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71 文化によるまちづくりの推進 豊島区基本計画|豊島区公式ホームページ

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Academic year: 2018

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■現状と課題

江戸時代の豊島区地域は、大都市江戸に隣接しているという地理的条件から、野菜類や 季節の花木類を栽培し、それらを江戸市中に向けて販売する、という江戸の近郊農村として 発展してきました。そして、明治時代以降、鉄道の敷設や道路の整備とともに急激に都市化 が進み、商工業地域と住宅地域とが混在する現在の姿へと大きく変貌を遂げてきたのです。 このような歴史的経緯を持つ豊島区には、自由学園明日館、法明寺鬼子母神堂、雑司が 谷旧宣教師館、金剛院山門、旧江戸川乱歩邸土蔵、長崎獅子舞、富士元囃子といった有形 無形の文化遺産をはじめ、多くの芸術家たちが若き日を過ごした「池袋モンパルナス」、 戦前期の大衆文化を支えた大都映画撮影所跡、江戸川乱歩が「少年探偵団」などを執筆し た旧宅、現在のマンガ文化の源流となった手塚治虫らが創作活動を行った「トキワ荘」跡 など、それぞれの時代を創ってきた多様な文化的事跡や旧跡が存在しています。

豊島区の持つこれらの多様な文化資源は、区内各地域に暮らす区民共通のアイデンティ ティ(同一性・連帯感)の形成に資するものです。しかし、豊島区は居住者の転出入が多 く、単身世帯が増加している反面、ファミリー世帯が減少しており、地域に伝えられてき たの伝統文化の継承が難しくなっています。また、地域の伝統文化について十分知られて いない状況もあります。

豊島区は、地域固有の文化資源を大切に保存・継承し、積極的に地域活動の取り組みや 新しい文化活動に活用していくことで、今までにない新たな地域活性効果を生み出してい きたいと考えています。同時にこれらの文化資源の魅力を様々な手段で内外に発信するこ とで区外からの来街者の誘引にも効果を生み出すことが期待されます。

一方、平成18年現在、区内には映画館、劇場、演芸場、博物館、プラネタリウム、水族 館、書店、出版業、印刷関連業、芸術教育産業、服飾・デザイン産業などの各種文化関連 産業が集積しているほか、公設の文化関連施設として、東京芸術劇場、豊島公会堂、地域 文化創造館、図書館、郷土資料館などがあり、区民や来街者の文化活動を誘引するととも に、その受け皿となっています。

多様化する区民の幅広い文化的なニーズに応えるとともに、まちの活性化や魅力あるま ちづくりに寄与するためには、これら文化活動の担い手である産業を今以上に活発化して いかなければなりません。

豊島区には大切にすべき古い伝統文化が多数ある一方で、発展していくまちとして、新 しい文化も生み出しつづけています。区内には劇場の数も多く、「池袋演劇祭」の開催地 でもあり「劇場都市」として、区の文化の一端を担ってきました。

区では平成19年度のオープンに向けて、東池袋四丁目地区に「東池袋交流施設(仮称)」 を建設しています。ここを拠点として、新たな作品の創造をはじめ、舞台芸術の担い手育

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成と区民への芸術普及を図るとともに、区内の様々な文化資源と双方向に連携しながら、 地域コミュニティの活性化と創造性の向上に取り組み、新たな文化を発信していきます。

■施策の方向

文化は人の心を豊かにし、人々の生活や環境に革新をもたらします。区内の各地域にお いて、多様な主体による創造的な文化的活動が活発に行われるとともに、まちづくりや産 業、福祉、教育、環境、青少年育成など諸分野の施策と結びついて、区全体が活力をもっ て発展することをめざします。

❶文化によるまちの活性化  重点施策

豊島区固有の文化資源の再発見と保護に努め、その積極的な活用を図るとともに、文化 関連産業等の活性化を支援します。

また、芸術・文化はもとより、まちづくりや産業、観光、教育、子ども施策等、豊島区 らしさを大切にしながら、総合的な文化政策を推進し、地域を活性化させていきます。

さらに、文化を基軸とした地域コミュニティの形成と促進を図りながら、区民一人ひと りが暮らしの中に豊かさや潤いを見出すことのできる活力あるまちづくりをめざします。 ❷新たな芸術・文化の創出

