"RheinundMosel
StimmungundStille"
‑現代ドイツのツーリズム広告の シンタックスの特色について
田 中 宏 幸
61
1.現代ドイツのツーリズム広告も,他の分野の商業広告と同様に,その目的,つまり旅 行という商品に対して消費者の注意と関心をひき,その商品への印象を強め,それを購入 させるという目的を達成するために,言語手段についても興味ある特色を示している。そ の主として語彙を中心にした特色については,既に概要を報告した(1)。その際,語彙と関連 して構文ないしシンタックスや修辞的な特色にもいくらか触れたのであるが,ここに同資 料を基礎にして(2),やや立入ってそのシンタックスを中心とした特色について報告したい。
なお,語彙の特色と重複する部分もあるが,さらに顕著な修辞的なフィギュアにも言及し たい。
広告語法全体についてのこの方面の特色として既に指摘されているのは,簡素な文,不 完全文,短い文,反復Wiセ娩油0〃"&主張文此加 〃"&命令文,2人称での呼びかけ,
導入的疑問文,対照(語)法A""肋ese,3分法DME7を""ハンカー語法"A"肋"ge"<:韻 律,腕曲語法戯ゆ舵加商"@ZZS,否定表現の回避,語戯Wひ漉伽&暗示A"S'〃""&商品の 擬人化吻γ7"g"Sc"此加"g;多義性』ん"7"""c必誇張Ube"噸加"g象徴法 印"0加肱隠喰』ん 舵必比較腕増鰄℃〃,漸層法K/伽α妬などである(3)。これらの特色 の一部は重複しているが,まとめれば大体,短く簡素な文構成,不完全文,反復的フィギュ ア,音声的なフィギュア,それに意味を基礎にした各種の文体手段,特に描写法H〃の豊
(1)文献表Wを参照。以下本稿でWで引用する。他の文献は著者名で引用。なおアラビア数字はペー ジ数を示す。
(2)用いた資料についてはW,97参照。なおA,DBは今回便宜上除外した。以下の引用でローマ 数字はカタログの記事区分を示す。
I:一般的宣伝,II:各旅行地の記述・宣伝,III:予約条件や規約の類。この他に値段表やホテル ー覧表の部分があるが,これは分析しなかった。
又この後のaは標題をさし,bは導入的テクスト,Cは一般記述テクストを示す。なおサブタイト ル風の部分はこの区分が困難な場合があるが,標題にはピリオドが用いられない点を基準とした。
なおttiではbとcの区分はない。
アラビア数字はページ数を示す。
(3)これはROMER,MOcKELMANNの指摘である。両者で重複するものはさけたが;以下が後者で 特に明確に扱われている。前の諸項目はR6MERによる。なお彼女では《広告語の効果》(202ff.)でも
これらについての言及がある。
、
62 田 中 宏 幸
富さなどが浮かび上ってくる。以下,こうした研究とも比較しながら大体この順序で報告 するが,全体的に見てやや特殊な標題だけはまとめて先に扱うことにしたL,。
なお,これに先立って全体的な概観のために,前回の語彙の報告(W,95)の冒頭に引用 したネカーマン社の宣伝テクストが,この点についてどのような特色を示すか見ておきた
い。
2.このテクストで,まず注目されるのは2行目後半から後の動詞を欠く4文である。こ れは,いわゆる体言文Nひ加加α伽彪である。RtjMER(165)に従って本稿ではまとめて不完 全文とするが,これが豊富なことは広告語全体の大きな特色である。この不完全文が又多 くの場合,非常に短い。ここでは3,8,5,10語であるが後に見るようにNの導入的宣 伝テクストでは3語の不完全文が非常に多い。さて,ここでは6文中4文が不完全文であ る。一般にはこれほど高い割合でないが,平均すれば約半数の文が不完全文である。第1 文は7語からなる単一文であるが,他方,完全文の大多数は簡素な単一文で占められてい る。これも一般に短く,7語というのは典型的である。いわゆる複合文は少ないが,その なかで最も普通なのは関係文を含むケースで,上の例もこれを示している。従って短く簡 素な文構造がここで既に明確に示されている。これは文構造ばかりでなく文群でも同様で,
文と文の関係も一般に簡素である。不完全文の多くは連想的,補足的かつ並列的,平行的 に登場する。これも上の例で確かめられよう。ここでは同格の,リズム的にほぼシンメト
リックなundで結合された2項の構文がくり返されている。これは第2文のalldasへの 同格的補足である。又形容詞と名詞という構文もくり返されている。単なる平行ではなく 語の累積も反復フィギュアのひとつであるが,この好みが形容詞の累積的反復と,不完全 文の列挙に明確に示されている。この反復という手段は,従ってここでは文構造のそして 又文群構造の構成力となっているが,これは全般的に認められるところである。3分法 への好みは第4文(FunkelndeEleganz,iiberschaumendeLebensfreudeund urgemUtlichesromantischesFerienleben.)や第6文の付加語形容詞に認めることがで
