 し,IS
については,同一性達成地位 とA‑F
中間地位 とを一括 した 「達成的」群, 「モラ トリアム」群,D‑M
中間地位 と同一性拡散地位 とを一括 した「拡散的」群の
3
群を構成 し,夫 々について反応率の群 間比較かなされてい くQSA
,IS
ともに5
乃至6
群構成が可能であるが,それでは却 って煩雑で眺望 を阻む こと,原反応の質的論理的意味 を考えるとこの群構成か安当であること, という理 由で3
群構成を択 った。( 3)
考泰の方法 : 考察に際 しては次の二つの規準か適用 される.
第‑は多変量解析の結果を偏 重せず,相関係数や度数比較結果 にも等 しく目配 りすることである。第二は,その変数 ・項 目か一 般に関係 している生活空 間領域か何であるかに注 目して統計的知見をまとめてい くことである。な お,考察の過程で提 出される説明仮説の うち,今 回使用 した変数によって検証 しうるものについて は,その都度,必要な統計的分析か施 されてい く。刀.高校期 ・大学受攻期 の生活体制 と総括 的適応感
5
点尺度項 目‑の反応値, 「現所属選択動機」の各軸におけるサ ンプル得点 と,SA
(総括的適応義 4 .
「現所 属選 択動機 」 にお ける各軸 の カテゴ リー係数川現所 属選択 動機 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 ̀ . 自分 の学 力で合 格 で さそ う 0 0 4‑1 21‑ 0 49‑ 0 3 2 1 9 2‑ 26 3 6 21 0 5 4‑ 5 35 2 . 性格 .適性 にあ って い そ う ‑1 1 4 3 0 6 1 3 2 2 7 5‑ 7 0 5‑ 2 7 4 0 21‑ 3 8 3 0 07 3 . 志望 職 業 にふ さわ しい ‑1 3 6 1 7 9‑0 4 8‑ 3 9 8 31 0 1 9 4‑ 3 8 3‑ 5 7 9‑ 1 91 4, や りたい ことが で きそ う ‑1 3 8 2 7 1 2 3 9‑1 3 9‑ 0 0 8‑ 26 7‑ 4 41 6 5 6‑ 0 89 5 , 家か ら近 い ‑ 0 56‑ 0 1 6‑ 4 8 5‑ 0 87‑ 40 6 6 42 0 5 3 2 8 4‑ 0 69 6 . 街 や土地柄 に ひかれ て ‑ 0 3 8 2 7 0 2 9 7 7 0 5 3 3 6 4 4 3 0 2 4 01 9‑ 0 6 5 7 . 親か らの すす めで 0 4 8‑ 4 5 6‑ 4 8 3 4 7 9 1 0 0‑ 2 86‑ 43 4‑ 0 51‑ 0 40 8 . 先生 の指導 で 0 5 7‑ 6 8 6 6 0 3‑ 0 7 3‑ 21 6 2 2 8‑1 2 2‑ 0 40‑ 0 70 9 . 国立 大 学なの で ‑0 0 5‑ 0 6 6‑ 0 0 7‑ 0 6 8 1 8 4‑ 0 6 0 2 4 3‑ 0 0 6 8 08 1 0 . と くに重視 した ことはな い 9 6 9 1 7 3 01 6‑ 0 40‑ 0 41 01 3‑ 0 8 3‑ 01 3‑ 0 32 固 有 値 0 . 510 . 3 30 , 2 90 . 2 40 .210 .1 90 .1 90 .1 60 .ll
(1)カテゴ リー係数は×10 0
で表示。感)得点 との間 の相関係数,お よび逐次重回帰 分析の結果を表
5
に一括 した。「現所属選択動 機」の
1 0
項 目へ の反応に施 した 数量化 Ⅲ類の結 果は表4
の通 り である。
数量化Ⅲ類で得 られた 軸は表
5
のよう に命名 されたか, 解説の必要かあるものに限って触れてお く。軸1
は「 1 0 .
とくに重視 したことはない」のみで高いカテゴ リー係数をえたか,無動磯選択はあ りえないか ら, <動機不明確 >と命名 した。軸 2は
,「 8 .
先 生の指導で」 と「 7 .
親か らのすすめで」において高 ・中程度の負の係数をもつ一方で,「 2 .
性格 ・適 性にあ っていそ う」で低 い正の係数をえているので,"入学先決定規準の他律的権威主導性 一自己規 準''とい った次元 と解 されるが,係数の正負 と大 きさとを考慮 して <他律性の弱 さ>と した。軸6
は「 5
・家か ら近い」 と「 6 .
衝や土地柄にひかれて」で中程度の係数をえてお り. h o m e
やh o n et o w n
を誘因‑
10 ‑
と した選択を意味す るので.<Home‑の愛着 >
と した。軸
7
は,学力 (偏差値)による選択 か,それ とも大学 において (入学後 に "や り たいこど 'をや る)か大卒後 (志望職業 に入 りやす い進学先 を選ぶ) に焦点をお くかは別 と して,いずれ にせ よ大学入学後の 自己実現・欲求充足の可能性を選択規準 とす るかの次 元であろうか,
「 7
親か らのすす めで」でも「 3 .4 」
と同程度の得点をもつので, <学力 による規整 >と命名 した。軸8
は,自己実現 ・ 欲求充足の時期や 目標を大学期にお くか,あ るいは大卒後の職業選択 にお くかの次元であ って, <大学期vs.
