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電気転てつ機のロック偏移調整仕上がり状態確認装置の開発

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Academic year: 2022

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(1)

電気転てつ機のロック偏移調整仕上がり状態確認装置の開発

ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 正会員 ○石間 計夫 東日本旅客鉄道株式会社 菊地 真弘

1.背景と目的

電気転てつ機は,分岐器の転換後,鎖錠カンの切欠 けにロックピースが挿入されて列車通過時の転換を防 いでいる.(図1)この時,転換後の鎖錠カンの位置が ずれてロックピースが挿入できないと転換が完了せず,

信号が切替わらないなど列車運行に影響が出る.

現在,ロック偏移調整(以下,ロック調整)作業は,

ロック調整者と転てつ機のロック窓からロックピース の状態を確認する者の二人一組で行っているが,微調 整が難しいことやロック窓の観察体勢が困難な課題が ある.筆者らは,ロック調整者が直接,ロックピース の位置を確認できる装置の開発,並びに,調整作業を 支援するための機能開発を行った.本稿では,その内 容を報告する.

図1 鎖錠カンへのロックピース挿入イメージ 2.開発条件

装置の開発条件を表1に示す.表中“No1”に示すロ ック状態の確認は,ロック窓付近にカメラを設置し,

調整者がタブレットを用いて視認する仕様条件とした.

次に “No2”のロック調整状態の数値化は,図2に 示すロックピースと鎖錠カンの左右隙間量を対象とし て,カメラ映像を基に,画像解析を用いてリアルタイ ムに計測・表示することを条件とした.

本装置の名称は「電気転てつ機ロック偏移仕上がり 状態確認装置(以下,ロック偏移確認装置)」とした.

表1 装置の開発条件

No 開発条件

1 調整者が、ロック状態を確認しながら調整作業可能 2 ロック調整状態は、映像と数値での確認が可能 3 夜間・昼間作業を問わず使用可能

○mm △mm

鎖錠カン ロックピース

図2 ロック調整状態の抽出対象 3.ロック偏移確認装置の開発

装置開発では「カメラ・照明の選定及び設置手法検 討」と「ロック調整状態を抽出するための画像解析手 法検討」を行った.以下に検討内容を記載する.

(1)カメラ・照明の選定及び設置手法の検討

カメラ・照明の検討は,先ず,市販の LED 内蔵カメ ラで検証した.カメラの離隔を 4 段階(10,30,50,75mm)

に変化した中で,高い視認性が得られた 50mm の画像を 図3に示す.この結果,手前のロックピース(図3“①”) の横に影(“○”)が発生し,画像解析を行う上で,精 度に影響することが分かった.

このため,LED の照射波長と配置方法を検討した.そ の結果,ロックピースと鎖錠カン左右の隙間の輝度差 が最も得られた赤外線波長(850nm)を採用し,さらに,

ロックピース表面(金属面)への LED の写りこみを抑 制するため,LED と LED ボード(前面)に対して二重の 拡散デバイスを設けた.LED と LED ボードの仕様を表2 に示す.同照明を用いて撮影した映像(写真1)は,

ロックピース左右の影が無くなり,画像解析の適性も 高いことが分かった.また,カメラ及び撮像素子(セ ンサ)についても,ひずみの少ないレンズと赤外線フ ィルタレスのセンサに変更した.

撮影映像(キャプチャ画像) 試験状況

LED内蔵型カメラ(ロック窓-カメラ離隔:50mm)

50mm

※撮影時は、暗幕を設置した

図3

LED

内蔵型カメラによるロック窓撮影結果 キーワード 鉄道,保線,電気転てつ機,画像処理,LED,カメラ

連絡先 〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー5F

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑637‑

Ⅵ‑319

(2)

写真1 赤外線照明を用いたロック窓撮影画像 表2

LED

及び

LED

ボードの仕様

種別 項目 仕様

寸法 φ5×9mm

波長 850nm

照射角度 ±3°

放射強度 1250mW/sr(100mA,20ms)

灯数 34灯

寸法 95×69mm

LED

LEDボード

(2)画像処理手法の検討

画像処理は,図4に示すロック窓内部の模型を基に,

ロックピースの形状検出手法を開発し現場に適用した.

その結果,ロックピース表面への潤滑油等の付着や 劣化による欠けなど,現場特有の要因で検出できない 場合があった.また,カメラを窓に設置する位置が微 妙に異なることによる誤検出も課題となった.

このため,初期起動時にロックピースの幅と高さを 入力する機能,及び検出時に補助十字線をロックピー ス中心付近に手動で設定する機能を追加した.(図5)

その結果,社内試験で±1mm の精度が得られた.また 付帯機能として,作業員と分岐器名称の入力機能,調 整完了状態の画像記録と送信機能を内蔵した.(図6)

4.性能試験 (1)概要

試験は,A駅構内の分岐器を対象として実施した.

画像処理により検出された ロックピース形状

図4 ロックピース模型を用いた検出結果

図5 ロックピース検出の補助機能

図6 ロック偏移確認装置(検出時画面)

(2)結果

試験対象とした 7 地点の分岐器の中で,電気ケーブ ルが支障し,治具が設置できない地点が 1 箇所あった.

(図7・右)しかし他の分岐器は,設置・計測が実施 でき,調整員が、タブレットで状態確認しながら調整 できた.調整値の更新間隔は 700ms が妥当であった.

装置が設置可能であった例 装置が設置不可であった例 試験結果( 一部抜粋)

装置が入らない

図7 装置の設置状況 5.まとめ

ロック偏移確認装置は,二人一組で行っているロッ ク調整作業を一人で実施することが実証できた.また,

作業時間帯が検出精度に与える影響も無かった.一方,

タブレットで確認しているロック調整値や映像は,図 8(“○”)に示すように,調整者に音で伝えることが 可能である.また,サーバ上で画像処理する方式にす ると調整作業状況のモニタリングも可能である.この ように,今回開発した装置を基礎として,さらに有用 なシステムに発展する可能性がある.

クラウド型サーバ

データベース 画像認識

エンジン

分岐器A

ロック調整者A

分岐器B

ロック調整者B 信A

・・

端末 端末

図8 ロック偏移確認システムのイメージ 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑638‑

Ⅵ‑319

参照

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