きる。第4文は又いわゆる《後続項拡大の規則》Gese彪娩γ2(ノac"se"〃〃G舵〃γ(REINERs, 415)の例でもあろう。EwigeSonneundlaueNachte.は対照的意味を示している。最後 の文でも前項のlangeは後項のkleineと対照的であろう。《ヴァカンスであこがれ求めて いるすべてのものを見出す》とか《太古の静けさ》はもち論誇張であり,unberiihrt《触 れられていない》(静けさ)やUberschaumend《泡立ちあふれる》(人生の喜び)の表現は ここでの独創ではないが極めて描写的といわなくてはならない。funkelndeEleganzで も描写的であろう。これに続く部分を更に引用しよう。以上のべた傾向ないし特色が確か められる。
GasteaufderganzenWeltfolgendemRufdieserlnsel.HeiSblutigeundBlaublutige,
ErwachseneundKinder,ProminenteundUnbekannte,MiideundMuntere.Siebaden,faulenzen,
−現代ドイツのツーリズム広告のシンタックスの特色について 63
sonnenundentspannensich.SiefeiernFeste,probierenLeckerbissenunderlebenAbenteuer:
glaubenSiedochnichtandasMarchendesuniformen,,Massenbetriebe3.(N4,IIb)
〈全世界のお客さんが,この島の招きに応じます。情熱家も物静かな人も,大人も子供も,名士も知ら れざる人びとも,疲れた人びとも元気な人びとも,ゑんな海に入り,ぶらぶら遊び,日の光をあび,くつ ろぐのです。みんなパーティにでかけたり,名物を賞味したりアヴァンチュールを体験するのです。しかし 型ぎまりの「マスプロ経営」というメールヒェンを信じないで下さい。>
第1文は典型的な主張文で,いわゆる誘導像Le肋掘I/ひめj〃を利用している(4)。つぎ の主語への補足である不完全文のundによる平行的列挙では対照法が見られる。一般的に blaublutigは《貴族の血筋》を意味するが,ここではhei6に対立する意味でblauが用い られていると推定される。動詞の列挙も反復フィギュアのひとつである。第4文の前半は 3分法を示す。後半での《メールヒエン》は一般的な比喰的換言であるがネガティヴな表現 への腕曲法でもあろう。この文は又親近感のために好まれるSieによる呼びかけを含んで いる。なお,先の例にもあったが,数項の列挙で最終項をundで結ぶ快適なレガート奏法 も好まれていることをつけ加えよう。さらに句読点ではコロンとダッシュ,それに引用符 が非常に多いことも特色である。以上のような諸特徴が全体として,感情から発するにせ よ,それにうったえるにせよ,いずれにしても論理的な文体とは無縁の情緒的な雰囲気を 作り出している。これがその文体の特色の要約である。これは又語彙の側からも確認でき
ることである。
標題U627scM/f
3.一般に標題ないし見出しの最大の役割は,以下のテクストへの注意をひくことである が,広告語でもこれは同様である。そのためには目立たなくてはならない。それはまず,
多くは紙面の有利な場所を利用し,大きな文字や目立つ字体,そしてしばしば色彩も区別 されるなど,タイポグラフィの面で工夫される。これに関連して美しいカラー写真などの 映像手段も利用され,注意をひく有力な構成要素となっている。時にこの写真に関連づけ られた標題も見られるが,一般には広告テクストへの関連は暗示的である。もっともこの イラストレーションに多くを期待して,標題自体は簡単な旅行地の区分を示す地名だけと いう場合もかなり見られる。しかし一般的には,言語構成の面でも効果ある形をとる。そ の第一は用語であるが,この分野ではほとんどの場合,地名が登場する。これにWで報告 したような称揚的,積極的な語が加わる。これはさらにシンタックスと修辞的装飾を施され,
印象的で魅力のあるヘラルドとなる。しばしば標題はここでも単なるテクストの分類では なく,旅行地の魅力についての巧玖な要約となっている。例えば本稿の題目に引用したの は,ツーローパ社のライン川とモーゼル川地方への旅行の宣伝部分の見出しであるが(T
(4)ROMER,177;MOCKELMANN,38f
田 中 宏 幸
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36),美しいカラー写真の上に,まず2河jllの名が配され目立つタイポグラフィから既にこ の地方への旅行を促す効果が感じられる。この下に心持小さく《情緒》と《静けさ》が副 えられている。これはこの旅行地の魅力ないし長所の感情的な趣の語による要約でもある。
ラインとモーゼル,そして情緒と静けさがそれぞれ明確にくつくりと印象づけられる。こ れがどのような関係にあるのかは明示されていないが,その内包的暗示は特別な気分をか もし出す。主要概念以外は何もつけ加えられていないだけに,よりそれらの個々の概念は 明瞭なものとなる。いわゆる体言文の効果である。この標題の構成ではAmdBという構
文の平行性が注目される。さらに[It'‑]という頭韻A""2m加〃によって印象づけられる。
こうした言葉のいわゆる《著侈》L"""s(LAusBERG59)は言葉の魅力をもたらし,その快 い印象づけに役立とう。
