1 .はじめに
長野県上伊那郡辰野町にはマンガン鉱床が分布し古 くから稼行されてきた.これらの鉱床は,「秩父古生層」 と呼称されていた美濃 - 丹波 - 足尾テレーン(Wallis et al., 2020)のうちの美濃帯の非変成堆積岩が,領家 帯の高変成度の変成岩までに連続的に移化する地域に 分布する.地域の地質は過半が泥質岩と砂質岩の互層 ないし粘板岩からなり,粗粒砂岩,チャート,石灰岩, 輝緑凝灰岩(塩基性火山岩類),礫岩を挟んでいる(大 木,1958). 戦後の日本で稼行されたマンガン鉱山は約1,100(広 渡,1967)に及ぶが,この地域で現在までに発見さ れたマンガン鉱山は13鉱山あり(地質調査所,1954), 主にチャート中に胚胎する「層状マンガン鉱床」に分 類され,これらの分布域は塩尻地域(鉱床区)と総称 された(吉村,1952; 吉村豊文教授記念事業会, 1969). それらは生産量の大きい順に浜横川,上伊那(大家), 渡戸,唐木沢,雨沢,伊那富(柳沢),日基富国,八沢(筑 摩),垣内,塩尻(浜小野),川島であった. 筆者はこれらのマンガン鉱床の中で格段に規模が大 きく,全国屈指の生産量をあげて著名であった浜横川 鉱山について,稼業中の1971年(昭和46年)と1974年(昭 和49年)とに見学することができた.さらに1976年(昭 和51年)7月23日から10月29日まで鉱山の坑内外と周 辺の鉱床地質および南西に位置する大滝鉱山付近を調 査することができた(五味,1977). その後,従来の地向斜造山論の概念に対するプレー トテクトニクス理論の導入やチャートに含まれる微化 石による生層序学的な記載や付加体地質学の進捗に よって,「秩父古生層」と「層状マンガン鉱床」につ いては,地質学上と鉱床学上の知見に劇的な変革がも たらされた. 地質学上の変革としては,いわゆる「秩父古生層」 は古生代ではなく,石炭紀からジュラ紀にわたる中生 代の地層であり,石灰岩やチャートは周囲の砕屑岩類 より古い石炭紀後期からジュラ紀中期のいずれかの時 代のものとされ,海洋プレート上に累重した堆積物な どの異地性岩体からなる付加コンプレックスであると されるようになった.浜横川鉱山周辺では,ジュラ紀 の泥質岩・砂質岩およびそれらの互層に,三畳紀の チャート,石灰岩および塩基性火山岩がオリストリス として含まれていると解釈されるようになった(大塚新知見に基づく長野県辰野町浜横川鉱山の地質と鉱床
五味 篤
Geology and ore deposit of the Hamayokokawamine, Tatsuno Town, Nagano
Prefecture, based on the new geological knowledges.
Atsushi Gomi
〒 107-0061 東京都港区北青山 2 - 5 - 1 伊藤忠鉱物資源開発株式会社 辰野町横川川流域にあった浜横川鉱山は1897年頃に発見,開発され,1983年に閉山し,マンガン鉱総生産量 約35万トンの全国屈指の生産量をあげた.鉱床は「層状マンガン鉱床」に分類され,その成因は,古生代地向 斜堆積物の「秩父古生層」中のチャートが,マンガンを含む熱水によって交代されたとする後生説で説明され てきた.しかし,半世紀に及ぶ地質学と鉱床学の発展と海洋地質学の新知見によって,「秩父古生層」は海洋 プレート付加体であって,横川川流域は古生代ではなく,中生代ジュラ紀の泥岩・砂岩およびそれらの互層に, 三畳紀のチャートなどが含まれると解釈されるようになり,「層状マンガン鉱床」はマンガンを含む堆積物が チャートとともに堆積して未固結時変形で生成したという同生説が提唱された.これに海洋地質学におけるマ ンガン堆積物の知見が加わって以降,同生説に基づいて堆積環境やマンガン原鉱物や熱変成によるマンガン鉱 物種の変化が検討されるようになった. キーワード 浜横川鉱山,秩父古生層,経ヶ岳コンプレックス,層状マンガン鉱床,付加体,未固結時変形ら, 1986; 佐藤,1989).なお,付加体に含まれるメ ランジュは海底乱泥流に伴うオリストリスとされたが, その後,テクトニックメランジュが多いと考えられる ようになった(脇田,1989a,1989b; 坂井,1989; 斎藤, 1997).横川川流域はこうした海洋プレート層序を保 存する付加体であるといえる. 鉱床学上の変革としては「層状マンガン鉱床」の成 因として,チャートがマンガンを含む鉱液によって交 代されたとする後生説が主流であったのに代わって, 1960年代頃からマンガンを含む堆積物がチャートとと もに堆積して「層状マンガン鉱床」が生成したという 同生説が提唱され,1956年〜 1960年頃まで盛んに議 論された.これに海洋地質学におけるマンガン堆積物 の知見が加わって以降,同生説に基づいて堆積環境や マンガン原鉱物が検討されるようになった. 本稿では地質学上と鉱床学上の知見の変革の一舞台 となった横川流域の地質と浜横川鉱山の「層状マンガ ン鉱床」について,このような新知見に基づいて概観 していく.
2 .位置・交通
浜横川鉱山は長野県上伊那郡辰野町川島横川33番地, 海抜950 〜 1,200 m に位置し,JR 東日本中央本線ある いは JR 東海飯田線辰野駅で下車,北西に国道153号 線約6 km で信濃川島駅,さらに南西に県道201号線(川 上唐木沢線)および横川渓谷道路約10 km で浜横川鉱 山事務所のあった浦之沢の蛇石入口に達する(図1,2). この間,辰野駅から途中木曽沢までは辰野町町営バス 川島線を通じ32分を要し,さらに木曽沢から浜横川鉱 山事務所(137°53’49”E, 35°58’23”N)までは 徒歩40分を要する. 鉱山事務所より出押沢の第一選鉱所(図 3 )と第二 選鉱所(図 4 )および弥生坑口(137°53’38”E, 35 °58’13”N)までは横川坊主林道沿い0.5 km 徒歩 7 分, さらに敷島坑口(図 5 ,6 )までは 9 分,採鉱事務所 (図 7 )まで15分,第一坑口までは18分,大岩坑口(図 8 )までは20分を要した.第三坑と称された中押沢の 旧坑までは弥生坑口から横川坊主林道1.4 km を経て 徒歩40分を要した.横川川支流の瀬戸沢にある瀬戸沢 旧坑までは弥生坑から横川坊主林道と瀬戸沢林道を経 図 1 浜横川鉱山・大滝鉱山位置図図 2 浜横川鉱山付近地形図 各坑道の位置関係の詳細は図 18,27,28 を参照. 図 3 浜横川鉱山第一選鉱所と150トン貯鉱舎 広渡(1986)から転載. 図 4 浜横川鉱山第二選鉱所 弥生坑から第二選鉱所へ続く軌道が林道を横断する. 酒井助六 Web「異端なる鉄道・異端なる音楽」より転載. 図 5 大岩坑から索道搬器と敷島坑を望む 1976年 8 月18日撮影 図6 浜横川鉱山 第一選鉱所 索道終点から敷島坑を望む. 1976年8月18日撮影 図 7 浜横川鉱山 採鉱事務所 旭坑口(左奥),中央坑口(上方). 1958年 6 月 5 日撮影
て1.3 km,徒歩25分で達した. 大滝鉱山は前記鉱山事務所よりさらに横川坊主林道 約8km,徒歩 1 時間50分で横川川と大滝沢の合流点付 近にあった大滝鉱山事務所(137°51’06”E, 35°56’ 44”N)に達する.鉱床は,大滝鉱山事務所より大滝 沢1.2 km 上流の大滝付近の海抜1,200 m に位置する大 滝鉱床(137°51’24”E, 35°56’15”N)と,大滝 沢支流の割沢(悪沢)の海抜1,700 〜 1,800 m 付近に 分布し,栄坑(137°51’24”E, 35°55’47”N,図 9 , 10)などによって開発された割沢鉱床がある.割沢鉱 床開発のための宿舎は海抜1,500 m にあり,大滝鉱山 事務所より徒歩2時間を要した. 浜横川鉱山の敷島坑準以上の鉱石は第一索道(第一 坑〜第一選鉱所480 m)と第二索道(敷島坑〜第一選 鉱所300 m)によって弥生坑準付近の第一選鉱所(図3) に下され,敷島坑準から弥生坑準の間の鉱石は第一立 坑で弥生坑に落下され鉱車で第二選鉱所(図4)に運 ばれ,手選鉱のうえ,トラックで辰野駅に搬出されて 鉄道輸送されるか,直接トラックで需要企業に搬送さ れた.大滝鉱山割沢鉱床の鉱石は,一旦索道(第一軽 索道約80 m と第二軽索道約350 m にて大滝付近に集 荷され,さらに本索道約1,200 m で大滝沢入口の鉱山 事務所に下され,トラックで中央東線小野駅に搬出さ れた.
