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第 60 回神奈川腎炎研究会 低補体血症が持続する膜性増殖性糸球体腎炎 3 型の小児の 1 例 1 丸山真理 1 齋藤陽 1 小林久志 2 小池淳樹 1 村田俊輔 3 生駒雅昭 はじめに小児の膜性増殖性糸球体腎炎 ( 以下, MPGN) は一般に予後良好とされているがその多くは 1 型と考えられてい

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はじめに

小 児 の 膜 性 増 殖 性 糸 球 体 腎 炎( 以 下, MPGN)は一般に予後良好とされているがその 多くは1型と考えられている。 MPGN3型は小児においても比較的まれな病 型であり予後に関して一定の見解はない。 今回,我々はステロイドパルス療法とシクロ スポリンを併用し蛋白尿の改善は得たが低補体 血症と血尿が持続するMPGN3型の症例を経験 したので報告する。

症  例

症 例:13歳 男児 現病歴:春の学校検尿で血尿,蛋白尿を指摘 され当院受診。明らかな先行感染なし。 出生歴:在胎35週2122gで出生。新生児一過 性多呼吸のため入院。 既往歴:アトピー性皮膚炎,過去に学校検尿 で異常を指摘されていない。 家族歴:特記事項なし,家系に腎疾患なし 入院時現症:身長:157.5cm,体重:43.9kg, 血圧:125/65mmHg,眼瞼結膜貧血なし,眼球 結膜黄染なし 胸部:呼吸音清,心雑音なし 腹部:平坦・軟,腸蠕動音良好,両下腿浮腫 なし,両足背動脈触知良好 皮膚:紫斑なし

考  察

①診断 光顕にて分葉化,内皮細胞の増殖,基底膜 の二重化を認め,電顕にて上皮下,内皮下, 基底膜内に高電子密度沈着物やHump,膜貫 通型の沈着物を認めMPGN3型と診断した。 また,2次性の要因は否定的であり原発性で あると考えられた。 ②膜性増殖性糸球体腎炎3型について ・ MPGN3型の予後に対しての報告は極めて 少ないがIitakaらはMPGN3型は予後良好な 疾患であると述べている。 ・ また,7例中4例は1年以内に低補体血症の 改善を認めたが尿所見改善後も17年間低補 体血症が持続した症例がいると報告してい る。

(Iitaka at al,pediatric nephrology 2002,17:373-378) ・ BraunらはMPGN3型は1型と比較して低補

体血症が遷延すると報告している。 (Braun CM at al,AM J Kidney Dis

1999,34:1022-1032)

低補体血症が持続する膜性増殖性糸球体腎炎3 型の小児の1 例

丸 山 真 理

1

  小 林 久 志

1

  村 田 俊 輔

1

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<尿所見> 比重 1.034 pH 6.0 蛋白 (3+) 糖 (-) 潜血 (2+) 赤血球 50-99 /HPF 白血球 (-) 赤血球円柱 (+) 硝子円柱 (+) 蛋白定量 1.6 g/g・Cr <血算> WBC 5800 /ul RBC 469 /ul Hb 14.0 g/dl Hct 40.5 % Plt 24.7 万/ul <生化学> TP 5.7 g/dl Alb 3.6 g/dl AST 25 IU/l ALT 14 IU/l LDH 262 IU/l Cr 0.50 mg/dl BUN 11.6 mg/dl Na 140 mEq/l K 4.0 mEq/l Cl 106 mEq/l Ca 8.7 mg/dl P 4.2 mg/dl UA 4.9 mg/dl T-Chol 134 mg/dl <凝固> PT 68 % PT-INR 1.18 APTT 28.1 SEC APTT-cont 31.0 SEC <免疫> ASO 210 IU/ml C4 12 mg/dl C3 5 mg/dl 血清補体価 <10 U/ml IgG 819 mg/dl IgA 158 mg/dl IgM 121 mg/dl 抗核抗体 <40 倍