4.標題の最も単純なタイプは1語の地名である。この型は全体的には最も多い。特に下 位区分を示すタイトルは地名ないしこれに準じたケースがほとんどである。しかし大きな 見出しとなる標題がこのタイプの場合は,多くは下にサブタイトルかこれに準じた導入的,
要約的な注意をひくテクストが続く。
数語からなるが構文上1成分のタイプでは地名を含めた名詞が並列されるとか,付加語 形容詞がおかれるとか,名詞2格や前置詞句による規定が続く。さらにzu−不定詞構文や 関係文を伴う型がこれに加わる。これらの型の標題を数例引用しよう(5)。
うjJJJうう1234567 くくくくくくく
Salzkammergut(T60,IIa)(地名)
Schweiz(T78,11a)<スイス>
Spessart//Maintal(T34,11a)<シユペサルトマイン谷>(地名)
BayrischerWald(H48,11a)<バイエルンの森>(地名)
DeutschlandsWeinstra6e(T32,IIa)<ドイツのワインストリート>
UrlaubaufdemBauemhof(T100,11a)<農家での休暇>
DieSchweizerArt//Italienzugeniekn//(undumgekehrt)(T76,11a)<スイス式にイタリー
を楽しむ(又逆に)>
Jugoslawien//wodieSonneallesindenSchattenstellt(T95,IIa)<日の光ですべてが圧倒
されるユーゴスラヴィア>
Wien/Wachau/Burgenland(T66,IIa)(地名)
Rundreisen//SehenundErleben(T105,IIa)<周遊旅行,見て体験する>
(8)
(9)
( 1 0 )
(9)は3分法の例でもあろう。標題では/がしばしば用いられる。⑩は3分法ともとれる が場合によっては2項的ともとれる。
5.文レヴェルで2成分,或いはそれ以上の標題もかなり見られるが定動詞を欠く体言文 が普通である。まず旅行地とその特色が並置されたタイプが見られる。この型は,いわゆ る連辞K""〃が省略されていると考えられよう。これについで,そこで可能な関連の
(5)//は改行を示す。それ以外のタイポグラフィの特徴は略すこととする。
−現代ドイツのツーリズム広告のシンタックスの特色について 65
事柄が並置されるケースが加わる。このタイプでは両成分の関係は暗示的で,しばしば旅 行地は象徴的に重なり合う。先に触れた本稿題目の引用例はこのタイプに属する。
(11)OberesNeckartal//TorzumSchwarzwald(T31,IIa)
〈ネッカル谷上流シュヴァルツヴァルトヘの門>
(12)Ur‑Urlaubsland//Tirol(T44,IIa)
〈最古の保養地チロール>
(13)W6rtherSee://Vorwiegendheiter!(T58,IIa)
〈ヴェルタァ湖もっぱら晴>
(14)BodenseeBregenz//FerienindenAlpenunddochwieamMeer(T42,IIa)
〈ポーデン湖ブレーケンツ(地名)アルプス山中で海辺のようなヴァカンス>
(15)GriinerUrlaub:Allgau(T21,IIa)<承どりのヴァカンスアルゴイ>(地名)
全体としては,以上の2タイプが支配的である。Nではほとんど国名と地名ないし都市 名(Spanien"Mallorca),Hでも各旅行地名が中心。又Qでも同様であるが,ここではいわ ゆるサブタイトルがおかれていて見出し全体としてはより工夫が施されている。この点で Tが最も多くのタイプを示している。
6.動詞が含まれる単一文も時に標題として用いられる。しかしコロンやダッシュを用い るとか,改行するなどによって少なくとも外観は通常の文とは異なるイメージで登場する。
これは当然のことであろう。不完全文も含めて2文以上が用いられることもある。疑問文 も可能であるが,ここでは複合的な型で用いられていた。命令文も見られる。以下の(21)
例では2命令文が平行的に用いられていて興味深い。音声的なフィギュアもしばしば取入 れられる。つぎの(22)の強弱リズムの反復と[v‑er]の音声の反復は誘惑的である。
(16)TOUROPAprasentiert://SandstrandimPfalzerwald(T33,IIa)
〈ツーローパ社はプファルツの森に砂浜を提供します>
(17)Ruhpolding‑//dasistderFerienhimmel(T6,IIa)
〈ルーポルディングーそれはヴァカンスの天国です>
(18)DasistdieTOUROPA‑Ferienkarte://Uber300malBerge,Walder,Seen,Strandund Meer!(T3,Ia)
〈これがツーローパのヴァカンス地図です。300以上の山,森,湖,海浜そして海>
(19)WassuchenSie?//Traubenkur?Bergnatur?DasKlimanur?//Hier:Dolomiten//Siidtirol (T70,IIa)<何を探し求めていらっしゃいますか。ぶどう療法ですか。山の自然ですか。ただ快適な 気候ですか。ここはドロミーテン地方南チロール>