大卒後 >と略記 した。自由記述式項 目での反応率 と比較結果は表
6
に示す。 自我 中核 的領域 ・<不全 >領域 ・<拘束 >領域に関す る反応は,表の 「自我 中 核 的領域」 に掲 げる
8
カテゴ リーに分類 され たか後二者 については少数反応を 「その他」に含めて表示 してある。
表
5
,6
か らの知見を前章の二つの規準 に 沿 ってま とめ,考察を加えると次の諸項かえられ る
。
(1)表
5
の 「①大学進学 目的明確度」「⑮
卒後進路展望明確度」では,不明確ほどSA が不良になる関係か認め られ, 「軸 1 動機 不明確」で も高得点,即 ち不明確 ほどSAか 不 良にな り, 「軸7
学力による規整」では, 学力 (偏差値) よりも入学後の 自己実現や欲 求充足の可能性を規準 と した選択の方か SA を良好 にす ることかわか る (以下,表5
の結 果 に触れ る際には,変数番号 ・変数名のみ示 し, 「麦5」
との記載は省略され る)。 また 表6
では, 「大学進学 目的 :NA」
か全体的表 5.間隔尺度変数 と捨括的適応感 (SA)との関係tt)
変
数 r s t d , B
( 5 2) 点 尺 皮
項 目 ( @ ∋ 大学 進学 目的 明確度 1 4 2*** ‑ 高 校
受験期 の 受 験 準 備 ‑ ‑
③ 学 業 自 体 ‑ ‑
㊨
a) クラブ .クラス活動 0 6 6 * ‑
@ 関与度 生 き方を考 え ること ‑ ‑ 0 9 6 **
@
@ 高校期 余 遊び .趣味 裕 感 1 1 2 4 9 4 * * * * *+ *+ 0 0 5 7 3 9 0 *
@
⑲ 総 括 満 足 感 1 8 6 *** ‑
⑫
⑫ 自 確 己 立 感 省 察 0 1 9 1 6 6 * *** * ‑ ‑ 適 性 vs ,偏 差 値 1 7 5 *** + 0 9 3 * * 卒後 進蕗展望 明確度 1 2 7*** + 0 9 0 **
( 3 ) 1 .動 機 不 明 確 1 6 6 * * *+ 1 1 6 ***
敬
量 化 2 .他 律 性 の 弱 き ‑ 1 3 5 * * * ・ ‑ 3 . 教 師準拠 V s . 親準拠 ‑ 0 7 1 * ‑ 0 6 3 * 4 . 地 域 へ の 愛 着
類 Ⅲ に よ る 5 . 性 格 .適性 の軽視 ‑ 十 0 6 0 0 6 . H o 皿 e へ の 愛 着 ‑ ‑ 7 . 学 力 に よ る 規 整 1 0 4 * * ‑ 軸 8 . 大 学 期 vs. 大 卒 後
9 . 国 立 大 学 志 向 ‑ ‑ F 値 ( d f) 1 2 .1 5 ( l l , 8 8 1) 重 相 関 係 数 . 3 6 5
(1 )I , s t d . B ともに ×1 0 0
で表示O( 2) 積極 的 ・適応 的反応 ほど低得点O
「⑭.適性 v s . 偏差値」は,適性重視の選択 ほど低得点 にな るO
( 3) 一 * カ { ≦P
テゴ リース コアの方 向性は表 4 にあわせてある。
∫: P> 0 . 0 5
s t d , 8: P>0 .1 0 p ≦p . 1 0 ( s t d . B
でのみ表示),0 . 0 5 ,* *P≦n . 0 1 ,* * *P≦0 . 0 0 1 0
に適応群 に少 く, 「同 :職業 ・資格型」が中
間群 に比べて適応群 に多 い。 これ らか ら,大学進学や進学先 ・受験先選択行動の動機 と目的を明確 化でき,行動の意味づけができること,入学後の 自己実現や大卒後の職業進路 までをも見越 した進 学 ・選択 であることか,入学直後の SAを良好 にす ると括 ることかできよう。 これは, "あいまい
‑ if l ‥
な進学動機か ら入学後の不適応へ''という経路の存在を指摘 した岨中 (
1 9 8
1) と同様の知見である。轟 6.
