t ほしがき 二 目動安定装置の定義 三 日動安
定装置の概念の発展 四 現在備っている自動安定装置
七 むすび 五 自動安定装置の限界 六 自動安定装置の故老
岬 はしがき
現代はエレクトロニクスの時代であるとよくいわれる︒そし
てつぎのような驚異すべき事実もよく知っているぐ室温を一定
にたもつておく装置︵サーモスタット︶︑パイロットが居ねむ
りをしていても飛行機の安定をたもっておくことができる自動
操縦装置︑激動している軍艦から飛行機を撃ち落すことができ
る自動照軽装琴敵の飛行機を追跡することができるミサイ
ル︑それを迎撃するミサイル︒これだけではない︒今日の経済
には︑国民総生産︑雇用などが大幅に変動するときにはそれに
抵抗して安定を推持しょうとする自動安定装置がある︒畳も夜
も︑総理大臣が官邸にいるときにも︑休んでいるときにも経済
の安定を推持するように作用している装置がある︒仮りに議会 財政の自動安東装乱
今 川 第三十四巻 第四号
の休会中紅斎気のひどい後退をひき起すような衝撃が加って
も︑自動的隼すなわち委員会を開いたりそのための措置を少
しもとらなくても︑作用する装置がある︒この魔法のような自
動安定装置というのほ何か︒
ここでは︑この自動安定装置の定義︑つづいてこの概念の由
来紅ついて述べる︒その後で現在そなわ︵′ている自動安定装置
についてみよう︒つづいてその限界︑可能と思われる自動安定
装置を概観しょぅ現
り ここにかかげたものの原理については拙稿﹃サイバネテ
ィックスー一・オートメインヨンの原理﹄香川大学経済論
設 参照︒これとここで考えている自動安定装置の原理
とには全く異なった面がある︒それについては稿を改め
て述べ論ずることにする︒
封 自動安定装置をとりあげた書物にはつぎのものがある︒
林栄夫﹃ピルト・イン・スタビライザー﹄一九六〇
ニ 自動安定装置の定義
自動安定装置の定義について人々の意見ほまだ一致していな
い︒またそれについてほいくぶん混乱がみられる︒この点ほ︑
同じ事柄を表わすのに用いる言葉が非常に沢山あることによっ
てもみられる︒自動安定装置を示す︵あるいは示すためのもの
と恩ほれる︶言葉は︑ちよっと数えあげてもつぎのものがあ
る︒自動的補整的調節︑自動伸縮性︑自動的反作用︑自動的安
定強化︑舶込み伸縮性︑組込み緩衝器︑制度的安定装置などが
それである︒いま自動安定装置の意味を明らか紅するために安
定強化のための鹿葱般分類しておこう︒それほつぎの四つに
分けることができる︒
闇自由裁量の政策 たとえば議会で相税体系を変哀したり政府
支出を追加することをきめること︑また日本銀行の公定歩合の
変更︑準備予金の率の変更︑国債の売オペ︑買オぺなどがこれ
である︒これほある機関がその権限にもとづいて︑そのときの
経済状勢を見て適当と思う措置をとることである︒これほ単に
景気変動の凹凸を埋め合わすにすぎない補整政策と︑よび水政
策とがある㌔この後者ほ不況に直面したとき︑それほ血時的な
坐折である︑経済紅貨幣を注入すると︑経済ほそれ自身の力で
繁栄に向?てゆくことができるという考えにもとづく政策であ
る︒ 蘭自動安定装置 個人税︑法人税︑社会保証のための政府支
出︑農産物価格支持のための政府支出などがこれである︒これ
ほ経済に組み込まれており︑いつでも作用しており︑沈滞のと
きには国民総生産の低下をやわらげ︑好況のときにほ上昇を押 3 さえる傾きのあるものである︒
爆走式安定装置 たとえば市中銀行が日本銀行から借入れてい
る額︵オーバーローン︶が或る予め決められている額を超える
七きには︑日銀からの憎入れ利子率が自動的に高くなるように
定めた高率適用制度がこれである︒また失兼率が︵たとえば︶
八パーセントを超えるときにほ個人所得税の基礎控除を山○パ
財政の自動安定装置 ーセント引上げるように仕組むこともできるであろう︒ ㈲ 制度的安定装置 年間賃金保証制が多くの労働者紅ついて 設けられれほ︑総需要の減少をやわらげることができるであろ う︒また米国における連邦予金保険の制度もそうである︒これ ほ重要であるのでくわしく説明しておこう︒