3.沿革
( 1 )浜横川鉱山 浜横川鉱山の沿革は,鉱業新聞社(1957),浜横川 鉱業㈱(1960),日本鉱業協会(1968),茂木(1969), Nishiwaki et al.(1970),辰野町誌編纂専門委員会 (1988)などに詳しいが,下記に総括する. 1897年(明治30年)頃 濱勝衛が優良なる二酸化マン ガン鉱を発見し試掘権を登録した(鉱業新聞社, 1957)とされるが,1908年(明治41年) 濱八郎 が二酸化マンガン鉱を発見し,その子勝衛,道彦, 義彦の 3 兄弟名義で試掘鉱区を申請したという記 録もある(2007年ミュージアム鉱研・地球の宝石 箱元館長斎藤秀康調査).また,川島村の矢ヶ崎 信太郎が日向坑付近の露頭を発見したことが緒口 との記載もある(宮本,1950). 1910年(明治43年) 濱勝衛が採掘鉱区(試掘登録215 号)を登録し,輸出向に二酸化マンガン鉱を坑夫 数名で断続的に採掘した. 1945年(昭和20年) 大岩坑(標高1,146 m)を開坑. 1917年(大正 6 年) 5 月 濱勝衛,濱道彦,濱義彦 3 兄弟名義の採掘鉱区を登録した. 1937年(昭和12年) 金属マンガン鉱の採掘開始し, 重要鉱山に指定される. 1943年(昭和18年) 重要鉱物増産法により中央電気 工業㈱が使用権を設定,濱一族には使用料が納付 された. 1946年(昭和21年) 第一坑(1,121 m)を開坑. 1948年(昭和23年) 中央坑(1,108 m)を開坑. 1949年(昭和24年)受電設備完成,50馬力コンプレッ サーを設置. 1952年(昭和27年) 中央電気工業㈱との使用権契約 を解消,中央電気工業㈱は使用権有効期限内に 34,700トンを採掘,後に係争問題に発展. 1953年(昭和28年) 8 月18日 濱家,中央電気工業㈱, 福岡商会により浜横川鉱業㈱を設立,後に中央電 図 8 浜横川鉱山 大岩坑とマ ンガン鉱を積載した鉱車 1976年 8 月18日撮影 図 9 大滝鉱山 割沢鉱床 A 鉱床より本索道 始点付近を望む 1958年 6 月 4 日撮影 図10 大滝鉱山 割沢鉱床 A 鉱床栄坑上部採 掘跡 1958年 6 月 4 日撮影気工業㈱の株式を福岡商会が取得,濱勝衛が社長, 内務官僚,衆議院議員,鹿児島県知事などを歴任 した龍野喜一郎(1902−1981)が専務,濱博臣, 濱倫久が常務となった. 1954年(昭和29年)9月 旭坑(1,078 m)開坑,100 馬力コンプレッサー設置,坑口から約107m で富 鉱体(Mn 品位42 〜 45%)に着鉱,金属マンガ ン 鉱 月 産800 〜 1,000ト ン(Mn 40%,SiO2 16%) と二酸化マンガン鉱月産約10トン(MnO2 78 〜 81%)を採掘(鉱業新聞社,1957). 1955年(昭和30年)7月 敷島坑(1,143.7 m)開坑. 1958年(昭和33年) 敷島鉱床発見. 1959年の(昭和34年) 弥生坑(1,047 m)開坑,第一 立坑開削開始. 1960年(昭和35年)敷島坑と弥生坑間に第一立坑(97 表 1 浜横川鉱山マンガン鉱生産量推移 精鉱量とは坑内で採掘した鉱石である粗鉱を,選鉱所において手選鉱や機械選鉱で廃石や品 位の低い鉱石を除去し,Mn 品位を上げた後の鉱石量を指す.全国生産量は金属マンガン精鉱 と二酸化マンガン精鉱とを合計した生産量を示す(通商産業省鉱山局鉱業課(編),1958, わ が国鉱業の概況; 通商産業省調査統計部鉱業統計課,本邦鉱業の趨勢.など).n.d. 資料なし. 1957 10,257 33.0 鉱山製錬所生産年報 288,936 3.5 1958 7,271 37.6 〃 303,624 2.4 1959 8,189 40.3 〃 348,086 2.4 1960 8,978 40.0 〃 323,984 2.8 1961 9,650 40.0 〃 304,121 3.2 1962 10,188 40.1 〃 308,590 3.3 1963 10,390 40.0 〃 276,717 3.8 1964 10,483 37.1 〃 284,690 3.7 1965 10,195 35.8 〃 302,955 3.4 1966 10,027 35.0 〃 315,724 3.2 1967 9,450 34.7 〃 338,990 2.8 1968 9,209 33.3 〃 312,296 2.9 1969 9,279 31.5 〃 300,811 3.1 1970 7,470 30.2 〃 270,431 2.8 1971 7,240 29.0 〃 285,005 2.5 1972 7,158 29.0 〃 260,747 2.7 1973 8,031 29.0 〃 188,667 4.3 1974 8,938 26.7 〃 166,578 5.4 1975 11,558 25.0 〃 157,931 7.3 1976 12,974 25.0 〃 141,742 9.2 1977 12,882 26.4 〃 126,156 10.2 1978 7,879 27.3 〃 104,147 7.6 1979 6,126 28.3 〃 87,929 7.0 1980 7,126 26.3 〃 79,579 9.0 1981 7,162 24.1 〃 86,669 8.3 1982 6,313 23.6 〃 78,045 8.1 1983 1,825 23.5 〃 75,199 2.4 1984 0 61,635 0.0 1985 0 21,140 0.0 1986 0 5,905 0.0 1987 0 0 0.0 1988 0 80 0.0 合計 347,629 34.5 10,038,524 西暦 精鉱量 (t) Mn 品位(%) 出 典 全国精鉱量(t) 割合(%) 西暦 精鉱量 (t) Mn 品位(%) 出 典 全国精鉱量(t) 割合(%) 1916 241 八木貞助 (1945) 49,310 0.5 1925 n.d. n.d. 12,040 1926 168 41 神岡鉱業 (1950) 15,209 1.1 1927 200 41 〃 27,560 0.7 1928 134 41 〃 17,693 0.8 1929 137 41 〃 18,446 0.7 1930 114 41 〃 19,588 0.6 1931 753 41 〃 12,849 5.9 1932 n.d. n.d. 26,342 1933 n.d. n.d. 43,535 1934 n.d. n.d. 67,165 1935 n.d. n.d. 71,659 1936 n.d. n.d. 67,753 1937 n.d. n.d. 89,777 1938 n.d. n.d. 120,861 1939 n.d. n.d. 155,656 1940 n.d. n.d. 142,766 1941 290 44 地質調査所 (1954) 191,622 0.2 1942 900 43 〃 269,357 0.3 1943 2,325 46 〃 344,758 0.7 1944 4,217 45 〃 356,255 1.2 1945 4,411 43 〃 154,981 2.8 1946 4,474 41 〃 32,721 13.7 1947 4,212 40 鉱山製錬所生産年報 34,473 12.2 1948 4,481 40 〃 56,358 8.0 1949 4,742 38 〃 106,039 4.5 1950 6,658 41 〃 139,004 4.8 1951 9,381 40 〃 185,013 5.1 1952 34,612 39 〃 207,376 16.7 1953 1,954 40 〃 194,397 1.0 1954 7,222 40 〃 163,434 4.4 1955 11,061 40 〃 201,713 5.5 1956 10,441 35.3 〃 285,015 3.7 m)完成,35M 坑,65M 坑を開坑,延長は立入 坑道1,403 m,𨫤押坑道2,002 m,切上り347 m, 合計3,752 m となった. 1962年(昭和37年) −30M 坑(1,017 m)を開坑. 1963年(昭和38年) 敷島坑南西向第三坑下部延長で 新鉱床に着鉱,弥生坑開削により第二選鉱所を新 設した. 1966年(昭和41年) 試掘鉱区6182号にて瀬戸沢坑の 試掘ボーリングを実施. 1967年(昭和42年) 試掘鉱区6182号を採掘鉱区384号 に転願,坑道延長約6,000 m に達した. 1976年(昭和51年) 浜鉱業㈱が稼行,加藤雅道が社長, 間下菊雄が所長,土田和夫が事務部長,成川茂が 技術部長となった. 1983年(昭和58年)6月30日 閉山.
(2)大滝鉱山 1942年(昭和17年) 松本市の水野嘉一郎が採掘鉱区 202号出願. 1950年(昭和25年)頃 中山鉱業㈱社長中山弘が採掘 鉱区252号を以って大滝鉱床を開発,大滝の落差 25 m を利用して50 kw 発電所設置. 1953年(昭和28年)8月 割沢鉱床を発見. 1954年(昭和29年) 栄坑などを開坑し割沢鉱床を開 発. 1961年(昭和36年)頃 閉山.