(20)Grii6Gott!//HieristOberbayem!(T9,IIa)
〈こんにちは,こちらはオーバァバイエルン地方です>
(21)BuchenSieBraune‑//buchenSieRiviera!(T82,IIa)
〈小麦色の肌をご予約下さい−リヴィエラをご予約下さい>
(22)Dachstein/Tauem://Wander‑Wunder‑Winter‑Sommerland(T52,IIa)
〈ダッハシュタインとタウエルンさすらいの,すばらしき冬と夏の国>
(23)Osttirol//Sonnentirol(T50,IIa)
〈東部チロール陽光のチロール>
66 田 中 宏 幸
(24)Alltagadieu//Adria:buongiorno(T88,IIa)
〈平凡よさらばアドリアよブオン・ジョルノ>
(16)では目的語がコロンで区切られ次行におかれることによって明確化が行われる。
(17)では同様に重要概念である地名が独立的に前置されてその印象づけが強められ,ダッ シュを介して代名詞の反復で文の枠に入る。この手段はよく用いられる。又《ヴァカンス の天国》は比嶮である。(18)では重要概念は後置されて列挙されている。(16),(18),で 社名が登場している点も注意されよう。(19)では導入的な疑問文が有効であろう。ここで は3分法が加わる。3行目のコロンは恐らくistを意味するo(22)でも同様である。しか し対照的意味を含む(24)では《アドリア》と《ブオン・ジョルノ》の関係は暗示的であ る。これは前半に平行しているものでもある。恐らくコロンは外来語への注意をひくか,
明確にするために用いられている。(20)では南ドイツのあいさつ用語で雰囲気を出してい る。(23)では後半の押韻的反復が面白い。
最後に地名の下にサブタイトル風のテクストを伴うやや風変りな例をあげよう。異国的 情緒を頭韻風列挙手段によってかきたてる様子がうかがえる。地名や料理の名が漠然と並
び具体的インフォーメーションは何も含まれていない。
(25)Stiditalien//VinoundViaVeneto.Chianti//undCapri.SperlongaundSpumante」
//SpaghettiundSorrent.Tortelliniund…(T86,IIa)
〈南イタリーワインとヴェネチア通り。キャンティとカプリ。スペルロンガとスプマンテ。スパケテ イとソレント。トルテリニそして・・・>
以上が標題の諸可能性である。全体的には簡素な標題が多く,こうしたより工夫された タイプは量的には少ないが,この分野のシンタックスや修辞法の特色を知るうえで興味深 い。ここにはこれらの手段が,いわばコンデンスされている。
短 い 文 K " 潅 g 馳 友 2
7.広告語一般が短い文を好む傾向にあることは容易に想像することができる。長い文で は明確さが損なわれる可能性が多く,個々の重要概念の印象も弱くなる。ROMER(171f.)は 全体的に4〜6語の文が支配的であるが,一部の広告テクストで10〜14語の文も目立つと いう結果をえている。彼女はこれとMFIFRによる映画の対話文の調査結果やEGGERsによ る知的散文の分折結果などと比較して,広告分野では全体としては前者に近いが,平均し てこれよりやや長く,後者よりは著しく短い ese""i℃〃賊潅gγと結論する。
この傾向はツーリズム広告のテクストでも明確である。もち論それぞれの資料間で,又
その記載内容に応じていくらかの相違はあるが,全体的には文は短い。まず一文当りの平
− 現 代 ド イ ツ の ツ ー リ ズ ム 広 告 の シ ン タ ッ ク ス の 特 色 に つ い て 67
均語数を報告しよう(6)。
(1)1文当り平均語数(DurchschnittswortzahlproSatz)
Q t t i T H N
bCI IIII III の畑 の伽椛 〃伽伽廠 ︾恥恥︽ 助肋肋比 |卵*
98 夕リ ー904 11
1 1 , 6 1 2 , 4 12 1 6 , 1
5 , 2 1 3 , 2 8 , 5
*
9 , 9 8 , 2 8 , 2 1 5 , 3 (*は分析しなかったがHはTとほとんど同じ,ttiも非常に似ている。−
はこの部分を欠く。)
全体として見ると一般的な自社の宣伝部分(I)で文は最も短い。全資料のこのパート の平均は8,7語である。IIbは各旅行地についての具体的宣伝コピーの標題に続く導入的
テクストで,N以外ではタイポグラフィの点でも大きくサブタイトル風に扱われている。
各宣伝テクストはQ,T,Hでは平均32〜45語,Nでの承130語から成立っているが,
文の長さはNで最も短い。このパートの全体の平均は9,2語でIの部分よりやや長めで ある。ついでIIcの部分であるが,これは分量は最も多いがタイポグラフィの点では最 も目立たない。このパートは無作為抽出によって約10%を分析した。ここの全体的平均 は8,8語でIIbより短めとなった。しかしこの部分には,型ぎまりのピリオドを伴う短 文による列挙形式のホテルや各種設備の記述を含み,又1語の小さなタイトルが多数見 られる。従ってこれを除けば大体IIbと同じ数値となろう。例えばTではこの部分がさら に一般記述と,より具体的な記述に分かれていて,後者は短い不完全文で占められてい る。このため前者だけの平均では14,3語とかなり長くなる。従って一部にやや長めの文 も用いられていることが分る。