MPO-ANCA <1.0 U/ml

PR3-ANCA <10 EU 免疫複合体C1q 15.9 μg/ml <感染症> HBs抗原 (-) HCV抗体 (-) <腎臓超音波検査> 特記事項なし <尿所見> 比重 1.027 pH 6.0 蛋白 (±) 糖 (-) 潜血 (3+) 赤血球 30-49 白血球 (-) 赤血球円柱 (-) 硝子円柱 (+) 蛋白定量 0.17 g/g.Cr <血算> WBC 9700 /ul RBC 386 /ul Hb 12.0 g/dl Hct 35.3 % Plt 23.5 万/ul <生化学> TP 6.0 g/dl Alb 4.1 g/dl AST 15 IU/l ALT 12 IU/l LDH 216 IU/l Cr 0.55 mg/dl BUN 11.9 mg/dl Na 139 mEq/l K 4.6 mEq/l Cl 4.2 mEq/l UA 6.7 mg/dl T-Chol 134 mg/dl <凝固> PT 68 % PT-INR 1.18 APTT 28.1 SEC APTT-Cont 31.0 SEC <免疫> C4 12 mg/dl C3 17 mg/dl 血清補体価 <10 U/ml IgA 121 mg/dl 抗核抗体 <40 倍 表1.検査所見(腎生検1回目) 表2.検査所見(腎生検2回目)

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図1 図2 図3 図4 図5 図6

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討  論

丸山 よろしくお願いします。  私たちは,低補体血症が持続する膜性増殖性 糸球体腎炎3型の小児の一例を経験したので報 告させていただきます。  初めに,小児の膜性増殖性糸球体腎炎,以下 MPGNは一般に予後良好とされていますが,そ の多くは1型と考えられています。MPGN3型 は,小児においても比較的まれな病型であり, 予後に関して一定の見解はありません。今回, われわれはステロイドパルス療法とシクロスポ リンを併用し,尿蛋白の改善を得ましたが,低 補体血症と血尿が持続するMPGN3型の病例を 経験したので報告いたします。  症例は13歳の男児です。現病歴は,春の学 校検尿で,血尿,蛋白尿を指摘され,当院を受 診されました。明らかな先行感染はありません。  出生歴ですが,在胎35週,2122gで出生。新 生児一過性多呼吸のため入院となっています。  既往歴はアトピー性皮膚炎があります。  家族歴は特記事項はありません。  入院時現症をお示しします。身長は157.5cm, 体重は43.9kgで,年齢相当の体格です。血圧は 125/65,少し高めではありましたけれども,そ の後正常範囲に戻っています。また,身体所見 上は,両下腿の浮腫を認めず,紫斑なども認め ませんでした。  1回目の腎生検前の採血の結果をお示ししま す。尿蛋白は(3+),潜血は(2+)でした。 また,変形赤血球を伴う50から99,high power fieldの血尿を認めており,尿蛋白定量では1.6g/g・Cr を認めています。また生化学検査では低蛋白血 症,低アルブミン血症を認めました。またC3, C4,血清補体価の低下を認めています。HBs 抗原,HCV抗体などは陰性でした。  光学顕微鏡の検査の結果をお示しします。糸 球体は43個採取され,mesangial capillary glo-merulonephritisであり,分葉化と内皮細胞の増 殖を認めました。PAM染色では,基底膜の二 重化と免疫複合体の沈着物を認めました。明ら かな尿細管間質病変は認めませんでした。  免疫蛍光染色法の結果をお示しします。C3 がmesangium領域と糸球体係蹄壁に塊状に染色 されています。その他,fibrinogen,IgGが陽性 となっています。  続いて電子顕微鏡所見の結果をお示ししま す。mesangium領域,上皮下,基底膜内,内皮 下に高電子密度沈着物を認めました。また一部 に膜貫通型の沈着物や,humpを認めました。  以上より,MPGN3型と診断し,治療を始め ています。7月下旬よりステロイドパルス療法 を含む,カクテル療法を開始しました。その後 は,プレドニンを漸減しています。しかし,そ の後尿蛋白の再現を認めたため,12月よりシ クロスポリンの内服を開始しています。その後 は尿蛋白は陰性化しています。しかし,血清補 体価の低値が持続していたため,2回目の腎生 検を,治療から1年たったところで行いました。  続いて,2回目の腎生検前の採血結果をお示 しします。尿蛋白は0.17g/g・Crと減少傾向で ありますが,低補体血症が持続しておりました。  2回目の光学顕微鏡の検査の結果をお示しし ます。糸球体内皮細胞の増殖は少なくなってお り,毛細血管の管腔ははっきり見えるように なっています。また,分葉化も改善しておりま した。PAM染色では,二重化はまだ残ってい ると考えられました。  続いて,免疫蛍光染色2回目の結果をお示し します。C3の染色はmesangium領域と糸球体 係蹄壁上に認めますが,顆粒状に変化していま す。  電子顕微鏡結果をお示しします。上皮下と内 皮下に高電子密度沈着物を認めていました。  考察です。光顕にて,分葉化,内皮細胞の増殖, 基底膜の二重化を認め,電顕にて,上皮下,内 皮下,基底膜に高電子密度沈着物やhump,膜 貫通型の沈着物を認め,MPGN3型と診断しま した。また二次性の要因は否定的であり,原発 性であると考えられました。