4.生産量
マンガン鉱石は二酸化マンガン鉱と金属マンガン鉱 に大別され,二酸化マンガン鉱は主にマンガン乾電池 の正極兼減極剤,金属マンガン鉱は炭酸マンガン鉱と 珪酸マンガン鉱を主とし,合金鉄(フェロマンガン, シリコマンガン)製造や電解二酸化マンガン製造に用 いられる. 浜横川鉱山からの金属マンガン鉱としてのマンガン 鉱石生産量は表1のとおりで,1968年(昭和43年)ま でに累計約28万トン(Nishiwaki, et al., 1970),1983 年(昭和58年)の閉山までは累計約35万トン,平均 Mn 品位34.5% であった.浜横川鉱山の金属マンガン 鉱は可溶性マンガンが高く,近年では主に電解二酸化 マンガン製造の原料とされた.二酸化マンガン鉱の生 産は記録に残っている1926年(昭和元年)から1951年 (昭和26年)に累計972トンであった(地質調査所(編), 1954). 「層状マンガン鉱床」の累計生産量では岩手県野田 玉川鉱山が約60万トン(Mn 33.5%)(鉱山の沿革:現 地説明板)と最も多く,次いで浜横川鉱山約35万トン (Mn 34.5%),栃木県加蘇鉱山19.6万トン(Mn 29 〜 36%)(栃木県立博物館,2014)となっている. 大滝鉱山からの金属マンガン鉱石生産量は表 2 のと おりで,1954年(昭和29年)から1960年(昭和35年) にかけて約2千トン,Mn 品位約37% と記録されている. 浜横川,大滝以外の上伊那,渡戸,唐木沢,雨沢な どの鉱山からは,記録のある1941年(昭和16年)から 1953年(昭和28年)にかけて金属マンガン鉱合計4.2 万トン程度,二酸化マンガン鉱89トンの生産があった (地質調査所(編),1954; 通商産業省資料).5 .研究史
( 1 )地質 浜横川鉱山を含む木曽山地北部美濃帯の地質につい て,5万分の1地質図幅「伊那」(片田・礒見,1962) と「塩尻」(片田・礒見,1964)では,古生代上部二 畳紀の地層とされ,奈良井川および横川川流域の地質 については,チャートをほとんど含まず泥質岩を主と する下位の奈良井層と,チャートを比較的多く含む上 位の横川層と桑沢層とに分けられた.また,これらの 地層には生痕化石の産出,細粒砕屑岩に多産する白雲 母片,植物破片の産出,礫岩の存在などから,海底乱 泥流によるタービダイトの堆積相を示すとした(礒見・ 片田,1959).小野(1969a)の地質図も(片田・礒見, 1964)を踏襲し,とくに横川層の構造が複雑で,横臥 褶曲が認められると述べている. 狩野(1975)は薮原層に三畳紀のコノドントが多く 発見されたことから,従来の層序と地質構造を再検討 し,従来の奈良井層に横川層の一部と桑沢層を加え中 部二畳系とし,薮原層を三畳系とした. 層状マンガン鉱床に放散虫化石が存在すること は既に鉱床学界で知られていた(吉村,1954; 渡辺, 1957; 今井,1959; 滝本ら,1966など)が,その後, 愛知県犬山付近の美濃帯では,放散虫化石を利用した 生層序学的研究によって,三畳紀からジュラ紀に渡る 標準層序が確立された(Yao,1982). 大塚ら(1984),大塚(1986a)は,奈良井層・横川層・ 桑沢層(片田・礒見,1962)の一部を年代と構造特性 を考慮して「経ヶ岳帯」として区分した.さらに,大 塚ら(1986b)は横川川流域の領家帯弱変成部の岩相 や変形構造について検討し,コノドントや放散虫の鑑 定から,ジュラ紀の泥質岩・砂質岩およびそれらの互 層に三畳紀のチャート,石灰岩および塩基性火山岩が オリストリスとして含まれていること,堆積物がまだ 未固結の時に変形構造が形成されたことを述べた.そ の後,大塚(1987),Otsuka (1988)および大塚(1989) は,美濃帯について7つの付加コンプレックスに細分 し,味噌川コンプレックスと経ヶ岳コンプレックスを 含む「コンプレックス5」を区分して,砂質岩・泥質 岩層からなるユニットと,泥質岩基質の中に二畳紀か 表 2 大滝鉱山マンガン鉱生産量推移 西暦 精鉱量(t) Mn 品位(%) 出典 1954 219 35 生産年報 1955 340 34 ” 1956 675 40 ” 1957 350 36 ” 1958 135 37 ” 1959 220 37.5 ” 1960 94 36 ” 合計 2,033 37ら三畳紀のチャート,塩基性火山岩,石灰岩などのブ ロックを含むユニットを区分した.さらにジュラ紀付 加体としてコンプレックスとユニット区分を丹波,足 尾,八溝地域と対比した(大塚,1999). 経ヶ岳コンプレックスは領家変成作用を被っている ため,南部に向けて変成度が高まり,泥質岩には黒雲 母を生じている.美濃帯構成岩類と領家帯変成岩類と は漸移関係にある.大木(1958)は北部木曽山地を 4帯に分け,横川川流域を非変成粘板岩帯,大滝沢以 南を黒雲母粘板岩帯とした.片田・礒見(1962)では 全域を黒雲母粘板岩帯に含め,これを泥質岩中に黒雲 母,白雲母,塩基性火山岩類中に緑泥石,黒雲母,白 雲母,緑簾石を晶出する S1帯と,塩基性火山岩類中 に透角閃石を晶出する S2帯に分け,横川川流域と大 滝沢流域を S2帯に含めた.片田・礒見(1964)およ び Katada(1965)は泥質岩について,淡褐色の黒雲 母が少量点散し細かい白雲母が多く認められる横川川 流域を Ia 亜帯,黒雲母が量を増してまれに菫青石の 結晶を生じる大滝沢以南を Ib 亜帯に分帯した.片田 (1967)は泥質岩中に明るい褐色黒雲母・白雲母,塩 基性火山岩類中に濁った褐色または緑褐色黒雲母・緑 泥石を生じる帯を Ia 帯,塩基性火山岩類中に透角閃 石を生じる帯を Ib 帯とし,横川川流域は Ib 帯に属す るとした.小野(1969b)は横川川流域を緑泥石 - 黒 雲母が出現するⅢ帯とした. 1970年代から始まったコノドントと放散虫の微化石 による生層序学的研究により,当該地域の美濃帯のい わゆる「秩父古生層」が三畳紀からジュラ紀にわたる 中生代の地層であること(Yao, 1982),古生代化石を 産出した石灰岩はいずれも付加体堆積物の異地性岩体 とされ,さらに層状マンガン鉱床を胚胎するチャー トも異地性岩体とされ(Nakagawa and Maruyama, 2011)その地質時代は周囲の砕屑岩類より古い石炭紀 後期からジュラ紀中期のいずれかの時代のものとされ るようになった. このことから,いわゆる「秩父古生層」はプレート テクトニクスにより形成された付加体であると考えら れるようになり,異地性岩体のそれぞれの地質年代が 決められるようになり(佐藤ら,1989),「海洋プレー ト層序」概念として確立した.磯崎ら(1991)は,地 向斜造山論で優地向斜堆積物とされてきた地質区分が, プレートテクトニクスに基づく造山論によって,過去 の付加体コンプレックスであると判明し,形成年代が 正確に決定されるようになって,新しい造山論に至っ た研究略史を辿った. 佐野ら(2000),Wallis et al.(2020)は,周囲を断 層によって境され,周辺地域と構成岩石や形成史が異 なっている帯をテレーンとして区分し,横川川流域を 含む地域は美濃 - 丹波 - 足尾テレーンと称した. その後,付加体堆積物に含まれる砕屑性ジルコン の U-Pb 局所年代分析によって,付加体の形成時代や 場所までが推定され,原日本列島の姿が復元できるよ うになった(中間ら,2010; Isozaki et al., 2010; 早坂, 2016).磯崎ら(2010)は,海洋プレート層序の復元 のために果たしたコノドントや放散虫の微化石層序の 研究や砕屑性ジルコン年代学による,日本の地質学上 の変革について研究史を総括した.Dril et al.(2010) は美濃−丹波−秩父帯は北中国クラトン(Sino-Korean craton)縁に沿って形成された沈み込み帯において, 海洋底で堆積したチャートに伴うマンガン鉱床が付加 体として形成・定置されたものとした. 小出(2019)は,沈み込み帯における付加体の研究 の変遷を総括し,現世では沈み込み帯において,大陸 地殻や付加体が破壊されマントルに運搬される構造侵 食作用の量が付加体の形成量よりも大きいことについ て言及した. ( 2 )鉱床 浜横川鉱山の鉱床および鉱物の研究は,古くは八木 (1923)の露頭付近の脈状や層状の軟マンガン鉱の記 載に始まり,八木(1945,1946)の操業の記載,北原 (1948)の鉱床記載,北原(1949)のペンウィス石(ネ オトス石),北原(1950)の黄鉄鉱と鉄マンガン鉱に ついての記載が続いた. 中央坑開坑後には宮本(1950)と吉村(1952)の鉱 床記載があり,付近の地質は古生代の粘板岩,硬砂岩, チャート,珪岩,輝緑凝灰岩などから構成され,鉱床 は粘板岩,チャート,珪岩の層理面に沿って生成され た熱水性の交代鉱床であるとした.吉村(1952)およ び吉村・宮本(1954)ではマンガン鉱床を成因と鉱質 から分類し,浜横川鉱山については岩漿からの分化が 相当に進んだ鉱床で,灰色炭マン(細粒の菱マンガン 鉱を主体とする鉱石の現場名),緑マンガン鉱,“チョ コレート鉱”(微粒の菱マンガン鉱,ハウスマン鉱, ヤコブス鉱などからなる鉱石の現場名)を混入する鉱 石が特徴で,栃木県真名子鉱山を標式とする「真名子 型」に分類した.今井(1959)および Imai(1978)も, 併入した輝緑岩を交代して胚胎する静岡県大岳鉄マン ガン鉱床の例を上げて,後生説の立場を支持した. これらの記載では秩父古生層に胚胎する層状マンガ ン鉱床は「母岩のチャートなどが深部から上昇してき