自由記述反応 と捨括的適応感( s A)
との関係r d f‑2 x 2値
の‑対比較 〔oP;‑g
,g
i5
み〕大学進学 職 業 資 格 重 視 型
2 0 7 ( 3 7 . 9 ) 7 8 ( 3 0 . 4 ) 5 1 ( 3 1 .7) n S Ⅰ>Ⅱ Ⅰ<
Ⅱ一 I<Ⅱ
専門 .学業への興味1 1 9 ( 21 , 8 ) 4 7 ( 1 8 . 3 ) 2 6 ( 1 6 . 2) n S
目 的 そ の 他
2 2 (4 . 0 ) 9 (3 . 5) 7 (4 . 4) n S
NA 1 9 8 ( 3 6 . 3 )1 2 3 ( 4 7 . 9 ) 7 7 ( 4 7 , 8 ) 1 3 . 1 0 * *
■ = コ
同 我 核 領 域
狗中自 受 験 準 備 活 動6 3 (
ll . 5 ) 1 8 (7 . 0 ) 2 2 ( 1 3 . 7) 5 . 5 6
oI>
Ⅱ,Ⅱ<Ⅲ
学 業 自 体5 7 ( 1 0 . 4 ) 2 4 (9 . 3 ) 1 7 ( 1 0 . 6 ) n S
クラブ .クラス活動
1 46 ( 2 6 . 7 ) 5 9 ( 2 3 . 0 ) 2 6 ( 1 6 . 1) 7 . 8 5 * Ⅰ>Ⅲ Ⅰ< Ⅱ 交 友 6 1
(ll . 2 ) 2 3 (8 . 9 ) l l (6 . 8 ) n S
生き方や自己の省察
1 9 (3 . 5 ) 1 4 (5 . 5 ) l l (6 . 8 ) n S 校
個 人 的 な 趣 味41 (7 . 5 ) 1 7 (6 . 6 ) 1 4(8 . 7) n S
〜
そ の 他1 8 (3 . 3 ) 3 (1 . 2 ) 7 (4 . 3 ) n S
隻験
期
と く に な し1 3 5 ( 2 4 ,7 ) 9 4 ( 3 6 . 6 ) 5 1 ( 3 1 .7 ) 1 2 . 5 6 * *
<
受 験 準 備 活 動2 3 (4 . 2 ) 1 5 (5 . 8 ) 1 8
(ll. 1 )
ll . 0 3 * * Ⅰ Ⅰ>Ⅱ <
Ⅲ,Ⅱ<Ⅲ
の領
不全 域 >
学 業 自 体7 5 ( 1 3 ,7 ) 3 5 ( 1 3 . 6 ) 2 3 ( 1 4 . 3 ) n S
坐 クラブ .クラス活動
6 5
(ll . 9 ) 3 8 ( 1 4 . 8 ) 1 8
(ll.1) n S
宿交 友 l l (2 . 0 ) 4(1 . 6 ) 5(3 . 2 ) n S
7t
7
エ
個 人 的 な 趣 味7 6 ( 1 3 . 9 ) 2 2 (8 . 6 ) 1 7( 1 0 . 6 ) 5 .1 2 0
間 そ の 他2 2 (4 . 0 ) 6 (2 . 3 ) 1 2(7 , 5) 7 . 6 1 * Ⅰ<Ⅲ 構
造
と く に な し26 5 ( 4 8 . 5 )1 3 2 ( 5 1 . 3 ) 6 1 ( 3 7 . 9 ) 7 . 7 4 * Ⅰ>
Ⅲ,Ⅱ >Ⅲ
狗 <
受 験 準 備 活 動6 6 ( 1 2 . 1 ) 4 0 ( 1 5 . 6 ) 2 6 ( 1 6 . 1) n S Ⅰ>
Ⅱ, Ⅰ>Ⅲ 莱
学 業 自 体1 0 0 ( 1 8 . 3 ) 5 6 ( 21 . 8 ) 3 4( 2 1 .1) n S
>
そ の 他3 2 (5 . 9 ) 2 2 (8 . 6 ) 1 4(8 . 7) n S
・()は
N
に対する%O・‑対比較はd
f‑
1のx 2検定によるO不等号は反応率の高低を意味するC・
。P≦0 ,1 0 , *P≦0 . 0 5 , * *P≦0 . 0 1 , ** *P≦0 . 0 0 1 0
ではなぜ進路選択の動機や 目的,入学後 に向けた 自己実現展望,職業進路展望 とい った人生移行 に関す る<未来展望 >の明確化が,大学期の
SA
を良好にす る機能を もつのだろうか。同様 に "め いまいな動機 による進路決定"が不適応をもた らす ことを指摘 した岨中 (1 9 8
1)は,その磯制につ いて 「大学の本質を見つめない消極的であいまいな動機で,学生 と しての本質的な生活に打ち込む ことは困難」( 5 2‑5 3
頁) と説明す るが. この磯制の記述 と して弱 く, <未来展望 >か生活空 間構 造や適応 に及ぼす機能か論 じられ るべきであろう。 これにつ いては.中層接近 による大学生研究の 先駆者である石郷岡( 1 9 6 2 ,1 9 8 2 )