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 また膜性増殖性糸球体腎炎3型について,お 示しします。MPGN3型の予後に対しての報 告は極めて少ないです。しかし,Iitakaらの MPGNの報告では,予後良好な疾患であると述 べられています。また,7例中4例は1年以内 に低補体血症の改善を認めましたが,尿所見改 善後も,17年間,低補体血症が持続した症例 がいると報告されています。  また,BraunらはMPGN3型は1型と比較して, 低補体血症が遷延すると報告しています。  本症例は,低補体血症は持続していますが, シクロスポリン開始後より尿蛋白は減少してお り,2回目の腎生検も改善傾向であることから, 現行の治療を続ける方針です。以上です。 座長 はい。ありがとうございました。それで はフロアのほうで,臨床経過を含めまして,ご 質問,ご意見はございますでしょうか。はい。 山口先生。 山口 ちょっと蛍光の所見で聞きたいんです が,最初の所見でIgGが一応出ているんですが, 2回目で完全に消えてしまっていますよね。 丸山 はい。 山口 それから,所見の取り方なんだけど, ちょっとpatchにIgMとか出ているんだけど, それを1回目はネガティブにしているのに,2 回目のIgMは陽性なんですね。 丸山 そうですね。はい。2回目は陽性と取り ました。 山口 そうですか。 丸山 はい。 山口 1回目でちょこちょこっと出ている,そ れをネガティブにしているんだけど,これ。 C1qとか,IgMが,われわれには陽性にも見え ないことはないように思うんだけど,そんなに 強くはないにしても。そのへん,ネガティブに 判断する理由は何です? さっきのIgMをプラ スにとるのか,とらないのかで,話がだいぶ, isolate,C3だけで解釈できてしまうのかという。 そのへんの陽性のポイントがね。確かに見てい る方は,いつも見ているわけだから,その判断 が正しいとは思うんですが。 座長 これは1回目がIgMがマイナスで,2回 目がプラスで。このマイナスがちょっと光って いるかもしれないという,これ。 山口 いや,だけど,ついているわけでしょう。 座長 そうですよね。 山口 いや,それをネガティブといっていて, どうしたのかなというのがよく分からない。 座長 ここの画像に載せると,すごくきれいに 見えたんですけど,実際見ると,周りが比較的 明るかった気がして,マイナスになったと思う んです。確かマイナスでよかったんだよね。間 違っていないよね。 山口 ちょっと話が長くなるので。 座長 すみません。分かりました。また後で。  ほか,どなたかございますでしょうか。はい, どうぞ。 原 非常に珍しい症例をご提示いただいたので すが,この方は13歳からですよね。小児とな りますと,補体欠損症とかの可能性はあるんで しょうか。補体の各因子をもし測定していらし たら,お教えいただきたいなと思いまして。 丸山 補体の各因子までは,まだ今回調べてい ないんですけれども,文献検索をしていく中で, かなりの年月で低補体を来している疾患という のがありまして,先生がおっしゃるように,そ ういう中には実際はそういった補体欠損などの 症例もあるのかなとは推測していまして,この 子も長く続くようであれば,そういったのも念 頭に入れておく必要があるかなとは考えていま す。 原 低補体がよくなっていきますと,MPGNは 蛋白尿が消えたりと、よくなってきます。とこ ろが,こういう補体が持続して低値の場合は, どうなるか。興味がありまして,この人の治療 をやっていく一つの指標になるんじゃないかな と思いまして,質問させていただきました。 丸山 ありがとうございました。 座長 そのほかございますでしょうか。なけれ ば病理の先生方のコメントをよろしくお願いい

