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第63回東海小児循環器談話会 日 時

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日本小児循環器学会雑誌 13巻4号 591〜594頁(1997年)

第63回東海小児循環器談話会

日 時 場 所 世話人

平成9年2月15日(土)

県立岐阜病院

県立岐阜病院小児科 山崎 嘉久

 1.新生児期に心不全にて発症するDCMと思われ る1乳児例

    県立岐阜病院新生児科

      長澤 宏幸,桑原 直樹,若園 明裕       加藤 智美,内山  温,八木 義計       市橋  寛,山崎 嘉久,高橋 一浩       城後  創,根尾  浩,中村こず枝       山岸 篤至

    多治見市民病院小児科    中村  浩  男児.満期自然分娩.日齢1.血性嘔吐.LDH 1,877,

CPK 464.全身瘡白.低活動性,浮腫. CTR O . 18, ECG low voltage. LVDd 32mm, EF O.28.左室壁は浮腫 を伴う肥厚.利尿剤,昇圧剤,血管拡張剤にて症状改 善.日齢26EFO.75.その後0.5〜O.6.

 日齢21PSVT,ジギi.v.で軽快.利尿剤を経口変更 後EF悪化,カルグート,タナドーパ,レニベース併用 でやや改善.

 心筋の菲薄化は認めず.11カ月で6.Okg,1〜2歩の つたい歩き.経過,検査所見などからDCMと考え,経 過観察中である.

 今後,心内膜心筋生検等を予定している.

 2.負荷心電図上ST低下を認めたが冠動脈造形上 異常を認めなかった川崎病既往の1例

    国立療養所長良病院小児科  桑原 尚志     岐阜大学小児科       加藤 義弘  症例は12歳の男児で,9カ月時に川崎病を発症し心 エコー上異常なく経過していた.10歳時に心電図上の ST異常を指摘され,近医受診し当科紹介された.冠動 脈造影上異常を認めなかったが,マスターダブル,ト

レッドミルで負荷時に明らかなST低下を認め,

MIBGシンチで側壁にPDを認めた.エルゴノビン負 荷で冠動脈攣縮は誘発されなかった.心筋生検では,

軽度の線維化と細胞浸潤を認め慢性心筋炎の可能性が 示唆された.

別刷請求先:(〒466)名古屋市昭和区鶴舞65      名古屋大学医学部小児科  長嶋 正実

 3.上室性頻拍によりtachycardia−induced car−

diomyopathyをきたした1例

    岐阜大学小児科

      山田 浩子,加藤 義弘       桑原 尚志,近藤 直実  症例は14歳の女子.7歳時に倦怠感,呼吸困難を覚 え当科紹介となった.抗不整脈薬を処方したが怠薬が 多かった.

 13歳時には心拍数120bpm, EF 44%であり,心電図 でV1, V2のP波は陰1生であった.内服薬により心拍 数92bpm, EF 57%と改善がえられた.心筋シンチでは 中隔に中等度の集積低下が認められtachycardia−

induced cardiomyopathyと診断した.高周波アブ レーションを施行し良好な経過を経ている.

 4.外傷性僧帽弁閉鎖不全症と考えられた1例     聖隷三方原病院小児科

      渡辺めぐみ,濱島  崇,安田 和志       三木  真,早川  聡,大木  茂       和田 力也,岡田 真人

    聖隷浜松病院小児科     瀬口 正史  非穿通性胸部外傷による僧帽弁閉鎖不全症は稀であ

り,急性心不全となるものから慢性的に経過するもの まで様々である.

 症例は10歳男児.3階から転落し,多発外傷発症す るも保存的に治癒した.退院後(受傷後33日目)に初 めて心雑音を指摘され,心エコーにて後尖逸脱による 僧帽弁閉鎖不全症と診断された.本例は現在のところ 無症状であるが心拡大が徐々に進行しており,いずれ 外科的治療が必要になると考えられる.

 5.心臓腫瘍の1新生児例     豊橋市民病院小児科

      白谷 尚之,藤田 直也,山口 幸子       石黒 朋子,大呂陽一郎,大林 幹尚       小山 典久,鈴木 賀巳,西村  豊  日齢8に心雑音,チアノーゼ,呼吸障害があり,当 科入院.心エコー図にて心室中隔を中心に左右心室・

特に左室内腔を占拠する巨大な腫瘤(φ約3.2×3.0×

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3.5Cm)を認めた.腫瘤は両房室弁の腱索を含んでお り,いずれもII度以上の閉鎖不全を認めた.

 水分管理,利尿剤投与にて心胸郭比は,0.76より0.60 まで改善した.現在,利尿剤およびアスピリン内服に て外来経過観察中である.

