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疑問集計システムによる学生と教員の負担軽減について
中川万喜子1) 植村 仁1) 中西 久雄1) 佐野 光彦2)
1.はじめに
アクティブ・ラーニングという言葉が,大学関係者の間でもてはやされている。平成 24 年の文部科学省中央教育審議会の「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向 けて~生涯学び続け,主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」によれば,アクティブ・
ラーニングとは以下のように説明されている。それは,①教員による一方向的な講義形式 の教育とは異なり,学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称,② 学修者が能動的に学修することによって,認知的,倫理的,社会的能力,教養,知識,経 験を含めた汎用的能力の育成を図る,③発見学習,問題解決学習,体験学習,調査,学習 等が含まれるが,教室内でのグループ・ディスカッション,ディベート,グループ・ワー ク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法などである。学生たちが能動的に授業に参加 しやすい,グループ・ディスカッション,ディベート,グループ・ワークなどは,アクティブ・
ラーニングの実践方法としては効果的である。しかし,そのような双方向性の授業を大人 数講義において展開しようとすると,その事前準備と事後の教員の作業量は増加する。具 体的には,事前準備であれば板書計画だけではなく,グループ分け,新たなプリント作成 など追加の業務が加わる。さらに事後において,コメントペーパ-だけでも数百枚~1千 枚以上を読むのには,相当の労力が必要である。学生たちにアンケートを取った場合には,
その集計に相当の時間が必要になってくる。
そこで筆者らは,200 名を超えるような大人数の受講生の疑問に対しても,より速く,
より柔軟に,より的確に答えるためのシステムを構築しようと考えた。そして筆者らは,
2014 年度神戸学院大学教育開発センターの教育改革助成金に「受講生の質問集計システ ム構築へ向けて-学生の疑問をとらえた復習用 OCW コンテンツ作成支援-」との課題で 応募し,採択された。開発したシステムは,利用者(学生と教員)に負担の少ない簡素な もので,大人数講義においても双方向性を恒常的に実現しようとするものである。具体的 には,スマートフォン等の端末から(選択式ではなく)語句により疑問点を収集し,コン ピュータによる自動集計などの処理を経て,受講生の疑問点をリストアップする。講義の 双方向化への取り組みはいくつかあるが,本計画で開発する自動化されたシステムは,紙 媒体であるミニットペーパー(出席カード)よりも集計が速く,クリッカーよりも柔軟な 入力形式をもつ。さらには,これら既存のものとは異なり,収集・集計した結果を蓄積す ることが容易であり,これらの結果を加工・再利用しやすいという特長がある。このシス
1)神戸学院大学共通教育センター
2)神戸学院大学総合リハビリテーション学部
疑問集計システムによる学生と教員の負担軽減について テムの概要はすでに,植村仁,佐野光彦,中川万喜子,
中西久雄「大人数科目における双方向実現の可能性 を探る」『教育開発センタージャーナル(神戸学院大 学)』第6号 (2015 年3月発行)に掲載した。本稿は,
そのシステムを使用し授業を行い,学生や教員にシ ステムの使いやすさなどのアンケート調査を行った 実践報告である。
2.学生アンケート調査結果等
当アンケート調査は神戸学院大学「時事・現代用 語 I」「時事・現代用語 III」「ヒューマンサービス開 発論」「NPO・NGO 論」において実施された。実施 時期は各講義最終回(2015 年7月)であり,671 の 有効回答を得た。アンケート内容は以下の通りであっ た。
1.このシステムを利用した 2.コンピュータが苦手だ
3.コンピュータの知識がなくても入力できた
4.今まで使った通販サイトよりも簡単に使うことができた 5.今まで使った教育用のシステムよりも簡単に使うことができた 6.初めてのアクセスの時,このサイトに簡単にたどりつけた 7.2回目以降のアクセスの時,このサイトに簡単にたどりつけた 8.通学時の短い時間で入力を済ませた
9.学校や家庭での短い空き時間で入力を済ませることができた 10.「講座選択」で問題はなかった
11.「講義週選択」の入力自体に問題はなかった 12.「講義週選択」で何週目か分からなくなった 13.文字の入力で問題はなかった
各質問項目に対する回答の選択肢は,