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たします。 重松 2回biopsyがなされているんですけれ ども,1回目の印象は全節ないし,分節性の MPGN様の病変を示すものが大部分であって, 均一なパターンをとる糸球体病変を示している という症例です。 【スライド01,02】  ご覧のように,低倍で分葉状になっている のが特徴的なもの,あるいはsegmentalだけど, 分葉状のところ,あまり分葉状じゃなくて,増 殖性が強いようなところがありますけれども, みんな共通にmesangiumの領域が増殖性である のが分かります。間質は非常にきれいで,血管 もきれいです。 【スライド03】  ここでもPAS染色でやりますと,分葉状に なったところは,みんな血管腔が厚い基底膜の 内側にありまして,MPGN様のパターンである という印象が与えられます。 【スライド04】  それに管内増殖が一緒に加わっています。こ こら辺はPAS染色で見ても,完全なmesangium の間入ではなくて,二重化というかたちで進行 しているのが分かります。 【スライド05】  PAMでやると,それがなお一層よく分かる のですが,こういうところは厚く見えるんだけ ど,どうも基底膜自身が染色性を獲得している のではなくて,中に液体みたいなのが染み込ん でいるわけです。ここでもそうです。だから, MPGN様の変化でも,まだ早期の浸潤とか,液 性浸出が強い時期の組織を見ている感じがいた します。 【スライド06】  ここでも,かなりmesangial matrixの染色性 が出てきているところがありますけれども,き れいなmesangium間入というところまでは,ま だいっていない。ただ,かなりきれいな係蹄壁 のびまん性の肥厚が始まっています。 【スライド07】  ここでは,染み込みが顕著なところと,かな りmesangial matrix,基質の成分が増えている ところが混在しています。ここなんかは,基底 膜の内側に液体成分,タンパク質様のmaterial が染まっているのが分かると思います。ここな んかも二重化です。 【スライド08】  特にこういうところはmesangiumと係蹄壁併 せて,浮腫性の液性浸出の強い変化が見られま す。こういうところに管内増殖が一緒に加わっ ているということです。どうしても,MPGN ということになるのだというと,坂口弘先生 の貴重な論文を引用しなくてはなりませんが, MPGNは急性期には急性腎炎のように見える んだということが,やはりこの症例でも,その ように類推される場所が多々あります。 【スライド09】  Masson染色で見ますと,普通は真っ青に染 まりますけれども,この症例ではこのmesan-giumが少し赤っぽく見えます。ということは, ここに液性の浸出,染み込みが起こっていると いうことだろうと思います。 【スライド10】  壁にもあるし,mesangiumにもあるというこ とです。 【スライド11】  ここではPAM染色で見ると,基底膜と染み 込みのmaterialが見えますので,これがまだ完 全なmesangial interpositionは起こっていないと いうことです。ここら辺はそれがかなり完成し つつあるということだと思う。 【スライド12】  強拡大にしますと,染み込みというのがかな りいろいろな場所に起こっているというのが, お分かりだと思います。 【スライド13】  それで,こういう染み込みがありますので, こういうimmune depositionが全てimmune com-plexで起こっているというのは,なかなか難し いですけれども,それにしてもC3というのは