中央銀行ほ市中銀行から支払準備金を予っているが︑これほ
銀行経営が失敗したとき預金者を保護するためのものでほな
い︒金融政策の失敗転よる損害を預金者に及ぼさないという機
能さえ果さないこともあった︒ところがこの預金保険は市中銀
行の預金を中央銀行の紙幣に換えることを政府が保証するもの
である︒この保険のために預金者が損害をうけることほほとん
どなくなった︒そしてこのために銀行取りつけの原因ほ取除か
れた︒取りつけほ銀行預金を紙幣と換えることに不安を感じる
ためにおこる︒この不安が克服できたため取りつけほはとんど
起らなくなった9この制度ほ極めて重要である︒このため銀行
の破産ほ起らなくなった︒今後は政府当局︑銀行検査官によっ
て銀行が閉鎖されることがあるかもしれないが︑預金者の行動
によって閉鎖されるという事態は起らないであろうとさえいわ
れている︒︒
自動安定装置であるためにみたさなければならない条件は何
か︒イーグルほ自動安定装置︑定式安定装置︑自由裁鼠の政策
について敬譲蕃を香いているが︑彼ほそこで自動安定装置の基
■○ 準としてつぎの三つをあげている︒
︵こ九一︶ 三九
第三十四巻 第四号
仙恒久的に取りつけられてい隻倒その規定および目標がはっ きり定められている︒㈲景気変動を機敏に示す指標とむすびつ い′ている︒そしてその指標が必要であることを示すとすぐにそ
またハートはつぎの二つの条件をあげている︒
棚不景気のときに政府予算に赤字を生み好景気のときに黒字を
生む︒闇特別の政策決定なしに作用しほじめる︒
ここに紹介した説明においてほ︑そのどちらにおいても日動
安定装置の中に後で述べる定式安定装置を含むことができるも
のである︒イーグルほその自動安定装置を更に不動方式と可動
方式︵定式安定嚢藍︶に分けてこれを解決している︒またハー
トほその文中において不動方式の例について述べでいるだけ
で︑定式安定装置の例については述べていない︒いつも作用し
ている装置と或る予め定められた水準に経済活動の水準が到達
してはじめて効力を発揮する装置との間にほある程度の差があ
る︒この二つを区別して前者だけを自動安定装置とよび︑後者
は安式安定装置とよんで区別することにしよう︒
自動安定装置について起?ているもう一つの混乱は︑自動安
定装置の項目として安定強化の力が実際上ないもの︑あるいは
安定強化の効果ほあるが自動的でないものを含むことである︒
この点を注意して区別をしなければならないことほいうまでも
ない︒
叫 ﹈誉maゴ句け只eiseご=TheDe邑名ment OftFe の装置が作用しほじめる︒ ︵二九二︶︑r四〇
COnCept OfでA已Omatic Stabi−i語rS﹀∴↓訂盲§莞〜
Qヽ慧喜莞勺︸December−誤の︸ぎー・H:︐20・ふ−℃・缶A︸
参照︒
h ヒ=﹂−⁝−主・︑∵・・︑こミ†=ごこ︑ご・︑︑∵⁚
C琶︑屯わ︸pp.NのナーN監.参照︒
引 これについては第四節﹁現在備っている自動安定装置﹂
においてくわしく述べる︒
射 なお経済の自動的作用についてほ価格の市場における働
きを想い起させる︒そこでほ完全競争が行なわれ︑価格
が財貨の生産交換分配を支配しており︑しかも利用でき
る生産資源の完全利用︵雇用︶を保障するものと考えら
れてきた︒︑そしてたとえば需要が急激に増加した財貸
の価格ほ自動的に上昇し︑生産者に大幅の利潤増加をも
たらし︑生産の増大をもたらし︑価格がふたたび落付
く︒︵たとえばシふソぺ一夕ーの革新の理論︶︒これと︑
ここで考えている自動安定装意の考えと共通のものがあ
ることを見ることは困難でない︒このどちらもきまった
ルールに従って作用しており議会や政府の自由裁量によ
っていない︒このように考えてくると︑自動安定装置
ほ︑市場の自動作用の考えから一つの理論的通産をうけ
ついでいるとも想像できる︒
引 Wa−terP.Eg−eLぎ真幸ぎ芋蔓寮邑ぎ警○ざ邑ぎ謡