か次のような定式化を試みている。 ̀̀青年の 目標志 向的な生活展 望 ・未来展望は内的場 5)に一つの領域を形成 して内的場を全体 的に支えるとともに,内的場 に定位 され ることによって逆 に内的場か ら支え られ る。 こうした相互支持が安定 した生活展開を もた らす のに対 して,両者の遊離や未来展望の喪失が,場 当 り的生活や適応失調をもた らす"( 1 9 6 21 0 5
頁,1 9 8 22 3 9
頁)。 この ように, <未来展望 >は明確化 され ることによってその時点の生活空 間構造 に‑
12‑
定位 され,その時点の生活空間構造全体を統合 ・支持す る機能や生活の安定化,即ち,その時点の 生活の順調な展開感 (良好なSA)をもた らすのである。こうして高校 ・大学受験期における<明 確化 された未来展望 >か高校 ・大学受験期のSAを良好に し,それか入学直後の SAにまで効果を 持続 させてい くという磯制によって,我 々の対象者の良好なSAかもた らされたと考え られるQさ らにそれに加え,彼等かまだ,大学の制度現実や学生の職業進路現実,ひいては学生文化 に充分直 面 してはいないために,高校 ・大学受験期に明確化 した<未来展望 >が依然保持 されて, この時点 のSAを直接支え,生活空間構造を統合 してい くという機制 も重合 していると解 される。 もちろん 逆に, <未来展望 >か入学先では充た し得ないことを発見 して しまうと,<遊離 >や<喪失 >か強 い不本意入学感をもた らして, "目標活動展開困難性への直面か ら通路発見‑"という 「不本意入 学形成 一解消パ ター ンC
型 」
(豊嶋 1987,1991)の過程か後続することになろう。( 2)
「⑭適性vs .
偏差値」での結果は, <偏差値 >偏重の進学進路決定か不良なSAに結び付 く ことを示 し, 「軸7 学力による規整」も<入試学力 >を規準 とする強い構えか SAを不良にす る ことを示す。逆に 「軸5
性格 ・適性の軽視」か らは,性格 ・適性重視の選択によってSAか良好 になることかわか る。要するに<偏差値 >価値観 (豊嶋 1991)への囚われか不良なSAを, 自己 規準による選択が良好なSAをもた らしやすいのである。( 3)
「軸2
他律性の弱さ」か らは,教師や親,特に教師主導の <佃律 >的な選択 よりも自己規 準による選択の方かSAを良好にする一方で, 「軸3
教師準拠v s .
親準拠」か らは,親の意向よ りも教師の進路指導を受容 した選択かSAを良好にす るという結果かえ られた。親への準拠か ら不 良なSAへ という点では共通す るか,教師への準拠に関 しては矛盾を含む結果である。逐次重回帰 分析の限 りでは 「軸2
」の機能は弱いので, "教師への準拠による選択か ら良好なSA‑" と括 っ ても良さそうではある。 しか し 「軸2
」か らの知見を棄却す る積極的根拠も見 出 し難い。従 って こ こでは・,進学先選択における弟への準拠かSAを不良にする一方で,教師への準拠かもつ磯能は両 向的であるとまとめたい。教師の場合,親 と比べて客観的で広い進路情報 ・生徒情報を踏まえた進 路指導が可能であろうか ら,それに準拠 した選択である時,親準拠の選択よ りもSAが良好 になる のか も知れない。( 4)
「⑥関与度 :生 き方 (質問紙では "生き方 ・考え方な ど,人生観 ・人生指針に関す ること"と表現)を考え ること」は負の std.Bをえ,それ らを考え るのにとれた時間の多少 と現在の確立 感を問う 「⑩⑫」 と, 「⑫ 自己省察
」
「⑬ 自己肯定」においては,正の相関係数をえた。他方,「自 我 中核的領域 :生 き方や 自己の省察」
(麦 6)では,
SAとの関連は弱い。高校 ・大学受験期に生 き方確立行動に時間を割けたと思え, 自己省察の構えがあ り,生き方か確立的だと思えるほどSA は良好 になるか,強い関与は却 ってSAに抑制的境能を果たすのである。しか し強い関与か抑制的境能を持つ といっても,強い関与一般が不良なSAに直結す るのではな い。上述の通 り, "生き方 ・自己"への関与を問う他の
3
変数 (⑬⑫⑫)ではSAを支える関係か 認め られた し,さらにこれ ら3
変数 と 「⑥関与度」 との闇には正の相関か認め られる (「⑩」か ら 順に,∫‑.