塩基性火山岩類(玄武岩が変成した緑色岩)を伴わな い層状マンガン鉱床をタイプ A,伴う層状マンガン 鉱床をタイプ B に大分類し,浜横川鉱床をタイプ A とした.由井(1977)は「わが国のチャートに伴うマ ンガン鉱床は,海底の塩基性火山活動に関連した熱水 作用によって供給されたマンガンが,海底の環境に応 じて各種の鉱物として沈殿したものと思われる.初生 の二酸化マンガン鉱を含まず,かつ鉱床に近い層準に 黒色泥岩の存在することから,その環境は海盆のよう にやや還元的でかつ炭酸イオンを含んでいたと思われ る.」と述べている. 日野ら(1978)はブラウン鉱の水熱合成実験を行 い,層状マンガン鉱床において初生鉱物はハウスマン 鉱か,あるいはブラウン鉱と緑マンガン鉱の間の酸化 物であったと考えた.日野ら(1980),箕浦ら(1983), Matsumoto(1987)はマンガン鉱床をなす鉱石の初 生マンガン鉱物を従来考えられていた菱マンガン鉱で はなく,初生物質として海底に沈殿したマンガン水和 物が続成作用の結果,炭酸塩化作用の過程で菱マンガ ン鉱が生成したものとした.またマンガンを含む鉱液 がタイプ A では堆積岩中を上昇する間にマンガンと 鉄の分別が進み海底ではマンガン水酸化物が沈殿する のに対し,タイプ B では鉱液が直接塩基性火山岩類 から湧出するので分別が進まないため,鉄マンガン酸 たマンガンを含む熱水溶液で交代されたもの」とする 後生説に基づいて説明されていた. 一方,渡辺(1957)および Watanabe et al.(1970) では,日本の層状マンガン鉱床は「海底に温泉作用 で局所的に供給された物質が化学的に沈澱して生じ たもの」とする同生説に基づいて説明された.浜横 川鉱山の現場では,岩手県野田玉川鉱山において佐 藤ら(1957),広渡(1967),古村(1967),Watanabe et al.(1970)による「チャートの褶曲軸部と富鉱部 の落としが一致する」との指摘に基づく坑内調査によ り,浜横川鉱床も層状鉱床が褶曲したものという解釈 に至っており,日本鉱業協会(1968)では,「古生代 の海底において,同生的に生成された層状炭酸マンガ ンが,褶曲により富鉱部を形成したもの」と簡単な記 載がなされた.茂木(1969),Nishiwaki et al.(1970) ではやや詳しい鉱床と鉱石の記載がなされた.これら の記載ではいずれも同生説をとり,鉱床を含む地層は 逆転しており,鉱床が未固結の状態にあるとき,海底 地滑りの乱流により鉱床の東部の一部が削り取られた が,このときの乱流の横圧力により複雑に褶曲する富 鉱部が形成されたとした. 広渡(1968)は層状マンガン鉱床の上・下盤の母岩 の種類を述べ,とくにチャートが密接に伴うとした. Watanabe et al.(1970),Nakamura(1990) は, 図 11a 横川川流域地質図(左半分)
化物を沈殿するとした. チャートに菱マンガン鉱団塊が含まれ,その団塊に 含まれる球粿には中期ジュラ紀の放散虫化石を含む こと(Takemura et al.,1982)が発見された.菱マ ンガン鉱は炭素同位体から,海洋堆積物中の浅所で 先ず二酸化マンガン水和物として沈殿した粒子が続 成作用によって炭酸マンガンへ変化したもので,12 〜 23℃の環境で生成されたとした(箕浦ら,1983; Matsumoto, 1987). その後,1983年の浜横川鉱山をはじめとする代表的 な日本の層状マンガン鉱床が次々に閉山したことによ り,研究と調査はほとんどなされなくなってしまった. 広渡(1980)は,それまでの調査研究と知見の総括を おこなった.桃井(1991)は,日本の層状マンガン鉱 床の成因を同生的としたうえで,その後の生層序学的 研究による異地性岩体の存在と,沈み込みプレートに 伴って運搬された深海堆積物が海溝付近で剥ぎ取られ て底付けする付加体の知見を加えて総括した. 1960年代半ばから始まり1970年代に本格化して現在 も続く海底資源調査によって現世の深海底におけるマ ンガン団塊やマンガンクラスト,レアアース泥(野崎 ら,2016)の調査研究が進み,陸上の層状マンガン鉱 床と関連付けた成因論が展開されるようになった. Komuro et al.(2005)と Komuro and Wakita (2005)
は,付加体に分布する層状マンガン鉱床には Ni,Co, W,Tl,As といった元素が濃集し,これらが現世の 深海底のマンガン鉱床にも含まれることから,遠洋・ 深海域の無酸素海洋において,表層域から高密度で酸 素に富み珪素に乏しい水塊が深層域に沈降し,深層域 に溶存していたマンガンが酸化・沈殿し,そのマンガ ン水和物が還元・溶解して,炭酸水素イオンと反応し て炭酸マンガンを沈殿させたとする「富酸素水沈降型」 の成因を提唱した.高密度の水塊としては,低温水ま たは乾燥地域に生じる塩熱水が考えられている. 伊藤ら(2015)はマンガン鉱床の生成環境を総括し, 海洋の表層域から深層域まで溶存酸素に満ちた「富酸 素海洋型」と表層域のみが大気と接触して溶存酸素を 含むが深層域には酸素を含まない還元的な「無酸素海 洋型」とに大別した.「富酸素海洋型」ではマンガン の供給源に関して,さらに現在の深海底のマンガン団 塊やマンガンクラストに相当する「非熱水性マンガン 鉱床」と,海底から噴出する鉄とマンガンを溶かし込 んだ熱水が溶存酸素に富む海水と混合して酸化・沈殿 する「熱水性マンガン鉱床」とに区分した.さらに「無 酸素海洋型」では鉱床の生成する環境によって,「成 層海盆縁辺型マンガン鉱床」と「富酸素水沈降型マン ガン鉱床」とに区分した.「成層海盆縁辺型マンガン 鉱床」は白亜紀に数回生じた世界的な海洋無酸素事変 図 11b 横川川流域地質図(右半分)
で堆積した酸化マンガン鉱の大鉱床であり,「富酸素 水沈降型マンガン鉱床」は付加体に伴うやや小規模な 炭酸マンガン鉱床である. 野崎ら(2018)は日本列島付加体に胚胎する古海洋 底で生成した別子型硫化物鉱床,層状鉄マンガン鉱床, 層状マンガン鉱床について成因論の進展や最新の研究 事例を総括し,緑色岩を伴わない層状マンガン鉱床は マンガンを多く含む深層水の酸化・還元環境の急激な 変化に伴って生成したと考えられるとした.ただし, マンガンの起源が海水中に含まれていたものか,海底 に湧出した熱水に伴ったものかは明瞭ではないとして いる.
6 .地形
( 1 )水系 地域の主要河川である横川川は北方隣接地域の飯沼 川,南方隣接地域の小横川川とともにほぼ地層の層 理面に沿って,NE 〜 EW 方向に流下する適従河川で, 東方で小野川に合流して南流し,辰野付近で天竜川に 合流する.大小の支流が地層の走向をほぼ直角に切っ て横川川に合流するが,概観するとほぼ格子状を呈す. 河川がチャート層を切って流下する場合には流路を急 変させ滝を形成することが多く,黒沢では三級の滝(竃 戸滝:落差50 m),大滝沢では大滝(落差25 m)が形 成されている. ( 2 )山系 地域の標高は900 〜 1,700 m で山容は壮年期から 老年期を呈し急峻で,最高峰は大滝沢上流の経ヶ岳 2,296.3 m であり,その付近の高峰としては横川上流 唐沢源流域の坊主岳1,960.6 m,大滝山1,737.6 m,黒 沢上流の黒沢山2,126.8 m がある.浜横川鉱山付近の 最高峰は出押沢の背後の標高1,519 m の円錐状の山で ある.チャート厚層が分布し,地層傾斜が順層である 横川川南東の谷壁では選択浸食による急崖(鳶ノ巣岩) が認められる.調査地域北西には N55°E 断層で形成 されたケルン・コルとケルン・バット地形が明瞭に認 図12 逆転した級化層理を示す泥質岩砂 質岩互層スケッチ 浦之沢蛇石付近河床.1976年 7 月22日 図13 閉じた小褶曲をなす泥質岩砂質岩 互層スケッチ 伊良沢川河床. 1976年 8 月24日 図14 閉じた小褶曲をなす泥質岩砂質岩 互層スケッチ 蛇石付近河床. 1976年 7 月22日 図15 すべり面を示す小褶曲をな す泥質岩砂質岩互層スケッチ 浜横川鉱山山元事務所付近. 1976年 7 月31日 図16 砂質岩褶曲スケッチ 大洞林道入口. 1976年 9 月 3 日 図17 砂質岩褶曲スケッチ 瀬戸沢. 1976年 8 月 4 日められる.
