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2. 惣百姓と近世村落

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Academic year: 2021

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<編集・発行> No.24 2007・7・26発行 編集 :一橋大学附属図書館広報連絡会 電話 : 042(580)8223

Mail : [email protected]

BELL

1. 豪農・村落共同体と地域社会

: 近世から近代へ

日本近世(江戸時代)の村のあり方は、今日のわれわれの思考・行動様式と深いとこ ろでつながっており、その解明は重要な課題である。近世の村を解明するには、豪農・

村落共同体・地域社会の分析が不可欠となるが、本書は、その三者の関係について、

近世から近代への移行期に焦点を当てて追究したものである。(著者コメント抜粋)

2. 惣百姓と近世村落

: 房総地域史研究

私は、学部学生だった頃から30年近くにわたって、房総地方の史料調査に携わっ てきた。近世、とりわけ前期(17世紀)の村人たちの暮らしは厳しいものであったが、

彼ら・彼女らは「惣百姓」(百姓全体)として互いに助け合うことで、生産・生活を維 持・発展させてきた。その延長上に、今日のわれわれがあるのである。本書は、旧 家の土蔵や母屋にしまわれた古文書の分析を通じて近世の村人たちの暮らしを復 元し、そうした村人たちの苦闘と努力の跡を具体的に明らかにしたものである。(著 者コメント抜粋)

尾佐竹猛(1880-1946)は、石川県出身の日本憲政史研究の泰斗である。明治法律学校

(のちの明治大学)を卒業後、地方裁判所判事、大審院判事をへて明治大学法学部教授となった。

『日本憲政史』『日本憲政史大綱』などの主著に加えて、明治文化研究会を設立するなど明治文化 研究の第一人者としても活躍した。文筆家として知られ、生涯に50冊近い著書を残した。22歳に して郷土の地誌『志賀瑣羅誌』を執筆、法曹の分野では、『賭博と掏摸の研究』(総葉社書店 192 5年)など他に例をみないユニークなテーマでの研究がある。死後も復刻版や生前の雑誌連載をま とめた著作20余冊が刊行されるなど、今なお評価は高い。また、相良武雄(アイラブユウ)、井田 蛇義(イデオロギー)、甲斐元齢(カイゲンレイ)、千田世成(センデンノヨナリ)、落木正文(ラッキー セブン)など多くの筆名を駆使するという意外な一面もある。本著作集は、初の体系的著作集で、1 908~1944年にかけて刊行された尾佐竹の主要著作を網羅しているほか、「海南法権史」「海南 流刑史」「明治維新下3」など、存在すらほとんど知られていなかった未刊行資料や直筆原稿も収 録している。

近世の村の特質をあぶり出す渡辺尚志教授(社会学研究科)の新刊2冊

柏書房 2007年4月刊行

ISBN9784760130412 本体6,800円+税

岩田書院 2007年5月刊行

ISBN9784872944693 本体6,900円+税

最近受入資料ピックアップ

尾佐竹猛著作集 全24巻 ゆまに書房 2005-2006 【2080:7】

「一橋教員の本」から

http://www.hit-u.ac.jp/academic/book/index.html

たけき

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めもらんだむ

直木賞作家向田邦子が文壇デビューしたとき、コラムニストの山本夏彦は、「向田邦子は突然あらわれて ほとんど名人である」と語ったらしいが、その伝でいくと、隆慶一郎(1923-1989)は、さしずめ「突然あら われ突然消えてほとんど達人であった」と言えるかも知れない。齢61才にして初めて書いた小説『吉原御免 状』からわずか5年後、隆は、『かくれさと苦界行』、『影武者徳川家康』、『花と火の帝』(未完)など20冊もの 傑作を遺し、疾風のようにこの世を去った。『吉原御免状』は、宮本武蔵の弟子、松永誠一郎(後水尾帝の 落胤)を主人公とし、遊里吉原の歴史をめぐる謎の数々を、差別の歴史や被差別の歴史とともに浮上させて いくスケールの大きい作品である。「苦界」や「傀儡子(くぐつ)一族」の章では、網野善彦の著作(注1)から得 られた知識を存分に駆使している。そのことを伝え聞いた網野は、著者没後に一読後、その魅力にとりつか れ、また、その学殖に驚きながら、生前に会えなかったことを悔やんでいる。のちに網野は、『隆慶一郎全集 第一巻』(新潮社 1995)に小文を寄せている(注2)。また、『千夜千冊』の松岡正剛は、明日にでも『吉原 御免状』を読み始めるように読者に強要している(注3)。これまで時代小説に興味がなかった方でも、「歴史 家から影響を受けた作品が、逆に歴史家の発想を転換させるようなエネルギーをもった」隆の世界をのぞい てみるのは決して無駄ではない。

労働史研究を専門とする二村一夫氏(法政大学大原社会問題研究所名誉研究員)が、過去半世紀近 い間に執筆した論文やエッセイを、自身で編集刊行するオンライン著作集である。既発表論文の再録だ けでなく、書き下ろしで『高野房太郎とその時代』、『食の自分史』、《インターネット評論》、《編集雑記》な どを掲載し、さらにFusataro Takano Papers などの史料集を編集公開している。また本著作集が初出 のものとしては、上記のほか、過去に英語で発表した論文の日本語版(第2巻第1章、第4章)があり、

日本語論文の英訳も現在発表中である。第15巻、16巻もすべて活字では未発表である。『高野房太郎 とその時代』は、合計100回の連載により完結したものだが、インターネットを通じたこの種の試みの先 駆的事例である。

隆慶一郎の世界

なんだか気になるサイト

二村一夫著作集

The Writings of Kazuo Nimura

http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/nk/

*残念ながら、隆慶一郎の作品は本図書館にはないが、くにたち中央図書館には全集をはじめ多数ある。

『吉原御免状』は、新潮文庫でも手に入る。

注1: 網野善彦 『無縁・公界・楽: 日本中世の自由と平和』 増補 (平凡社ライブラリー; 150 1996.6)

【0800:36:150】

注2: 網野善彦 『歴史と出会う』 (新書y ; 007 洋泉社 2000.5) 【2100:351】

注3: 松岡正剛 『松岡正剛千夜千冊』7 (求龍堂 2006.10) 【0100:492:7】

参照

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