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   門門大・加藤容子・角田幸雄

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Academic year: 2021

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受精卵との共移植がマウス体細胞核移植胚の      体内発生能に及ぼす影響

Effect of co-transfer of fertilized embryos on

 the developmental potency of mouse      SCNT embryos in vivo

   門門大・加藤容子・角田幸雄

  Yuta TSUJI, Yoko KATO and Yukio TSUNODA

    近畿大学農学部動物発生学教室

Laboratory of Animal Reproduction, College of Agriculture,

       Kinki University

【目的】

 マウス体細胞核移植(SCNT)胚における発生能向上 を目的に,多くの研究がなされてきた,しかしながら,

産仔への発生能は依然として低い、着床およびその後 の妊娠維持には,妊娠黄体から持続的に産生されるス テロイドホルモンであるProgesteroneが大きく関与して いることが報告されている.演者らは,妊娠初期の受 胚雌マウスに対し,黄体機能を増強し,Progesterone分 泌を促すホルモンとして知られているhuman chorionic gonadotropin(hCG;ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の投 与を行ったところ,妊娠中期におけるSCNT胚由来胎子 形成能を有意に向上させることに成功した(第50回卵子

学会).

 妊娠中期以降に分泌される黄体性ホルモンは,胎盤性 ホルモンが妊娠黄体を維持することで分泌される.こ のように,胎盤は胎子への栄養補給だけでなく,直接 的なホルモンの分泌,あるいは分泌を促す作用や,そ れに伴う免疫回避機構など,中期以降の妊娠維持にお いて,重要な役割を担っている.そこで本研究では,正 常な胎…盤形成を成す受精卵を,SCNT胚と共に同じ雌マ ウスの異なる卵管へそれぞれ移植し,妊娠中期以降に おけるマウスSCNT胚の発生能に及ぼす影響について検

討した.

【方法】

 受精卵の回収;既報に従い過剰排卵誘起処理を行っ たBDF1雌マウスをICR系統マウスと交配させ, hCG(5 1U/50 ul)投与後20時間後に受精卵の回収を行った.

 SCNT胚の作出;hCG投与14時間後に, MII期卵を採 取し,除核したものをレシピエント卵子とした.採卵

時に得られた卵丘細胞をドナー細胞核とし,ピエゾド ライブを用いた直接注入法により核移植を行った.ド ナー細胞核を注入後,100nM Trichostatin A(TSA)添加 KSOMで2時間,次いでTSA添加活性培地で6時間処理

した.

 得られた受精卵,およびSCNT胚は,37℃,5%CO2,

95%空気の気相条件にて,胚盤胞まで体外培養を行った.

 胚移植;得られた受精卵由来胚盤胞,およびSCNT胚 由来胚盤胞は,偽妊娠1・.0日齢のICR系雌マウスの卵管 へ移植した.胚移植後,3.5-6.5日齢の偽妊娠雌マウス へhCG(101U/50 ul),または同量の生理食塩水を投与し た(第50回卵子学会).

 共移植の実験:区として,以下の3区を設けた.

i)SCNT胚を両卵管にlo個ずつ移植し, hCG投与を  行った区(対照区).

ii)受精卵5個を片方の卵管へ, SCNT胚10個を他方   の各卵管へ移植し,生理食塩水を投与した区.

iii)受精卵5個を片方の卵管へ, SCNT胚10個を他方   の各卵管へ移植し,hCG投与を行った区.

 開腹検査は18.5日齢に行い,着床率,産仔率を調べ るとともに,得られた生存産仔の体重・胎盤の重量を 測定し,共移植がマウスSCNT胚の発生能に及ぼす影響 について検討を行った.

【結果と考察】

 受精卵,およびSCNT卵の胚盤胞への発生率は,それ ぞれ97%,67%であった.

 受精卵の着床率は54-66%,SCNT胚では38-43%と,

受精卵に比べ,いずれの区においても,SCNT卵では有

意に低い着床率となった(P<0.05).産仔生産率において,

受精卵では実験区ii, iiiそれぞれ46%,48%と実験:区 間で差はみられなかった.一方,SCNT卵では,実験:区

i,ii,iiiそれぞれ2%,3%,6%となり,他の区に比べ,

実験:区iiiではSCNT胚の産仔生産率に向上傾向がみられ

た.

 着床後に起こる胚性死の要因の一つとして,胎盤の 形態形成異常や,それに伴う胎盤機能不全が考えられ ている,本実験結果において,受精卵由来胎盤iが産出 するホルモン,およびそれに伴う免疫抑制効果が,妊 娠中期以降におけるマウスSCNT胚の発生能を向上させ た可能性が考えられた.

一S69一

Presented by Medical*Online

参照

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