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学位論文審査結果の要旨

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Academic year: 2021

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(様式 7)

学位論文審査結果の要旨

氏 名

窪田 高秋

審査委員 委員長 和 泉 好 計 印 委 員 簗 瀬 英 司 印 委 員 河 田 康 志 印 委 員 木 瀬 直 樹 印

論文題目 Studies on the Biotin Biosynthetic Enzymes of Various Thermophiles

(好熱菌由来ビオチン生合成系酵素の研究)

審査結果の要旨

ビオチン(ビタミン H)はカルボキシラーゼの補酵素として微生物だけでなく高等生物に とっても必須の生体内物質であり、現在, 化粧品・飼料などへの添加物として広く用いられ ている。一方,好熱性酵素は熱安定性や保存安定性、溶媒耐性の高さにおいて応用的・実用 的に大きな利点を有することが知られている。

本研究では、有用なビオチンやその中間体の合成, 中間体の酵素的定量など多くの応用・

実用に利用可能であると考えられるビオチン生合成関連の好熱性酵素とその遺伝子ライブ ラリを構築することを目的とした研究成果をまとめたものである。

本研究は、今まで全く報告がない好熱性のビオチン生合成関連酵素に関する研究という点 で独創性の高い研究であると評価ができる。

本研究ではまず、ビオチン生合成系関連の酵素のなかで, 特に BioF(ビオチン生合成系 の第2段階の反応, ピメリル CoA + L-アラニン→7-ケト-8-アミノペラルゴン酸 + CoA +CO2

を触媒する酵素)について6種類の好熱菌から組換え酵素の取得と酵素化学的性質の解明を 行い, 以下の知見を得た。

1) 全ゲノムがすでに解明されている高度好熱菌Thermus thermophilusから、バイオイン フォマティクスの手法を用いてビオチン生合成に関わる酵素遺伝子を探索し, そのうち bioF ホモログを見出した。これを大腸菌内で発現させ, 精製した組換えタンパク質の諸性 質を検討した結果, 至適温度(70℃)と温度安定性 (70℃,1hで 90%活性残存)がいずれ も常温菌からの酵素と比較して高いことを明らかにした。BioF 活性とともに 2-アミノ-3- ケト酪酸 CoA リガーゼ活性を示す点でも本酵素が属する生体の重要なα-oxoamine synthase ファミリー酵素のなかで最初の例であり、この事実を見いだしたことは酵素科学において意 義が大きい。

2) バイオインフォマティクスの手法から, T. thermophilus 以外にビオチン生合成系酵 素を持つと推定される好熱菌を 5 種見出した。そこでこれらのゲノムからbioFホモログ遺 伝子をクローニングし, 組換え酵素を調製するとともに, BioF 活性を検出することに成功 し, これらのすべての遺伝子と酵素の特性解明および比較・評価を行った結果,初期の目的 である好熱性 BioF 酵素のライブラリが初めて構築できた。

以上のように本論文は好熱性微生物の遺伝子データベースを基にして遺伝子を発現させ、

好熱性ビオチン生合成関連酵素活性をもつ各種の酵素タンパク質を初めて見いだすととも にそれらの特性を解明したことは、基礎的にも応用的にも応用酵素学、応用微生物学、生物 工学に大きな貢献をしたと考えられ大きな意義がある。

よって, 本論文は博士 (工学) の学位論文として価値あるものと認める。

参照

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