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賀田高架橋における耐候性鋼材の適用性に関する取組み

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Academic year: 2022

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賀田高架橋における耐候性鋼材の適用性に関する取組み

川田工業㈱ 正会員 ○田中 一夫 国土交通省 紀勢国道事務所 非会員 東野 竜哉 川田工業㈱ 非会員 田坂 康介 国土交通省 紀勢国道事務所 非会員 誓山 実 川田工業㈱ 非会員 溝口 勝

1.目的

熊野尾鷲道路の賀田高架橋は、耐候性鋼材を使用した3径間連続2主鈑桁橋梁である。本線・Cランプの2 橋が併設して計画され、本線は平成25年10月、Cランプは平成26年3月に供用が開始された。海岸線から 3km程度の距離である架橋地点周辺は採石場と近接しており、運搬車両の通行による粉塵が非常に多い。また、

本線側はすぐ脇に斜面がせまっているため、風通しも悪く、耐候性鋼材の保護性さび形成に必要な乾湿の繰り 返しが少ない環境といえる。橋梁の全景と周辺の様子を写真1に示す。

これらの環境が耐候性鋼材の発錆に及ぼす影響を観察することを目的とし、本線の桁下に暴露試験片を設置 するとともに、実橋(本線・Cランプ)にはモニターポイントを設定した。各試験で実施する計測項目と目的を 表1に示す。

2.暴露試験片

暴露試験片は、最も風通しが悪いA1橋台の前に設置することで、主に風環境による発錆状況に着目して観 察を行う。また、試験片は定期点検の際に、さび厚の計測や外観観察を行うと同時に、状態に応じてさび性状 の経年変化のサンプルとして保管を行う予定である。

試験片は、50mm×6mm×150mmの短冊状であり、水平配置(H-)と垂直配置(V-)のものをそれぞれ11体ずつ設 置した。この内、二組の試験片は橋梁本体の仕様に合わせてさび安定化補助処理を施したものとし、一組の試 験片は板厚計測用として片面のみに塗装(下塗り一層程度)を施している。試験片の設置状況を写真2に、設 置から9ヶ月後にサンプリングした試験片を写真3に示す。

キーワード:耐候性鋼材、モニターポイント、さび厚、さび外観、付着塩分量、粉塵

連絡先:〒550-0014 大阪府大阪市西区北堀江1-22-19(シルバービル)川田工業㈱ TEL:06-6532-4897 写真1 賀田高架橋全景

C ランプ 起点 本線

終点

表1 試験項目と目的

乾湿 粉塵

さび外観 ○ 竣工前

さび厚 ○ 竣工前

板厚 ○ 設置時

サンプリング ○ さびなし/竣工前

さび外観 ○ 竣工前

さび厚 ○ 本)架設後/竣工前 Cラ)架設前/竣工前 板厚 ○ 本)架設後/    Cラ)架設前 付着塩分量 △ ○ 本)架設後/竣工前 Cラ)竣工前 セロテープ試験 △ ○ 竣工前

暴露試験片

モニターポイント

試験体 実施項目 目的(影響) 計測時期

写真2 試験片の設置状況

ウェザーアクト処理試験片 垂直試験片

刻印面 裏面 TP-0~8

TP-9、10

TP-11 塗装 裸仕様

ウェザーアクト処理 裸仕様

水平試験片 さび安定化補助処理試験片

さび安定化補助処理

土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑1183‑

Ⅰ‑592

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3.モニターポイント

モニターポイントは、点検時に検査路からのアクセスが可能であ り、且つ計測のし易さに配慮しP1橋脚付近に設定した。P1橋脚上 は風環境と粉塵のいずれの影響も受ける。特に、採石運搬道路およ び地面にも近いため、粉塵の巻上げの影響が大きいと考えられる。

モニターポイントでの計測項目と位置を図1に示す。裸仕様の桁 では、さび外観・さび厚・板厚の計測、さび安定化補助を施した桁 では付着塩分量の計測を行った。板厚計測面は、さび厚計測面の裏 側とし、片面からのさびの進行に着目するために、片面に塗装を施 している(写真4)。

4.試験結果

暴露試験片・モニターポイントとも、これまでに2回計測を行っ ている。架橋後の経過期間が短いため、これらの結果だけで保護性 さび形成への影響を判断することは難しいが、データ計測・整理に より現段階で推定できる事項を以下に示す。

(1)暴露試験片

竣工前のさびの外観は、外観評点で、「5」程度であった(写真3)。 さび厚は、水平配置で40~80μm、垂直配置で 30~50μm であり、

水平配置の方が厚かった。これは、降雨や結露などで表面に付着し た水分が自然に流れないことなどが理由として考えられる。

(2)モニターポイント

竣工前のさび外観は暴露試験片と同程度であり、評点「5」程度であ った(写真5)。さび厚も、ウェブ面では 20μm~40μm 程度、下フラ ンジ上面で20μm~130μm程度であり、暴露試験片と同様、水平向き でのさび厚が厚くなる傾向が見られた。

付着塩分量の計測結果を表2に示す。下フランジ上面での値が大きい 傾向となった。下フランジ上面は粉塵の堆積も見られることから、その 影響も考えられる。しかし、今回計測のデータでは、さび状態が良好な 橋梁で計測される付着分量(50~1000mg/㎡)の範

囲内であった。

本データは、工事期間中における環境下で形成され たさびの状況であり、今後、路線供用および橋梁周辺 の整備が完了し、環境が安定した状態では、さびの進 行や形成状況は変化することが予想される。今後の観 察・点検による判断の基礎データとなると考える。

参考文献

1)日本鋼構造協会:テクニカルレポート73「耐候性橋 梁の可能性と新しい技術」,2006.10

2)日本鋼構造協会:テクニカルレポート86「耐候性橋 梁の適用性評価と防食予防保全」,2009.9

3)日本道路協会:鋼道路橋塗装・防食便覧,2005.12

写真3 試験片

板厚計測用 さび厚計測用

写真4 モニターポイント

本線WEB(内) CランプL-FLG(内) 写真5 モニターポイントのさび外観

(㎎/㎡) WEB(外面) L-FLG(上面:外) L-FLG(下面:外)

架設後 46.5 97.1 79.5

竣工前 69.7 243.0 62.9

Cランプ 竣工前 103.0 265.0 11.8 本線

表2 付着塩分量計測結果

CCL

LG1 LG2

2900

2.0%

さび厚測定 板厚測定 付着塩分量

※本線はCランプと対称 図1 モニターポイント計測位置

(Cランプ) 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑1184‑

Ⅰ‑592

参照

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