区内には、池袋モンパルナスをはじめ、児童文学、演劇、マンガ文化など文化・芸術活 動の歴史や多くの文化資源が点在しています。

こうした文化資源や文化・芸術活動を相互に結びつけ、それぞれが関連をもち、影響し あいながら新しいものが創出される仕掛けをつくります。

また、様々な分野との交流による相乗効果を発揮させるとともに、他都市・地域との文 化交流を積極的に進めます。

❸伝統文化の継承

豊島区には歴史に裏づけられた文化資源が数多く存在します。芸術作品や文化財、文化・ 芸術活動、まちのにぎわいなど、様々な文化資源の魅力をわかりやすく伝える工夫を行い ながら、区の内外に発信していきます。

また、地域に根付き、育まれてきた伝統文化の保存・継承に努めるとともに、地域のま つりやイベントを支援していきます。

※重点施策の選定理由

 固有の伝統文化や新たに創造される文化資源を核として、まちづくりや産業、観光、教育、子ども施策など、豊島 区らしさを大切にしながら総合的な文化政策を推進することが地域の活性化にとって重要であると判断し、選定した。

■成果指標

指 標 名 現  状 前期目標

(平成22年度)

後期目標 (平成27年度) 1 東池袋交流施設(仮称)入場者数 (平成19年度開設) 97,000人 116,000人

2 歴史的文化財や文化資源が保存・活用されていると

考える区民の割合

区民 18.3%

団体 19.4%

※特に表記がない限り、現状値は平成16年度末のものである。

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■計画事業

◎ 既存重要AA事業 ○ 既存重要A事業  施設建設事業  新規重要事業

施策の方向

事 業 名

1  文化によるまちの活性化 重点施策

1   ◎ 文化芸術による創造のまちづくり事業 2   ○ 文化資源の保護と活用事業

3 アートキャンパス事業 4 芸術・文化アーカイブス事業 2 新たな芸術・文化の創出 1   ◎ 東池袋交流施設(仮称)開設準備

2   東池袋交流施設(仮称)の整備 3 東池袋交流施設(仮称)の運営 3 伝統文化の継承 1   ◎ 雑司が谷旧宣教師館管理運営事業

2   ◎ 郷土資料館事業運営 3   ◎ 伝統工芸振興事業

4   ○ としま区民芸術祭実施助成(民俗芸能inとしま)事業

【参考】

○計画事業以外の事業

施策の方向

事 業 名

1 文化によるまちの活性化 1 文化財資料調査室の管理 2 埋蔵文化財の発掘調査 3 赤い鳥児童文学賞実施助成 4 ロケーションボックス事業

2 新たな芸術・文化の創造 1 池袋西口公園野外ステージ活用事業 2 姉妹都市との文化交流事業

3 伝統文化の継承 1 郷土資料館の管理運営

2 郷土資料館区民利用の情報基盤の整備 3 としま区民芸術祭「としま能の会」実施助成

1

 文化によるまちの活性化 

重点施策

7-1-1-1 ◎文化芸術による創造のまちづくり事業

【事業内容】地域において文化活動展開の担い手となる人材や団体を育成するため、区、NPO、としま 未来文化財団等が連携して、区内の大学や文化施設等の協力を得ながら、実践的な講習会、ワークショッ

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プ等を開催する。

【今後の方向性】文化政策の推進には、文化を担う人材の育成が不可欠であるため、継続して実施してい く。本事業は平成17∼18年度の文化庁の「文化芸術による創造のまちづくり支援」対象事業である。

平成19年度以降は、国の動向を見ながら事業を継続する。

前  期(平成18∼22年度)

事業量 団体育成延 10事業、シンポジウム 5回

ボランティア育成 15講座 事業費(百万円) 10

7-1-1-2 ○文化資源の保護と活用事業

【事業内容】文化財に区民が親しむ機会を拡大し、文化財保護・活用のために文化財保護審議会の開催、文 化財講座の開催、パンフレット発行、案内板の設置、文化財登録・指定、保護のための補助金交付などを行う。