1.あてはまらない 2.あまり あてはまらない 3.少しあてはまる 4.あてはまる であった。また,自由記述回答も収集した。
コンピュータリテラシー,当システムの簡便さに関する項目について,コンピュータの 図 1.当システムによる学生の疑
問点の集計結果表示 そ こ で 筆 者 ら は ,200 名 を 超 え る よ う な 大 人 数 の 受 講
生 の 疑 問 に 対 し て も , よ り 速 く , よ り 柔 軟 に , よ り 的 確 に 答 え る た め の シ ス テ ム を 構 築 し よ う と 考 え た 。 そ し て 筆 者 ら は ,2014 年 度 神 戸 学 院 大 学 教 育 開 発 セ ン タ ー の 教 育 改 革 助 成 金 に 「 受 講 生 の 質 問 集 計 シ ス テ ム 構 築 へ 向 け て - 学 生 の 疑 問 を と ら え た 復 習 用 OCW コ ン テ ン ツ 作 成 支 援 - 」 と の 課 題 で 応 募 し , 採 択 さ れ た 。 開 発 し た シ ス テ ム は , 利 用 者 ( 学 生 と 教 員 ) に 負 担 の 少 な い 簡 素 な も の で , 大 人 数 講 義 に お い て も 双 方 向 性 を 恒 常 的 に 実 現 し よ う と す る も の で あ る 。 具 体 的 に は , ス マ ー ト フ ォ ン 等 の 端 末 か ら(選 択 式 で は な く)語 句 に よ り 疑 問 点 を 収 集 し , コ ン ピ ュ ー タ に よ る 自 動 集 計 な ど の 処 理 を 経 て , 受 講 生 の 疑 問 点 を リ ス ト ア ッ プ す る 。 講 義 の 双 方 向 化 へ の 取 り 組 み は い く つ か あ る が , 本 計 画 で 開 発 す る 自 動 化 さ れ た シ ス テ ム は , 紙 媒 体 で あ る ミ ニ ッ ト ペ ー パ ー(出 席 カ ー ド)よ り も 集 計 が 速 く ,ク リ ッ カ ー よ り も 柔 軟 な 入 力 形 式
を も つ 。 さ ら に は , こ れ ら 既 存 の も の と は 異 な り , 収 集 ・ 集 計 し た 結 果 を 蓄 積 す る こ と が 容 易 で あ り , こ れ ら の 結 果 を 加 工 ・ 再 利 用 し や す い と い う 特 長 が あ る 。 こ の シ ス テ ム の 概 要 は す で に , 植 村 仁 , 佐 野 光 彦 , 中 川 万 喜 子 , 中 西 久 雄 「 大 人 数 科 目 に お け る 双 方 向 実 現 の 可 能 性 を 探 る 」『 教 育 開 発 セ ン タ ー ジ ャ ー ナ ル( 神 戸 学 院 大 学 )』 第 6 号 (2015 年 3 月 発 行) に 掲 載 し た 。 本 稿 は , そ の シ ス テ ム を 使 用 し 授 業 を 行 い , 学 生 や 教 員 に シ ス テ ム の 使 い や す さ な ど の ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 っ た 実 践 報 告 で あ る 。
2 . 学 生 ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 等
当 ア ン ケ ー ト 調 査 は 神 戸 学 院 大 学 「 時 事 ・ 現 代 用 語 I」「 時 事 ・ 現 代 用 語 III」「 ヒ ュ ー マ ン サ ー ビ ス 開 発 論 」「NPO・NGO 論 」 に お い て 実 施 さ れ た 。 実 施 時 期 は 各 講 義 最 終 回(2015 年 7 月)で あ り ,671 の 有 効 回 答 を 得 た 。 ア ン ケ ー ト 内 容 は 以 下 の 通 り で あ っ た 。
1. こ の シ ス テ ム を 利 用 し た 2. コ ン ピ ュ ー タ が 苦 手 だ
3. コ ン ピ ュ ー タ の 知 識 が な く て も 入 力 で き た
4. 今 ま で 使 っ た 通 販 サ イ ト よ り も 簡 単 に 使 う こ と が で き た
5. 今 ま で 使 っ た 教 育 用 の シ ス テ ム よ り も 簡 単 に 使 う こ と が で き た 6. 初 め て の ア ク セ ス の 時 , こ の サ イ ト に 簡 単 に た ど り つ け た 7. 2 回 目 以 降 の ア ク セ ス の 時 , こ の サ イ ト に 簡 単 に た ど り つ け た
図 1. 当 シ ス テ ム に よ る 学 生 の 疑 問 点 の 集 計 結 果 表 示
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教育開発センタージャーナル 第7号