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見事なパターンで染まっていますし,IgGもそ うであると。IgA,C1qも部分的にはやはり染 まっているところがありますけれども,この二 つに比べますと,この二つはバックは真っ黒け になっていても見えます。こっちはバックがか なり出てこないと,係蹄壁にあるというのがよ く分からないということで,この二つは非常に 強い蛍光を示しているということが言えると思 います。 【スライド14】  電子顕微鏡的に見ますと,この腎炎の特徴 がよく出てきます。こういうhump様の上皮下 deposit,それから遊走細胞があります。それ から,ここは係蹄の血管腔に近いところ,内 皮下にdepositionがある。それからもちろん mesangiumにもあるし,ここは内皮下でしょう かね。内皮下のdepositionがあります。これは paramesangiumのdepositだと思います。 【スライド15】  ここでもmesangiumのdeposit。ここは明らか なsubendothelial depositです。ここは内皮細胞 でporeがありますから。内皮細胞の下にある。 ここはmesangiumです。これもmesangial depo-sition,これはintramembranousのdeposition,こ れはhump様のdepositionです。 【スライド16】  これもhumpがあったり,細かい基底膜内の deposition。それから,mesangial deposit,あら ゆるところにdepositionがあるということが言 えます。 【スライド17】  2回目は,1回目に比べますと,基質の増加 がはっきりしてきている。糸球体の数は少な かったんですけれども,そういう増殖性の変化, 係蹄壁の肥厚が弱拡大でも非常に目立つ変化に なってきています。 【スライド18】  細胞の増殖はあまり強くないんですけれど も,ご覧のように係蹄壁の肥厚とmesangiumの 肥厚が非常に顕著になってきています。 【スライド19】  PAS染色で見ても,いわゆるmesangium間入 かなと言えるようなところが,あちこちに出て きています。 【スライド20】  管内増殖もまだ少し残っております。 【スライド21】  ここなんか,かなりinterpositionが見えてき て,それでもまだ浸出性の変化が出ているとい うところであります。 【スライド22】  ちょっとくどいですけれども,これはかなり 本当にMPGN様になってきたというところが 光顕でも分かると思います。 【スライド23】  これは,Massonで見ますと,1回目のbiopsy では,かなりmesangiumにまだピンク色の染み 込み病変みたいなものがあったんですけれど も,これはかなり基質が増えてきている。ちょっ とまだ残っているところもありますけれども, 大体基質が増えてきたことが分かります。 【スライド24】  ここら辺はmesangial interpositionができてい ると,光顕的にも見えると思います。 【スライド25】  電顕が一番そういう点,mesangiumの増殖の ことがよくわかります。ここに血管腔があって, ここも血管腔です。ここに遊走細胞が入ってい る。ここは単球で,これが好中球です。これは 内皮細胞です。mesangial depositがここにある。 ここはsubendothelial depositになっています。 【スライド26】  これは演者も出されましたけれども,ここは 細かい血管腔で内皮細胞のinterpositionみたい になっているんですけれども,その内皮下に depositionができて,これはmesangial depositで す。それから膜内のdepositというふうに基底 膜に全層性にdepositionが見られるということ です。