7 .周辺地質
横川川流域の地質は,片田・礒見(1962,1964)の 奈良井層と横川層に含まれ,大塚(1989)のコンプレッ クス5のうちの経ヶ岳コンプレックスに相当する.ジュ ラ紀新世後期の未固結時変形の著しい泥質岩・砂質岩 層からなるユニットと,泥質岩基質に二畳紀から三畳 紀のチャート・石灰岩・塩基性火山岩類のブロックを 含むユニットから構成される. 浜横川鉱山の周辺に露出する岩石は経ヶ岳コンプ レックスを構成する泥質岩,砂質岩,泥質・砂質岩互 層,礫岩,縞状チャート,塊状チャート,塩基性火山 岩類(凝灰岩・溶岩),石灰岩からなる.大滝鉱山付 近では泥質岩とチャートと塩基性火山岩類が多く分布 する(図11a,11b). このうち,浜横川鉱山の層状マンガン鉱床を胚胎す る岩石はチャートと塩基性火山岩類で,チャートは直 接マンガン鉱床と接している.チャートと塩基性火山 岩類の組み合わせが認められる箇所では層状マンガン 鉱床の存在が認められることが多いが,チャートや塩 基性火山岩類の層厚とマンガン鉱床の規模や品位は無 関係である.例えば,大滝鉱山付近ではチャートと塩 基性火山岩類の厚層(40 m)が露出するが,層状マ ンガン鉱床の規模は浜横川鉱山よりかなり小規模であ る(表 1 ,2). 泥質岩は細粒のいわゆるシルト岩で,暗灰色ないし 灰黒色を呈し,鏡下では細粒の不規則ないし米粒状の 石英,少量の黒雲母,微量の白雲母,自形の方解石か らなるのが観察される.比率的には砂質岩よりも泥質 岩の割合が多い. 砂質岩は灰色ないし淡灰色,細粒ないし中粒で,鏡 下では中程度の淘汰と円磨度で波動消光をなす石英粒 子,少量の微斜長石,微量の褐簾石,白雲母からなり, これらが基質を埋め,しばしば方解石の細脈に貫かれ ているのが観察される.泥質岩と砂質岩は細互層をな し,級化層理によって地層の上下判定が可能である (図12).泥質岩砂質岩互層にはしばしば小褶曲が発達 し,波長は数10 cm から 1 m 程度の非対称褶曲をなし, 泥質岩と砂質岩との境界に滑り面が認められない場合 (図13,14)と認められる場合(図15)とがあり,軸 面は地層走向に近い.砂質岩優勢互層ではより開いた 褶曲をなし,波長は1 m 以上である(図16,17).大 塚ら(1986)は泥質岩砂質岩互層の小褶曲が比較的閉 じていること,軸部で層厚が厚くなるにもかかわらず 砕屑粒子の塑性変形が認められないことから,変形は 未固結状態で形成されたものと解釈した. チャートは縞状チャート(千枚珪岩,板状珪岩)と 塊状チャート(塊状珪岩)からなる.縞状チャートは 灰色ないし灰緑色を呈し数 cm 単位の成層をなし,小 規模な褶曲をなすことがあるが,層状マンガン鉱床の 下盤側に産する場合には,しばしば菱マンガン鉱と細 互層をなして菱マンガン鉱−石英質の低品位鉱をなす. 塊状チャートは灰緑色ないし暗灰色塊状で,赤鉄鉱を 伴い赤褐色を呈する部分がある.部分的に純白色ない し黄白色の分泌性の結晶質塊状石英を伴い,層状マン ガン鉱床と塩基性火山岩類の間に分布する. 塩基性火山岩類はチャートに伴い,浜横川鉱山では 層状マンガン鉱床の上盤の塊状チャートのさらに上 盤あるいは直接上盤に厚さ0.3 〜 40 m の輝緑岩また は輝緑凝灰岩層として認められる(図19).大滝鉱山 付近における塩基性火山岩類は,大滝鉱床では厚さ40 m 以上の下盤をなし,割沢鉱床群でも A,B,C 鉱床 ともに厚さ70 m 以上の塩基性火山岩類を下盤とした 図18 浜横川鉱山坑道重ね図 鉱山原図から作成.が,上部鉱床では上盤に認められた.大滝鉱山付近の 林道に露出する塩基性火山岩類は斑状組織から輝緑岩 溶岩と考えられ,鏡下では一部双晶をなす自形の斜長 石,淡緑灰色の緑泥石,米粒状のカンラン石,方解石, 赤鉄鉱と推定される黒色不透明鉱物からなる.しばし ば赤鉄鉱を多量に含み「赤盤」(吉村,1952)に相当 する. 石灰岩は灰白色塊状で,黒沢のチャートに伴うほ か,岩尾沢にブロック状の岩体,浜横川鉱山第三坑付 近に薄層が分布する.大塚ら(1986)は黒沢に露出す る 石 灰 岩 か らGondolella polygnathiformis, Epigondolella permicaなど三畳紀中〜後期のコノドント,珪質泥岩 からTricolocapsa sp., Mirifusus sp. などジュラ紀後期の 群集と関連ある放散虫を報告し,地域のチャート,石 灰岩,塩基性火山岩類は中部〜上部三畳系の異地性岩 体であり,上部ジュラ系と考えられる泥質岩や砂質岩 のような砕屑岩類に包有されているとした. 以上を被覆して,横川川の下流域では約7万年前の 黄褐色の御岳辰野テフラ(寺平,2013)と礫,砂,粘 土が高さ10 〜 30 m の中位段丘面を形成する.横川川 流域には礫,砂,泥,粘土の河床堆積物からなる氾濫 図19 浜横川鉱山 旧日向坑・旧日向探坑・160M 坑・日向坑 坑内地質図 鉱山原図から作成. 図20 浜横川鉱山 大岩坑坑内地質図 鉱山原図から作成. 図21 浜横川鉱山 第一坑坑内地質図 鉱山原図から作成.
図22 浜横川鉱山 中央坑坑内地質図 鉱山原図から作成. 図23 浜横川鉱山 旭坑坑内地質図 鉱山原図から作成. 図 24 浜横川鉱山 敷島坑坑内地質図 鉱山原図から作成. 図 25 浜横川鉱山 弥生坑坑内地質図 鉱山原図から作成.
8 .鉱床
( 1 )浜横川鉱山 浜横川鉱山のマンガン鉱床は,海底においてチャー トとともに沈殿したマンガン水和物が炭酸塩化によっ て炭酸マンガン(菱マンガン鉱)に変化した(日野ら, 1980; 箕浦ら,1983; Matsumoto,1987)のちに,周 辺の泥質岩や砂質岩の変形と同様に未固結状態の状態 において,褶曲によって肥大した部分が鉱床として稼 行されたもの(茂木,1969; Nishiwaki et al.,1970) と推定されている. 東から西へ向けて日向,大岩第一,大岩第,二,旭, 敷島,西一番の鉱床がほぼ N40°〜 60°E,傾斜60°S で同一線上に連続している(図 2 ,18).鉱山原図を もとにして作成した各坑準の坑内地質図を図19 〜 25, 鉱床断面図を図26,鉱床採掘跡を示す載面図を図27, 鉱床のブロックダイアグラムを図28に示す.鉱床は膨 縮しながらよく連続する.未固結状態の炭酸マンガン が同じく未固結状態軟泥状のチャートと共に著しい塑 性変形をうけ,その後の脱水においても容積変化を伴 い,変形が継続したものと推定される. 鉱床付近の地質層序は一般的に下位から,黒色泥質 岩(粘板岩),層状チャート,層状マンガン鉱床,塊 状チャート,塩基性火山岩類,黒色泥質岩(粘板岩) が塁重する.緑色岩を伴わない層状マンガン鉱床に分 面と崖錐堆積物,横川川に流入する支流の末端は小規 模な扇状地性堆積物が認められる. 図26 浜横川鉱山鉱床断面図 断面線位置については図2,18,20〜25,27参照. 図27 浜横川鉱山載面図 陰影部は鉱床採掘跡.図28 浜横川鉱山鉱床ブロックダイアグラム 図29 日向坑露天掘跡スケッチ チャート中に鉱染する二酸化マンガン鉱. 1976年 8 月15日 図30 大岩坑露天掘跡スケッチ チャート中に胚胎する低品位塊状菱マンガン鉱. 1976年10月 2 日
図31 裂罅を充填する二酸化マンガン鉱スケッチ 浜横川鉱山日向坑 +20m 中段. 1976年10月 5 日 図34 旭坑 5 区竜頭スケッチ 1976年10月 9 日 図32 日向坑− 3 区引立スケッチ 1976年10月 8 日 図35 旭坑13区富鉱部採掘跡スケッチ 1976年10月 9 日 図33 第一坑 3 区側壁スケッチ 1976年10月 4 日 図36 チャートの東部尖滅部付近 地質図 浜横川鉱山旭坑東部 3 区〜− 3 区.鉱山原図を簡略化.