簡単に利用できたとの回答(あてはまる / 少しあてはまる)は半数を超えた。
教育用のオンラインシステムの利用に際しては,まずそのシステムにアクセスできなけ ればならないが,困難が予想される初回のアクセスに関して,簡単にアクセスできたとの 回答(あてはまる / 少しあてはまる)が半数を超えている。
当システムは携帯電話・スマートフォン等のモバイル端末からの利用が可能であり,通 学時などの空き時間での利用,つまりすきま時間での利用も想定していた。通学時に当シ ステムを利用したとの回答は半数を超え,すきま時間を活用しての利用をしたとの回答も 4割超となっている。
データの入力(どの科目か,第何週目か,疑問点の文字入力)については,各種入力に 関する各項目とも4割前後は問題がない(あてはまる / 少しあてはまる)と回答している。
しかしながら,授業中にも耳にしていたことではあるが,疑問点入力の際に今週が第何週 目であるかを失念しがちであるようであり,あてはまらないとの回答が目立つ結果となっ た。
12.「 講 義 週 選 択 」 で 何 週 目 か 分 か ら な く な っ た 13.文 字 の 入 力 で 問 題 は な か っ た
各 質 問 項 目 に 対 す る 回 答 の 選 択 肢 は ,
1. あ て は ま ら な い 2. あ ま り あ て は ま ら な い 3 .少 し あ て は ま る 4. あ て は ま る で あ っ た 。 ま た , 自 由 記 述 回 答 も 収 集 し た 。
コ ン ピ ュ ー タ リ テ ラ シ ー , 当 シ ス テ ム の 簡 便 さ に 関 す る 項 目 に つ い て , コ ン ピ ュ ー タ の 使 用 が 不 得 手 で あ る , コ ン ピ ュ ー タ の 知 識 な し に 入 力 が で き た , と の 回 答(あ て は ま る/少 し あ て は ま る)は 半 数 を 若 干 下 回 る 結 果 と な っ た 。 ま た ,Web 上 の 通 販 サ イ ト よ り も 簡 単 に 利 用 で き た と の 回 答(あ て は ま る/少 し あ て は ま る)は 半 数 を 超 え た 。
図 2 . シ ス テ ム の 簡 便 さ に 関 す る 結 果
教 育 用 の オ ン ラ イ ン シ ス テ ム の 利 用 に 際 し て は , ま ず そ の シ ス テ ム に ア ク セ ス で き な け れ ば な ら な い が , 困 難 が 予 想 さ れ る 初 回 の ア ク セ ス に 関 し て , 簡 単 に ア ク セ ス で き た と の 回 答(あ て は ま る/少 し あ て は ま る)が 半 数 を 超 え て い る 。
図 3 . シ ス テ ム 利 用 者 の ア ク セ ス に 関 す る 結 果
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
コンピュータが苦手だ
コンピュータの知識なしに入力できた
通販サイトよりも簡単に使うことができた
教育用システムよりも簡単に使うことができた
あてはまる すこしあてはまる あまりあてはまらない あてはまらない 無回答
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
初回アクセス時に簡単にアクセスできた
2回目以降のアクセス時に簡単にアクセスできた 通学時の短い時間で入力した
学校や家庭での短い空き時間で入力を済ませた
あてはまる すこしあてはまる あまりあてはまらない あてはまらない 無回答
図2.システムの簡便さに関する結果
12.「 講 義 週 選 択 」 で 何 週 目 か 分 か ら な く な っ た 13.文 字 の 入 力 で 問 題 は な か っ た
各 質 問 項 目 に 対 す る 回 答 の 選 択 肢 は ,
1. あ て は ま ら な い 2. あ ま り あ て は ま ら な い 3 .少 し あ て は ま る 4. あ て は ま る で あ っ た 。 ま た , 自 由 記 述 回 答 も 収 集 し た 。
コ ン ピ ュ ー タ リ テ ラ シ ー , 当 シ ス テ ム の 簡 便 さ に 関 す る 項 目 に つ い て , コ ン ピ ュ ー タ の 使 用 が 不 得 手 で あ る , コ ン ピ ュ ー タ の 知 識 な し に 入 力 が で き た , と の 回 答(あ て は ま る/少 し あ て は ま る)は 半 数 を 若 干 下 回 る 結 果 と な っ た 。 ま た ,Web 上 の 通 販 サ イ ト よ り も 簡 単 に 利 用 で き た と の 回 答(あ て は ま る/少 し あ て は ま る)は 半 数 を 超 え た 。
