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氏名 高橋タカハシ

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 高橋

タ カ ハ シ

美由紀

所 属 理工学研究科 生命科学専攻 学 位 の 種 類 博士(理学)

学 位 記 番 号 理工博 第

297

号 学位授与の日付 平成

31

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名

The role of Cdk5 in the mental activity: Behavior and biochemical analyses of mouse

精神活動における

Cdk5

の役割 ―マウスの行動及び生化学的解析―

(英文)

論 文 審 査 委 員 主査 准教授 安藤 香奈絵 委員 准教授 黒川 信

委員 教 授 北 一郎(人間健康科学研究科)

委員

客員教授 久永 眞市

【論文の内容の要旨】

うつ病など精神疾患の増加は大きな社会問題の一つである。精神疾患は神経活動の 制 御 異 常 に よ る と 考 え ら れ て い る が 、 発 症 の 分 子 機 構 は 殆 ん ど 判 っ て い な い 。

Cyclin-dependent kinase 5 (Cdk5)

は、哺乳動物脳に発現する多機能性プロテインキナーゼ である。シナプスにも存在し、シナプス伝達の閾値を決めている因子と考えられている。

精神疾患に用いられている薬の多くはシナプス伝達効率を制御している。このことから、

Cdk5

が精神活動に関わる可能性が考えられるが、

Cdk5

と精神疾患との関与を示す報告は 少ない。

Cdk5

及び

Cdk5

関連因子のいくつかに注目して、

Cdk5

が精神活動にどの ように関わるかを解析した。具体的には、 (

1

)バルプロ酸(

VPA

valproic acid

)処理 マウス、 (

2

Cdk5

活性化サブユニット

p39KO

マウス、 (

3

Cdk5

の基質である

Lemur Kinase I (LMTK1)

KO

マウスなどの行動解析及び、 (

4

)精神活動に関わるセロトニン受 容体の

Cdk5

によるリン酸化である。

1

) 気分障害の治療薬として用いられている

VPA

p35

の分解を促進して

Cdk5

活性を低下させた。

VPA

投与マウスを用いて

Cdk5

活性と行動の関連を調べた。

VPA

投与群ではコントロール群と比べて有意にうつ・不安様行動が増加しており、

Cdk5

活性がうつ・不安様行動に関与する可能性が示唆された。 (

2

Cdk5

には

p35

p39

2

つの活性化サブユニットが存在する。

p35KO

マウスは脳構造に異常があるが、

p39KO

マウ

スは明確な異常を示さない。

p39KO

マウスは

VPA

に対して、野生型マウスより

(2)

高い感受性を示したが、VPA の慢性投与で野生型マウスに比べてうつ・不安様行動が軽減 されるという予想に反する結果が得られた。(3) Cdk5 の基質の一つ

LMTK1

は、神経突起 伸長を制御する。神経突起の形成や伸長異常は、回路形成を介して、精神活動にも影響す る可能性が高い。

LMTK1 KO

マウスの精神活動を行動実験により調べた。

LMTK1 KO

マ ウスでは野生型マウスに比べ、高い多動性と攻撃性を示した。運動協調性も亢進しており、

うつ・不安用行動が減少していた。 (

4

Cdk5

セロトニン

1A

受容体の

314

番目の

Thr

をリ ン酸化していた。以上の結果から、

Cdk5

活性は不安・うつ様

行動、多動、攻撃性、運動協調などの精神活動に関与することが示唆された。但し、

その関連性はそれ程単純ではなく、今後のさらなる研究が必要と考えられる。

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