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 ここなんかもそうです。基底膜の内側,それ から内皮下に向かって,ずっとあらゆるところ にdepositionがあるということです。 【まとめ】  ということで,1回目,2回目の生検で,糸 球体はmesangium増殖性で,管内増殖を伴って いた。第2回目の生検で,分節性にmesangium 間入の傾向が一層強くなった。蛍光抗体法では, C3の全節顆粒状の沈着。IgGの有意の沈着があ る。電顕的検討,これがやっぱり一番MPGN の診断で大事だろうと思いますけれども,上 皮下,基底膜内,内皮下,mesangium,全てに あるということです。2回目の生検ではmesan-gium間入があり,これは膜性増殖性糸球体腎 炎の3型といわれているものです。このごろは, あまり言わなくなったんですけれども,3型に はBurkholderタイプとStrife型という二つのか たちがあって,いずれもdepositionが基底膜の 全層性にある。Burkholder型はmembranousGN に非常によく似ているし,Strife型は基底膜が depositionによって,ずたずたに切られて,lytic になっているという表現でしたけれども,いず れにせよ,この組織像は,いわゆる原発性の膜 性増殖性糸球体腎炎3型と言っていいと私は考 えました。以上です。 座長 重松先生,ありがとうございました。で は山口先生,よろしくお願いします。 山口 私ももう重松先生と同意見です。 【スライド01】  HEで見ますと,こんなように非常にhyper-cellularな糸球体で,分葉化もあります。尿細 管間質には大した病変はないようです。 【スライド02】  PASで見ますと,少しところどころendocap-illary,外来性の細胞が入って,mesangial matrix と増殖が目立っています。 【スライド03】  それで,なかなかhumpは探したんですけれ ども,あまり見えなかったように思います。係 蹄壁はちょっと全体に厚ぼったいです。ただ, ちょっとinterpositionというよりは,looseな感 じで,赤染するものも混ざっているような感じ です。 【スライド04】  PAMが,末梢があまりきれいに必ずしも染 まっていないんですが,分かりづらいですね。 ですから,二重化でもないんです。なんとなく 厚ぼったいんです。間がざらざらして抜けたよ うな感じ。染まりも十分じゃないのかもしれな いですが,いわゆるinterpositionで二重化して いるわけではないんです。ざらざらした肥厚が ある。これはちょっと染まりが悪いのかもし れないです。完全に抜けちゃったのか,deposit で,そこが見づらくなっているのか。ですから, mesangiumの増殖,matrixの変化もあるんです が,係蹄壁の変化が通常のタイプ1,2のよう なきれいな二重化ではないということは言える と思います。 【スライド05】  paramesangialに ち ょ っ とnodularなdepositive なものも。paramesangiumなのか,interposition に沿っての沈着なのかもしれないです。一部は 二重化と言っていいのだろうと思います。ただ, あまり膜の変化の目立たないloopもあります。 この辺は二重化。ただ,こちら側が染色性が悪 いというのか,あるいはdepositで不明瞭になっ ている感じです。 【スライド06】  それで,C3,mesangial peripheral,dominantで, IgGも似たような感じでしょうか。humpに一