図 2 . シ ス テ ム の 簡 便 さ に 関 す る 結 果
教 育 用 の オ ン ラ イ ン シ ス テ ム の 利 用 に 際 し て は , ま ず そ の シ ス テ ム に ア ク セ ス で き な け れ ば な ら な い が , 困 難 が 予 想 さ れ る 初 回 の ア ク セ ス に 関 し て , 簡 単 に ア ク セ ス で き た と の 回 答(あ て は ま る/少 し あ て は ま る)が 半 数 を 超 え て い る 。
図 3 . シ ス テ ム 利 用 者 の ア ク セ ス に 関 す る 結 果
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
コンピュータが苦手だ
コンピュータの知識なしに入力できた
通販サイトよりも簡単に使うことができた
教育用システムよりも簡単に使うことができた
あてはまる すこしあてはまる あまりあてはまらない あてはまらない 無回答
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
初回アクセス時に簡単にアクセスできた
2回目以降のアクセス時に簡単にアクセスできた 通学時の短い時間で入力した
学校や家庭での短い空き時間で入力を済ませた
あてはまる すこしあてはまる あまりあてはまらない あてはまらない 無回答
図3.システム利用者のアクセスに関する結果
疑問集計システムによる学生と教員の負担軽減について
3.学生アンケートの自由記述回答に見られる意見
自由記述回答も小数ではあるが寄せられており,肯定的な意見としては紙に書くよりも 楽である,使い勝手のようシステムであるというものがある一方,否定的な意見として授 業後に本システムへの疑問点の入力を忘れがちになるというものも見受けられた。
〈学生の自由記述回答より〉
簡便さに重きをおいた作りとなっている当システムではあるが,講義内で聞く意見から も,自由記述回答からも,情報通信機器よりも紙媒体を利用したいという声は少なからず あった。また最近の Web ブラウザは URL 入力欄と検索キーワード入力欄を明確に区別 していないものが多く,このことから起因するような混乱もしばしば見受けられている。
・ 家にインターネットが通じてない人やスマホの通信が超えていてネットにつながり にくくなっている人などもいると思うので,ネットでやるより授業の最後に出席カー ドに書く方がよいと思います。
・ 疑問点集計システムを探したが,たどり着けなかった。
・ 1回目はすぐにサイトに移れましたが,2回目はなぜかわかりませんがサイトに移 れず,入力することができなかった。
・ 機械が苦手な人や PC,スマホを持っていない人のために,紙媒体との併用がいいと 思う。
出席カードを使用しつつ,当システムも試験運用したため,紙・デジタル媒体への入力 を二度手間と感じる学生もいるようである。
・入力するのを忘れてしまうため,授業中に入力時間を設けた方がいいと思う。
当 シ ス テ ム は 携 帯 電 話 ・ ス マ ー ト フ ォ ン 等 の モ バ イ ル 端 末 か ら の 利 用 が 可 能 で あ り , 通 学 時 な ど の 空 き 時 間 で の 利 用 , つ ま り す き ま 時 間 で の 利 用 も 想 定 し て い た 。 通 学 時 に 当 シ ス テ ム を 利 用 し た と の 回 答 は 半 数 を 超 え , す き ま 時 間 を 活 用 し て の 利 用 を し た と の 回 答 も 4 割 超 と な っ て い る 。
デ ー タ の 入 力(ど の 科 目 か , 第 何 週 目 か , 疑 問 点 の 文 字 入 力)に つ い て は , 各 種 入 力 に 関 す る 各 項 目 と も 4割 前 後 は 問 題 が な い(あ て は ま る/少 し あ て は ま る)と 回 答 し て い る 。 し か し な が ら , 授 業 中 に も 耳 に し て い た こ と で は あ る が , 疑 問 点 入 力 の 際 に 今 週 が 第 何 週 目 で あ る か を 失 念 し が ち で あ る よ う で あ り , あ て は ま ら な い と の 回 答 が 目 立 つ 結 果 と な っ た 。
図 4 . デ ー タ 入 力 に 関 す る 結 果
(※ 「「 講 義 週 選 択 」 で 何 週 目 か 分 か ら な く な っ た 」 の 回 答 「 1. あ て は ま ら な い 2. あ ま り あ て は ま ら な い 3 .少 し あ て は ま る 4. あ て は ま る 」 の 項 目 を 反 転 し て 集 計 し て い る 。)