最後のIIIの部分は分量は多くないが,明らかに長い文の傾向を示している。平均語数か らもこれが推定される。さらに後に触れるようにここでは短文の代表でもある不完全文 が少なく,逆に複合文の割合がI,IIの部分より多いが,これによってもこの傾向は裏書 きされている。又271文中20語以上の文が71文(26%)見られ,ここだけは他の部分と
●
異なる:ことがよく分る。ちなみにNIIbの部分のこの割合は3,2%に過ぎない。なお平均 値から推定すればEGGERsの分折した知的散文の文の長さに近い(7)。
(6)文についてはピリオドを基準とした。明らかに別文とすべきと思われる場合(多数の文の列挙 の前など)はコロンでも区切ったが、これはⅡIでの承承られた。語については固有名詞もすべてス ペースがあれば複数に数えた。アラビア数字の場合は全体を1語とした。略号類も数えた。又ハイフン 結合は全体を1語とした。
(7)MGERS(52f.)は12〜23語の文が40%を占め,なかでも16語の文が最も多いという結果をえてい る。そして14〜18語が知的散文で最も好まれる文の長さだと結論する。ちな承にレッシングでは22
〜24語の文が好まれ,ケーテでは30語の文,シラーでは大ていはこれ以上の長い文が見られるとい
う 。
田 中 宏 幸 68
8.文の長さは,しかし平均語数だけでは一般の傾向を見るのに充分ではない。それは極 端に長い文がひとつあれば,他は短くても平均値は高くなるからで,その点で語数別の文 数がより具体的な特色を示してくれよう。これについてはNIIbの495文の分折結果を 示そう。
これで見ると最も多いのが実に3語の文である。これに,4,6,7,5語の文が続く。
全体の半数強52,1%が3〜7語の文で占められている。この495文の平均語数が8,2で あるが,これ以下の文が64,2%も見られ,半分以上の文が平均より短いという結果にな
り,この傾向がいっそう明らかとなる(8)。
(2)語数別文数(Z"〃〃γ馳彪ewac"Z〃魑Eノ,NIIb
数 W 5 池 γ 加 馳 虎 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1
韮叩
完 全 文 不完余文
Vb"s〃""鞍 醐 彪 e U""0ノム戯"α鞍 馳 彪 e
− − 5 1 2 1 8 1 9 2 9 1 9 1 7 1 5 1 2 9 1 2 4 9 4 0 3 1 3 3 2 2 2 0 1 5 9 7 計Gesaw@だ"た2 912545249525139322419 合
12131415161718192021232425262739合計 8 8 8 8 3 6 5 7 3 3 1 1 − 2 1 1 2 1 1 9 8 2 1 2 4 2 4 2 − − 1 1 1 − − 2 8 4
1 7 1 6 1 0 9 5 1 0 7 1 1 5 3 1 2 1 3 1 1 4 9 5
1〜20語の文数グラフm〃庇γZ−航〃 0"軽〃馳彪9,馳加""〃
全 又
置 今 も文数怪習ミミミ︑寳隠
40
20
1 5 10
語数Wblf膠γ加馳吃
15 20
(8)これを先のEGGERSの結果と比較されたい。又MITTELBERG(183ff.)はBild‑Zeitung紙(センセー
ショナルな文体で知られる通俗的な日刊紙。西ドイツ新聞中最高の発行部数をもつ)の文を分析して,
−現代ドイツのツーリズム広告のシンタックスの特色について 69
9.さて1〜3語などわずかの語数の文が既に不完全文を暗示しているが,文の長さは又 その構造とも関連している。文構造が複雑なほど平均して文は長くなる。これはここでも 例外ではなく,まず平均語数を文の構造別に調べて見ると大体つぎのような結果がえられ た 。
(3)文の構造別平均語数(助"℃"Sc伽"*〃"ge〃αC〃〃"@M彪帥ノ
Q t t i T H N U""0"s賊"α狸
馳 彪 e 母"たzc"s"たe Mたりg幼加""gE"
az"E/惣膠 不完全文
I I b 単 一 文 複 合 文
6,7 8,8 15
346 1︐︐ 812 12
一
73 71 972 1
10,3 13,9 23,7
U""0"s敗れα鞍 馳 彪 e 母""zc"s"睡 馳だ"e妨加伽"9F〃
馳姥E/惣膠 不完全文
I I c 単 一 文 複 合 文
3,9 13,2 20,7
6,6 10 16,7
6,4 11,9 18,3
5,7 9,4 16,7 9,6
18 25
例外はQIIbの場合だけで,全体として不完全文が最も短く,単一文がこれに続き,副 文を伴うか単一文の並列−この両方をまとめて上で示したが−などの複合文で最も長 い。しかし不完全文のすべてが短く,複合文のすべてが長いというわけではない。NIIbの 495文につき,構造別に語数別文数の分布状況を示そう。
(4)文構造別語数別文数(Mfzzα〃〃zzc〃乃ゆ〃"dZ"ZgglNIIb 単 一 文
