• 検索結果がありません。

鉱山周辺地域における河川堆積物の重金属吸着特性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "鉱山周辺地域における河川堆積物の重金属吸着特性"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)鉱山周辺地域における河川堆積物の重金属吸着特性 著者 URL. 堀 あゆみ http://hdl.handle.net/10236/11267.

(2) 2012 年度 修士論文要旨. 鉱山周辺地域における河川堆積物の重金属吸着特性 関西学院大学大学院理工学研究科 化学専攻 壷井研究室 堀 あゆみ 休廃止鉱山からはヒ素や有害重金属を含む鉱山廃水が流出する場合があり,鉱山地域の河川水 に含まれる重金属元素の測定は水質保全,鉱山廃水対策の点から重要である。一般的に,鉱山地 域の河川水中における重金属元素(Mn, Cu, Zn, Pb)は他の地域よりも高濃度である。しかし下流へ 向かうに連れて,河川水中の重金属元素濃度は低くなっていく。このような河川水中の重金属元 素挙動を支配しているのは,吸着現象である 1)。そこで本研究では兵庫県多田・生野銀山地域を ケーススタディとして,河川水,湧水,河川堆積物および浮遊物質を採取・分析し,河川水中の 重金属元素挙動が河川堆積物および浮遊物質中の何に依存するかを検討した。また石英とカオリ ンを用いて吸着実験も行い,鉱物による吸着の違いについても考察した。 河川堆積物 6 試料について,蛍光 X 線分析装置(XRF)を用いて主成分 10 元素(Si, Ti, Al, Fe, Mn, Mg, Ca, Na, K, P)について定量分析を行い,分析値からノルム計算を行った。また河川堆積物 7 試 料,浮遊物質 7 試料について粉末 X 線回折分析装置(XRD)を用いて定量分析を行い,河川堆積物 4 試料,浮遊物質 3 試料に元素分析計を用いて窒素,炭素,水素,硫黄の定量分析定を行った。 さらにカオリンおよび石英を吸着剤として,pH と時間を調整し Cu 溶液で吸着実験も行った。 XRF 結果から計算したノルム計算結果は,河川堆積物は 2 試料を除き,最も多く含まれている 鉱物は石英であることを示した。ノルム計算は河川堆積物中の主成分分析結果より,計算により 鉱物量を求める方法である。実際に鉱物を定量したわけではないので,河川堆積物中の重金属元 素の濃度によって,算出される鉱物量は異なる場合もある。一方 XRD 結果は,すべての河川堆 積物において最も多く含まれる鉱物は石英である. Q. ことを示した。これらの実験結果より,河川堆積物. Q ; Quartz. や浮遊物質に最も多く含まれている鉱物は,石英で. K ; Kaolinite. 河川における吸着現象において,河川中の重金属 元素および河川堆積物に含まれる鉱物は重要なフ. Q. Intensity. あると考えられる。. K. IKS03. IKS02. ァクターである。生野銀山地域の河川堆積物は多く の石英,そして粘土鉱物であるカオリナイトを微量. IKS01. に含んでいる(図 1)。どちらの鉱物も PZC(Pont of Zero Charge) はそれぞれ 2.0, 4.6 と他の鉱物と比べ 低いので,河川において重金属元素を吸着している. 0. 20. 2(°). 40. 60. と考えられる。しかしカオリンおよび石英を用いた 図 1 生野銀山地域の河川堆積物 XRD 結果.

(3) 220. 吸着実験において,石英は溶液中の重金属元素をほ とんど吸着しなかった。一方粘土鉱物であるカオリ リンや河川堆積物と比べ,石英のみ初期濃度と実験 後の濃度がほとんど変化しなかった(図 3)。したが. 210 Cu/ppm. ンは,石英より重金属元素を吸着した(図 2)。カオ. Asorbent Kaolin Solution Cu pH 4.60. 200 190. って,河川における重金属元素の吸着現象を支配し 180. ているのは河川堆積物に相対的に多く含まれてい る石英ではなく,微量にしか含まれていないカオリ. 0. 40 60 Time/min. ナイトである可能性が高い。また粘土鉱物であるカ. 図 2 カオリンによる Cu の吸着. オリンのみで重金属元素の吸着が起こった結果. 20. 250. After 85 - 120 min 200. イトを含んでいたが,多田銀山地域の河川堆積物 ではカオリナイトは含まれていなかった。 河川. Concentration/ppm. によって溶液から除去されている可能性を示唆 生野銀山地域の河川堆積物は微量のカオリナ. 150. 100. 50. 堆積物がカオリナイトを含むかどうかは,試料採 取地域によって異なっていた。一方元素分析の結. 0. 果より,河川堆積物および浮遊物質は炭素を. Adsorbent. Kaolin 001. Sediment 002. Qtz 003. 2.96 %から 6.52 %含んでいた。このように有機物. pH. 4.60. 5.32. 6.06. はカオリナイトとは異なり,河川堆積物試料およ. 100. Initial Conc. は,重金属元素は表面吸着ではなく,イオン交換 している。. 80. 図 3 Cu の吸着実験結果まとめ. び浮遊物質試料に採取地域に依存せず含まれている。河川堆積物に含まれる有機物は,フルボ酸 とヒューミン酸で全有機物の 80 %以上を占めている 2)。フルボ酸,ヒューミン酸ともにアルキル 基,カルボキシル基,アミド基などの官能基を有している 3)ので,高い pH と接すると負電荷を 帯びる。河川水 100 試料中 89 試料が pH 7.5 以上あり,多くの有機物が負の電荷を帯びていると 考えられる。河川水中の重金属元素の多くは陽イオンの状態で存在するので,負の電荷を帯びて いる有機物に吸着されて除去されると考えられる。このように河川における河川水中の重金属元 素の吸着現象は,河川堆積物や浮遊物質中に最も多く含まれている石英ではなく,微量にしか含 まれていないカオリナイトなどの粘土鉱物,および有機物に支配されている可能性が高い。. 1) C. Mouvet, A. C. M. Bourg, Water Research, 1983, 17, 641. 2) 山本修一, 石渡良志, 地球化学 1981, 15, 60. 3) 石渡良志, 米林甲陽, 宮島徹, “環境中の腐植物質 その特徴と研究法” , 三共出版株式会社, 2008, 291..

(4)

参照

関連したドキュメント

-4-

’七世紀以降の鉱山は、大規模化し、鉱業者は、経営者層の山師と一般労働者の鉱夫に分解していき、一般鉱夫の頂点に金名子と呼ばれる鉱夫の親方層が形成された。大規模化し分業化した鉱山において基幹部門に

(3)終戦~ 1960 年代前半:単純買鉱が主流の時代

1 mg/dm 3 であり、排水処理施設ではこ れらの重金属イオンを排水基準値以下まで除去しな ければならない。 一般的な重金属イオンの除去方法と して水酸化物沈殿法がある。図

7 に示す。pH については処理原水と河川水の 混合比によって決定され,混合比が大きいほど pH 値が 低い。1:0.01,1:0.02,および

本川・幹川( main strain, main river ):流域内の河川で水理学的に主要な

3.3 計画の目標に関する事項

別言語のタイトル Geology and Hydrothermal Alteration Around The Unagi-ike, Yamagawa-cho, Kagoshima Prefecture..