3 . 学 生 ア ン ケ ー ト の 自 由 記 述 回 答 に 見 ら れ る 意 見
自 由 記 述 回 答 も 小 数 で は あ る が 寄 せ ら れ て お り , 肯 定 的 な 意 見 と し て は 紙 に 書 く よ り も 楽 で あ る , 使 い 勝 手 の よ う シ ス テ ム で あ る と い う も の が あ る 一 方 , 否 定 的 な 意 見 と し て 授 業 後 に 本 シ ス テ ム へ の 疑 問 点 の 入 力 を 忘 れ が ち に な る と い う も の も 見 受 け ら れ た 。
< 学 生 の 自 由 記 述 回 答 よ り >
簡 便 さ に 重 き を お い た 作 り と な っ て い る 当 シ ス テ ム で は あ る が ,講 義 内 で 聞 く 意 見 か ら も , 自 由 記 述 回 答 か ら も , 情 報 通 信 機 器 よ り も 紙 媒 体 を 利 用 し た い と い う 声 は 少 な か ら ず あ っ た 。 ま た 最 近 の Web ブ ラ ウ ザ は URL 入 力 欄 と 検 索 キ ー ワ ー ド 入 力 欄 を 明 確 に 区 別 し て い な い も の が 多 く , こ の こ と か ら 起 因 す る よ う な 混 乱 も し ば し ば 見 受 け ら れ て い る 。
・ 家 に イ ン タ ー ネ ッ ト が 通 じ て な い 人 や ス マ ホ の 通 信 が 超 え て い て ネ ッ ト に つ な が り に く く な っ て い る 人 な ど も い る と 思 う の で , ネ ッ ト で や る よ り 授 業 の 最 後 に 出 席 カ ー ド に 書 く 方 が よ い と 思 い ま す 。
・ 疑 問 点 集 計 シ ス テ ム を 探 し た が , た ど り 着 け な か っ た 。
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
講座選択で問題がなかった
講義週選択の入力に問題はなかった
講義週選択で何週目か分からない、ということはな かった
文字の入力で問題はなかった
あてはまる すこしあてはまる あまりあてはまらない あてはまらない 無回答
図4.データ入力に関する結果
(※「「講義週選択」で何週目か分からなくなった」の回答「1.あてはまらない 2.あまり あてはまらない 3.少しあてはまる 4.あてはまる」の項目を反転して集計している。)
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教育開発センタージャーナル 第7号
・ サイトの使用に関してはややこしくなく,特に問題は感じられなかった。しかし,
授業時間外での入力という形式が自分には合っておらず,2回とも入力し忘れてし まった。入力期限が長いと逆に油断して忘れてしまう可能性がある。出席カードに 書く方がよい。
当システムの設計思想の特徴である簡便さが伝わっているであろう回答も多く見られた。
・すぐにアクセスできて,大変使い易かった。
・最初,難しいかと思ったが,簡単に利用できた。よいシステムだと思う。
・簡単でわかりやすく,入力もすぐにできた。
・ システムはすごく自分たち生徒目線から見ても有効なものだと思うため,もっとわ かりにくい授業で使用したい。
・ このシステムを利用してみて,パソコンに決して強い方ではない僕でも簡単にサイ トにアクセスできたので,操作においては問題がないと思った。ただ,感想を書く 部分で画面が小さかったのでそこは少しやりづらかった。しかし,全体的にみたら 非常によいシステムだと思う。
・ 空いた時間を使って入力できるのでよいなと思った。これか らもこのようなシステムがあればいいなと思った。
・ 特に使いにくいや難しいなどということはありませんでした。
問題なく使うことができました。操作する時間もかからず,
短い時間でスムーズにすることができました。
・ QR コードで簡単に入れたので使い易かったです。「講義週」
を明確に示したらわかり易いと思いました。
当システムの入力画面はいわゆるパーソナルコンピュータからも,携帯機器からもアク セスできるようになっており,また長文入力用に記述欄のサイズも可変となっていたが,
携帯機器はそもそも長文の入力に適した作りをしていないため,その点の不満を訴える回 答も存在した。
・文字を入力する枠が小さいので大きくして欲しい。(特に携帯サイトの場合)
・ 自由記述欄のスペースが小さいため,記入中の文章確認が大変しづらい。3倍はス ペースをとって欲しい。