Rミ謡.§q竃采雷獣わSわ.−誤N.p.㌫−
勘 A−bert G・HartaロdPeterB・只enenT旨冒挙ご︑h蒜監
会中内へ箋もS訂Ac叫賢≠ゝⅥUrd ed.﹂︸況の.p● 血盟●なお
第二版においてほ︑この他に貨幣数盈についての条件が
述べてある︑Nnded●−拐u一p・㌫N∴参照︒
三 日動安定装置の概念の発展
自動安定装置についての文献をしらべてみると︑この考えは
決して一人の力によって発展したものでないことがわかる︒他
の経済概念もそうであるが︑これほ大勢の人々の努力によつて
次第に発展して釆たものである︒
ここでこの起源について展望しよう㌣それをつぎの二つに分
けてみてゆく︒Ⅲ最近の財政理論の発展︒闇経済学劇般におけ
る貢献︒
自動安定褒毘の概念の一つの源は︑完全展用を達成するのに
赤字予算を利用する試み︑安定強化を目的とする財政政策の発
展紅もとめられる︒昔の財政学者ほ政府の収入支出が国民総生
産に与える影響を無視する傾きがあ︵一た︒わずかに租税の帰着
やそれが生産や消費ぬ与える拶響に.ついての研究がその例外を
なしていた︒そして一般に均衡予算の原則が受け入れられ国民
総生産︵所得︶の変動に敏感でない租税の方がよいと考えられ
ていた︒しかしながら二九三〇年代になって︑景気変動︑特に
不況に対する対抗策として財政政策が強調されるようになっ
た︒これほ不況の克服にあたって金融政策が失敗したためであ
るといわれており︑また理論的にほケインズの影響によること
財政の自動安定装語 ほ靡いがない︒彼の完全雇用均衡の批判︑予算編成の古典的原 所得の再分配︑金融政策︑ハンセンの試みた国債や予算政策︑ 理に対する攻撃の影響である︒ケインズほ彼の書物の中で補整 的な金融財政政策によって経済安定を達成することができるで あろうといっている︒けれどもくわしい提案ほはとんど述べて いない︒それほ彼の後継者ハンセンやラーナーがなした︒その 責献ほよく知られているのでここで詳しくくりかえすことほし ない︒重要な項目を列挙するにとどめよう︒ケインズの提案しだ
︵あるいほ提案しょぅと思っていた︶政府による投資の統制︑
補整支出の分析︑ラーナーの提案した機能財政の概念などが主
なものである︒これらほ多くほ自由裁蛍の措置であるがその後
自動化するように試みている︒いいかえるとここに示された多
くの方策ほ自由裁量の段階から自動的に作用する段階へ移すよ
うに試みられた︒この方向に極端にまで進んだものにほフリー
ドマンの提案がある︒
現在米国の経済に備つている日動安定装置は一九三〇年代の
立法にその源を発している︒それが可決されたときの目的ほ自
動的にすることにあったのでほなかった︒それほ当障二般に支
持されていた理論にもとづいて安定を強化することを目的にし
ていた︒それを自動的にすることは最近叫○カ年間に試みられ
たことである︒
多くの経済学者は自動安定装置の考えの重要な源としてつぎ
の四つをあげる︒経済開発委昌会︑フ‖ノt・ドマン︑ハート︑マ
︵二九三︶ 田山
第三十四巻 第四号
スグレイプとミラー︒これらがこの概念について詳細に研究し
た最初のものであることほ疑いはない︒しかし下に′示すよう
に︑この考トえの発展ほ彼らの力だけ紅よるのでほない︒
上で指摘したように自動安定装置ほ盈気変動を克服するため
の提案と関連をも︵一ている︒これほずつと以前から論じられて
来ているものである︒そのうえ安定装置の多くのものほ実際上
白動安定装置となった︒失菜保険が経済学上考えられたのほ最
近になってからでほない︒その考えほ少なくとも二七八九年に
までさかのばることができる︒︑失業を救済するための計画とし
ての公共事発としてほエジプトのピラミッドの建設さえそうで シ あるといわれている︒そしてそのうえにケインズ以前紅景気対 8
策として注目されている︒また公共事業や失業保険を経済安定
のために用いるような提案の例ほこのはかにミッチェルの書物
にみられる︒またそのため把租税を用いる提案と思われるもの