母""zc"s"た2 不 完 全 文
U畑0"s危"〔ノ睡 馳 吃 e
複 合 文 Mたりe妨加 "g膠〃
馳姥巳地E 24,6%
36,6 20,1 12,3 5,3 1,1
3 % 29,1 3 4 23 10,3
0,6 1 〜 3
4 〜 6 7 〜 9 10〜14 15〜20 20以上
刈似師拓妬3 1 5州弱銘Ⅳ1 −19咽脂8
2,2%
19,6 28,2 32,6 17,4 合 計 2 8 4 1 0 0 , 0 165100,0 46100,0
この表から不完全文では4〜6語の文が目立って多く,完全文では7〜9語の文がピー クになっている。しかし最も多いのは前者では3語の文で,これは49文(17,3%),後者 では7語文で29文(13,7%)である。単一文の最も短い文は3語文,最長は24語の文で あった。しかし不完全文でも,これより長い25と26語の文が見られた。さすがに最も長 い39語の文は副文を伴う複合文であった。1文であるが反面6語という短い複合文も見ら れた。全体としては,不完全文では3語の文をピークにして語数が増えるにつれて文数は
2〜16語の文が84%に達し,5〜9語の文も35%にものぼることを確認している。この数はNIIbの
495文ではそれぞれ89%と45%となり,より短い傾向が明らかとなる。
田 中 宏 幸 70
かなり急に減少して行くが,完全文では7語文をピークにして語数の増加につれてややな だらかに文数が減少する。これがNIIbの長さから見た文章像である。なおRijMER(171f.) の数値と比較の便のために,先表の単一文と複合文の合計した数値と,彼女の長い広告文 についてのデータを以下に示そう(9)。
(5)ROMERとの比較(I/b7g〃b〃"@"ROj砥R,IfZ/:ノ U"zノ0"s彪卯d電E助如
不 完 全 文 数 ROMER NIIb
Vひ"s〃"α軽馳彪g 完 全 文 数
ROMER NIIb
3,2%
24,1 20,6 25,1 18,4 8,6
2,4%
23,2 30,8 24,2 15,2 4,2 24,6%
36,6 20,1 12,3 5,3 1,1 26%
33,9 17 13,7
6,1 3,3
16 118 101 123 90 42
5伯開別犯9
犯則灯胡Ⅳ9
1 〜 3 4 〜 6 7 〜 9 10〜14 15〜20 20以上
合 計 2 7 7 1 0 0 , 0 1 0 0 , 0 4 9 0 1 0 0 , 0 2 1 1 1 0 0 , 0
10.以上からこの分野でも一部を除いて全般的に短い文を好む傾向が極めて強いことが 明らかとなったが,これはどのような原因ないし動機によるのであろうか。
短い文の一般的な文体効果についてScHNEIDER(435ff.)は,まず内容の簡素さから生ずる 客観的で淡々とした記述の場合をあげる。これは事典や教科書短い歴史的・伝記的報告 などに見られる。もち論ここでは短さからえられる明確さも加わっている。このタイプの 短文はツーリズム広告でも主としてIIcの部分やIIIの一部に登場する。そして必要最低限 の無駄のない表現法として不完全文も多数見られる。これは辞事典などでも共通している。
このようないわば中立的な短文に対して,力のこもった強い印象力をもつタイプが,例え ば格言や筬言などに見られる。ここでは一般的な真理や教義や価値ある体験などが,いわ ば動かし難い重みで表現される。R皿皿Rs(337)もこの意味での短さを特に心掛けること を勧めている。彼は《短い》〃だという代りに《簡潔な》ル加加という表現を用いて いる。ScHNEIDERによれば,この種の短文は長い文を中断したり,しめくくったりする場 合に特に効果が大きい。このタイプの文は短い文が支配的な広告文では少なくとも目立た ず,又効力も大きくはないと思う。しかしにもかかわらず,テクストの冒頭や終末で,多
く極端に短い不完全文によって類似の効果が感じられる。
他方,多数の短文の並列的連続は又,簡素さないし素朴さの現われとして,童話や民話 にも広く見られる。これに準ずるのは日常の打ちとけた通用語U"gzz"邸S"nc舵で,ここ で好まれる短い同格文は全体として,軽やかで/Mc"施荒けずりで〃"g〃聴吻粗略で
(9)ROMER(79)は統計調査のために広告テクストを選び出すが,
いた坊"肋と見なし,70語以下の広告テクストを短い彪兀〃γ"、とし,
を選んでいる。
100〜250語のテクストを長
それぞれ50,計100テクスト
−現代ドイツのツーリズム広告のシンタックスの特色について 71
"αc"肱ss悪上すべりの0舵7"jc"此〃印象を与える。しかしこのような必然から来る効果 は,しばしば意識的に利用される。例えばこのシンタックスは,個々の印象をゆるく,つ ぎつぎと結び合わせる印象派文学の文体に再現されているといわれている。それによって軽 やかな語らいの調子〃z"〃γ加〃がえられ,エスプリと味わいとウイットとアイロニーとエ レガンスが結び合わされる。ここでは一貫した短い文によって,いわばスケッチ風のもの が暗示的な魅力をもつに至るとされている(ScHNEIDER,441)。いわゆる体言文ないし不 完全文も短い文の代表的な現われとなる。実は少なくともここで分折したテクストではこ の外観を示す短文が非常に多い。これについては不完全文でより詳細にふれることとし,