・ このシステムを利用する意味がよく分からない。スマホのサイトからだと通信で時 間がかかってしまう。少し画面も見づらいのでやるならもう少し見やすいようにし て欲しい。
・入力が面倒くさい。
・1回 目 は す ぐ に サ イ ト に 移 れ ま し た が ,2 回 目 は な ぜ か わ か り ま せ ん が サ イ ト に 移 れ ず , 入 力 す る こ と が で き な か っ た 。
・ 機 械 が 苦 手 な 人 や PC, ス マ ホ を 持 っ て い な い 人 の た め に , 紙 媒 体 と の 併 用 が い い と 思 う 。
出 席 カ ー ド を 使 用 し つ つ , 当 シ ス テ ム も 試 験 運 用 し た た め , 紙 ・ デ ジ タ ル 媒 体 へ の 入 力 を 二 度 手 間 と 感 じ る 学 生 も い る よ う で あ る 。
・ 入 力 す る の を 忘 れ て し ま う た め , 授 業 中 に 入 力 時 間 を 設 け た 方 が い い と 思 う 。
・ 授 業 中 に 出 席 カ ー ド に 書 く 方 が , 忘 れ る こ と な く 評 価 に つ な が り や す い と 思 う 。
・ 便 利 だ と 思 う が , 忘 れ が ち に な り そ う 。
・ サ イ ト の 使 用 に 関 し て は や や こ し く な く , 特 に 問 題 は 感 じ ら れ な か っ た 。 し か し , 授 業 時 間 外 で の 入 力 と い う 形 式 が 自 分 に は 合 っ て お ら ず ,2 回 と も 入 力 し 忘 れ て し ま っ た 。 入 力 期 限 が 長 い と 逆 に 油 断 し て 忘 れ て し ま う 可 能 性 が あ る 。出 席 カ ー ド に 書 く 方 が よ い 。
当 シ ス テ ム の 設 計 思 想 の 特 徴 で あ る 簡 便 さ が 伝 わ っ て い る で あ ろ う 回 答 も 多 く 見 ら れ た 。
・ す ぐ に ア ク セ ス で き て , 大 変 使 い 易 か っ た 。
・ 最 初 , 難 し い か と 思 っ た が , 簡 単 に 利 用 で き た 。 よ い シ ス テ ム だ と 思 う 。
・ 簡 単 で わ か り や す く , 入 力 も す ぐ に で き た 。
・ シ ス テ ム は す ご く 自 分 た ち 生 徒 目 線 か ら 見 て も 有 効 な も の だ と 思 う た め , も っ と わ か り に く い 授 業 で 使 用 し た い 。
・ こ の シ ス テ ム を 利 用 し て み て , パ ソ コ ン に 決 し て 強 い 方 で は な い 僕 で も 簡 単 に サ イ ト に ア ク セ ス で き た の で , 操 作 に お い て は 問 題 が な い と 思 っ た 。 た だ , 感 想 を 書 く 部 分 で 画 面 が 小 さ か っ た の で そ こ は 少 し や り づ ら か っ た 。 し か し , 全 体 的 に み た ら 非 常 に よ い シ ス テ ム だ と 思 う 。
・ 空 い た 時 間 を 使 っ て 入 力 で き る の で よ い な と 思 っ た 。 こ れ か ら も こ の よ う な シ ス テ ム が あ れ ば い い な と 思 っ た 。
・ 特 に 使 い に く い や 難 し い な ど と い う こ と は あ り ま せ ん で し た 。 問 題 な く 使 う こ と が で き ま し た 。 操 作 す る 時 間 も か か ら ず , 短 い 時 間 で ス ム ー ズ に す る こ と が で き ま し た 。
・QR コ ー ド で 簡 単 に 入 れ た の で 使 い 易 か っ た で す 。「 講 義 週 」 を 明 確 に 示 し た ら わ か り 易 い と 思 い ま し た 。
当 シ ス テ ム の 入 力 画 面 は い わ ゆ る パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ か ら も , 携 帯 機 器 か ら も ア ク セ ス で き る よ う に な っ て お り , ま た 長 文 入 力 用 に 記 述 欄 の サ イ ズ も 可 変 と な っ て い た が , 携 帯 機 器 は そ も そ も 長 文 の 入 力 に 適 し た 作 り を し て い な い た め , そ の 点 の 不 満 を 訴 え る 回 答 も 存 在 し た 。
図 5.QR コ ー ド 図5.QR コード
疑問集計システムによる学生と教員の負担軽減について
4.当システムを利用した教員の自由記述回答 回答1.