478,.349,.281。全てp<0
.001)か らである。そこで "抑制的磯能"に関 しては,関 与の内容 ・質 と関与の結果 とを調べる必要かある。関与の内容 ・質については, 「⑩生き方を考える時間」とは関与に割けた時間‑の満足度を問う 時間次元の測度であ り,それに対 して 「⑥関与度」は力の傾注を問うエネルギー次元の測度である
‑
13 ‑
ことと, 「⑬」で正, 「⑥」で負の
s t d .B
をえた逐次重回帰分析結果 とか解を与える。
即ち,時 間的関与やそれに対す る満足感が伴わない傾注,例えば,考える時間か取れない中で切迫的に傾注 す るとい った "二つの次元間のね じれ ・帝敵を伴 った強い関与"が,入学直後の SAを抑制す るの である。傾注 よ りも時間的な関与か SAを支えることになる。次に,関与の結果に関 しては
,
強い関与にもかかわ らず確立できない "不全感"や,確立できた 生き方か実現できない進路先に入学 して しまった "不本意感''か SAを低下 させるのであろう。
そ こで先ず "不全感仮説"について調べ る。 「⑥関与度」における高関与群4 8 9
名を 「⑫確立感」の 反応によって高確立者( ∩ ‑2 2 8 )
と低確立者( ∩‑1 0 6 )
に分けて6) sA
得点を比べ ると,後者が有 意に不良であ り (平均値は順に,2 . 3 8 , 2 . 7 8 。S D
は0 . 9 2 , 0 . 9 6 .t ‑4 . 0 9 , p<0 . 0 0
1), ̀̀不全感仮説"は有力な傍証を得 る。
他方 "不本意感仮説''については, SAはつねに大学及び学部学科等に対す る満足 ・本意感 と有 意な正の相関係数をもっ ことがわか っている (例えば豊嶋ほか
1 r 9 7 9
,豊嶋1 9 8 9 )
ので,SA3
群における確立得点を調べれば,間接的ではあるが検証可能である
。 3
群 における確立得点の平均 値は順に,2 . 8 4 , 3 . 3 2 , 2 . 9 9( ∩ ‑5 4 5 , 2 5 5 . 1 6 1 .S D
‑1 . 0 8
,1 . l l
,1 . 1 4 .F‑1 6 . 2 6 , p<0 . 0 0
1)であ り, 適応群 と非適応群が中間群 よりも確立的であることによって, "不本意感仮説"は支持 される7
)。では "強い関与"の典型である,生き方確立行動の 自我 中核的的定位 と
SA
の関係はどうだろう か。
「自我 中核的領域 :生き方や 自己省察」
(表6
)では差が認められないか ら, "自我 中核的定 位それ 自体は SAと無関係" との仮説 も提出できそ うである。 しか し, このカテゴ リーに分類 され た者 (∩‑4 4
。 表 6の各群の合計値)のSA
平均値2 . 8 4( S D‑0 . 8 6 )
はこれ以外の記述を した者のSA
値( 2 . 4 5 ,S D‑0 . 9 2 )
よりも不良である( I ‑2 . 4 5 ,p<0 . 0
1) 。 従 って, 自我中核性がSA
と は無関係 とす る仮説は棄却でき,逆に,生き方確立行動や 自己省察行動の 自我 中核的定位,換言す れば ,大学合格以前での積極的モラ トリアム行動か,入学直後のSA
を抑制す ると言えよう。以上か ら,生き方確立行動や自己省察行動への関与が一般 に入学直後の SAを良好にす るか,時 間的関与 を伴わないエネルギー的関与 (傾注),強い関与の一方で結果 としての確立失敗や生き方 に適合 しない進路先への入学,それ ら行動の 自我中核的な定位,乃至は高校 ・大学受験期 における 積極的モラ トリアムへの強い構えなどが,入学直後の
SA
を不良にす ると結論できる。( 5)
「②受験準備活動」への関与度では関連が認 められない し,関与度の平均値を3
群 間で比べ ても差がない (適応群,中間群,非適応群の順で,2 . 4 2
,2 , 4 8 ,2 . 4 6
0S D
は1 . 0 3
,1 . 0 8
,1 . 1 8 )
。 しか し表 6の 「自我 中核的領域 :受験準備活動」は適応群 と非適応群で中間群 よりも多 くな り,「<不全 >領域 :受験準備活動」は非適応群で多 くなる。これ らか ら,受験準備活動への関与度そ れ 自体 よ りも自我中核的定位の如何 と,そこでの不全感の程度 とか,次のような磯制を通 して入学 直後の SAを規定 してい くと解 される
。
即ち,受験準備活動を高校 ・大学受験期の生活空間構造の 中核に据え,且つ不全感のないほ どの傾注ができた場合,入学直後のSA
が良好 とな り,逆に, 自 我 中核的定位にもかかわ らずその活動に不全感が残 った り, 自我 中核的的定位に失敗 したための不 全感が強い場合,不良斑 SAと不本意入学感か後続 してい くという機制である。( 6)
「④関与度 :クラブ ・クラス活動」
「⑤同 :交友」,表6
の 「自我 中核的領域 :クラブ ・ク ラス活動」より,受験準備活動や学業 自体な ど一般 に進学志望者か傾注 しがちな領域ではな く,学 業以外の集団的活動や対人交流への関与 と,受験を控えつつ も集団的活動を 自我 中核的領域 としてー 1