【今後の方向性】文化財のPR活動に努め、区民の学習・文化活動を支援するとともに、区内の文化財や 発掘調査で出土された遺物等を広く区民に公開する機会を設定していく。

前  期(平成18∼22年度)

事業量 文化財展示、文化財講座、文化財刊行物 事業費(百万円) 14

7-1-1-3 アートキャンパス事業

【事業内容】舞台芸術学院をはじめとする芸術分野の専門学校等と連携し、公開授業や子ども向け、社会 人向けのプログラムの実施ならびに図書資料等の開放を実施する。

7-1-1-4 芸術・文化アーカイブス事業

【事業内容】地域の歴史・文化の再生と新たな文化の創出に向けて、「アトリエ村資料室」で長崎アトリ エ村、池袋モンパルナス、トキワ荘等に関する資料の収集を、「にしすがも創造舎」で演劇・ダンス等の 舞台芸術に関する資料を収集し、公開・調査研究等を行う。

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 新たな芸術・文化の創出

7-1-2-1 ◎東池袋交流施設(仮称)開設準備事業

【事業内容】「東池袋交流施設(仮称)」の開館に向けて、開館記念事業の企画、パンフレット作成、PR、 利用受付、自主事業の企画などの準備業務を平成17∼19年度で実施する。

【今後の方向性】専門性の高い事業者を指定管理者として、施設の管理運営、事業運営に関する良質の企 画を実施する。

前  期(平成18∼22年度)

事業量 事業企画、広報・PR、受付 事業費(百万円) 62

7-1-2-2 東池袋交流施設(仮称)の整備

【事業内容】演劇を中心とした舞台芸術の上演や独自の作品創りを行い、区内外に発信するとともに文化・ 芸術の担い手を育成し、まちの新たな魅力とにぎわいを生み出すことを目的として、東池袋交流施設(仮

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7-1-2-3 東池袋交流施設(仮称)の運営

【事業内容】豊島区の文化を創造・発信し、副都心池袋のにぎわいを創出するため、舞台芸術の上演や文 化・芸術の担い手育成事業、施設提供事業などを行う。

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 伝統文化の継承

7-1-3-1 ◎雑司が谷旧宣教師館管理運営事業

【事業内容】都の指定有形文化財である建物の保存に努めるとともに、地域にゆかりのある「赤い鳥」に ちなんだ図書コーナーの設置、「おばあちゃんのお話会」「赤い鳥コンサート」などの事業を実施している。

【今後の方向性】文化政策推進のための貴重な文化資源であるので、更なる事業内容の充実発展を検討していく。

前  期(平成18∼22年度)

事業量 開館日数 約1,450日

展示会・講座開催 約100回 事業費(百万円) 28

7-1-3-2 ◎郷土資料館事業運営

【事業内容】区民及び来館者に豊島区の歴史、文化を紹介し理解を深めていただくために、豊島区に関す る貴重な郷土資料を収集・整理・保存するとともに、調査・研究・展示、講座の開催、刊行物の発行を行う。

【今後の方向性】老朽・狭あい化していく施設のあり方を検討しつつ、蓄積してきた郷土資料・情報を今 後の文化政策及び地域の活性化に活用していく。

前  期(平成18∼22年度)

事業量 開館日数 約1,250日

展示会、講座等 125回 事業費(百万円) 33

7-1-3-3 ◎伝統工芸振興事業

【事業内容】後継者難や企業規模の零細性ゆえに衰退傾向にある伝統工芸品産業の育成発展を図る。

【今後の方向性】NPO等との協動による伝統工芸振興について検討する。

前  期(平成18∼22年度)

事業量 伝統工芸展 5回、伝統工芸団体支援 5件、

伝統工芸士認定 5件 事業費(百万円) 8

7-1-3-4 ○としま区民芸術祭実施(民俗芸能inとしま)事業

【事業内容】区内に伝わる民俗芸能の継承を支援するため、豊島区指定無形民俗文化財である「富士元囃 子」「長崎獅子舞」のほか近隣地域や姉妹都市、友好都市の民俗芸能公演を開催する。

【今後の方向性】貴重な文化の保存・継承を図るため、としま未来文化財団が主体となって事業を継続する。

前  期(平成18∼22年度)

事業量 公演 5回 事業費(百万円) 21

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