ほスプレイグの書物にみられる︒
一九三〇年代には多くの安定計画が提案された︒種頬もいろ
いろあった︒ダグラスの計画したものにおいてほ公共事業と失
業保険および救済を一体として用いて﹁生産財消費財双方にお
ける雇用と需要を安定させる﹂ ことを主張した︒これは非常に
詳細に述べている︒また一九三〇年代に自動安定装置に近い提
案が貨幣の分野に現われた︒︵サイモン︑B・グラハム︑F・
D・グラハム︑ワトキンス︶これらの提案ほ特に重要である︒
そこでの自動性の概念のつかいかた︑および自動性対自由裁慶 ︵二九四︶ 四二
の問題についての議論のしかたほ現代の書物にみられるものに
よく似ている︒しかしながらこれらの自動性の提案ほおもに貸
弊問題を取扱うことに局限された︒その言葉の適用範囲を拡げ
ることにほ後の人々の貢献紅よる︒
また景気変動に対する方策としては貨弊以外のもの財政の領
域のものも提案されたことがある︒しかしそれについてほ自動
他の考えほなかった︒ハスプレイグの阻税とインフレについて
の堤秦ほ例外である︶ここでその概念の適用が拡大され洗れん
され︑仙般に研究されるようになった経過についてみておこ
シ︒関連のある文献を年代順にとりあげよう︒
山九三七年ブレザートンは租税制度の基準軋おける鳳知のリ
ス・﹁のはかにもう山つのものー経済安定の方策として租税を用
いることーを主張した︒自動性へのあゆみで重要なものほ山九
三〇年の︑\\ユルグールの﹃景気変動と財政政策﹄である︒そ己
で彼ほ制度を改良して伸縮性を増すこと︵失業救済︑農業助
成︑公共事業の分野に率いて︶︑不況時にほ赤字を好況時には
黒字を目的とした財政政策をとること︑および長期の ︵すなわ
ち景気変動の期間を越えての︶均衡を達成するが︑年々の伸縮
性は保持するような予算の自動的構造をつくることについて主
張している︒そのうえ彼ほつぎのように提案した︒われわれは
貸弊についてと同じように︑財政についてもかなりの程度の自
動性へ伺ってゆくよう試みなければならない︒これらの自動装
置を作り社会の必要に応えるようにしなければならないと︒失
美保険正二九二〇年代および一九三〇年代に広く考察されてい るけれどもそれが短期の景気変動に適した重要な補整方法であ
ると考えたのほJ・M・クラークである︒重要なことほをの考
えの新しさでほない︒それが繁栄のときに資金を積みたて不況
のときにそれを粘い出すという組込まれた安定強化の方策とし
てそれを強調したことであるバ
J●M●アンゼルほ︑山九四〟年に御税制度を用いて循環的
失菜を克服すべきであると主張する人々に加わった︒またハン センほ寮気変動を最小にすることをねらった租税政策について
特別の提案をしている︒彼ほ源泉で徴収する給与税︑振動する
給与税︑販売税︵これほ現在の定式的な伸縮的提案と似ている
︶を提案しており︑また失業保険の自動的安定強化の効果︵も $
つともこの言葉ほつかってほいない︶を分析し七いる虻
ハンセンの分析たついで説気変動疫対抗する効果をもつ和税
政策をあつかった多くの論文があらわれた︒ウィルスンとギル
バートほ︑さらにこの問題を強調した︒ハートほ特にインフレ
との関係においてそれを述べ︑自由裁巌の権限の問題を強調
し︑更に定式安定装置︵とのように呼んでいないが︶を展開し
ている︒そしてスウィー汐イは︑その問題を更に分析し︑それ
をその他の安定政策との制圧上の関連において位置づけをし
た呵
仙九四四年に︑租税構造ほ確立しておいて寮気変動に応じて
財政の自動琴定装簡㌣ 変えるぺきでない︑租税収入のカが自動的に変わるようにして おくべきであると主張する報告書が全米企画協会から提出さ れた︒それによると予算は高い雇用水準虹おいて均衡すること ができるであろう︒︵毎年でほない︒というのは赤字と余剰が 許されているのであるから︶これに関して指摘しておかなけれ ばならないのはつぎの点である︒付この研究には自動性につい ての推論と意図がある︒また︑②そこに述べられている原則ほ 自動安定装唐紅ついての基本的文献である経済開発委員会の ﹃租税と予算﹄の中心部を構成する︒ 伸縮的あるいは泉気変動に対して感応的な税率に対してほ︑ この間じ期間にこの他にも岩手の考察が払われているがヮルネ ッーとハートは自動安定装置の概念の現代的適用の説明につい てこれまでのところもっとも進んだ主張をのぺている︒ワルネ ットほつぎのように指摘している︒