4‑
維持 ・傾注 しようとす る構え とが,入学直後の
SA
を良好にす ると言えようOなおクラブ ・クラス 活動の 自我 中核的定位 に関 しては,受験準備活動をある程度犠牲 に してまでそれ らに傾注 したのに 大学に合格で きた という,結果 と しての (事後的に見た) <両立の成功 >が,入学直後のSA
を押 し上げているか も知れない。 とい うのは,平成3
年度入学生を対象 と した高校生活の 「動磯付 け一 衛生要因」調査 において,高校期全体への良好なSA
の主観的要因と して "部 (クラブ)に力を入 れたのに大学 にはいれた"旨の記述を したものか多か った (豊嶋1 9 9 3
C,9 7 ‑ 9 8
頁)か らである。( 7)
「⑦高校 ・受験期の関与度 :遊び ・趣味」
「⑧高校期総括 (浪人期 も含む) :余裕感」
「⑨ 同 :満足感」ではポジテ ィブな反応ほどSA
が良好 にな り,表6
の「 <
不全 >領域 :と くにな し」「 <
拘束 >領域 :とくにな し」では,適応群ほど多 く非適応群ほど少ない関係か見 出され るO 受験 に向けて鋭 く焦点化 し受験準備行動の領域を肥大 させた結果,他の諸領域か強 く圧迫 されて しま う ような生活空 間構造ではな く,受験を 目標 と しつつ も,遊び ・趣味や,前項でのべた集 団的活動 ・ 対人交流を生活空 間領域 と して分化 ・確保 して,そ こへの関与 もできるような,緩やかな生活空間 構造を持てること,明確で強い不全領域が形成されずに済んだことか,高校 ・大学受験期全体 に対 す る余裕感 と満足感を生み,それか入学直後の良好なSA
にまで引き継かれるのであろう。他方, 「自我 中核的領域 :個人的な趣味
」
(表6
)ではSA
との関連は弱 く, この反応を した者 のSA
平均値( 2 , 6 0 ,S D‑0 . 9 6 )
は,他の活動を記述 した者( 2 . 4 7 ,S D‑0 . 9 2 )
と差がない( I‑0 . 9 0
,p> 0 .1 0 )
。従 って 自我 中核的的定位は,遊び・趣味領域への関与か一般 にもっている入学直後SA
の促進効果 を減殺す ると示唆され る。また「 <
不全 >領域 :個人的な趣味」では,非適応群 も含め て見 るとSA
との リニアな関係か不鮮明になるか,適応群 と中間群の間では,適応群ほ ど多 くなる 関係が窺え る。 ここか ら "遊び ・趣味領域における明確な不全感か入学直後のSA
を良好 にす る"との仮説か導かれるか, この仮説は, 「<不全 >領域」 と して個人的趣味を記述 した者の
SA
平均 値( 2 . 3 7 , S D‑0 . 9 0 )
か,他の記述を した者( 2 . 6 3 , S D‑0 . 9 5 )
よ りも良好である( t ‑2 , 5 2 ,p< 0 . 0 5 )
ことか らも支持 されよう。つま り,この領域以外を <不全 >領域 とす るよりも,この領域に <不全 >
感 ・不満感かあ った方か入学直後の
SA
は良好になるのである。 これ らの検討か ら次の磯制が想定 できよう。即ち,入学直後の良好なSA
にとっては,遊び ・趣味領域の 自我 中核的的定位 も, この 領域に対す る不全感を残 さぬほどの満足な関与 も必要ではな く,この領域を生活空間構造の中に領 域 と して分化 ・確保 しなが らもそ こでの欲求充足を大学合格後に繰延べす ることや,受験期の圧迫 感を生活空間構造全体 にまで汎化 させ るのではな く,遊び ・趣味領域へ と移行 させてそこでの不全 感に転化できることか良好なSA
をもた らす, とい う磯制である。以上本項では,遊び ・趣味領域の確保 と適度な関与,およびまたは,明確な く不全 >領域がない 余裕感,遊び ・趣味領域 における欲求充足の大学合格後への繰延べ,受験か らの圧 を遊び ・趣味領 域 における不全感 に転化す る構えなどが,入学直後の
SA
を良好にす ることを示 した。( 8)
前 々項 と前項,および,第5
項 (受験準備活動への 自我中核的定位 と不全感を残 さぬほ どの 関与か ら良好なSA
へ)の指摘を併わせ ると,大学受験 と合格を 目標 と しつつ も<余裕感のある楽 しい高校 ・大学受験期 >であることが,入学後のSA
を良好 にす ると敷術できよう。高校 ・大学受 験期 における塾 (あ るいは予備校)通 いと大学期の精神障害 との関係を調査 した桜井ほか (1 9 8 7
,1 9 8 9 )
は,塾通 いという受験準備生活の中にあって,"塾 に行 くことか楽 しか ったか ・楽 しめたが ' や睡眠時間か揖極的な大学適応群 と治療 一有所見群 との分化要因の一つであることを報告 している‑
15 ‑
が,それ は塾通 いや予備校生活 に限 らず高校 ・大学受験期の生活全体 についても妥当す るのである。
Ⅳ.
高校期 ・大学受攻期の生活体制 と自我 同一性独立 (説明)変数 と地位得点 ・同一性地位尺度の
3
下位尺度値 との関係 についての統計結果を, 表7
,表8
に掲 げた。蓑7.