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致しているかもしれないです。IgMも私は陽性 にとってしまって,C1qも頂いた写真だと陽性 にとらざるを。これなんか,humpに一致して, C1qが出ているのかなという。ちょっと所見が, 全部一緒に出てしまっている印象です。 【スライド07】  電子顕微鏡的には,あまりdensityが目立つ というよりは,なんとなくもやっとした感じの depositで。この辺は比較的境界が明瞭なdeposit ですけれども,humpなのか,こういうふうに GBMを完全に貫通したような変な形のもので す。subendo,mesangial matrix,これはparame-sangium,hump-likeなもの,mesangial matrix内 にもやっとした感じのものですね。あるいは ちょっとsubendo側にcontinuanceなものが見ら れて,matrix内にも見られている。明らかな dense deposit diseaseというわけには。3型で, dense deposit-likeというのを,後で城先生にコ メントを頂きたいと思うんですが,先ほど3型 を2種類,重松先生が言われたんですが,それ にもう1種類あるということで,dense deposit-likeという分類が入ったはずなんですけど, それは最近はもう蛍光のisolate C3とimmune complex型に分かれて,組織像は二の次になっ てしまっていますので,ちょっとそのへんが混 乱しているように思います。 【スライド08】  こういうもやっとした感じのhump様のやつ が,mesangial matrix subendoにあります。いわ ゆるmesangial interpositionはあまり際立たない です。 【スライド09】  そういうようなことで,3型でいいように思 います。ただ,ちょっとIFの所見は,私は全 部陽性ととってしまいました。 【スライド10】  これが2回目ですかね。少し基底膜の肥厚が, 係蹄壁の肥厚がやや目立ってきたという印象で す。endocapillaryは似たり寄ったりのような気 がします。糸球体によってちょっと違うかもし れません。 【スライド11】  これなんかは比較的抜けがよくなってきてい ますかね。分葉化があまり際立たなくなった印 象は確かにあります。 【スライド12】  これでhumpがどこだったですかね。ちょっ とあったと思うんですが,これがそうですか。 ちょっと分かりません。humpが見えていたよ うに思います。 【スライド13】  それで,PAMがちょっと染色性が十分じゃ ないので,見づらかったんです。ただ,もとも と基底膜が障害を受けて,染まりが悪くなって いるということもあるように思います。 【スライド14】  ここはちょっと違和感があります。 【スライド15】  先ほどの1回目に比べて,interpositionと思 われる。それから非常にtransmuralな,内皮側 に沿ったdepositが際立っています。ここもin-terpositionでcontinuanceなこういうようなdense deposit-likeな所見があるように思います。好中 球が出てきています。 【スライド16】  hump-likeのepithelial deposit が あ っ て,1カ 所,TBMにdense depositが見られております。 これはproximalです。 【スライド17】  そういうようなことで,タイプ3で,やや前 回と比べて二重化がはっきりしてきたと思いま す。 【スライド18】  これは,最近は使わなくなったんですが,小 児科のpediatric nephrologyだと,タイプ2とタ イプ3を,教科書だと,タイプ1とタイプ3を 一緒にしているところがあります。これは主 にalternative pathwayが関与するのがタイプ2と タイプ3で,classical pathwayが関与して,im-mune complexを引っ張ってくるのがタイプ1と

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いう考え方になっているようです。 【スライド19】  ただ,実際に補体系の先ほどの話が,原先生 のほうからありましたけれども,タイプ1でも 補体系のいろいろな異常が出てくる。タイプ1 は,フランス学派の連中はタイプ1で,一部3 が混ざってしまっているんですが,補体系のい ろいろな異常が関与しているということで,必 ずしもisolate C3だけが補体系の異常があると は限らないということをいっております。以上 です。 座長 山口先生,ありがとうございました。  診断はMPGNの3型でいいだろうということ なんですが,そのDDD-likeの件に関して,城 先生,コメントをよろしくお願いします。 城 この症例はMPGN3型のStrife-Andersのタ イプだろうと思います。  humpは 結 局,MPGNの1型 で あ っ て も, dense deposit diseaseであっても,修飾病変と して出てきますので,このhumpをもってepi-thelial depositが存在するから,burkholder型に はならないだろうと思うんです。burkholder型 のMDGN3型は,やはりはっきりしたepimem-branous depositがあることが前提となっていま す。本症例は銀染色で見ても,電顕で見ても, hump以外の膜性腎症の所見はないと思います。 したがってburkholderタイプとは区別されるだ ろうと思います。

 問題はdense deposit diseaseとの鑑別になる と思います。continuous intramembranous dense depositがdense deposit diseaseのものなのか,ま た はMDGN3型 のStrife-Andersタ イ プ の も の なのかということですが,本症例ではIqGが mesangiumから糸球体毛細血管のloopにきれい に陽性所見が出ておりますので,dense deposit diseaseは考えにくいと思います。DDDはC3だ けが陽性のタイプだと思います。  C3 glomerulonephritisに 関 し て は,MPGN1 型とdense deposit diseaseを包含した疾患概念 のように,私は思っています。MPGN3型の