ここでは指摘のみにとどめたい。なお軽やかな語らいの調子は,広告語が心掛ける消費者 への親近感とも関連する。日常口語の打ちとけた用語や表現の利用,それにその文体が模倣
されるわけである。
文は又烈しい動揺や興奮状態にあると必然的にその性急さのために短くもなる。これは 又意識的にも効果のために利用しうるものであるが,感情α〃〃の意識的刺激の文体も 短文を特色とするもののようである。この動機も広告語では不可欠であろう。
最後にひとつの必然的な原因が推定される。それは充分に文を練る時間的・心理的ゆと りが広告のコピーライターにはないのではないかという点である。しかし,これはやはり 副次的なもので,多くは効果をねらったものが支配的であろうと思う。
以下,客観的短文(1),強力な印象づけをねらったと思われるテクスト初頭の短文(2),(3),
それに短文の連続例(4)などを引用しよう。(4)は又列挙によって感情的刺激などもねらって いる。この最初の地名は又強力な印象づけの例であろう。
(1)PensionLoly.Einekleine,familiarePension,dienichtweitvOmZentrum,derPlaza, entferntliegt.DasHausliegtruhig,sehrbeliebtistdieDachterasse.DieZimmermit Bad,gegenMehrpreisauchBalkon.(Q2,IIc)
〈パンションロリー。中心部プラザから遠くないこじんまりした家庭的なパンション。当館は静かで,
サンルーフは好評。部屋はバス付,追加料金でバルコニー付もあり。>
(2)DieAdriaistmehralsnurblau.(N48,IIb)
〈アドリアはただ青いだけ以上のものです。>
(3)CostaDorada‑diegoldeneKiiste.(N24,IIb)
〈コスタ・ドラーダー黄金の海岸>
(4)Andalusien!ZauberhafteLandschaftimsiidlichstenSpanien・NuretwadreiFlugstunden, undSiesindda・ZumErholenundGeniekn.
DenndieSonnenktistehaltvielfiirSieparat.SchattigeOlivenhaineundbliihende Orangen‑Garten・Weinberge.DasinderSonneliegendeMalaga・DiebizarrenGebirgsketten.
TavernenundBodegas.…(N26,IIb)
〈アンダルシア!スペイン最南の魅力的な地方。飛行時間わずか約3時間,あなたは到着します。保 養と楽しみのために。
なぜなら,太陽の海岸はあなたのためにたくさんのものをととのえています。オリーブの森の木かげ
と花さくオレンジの園。ぶどう園。日に輝やくマラガの町。ビザールな山なゑ。小料理店と居酒屋。…>
72 田 中 宏 幸
不完全文U"zノo"s戯"αをE馳彪2
11.短い文が支配的という傾向は又,簡素な文構造の優勢を暗示している。不完全文は簡 素な構文のひとつの代表であるが,これが非常に多いこと,又短文の代表でもあることは 既に確認された。これに関連して逆に複合文が少ないことも先に触れた所である。
さて,この不完全文はNIIbでは495文中284文,つまり57,4%と半数以上に及んでい た。この割合は他の資料でもかなり高い。Iの部分の平均は45,9%,IIbの部分はHで46, 5%,Qで38%,Tで46,3%,又IIcの部分の平均は57%に達する。最も多く見られた のはTIIcで77,6%というやや例外的な数値である。しかしひとつの可能性を示すもので ある。逆に不完全文が少ないのはIIIの部分でQ,T,Nの271文の14,4%であった。ROMER (168)は長い広告文で36,1%,70語以内の短い広告文で55,3%というデータを示してい る。従って全体としてツーリズム広告の不完全文の割合は後者に類似している('0)。
この多数の不完全文は明らかに,このテクスト群の文体のひとつの大きな特色であるが,
どのような不完全文が,どのように用いられているのであろうか。まず非常に短い文が目 立つ。NIIbで見る限りそれは半数が5語以下で,3語文が最も多いという結果が見られ た。つぎにこれらの短い不完全文が,つぎつぎと連続的に登場する点も特色とされよう。
このような不完全文群の一種のリズムともいうべきものが,どんな姿をとるか数字で示し て見よう。数字は語数を示し,×は不完全文,+は複合文,又/は段落を表わす。
〔5×3×4×8〕11+5×〔63×3×3×3×〕1×7/
6×3×6×8×2018/5×17×4×(N17,IIb)
〔〕内は以下の(1)で具体的な文を引用する。
このテクストには22文含まれているが,そのうち16文が不完全文で,1文のみ17語と長 目であるが,他は非常に短く,3語の文が目立つのも典型的である。このテクスト全体の
1文当り平均語数は6,8語である。