類される鉱床では,これとは逆で,一般に下位から上 位にかけて,層状チャート,黒色頁岩,塊状チャー ト,層状マンガン鉱床,層状チャートという層序が 知られている(Komuro and Wakita,2005; 野崎ら, 2018)が,浜横川鉱山では逆で層状マンガン鉱床の下 盤側に層状チャート,上盤側に塊状チャートが存在す る.このことは,周囲の砂泥質岩中の級化層理が逆転 していることも考慮すると,鉱床層準も逆転している ものと考えられている(茂木,1969; Nishiwaki et al., 1970; 大塚ら,1986).チャートについて,Watanabe et al.(1970)は,塊状チャートは層状チャートに比 べて Al2O3が低く Fe2O3/FeO 比が大きいことを示し, より酸化環境で沈殿したと述べている.由井(1977)は, 層状チャートは生物起源のものが多く,塊状チャート は岩生(1976)が述べる赤白珪石と同様に火山−熱水 性起源であるとした. かつて二酸化マンガン鉱を採掘していたのは日向坑 露頭部(図29)と大岩坑露頭部付近(図30)で,鉱山 資料や記載では露天掘と一部で坑内掘を行っていたと みられる.大正 6 年(1916年)12月当時の農商務省平 林武技師の日向坑の調査によれば,採掘対象の鉱床は 脈幅0.9 〜 1.8 m の 2 条の裂罅充填鉱脈で,極めて高 品位な二酸化マンガン鉱を胚胎していたとされる.鉱 石は大部分が軟マンガン鉱から構成され,その中には 時々まだ酸化していない桃色の菱マンガン鉱が残存 していた(図31).二酸化マンガン鉱のうち 8 割は一 等鉱に属し,MnO2品位80% 以上あったという(八木, 1923).深部では二酸化マンガン鉱から菱マンガン鉱 を主とする鉱床に移行,鉱床平均幅 2 m,高さ45 m, 深さ20 m に達し,少なくとも2,500トンの鉱石が賦存 するとされた.鉱石品位は平均 Mn 40%,SiO2 20%(昭 和19年50トン産出当時)最高 Mn 53%,SiO2 20%,最 低 Mn 30%,SiO2 25% であったという(八木,1946). 日向鉱床は浜横川鉱山のマンガン鉱床の発見の緒口 となった鉱床(宮本,1956,1957)で,2 鉱体の鉱況 が優勢とされ,主に旧日向坑と日向坑(図19)で開 発された.西寄りの鉱体は走向 N70°E,傾斜70°S を 示す上盤のチャートと下盤の泥質岩に挟まれ,走向 延長20 m,平均厚0.7 m,傾斜延長約20 m,その東端 は N20°E に曲がり走向延長約20 m,最大厚 6 m,傾 斜延長70 m の規模に膨大し,Mn 35% 程度であった. 日向坑−3区の引立スケッチを図32に示す. 旧大岩坑は宮本(1950)の大岩坑のことで,厚さ約 3 m の層状マンガン鉱が認められるが,見かけ上の下 位から礫状のハウスマン鉱,菱マンガン鉱を伴う鉱石 約3 m,二酸化マンガン鉱を鉱染するチャート0.3 m, 赤鉄鉱を含む塊状チャート約1 m,菱マンガン鉱礫を 含む灰黒色塊状チャートが累重する. 大岩坑(図 8,20)は宮本(1950)の大岩第二坑の ことである.ここで認められる大岩第一鉱床は,鉱 山資料によれば一般走向 NS,傾斜45°E,走向延長18 m,傾斜延長40 m,最大幅11 m,平均幅9 m の鉱床で, Mn 38% 程度であった.吉村(1952)によれば,その 露頭は東西 10 m,上下15 m,奥行判明したもの 7 m, 内輪に見ても2,000トンは確実に見積もられたという. 大岩第二鉱床は一般走向 N60°E,傾斜60°S,走向延 長55 m,傾斜延長120 m,最大幅15 m,平均幅 8 m の鉱床で,Mn 40% 程度であった. 第一坑(図21)では,3 区において見掛け上の下位 から中品位縞状鉱,細粒菱マンガン鉱0.6 m,低品位 縞状鉱1.6 m,結晶質石英を伴う塊状チャートが累重 するのが観察された(図33). 旭坑(図23)の旭鉱床は,鉱山資料によれば一般走 向 N50°E,傾斜60°S,走向延長40 m,傾斜延長90 m, 最大幅8 m,平均幅6 m の鉱床で,Mn 38% 程度であっ た.5区の竜頭(図34)では,走向 N40 〜 50°E,傾 斜35 〜 50°S の厚さ2.8 m 以上の層状マンガン鉱床が 観察され,見掛け上の下位から,低品位菱マンガン鉱 −石英縞状鉱0.5 m 以上,中品位菱マンガン鉱−満礬 ザクロ石−パイロクスマンガン石−石英−黒雲母縞状 鉱0.6 m,高品位ハウスマン鉱−アレガニー石−菱マ ンガン鉱質鉱1.4 m,バラ輝石を伴う中品位の菱マン ガン鉱−テフロ石鉱0.25 m,層状の磁鉄鉱0.3 m,暗 灰色塊状チャートの順に累重する.旭坑13区付近の褶 曲によって形成されたと推定される富鉱部の採掘跡ス ケッチと坑内地質図と中段の断面図を図35に示す. 敷島坑(図24)の敷島鉱床は13区においてΩ褶曲構 造の富鉱部を形成(日本鉱業協会,1968; 茂木,1969) し,鉱山資料によれば走向延長99 m,傾斜延長80 m, 最大幅17 m,平均幅10 m の鉱床で,Mn 40% 程度で あった. 弥生坑(図25)は,浜横川鉱山の通洞として,また 下部の基幹探鉱坑道として掘削された.しかし,坑道 によって捕捉できた鉱床はそれより上部の坑道にくら べて小規模にとどまった. 西一番鉱床(図27)は65M 坑で捕捉された鉱床で, Z 字褶曲をなし,一般走向 NS,傾斜70°E,走向延長 20 m,傾斜延長60 m,最大幅6 m,平均幅3 m の鉱床で, Mn 38% 程度であった. 西部の第三坑(中押沢鉱床:図 2 )について,宮
本(1950)は一般走向 N40°E,上部で傾斜30°S,下 部で傾斜70°S を示し,走向延長約20 m,傾斜延長10 m 以上,最大幅6 m,平均幅 1 m で,西端は N10°W に急曲し,Mn 35% 程度であったと記載している.後 述するように,下部80 m を敷島坑西部探鉱坑道によっ て𨫤押し探鉱されたが,見るべき鉱床を捕捉すること はできなかった. 瀬戸沢旧坑では,下盤から上盤に向かって,泥質 岩,層状チャート 4 m,層状マンガン鉱床1.3 m,塊 状チャート 3 m,砂質岩2 m,泥質岩が,走向 N70°E, 傾斜60°S で累重しているのが観察された. 瀬戸沢の横川川合流点から約200m 西方の横川坊主 林道下にある下部旧坑(瀬戸鉱床(宮本,1950))では, チャート中に走向 N30°E,40 〜 60°N,幅 1 m 程度 のバラ輝石を主とする層状マンガン鉱床が胚胎する. 鉱床群の北東端にチャートが消滅する線(N70°E, 50°S;図27)があり,かつて大規模な断層と推定さ れた(日本鉱業協会探査部会,1968)が, 周辺の地 質調査によって海底地滑りの乱流により層状マンガン 鉱床とともにチャートが削剥され洗い流されて欠如 したものと推定された(茂木,1969; Nishiwaki et al., 1970).チャートが消滅される付近の探鉱は旭坑準−1, −2区で探鉱され,チャートと輝緑凝灰岩が断層では なく泥質岩とは不調和な丸い端面で不連続となること が判明した(図36). 鉱山では,岩手県野田玉川鉱山の探査事例や,それ までの坑内調査の結果,1967年当時に鉱床が褶曲を受 けた層状鉱床であると仮定し,富鉱部は褶曲軸部のプ ランジ方向に連続するとの指針をもって,下部探鉱や 採掘漏れの箇所の探鉱が精力的に行われた.その結果, 多くの追加鉱量が発見された.しかし,未固結時の不 規則な変形であったためか,褶曲部には一定のプラン ジを見出すことはできなかった. 敷島坑では西部の30区の第三坑の下部に新鉱体の存 在を期待して,縞状チャート中を34区に達するまで𨫤 押し坑道が掘進された(図 2 )が,西部では単調な単 斜構造が続いた.一部に低品位の菱マンガン鉱 - 石英 質鉱(Mn 6 〜 14%, SiO2 60 〜 85%)を捕捉したので, 140M 坑(図 2 )を切り上がったが,採掘に値する鉱 体は捕捉できなかった.下部については,弥生坑から 下向きにボーリングを実施したところ,一部に高品位 鉱(例えば着鉱長1.41 m,Mn 40.49%)を捕捉したので, 1970年頃に斜坑を下ろし,−30m 坑で探鉱した.し かし,こちらも採掘に値する規模の鉱体を捕捉できな かったため,それ以降の下部の探鉱を中止した. ( 2 )大滝鉱山 大滝鉱山の鉱床には,前述したように,大滝鉱床と 割沢鉱床群とがある. 大滝鉱床は一般走向 N50°E,傾斜50°S で輝緑凝灰 岩を下盤,珪質粘板岩を上盤とする.二酸化マンガ ン鉱からなる露頭は大滝の南岸から連続し,幅10 m, 走向延長60 m に達するが,二酸化マンガン鉱の拡が りは表面のみで,内部は角石質石英にバラ輝石,満礬 ザクロ石,菱マンガン鉱が鉱染しているに過ぎず(吉 村,1969),無作為に採取した露頭試料の平均品位は Mn 14.09%,可溶性 Mn 2.16%,SiO2 62.42% であった(表 5).坑道探鉱が実施されたが(図37)品位 Mn 20%, SiO2 40% 程度の低品位鉱床に着鉱したのみで探鉱は 休止されたという(吉村豊文教授記念事業会,1969). 割沢鉱床群は A,B,C 鉱床と上部鉱床とからなり, 図37 大滝鉱山 大滝坑 坑内地質図 鉱山原図を簡略化. 図38 大滝鉱山 栄坑 坑内地質図 鉱山原図を簡略化.
A 鉱床が最大で,一般走向 N70°W,ほぼ垂直に急斜し, 輝緑凝灰岩を下盤,粘板岩を上盤とし,走向延長30 m,傾斜延長45 m,平均幅0.6 m,最大幅4 m,Mn 35 〜 40% で,栄坑において採掘された(図38).B 鉱床 は走向 N40°W,傾斜50°S,同じく輝緑凝灰岩を下盤, 粘板岩を上盤とし,走向延長15 m,傾斜延長10 m 幅 0.4 〜 0.7 m で,Mn 35 〜 37%,露頭から 1 〜 2 m 程 度掘進して鉱況が劣化し中止した.C 鉱床は一般走向 N80°W,傾斜50°S,同じく輝緑凝灰岩を下盤,粘板 岩を上盤とし,走向延長7 m,傾斜延長6 m,最大幅1.5 m のレンズ状鉱床で,Mn 35% 程度で若干採掘された. 上部鉱床は輝緑凝灰岩を上盤,粘板岩を下盤とし,走 向延長6 m,平均幅0.7 m,Mn 30 〜 35% で,露頭を 剥土して採掘済である.