﹁財政赤字の大きさほ︑いうまでもなく租税と支出の大きさ
紅よって決まる︒ある程度までほ予算の赤字は特別の財政上の
行為がなぐても自動側に増減し時にほ黒字になることさえあ
る︒すなわち事業活動が低下すると租税収入ほ︑税率ほ少しも
変更しないのに減少する︒それと同時に失業のための支払は上
昇するであろう︒これほ率を少しも変えなくてもそうなる︒そ
れは失菜者の数が増加するためである︒
財政の赤字あるいほ黒字のこのような自動的振動を︑ある穣
の支出を状況に応じて変えることによ︵′て補足することはおそ
︵二九五︶ 四三
第三十四巻 第四号
らく望ましいことであろう︒﹂
はとんど同じときにハートほ︑つぎのよ㌢紅述べて自動安定
装置と同じように定式安定装置を強調している︒
﹁当初の規定に︑短期の予想外の出来事に財政制度の基本的
構造を調整する前に︑あるいはわれわれの経験しているデフ
レ的あるいほインフレ的傾向紅ついて︑その根が本当に深く
て︑このような調整をするのがよいものであるかどうかを見き
わめる前に⁝:・対処できるために︑伸縮性についてとりきめを
しておくべきである︒
システム内に自動安定装置凌︵現行の租税あるいほ失業保険
を拡張して︶仕組むことがどれはど望ましいか︑あるい偲租税
徴集︑租転支払あるいほ公共事業を敏速に変化させるための機
構を設置する.ことがどれはど望ましいか︑これらのことは全力
をかたむけた将来についての予想がほずれる程度についてのわ Op れわれの見積り紅よって左右される︒﹂
ワルネソトとハートの上述の塊案につづいてはとんど同時に
つぎの研究論文が出版された︒そしてそれほ自動安定装置のそ
1D
の彼の議論と分析の基礎となっている︒それはハ一寸の論文や
経済開発委員会の出版物である︒最初にハートの論文をとりあ
げる︒自動性の概念や自動安定装置という言葉の厳格な用法で︑
これについての一般的な考えをぼんやりと述べたものでないも
のが︑それまでのものの中で一番詳細に分析されている︒ ︵二九六︶ 四四
﹁自動性︒よい政策で︑失菜保険︑貨弊準備案のように︑そ
れ自身で経済の安定を強化し︑変動をやわちげる自動安定装置
の作用にどれはど近いことが出来るものがあるであろうか︒
必要な適応をするための伸縮性は︑ある桂皮までほ政府の構
造の中に鵜込まれているであろう︒しかし時にほ意識的に適応
することが必要である︒金融財政政策を立案するにあたハノてほ
双方のタイプの適応を考慮に入れなけれほならない︒
自動安定装置の側においてほ︑可能性はかなりある︒しかし
それだけで経済安定にとって十分であるのでほない︒自動安定
装置をつくることほ︑政策の範鋼外のもので総需要を鍼める傾
きのあるもの︑それ自体が︑︵租税収入の減少︑あるいほ政府
支出の増加のように︶総需要を強める傾きのある政策をひきお
こすようにとりきめをすることを意味する︒また政策の領域外
の出来事で総需要窒向める傾きのあるものほ逆の効果をもつよ
うなとりきめをすることである︒このようなとりきめで将来性
のあるものほ失業保険︑源泉徴収の租税︑不況において高かま
ハ〆てくる要望紅応じての政府支出の増大︑そのはかいろいろの
貨弊上の方策であるご
現在の制度紅自動性を除々に適用したことは︑ハートの功将
によることほ明らかである︒けれどもおそらく彼はこの功廣を
彼自身もそのメンバーである経済開発委員会の会員と分かつぺ
きであろう︒彼らはハーーが一九四五年の論文紅おいて行った
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