Burkholderタ イ プ は,immune complexタ イ プ として区別されると思います。じゃあ最後に Strife-Andersタイプは免疫複合体性腎炎である かどうかについては,まだ結論が出ていないと 思います。本症例ではC3とIgGのcolocalizeの タイプですけれども,症例を集めますと,必ず しもIgGとC3のcolocalizeタイプだけではない と思います。  どうしてWHOがMPGN3型を現状のような first formとsecond formに分類したか分からな いんです。どちらかというと,MPGN2型を first formとsecond formと分けて,dense deposit diseaseはC3 solitaryの も の でfirst formに 分 類 し,にIgGとか,その他のheavy chainがcolo-calizeするものをsecond formと言うなら分かる んですけれども。重松先生のほうがそこらへん の事情はよく分かっていらっしゃるんじゃない かと思います。少なくとも,MPGN3型のfirst formとsecond formは明らかに違った疾患群だ と,私は解釈しています。 座長 ありがとうございました。どうぞ,乳原 先生。 乳原 虎の門病院の乳原です。  タイプ1かタイプ3かということですが,私 たちの病院で,IgGがメーンに染まるMPGNと いうのが23例ございました。それで,電顕的 に合わせて,タイプ1とタイプ3と分けられた 症例が,ちょうど半々でした。それで,教科書 的にも小児のはタイプ1が多いんじゃないかな ということで,古い論文か教科書には書いて あったような気がするんです。私たちのほう も,やっぱりタイプ1とタイプ3はどこが違う かといったときに,タイプ1のほうが,より若 年,小児例が多いということで,小児例の中で, もちろんタイプ3と分類される症例もあるわけ ですが,タイプ1と分類される症例のほうが多 かったということです。成人例でも,より若年 のほうが多かったということ。タイプ1のほう が,補体の下がりが大きいということで,ちょ うどきれいに分かれたんです。

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 この症例の場合は,それで上皮下沈着物があ るということで,重松先生から,もしかしたら, 早期はもうちょっとAGN様の上皮下沈着物が 出てきているのかなと。ちょうどそういうこと になって,ちょっと時間がたつと,上皮下沈着 物が薄らいできて,タイプ1のようなかたちに なっていくのかなと思ったりはしたんです。そ のへんは,どうなんでしょうか。 城 基本的にhumpはIgGが陽性なんですか? humpは基本的にはC3が陽性のものじゃないか と思うんです。 乳原 当院のほうでMPGNと診断したときに, hump様のものはあまりはっきりしなくて,あ くまでも上皮下は上皮下ということだったんで す。というのは,もうIgGが全て有意なもので す。 城 タイプ1はdouble contourがあるタイプで しょう? 基本的に。 乳原 そうです。 城 そうすると,先生のおっしゃるIgGが陽 性で,タイプ1に分類される場合の電顕的な dense depositの位置はどこになるんですか。 乳原 係蹄内皮下です。mesangium領域です。 城 内皮下ですね。基底膜じゃなくて。 乳原 上皮下にもあるのをタイプ3とした場 合,高齢者のは逆にやはりタイプ3に分類され る症例が多くなってきていると。補体の下がり は低い,軽いという。 城 そうですね。   さ っ き のStrife-Andersタ イ プ で, ち ょ っ とコメントを忘れてしまったんですけれど も,Strifeが, 有 名 なWestの 一 派 で, そ れ か らAndersはThoenes一 派 で,1977年 に 同 時 に 論文を発表しています。特にThoenesの一派が 電顕PAMをきちんとやって,そこで何が問題 かと言いますと,糸球体基底膜はlamina rara externa,ramina densa,lamina rara internaと3層 に分かれていますけれども,lamina rara externa がきれいに保たれていること,そしてlamina densaが破壊されていることが,Strife-Andersの

特徴だといわれています。

 この症例もよく見ますと,humpのところは 確かに分断されているところはあるんですけれ ども,基本的にこのlamina rara externaがきれ いに保たれていますので,それも診断の一つの 根拠かなと。要するに,本症例では基底膜内の dense depositが主体で,上皮下depositとは区別 されるという意味で,lamina rara externaが温存 されているかどうかが非常に重要な所見だと思 います。

座長 そのほか,ございますでしょうか。  では,ありがとうございました。

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