9 .産出鉱物
浜横川鉱山からの産出鉱物については,現在までに 八木(1923),宮本(1950),吉村(1967),Watanabe et al.(1970),櫻井欽一博士還暦記念事業会(1973), 田中(1980),信州地学教育研究会(1980),川平(2002), 松原ら(2006),市川(2010))などに述べられてい る.産地別鉱物記載 Web ミンダト(Mindat,org: Hudson Institute of Mineralogy)に産出が記載され ている浜横川鉱山産の鉱石鉱物および脈石鉱物は表3 のとおりの28種類である.大滝鉱山産の鉱石鉱物につ いては吉村豊文教授記念事業会(1969)に,大滝鉱床 でバラ輝石,満礬ザクロ石,菱マンガン鉱の記載がある. パイロクロアイトについては,加藤・由井(1960) が旭坑の南西𨫤押し開始点より約200 m 地点にて,菱 マンガン鉱・ハウスマン鉱・緑マンガン鉱とこれを切 るアレガニー石脈をさらに切る幅0.5 mm 内外の細脈 として産出するものを,キミマン鉱(パイロクロアイ トの現場名)として記載した.塊状パイロクロアイト は変成度の比較的高い地域で菱マンガン鉱の熱分解に 基づく緑マンガン鉱から変化したものとして産するが, 浜横川鉱山のように変成度の低い地域では,塊状パイ ロクロアイトを欠き,鉱床生成後の脈鉱物として産す るとした.また,パイロクロアイトの酸化鉱物として, 木下ら(1963)においても浜横川鉱山産水黒マンガン 鉱 Hydrohausmannite が記載されているが,これは後 にファイトクネヒト鉱に訂正された(広渡ら,1978). 吉村豊文教授記念事業会(1969)では,黒色細粒の 鉱石としてハウスマン鉱とブラウン鉱の産出を述べ, 櫻井欽一博士還暦記念事業会(1973)では,辰砂,ハ ウスマン鉱,轟石,石英脈に産する鋭錐石,アレガニー 石,細脈として産する氷長石を記載した. 鈴木石は群馬県茂倉沢鉱山から発見された日本新産 鉱物(Matsubara et al.,1982)で,浜横川鉱山でも 吉江ら(1978)が Ba-V-silicate 鉱物として重土長石 Celsian (BaAl2Si2O8)とともに記載していた.大岩坑 の菱マンガン鉱に伴って微細な黄緑色染み状で認めら れた. ハウスマン鉱−磐城鉱−ヤコブス鉱−磁鉄鉱の系列 鉱物については,吉江ら(1979)が記載した.北原(1950) の記載した含鉄マンガン鉱はこれに相当するものと考 えられる. アレガニー石と園石は,Watanabe et al.(1970), 広渡ら(1980)によって記載された.とくに浜横川鉱 山に紫赤色アレガニー石質鉱石を産することは吉村豊 文教授記念事業会(1969)に記載され,粉末 X 線回 折によれば,ホジキンソン石 Hodgkinsonite (MnZn2 分 類 和名 英名 化学組成 鉱 石 鉱物 閃マンガン鉱 (硫マンガ ン鉱) Alabandite α-MnS 菱マンガン鉱 Rhdochrosite MnCO3 緑マンガン鉱 Manganosite MnO パイロクロアイト Pyrochroite Mn(OH)2 ハウスマン鉱 Hausmannite Mn3O4 ファイトクネヒト鉱 Feitknechtite β-MnO(OH) ヤコブス鉱(磁マンガン鉱)Jacobsite MnFe2O4 軟マンガン鉱(パイロ リュース鉱) Pyrolusite β-MnO2サイロメレーン Psilomelane BaMn9O16(OH)4
轟石 Todorokite (Mn,Ca,Mg)Mn3O・7
H2O
パイロファン石 Pyrophanite MnTiO3
赤鉄鉱 Hematite Fe2O3
磁鉄鉱 Magnetite Fe3O4
バラ輝石(ロードン石) Rhodonite (Mn,Ca)Mn4[Si5O15]
パイロクスマンガン鉱 Pyroxmangite Mn7[Si7O21]
テフロ石(マンガンカン
ラン石) Tephroite Mn2[SiO4]
アレガニー石 Alleghanyite Mn5[(OH,F)|SiO4]2
リッブ石 Ribbeite Mn5[(OH,F)|SiO4]2
ブラウン鉱 Braunite Mn(SiO7 4)O8
ネオトス石 Neotocite Mn6Si6O18 · 6H2O
園石 Sonolite Mn4[(OH,F)|(SiO4)2]2
満礬ザクロ石 Spessartine Mn3Al(SiO2 4)3 脈 石 鉱物 石英 Quartz SiO2 方解石 Calcite CaCO3 鈴木石 Suzukiite BaVSi2O7 曹長石 Albite Na(AlSi3O8) 鋭錐石 Anatase TiO2 重晶石 Baryte BaSO4 表 3 浜横川鉱山産鉱物種一覧 mindat 資料
大岩坑 S1 Chip 23.65 23.12 40.28 大岩坑6区 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 S2 Chip 19.02 15.71 56.80 大岩坑7区 薔薇輝石を伴う塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 S3 Chip 36.65 36.21 21.43 大岩坑7区 薔薇輝石を伴う塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 S4 Chip 19.28 18.75 34.48 大岩坑8区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 S5 Chip 19.11 18.33 40.26 大岩坑8区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 S6 Chip 6.98 6.11 59.19 大岩坑10区 二酸化マンガン鉱鉱染塊状チャート S7 Chip 6.11 5.67 67.61 大岩坑10区 塊状チャート下盤縞状鉱 低品位鉱 S8 Chip 16.84 12.22 51.11 大岩坑12区 縞状鉱 低品位鉱 S9 Chip 4.36 2.49 85.66 大岩坑12区 縞状チャート 二酸化マンガン鉱鉱染 第一坑 83 3.3 10.27 9.01 72.18 第一坑14区 塊状チャート下盤縞状鉱 低品位鉱 84 1.5 15.60 14.74 53.44 第一坑14区 塊状チャート下盤縞状鉱 低品位鉱 85 1.5 3.48 tr. 87.62 第一坑14区 二酸化マンガン鉱鉱染縞状チャート 86 1.9 3.54 tr. 88.04 第一坑14区 二酸化マンガン鉱鉱染縞状チャート 87 2.2 3.37 tr. 90.08 第一坑15区 二酸化マンガン鉱鉱染縞状チャート 88 2.3 1.74 tr. 90.80 第一坑15区 二酸化マンガン鉱鉱染縞状チャート S1 Chip 34.90 32.29 21.45 第一坑4区 塊状チャート下盤菱マンガン鉱 高品位鉱 S2 Chip 8.81 6.98 74.44 第一坑4区 縞状チャート菱マンガン鉱 低品位鉱 S3 Chip 27.84 27.05 29.23 第一坑4区中段 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 S4 Chip 19.20 18.15 46.24 第一坑4区中段 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 S5 Chip 24.35 22.59 26.35 第一坑6区 縞状鉱 中品位鉱 S6 Chip 39.35 38.92 12.81 第一坑8区 塊状チャート下盤縞状鉱 高品位鉱 S7 Chip 22.16 21.82 26.69 第一坑8区 塊状チャート下盤縞状鉱 中品位鉱 S8 Chip 24.17 23.39 30.16 第一坑8区 塊状チャート下盤縞状鉱 中品位鉱 中央坑 S1 Chip 22.69 19.63 39.55 中央坑5区 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 S2 Chip 27.49 25.74 34.65 中央坑6区 縞状鉱 中品位鉱 S3 Chip 24.87 24.08 28.90 中央坑8区 上盤側ハウスマン鉱 中品位鉱 S4 Chip 33.77 33.33 17.89 中央坑8区 下盤側ハウスマン鉱 高品位鉱 S5 Chip 22.08 21.82 32.76 旭坑7区中段 縞状鉱 中品位鉱 S7 Chip 10.12 7.85 57.50 中央坑9区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 S8 Chip 15.62 14.83 45.49 中央坑9区 縞状鉱 低品位鉱 S9 Chip 11.87 8.73 62.54 中央坑10区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 S10 Chip 36.91 36.74 11.62 中央坑10区 ハウスマン鉱 高品位鉱 旭坑 59 1.4 47.43 44.20 17.14 旭坑5区 塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 60 0.7 17.68 17.34 47.58 旭坑5区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 61 1.4 46.37 44.28 12.12 旭坑5区 塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 62 1.2 44.79 41.26 11.54 旭坑5区 塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 63 1.5 14.28 14.23 59.88 旭坑5区 塊状菱マンガン鉱下盤 低品位鉱 64 1.5 46.03 38.73 13.28 旭坑5区 塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 65 0.6 27.78 15.66 41.60 旭坑5区 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 66 2.7 29.75 28.80 22.10 旭坑5区 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 67 1.3 25.54 24.92 19.08 旭坑6区 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 68 1.5 34.80 34.18 3.38 旭坑7区 塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 69 1.1 11.51 11.36 67.80 旭坑8区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 70 4.2 5.05 4.97 77.78 旭坑8区 下盤側縞状鉱 低品位鉱 71 1.3 21.05 20.12 32.58 旭坑8区 上盤側縞状鉱 中品位鉱 72 2.1 8.36 2.95 79.82 旭坑10区 上盤側縞状鉱 低品位鉱 73 3.5 6.74 6.15 71.20 旭坑10区 下盤側縞状鉱 低品位鉱 74 4.1 11.23 9.85 62.80 旭坑10区 上盤側縞状鉱 低品位鉱 75 4.1 8.78 8.58 68.02 