講義を運営していく上で心がけていることに,講義内容について学生とのコミュニケー ションを持つということがある。200 人を超える授業においては,教壇に立つ先生が一方 的に説明をし,一人納得して授業を終えるという形になりがちであるが,質の高い講義を 考えるのならば学生の反応を汲み取り,講義を進めていくことが必要と考える。しかしな がら,授業中に細かい反応のすべてを汲み取ることは不可能である。故に出席カード記入 欄に書いてある内容を確認するのであるが,200 人を越える授業においては全量チェック を行うのも至難のわざとなる。特に手書き文章については,判読困難なものや誤字・脱字 のあるもの,また文字の大きさが一定でない文章などはかなりの労力と忍耐を要する。そ こで,デジタルデータとして集計や語句検索が可能であり,入力された文章をコピー&ペー ストによって講義資料に活用できるこのシステムは大変な教員の負担軽減となった。
回答2.
同じ内容の授業をいくつか持っている場合,授業ごとやキャンパスごとの区別ができな い。/(学生の入力した内容の)表示は入力順にされるため,並べ替えられると非常に便 利であるがその機能がない。/同一学生が2回以上送信している場合があり,ダブルカウ ントされている。
回答3.
提出された紙媒体の出席カードから読み取る内容は,私(回答者3)の場合は主に2つ ある。1つは今回の授業内容の難易度を読み取ることであり,どの程度の解答が書かれて いるかを1枚当たり数秒で流し見る。200 人規模のクラス等を担当し,1日に 400 枚程度 の出席カードを確認する場合には,30 分前後の時間を費やしていた。このシステムで同 様の作業をする場合には長くとも 10 分程度でこの作業を終えることができた。出席カー ドを読むもう1つの目的は今回の授業で学生がどこを要点として捕らえているかを読み取 ることだが,このシステムではそれを瞬時に把握することができた。
5.おわりに
このシステムは,大人数講義においても双方向性を維持する授業を実施するために開発 されたものである。しかし,そのチャレンジングな試みのために,アンケート調査には長 所短所,いろいろな意見が寄せられた。このアンケートは,システムを使用する初期の段 階でなされたものも含まれるため,アクセスや使い方に慣れていない学生たちの回答が多
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教育開発センタージャーナル 第7号
たちのポジティブな意見が多数を占めていることを見ると,筆者らの教育改革は一定の評 価を得られよう。
これから大学においても,ITC 教育の重要性がさらに高まっていく。その時に,この 筆者たちの教育改革の試みが,さららに評価されることを期待する。そして,学生たちの 貴重な意見を参考にしながら,現在このシステムは,予習にも使用できる新バージョンが 稼働中である。
謝辞
本教育改革の試みは,神戸学院大学: 教育改革助成金「受講生の質問集計システム構築 へ向けて-学生の疑問をとらえた復習用 OCW コンテンツ作成支援-」,研究期間:2014 年8月 - 2015 年3月(代表者:佐野光彦)の支援を受けたものです。