 6.ネフローゼ症候群を呈した先天性チアノーゼ型 疾患の3例

    社会保健中京病院小児科   藤本 陽子     同 小児循環器科

      小川 貴久,後藤 雅彦,松島 正気     名古屋大学小児科

      生駒 雅信,長嶋 正實  チアノーゼ型心疾患に伴った腎障害により,ネフ

ローゼ症候群を呈した3例を報告した.3例とも多血 症,長期間の低酸素血症があった.組織所見では糸球 体の肥大,メサンギウム細胞の増加,結節性病変,巣 状硬化や硝子化がみられ,機能的にはRPFの減少, FF の上昇をみた.1症例はステロイド治療を試みたが無 効で,3例ともACE・1により蛋白尿減少効果がみられ た.チアノーゼ型心疾患の腎障害にACE 1は有効と思

われる.

 7.VSD閉鎖術, MVR術後13年目に蛋白漏出性胃 腸症を呈した1小児例

    名古屋大学小児科

      中村  恵,倉石 建治,長野 美子       生駒 雅信,安田東始哲,長嶋 正實  症例は生後7カ月時にMVR(St. Jude#21), VSD 閉鎖術を施行され,術後13年目に浮腫,低蛋白血症が 出現し蛋白漏出性胃腸症と診断された.本症例では慢 性的にTR,機能的MSによる右心不全状態が存在し,

今回収縮性心外膜炎を合併したことによってリンパ管 のうっ滞がより高度となり蛋白漏出性胃腸症を呈した ものと考えられた.術後13年目という長期遠隔期にお ける本症の合併は報告が少なく貴重な症例と思われ

た.

 8.native CoAにバルーン血管形成術を施行した 1新生児例

    名古屋市立大学小児科

      佐野 洋史,渡部 珠生,水野寛太郎     聖隷病院小児科 田中 太平,牧  兼正  重症のductal shockからDIC,頭蓋内出血,多臓器 不全を併発した大動脈縮窄症(CoA), VSDの新生児 例を経験した.CoAに対して手術せずにバルーン血管 形成術(BAP)を第一選択とする方針は賛否両論であ

日小循誌  13 (4), 1997

るが,全身状態から外科的治療を断念せざるを得ず BAPを施行した.圧較差は低下,形態的に拡張され,

BAP後の造影でも異常はなかった. PGE,中止後も大 腿動脈は良好に触知できた.

 9.肺動脈閉鎖症を伴ったエプシュタイン奇形の2 例

    社会保険中京病院小児循環器科

      小川 貴久,後藤 雅彦,松島 正氣     同 心臓血管外科

      石田 英樹,竹村 春起,櫻井  一       岩瀬 仁一一,佐井  昇,前田 正信  症例1:妊娠中にエプシュタイン奇形を疑い当院受 診.正常分娩後,エプシュタイン奇形,PAと診断.短 絡術後も心不全が強く,1カ月後に三尖弁閉鎖術を行 い,心不全が改善し外来通院中.

 症例2:帝王切開にて出生後,エプシュタイン奇形,

PAと診断され当院転院.症例1の経験より三尖弁閉 鎖術と短絡術を同時に施行するも死亡した.重症エプ シュタイン奇形に対する三尖弁閉鎖術は有効である が,手術適応と時期については再検討が必要である.

 10.2カ月時にanterior coronary reimplanta−

tionを行ったBWG症候群の1例

    名古屋市立大学第1外科

      三島  晃,浅野 實樹,鵜飼 知彦       山本 茂樹,斎藤 隆之,真辺 忠夫  体重5.1kgの男児,主訴は哺乳力低ド.心カテ検査で BWG症候群と診断したが,左室駆出率15%と著しい 左心機能低下と僧帽弁閉鎖不全を認めた.anterior coronary reimplantationにより左冠動脈を再建し,

術後2日間の補助循環(ECLHA)を行い離脱した.術 後27日に気管支チューブを抜管したが,その後縦隔炎 を合併した.

 11.無脾症候群に対するextra・cardiac・TCPC手術 の経験

    社会保険中京病院心臓血管外科,小児循環器     科*

      岩瀬 仁一,前田 正信,佐井  昇       櫻井  一,竹村 春起,石田 英樹       松島 正氣*,後藤 雅彦*,小川 貴久*

 無脾症候群に対するextra cardiac TCPC手術3例

を経験.本疾患に対しても適応条件を満たせば

TAPVC repair,共通房室弁形成を行うことにより機 能的根治手術が可能であった.extra cardiac TCPC 手術は心停止時間の短縮につながり有用な術式であ

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平成9年7月1口

る.

 12.特異な冠動脈走行を伴った完全大血管転位症

(TGA)1型の1例

    大垣市民病院胸部外科,同 小児循環器科*,

    社会保険中京病院心臓血管外科**

      成田 裕司,玉木 修治,村山 弘臣       加藤 紀之,横手  淳,田内 宣生*

      西端 健司*,大橋 直樹*,前田 正信*

 症例は10日目の男児.術前angiographyで冠動脈は Shaher 2Aと診断されJatene手術を施行した.冠動 脈は両側posterior sinusから起始し前下行枝は壁内 走行していた.冠動脈の移植はMee変法で行い肺動脈

は自己心膜で補眞した.術後PSが示唆され,胸骨離 開,MRSA肺炎となったが37日目に抜管した.抜管後 anoxic spell様の発作と共に徐脈となり再挿管したが AMIとなり43日目に失った.本症例は壁内走行冠動脈 の治療・PSの回避などの問題点を残した.