第3の特色とされるのは,3語の不完全文4文の連続から推定できるように,しばしば リズム的に或いは構文上,同一ないし類似した反復ないし平行が見られる点にある。事実 ここでは後の3文が平行的である。(1)を参照されたい。そしてこの平行的反復が,多くの 場合,これらの文群の構成力ともなって作用している。この平行的反復は文構造内の成分な
ど他の場合にも広く認められる手段である。
最後に,本来相互に1文に統合されるべき文成分が,普通の語順のままで,或いはしば しば補足的に,独立の不完全文となる傾向が特色とされよう。この傾向は複合文から単一 文,さらにその文成分の部分にも及び,しばしば文成分の分解が進んで行く。又好まれる補 (10)MITTELBERG(184)では1000文中136(13,6%),又晩GERS(53)では5571文中143(2,5%)が不
完全文という結果が示されている。なお両者で&た""gと称されている。
−現代ドイツの、ソーリズム広告のシンタックスの特色にっ↓、て 73 足的表現は,ほとんどこの形の不完全文として,ピリオドを介してのみ登場する。この場 合はコンマを介するならば,文枠外の文成分となり,ややルーズな構造の文を示すことに なろう。一般に広告語における不完全文の豊富さの大きな原因は,この文成分の独立文化 ないし文の解体の傾向にあるといっても過言ではない。従って逆に,このような不完全文 では,その独立性はいわば外観のものであって,意味的には前後の文との関連でのみ理解 される。つまり元来1文内の文成分相互の関係が,ここではいわば文間のレヴェルに高め られていることになろう。いくらかの例を示そう。
(1)CostaBlanca‑die,,weiBeKiisteJ'.DieRivieraSpaniens.ZwischenValenciaundAlicante.
Nuretwa2Flugstunden‑undSiesindda.…HierwerdenalllhreWUnschee㎡iillt.Injeder Hinsicht.BadenundBraunbraten・TauchenundWasserski.TennisundReiten.…(N17,IIb)
〈コスタブランカ−白い海岸。スペインのリヴィエーラ。ヴァレンシアとアリカンテの間の。たった約 2時間の空の旅−あなたはもう到着します。…ここではあなたのあらゆる願いは満たされます。どの 点でも。海水浴に肌を焼く。潜水に水上スキー。テニスに乗馬…>
(2)InselderRomantikerundKUnstler.krlndividualistenundVerliebten.(N14,IIb)
〈ロマンチストと芸術家の島。個性を愛する人と愛し合う人々の。>
(3)DanndieHauptstadtlbiza!MitHafen‑undFischerromantik.UnddenBadestranden PlayadeFiguretas.(ib.)
〈それからイビサの町。ロマンチックな港と漁夫。そしてフィグレタス海岸の海水浴場がある。>
(4)UndindiesemJahrerstmalig:FlugreisennachSUdafrikaundindieSUdsee.Nach LapplandundMalta・KretamdPortugal.(N58,Ib)
〈そして今年はじめて南アフリカと南太平洋への空の旅を提供します。又ラップランドやマルタ島へ。
そしてクレタ島とポルトガル。>
(5)DennunsereExpertenwarenlangegenugdort.UndhabenallesgeprUft.UndfUrgut gefunden.(N58,Ib)<というのは私どものエキスパートたちが充分そこに滞在しました。そして何 もかも調べました。そして良いということが分りました。>
(1)は先に数字で示した不完全文群の第1〜4文,第7〜11文である。第3文は第2文か ら切離されている。又第8文は第7文への補足的副詞句である。第9〜11の3文は構文が 平行している。これらは又《あなたの願い》の補足でもあろう。(2)では平行的な2格名詞 が分離されている。(3)では第2文は前文と関連し,更に第3文は前文のより下位単位の同 格反復の独立化である。(4)でも文成分の分解が進んでいる。(5)では3文は連続させれば動 詞部分が拡大された単一文となる。
文成分の独立化の傾向は又《砕文化》A加加たた""gとも称されて注目されている('')。
この傾向は又R6MER(169)によれば特に1963年頃から一般広告で増加しているという。
12.さて,このような少なくとも外観上よく似た文体が印象派文学でも見られるもののよ うで,主として短い文という観点からScHNEIDER(443)はつぎのように,その文体的効果に ついて論じている。《個々の文成分一副文,同格,副詞規定など−が外観上独立の文と (11)MOcKELMANN(46)。このような傾向は又,Bild‑Zeitung紙にも認められるようで,副文や不定
詞講文の独立化や並列文の切断,単一文の分解などが指摘されている。(MITTELBERG,202ff.)
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