間隔尺度変数 と自我 同一性 との関係 (I)変
数 地 位 得 点 現在 の 自己投 過 去 の 危 機 将 来 の 希 求 r s t d . 8 r s t d . ち r s t d . 8 r s t d . ら
高 校 受 験 準 備 1 5 1 *** ‑ 21 3 ** *+ 0 7 1 0 ‑ ‑ 1 3 3 *** ‑
5 占
一 ヽ ヽ ヽ
尺 皮
項 目 r ③ 学 業 自 体 1 3 1 *** 0 8 3 * 1 7 4 * * + 0 6 7 0 ‑ ‑ 0 77* ‑
㊨ ⑤ 受験期 の 交 ク フ フ .ク 友 フ ス 活 動 0 7 9 * ‑ 1 1 3 5 9 3 * * *** ‑ ‑ + 0 5 8 0 0 0 8 6 3 6 * *
⑥ 関与度 生 き方を考え ること 2 8 6 *** 1 7 1 *** 3 3 4 ** *+ 1 3 4 *** 3 11** *+ 2 2 5 ** * 2 9 4 ** *十 1 7 8 ***
⑦ ⑧ 高校期 余 遊び 裕 .趣味 感 ‑ ‑ 0 5 8 0 1 1 ‑ 1 ** + 0 9 ‑ 2 ** ‑ 1 1 3 ** * ‑ 0 8 9 ** ‑ 0 9 5 ** ‑ 1 0 ‑ 5 **
⑨
⑬ 総 生 き方 考える時 括 満 足 感 間 2 8 ‑ 0 *** ‑ 0 5 ‑ 8 0 0 3 9 2 7 9 ** * * ‑ ‑ 2 1 31 6 7 ** * * *‑ + 1 1 41 3 1 *** *** l 2 7 8 ** * 十 0 8 ‑ 5 *
⑫
⑬ 自 確 己 立 感 省 察 2 2 9 7 2 4 *** *** 1 1 3 5 2 1 *** *** 4 3 2 0 6 7 * * *十 + 2 1 4 0 4 5 *** *** 2 1 3 9 9 1 ** *** *十 1 1 ‑ 7 ** 2 2 6 0 8 8 ** ** *十 *+ 0 0 9 6 6 7 * *
⑬ ⑭
⑮ l 自 己 肯 定 1 3 1 *** 0 6 9 * 2 2 8 ** *+ 0 8 2 ** ‑ 0 6 9 * 0 9 5 ** ‑ 適 性 Vs .偏 差 値 1 4 4 *** 0 7 3 * 21 2 ** *+ 0 8 3 ** ‑ ‑ 1 2 4 ** *+ 0 6 2 0 卒後 進路希 望 明確度 1 5 4 *** ‑ 3 3 4 ** *+ 1 5 5 *** ‑ ‑ 1 0 2 ** ‑
数
化 量 2 . 他 律 性 の 弱 さ ‑ 0 7 5 * ‑ 1 6 0 ***
3 . 教 師準拠 V s .親準拠 ‑ ‑ ‑ ‑
Ⅲ 5 . 性格 .適性 の軽視 0 72* ‑ ‑ ‑ ‑ . . . I 類 に よ 6 7 . .学 力 に よ る 耽ome へ の 愛 着 規 整 0 8 ‑ 8 ** ‑ ‑ 1 8 ‑ 5 *** ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 0 6 ‑ 7 ** ‑ ‑
る 8 .大 学 期 ⅤS.大 卒 後 ‑ ‑ ・ . . ‑ ‑ ‑
F 値 ( d f) 21 . 0 7 日( 9 , 8 4 3)4 6 . 41 ‥' ( 1 0 . 8 7 7 )2 4 . 2 0 日 ■ ( 7 , 8 8 0 ) 1 8 . 0 1 日( 9 , 8 8 1) 重 相 関 係 数 . 4 3 0 . 5 9 0 , 4 0 3 . 3 9 6
堤 F q pJ 1 2 3 (Zq dZq ntu
r . s t d . B ともに ×1 0 0 で表示O
境榛的 ・適応的反応 ほど低得点。 「⑭.適性 vs. 偏差値」は, 適性重視の選択ほど低得点にな る。
カ { テゴ リースコアの方向性は衰4 にあわせてある。
r: P> 0 .0 5
s t d . ら: P>0 .1
0o p ≦0 ,1 0 ( s t d . B のみ) , *P≦0 . 0 5 . 料 P≦0 . 0 1 . ** *P≦0 . 0 0 1 0
‑
1 6 ‑
表 8.