 13.Asplenia, DORV, PA, CAVC,1.SVCに

TAPVC(III)を伴った1例

    大垣市民病院小児循環器科

      大橋 直樹,西端 健司,田内 宣生     同 胸部外科

      横手  淳,成田 裕司,加藤 紀之       村山 弘臣,玉木 修治

 今回我々は,Asplenia, DORV, PA, CAVC, LSVC にTAPVC(III)を伴った1例を経験した.本症例は,

肺循環を動脈管に依存したが,PVOの進行が疑われ,

日齢63にTAPVC解除術とright−modified−BTshunt 術を施行.術後約6時間,急激な肺血流の増加に伴っ て死亡した.本症例は,肺血流のコントロールを含め たTAPVCを伴うAsplenic Heartの取扱い方が問題

であった.

 14.IAA, AP window合併例の一期的根治術の1 例

    名古屋大学胸部外科

      酒井 喜正,渡辺  孝,下村  毅       村瀬 允也

    同小児科

      安田東始哲,生駒 雅信,長野 美子       長嶋 正実

 生後19日の女児.胸骨正中切開にて開胸する.心臓 外観を観察すると上行大動脈は拡大しており,この右 背面から右肺動脈が起始しており,主肺動脈から右肺 動脈までの大きなAP windowであった. AP window

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より末梢側の大動脈は径5mm以下と細かった.弓部分 枝の剥離は全く行わなかった.cooling中にAP win−

dowの修復を行った.その後循環停止とし直接吻合で IAAの修復を行った.上行大動脈と末梢血圧の問に40 mmllgの圧較差を認め,上行大動脈の修復を行った.

長時間の補助循環の後,体外循環離脱し開胸のまま ICUへ帰室し,術後第5病日に閉胸した.閉胸後第19 日にICUを退室し,以後経[摂取,体重増加良好であ

る.

 15.出生前診断し得た右心低形成,肺動脈閉鎖,及 び大動脈弁上狭窄の1例

    聖隷浜松病院小児科

      横山 岳彦,宮根 志乃,安田 和志       濱島  崇,斉藤  勇,寺沢 俊一       山守かずみ,前田 尚子,岩瀬 一弘       鈴木 達雄,西尾 公男,瀬口 正史       河野 親彦,犬飼 和久,鬼頭 秀行  在胎36週,先天性心疾患疑いにて当院産科紹介入院.

胎内診断にて右心低形成,大動脈狭窄,左心室壁の肥 厚を認め,肺動脈は細く肺動脈弁閉鎖の合併が疑われ た.左室の収縮は保たれていたため妊娠を継続した.

38週0日2.315gで出生.出生後診断は,右心低形成,

肺動脈閉鎖,大動脈弁上狭窄,sinusoidal communica tionであった.lipoPGE1を開始し,体重増加を待った.

現在,生後2カ月の女児.日齢81にB−Tshunt術を予 定している.大動脈弁上部狭窄を含め,今後の問題点 について報告した.

 16.胎児水腫のために帝王切開にて出生し内科的治 療にて改善したエプシュタイン奇形の1例

    名城病院小児循環器科

      木村 隆,牧 貴子     厚生連昭和病院小児科

      梶田 祐司,西村 直子,渡辺 次夫       木戸 真二,尾崎 隆男

 母親は,妊娠分娩歴なし.39週時の定期検診時に胎 児心拍の変動低下に気付かれ入院し,胎児エコー検査 にて胸水の貯留を認めたため帝王切開にて出生した.

児は,心胸郭比0.70と心拡大があり,心エコー検査に て三尖弁中隔尖の付着異常と三尖弁逆流にてエプシュ タイン奇形と診断した.酸素の1時的な使用とカテ コールアミン剤,ジギタリス剤の投与にて,症状の改 善を見てヒ1齢15に退院した.

 17.当院における胎児心エコーの経験

    名古屋第一赤十字病院小児医療センター循環

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器科

谷ケ崎博,瀧本 洋一 中村 重男,羽田野為夫  産科から依頼のあった40症例に胎児心エコーを行 い,出生前診断を試みた.主訴は胎児不整脈17例,羊 水過多8例,心奇形疑い7例,胎児水腫4例などであ

日本小児循環器学会雑誌 第13巻 第4号

る.19/40例に心疾患を認め,両大血管右室起始,一 側 房室弁閉鎖,心内膜床欠損,心内腫瘍などの大きな構 造異常や房室ブロックはほぼ正確に診断できた.主訴 別にみると胎児不整脈5/17例,羊水過多3/8例,胎児水 腫2/4例に,また心奇形疑いの全例(7/7)に心疾患を 認めた.

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