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分担研究報告書

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Academic year: 2021

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分担研究報告書 

 

油症患者における口腔細菌数に関する検討   

研究分担者    川崎  五郎  長崎大学大学院医歯薬学総合研究科  准教授   

研究要旨  油症患者の高齢化に従い、今後、歯性感染症や誤嚥性肺炎の発症が増 加することが予想される。歯性感染症や誤嚥性肺炎には口腔内細菌叢が関与して いる。今回は、口腔細菌数を調べるため細菌数計測器を用いて研究を行った。長 崎県地区における油症の認定者と未認定者を対象に、歯科検診時に任意に選んだ 患者について測定し検討を行った。今回の結果では、測定値は 5.21x105  から  6.23x 107とばらつきはみられた。測定値に関しては地域間で差がみられたが、

や認定者未認定者間に有意な差は認められなかった。 

 

A.研究目的     

油症患者における口腔領域の症状として、

歯肉および口腔粘膜の色素沈着が主症状と して挙げられるが、その他、口腔乾燥症や歯 周疾患を訴える患者もしばしばみられる。こ れまで、口腔乾燥や口腔カンジダに関する 検討を行ってきたが、一部には口腔清掃状 態不良の患者が認められる。油症発症から 年月が経ち、油症患者の高齢化もめだつよ うになってきた。歯性感染症や誤嚥性肺炎 は、基礎疾患など宿主側の因子も重要であ るが、口腔清掃状態や口腔細菌叢などの因 子も重要な役割をはたす。これまでに油症 地区における口腔清掃状態や口腔細菌に 関する研究はほとんどみられない。本研究で は、長崎県油症検診において口腔細菌数を 測定し各種の臨床因子との比較を目的に検 討を行った。 

 

B.研究方法     

  平成 29 年度長崎県地域における油症検 診において、通常の歯科検診を行うことの できた患者の中からをランダムに測定す る患者を選んだ。その際、義歯装着の有無、

口腔乾燥、その他口腔内で気になる事項に ついて問診を行った。測定は、細菌カウン ターを用いて舌背を綿棒で拭い、測定した。 

 

(倫理面への配慮) 

  本研究の解析結果においては、個人が特 定できるようなデータは存在しない。 

 

C.研究結果   

  平成 29 年度長崎県油症検診で歯科検診 を行った患者を対象者とした。  内訳は長 崎地区 39 名、五島玉之浦地区 13 名、五 島奈留地区 10 名の計 62 名であった。性別 では男性 27 名、女性 35 名であった。年齢 別では 18 歳から 88 歳で平均 64.5 歳であ った。対象者全員の測定値は 5.2x105  か ら  6.2x 107で、平均値は 9.5x106であっ た。地域別では、長崎地区 7.4 x106、玉 之浦地区 17.4 x106、奈留地区 7.5x106で 地区別では玉之浦地区の値が高かった。ま た、年齢別別では 18 歳から 63 歳では、平 均 9.9x106  で、65 歳から 88 歳の平均値 は 9.2 x105で、有意差は認められなかっ た。性別では男性 6.0x106、女性 9.5 x106 で男女間の有意差はみられなかった。油症 の認定および未認定別では、認定者が 38 名で未認定者が 24 名であった。測定値は 認定者 8.7 x106、未認定者 10.7 x106であ った。義歯装着の有無では、義歯装着者が 8.5 x106、未装着者が 9.8 x106で,両者間

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に有意差はみられなかった。   

D.考察 

油症発症当時から、歯科口腔外科的症状 として、口腔粘膜色素沈着、口腔乾燥症、

歯周疾患などがあげられている。これまで、

口腔湿潤測定器ムーカスを用いて口腔乾 燥状態を調べた。さらに一部の患者で舌苔 がみられたためカンジダ簡易測定キット を用いてカンジダの検出を行い口腔乾燥 との関係について検討してきた。それらを 検討していくなかで、今後、患者の高齢化 が進むため口腔ケアについて検討する必 要があると考えた。そのため、まずは油症 地区における患者の口腔細菌数を調べる ことにした。 

今回、細菌カウンターを用いて計測を行 ったが、これまで同機器を用いて周術期の 細菌数の変化と術野の治癒具合の相関性、

誤嚥性肺炎との相関性について検討し、細 菌数の変化をみることは有効であること を確認している。 

今回の研究結果では、地域間での差がみ られた以外、測定値に有意な差はみられな かった。症例はランダムに選んだが、集団 検診時の都合上、口腔清掃状態について客 観的評価することが困難であった。今後は 口腔清掃状態の検討が必要であると思わ れる。 

血中の PCB 濃度と口腔細菌数が相関し ていることは考えにくいが、油症患者の高 齢化や、都市部に比べると離島で歯科治療 が受けにくいことを考えれば、油症地区に おける口腔ケアと口腔細菌について調べ ておことは有益であると思われるし今後 口腔清掃指導にもつながるものと思われ る。 

今後は、油症患者における複数年度での 計測、糖尿病などの全身疾患との関わりな どについても検討していく予定である。 

 

E.結論 

油症患者における口腔細菌数を客観的に

評価するために細菌カウンターを用いて 検討をおこなった。地域間で差がみられた が、性別、年齢、認定未認定で有意差は認 められなかった。 

 

F.研究発表  学会発表 

なし 

 

G.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む。)  なし 

 

参照

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