自由記述反応 と同一性地位( l S )
との関係項 目 .カテゴ リー
Ⅰ: N‑1 達成期 47 ・ N‑1
‥言
言3 5 上 Ⅲ: N‑6
拡散的3 8 d f‑2 x2値
の比‑対比較 〔oP詰
較 望み〕職 業 資 格 重 視 型
61 ( 41 .5 ) 5 6 ( 41 . 5)2D 3( 31 . 8) 8 . 0 6 * Ⅰ>
Ⅲ,Ⅱ>Ⅲ
大学進学 専門 .学業への興味41 ( 2 7 .9 ) 3 4( 2 5 . 2)1 1 0 ( 1 7 . 2)1 0 . 9 7 * * Ⅰ> Ⅰ<
Ⅲ,Ⅲ,Ⅱ<Ⅲ Ⅱ>Ⅲ
目 的 そ の 他
8(5 . 4) 3 (2 . 2) 2 4(3 . 8) nS N A 3 7 ( 2 5 . 2) 42( 3 1 .1 )30 1 ( 47 . 2)3 0 . 6 5 * * *
■=コ
「司 自
核 域
戟的領
中 受 験 準 備 活 動2 4( 1 6 .3) l l (8 . 1 ) 6 4( 1 0 .0 ) 6 ,0 6
*Ⅰ> Ⅰ> Ⅰ<
Ⅲ,ⅡⅡ,Ⅰ>Ⅲ ,Ⅰ<Ⅲ Ⅱ>Ⅲ
学 業 自 体1 4(9 . 5) 1 9 (1 4 . 1 ) 59 (9 . 2) nS
クラブ .クラス活動
31 ( 2
1. 1) 2 8( 20 . 7)1 6 5 ( 2 5 . 9 ) nS 交 友 21 ( 1 4 .3) 1 2(8 . 9) 5 7(8 .9 ) nS
生き方や自己の省察1 8( 1 2 . 2) 8 (5 . 9 ) 1 6 (2 . 5)26 . 6 7
***校
個 人 的 な 趣 味1 3 (8 .8 ) 1 2 (8 . 9 ) 45 (7 . 1) n S
〜 そ の 他
6 (4 . 1) 6 (4 . 4) 1 4(2 . 2) nS
受験
期
と く に な し1 9 ( 1 2 .9 ) 3 5 ( 25 . 9)21 1 ( 3 3 . 1 )2 4 , 2 9
***
不
全 ∨ <
領
域
受 験 準 備 活 動1 2 (8 , 2) 5 (3 . 7 ) 36 (5 . 6) nS Ⅰ>
Ⅲ,Ⅱ>Ⅲ
の 学 業 自 体1 6 ( 1 0 .9 ) 2 4( 1 7 . 8) 8 8( 1 3 , 8) nS
坐 クラブ .クラス活動
1 6 ( 1 0 .9 ) 20 ( 1 4 . 8) 81 ( 1 2 . 7) nS
港交 友 3 (2 .0 ) 2(1 . 5) 1 5 (2 . 4) nS
7t1エ 個 人 的 な 趣 味
2 5 ( 1 7 .0 ) 2 5 ( 1 8 . 5) 6 1 (9 . 6)1 2 . 45 * * 間
そ の 他1 5 ( 1 0 .2 ) 6 (4 . 4) 2 5 (3 . 9)1 0 , 0 4* * Ⅰ>
慧 l
と く に な し6 0 ( 40 .8 ) 50 ( 3 7 . 0)3 2 5 ( 50 . 9)
ll . 5 8
**Ⅰ<
Ⅲ,Ⅱ<Ⅲ
莱
学 業 自 体3 4( 2 3 . 1 ) 26 ( 1 9 . 3)1 2 0 ( 1 8 .8) nS
∨
そ の 他l l (7 . 5) 9 (6 . 7) 4 4(6 , 9) nS
・()は
N
に対する%。・‑対比較は
d f‑1
のx2検定によるO不等号は反応率の高低を意味するo・
。P ≦0 .1 0
,*P≦0 ,0 5
,* P≦0 .0 1 ,* * *P≦0 .0 0 1 0
以下では先ず,地位得 点および
IS3
群 に対す る分析結果 をまとめなが ら考察を加え,次 に,そ れには包摂 しえない3
下位尺度値夫 々に固有の特徴か考察 され る。
なお3
下位尺度の うち, 「過去 の危機」尺度 は, "生 き方 ・あ り方 につ いての,過去 における 「疑問 ・迷 い と決断」
(加藤1 9 8 3
.2 9 3
頁)の体験強度"の測度であるか ら,生 き方や 自己省察 に関す る高校 ・大学受験期変数 との間で 正の関連性か見 出され ると予想 され,その場合, この下位尺度の妥 当性か実証 され ることにな る。また以下 では,簡略のために次の表記法か使われる
。
地位得点 と3
下位尺度値 とを包括 して 「同一 性諸変数」 と呼ぶ こと,3
下位尺度 を順 に <投入 ><危機 ><希求 >と略称す ること,同一性諸変 数のポ ジテ ィブ方 向を 「良好」,ネガテ ィブ方向を 「不良」 と総称す ることである。Ⅳ‑
1.同一性地位 (lS)との関連性表
7
・8
か らの知見 と考察を次 の諸項 にまとめた。表7
に対す る言及では,表7
に依拠 した 旨の 指摘は省 略 され る。‑