旭坑10区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 76 1.0 28.06 27.95 16.26 旭坑12区 上盤側薔薇輝石鉱 中品位鉱 77 1.8 17.85 14.82 59.72 旭坑12区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 78 0.9 17.91 15.66 57.18 旭坑12区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 79 1.3 31.80 23.58 35.86 旭坑12区 縞状鉱 高品位鉱 80 1.1 13.14 12.46 63.34 旭坑13区 二酸化マンガン鉱鉱染縞状鉱 低品位鉱 81 0.8 19.08 17.51 46.00 旭坑13区 縞状鉱 低品位鉱 S1 Chip 26.96 26.18 33.86 旭坑中段 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 S2 Chip 28.88 28.36 17.60 旭坑11区 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 S3 Chip 6.98 5.59 67.44 旭坑10区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 S4 Chip 10.65 7.85 73.71 旭坑12区 薔薇輝石鉱 低品位鉱 S5 Chip 12.20 9.95 81.56 旭坑12区 薔薇輝石鉱 低品位鉱 S11 Chip 40.49 39.97 8.38 旭坑7区16m中段 塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 S12 Chip 14.05 13.53 48.69 旭坑11区16m中段 縞状鉱 低品位鉱 Sample 2 Chip 12.96 11.61 64.87 旭坑11区9m中段 縞状鉱 低品位鉱 Sample 9 Chip 15.28 14.75 47.70 旭坑11区9m中段 縞状鉱 低品位鉱 敷島坑 28 4.3 21.91 21.62 30.26 敷島坑5区 塊状白色菱マンガン鉱 中品位鉱 29 0.8 10.10 77.08 61.54 敷島坑5区 塊状白色菱マンガン鉱 中品位鉱 30 2.5 4.43 4.43 77.08 敷島坑7区 塊状白色菱マンガン鉱 中品位鉱 31 0.8 41.52 41.46 14.50 敷島坑9区 縞状鉱 高品位鉱 32 1.2 19.96 18.87 36.74 敷島坑9区 縞状鉱 低品位鉱 33 1.0 11.04 10.81 67.18 敷島坑9区 縞状薔薇輝石鉱 低品位鉱 34 1.8 11.10 10.45 64.38 敷島坑10区 縞状鉱 低品位鉱 35 1.3 14.12 13.99 54.46 敷島坑11区 縞状鉱 低品位鉱 36 1.2 23.39 20.47 39.04 敷島坑11区 縞状鉱 中品位鉱 敷島坑 37 1.4 23.92 20.38 40.94 敷島坑12区 縞状鉱 中品位鉱 38 1.4 46.39 42.08 12.96 敷島坑12区 ハウスマン鉱 高品位鉱 39 0.5 29.24 16.83 43.98 敷島坑12区 薔薇輝石鉱 中品位鉱 40 0.8 39.98 39.69 6.32 敷島坑12区 塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 41 1.4 25.22 16.74 51.14 敷島坑12区 縞状薔薇輝石鉱 中品位鉱 42 1.9 26.76 15.51 53.38 敷島坑12区 縞状鉱 中品位鉱 43 2.1 27.29 21.35 39.78 敷島坑12区 白色縞状鉱下盤側 中品位鉱 44 1.2 20.73 14.18 42.10 敷島坑12区 茶色縞状鉱下盤側 中品位鉱 45 0.9 24.17 21.56 35.46 敷島坑11区 縞状鉱下盤側 中品位鉱 46 1.5 38.62 38.22 10.88 敷島坑13区 縞状鉱 高品位鉱 47 2.7 45.13 40.84 7.78 敷島坑13区 Ω褶曲部 菱マンガン鉱 高品位鉱 48 2.6 42.94 40.00 6.64 敷島坑13区 Ω褶曲部 菱マンガン鉱 高品位鉱 49 0.8 42.77 38.40 3.46 敷島坑13区 Ω褶曲部 ハウスマン鉱 高品位鉱 51 1.5 25.60 16.67 53.00 敷島坑14区 塊状チャート下盤縞状鉱 中品位鉱 52 2.0 11.10 10.44 65.54 敷島坑14区 塊状チャート下盤縞状鉱 低品位鉱 53 1.6 8.70 7.75 71.38 敷島坑15区 縞状チャート 54 1.8 3.93 3.62 82.94 敷島坑19区 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 55 2.1 3.70 3.70 83.22 敷島坑20区 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 56 1.1 14.59 13.89 59.60 敷島坑24区 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 57 1.5 6.79 6.74 75.60 敷島坑26区 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 58 1.7 6.17 3.37 84.66 敷島坑26区 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 S1 Chip 6.11 5.76 94.27 敷島坑14区 塊状チャート下盤縞状鉱 低品位鉱 S2 Chip 19.63 18.32 30.51 敷島坑7区 縞状鉱 低品位鉱 No.1 1.3 21.90 17.07 35.04 敷島坑7区 縞状鉱 中品位鉱 No.2 1.4 5.58 5.49 72.04 敷島坑16区 縞状鉱 低品位鉱 65m坑 3 2.0 22.88 21.54 33.87 65m坑7区 縞状鉱 中品位鉱 4 2.5 28.42 27.71 27.22 65m坑7区 縞状鉱 中品位鉱 6 1.2 23.24 20.29 37.06 65m坑区 縞状鉱 中品位鉱 7 5.0 22.34 20.56 40.53 65m坑区 縞状鉱 中品位鉱 8 1.5 16.27 15.19 45.68 65m坑13区 下盤縞状鉱 低品位鉱 14 1.2 32.48 31.98 18.62 65m坑7区 縞状鉱 中品位鉱 15 1.4 7.50 7.00 68.44 65m坑7区 縞状鉱 低品位鉱 16 1.3 20.26 19.49 41.30 65m坑8区 縞状鉱 中品位鉱 17 1.1 31.78 31.18 7.34 65m坑8区 縞状鉱 高品位鉱 18 0.7 16.66 16.30 34.08 65m坑8区 縞状鉱 低品位鉱 19 0.8 22.03 19.49 34.14 65m坑10区 ハウスマン鉱 中品位鉱 20 0.7 21.10 13.38 44.30 65m坑10区 縞状鉱 中品位鉱 21 2.8 10.81 8.86 62.06 65m坑11区 縞状鉱 低品位鉱 22 1.3 15.37 14.75 41.84 65m坑区 縞状鉱 低品位鉱 23 1.2 57.18 51.92 13.54 65m坑13区 下盤側ハウスマン鉱 高品位鉱 24 2.3 48.43 42.26 15.96 65m坑13区 上盤側ハウスマン鉱 高品位鉱 25 2.0 35.56 29.06 28.82 65m坑13区 下盤側ハウスマン鉱 高品位鉱 26 0.7 26.88 24.36 39.82 65m坑13区 縞状鉱 中品位鉱 27 1.2 8.62 7.71 69.22 65m坑13区 下盤側縞状鉱 低品位鉱 S2 Chip 32.98 32.72 19.05 65m坑10区 ハウスマン鉱 高品位鉱 S3 Chip 22.34 21.90 40.30 65m坑10区 ハウスマン鉱 中品位鉱 S4 Chip 45.81 43.63 18.58 65m坑13区 ハウスマン鉱 高品位鉱 S5 Chip 43.02 42.76 21.25 65m坑13区 ハウスマン鉱 高品位鉱 S6 1.2 23.24 20.29 37.06 65m坑15区 縞状鉱 低品位鉱 S7 5.0 22.34 20.56 40.53 65m坑15区 縞状鉱 低品位鉱 35m坑 9 1.5 47.84 41.55 14.84 35m坑10区 ハウスマン鉱 高品位鉱 10 2.0 22.09 20.64 32.40 35m坑7区 縞状鉱 中品位鉱 11 2.0 15.71 15.27 45.83 35m坑8区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 12 1.3 27.05 24.35 36.48 35m坑10区 塊状菱マンガン鉱 中品位鉱 13 2.0 23.30 21.82 43.99 35m坑11区 縞状鉱 中品位鉱 14 1.8 25.13 23.12 27.83 35m坑13区 縞状鉱 中品位鉱 15 1.0 23.56 22.25 48.64 35m坑14区 縞状鉱 中品位鉱 16 1.2 24.43 22.69 46.57 35m坑14区 縞状鉱 中品位鉱 17 1.5 23.04 20.07 45.71 35m坑14区 縞状鉱 中品位鉱 18 2.0 13.79 11.87 58.43 35m坑14区 縞状鉱 低品位鉱 19 1.3 13.44 13.09 64.59 35m坑15区 縞状鉱 低品位鉱 弥生坑 19 3.0 19.37 18.85 54.85 弥生坑11区中段 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 20 1.5 17.54 16.93 55.94 弥生坑11区中段 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 21 1.5 21.73 21.03 47.10 弥生坑12区中段 縞状チャート中の縞状鉱 中品位鉱 22 1.6 22.34 21.90 37.85 弥生坑12区中段 縞状チャート中の縞状鉱 中品位鉱 23 1.5 27.66 26.61 27.16 弥生坑12区中段 縞状チャート中の縞状鉱 中品位鉱 24 1.2 20.07 19.20 36.71 弥生坑14区 縞状チャート中の縞状鉱 中品位鉱 25 3.0 17.10 16.75 49.32 弥生坑14区 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 No.1 1.8 16.36 15.06 49.60 弥生坑10区 塊状菱マンガン鉱 低品位鉱 No.2 2.8 39.22 32.45 16.10 弥生坑10区 塊状菱マンガン鉱 高品位鉱 No.3 1.8 19.91 18.78 31.64 弥生坑11区 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 No.4 3.3 15.00 14.80 46.90 弥生坑13区 縞状チャート中の縞状鉱 低品位鉱 No.5 2.2 23.33 23.30 40.32 弥生坑13区 縞状チャート中の縞状鉱 中品位鉱 坑準 試料番号 試料採取幅m Mn % 可溶性Mn % SiO2% 摘 要 坑準 試料番号 試料採取幅m Mn % 可溶性Mn % SiO2% 摘 要 表4 浜横川鉱山鉱石分析値表 鉱山資料